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1951-02-23 第10回国会 衆議院 通商産業委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月二十三日(金曜日)     午後一時五十九分開議  出席委員    委員長 小金 義照君    理事 阿左美廣治君 理事 多武良哲三君    理事 中村 幸八君 理事 高橋清治郎君    理事 今澄  勇君       小川 平二君    神田  博君       澁谷雄太郎君    玉置  實君       永井 要造君    中村 純一君       村上  勇君    河野 金昇君       加藤 鐐造君    風早八十二君       田代 文久君  出席国務大臣         通商産業大臣  横尾  龍君  出席政府委員         内閣官房長官  岡崎 勝男君         農林事務官         (農政局長)  藤田  巖君         通商産業政務次         官       首藤 新八君  委員外出席者         公益事業委員会         委員      河上 弘一君         公益事業委員会         委員      宮原  清君         参  考  人         (日本発送電株         式会社総裁) 森 壽五郎君         参  考  人         (日本電気産業         労働組合)         (中央執行委員         長)      藤田  進君         專  門  員 谷崎  明君         專  門  員 大石 主計君         專  門  員 越田 清七君     ————————————— 二月二十三日  委員今野武雄辞任につき、その補欠として田  代文久君が議長の指名で委員に選任された。 二月十九日  成羽川成弱町地内に発電所設置請願橋本龍  伍君紹介)(第七四六号)  中小企業等協同組合設立認可制度並びに知事  の監督権強化に関する請願坂田道太紹介)  (第七四七号)  電気事業編成に伴う発電設備等讓受に関する  請願小西英雄紹介)(第七七七号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員補欠選任  重要物資需給に関する件  電気事業編成に関する件     —————————————
  2. 小金義照

    小金委員長 これより通商産業委員会を開会いたします。  議事に入ります前に、委員変更について報告いたします。去る十四日、今野武雄君が田代文久君にかわつて通産委員になられたのでありますが、本日また元通り田代文久君に変更になりました。  この際おはかりいたします。今野武雄君は、委員辞任と同時に地下資源開発及び合理化に関する小委員と、工業に関する小委員辞任されることになりますので、その補欠として田代文久君をそれぞれの小委員として選任いたしたいと思いますが、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小金義照

    小金委員長 御異議がないようでありますから、さよう決定いたします。  なお風早八十二君が本日委員辞任せられました。その補欠として、江崎一治君が選任せられました。小委員につきましても、風早君のあと全部を江崎君に選任いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 小金義照

    小金委員長 御異議がないようでありますから、その通り決定いたします。  これより議事に入ります。本日は、公報で御通知申し上げました通り重要物資需給に関する件及び電気事業編成に関する件を議題といたします。  最初に重要物資需給に関し調査を進めます。本件につきましては、高橋清治郎君の発言が留保されておりましたので、まずこれを許します。高橋清治郎君。
  5. 神田博

    神田委員 ちよつと議事進行について……。きようの委員会は、もつぱら電気のことでやるというお話で私も参つたのでありますが、公報は何かの手違いであつたろうと考えておつたのですが、ただいま委員長のあいさつを聞いておりますと、電気の方はあとまわしで、公報に掲げた通りのことをおやりになるようでありまして、どうもきのう私がお聞きしたのとはなはだ違うようであります。ことに、電気のことをやるとすれば、要求しておきました政府委員あるいは関係諸君の顔も見えてないようでありますが、一体これらはどうしてこういうことになつたのか、ひとつ委員長に釈明してもらいたいと思います。
  6. 小金義照

    小金委員長 それでは私からお答えいたします。これは前に高橋清治郎君の重要物資需給に関する件で発言が留保されておりましたので、電気をやる前にこの高橋君の発言を許すということを決定いたしまして、きようこれを許したのであります。なお、今関係政府委員を呼んでおりますから、一部来られない人に対しては至急出席を求めております。
  7. 神田博

    神田委員 理事会でさような御決定はあつたかもしれませんが、きのう私が委員長から聞いたこととは大分これは違うのでありまして、はなはだふに落ちないのでありますが、委員長は一体電気のことをまじめにお取上げになつてお考えなつておられるのかどうか、どうも私は納得が行かないのであります。理事会でさような御決定をなさつたならば、理事会でひとつ——とにかく再編成の仮人事も本日きまろうとしているような重大な段階なのですから、理事会を開いて、ひとつあらためて電気をおやりになることにお諮り願つた方がいいのではないかと私は思います。
  8. 小金義照

    小金委員長 高橋君の発言は非常に簡單であるというのでこれを前に許したのでありますが、まあその点は御了承願いたいと思います。高橋清治郎君。
  9. 高橋清治郎

    高橋(清)委員 いろいろ神田委員から議事進行についての申出もありましたから、私の質問はごく簡單に、そして箇條書的に質問いたしますから、御回答願いたいと思うのです。  それは、実際問題といたしまして通産省繊維局においては、綿糸とかそういつたもののから手形切符を非常に発行しておるようです。実際現物裏づけなしに発券しておるということはどういうわけか。ことに私の調査によりますと、政略的に出し切符にはヤードでもつてこれを出しておる。現物裏づけをしたものにはポンド、こういつたような、二種類の切符出しておるということであります。この点をその関係方々に御回答願いたい。  それから次には、最も今重要なものであるところの硫黄であります。硫黄わく——最近統制が解けるようでありますが、今日までのこれに対する割当切符というものが、安本、通産省農林省に與えたところのわくより以上の厖大なものを農林省出しておる。そのために業者その他が切符をもらつて現物の入手ができないという実情にあつてまことに困つておるのであります。これらの点をはつきりと御回答願いたい。これだけお尋ねいたします。
  10. 首藤新八

    首藤政府委員  繊維に関する切符がからクーポンである、もう一つは政略的に切符出したものに対しては、ヤード表示をしてあるという御質問でありますが、繊維切符に対しましては、そのほとんどが裏づけをしておるのであります。裏づけのない切符は絶対発行してないのであります。しかしながら実際問題といたしまして、これが大部分現物化しないといふ事実は否定定できないのであります。この問題につきまして、政府といたしましても今日まであらゆる努力を拂いまして、もつて完全に現物化する方途を講じて参つたのでありまして、これがために、昨年の三・四期以降におきましては、特に格段の措置を講じたのであります。それ以後におきまして相当改善されておりますけれども、なお御指摘通り相当のからクーポンが残つておることは事実でありまして、まことに遺憾に考えておるのであります。しからば一体どうしてからクーポンになるかということに相なるのでありますが、それは御承知通りひもをつけてありません関係上、紡績から糸屋に渡り、糸屋から機屋に渡る間に、時間的なずれが相当ありまして、クーポンを提示いたしましても、その時期に適当な品物がまだできていないというようなこともありますし、また一部好ましからぬ商業者あるいは機屋が、一般の物資統制解除なつており、綿糸も当然近く解除になるであろうというような考え方から、とかくこの問題についてルーズに扱う傾きもなきにしもあらずと考えておるのであります。かような関係上、からクーポンに終つておるということで、政府におきましてもこれが改善方についていろいろ検討いたしたのでありますが、これを根本的に改めることに相なりますれば、どうしても統制の、逆行的な方法を講じて行かなければならぬ、昔の非常に強固な統制にもどさなければならぬというような事情もありましてしかも実際、現在の日本経済界の情勢から見まして、これはむずかしいという事情がありますので、これはこの際すべからく統制を撤廃することがいいのではないかということで、統制の撤廃問題につきまして、現在せつかく関係方面折衝を続けておるでありまして、この折衝がどういうふうな結論に到達するか、目下のところまだ見通しはついておりませんけれども、御指摘のからクーポンが根本的に是正できない事情がありまする以上は、国の威信という関係からも、どうしてもむしろこの際撤廃した方がよいのじやないかというような考え方を持つておるわけであります。  なおまた政策的に発行いたしましたクーポンが、ヤードという標示なつておるというのでありますが、それはおそらく、織物の関係に対しましてはヤード標示をしておりますし、綿糸の方はポンドという標示をしておりますので、それの間違いじやないかと考えておるのでありまして、政策的に特にからクーポンを発行するというようなことは全然やつていないことを御了解願いたいと思うのであります。
  11. 藤田巖

    藤田政府委員 何か硫黄の問題につきまして、通産省から農林省割当てられた以上に農林省硫黄割当をした、こういうふうなことのお話でございます。農政局関係硫黄の問題と申しますと、農薬関係で、石灰硫黄剤原料であると考えております。これは御承知通り硫黄の現生産量はごくわずかである。ことに事実は、価格その他の関係で、せつかく割当てられました数量が、むしろ農薬関係原料としては確保されないというようなことが現実のように私は聞いております。従つて質問になりましたような事実はないと確信いたしておりますが、なおその点はいま一応調査をいたしてみたいと思います。
  12. 高橋清治郎

    高橋(清)委員 今次官からの御答弁によりますと、ヤードポンド、こう出しておるが、裏づけるのないものは全然出さぬというような御答弁でありまするけれども、過般繊維局長に私が聞いた時分には、これはなくてもよいから出してくれと、要望されるがままにこれを出してあるということを、繊維局長は私にみずから答えておるのであります。そういう点をよく御調査してから手形は発行しないように要望いたします。  また農林省にいたしましても、順位現物配給するのが当然であると思う。それが順位を逆にしたような配給制度がとられて、一、二のものしか現物を獲得できないというような実際の現状であります。硫黄のごときは三万円を突破して四万円くらいになつておる。ことに電気の碍子に使うような少量な硫黄が獲得できずして非常に困つておる、一方にはその他のまださほど重要でないものが配給を受けておる。この点の御調査を要望いたしまして、私の質問はまた他の機会においてやりますから、本日は差追つて重大であるところの電力編成問題に時間を譲りたいと思います。私の質問はこのくらいで打切りにしておきます。     —————————————
  13. 小金義照

    小金委員長 次に電気事業編成に関して調査を進めます。本件について発言を求めておられますので、順次これを許します。神田委員
  14. 神田博

    神田委員 本日は電気につきます委員会を開かれまして、今問題になつております再編成後の人事等の問題につきまして、十分委員会といたしまして調査を進めたいのでありますが、見受けますと通産大臣、政務次官はお見えなつておられますが、日発総裁あるいは大事な電気主管をされております公益事業委員会松本委員長松永委員長見えておりません。かかる状態において、真に電気調査を進めて行くことができるのかどうか。委員長はどういう処置をおとりになつておられるのか。私の質問公益事業委員会責任者に申し上げたいのがが相当ございます。しかも通産大臣、あるいは日発役員等につきまして関連を持つておりますので、この三者がそろいませんとこの調査を進めて行くことは非常に困難だと私は思つております。どういうわけでいまだに公益事業委員会政府委員見えておらないのか、いつ見えるのか、どうなつておるのか、委員長から御報告願いたいと思います。
  15. 小金義照

    小金委員長 それでは私から御報告を申し上げます。公益事業委員会松本委員長は昨夜来健康を害されたそうであります。本日はその不健康を押してスキヤツプに出られて、ただちに帰つて休まれたそうであります。なお松永委員長代理も健康上この席に出席できないという申入れを事務総長から受けました。それから日発総裁小坂順造氏はこれまた疲れてここに出られないというので、森副総裁見えております。そういうわけですから神田委員の御質問がそれぞれ委員長または総裁等にぜひ聞きたいという御趣旨だと、はなはだその点は遺憾でありますが、今日はその通り承知の上で、もし……。
  16. 神田博

    神田委員 日発総裁ここに見えておりませんがどうしたのですか。午前中、予算委員会大分健闘されておつたのでありまして、副総裁見えておりますれば用は大体において足りるのではないかと考えられますが、公益事業委員会は五人の委員がおるわけでありまして、委員長スキヤツプ参つて疲れて出られない。これは生理的現象だからやむを得ませんが、国会を少し軽視していやしなかいと思う。先般来の国会参つても、委員会というものは非常に偉いもので、委員長は殿様かという考え方を持つていて、司令部なら行くが国会なら行かないというような考えでおられるのか。あるいは松永委員長代理のごときは、当委員会で私まだ不幸にして顏も見ておらない。生れてまだ顔を見ておらぬというほどであります。委員長委員長代理も、どうしても都合が惡いというならば、そのほかの委員が三人おるわけでありますから、主管委員会にその残りの三人も来られないということであれば、当委員会権威国会権威というか——これはきのうからきまつておることでありまして、ことに宮原委員のごときは、予算委員会に今日午前中出ておつた事実もあります。なぜ一体主管委員会の当委員会に顏を出さないのか。どの程度委員長はこれらの人を出すことについて努力されておられるのか。私ははなはだ納得行かないのでありまして、おそらく委員諸君も全部納得行かぬのじやないかと思います。納得行くような措置をとつていただけないといたしますならば、われわれは非常に不満でありますので、他の意思表示をしなければならぬと思います。十分納得できる御説明を願いたいと思います。
  17. 小金義照

