○
伊藤説明員 ただいまの
今泉さんの御
質問また御注意の点につきましては、非常に要約されまして、また現在の新発足しました
電力会社に対しての非常に御親切な御忠告であると
考えまして、私
どもともに傾聴したのでありますが、グッドサーヴィスにしますこと、並びに諸
経費の
軽減ということは、これはただここで机上の空論として
答弁すること、並びに九
会社の人が
答弁することよりも、これは具体的な
数字に現わしまして、あるいは率とか
金額等のことについて
答弁された方がよいのではないか、私
どもの
調査もそこに目標を置くつもりであります。また
電源開発については、これは別の問題でありまして、今私はここでどういう
方針をとるということは差控えたいと思いますが、その以後の問題であります、すなわち絶対必要なる
合理化、これにはまた内輪には
ロスをいかにして
軽減するか、また中央、
地方、いわゆる日発と旧
会社が合一して新発足した以上は、それに対して
経費の
軽減が当然あるべきものであるという御
質問に対しては、まことに私
ども同感であります。この絶対必要なる
合理化の中に、一番先に
ロスをおあげくださいましたことも非常に賢明な御注意でありますが、これは各
電力会社がすでに十二分に承知し、むしろみずからの力で是正したいという
説明をたびたび聞いたのであります。まず第一に、
電気の性質といたしまして、送電をいたしますのに、細い線に高圧のものを送ることができないにかかわらず、その需用のものをほとんどフルまでに送
つておるというようなことであ
つて、いわゆるテクニカルに
ロスをや
つているということはみな知
つているような
状態です。本年の新予算におきましても、送電線の
改善を大分加えたのであります。たとえば、近くで申しますれば、東北の日平線であるとか、あるいは九州から中国との連絡線であるとかいうような
方面に対する切りかえ及び新とりかえ、これによります
電気の節減が相当あるはずであります。それからまた壇用、盗用等もまつたく絶無ではないと信じます。これに対することは、やはり一定のわくをきめまして、そのわくに沿うようにやらなければならぬ。
電気の性質といたしまして、
日本のごとく端から端へと長い国では、どうしても送電費が高くつくことは事実であります。おおむね何十パーセントが当然
電気の性質として消耗すべきものであるということを
基準といたしまして、それから以上のものをまず三年間で
ロスの
軽減をしたい。そのうち三分の一が本年現わしました。たしか三分何厘と
考えますが、それだけにいたしましても非常に大きな
合理化ができることであります。これは送電その他に関する
説明でありますが、他の
経理上の、また総括的な
合理化というもの、これこそ私
どもは最も楽しみにし、また当然やるべきものと信じます。その一例が、
東京電力その他に対する御注意もありましたが、これらのことも、ただ、今日合併をいたしまして新発足をいたしますときにおける人の割振り上、やむを得ずいろいろのことができておるものもないではないと—私はあるとは申しませんが、絶無とは
考えられぬのであります。彼らの
会社の自発的な
努力によりまして、そういう御忠告のことに対する
合理化が近くされるものと信じます。
なお次に、償却に関して、一時に多額の税を
消費者に盛り込むかということでありますが、これは、今すでに相当大きな償却を
原価に盛り込むというふうに誤解があります折から、その税まで盛り込みますことは、これはまたそれ以上の大きな
数字になるのであります。これらは御注意によりまして、相当な具体的な
方法によ
つて—あるいは何年間とか、あるいは持
つているものの
引上げであるとかいうような
方法によ
つて支出をすることが妥当ではなかろうかと
考えます。それから今度の一番大きな問題にかか
つているのは、言うまでもなく、先刻のお話の、再
評価による大きな金額を一時にすることは非常に無理である。他の
事業でもこうである。ことに
鉄道に対してもこういうことであるから、それを考慮してみたらどうかということであります。今度の
値上げの上におきまして、再
評価の額をきめて、それによる一定の償却が
需用家にどういうふうにな
つて行くかということが見やすい原理であるとともに、
電力事業におきましては、決して
需用家の
負担ではありませんが、増発、開発修繕等に対する合理的な余剰がここにあるのではなかろうか。すなわち
政府におきましても、再
評価を認識いたしましたこと、すなわちものさしの
基準をかえさせましたこともここにあるのではなかろうか。一方これを多額にいたしますことは、非常な大きな金額になると同時に、また
電力事業のごとく固定
資産を多く擁し、また資本に対する認識の確認が経済の上において非常に大きな部分を占めております以上は、この
値上げということに対して必ずしも反対をするというわけではありませんが、しかし
今泉君のお話のごとく他の
事業もそうじやないか、また一度に
値上げするということは
国民に非常な衝撃を与えるので、こういうことは是正すべきであるということは非常に肯繁に当るものであります。これらは最後に
決定します上における大きな御忠告と
考えまして、私は帰
つて委員会にこれを報告し、協議の
基礎にいたしたいと思います。
大体そのようなことでありまして、ただいまの再
評価の金額をいかにするかということが、今度の料率には非常に大きな問題であるということは私も
考えておるし、また日夜頭を悩ましておる次第であります。