    小金委員長 今、他の委員を呼んでおります。
  18. 神田博

    神田委員 呼んでおりますだけでは納得できないのでありまして、呼んでおるが委員長の見込みでは来るのか来ないのか。人間のことでありますからなわをつけてひつぱり出すわけに行かぬだろうと思います。呼んでおりますだけでは、おそらく委員諸君は納得できぬだろう。私もきわめて不満であります。どういうことにお呼びになつておられるのか、その返事が来ておるのか。今交渉継続中なのかどうか、この点も明瞭にしていただきたいと思います。
  19. 小金義照

    小金委員長 ただいま宮原委員松田事務総長出席を求めております。遠からず来ることと思いますからしばらくお待ちを願いたいと思います。
  20. 神田博

    神田委員 くどいようでありますが、遠からず来ると思いますでは、私は言葉に食い下がるわけではないのでありますが、現に国会の中に見えているはずなんです。予算委員会では、今日十二時四十分ごろまでやつておりまして、休憩になりまして二時までに帰るということになつております。もうすでに時計も三時十八分でありますが、二時を過ぎること十数分、予算委員会は、この通報機を見ると、休憩なつておつて始まつておらぬ。そうすれば、宮原委員はどこかにおるわけでありまして、呼んでおりますだけでは、はなはだどうも私は満足ができぬ。委員長は、委員部をお持ちでありますし、專門員もお持ちになつておるのであるから、ひとつ十分捜査をさせて、われわれの要望に沿うようにしていただきたい。きようは十二時までやります。遠からず来るというのでは、はなはだどうも満足できぬ。
  21. 小金義照

    小金委員長 速記をとめて。     〔速記中止
  22. 小金義照

    小金委員長 速記を始めてください。  ちよつとお諮りいたしますが、政府委員である公益事委員長及び委員長代理が、先ほど御説明申し上げましたように、健康上御出席できませんので、説明員として公益事業委員河上弘一君及び参考人として日本発送電株式会社総裁森羅五郎君に出席していただいて、それぞれお答えをしていただきたいと思いますが、御異議はおりませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 小金義照

    小金委員長 それではさようとりはからいます。神田博君。
  24. 神田博

    神田委員 電気事業の再編成もだんだん進んで参りまして、二月八日の再編成に関する書類が各関係会社から提出されまして、本日をもつてこの再編成後の首脳部人事を仮ぎめする、こういうような段階に入つておることは私が申し上げるまでもないことであります。そこで問題になりますことは、この二月の初めから今日まで首脳部人事の問題につきまして、大分世間を騒がしておると申しますか、大分問題に相なつておるように私ども承知しておるのであります。こういうようなことのないように、一月の委員会におきまして松本委員長に十分な考慮を求めておつたのでありまするが、新聞紙上に伝えられるところによりますと、どうもそれがそういうことに相なつていないというように私ども見受けられますので、本日はもつぱらこの点につきましてその真相を突きとめまして、国民が納得するような人事にしてもらいたい、こういう趣旨でいろいろお尋ねを申し上げたいと思います。  第一に日発の副総裁がお見えなつておられますから、副総裁にお尋ねいたしたいのでありますが、「公益事業委員会性格に関する見解」というのを、日本発送電株式会社の名をもちまして、私どもの宿舎にも送つて参つておりまするし、本日はまたただいま当委員会にもお配りがあつたようでありますが、この昭和二十六年二月二十日の発送電会社の「公益事業委員会性格に関する見解」、これは必ずしも長いとはいえませんが、非常にうがつておりますので、こういうようなことを発送電首脳部がお出しなつておられたのかどうか、どういう形式をとつて出しになつたのか。ただ会社と称した刷りものでありますので、一体日発はこの問題についてどの程度責任を持つて出しになつたのか。これから先一つ一つ確かめて行きたいと思いますが、これは森さん、どういうような方法、どういうような意図でお出しになつたのか、御答弁願いたい。
  25. 森壽五郎

    森参考人 これはこの日付にありますように、二月二十日に出したものでありまして、従来私どもが再編成計画書出しまして、その後いろいろ公益本業委員会折衝しております間に、どうも公共事業委員会のあり方がわれわれども考えておるところと少し違うところがあるのじやないかと考えましたものですから、いろいろなところで調査もいたしました。もちろんこれが全国に通有なものであるかどうかということについてはにわかに断定しにくいのであります。私どもはここに書いてありますようなこういう考えでおるのだが、しかるに最近人事の問題、いろいろな問題が起きまして、どうも少し見解が違つておるようでありますので、これは私ども考えが違つておるのかどうかということを広く皆さん御判断をしていただきたいという意味で、新聞にも発表いたしましたし、御関係の皆様にも配付いたしまして、実はこれを検討していただくと申しますか、御批判を願うと申しますか、そういう意味皆さんにおわかちしておるわけであります。
  26. 神田博

    神田委員 そうするとこの「公益事業委員会性格に関する見解」というものは、日本発送電としては、それぞれの機関と申しましようか、理事会といいましようか、とにかく日発としての最高首脳部の総意のもとにかような見解を持つてつて、これを世に問うた、こういうふうに考えてよろしいわけですね。
  27. 森壽五郎

    森参考人 さようでございます。
  28. 神田博

    神田委員 そこでお伺いいたしたいのでありますが、きようは午前中予算委員会小坂総裁とわれわれ同僚議員との間にいろいろ質疑応答があつたわけであります。ちようど公益事業委員会責任のある方方、また通産省大臣初め責任のある方々がおられませんので、私も本日傍聽したのでありますが、公益事業委員会議員質疑というようなことに終つてしまつて、顏がそろわないではなはだ残念に思つてつたのでありますが、今はそろつたのでお伺いできて、その点非常にけつこうなことであります。とにかく本日は人事決定最終日にあたつているわけでありますが、日発側としてどの程度交渉があつたのか、交渉の結果不満であつたか、交渉がなかつたかどうか、こういうことについて簡單けつこうですから御説明願いたいと思います。
  29. 森壽五郎

    森参考人 このたびの再編成におきましては、私ども人事が非常に問題である、公平なる人事をやらなければ事業の運営に非常に支障を来すであろうということを想像いたしまして、非常に慎重にかかつたのでありますが、私ども一つの支店が二つにわかれるということでありますので、北陸の方は北陸関西にわかれる。中部の方は中部関西にわかれる。それから東北と関東猪苗代区域関東について来る、こういうわけでありまして、私ども区域をわけますのにも、従業員が最も適材が適所に行くようにということをまず考えたのであります。従業員におきましても日発配電が対立するようなことでは困るというふうに考えまして、そうするためにはどうしたらよいかということをまず考えたのでありますが、新しい電力会社役員として配電会社からも社長を出さない、また日発からも社長は出さない、両方から副社長を一人ずつ出して、あくまでも対等というかつこうをとりたい。と申しますのは、一方の方が社長出しますと、一方の方が当然副社長なつて行くわけであります。そうしますと何かしらんそこに圧迫を感ずる、あるいはその社長の出た方からの関係の者がこれを利用というか、横暴というのは語弊がありますが、とにかくわがままをする、人事等においてもいろいろな面においてもわがままをする、こういうことはさせたくないという考えから、今申したように社長を出さないで両方から副社長出し、その上に持つて来て、今度は中央、あるいは地方から事業に経験のあるりつぱな、信用のある社長をいただいて、事業を円満に遂行したい、こういう考えからただいま申しましたような案を出したのであります。従いまして発送電から重役の名簿を出しておるようでございますが、それには社長という名前のついた者は一つ出しておりません。みな副社長最高であります。また会長制社長制の問題がありますが、その当時は会長制ということまは実は考えていなかつたのであります。社長制考えておりましたのが、後ほどになりまして関東関西のように大きなところは仕事も大きいし、また将来建設をいたしますのに資金が必要であります。そういう関係から会長制をしいた方がいいだろうと考えたのでありますが、その後公益事業委員会におきまして人選が行われるようになり評してやはり配電会社の者が大部分新しい会社社長なつております。会長は外部の人から来ている状態なのであります。後ほど河上委員会からお話があると思いますが、私どもはそういう意味で副社長しか推薦していないのでありますが、社長配電会社からとられる場合には、われわれにも社長を出す意思はないかというくらいなことはお聞きくださつてもよくはなかつたかと思うのであります。これを公益事業委員会におきまして日発は副社長しか出せないのだろうということを聞き違えられまして、日発には社長になる器の人がないのだ、こういうふうにお考えなつたようであります。そういうふうにしまして入選が進みまして、ただいま新聞に出ておりますようにほとんど決定したのでありますが、私どもは、それでは困りますということを申し入れたのでありますが、これはもうきまつたことであるから、いまさらかえようがない、どうかひとつこれをのんでもらいたい、こういうお話が現在までの経過であります。なおそのほかの取締役、監査役につきましては、今選考中であると心得ておりますが、これの内容につきましては私どもまだ承知しておりません。
  30. 神田博

    神田委員 そういたしますと、この再編成に関しまして先般松本委員長の当委員会における答弁によりますと、たしか日発及び配電会社は対等の條件をもつて合併統合するのだ、再編成するのだ、そこで配電会社も目先も廃止して新しくスタートをしたい、ついては期日も繰上げてこれを行おうとしているので、各社の協力を求めなければならぬ、そこで各社の首脳部に一人、二人あたり集まつていただいて、晝夜兼行でやつているのだ、もつと具体的に言えば、再編成の準備協議会といいましようか、そういつた一つのシステムで晝夜兼行をやつている。人事のことを八日までに考えることは、そういつた編成を進めて行く気持に反映すると、はなはだそこに妙なものが出て来るとよろしくないから、再編成が済むまで、この再編成の計画が樹立するまで、人事のことは考えないで十分りつぱな案をつくつてもらいたい、そういう趣旨で、無我の境地でやつてもらつているのだ、こういうことを述べておられましたが、この点について日発側はそういうような協力をして参つた、そしてその後において今述べられたように人事の問題をお出しになつたのでありましようか、二月八日前に人事の希望を出したのであるか、この点簡單けつこうですが、お答え願いたいと思います。
  31. 森壽五郎

    森参考人 ただいまの御質問人事の問題と申しますと、実は再編成計画書が二月の八日に出たことになつております。それにつきまして配電日発との間で話合いをやつたのでありますが、もともとこの役員日発から各電力会社に何人出すかということが問題になつたのでありまして、これは私ども考えます対等という言葉から申しますと、日発配電役員の数は同一であつてもよいのじやないかということが一応考えられるのであります。その裏づけといたしましては、日発の側から行つた各地区における電力会社従業員の数と、従来の配電会社従業員の数との比率、それから自発から持つてつた資本金と配電会社の資本金の関係から持つて行きました重役の数、それから日発配電から出します資産の比率から来る重役の数、こういうふうに三通り考えてみますと、御承知のように配電会社従業員の数は多く、日発の方は少い。それから資本金から申しますと、日発の三十億に対して、配電会社が四十二億でありますから、各地区におきましても自発の方が少いのでありますが、ただ特殊の例は、関西配電は資本金が八億円であります。日発から持つて行きました資本金は八億四千万円でありまして、この点は発送電の方が多いのであります。また資産におきましては目先の方がはるかに大きいのであります。ですから、どの比率をとつてみても、無理ではないだろうというような考えから、ただいま申しました三つの関係から出しました数字を加えて三で割つたものをもつて、私どもが出す重役の数、こういうふうに考えて一応話を進めたのであります。そうすると、この数字は多少違うかもしれませんが、現在の定款に織り込んであります重役の数は、監査役、取締役を入れまして、全体の数字は二百十三人であります。その中で自発関係は八十七人、配電関係は百二十六人という数字が一応出るのであります。対等と申しましても、少くともこの八十七名は自発側からとつてもらつてもさしつかえない数字であります。こういうことについて各配電会社と一応相談したのでありますが、日発からそんな大きな数字を出されることは困るということを一応言われたのであります。というのは、配電会社といたしましては、現在持つておる重役はそのままにしまして、今度新しい定款によつて多少ふくれた部分だけを日発からとつて補う、こういう考えをしておるように私にもとれたのであります。それで二月八日に計画書を出したのでありますが、人事の問題につきましては話合いができないということを松本委員長に申し上げまして、今の比率の問題についても、人の問題についても話合いをしたのであります。それは会社間では話ができないと思うから、日発で案をつくつて、これは再編成計画書の一部分ではあるが、それと切り離して封筒に入れて自分のところに持つて来てもらいたい、こういうような話合いがありまして、これをたしか二月の九日に配電会社出したと用います。私どもは少し遅れまして二月十五日付のものを十六日に持つてつたと思うのでありますが、これは御承知のように、私どもは全国大の会社でありまして、各地域に最も適当した人を持つて行く必要がありますので、いろいろ選考にひまがかかりましたから少し遅れたのでありますが、出しました経過は大体そういうことであります。
  32. 神田博

    神田委員 通産大臣にお伺いいたしますが、電気事業は先ごろまで通産大臣の所管であり、また電気事業そのものが基本産業であり、ことに一般産業と違つてこれは広大な供給区域を持つてつたので、全体の産業にもきわめて重要な役割を持つて来る。この再編成通産大臣責任においておやりになることが望ましいことであつて、そういうような方向になつておつたのでありますが、途中からああいつたようなことになつたわけであります。通産大臣はこの再編成の問題、特にただいま非常に問題になつております首脳部人事の問題につきまして、何か公益事業委員会に要望をされたか、あるいはまた公益事業委員会の方から御相談があつたのか。新聞を見ますと、こうした会議をやつておる場所は、いつも通産大臣の官邸ということに相なつておるようであります。そのほかにも銀座電力局でやつたかどうか知りませんが、とにかくそういうふうに見ております。通産大臣といたしましては非常に関係の深いことでありまして、ただいま非常な問題になつております人事の問題について、通産大臣の側から何らかの御相談をされたか、あるいは公益事業委員会から御相談を受けたか、その点のところをひとつ説明いただきたい。人事の問題であるから、祕密会が必要であるということでありますれば、委員長と御相談の上しかるべく御処置願つて十分にわれわれの納得の行くようなお話を願いたいと思います。
  33. 横尾龍

    ○横尾国務大臣 まず官邸を使つておられることについてお話をいたします。公益事業委員会は初め事務所がなかつたので、官邸を貸してくれということでお貸ししたことは事実であります。それから最近お使いになつておるということは、向うが手狭であるので貸してくれというお話であつたように聞いております。そういうことでお使いになつておるようであります。  お話通り最初私の所管であり、またポ政令によつてかわつたのでありますが、現在私としては所管外であるのであります。しかしながら電気事業が非常な大事な仕事でもあるし、かつまた私といたしましては、最初自分の主管であつたところの日本発送電方々の今後の方針については、非常な関心を持たざるを得ないのであります。しかし権限を持つて関心を持つということではないのであります。ただ私は今までに委員長から人事のことについての御相談は受けておりません。けだし私はいつでありましたか、ただ私の心持ちだけをひとつお願いしておきたいという考えで、ちようどお晝の時間に参りまして——実は私は人事の問題でくちばしを入れる筋合いのものでもなく、また私が云々すべき事柄でもないのでありますが、大体自分の関係しておつた主管しておつたところの日発のことでもありますから、今後再編成ができましても、最もスムーズに行くように、そうしてトラブルが起つて電気事業に影響がないように、ひとつ御高配を願いたいということをお願いしました。そのときに、私は個人の方々、ほとんど電気界の方は存じません。のみならずそういうことを考えまして、混乱でも来すということは、私としては避けたい。そういう意味においてただいま申し上げましたスムーズに行くように、そうして今後トラブルが起きないようにお願いをしたいということを申入れたのであります。さよう御了承を願います。
  34. 神田博

    神田委員 いかなる電気事業においても結局人の問題だと考えます。ことに移りかわりのときにおきましては、なおさら人の問題が大事でありましてスムーズに行くように通産大臣が御要望されたことは、もつとものことと考えております。ことに日発総裁、副総裁を任命なさつた通産大臣でもありますし、最近まで担当大臣であつたわけでございますから、ごもつともだと思いますので、もう一言立入つてお聞きいたしたいと思いますが、公益事業委員会のおやりになつていることも、よきにつけ、惡しきにつけ、これは内閣の責任だと考えております。主管大臣がきまつておろうと、きまつておるまいと、国務でありますから、これは内閣の責任だと思う。そういうことを考えますと、この再編成人事はきわめて大事な問題ででありすので、何か閣議等においてこういうことが議題になつて話合つたことがあるかどうか、あるとすればそういうお話はどういう話合いであつたか。公益事業委員会から報告を受けたのか、あるいは閣僚諸公が進んでこれを取上げたのかどうか、これをお話できれば承りたいと思います。
  35. 横尾龍

    ○横尾国務大臣 閣議においてはただいまのお話のようなことは一つも出なかつた、さよう御承知を願います。
  36. 神田博

    神田委員 それではひとつ河上公益事業委員会委員にお尋ねします。実は松本さんから直接お聞きしたい、松本さんが万障都合がつかなかつた場合においては代理の松永委員に聞くのが筋合いと考えますが、お二人とも先ほど委員長の報告によりますと、国会をばかにしたわけではないが、政治的関係その他で出られないのだろうということで、五人委員会の中の一人の河上委員がおられるから、間に合うだろうからというので、委員会を開いたわけであります。  そこで河上委員にお尋ねするわけでありますが、今度の再編成の問題につきまして、通産委員会といたしましては、ほとんどこれは一致の考え方考えておりますが、電気事業の再編成そのものにおきましては、これは嚴粛な事実といいましようか、とにかくこういうふうになつたのでありますが、この再編成がうまく行くか行かぬかということについては、わが国の産業、すなわち日本再建の重大な問題に相なつて参りますので、特に人事の問題については十分気をつけてもらいたい。公平な判断によつて、そうして何人にも侵されるとなく、また何人にも屈することなく、りつぱな人事をしてもらいたい。また松本委員長もそれは当然のことであつて、十分にその点は愼重に、また果断をもつてやりたい、こういうことを言われておるのであります。そこでお伺いをいたしたいのでありますが、このごろ新聞によく出ているのでありますが、新聞によつては違つているものもありますが、今日の毎日新聞によりますと、首脳の顔ぶれといたしまして、北海道から九州に至る九つの電気会社会長、あるいは社長、副社長というような顔ぶれが出ておりますが、この毎日新聞に出ておりますことが公益事業委員会でお考えなつていられる最終の人事であるのかどうか、端的にひとつお伺いいたしたいのであります。毎日新聞に出ておりますことが、どういうことが書いてあるかわからぬということでありますれば、読み上げてもいいのでありますが、おそらく河上委員もお聞きになつていられるのではないかと思いまして、朗読は省略いたしますが、こういうものがすでにきまつているのかどうか、まず最初にこれをお尋ねしておきます。
  37. 河上弘一

    河上説明員 ただいまの御質問の要点は、本日の毎日新聞の記事が正確であるかどうかという御質問のように感ずるのでございますが、私個人といたしましては、実はその新聞を読んでおりません。新聞最近やや正確なことを報道しているかに見受けますけれども、結局新聞によつてもいろいろ違いますし、新聞によつてども習うのでなくて、われわれが研究している問題でありますがゆえに——実ははなはだ申訳ないことですが、その新聞を読んでおりませんので、ひとつ拝借できませんか。
  38. 神田博

    神田委員 それではお貸しします。
  39. 河上弘一

    河上説明員 拝見いたしましたが、正確のように見受けます。但し公式の決定は、実は指令書等で初めて形ができるのだと思います。それまでに委員会でいろいろ協議いたしまして、こういう線で考えたことには間違いないと思います。
  40. 神田博

    神田委員 公益事業委員会議事の進め方と申しましようか、お仕事のやり方はどんなふうにおやりになつておられましようか。と申しますのは、委員長が議長になつて多数決でおやりになつておられるのか、委員長が事故あれば副委員長がこれにかわり、副委員長が事故あれば、委員長の指名をした方が委員長の代理をなさるのか、あるいは残つた方でおきめになるのか、会議制でおやりになつておられるのか、多数決でおきめになつておられるのか、この点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  41. 河上弘一

    河上説明員 法律的に正確に考えれば、あるいは多数決というのが理想なのかもしれませんが、規則では特別きまつておらぬかと思います。実は多数決ということを論議する必要がなかつた。というのは、意見を非常に闘わせて、そてし意見が相反するという場合にこそ、あるいは多数決ということか必要であつたかもしれない。和気あいあいのうちにお互いに不遠慮にかつてなことを申し上げまして、結局そうだなという気持になつて初めてまとまつて来たのでございますから、特にだれとだれが白で、だれとだれが黒であつたということはないように思います。それはいろいろ、しかし君はそう言うけれどもこうだがというような談議はむろんあつたように思いますが、結局のところ総意として認めることに皆賛成しておりまして、二対三とかいうような多数決の表決争いをしたことは一回もございません。このことを申し上げたいと思います。
  42. 神田博

    神田委員 法律の建前は多数決になつておるといたしまして、しかし実際やつておることについては、まあ談合している、和気あいあいのうちに進んでおる、こういうふうに了承してさしつかえないわけでございますね。そこでお伺いいたしたいわけでありますが、今度の人事問題のごときことを御討議なさつて、和気あいあいの御討議をなさるについて、その原案はどなたがお出しなつておりますか、そういうことをひとつ、内容にわたつてお聞かせ願いたいと思います。
  43. 河上弘一

    河上説明員 これは議案の提出者をきめておりません。従いまして一つの問題に対して雑談的、懇談的に議事を進めておりますので、だれがどういうことを提案したということは、記憶もございませんし、議事の記録もございません。
  44. 神田博

    神田委員 だれが出した記憶もないし記録もないというお話でありますが、耳が速いというお話は承つたのでありますが、記憶もお忘れになつたのでしようか。どなたかやはり案をお出しにならなければ、御相談に乘らないのじやないですか。どなたかやはり案をお出しなつて、そしてあるいはそこで人物の手腕、力量というようなことの御披露があつて、あるいはまた河上さんのように従来過去におきまして財界に非常ににらみをおきかせになつておつたわけですから、お聞きにならぬまでも御承知の場合もある。あるいはまたみずから進んでお出しなつた場合もあろうかと私は考えております。たくさんな顔触れでもないのでありますから、たとえば関配あるいは関西とか、あるいは中部とか、北陸、東北といようなことを対象にして人事をおやりになる場合に、何かやはりよるべきものがあつてこれをお出しになつたのじやないか。普通のことでありますれば、公益事委員会もひつの官庁組織と見なければならぬと思います。そこで原案が下から上つて来て公益事業委員会に付議するということが一般日本の官庁の通例だと私は考えております。しかし今度の問題は、事柄が事柄でありますので、必ずしも下から起案されて上るとも私は想像もしておりません。何かそこには原案の提出者というものが、きまつてはいなくともあつたのじやないか。もつと露骨にいえば、原案を最もたくさん出した方がおありだろうと私は思うのです。これは河上委員も十分御承知だと思いますので、はなはだ内容に立入つた問題でありますが、私は大事な問題ではないかと思いますから、ここは国会でございますので、国策を審議するところでありまして、大事なところと御承知つて、ひとつ説明願いたいと思います。
  45. 河上弘一

    河上説明員 御質問と少し角度がかわつた答弁になるかもしれませんが、実はこの人事は、広い日本の全国から適当な人をピツク・アツプして来るというほど自由に考えるべきものかどうかということは、私も疑念を持つております。これは配電会社発送電との合併では決してございません。両方を解散して新会社をつくるのでございますけれども、従来の関係から申しまして、その人達は、例外はむろんございますが、大体において、旧発送電——旧といつても現在発送電ですが、発送電とそれから配電会社と主としてその双方から適当にとる、しかし新しい情勢のもとにおきまして、これにさらに関係のなかつたも人加えるということで行くべきだとわれわれも考えておる。それで実は配電会社の重役はリストもできておりますが、わかつております。それから発送電の方の方々というものは、やはり当人の御希望もあり、また会社の御都合もあり、御推薦もあるべきだと存じまして、その御推薦方を、実は日発にも、なるべく早く出していただきたいということを申し上げた。私は興銀在職時代に、日本発送電にもいろいろと関係もございましたので、ここにいらつしやる森さん、その他の方と大体において非常に懇意なのです。それで、配電会社の方は自分のところだけの問題ですから非常に簡單でございます。しかし発送電は、適任者を各地方にわけて、先ほど森さんのおつしやつたように、重役のみならず、従業員も適当にこれを採用するという御関係もあるので、事務が非常に複雑でございます。書類の整備なり、希望を聽取されることというような、すべて事務としては非常にごめんどうであろうと思つたので、なるべく早くお出しを願いたいということを御注意申し上げたのでございます。これは配電会社の方で急速にリストを持ち出されるに反して、事情まことにごもつともなのでありますが、実は少し遅れたのでございます。先ほど副総裁からお話がございましたように、十五日の日付で十六日に提出したということでございましたが、あれは一日違うておる。十六日の日付で十七日に拝見したと思います。それは松本委員長が十七日にごらんになつたのでございますが、われわれはまた少し遅れておりました。それで、わずか数日の間に御希望をなるべく満足させたいというようなところから、配電会社の人に対しても、そのリストを——それはたつた一冊でございますが、それを基礎にいたしまして、皆さんに見ていただいて、なるべく日発の希望されるようなことを考えていただきたいということで協議を進めました。ことに最近におきましては、あるいはよけいな出過ぎかと存じましたが、私個人としましては、会議のときに配電会社の方に、あなた方は、自分の会社で、発送電を分割してこれを吸收するというような考えを持つておられたらとんでもない間違いだ。それは発送電のある方々から、実は配電会社はけしからん配電会社従業員なり、相当の方が、日発の人に、ときどきお前らは実にみじめなものだ、入れてやるのだ、間もなくいびり出されるかもしれぬというようなことを、不遠慮な、失礼な人は言うたということも事実のように聞いております。従つてどもといたしましては、それは非常に残念なことで、むろん責任のある人がそういうことを言うことはないが、そういう議論があること自体がおもしろくない、これは両者を解体して全然新しい会社をつくるのであるから、共同の責任において考えるべきだ。従つて発送電の方から希望された人員、人物についても、なるべくかれこれ言わずに、寛大な気持で、できれば全部のみ込めというようなことを言いまして現に新木君などは、ほとんどこれをのみ込む、無條件にのみ込むと言つてくれております。それのみならず同時にそのときに私は、配電会社の方としては、従来の自分の方におつた重役全部を助けるというようなことなくして、片ぱしから首切つたらよいじやないかというようなことまで不遠慮に申し上げたような次第で、その間にえこひいきがあつたとは決して私は思つておりません。それからその書類が、ほぼ一冊でございますが、整いましたのが十六日でございますから、それから最近まで、非常に時間が短いのでございます。それで配電会社の人が全部集まつて、お互いに日発の方から配分的に記載のございますものを見て、それを協議しております。まだこれはすつかり完成しておりません。ほぼ完成しておりますが、実は今日森さん以下の方々に来ていただきまして、配電会社の八とほんとうにひざを交えて、ひとつよく懇談していただきたい。私どももそれを待ちかまえておつたのでございますが、森さんもこちらにおいでになるというので、また協議が一日遅れるというので、実は困つてつたのでございますが、発送電を虐待したかのような批評がございますが、決してそういうような気持はございません。この点は十分に御納得いただきたいのでございます。  それから何分込み入つた人事でございますから、だれもかれもが満足するような人事ちよつとむずかしいかと思います。元来これは社会通念から申しますならば、この人事、重役の構成というものは株主総会で当然きめるべきだ。それで今回委員会がこの権限を付與されましたことは、実は非常に例外的なことであります。それで実はその任期を一年くらいの任期がいいだろうというようなことで、理想からいえば、この次に各会社が整頓いたしまして、株主が安定した場合に初めてその総意に基く選挙ということが必要で、また合理的だろうと思うのでありますが、何分にも日発だけで株主が十六万八千でございますが、その整理等につきましては、容易な仕事でないのでございます。半年でそれが安定するかどうかというようなことから、やむを得ず一箇年の期限——今度重役に推薦される人の任期は一箇年でございます。まつたく暫定的の問題でございまして、それ以上の期間において、公益委員会がこれをハンドルするとか、惡くいえばコントロールするというようなことは全然ないのでありまして、それ以後はもつばら株主の総意に基くということで、ごく暫定的のものであるということを御承知願いたいのと、まことに期間が短かいので、行き届かぬ点は多々あると思いますが、事情やむを得ぬところもあつた。ことに最近日発との交渉その他についても、折あしく大事なときに大雪が降りまして、どちらも顏を見ることができない。電話も通じないということがあつて、事実不便であつたということは認めます。それ以上に大した手落ちがあつたとも思わないのでありますが、なお個々の場合について御指摘を願いたと思います。
  46. 森壽五郎

    森参考人 ただいまの調書の提出日でありますが、これは二月十四日が水曜日でありまして、この日の午後から雪が降り出したのであります。それからその日に原案をこしらえまして、十五日一ぱいかかりまして調書ができまして、出したのが十六日でございます。河上委員がただいまお話のように十七日ではございません。委員長がごらんになつたのが十七日かもしれません。私どもが提出したのは十六日であります。御訂正願います。
  47. 神田博

    神田委員 河上委員からお述べになりましたこと、まことに私は良心的なお答えだと思つています。しかし先ほど新聞に出ておるのがたいへん違いがないのだということになると、これは委員諸君が喜んでおるだけであつて、天下はあまり喜んでいないということを御認識を願いたい。これはあげ足をとるわけではございませんが、最初の役員の任期を一年にした、株主総会できめるべきものがやむを得ずそういうことになつておるので、期間も短かいかちやむを得ないということを言われたのでありますが、これも私ども十分その点は承知しております。それよりももつと根本的に、公益事業委員会委員国会の承認によつてきまるべきものでありまして、委員の皆様方自体がこれは問題なのです。しかしこれはここで議論しても過ぎたことでありますので、議論にはならぬと思いますから私ども申し上げませんが、むしろ私どもから言いますと、そういう性格のもとに立つておること自体が今度の会社人事考える場合においても特に愼重を要することなのではないか。  そこで今日は私のほかに同僚諸君大分お聞きになる予定になつておりますので、時間も遅れて開会になつておるのでありますから、私どものお尋ねしたことにひとつずばりと御答弁願いたいのであります。森さんにお尋ねいたしたいのでありますが、新聞に出ておることが大体委員会考えておる人事であるというふうに今述べられております。そこで新聞に伝えられるところによると、日発側はこの人事問題に対して不満である、先ほど森副総裁もこの点については十分言われておるのであります。私どもが心配いたしますことは、今度の再編成はやはり日本の再建上プラスでなければいかぬと思う。しかるに発送電配電が今日のような対立のままに進むとするならば、これはプラスどころか、とんでもないマイナスであろうと思う。こういう事態をかもして行くということになりますれば、これは大きな産業上の問題であるのみならず、社会的な大きな問題だと私は考える。今日のようなこういう状態は一体どういうことに相なるのか。言いかえますならば、日発は泣き寝入りをするのか。あるいはここにも書いてありますように、公益事業委員会性格というものは、こういうものである。そこで今日やることは納得できないのだ。こういうような人事を進めて参りますならば、来るべき公聽会においても敢然として闘わなければならないと同時に、さらに総理大臣にもこれは訴えなければならない。あるいはまた最高裁判所に対しても出訴しなければならないというようなこの見解は、重大な見解だと思う。さらにそういうことがいれられるといれられないとにかかわらず、これは大分先のことに相なりますけれども、それまでの道程として、この再編成の問題について十分なる協力ができるのか、できないのか。これはいかに努力されようとも、結果においてはできないような事態があるかもしれない。そういうような事態が起るのではないかということを私どもは心配する。そこで森さんからこのままで公益事業委員会が強行するならば、一体日発としての見通しはどうなるのか。電産の藤田委員長見えておるようでありますから、一体電産の見通しはどういうことになるのであるか。こういうことにつきまして、これはなかなか重大な問題でありますので、結論だけ言えということは、はなはだいかがかと思いますけれども、できるだけひとつ簡單明瞭に、このままで行つたならば事態はどういうことになるのか、どういうあなた方は見通しをされておるのか伺いたいのであります。
  48. 森壽五郎

    森参考人 この問題につきましては、ずいぶん私ども折衝をしておるのでありますが、ただいままで私どもが得ました感じは、どうも折合いがつきそうでないというような感じがするのであります。今朝も予算委員会で私ども総裁が出まして、同じような問題を投げかけられまして、この公益事業委員会のあり方に対する見解、これの方針通り万一委員会が仮決定をせられた場合において、われわれが聽聞会に出まして十分われわれの意見を述べて、私どもの意見にもかかわらず、これと反対の決定をせられました場合には、総理大臣、最後には最高裁判所まで訴えてもこれを通そう、こういうことを総裁も申しております。われわれもその通りやらざるを得ないというような感じを持つておるのであります。
  49. 小金義照

    小金委員長 ちよつとお諮りいたしますが、電産の中央執行委員長の藤田進君に発言を許してよろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 小金義照

    小金委員長 御異議なしと認めます。藤田進君。
  51. 藤田進

    藤田参考人 藤田でございます。午前中予算委員会の方で、参考人として来いという要請がございましたので私参つたのであります。  今の御質問でありますが、端的にという御要望もあるので申し上げます。先ほど河上公益事業委員の方から御発言もありましたが、実際にその会議の記録もとるようになつておると私は思つております。またその会議の場所等もあの公益事業委員会の政令の中には入つているというふうに私は思つております。にもかかわらず今かような御発言がありましたように、まつたく前後の経過がわからないというようなことは、要するに今度の人事その他の再編成をめぐつて、いかにこの内容が了解できないものであるかという一つの証左となると思うのでありますが、もともとこの再編成については、日本電気事業を、今御発言もありましたように、プラスにする意味の再編成でなくてはならない、こういう態度を持ちますと同時に、その首脳者の人選にあたつても、きわめて公明かつ了解の行く形で、特に労使関係の公正な安定を求めて行かなければならぬ、こういう態度でいるわけでありますが、今回新聞等に発表され、特にその内容はそのまま間違いがないという御発言であつた関連からいたしましても、全従業員はこの人選についてこの人たちのもとにおいては働けないという重大な決意とその行動に移つております。現実に本日まですでにこのような不安の中では他に職を求める、その他のことを十分冷静に考えたいという意味で休暇をとる人も非常に多く出て来つつありまするし、もちろん主体は他の問題にありまするが、この人事決定が大きく拍車となつて今日全従業員十二万がストライキに突入せんとするの段階にたち至つております。従いまして再編成について心から協力せよと言われても、このような状態下においては一部の委員あるいは委員会のあのやり方について心からの協力はできませんことをはつきり申し上げます。
  52. 神田博

    神田委員 日発の経営者側、また従業員側の意見が明瞭にされたのでよくわかりました。河上委員にお尋ねするのでありますが、私尋ねようと思つたことがちよつと藤田君の話にも出たのであります。どうも公益專業委員会のできた早々であるからということもあるかもしれませんが、これは一向明瞭でないではないか、公の委員会としての仕事のしぶりも、和気あいあいだといえばそれまでのことでありますが、どういうふうな進行過程をとつたのかも一向わからない、忘れてしまつたというようなことなのであります。委員が忘れても、記録に残つておるのかどうかわかりませんが、先ほどからお聞きしておつても、日発人事配電会社に相談してできるだけとれといつた——対等な合併だということを教えるのだということからいつても、これは言葉じりだけの問題でなく、委員会の空気自体がどうもそういうことになつているのじやないか、公益事業委員会でなく、不公益事業委員会なつておるじやないかというふうに聞えて来る。河上さんのごときは一番公平な立場におられる方だと思うが、その方がこういうことを言われるのだから、ほかの方に聞いてみたらこれはたいへんなことになつておるのじやないかということを私は心配するのであります。それからさらに心配になりますことは、ただいまとにかく日本の基礎産業であり、基幹産業であり、また動脈と心臓であるところの発送電を担当されておる責任者から、今のような意見を聞くに至りましては、一体公益事業委員会はいかなる確信をもつて今後この事態を收拾されて行くのか。総裁、副総裁が言うことを聞かぬということであるならば、首を切るというようなことでおやりになつて行くのかどうか、そういうことをおやりになつても電産を切るわけに行かぬだろうと思うのです。まさかレツド・パージにするわけにも行かぬだろう、藤田君をひとつレツド・パージにする、その次もどんどんやるというようなこともできないだろう。こういうような事態に持つて来たことについて、一体どういうような責任をお感じになつておられるのか、御感想をお持ちになつておられるのか。きようの午前中の予算委員会における小坂総裁答弁、またいろいろの決心等を聞いてみましても、どうも私は事態は容易ならざるものと考えております。この前も松本委員長がこちらにおいになつたときに、一体公益事業委員会性格はどういうものであるかということをお尋ねしたのでありますが、その際に、これはたいした偉いのものであります。まるで大名のようなものでありますとうそぶいておつた。はなはだけしからぬということでわれわれ同僚委員から難詰した事例もあるのであります。けれども人事の問題については努めて公平に。日本の基本産業として十分これはプラスにするようにという意味の御答弁があつた。しかるにおやりになつておることは一向納得行かないようなことをおやりになつておる、こういうふうにしか見られないような実態ではないかと思う。私どもは責めているのではないのでありまして、まことに憂えておるのであります。一体こういうような事態に追い込まれて、本日決定する段取りでありましようか、委員長は動脈硬化、血圧亢進でお休みになつておる、委員長代理は原因不明で休んでおる、こういうことで、天下の大事が一体これできまるかと私は言いたい。おそらくこれは本日なんかきまるものじやないと思う。委員長委員長代理も休んでおつて、しかも河上さんに当委員会においでになつておるし宮原委員予算委員会に出て、からになつておるわけでありますから、これはできつこないと思う。この問題を一体どういうふうに処置なさろうとされるのか、さらにまた通産大臣は、今マーケツト会談でどうしても帰らなければならぬからということで帰られたわけでありますが、これもやむないといたしまして、幸いに首藤政務次官がおられるわけであります。今日この不明朗な電力編成の問題が、私は必ずやわが国の全産業の勤労意款の上に及ぼして来るところが大きいと思う。全産業の大半を握つておられるところの通産省として、一体この問題を默視しておられるのか、いかなる処置をおとりになろうとされるのか、私はひとつ十分その確信をお尋ねいたしたいのであります。
  53. 河上弘一

    河上説明員 いろいろ御注意、御勧告を受けまして、先ほど協力問題が出ましたが、実はこの問題については配電会社と発電会社とがかなり密接に協力して参つております。大体の運び方ができるならば両者の協調と申しますか、なるべく両者で考えをまとめるということでありまして、委員会がレギユレートするけれども、コントロールするものでないということが原則だと思います。従つてなるべく協調してやつていただきたい、それでまとまらなかつたときに初めて委員会が裁定する趣旨だと心得てやつております。従つてただいまのところ人事を除くその他のほとんどすべての点と申してよろしいでありましようか、大部分の点は共同研究でまとまりつつございます、ほとんどまとまつておると申してもあるいはさしつかえないかとも存じます。ただ一つ最後にこの人事の問題につきまして意見が相当違つたりしておりますので、実は昨日も森さんなどと一緒に夜の十二時過ぎでございましたか。一時でございましたかまでも懇談いたしまして、私のごときも一昨日も昨日も床につきましたのが三時であります。しかし幸いにして私平素頑健であるためか、きようも目をこすりながら出て来て大いに働こうと思つてつたのであります。私が一番年少者であります、この老骨が年少でありますから、その他の方はお年寄りでございましようけれども、松本先生は脈が少し惡くなつてずつと医者がついております、それにもかかわらずおいでになりまして、実は司令部の方との会談もございますので、とにかく心配して先ほどお帰りを願つた。それから委員長代理松永老、これも昨日十二時過ぎわれわれが残つておりますときに残つておられました。きようまた出て来られたのでありますが、実は先ほど腸が惡いせいか脳貧血を起しました、きよう無理してあす倒れても何にもならぬから、とにかくお帰りなさいということで帰りました。そのほかの委員も疲労困憊はしております、しかしわれわれはそれくらいのことで決してへこたれません。ことに事務の関係の松田さん以下ここにいらつしやいますが、この連中はこの委員会ができましてからずつと今日までほとんど寝食を忘れて夜業を続けておられる、これで一段落したら病気で相当に倒れるかと思う。不敏のためにまことに行き届かぬことがあるかもしれませんが、とにかくできるだけの努力は続けております、この点はどうか御了解を願いたい。
  54. 神田博

    神田委員 同僚議員も非常に質問時間をやかましく言つておりまして、答弁にあまり時間を食われてしまうと困るのでありまして、答弁は中味のよいところだけしていただきたい。御努力は察するに余りあると思うのであります。日発首脳部があげて反対をされておられる、かような人事に対しては協力できない、それから先ほど藤田君から、電産がこういうような状態においてはいつストライキが起るかわからぬ、こういうことを言われておる。一体そういうこと自体に対しまして公益事業委員会としてはいかなる見通しを持つておられるのか。日発の協力なくてもプラスの再編成ができるか、一体こういう事態に追い込んだことについて責任をお考えにならぬか。こういうことを私は率直にお尋ねしたのでありますが、ただいま河上委員の御答弁は、非常に努力しておるという自積的な御説明でありました。病人が出たという点については私も非常に御同情申し上げるのでありますけれども、昨夜の日発側との会見の模様、本日の予算委員会におきます小坂総裁並びに森副総裁あるいはその他の理事諸君答弁によりますと、きのうは御相談のような会議ではなかつた、反対があつてもこつちは押し初るのだということであつて、卑近な例ですれば強迫だということに相なつておるのであります。今お聞きすると懇談をしたと言つておられるが、日発側の受けた印象は猛追だつたどうもその辺が大分違う。もう一つはとにかく一対一で行こう。日発一つと九つの配電会社とが一心同体になつ日本産業がプラスになろうとした再編成です。そういう町編成が片手落だといわれておる、しかもそういう印象をわれわれにも與えておる、それに対して委員会としてあるいは河上委員としてどういうような処置をお考えなつておられるのか、あるいはどういうような決心を持つておられるのか、そこを私ははつきり聞きたい。
  55. 河上弘一

    河上説明員 まことに答弁のむずかしい御質問でございます。実は私ども万全を期してはおりますけれども、まことに不行届きの点があると思います。昨日のお話合いでわれわれが強迫したということでありますが、実は日発総裁大分前から非常に感情が激しておられました、最近お目にかかる機会がなかつたのでありますが、昨日いろいろ懇談申し上げて、とにかく一応日発総裁もそういうことならばさらに副総裁以下によく考えてもらおうというのでお帰りになりました。それから森さんともやつとこれで了解の曙光が多少見えたというので一時双方握手してわかれたのであります。徹頭徹尾強迫したとか何とかいうことは毛頭私個人としては考えておりません。それからまた松本委員長も、きのうはどうもからだのぐあいが惡かつたので、あるいは言い過ぎたかもしれません、きようは森さんがいらつしやいませんでしたが、どうもその点は済まなかつたとまで言われたくらいで……。
  56. 小金義照

    小金委員長 ちよつと河上さんに申し上げます。公益事業委員会は今出ておる現象を治めて行ける見通しがあるかどうかということの賛同のようですから、それにお答えを願いたい。
  57. 河上弘一

    河上説明員 これは非常に多数のお方がいろいろな御意見で反対なさるのを、すべて満足させるということは、あるいはできないかもしれません。日発側とはなお懇談を続けるつもりでありますが、どういう話合いをしてもこれは協調できないとおつしやるならやむを得ぬ。なお昨晩に続いてきようはいろいろ事情の話合いもして懇談的にこれを何とか曙光を見出そうということについて効力もいたします。それをもし日発の側でこれはとうていだめなんだとおつしやるなら、われわれの微力ではどうもいたし方がない。
  58. 首藤新八

    首藤政府委員 日発配電会社の分割並びに新会社創立の途上におきまして、最も重大な問題は人妻である、人事が今日になつて重大化することは当初から予想されたことであります。最近新聞紙で伝えられておるところの人事について、通産省の方に対しても各方面からいろいろの批判が参つておるのであります。従つてこの際できる限り世間の納得の行く人事をしてほしいという強い要望を持つておるのでありまして、実はその点は大臣からも総理の方に進言しておると私は考えておるのであります。にもかかわらずかような事態になつたことに対しましては、きわめて遺憾の意を持つておるのであります。と同時にただいま日発の森副総裁並びに電産の犬戸長の非常に強い発言を開きまして、今後の事態、並びにこれが日本の産業にどういう影響を及ぼして来るであろうかというような点を考えた場合、非常に前途を憂慮をするものでありまして、この点からもこの際ぜひとも社会の納得するような人事の最終的な決定をするよう希望してやまない、かような見解を持つておるのであります。
  59. 神田博

    神田委員 同僚諸君も同じことを伺うと思いますので、簡單にいたしますが、ただいまの首藤政務次官の御答弁は、われわれまつたく感を同じうするものでありまして、最後まで努力していただきたい。河上委員が今述べられました事態は、今のような状態であれば、微力であるからどうしてもやむを得ないということは、委員をおやめになるというようにわれわれが受取つていいのか、何んとかやり直すという意味に受取つていいのか、あるいはもうあれで押し切つて行くというふうに考えなければならぬのか、これは非常に重大問題だと私は思うのであります。どういうふうに私どもがとつていいのか、とる人により立場によつていろいろ違うと思います。微力だからどうもやむを得ないのだというようなことであるとすれば、それはその人の主観の問題になりまするから、これは想像しておつても話にならぬわけですが、私の念願するところは、押し切るとか、責任をとつてやめるとかいうことよりも、事態を円満に收拾するということが大事なことではないかということであります。自分がいいと思つても、やはりそれは主観的な問題でありますから、事態がここまで参りますなれば、これはやはり、公益事業委員会設置の趣旨にかんがみまして、円満に治める。しかも電力編成は、日本の産業をプラスにするという大きな前提の前に、私たちはこれはよほど考慮していただかなければならぬ問題だと思います。微力だからいたし方がない、これだけでは私どもは納得できない。少くともとにかく二十三日中には全部の人事を一応きめるという建前であるというお話であつたが、これはおそらくそういうことに私は相ならぬと思います。きよう委員長も倒れ、委員長代理も倒れ、しかもこうした大きな物議をかもしておる最中に、これを押し切るというようなことは、私は日本産業のために決してとらざるところだと思う。賢明なる河上委員でありますから、われわれの今日の空気を考えても十分な善処をされるだろうと思います。まだ委員多数の発言希望者がありますので私はこれ以上お尋ねいたしませんが、今の微力であるからいたし方がないということにつきまして、私どもは一体それをどういうふうにとればいいのか。これをひとつお答え願いまして、そのお答えによつてはあるいはもう一ぺんお尋ねするかもしれません。なお時間の余裕や関連がございますれば、やらしていただくということを條件として、一応私の質問を打切ります。
  60. 河上弘一

    河上説明員 私の言葉が意味を盡せなかつたのかもしれませんが、私は何とかしてこの難局を打開したいという気持で、実は昨夜も遅くまでやり、きようも徹夜でやるつもりでおつたのであります。よようはあいにくそうは参りません。もともと世間一般の方々の御批評にまだ詳しく咀嚼しておりませんけれども、少くも日発との間の話合いは、これまでの経過において多少感情にとらわれたという感もないでもない。これがいいか無いか、白にするか黒にするかというような問題についても、前提としてそこに誤解がなくて、そうして話合つて、その結果について意見を異にするとかいうようなことは、これは真にやむを得ないと思います。しかし今までの経過においては、どうも感情にとらわれておるような点があるようにも思われましたので、まずその感情を解いて、十分に懇談したいというので、実は昨夜遅くまでやりまして、その意味においてはよほど効果があつたと存じます。それで日発のお考えもさらに十分よく伺うことができると思つておりますのでこれまでの努力が必ずしも全然だめになるとも思つておりません。実はけさの小坂さんの御答弁を私は直接聞きませんが、また森さんから、けさの総裁答弁通りせざるを得ないということでございましたが、せざるを得ないでなしに、どうして行こうかということを、これから懇談したいと思つております。そしてできればこれを打開したいという努力は惜しまないつもりであります。それだけ御答弁いたしておきます。
  61. 神田博

    神田委員 私は質問を打切りたかつたのでありますが、一言申し上げたい。どうも私のお尋ねしておることの答えなつておらないように思うのであります。私は先ほど電産なりあるいはまた日発首脳部、すべてがあげて強硬な決意をされており、事態は容易ならざる事態である。一体これをどういうふうに処置するのだ。一歩過つたならば、日本の産業に重大な支障が伴つて来る。そういうことを考えますると、容易ならざる問題なのだ。そこで委員会としては一体どういう責任をお感じになるのか、それらの場合にどういう処置をおとりになろうというお考えをお持ちになつておるのか、公益事業委員会が任免の権限をお持ちになつておるのか知りませんけれども、そういう任免権によつてかえたところで、この問題は解決しないと思います。河上さんは委員の中でも最も公正な立場にあられると聞いておりますし、私もそう想像いたしておりますが、お話をお聞きしておりますと、委員会の方はまことに公正であるが、日発は感情的である。そこで意見をして何とか聞かそうというふうに、私どもに聞えて来るのです。そういうことではこれは毎晩何時までおやりになつてもきまらない。ことに二月二十日の日発の声明の見解よりも、きようの午前中の予算委員会におきまする小坂総裁また副総裁その他の幹部の方々の方が強硬意見を持つておられ、また予算委員会同僚議員質問あるいはその寒気を察しましても、容易ならない考え方をされておるのであります。またただいま日本の産業の大半を握つておる通産政務次官もこれは容易ならざる事態だと言つておられる。それを委員会はどうするかとお尋ねすると、日発は感情的だ。何とか善処したいと言う。そういうことだけではこれはとてもできないだろうと思う。そこで河上委員が今一番あとで、私どもは微力だと言われた。微力ならば責任をおとりになる。その責任はどういうふうにおとりになるのか、進んでおとりになるのか、しりぞいておとりになるのか、あるいは白紙にもどるのか、その三つについてお尋ねしておるのです。私どもの心配しておるのはこの三つ以外にない。勇気を振つて、腕力を振つて、暴力を振つてたたきつぷしておやりになるのか。そういうことができるかどうか、いいか惡いかは別として、委員会はそれほどの御決心のもとにおやりになるのか。そういう声を顯著な声としてお考えなつて、一応白紙になつて練り直そうとお考えなつておるのか、あるいはまた今日の事態になつたということは、どうも自分たちが微力であつた——これは河上さんの言葉をそのまま借りて申し上げるのでありますが、そこでこの際責任を負うてしりぞくのならしりぞく、そういうことに相なるのか、そこはどうなるのかということを聞いておるのです。それを何とか懇談して、事態はよくなるとあなたはおつしやつておられますが、私たちのけさ午前中に聞いておるところによりますと、それは惡くなつておる。私どもが惡くなつておると考えておりますることを、河上さんはよくなつておると、こういう御答弁でありますから、これはくつつがない。くつつかないとをこれ以上申し上げてもしようがないし、同僚議員質問が追つておりますのに、私だけが質問するのは、どうかと考えておりますので、これは次の機会にする以外にない。また同僚諸君質問によつて私もう一ぺん時間があればただしたいと考えている。そこで、お尋ねしたのでありますが、一向満足しなかつた、こういうことであります。  さらにもう一つ。この事態になると、きようは発令されぬだろうということは、私ははつきりした問題だろうと思う。これは河上委員もきようお答えできるだろうと思う。委員長もお休みになつておれば、委員長代理も休んでいらつしやる。こういう問題は早く決定しなければいかぬと思う、こういう事態になつたものを押し切るということは、私は非民主的だと思う。その辺は愼重にお考えを願いたいと思う。従つて本日はこの会社首脳部人事の発令はないと考えてよろしいか、その点についてどういうことになるかお尋ねします。
  62. 河上弘一

    河上説明員 先ほど委員長、それから委員長代理ことごとく病気で倒れてしまつて、何もできぬじやないかというふうに言われましたが、それはきようのことです。この数日過労されたものでございますから、折あしく今日はお二人とも弱つておりますが、明日あるいは明後日には相当程度回復すると思います。従つてその後二人欠けて、五人のうちの三人でやらなければならぬということにはならぬと思つております。その点御安心願いたいと思つております。  それからいろいろお話がございましたが、率直に了承すると、人事の全部について御不満があつたようには思いません。それはその人事の小部分についていろいろ問題をかもしたのではないか。これは当つておるか当つてないか知りませんが、そういう考えを今持つております。それで委員会としてはまだ討議をしなければならぬので、従来の考え方がどうかわるかということは、私は單独で申し上げるわけには参りません。もし不幸にして自発が全然問題にしないということであれば、人事の問題に限つてあるいは公聽会まで行かなければならぬというような不幸なことにならぬとも限らぬ。そのときにはまた十分に御意見を伺うことにいたしたいと思つております。
  63. 小金義照

    小金委員長 河野金昇君。
  64. 河野金昇

    ○河野(金)委員 大体公益事業委員というものは、本来ならば、国会の承認を得て総理大臣が任命することになつておるのであります。今度は初めてであるからその手続を純なかつただけであつて、そういう性格のものであることを委員方々は御認識願わなければならぬと思う。国会があなた方を承認して初めて資格ができるわけなのにかかわらず、最近、やりになつておる行動というものは、あたかも国会を無視したやり方が多いのであります。たとえば今日のごときも、松本さんにしても、松永さんにしても、GHQには行かれたけれども、熱が出たとかどうとかであなたが帰したということです。これは少しあなたは越権だと思う。あなたの方にはいつも病気である。われわれは丈夫な姿を見たことがありません。たいていの場合病気々々と言つておられます。今日かり指令案を出さなければならぬという段階に来て、人事の問題で非常にもめている。国会は何もあなた方を責めるのではない。何とかしてまとめたい、こういう気持からおいでを願つておるわけであります。河上さんなり、宮原さんだけがおいでくださつても、おなた方は委員長代理でもなく、最後の責任はないのであります。私たちは何んとかこの事態を円満に解決したいという気持からお呼び申し上げておるわけであります。従つて今後はGHQの問題も大切であろうけれども国会も尊重していただかなければならぬと思います。やがて講和を迎えて、われわれが自主的にものを議決して行かなければならぬときに、何でもかんでもGHQ——それは事実その通りではありましようけれども、たといそういうことがあつたにしても、それはあまり口に出さないで、あなた方で内緒にしていただいて、国会の自主権というものを尊重していただきたい。何か都合の惡いことになると、GHQが逃げ場になるのであります。せつかく自主権をとりもどそうと燃え上りつつある国民に対して、私は水をさすことになると思います。占領下であるからいろいろなことであることはわかつております。わかつておるが、どうかそういうことはあなた方の内輪にとどめておいていただいて、国会へ出て来るときは堂々と出て来て、論議をしていただきたいことを、前もつてお願いいたしたいのであります。  そこで神田委員大分時間をとつてしまい、まだ質問者が数名残つておりますから、私は二、三点だけお伺いをいたします。電源の帰属問題につきましても、もめていることわかつておりますが、それはきようは問題にいたしませんで、人事の問題を中心にいたします。人事の問題がもつれて来たのは、本日の予算委員会を傍聽しておりますと、たとえば松本委員長日発の小坂さんとの間において、社長制にしよう、社長は公平な大物を持つて来て、副社長と申しますか、そういうものは日発配電から対等で出そう、こういう話合いができておつた。それがいつの間にか公益事業委員会の方で知らぬ間にそれをくつがえして、会長制に持つて来られ、日発の方は松本さんと小坂さんの初めの紳士協約を信じて副社長出しておつた。そこであなたの方では、目先の方には大した人物もおらぬ、副社長ぐらいでよかろうということで、大体おきめになつたらしいのでありますが、それは前提が違つている。会長制をとらず、社長制で副社長両方から出すという紳士協約で日発出したらしいのであります。それを途中で会長制にかえた、そのときに公益事業委員会の方から日発の方に、こういうように会長制にしたいと思うがどうだという前もつての相談がなかつたところに、このもつれて来た原因があると思うのでありますが、その辺の経過について公益事業委員会の方、また日発側の方、おのおのの責任のある方からはつきり知らせていただきたいと思います。
  65. 河上弘一

    河上説明員 ただいまのお話は、沿革的にいろいろ考究しなければ完全な答弁にはならぬと思いますので、それはやめます。実は私ども松本委員長と小坂さんとの問にそういう紳士協定があつたということは、そこまではつきり存じません。あるいはそういうお気持が小坂さんにもおありになつたかとも、今となつ考えれば、存じます。それから人事の問題を相談いたしましたときに、ここにおられます森副総裁から、こういうことも考えたということをちよつと伺つたこともございまするが、それが公式の提案であり、それを委員会が納得して応諾したということはいまだかつて私存じません。ただ複雑した人事を処理するにつきまして、社長制とか会長制というのは、その進行に従つて随時考えらるべき問題であつて、初めからこれを原則としてきめたことは実はないと思います。ただ最近になりまして、森さんからいろいろ事情を聞きますと、ちようど今河野さんからお話のようなつもりであの書類を出したのだということも最近知りましたが、しかし私個人として決して日発側の人が力がないということを考えたことはないのであります。結局この地位につきましては、それぞれ会長に適当した人あり、社長に適当した人あり、副社長に適当した人があるというふうに、非常に彈力を持つて考えたい、單に形式的の公平ということでなしに考えることだと今でも思つております。但しこの点につきましては、現にここにおられる森さんも、実は森さんのような人にぜひひとつある会社社長なつていただいたらというようなことを私も考えて、そういうことをお願いしたのでありますが、御自身から副社長でもこれこれの地方に行きたいということを、私直接ではありませんが、間接に伺いまして、それならばというので、一つの案になつておる次第であります。ただ單純にものを考えたのではないということを御了解願いたいと思います。
  66. 森壽五郎

    森参考人 ただいまの日発配電から副社長を出すという問題につきましては、二月十六日付で私ども出しました名簿とともにこういう書類が出ております。再編成に伴う人事に関する要望として、その裏の方にいろいろの事情を書きまして、よつて日発側としては次のように要望するものであります。すなわち新会社社長はすべて自発よりは出さないことにするととも一に、配電よりもこれをとらないことにし、これら以外から人材を起用されることを望むものであります。これはただいまの河上さんのお話のように、あるいは自発の單なる希望としておとりになつたかどうか知りません。そういうことでありまして、その点については私も非常に遺憾に思うのであります。もしも配電会社社長も所会社社長にするというお気持がありましたならば、日発でも社長を出さないかというお話があつても当然しかるべきだと思います。私どものこの希望がある程度向いていただけるものであるという気持であつたところが、私はともかくといたしまして、社長になるような人間が相当にあると思うのでありますが、それまでも社長にしないで、副社長にしておく、こういうことになりまして、私自身といたしましても、これらの人に対して非常に気の毒な感じがしておるのであります。
  67. 河野金昇

    ○河野(金)委員 承りますと、宮原さんの方は全員出席つたと恩いますが、今森さんのお話を承ると、当然公益事業委員会は公平なものであるから、日発側からも社長を応分にとつていただけるであろうという期待を持つていたとおつしやるのであります。それが途中で雪が降つたり何かしたという事故によつて、何か連絡が不十分であつたということでありますが、私はこの人事から、わが国にとつて非常に不幸な事態が起ることをおそれるのであります。従つてあなたたち公益委員方々が惡意でおやりになつたとは思わないけれども、今の日発の森さんのお話を承つた以上、もう一度人事に対して考慮の余地があるのかないのか、この点をひとつ簡單に御答弁願いたいと思います。
  68. 河上弘一

    河上説明員 ここで必ず考慮するとか、変更するとかいうことを私一個人で申し上げることはできないと思います。御趣旨はいろいろな方法をもつて、正副委員長によくお伝えいたしまして、また重ねて協議いたしたいと思います。
  69. 河野金昇

    ○河野(金)委員 そうすると公益專業委員会の予定では、本日仮指令案をつくることになつているわけであります。先ほどの同僚議員に対する答弁から総合いたしますと、委員長はきよう病気で家に帰つた、副委員長ももう帰つておるということで、あなたがお帰しになつたそうでありますが、そうすると今のあなたの御答弁では、今まで徹夜をしたり何かをして来たから、たといあの連中が病気だとてやれないことはないというように、私ども先ほど同僚委員に対する答弁を承つたのでありますが、そういうふうに人事の問題に対しては正副委員長に相談をして、できるかできないか知れないが、善処をしたいということをあなたはおつしやつておるのでありますが、そうするとやはり先ほどの神田委員と同じことになるのでありますが、仮指令案はきようでようできないと想像してよいのでありますか、もしそうじやなしに仮指令案通りにおやりになるとするならば、委員長も副委員長も病気でありますから、実際上はできない。そうすると昨日嵐でのプログラムの案通りに、公益事業委員会としては決定するということになるはずでありますが、その辺はどういうふうにお考えなつておりますか。
  70. 河上弘一

    河上説明員 御承知のように配電会社発送電会社とで協議の整つたものは、いわゆる承認の形式をもつて処理することができると思います。またこの両者の協定ができずに、話合いができないという場合には、委員会がそのときにおける考え方をもつて、これは作成の形式をもつて仮指令を考えなければならないと思います。二十三百が大体この予定された日取りでありますが、実はきようは朝から森さん以下といろいろ協議したいと思つてつたのですが、最後のどたんばで、この席上においてのみ会うことができるようなことに相なりましたので、今日は無理だと思います。従つてもしこれを分割して処理することができるならば、これは今日でもできるかもしれませんが、少くとも人事に関する限り、ただいまの模様をもつてすれば、今日発令することは無理じやないかと思います。
  71. 河野金昇

    ○河野(金)委員 私も午前中予算委員会に行つてつたわけでありますが、小坂総裁は、具体的に各地区の人事問題について言つてはおられませんでしたが、最初私がお尋ねいたしました会長制社長制の問題に関連して御答弁なつていたようであります。同時に具体的には、関東配電社長の問題が出ておつたようであります。これに対しましては、電産の藤田君からは、これは追放にも該当すべき人物であつて、電産従業員は絶対にこれを支持しない。もしこういうことが行われるとするならば、最惡の事態に入る、最惡の事態というのは、私はストのことであるように承つたのでありますが、このストによつて日本経済に大きな損失を及ぼし、再編途上において、電産がもしも再びこのわずかな人事のことによつてそういう事態に入るということになつては、われわれとして忍びないのでありますし、電産の従事員諸君も、これは好まないことであると同時に、国民全体としても忍び得ないことであります。一人の人のホストのために産業の大部分というものが麻痺状態になるということは忍び得ないことでありますけれども、少くとも今日の午前中の空気からいいまして、この関東の問題などは妥結点には達しておらぬと思いますが、きようは委員長委員長代理がおられませんから、あなた方二人で御相談になれば——きめるわけには行きませんでしようけれども、大体二人で御相談になれば、どうしたらいいかという案は出るだろうと思います。しかしあなた方公益事業委員会は、たまたま今日午前中に出たのは関東の高井君一人で、あとは両者の間に妥協点に達しておるとお考えなつているかどうか。私たちの聞くところによりますと、陳情書なり、いろいろなものがたくさん今日参つており、たとえば東北の白洲君の問題、あるいは北海道の藤波君というような人に対して、多くの反対の陳情が参つているわけでありますが、こういうことを御承知の上で人事を内定しておられるかどうか、そういうことを無視してあなた方のお考え決定をされつつあるのか、承りたいと存じます。
  72. 河上弘一

    河上説明員 この反対とか、陳情とかいう問題は、まことに機微な問題でございますが、ただいま問題になりました関東配電の問題につきましては、重大のようでありますから、簡單に論議しますというわけにも行かぬと思いますから、しばらく差控えます。その他の問題につきましては、ひいきひいきがあるので、私ども実際それほど決定的に存じ上げないことについて……(「相撲と間違えるなよ」と呼ぶ者あり)何ですか、やじになれないものですから……いろいろ反対陳情とか、それぞれ違つた運動がありますので、そのどれに主として耳を傾けていいかということは、なかなか判断しにくい。それでやむを得ない場合には自分らが協議して判断する以外に、実はなかつた。それで先ほど私はすべての方に対して御満足の行くような人事は、とうてい私ども微力でできないと申し上げたのは、そういう意味なのであります。また特に重大な問題につきましては、今日できなければ明日でもまた会議をいたしまして、いろいろ協議をして、その態度をきめるほかはないと思うのです。
  73. 河野金昇

    ○河野(金)委員 官房長官が来ておられるようですから、お伺いいたしますが、公益事業員をきめる場合には、普通ならば国会各党に事前に相談があるのでありますが、今度は初めてであつたがために、おそらく総理大臣の手元でおきめになつたと思いますが、総理大臣のおきめになることは、陰の岡崎さんがおきめになるものと見て一向さしつかえないのであります。それほどまた権限をお持ちになつている岡崎さんであると、私は信頼をしているのでありますが、五人の公益事業委員を公平な立場でおきめにならなければならなかつたにかかわらず、実はそういう委員を目の前において失礼ですけれども電気のことのわかるのは松永さん一人で、関西はここにおられる宮原さん、伊藤さんは財界の代表でありまして、電気を使うことは知つておるかもしれぬけれども電気專業全体に対してはしろうとであろうと思う。河上さんは金融の方ではくろうとでありますが、これまた電気の方はお詳しくない。そうすると、結局五人の委員の中で、電気のわかる人は松永さん一人だということになるのみであります。従つてその後出て来るところの電源の帰属問題にしてみましても、あるいはいろいろな人事の問題にいたしましても  電源の帰属問題なとになりますと、関西が財界のバツクの力で無理をいつて来るし、人事の問題になりますと、電気のことのわかるのは松永さんであり、子分を多年養成して来られたから、松永さんの子分が全国に配置されるということになるのでありますけれども、そこで岡崎さんにお伺いいたしたのは、一体公益事業委員をおきめになる場合、どういう基準でおきめになつたか。関西の財界なり、あるいは松永さんというような人を入れて、あとわからない人を入れておくと、こういう事態になることは、私どもはわかつていたのですが、こういう事態になつて来たことに対してどういう御責任を感じ、またどういう気持で委員を任命したか、お伺いいたしたいと思います。
  74. 岡崎勝男

    ○岡崎政府委員 委員の選考決定は、総理の考えにあるのでありますから、私は総理の考えを推測して申し上げるだけでありますが、電気事業に関する今度の委員会は、その下にかなり大きな事務局がついております。そうして電気に関するあらゆる知識を持つた人がそこに網羅されております。いわば各省大臣のようなもので、委員というものはむしろ広い視野を持ち、法律関係に明るい方も必要であろうし、財界の事情に詳しい人も必要であろう。いろいろの面で広い視野とすぐれた人格を持つた方であれば、電気に関する技術的な事務局に諮問されればよいのであつて、こういう意味でたとえば例を引いてはおかしいですが、各省の大臣必ずしもその省の專門家ではないのであります。しかしながらりつぱに仕事をやつて行かれるのと同じことで、われわれは公益事業委員はどの方もりつばな方でありまして、十分その任にたえるという確信を持つて任命されたことと信じております。
  75. 河野金昇

    ○河野(金)委員 岡崎さんとしてはそう言わざるを得ないだろうと思います。それから河上さんにお願いをしても同じことであろうと思いますが、今度の人事を見ますと、委員会としては公平にきめたとおつしやるでありましようけれども、われわれ国会側ある、いは国民の一人として考えると、これは松永人事である、東邦電力人事であるといわなければならぬと思います。これは河上さんに御答弁を伺いたくないのでありますが、一体日発側としてこの松永人事、東邦電力人事に、どの社長がいい惡いの問題ではなしに、全体の比率がほとんど東邦電力で占めているというこの事実に対して、日発側は一体どういうお考えを持つておられるか、承りたいと存じます。
  76. 森壽五郎

    森参考人 ただいまの御質問に対する回答といたしましては、はなはだむずかしいのでありますが、元東邦におりましたから、その人は東邦びいきであるということには実は行かないのでありまして、東邦におつた人でも、しごく公平な人もおつたようであります。しかし今度出ております元東邦に籍を置きました人を考えてみますと、多少そういうふうにばかり解放できない人もあるようでありまして、側別に申し上げるのは、ちよつと困ると思いますが、私はそういう感じがいたしております。
  77. 河野金昇

    ○河野(金)委員 同僚委員が待つておりますから、質問を打切りますが、公益事業委員方々にお願いをしたいのは、われわれ今までおやりになつたことをどうのこうの責めるわけではないが、何とかこの事態を円満に解法して、この再編途上にある電気の問題を解決したいと思う。これは経営者側だけではいかぬ、従業員側も全部が納得しないにしても、大体これならストライキを起すところまで行かないでもしんぼうできるという人事でなければならぬと思います。先ほど河上さんのお話を承ると、おそらく今日は仮指令は出さないということであろうと思いますが、どうか出さないようにして、ひとつ松本さんや松永さんの病気のなおるのを持つ、あるいは病床に行つてでも、公平な人事が行われて、みなが納得できるように、最後の努力をされんことを要望して私の質問を終り、同僚議員に譲ります。
  78. 小金義照

    小金委員長 次は今澄勇君。
  79. 今澄勇

    今澄委員 私はまず岡崎官房長官にお伺いをいたしますが、この新電力会社人事問題について、内閣は閣議において何らか対策を講ぜられたことがあるかどうか。もしこれらの状態が紛糾すれば、内閣としてはどのようなことを考え、どのような対策をなされんとするのか、これについて総理がもし見解を述べたということがあるならば、かわつてお聞かせを願いたいと思います。
  80. 岡崎勝男

    ○岡崎政府委員 これは政令並びに集中排除法等いろいろの法律の規定がありますので、総理は、むろんここにおいでになります河上委員、また松本委員長などとも前からのお知り合いでありますし、また自発総裁とも古くからの友人でありますので、友人としてはいろいろ申し上げることもあろうかと思いますが、内閣総理大臣、もしくは内閣として、公益事業委員会の今担当しておられる人事に対して干渉する意思はないのであります。但し公益專業委員会で行われた問題につきまして、異議の申立てがありますれば、これは法律等の規定によりまして、内閣総理大臣は適当の措置を講ずるわけでありますが、これも一に法律等の規定によつて考慮するのでありまして、それ以上の、何と申しますか、これは大きな問題でありますから心配はしておりますが、同時に公益事業委員会委員各位は非常に練達堪能で経験の深い方ばかりでありますので、この方々の適当なる御決定があるものと期待しておるわけであります。
  81. 今澄勇

    今澄委員 今の御答弁ですが、現在のこの電力会社人事の問題は、産業経済に及ぼす影響が五大であります。かつまたこれは総理の直接責任のある担当部門ということになつておるのに、この事態を前にしてそういうことでは、私は内閣としてまことに事態楽観に過ぎると思うが、重ねて閣議においてこれらの問題が議されたことがありやなしや。もう公益事業委員が、これらの問題の收拾に当つて大きな混乱を引起して、あるいは辞任するというような事態でも起れば、総理はやはりそれらの問題について責任をとるべき法律上の問題が残つておるが、これらの点についての情勢報告、並びに御見解を聞かせていただきたい。
  82. 岡崎勝男

    ○岡崎政府委員 閣議で問題になつたかどうかと言われるのでありますが、閣議のことにつきましては、必要な法令等の決定以外については常に申し上げておりませんからお返事を差控えますが、総理のみならず、各閣僚は国務大臣として、この問題についても、いろいろ世間がやかましくなるにつれて心配はしていることはむろんであります。  それから総理の直接責任というようなことをちよつおつしやつたように思いますが、最近の行政組織のやり方は、たとえば人事院についてもおわかりの通り、国家公安委員会についても御承知通りでありまして、必ずしも総理大臣が常に直接に指揮監督するという建前になつておりません。そのかわり、たとえばその決定に不服があつた場合には、今度の公益事業委員会の場合のように、異議申立てを総理大臣にすることができる、そうすると総理大臣はこれに対して適当の措置を講ずることができる、こうなつておりますので、今ただちに公益事業委員会考えておられますことに対して、政府としてこれに立ち入つて干渉することは差控えるべきだとわれわれは考えております。
  83. 今澄勇

    今澄委員 それでは失礼でございますが、森さんにお伺いいたします。第一点は、今度の日発理事会において、一方的にきめられた公益事業委員会人事については協力しないというきつい線が出ておりますし、今日の予算委員会の小坂さんの発言もそういうふうでございましたが、日発としては、この一方的に発表された人事で、もし公益事業委員会が押し切る場合には、就任に拒絶されるおつもりであるかどうか、御答弁願いたいと思います。
  84. 森壽五郎

    森参考人 それは一同が一応そういうふうに申し合せておるまして、そういう不幸な場合が起りました場合は、ただいまの各理事が就職するかせぬかということは、これは最後のお話でありまして、でき得べくんばそこまで行きたくないという気持を私はしておるのであります。おそらく委員会の方におかれましても、そういう気持を持つておられるのだろうと思うのでありますが、ともかくもただいまのところは非常にその空気が險惡でありまして、御承知通り既定事実は曲げられないというのが一つ考え方でありまして、この点を打開する必要があると思います。
  85. 今澄勇

    今澄委員 もう一度重ねて焦点を明らかにしたいと思いますが、日発側皆さんとしては、個人の就任を絶対に拒絶するかどうかという質問についてのお答えは大体お立場もありますから了承しますが、されば公益事業委員会が発表した人事については、これを認めないという基本原則についてはあくまでも貫かれるかどうか、ひとつ答弁をお願いしたいと思います。
  86. 森壽五郎

    森参考人 それはけさほども予算委員会総裁が申しました通り公益事業委員会の再編成に伴う人事に関する要望という声明書がありますが、その中にもありますように、聽聞会なり、あるいは内閣総理大臣に提訴いたしまして、公正なる決定を仰ぐつもりでおります。
  87. 今澄勇

    今澄委員 もう一つ、自発側としては、基本原則の申入れの線に沿うて、副社長配電側と一人ずつ並ぶということでございましたが、ここで発表の御必要はございませんが、それらの問題に対するある程度の具体案と、そして十分折衝すれば、それらの問題についても、人物の名前をあげて交渉するだけの用意があるかどうか、御答弁願いたと思います。
  88. 森壽五郎

    森参考人 これは話が根本に戻りますが、私ども考えております副社長を持つてつて、大物の社長をその上にいただく、あるいは会長をいただくということは根本原則でありまして、これはどうしてもやらなければならぬと考えるので浸ります。ただいま新聞発表などにあります配電の者で社長になる者が、しからば現在の在職中、経営成績を上げておるかいなやということを考えてみますと、まことに心細い人もあるのでありまして、こういう人をそのまま社長に仰ぐということは事業の発展、日本再建のために役に立つかどうかということを考えますと、非常に疑わしいのであります。その意味におきましても、こういう人は私どもとしては実は賛成しないのでありまして私どもの根本原則はどこまでも貫きたいと考えております。名前を別に申し上げかねますが、そういうふうに考えております。
  89. 今澄勇

    今澄委員 そこでこれは問題が違いますが、もう一度森さんに伺います。われわれは今度の電力のこの主要人事松永さんの息のかかつた人が非常に多いという具体的な実例をあげて、右なたにひとつ答弁を願いたい。その一つは、一例を上げると、四国の竹岡会長のごときは、松永氏が義兄であり、しかも公益事業委員会の副委員長ともあろう人の——そういつた人々がここに名前が上つておるということはいかにもどうかと思う。これらの点についてあなたは何かそういつた人々のことで御意見でございますならば、この機会に吐いていただきたいと思います。
  90. 森壽五郎

    森参考人 ただいまの御質問人事、これに対してかれこれ申し上げることは困るのでありますが、私の気持といたしますが、私の気持といたしまして、かかる人は出ていただきたくない、こういうふうに考えております。
  91. 今澄勇

    今澄委員 そこで私は藤田電産の委員長にお伺いをいたします。藤田委員長としては、この人事がこのまま押し切られる場合においては、電産としての決意を率直に伺いたい。私は昨日群馬県及び各電産の府県の労働団体の代表者の陳情を受けたのでありますが、これらの府県の労働団体の代表者は、かくのごとき人事がきまるとするならば、全員職を賭するとも私どもは反対であるという強烈な意見をわれわれに申し伝えて来て、事実しかくのごとき状態では、電産の業務執行の上にも大きな影響を及ぼすものであると思うが、それらの点を含め、率直にひとつあなたの御見解を伺いたいと思います。
  92. 藤田進

    藤田参考人 お答えいたします。かかる重大な事態が起らないように、特に基幹産業、公益性の高い電気事業に従事いたしております、電気労働者といたしましては、またこれをもつて組織する電産としては、そういつた事態が起らないことを念願いたしまして、より具体的にこのような事態を起さないために、実は十三日から非常に回数も重ねて、公益事業委員長の松本さん、あるいは委員長代理松永さんにもお会いし、その他委員にもお会いしたわけであります。特に、あの猛吹雪で電話も通じない、あるいは交通が云々という先ほど委員の方から御発言がありましたが、あの十三日から、猛吹雪の中を十四日もタクシーを拾つて松本さんの宅にもおじやまいたしました。あるいは新木さんにきまつたというので、どういう方であるという意味も含めてお会いをいたしました。そういつた中に、なお電話も通じておりましたので、十三、十四、十五日と電話で連絡できるところは電話で連絡いたしまして、何とかこういう形にならないように、事前の努力を実は拂いましたことを申し上げておきます。しかるに事ここに及びまして、なお再検討なさるということであれば別でございますが、あの形で実施されるということになれば、すでに今日そういう大体の 内容が新聞等にも出ておりますし、これは先ほど確認をせられておりますが、こういう形の中において今御指摘のように、電産といたしましては非常に重大な問題に際会いたしておりますので、中央役員といたしましては、あげてこの問題の円満なる解決に努力を傾倒いたしつつあります。しかしながらその努力がなかなか効果を結びませんし、同時に再編成その他の業務も、どんどん作業を進められております関係上、職場従業品貝は非常な不安のもとに、今日先ほども申し上げたごとく、休暇をとる、あるいはすでにストライキにこの問題が拍車となつて突入をいたしておるような事情がございますので、この上はやはりわれわれの基幹産業であり、公益性の高い事業がそういつたトラブルを起さないように、公益町業委員会の善処をさらに特に要望すると同時に、組合に対しても、この状態がわれわれ中央本部といたしましても打開されるように努力しているから、十分愼重に行動してもらいたいという立場をとつております。しかしながら多数の電産の組合員にこのことを一人々々納得させることは、これは公益事業委員会が、組合が了解する線を打出す以外に最もいい方法は今日ありませんので、この点きわめて憂慮をいたしておるものであります。
  93. 今澄勇

    今澄委員 もう一点藤田さんにお願いいたしますが、ただいま問題の焦点になつておる高井関東社長については、後ほどほかの参考人の方にもお伺いいたしますが、まず不当労働行為の問題がある。これらの不当労働行為の問題、並びにかつて配電を中心として電産労働の中の、非常に不明朗な動きの指導者とも目されており、あなた方の非常に関心のあるところであろうと思うが、この機会に忌憚なくそれらの事実についてひとつ説明が願いたいと思います。
  94. 藤田進

    藤田参考人 お答えいたします。一昨年の九月当時から、町編成の問題は必然性を帶びて世にいろいろ論議をされて参りましたが、この再編成を動機といたしまして、関東配電高井社長は、常務部長あるいは各職場の課長、係長という、特に非組合員、この職制を通じて、組合の御用化工作に着手をいたしまして、たまたま昨年の六月になりまして、電産は組織上非常事態に際会して、非常事態の宣言をいたしまして内部の問題として、極左暴力の方々を組合全員の形において、これを組合外に排除いたしたのであります。このような機会に乘じて、さらに御用化の線を積極的に出し関東配電の中では、組合活動をしたという程度のことで、レツド・パージに便乘し解雇したり、さらに昨年の年末におきましては、明確に不当労働行為となり、こういつた御用組合と自治的な組合との関係において、差別待遇を二百円という金に一応名目をつけて、御用組合に、本日中に来るならばこの三百円を出しましよう、来なければ出しません。こういう形で各職場大会等に諮られておるのであります。その結果、昨年末にその二百円の問題は、これは大した問題ではないけれども、この再編成に臨んで、お互いの身分がかような不利益な取扱いを一方にされるという現実の上に立つて、配置転換、あるいは大きくは関東から、あるいは遠くの北海道、九州にまわされるではないかというような宣伝と相呼応して、七百名という従業員が、心ならずも、身分保障に主として希望を抱いて参つたような事実もあります。なお職制を通じていろいろな文書でこの御用化、切りくずし工作を進めておりますが、これらの点は、文書としてわれわれは今日証拠を握つておりますので、法律問題として今日提訴いたすことこいたしております。その他より明確な事実もございますが、これはこの段階では、証拠湮滅の疑いも大きくございますので、あまりこまかくは、この時期においては申し上げたくないと思うのであります。
  95. 今澄勇

    今澄委員 時間がありませんので、もう一点だけ藤田さんにお伺いいたします。私ども公益事業委員なるものは、少くとも、日本の重要なる公共的産業である電力をあずかる限りにがいて、労働立法の精神をくみ、これらの勤労者の意欲を十分に活用せしめるものでなければなりません。そこでわれわれの聞くところによると、松本委員長は電産労組の解体をはかつて、各企業別のものにしたい。あるいは松永氏は罷業権の剥奪を考えておられるとか、あるいは賃金ベースに公益委員が干渉するとかいつた、いろいろの問題があるが、それらの点について、藤田氏はどのような見解と、どのような事実を知つておられるか、もしさしつかえなければ御説明が願いたいと思います。
  96. 藤田進

    藤田参考人 私どもはかなり詳しい、また事実に基いた情報を持つております。特に御質問の点でありますが、松永委員は組合を分裂させる意思を持つておられることはより明確になつております。名前は申し上げませんが、労働省に諮問を出されまして、何とか現行法上においても電産を連合体その他の形で分裂させ——言葉は分裂ということは使われなかつたと思いますが、分裂させてさらに罷業権を奪うことができないであろうかとというような相談をされた模様であります。労働省の方でどういう同等をされたか、聞くところによりますとおそらくその罷業権を法律でとつたところで、たとえば八万の電気技術を持つた人たちの軍隊をつくるとかいつたような、事を構えている以上は、実際問題として法律で制圧することはむずかしいというようなお答えがあつたようにも聞いておりますが、私どもが非常に苛径に思つておりますことは、公益事業委員会は、あたかも中央労働委員会ないし各地方にあります労働委員会の業務をそのまま電気事業についてはとり行うという態度が出ているようであります。過般労働協約を締結いたしました際も、松永委員は、その労働協約を見て、会社に対して、もつと何とか闘いとれないか、これを結んでいいのかという形でかなり強い意思表示があつたようであります。しかし当時の状況といたしましては、これ以上会社としても闘いとることができないという形で、遂に松永氏もこれに了解を與えたという話であります。そのようにすべての労働問題に労働委員会をさしおいて深くタツチし、そうしてこれまた組合を分裂させ、自主的な組合の保護助成というあ精神から大きく逸脱して行くという事実は、他にもいろいろ出て来ているようであります。なおつけ加えて申しますと、今関東御用組合と申し上げましたが、私どもは組合が分裂したから、その感情で行くというような考え方は持つておりません。要するにこのような電気事業の中で、御用組合化させるこのことは、結局将来においては全国的にさらに競合の形となり、きわめて不自然な形で問題がさらに紛糾して行きますと同時に、日本の民主化がそれだけ阻害される、という基本的な反対理由を持つておりますが、たまたま関東におきまする一部の御用組合は、すでに新聞にも公表されたように、司令部の方においてもはつきりと御用組合であるということを言われておりますし、中央労働委員会の中山会長に対しては、これまたこの御用組合について真相を明らかにし、そしておのような形をとらないように、一産業一組合の形が最も望ましいから、そのことについて十分なる措置を講ずるようにということが言われているわけであります。たまたまわれわれはこの問題を法律的に取上げることになつたわけでありますが、早い機会においてこの真相は天下に明らかになることであろうと思つております。
  97. 今澄勇

    今澄委員 時間がありませんので、まことに恐縮ですが、もう一点だけ簡單にお答えを願いたい。今の電産の藤田さんの御見解を総合すると、それらの政策を代表する者は高井氏であるということになりますが、高井氏の名前が出て来ましたので、この名前を取上げますが、電産としては高井氏がどうしても関東電力会社社長になるということになると、囲いをやめることになるかどうかということについてひとつ簡單お話を願いたいと思います。
  98. 藤田進

    藤田参考人 先ほども触れたわけでありますが、より具体的な御質問であります。私どもは本来組合として合法的な闘いを進めることはその基本的な態度にいたしております。そこでこの形で今世上伝えられ、先ほど河上委員によつて確認されたあの高井社長という形で実施を見るならば、これまた合法的に休暇をとるなり、その他有効な手段をもつて最後まで鬪わざるを得ないというはめになつておりますことを申し上げておきます。
  99. 今澄勇

    今澄委員 私は四十分間時間を與えられておりますので、あとのこり半分を公益事業委員会の方に伺いたいと思います。第一点に私は河上さんでもどちらでもけつこうですが、ポツダム政令には新しい電力会社首脳部の任免権がわざわざはずされてある。しかし新発足のときには法律二百八号によつて公益事業委員会が任命することになつた、こういういきさつとその法の精神についてはどのような見解を持つておられるか、承りたいと思います。
  100. 河上弘一

    河上説明員 率直に申しまして、ただいまの御質問は私には少しむずかし過ぎると思います。その立法の経緯等については実は当時の速記録をまだ拝見しておりません。あらためて他の機会に願いたいと思います。それからこれはまた違つたことでございますが、先ほど今澄さんの御質問の中に竹岡さんのことが問題になつておるようでございますが、これは実は率直に申し上げまして、松永氏の推挙ではありません、それはここにおられます宮原さんが、ある面から竹岡さんの人格とその他の優秀さを聞かれて、このむずかしい人選の場合にこれを補足するのはたれがよいかという問題のときに、竹岡さんの話をされまして、そこに居合せた松永さんは実はあれは私の姻戚か何かに当る、それで自分としては好ましくないということを言われた事実があるということだけを御報告申し上げます。
  101. 今澄勇

    今澄委員 私は大先輩である河上ざんに抽象的な話ではどうも御質問ができないので、法律的な具体論でお伺いをしたわけであります。詳しく知らないというお答えでございますが、私はこれから具体的に御質問申し上げます。少くとも法律二百八号をもつてこれらの人事権をあなた方に委任したところの大きな理由は、過渡期の今において国内の輿論並びに国会、その他業界 労働界の情勢等あらゆる現在の事情を勘案してこれは特別立法となつておるものと考えるのであります。しかるにこのような特別立法をもつて委任を受けたあなた方の人事のやり方が、こういつた大きな紛争を巻き起しておるということには、考えの根本に間違つたものがあるのじやないか。そこで私は河上さんにお伺いしますが、公益委員会においてその議決は一度もとつたことがない、こういうお話でありましたが、大体法律には多数決できめるという明文がございます。われわれは法律をつくるところの立場におる立法の府でございますが、いかに先輩といえどもわれわれがつくつた法律に従つて行動していただかなければならぬと私は思うのです。多数決をやらなくて、話合いのうちにきめられたという公益事業委員会のその最後の結論については、全公益事業委員はみな同じようにそれらの責任を持たれますかどうですか。おれは採決に加わらなかつたから知らないということではならぬ。日本電気事業、その他の今後の運営の上にも採決をとつて行かれるか、採決をとらなくてもそれらの結論には全部拘束せられ、その責任を負うものであるかを明らかにしていただきたいと思います。
  102. 河上弘一

    河上委員 御質問趣旨よくわかりました、先ほど私が採決をとらずにきめたと申し上げましたのは、多数決を否認したのではありません。そのときに話合いました全部の者が賛成してやつたことで、完全なる多数決、多数決以上の全員決であります。従いましてその内容について、もし責任をとる必要のあつた場合には全員ことごとく責任をとるつもりであります。  それからもう一つつけ加えますことは、私なれないのでときどき失言するらしいのですが、先ほど委員会速記をとるかという意味に解釈したものでありますから、記録は格別ないと申し上げたのでありますが、非常に複雑した話合いのときに速記人を雇つて速記したことは実はございません。しかし大体においていつの委員会でどういう問題を主として取扱つたという程度の記録はあるはずでございます。全然記録なしにただ雑談をやつたというふうに御解釈くださると私どもはなはだ都合が惡いのであります。
  103. 今澄勇

    今澄委員 私はあなたの御答弁の大体の趣旨がわかれば決して言葉じりをとらえるような気持はありませんから、御安心なさつて答弁願いたいと思います。そこでそういうふうな話合いで人事をきめられると、これは必然の結論として電力人事に最も明るい人の発言がそれらの委員会の主動性を占めるということになることはどうしても避けられない事実である。そこで私はこの委員会は政界の長老あるいは実業界の長老といつた人々の見解をいれないで、まことに独立不鶴の立場からきめらるべきものであるということは認めます。しからばこの人事を議する公益委員会の中に一つの野心を持ちあるいは一つの方向を持つ者があるとするならば、それらの問題を規制するのが多数決でなければならぬと思います。しかるに多数決はやらないで、たとえば松永さんなら松永さんの言つたことが、ほかの人があまり反対しないで、そのままきまるということでは、ここにこの人事をめぐつて各方面から大きな輿論が巻き起つておる原因があると思いますが、河上さんはその点についてどのようにお考えになりますか、御説明を願いたいと思います。
  104. 河上弘一

    河上説明員 お話によりますと、われわれ全員が松永老に引きずりまわされたというぐあいにも響くのでございますが、決してそういうことはないと私個人は思つております。昔からの松永氏を存じておる私といたしましては——年をとられたせいか、お茶人になられたいか、非常に穏やかになられまして、人の意見をよく聞くようになりました。とまどま昔の癖が出ましてかなり乱暴なことを言われる、これは性格でやむを得ません。しかしながら松本先生はこれに対して断固たる見解を披瀝されます、そうして私はそうは思いませんということを明確におつしやいます。そうするとあの老人もきわめて反省力を持つておりまして、そのときははなはだ不輸快な顏もされますが、一両日後には全然松本先生の意見を消化されてこれに同調されるということが非常に多くの場合ある。そこで私はこの間はなはだ申訳なかつたのでありますが、松永氏の面前でこのおじいさんなかなか反省力があつて偉いと言つたら、松永さんも当惑した顏をいたしました。松本先生は決してそれに引きずられるということは絶対にありません。委員会が設立されます当初においてあの人選を見ましたときに、世間は松永氏に対してかなり酷評をやりました。そのときに私は松本先生の門下といたしまして——こんなことを言つてはいかぬかもしれませんが、先生に御注意申し上げまして、松永さん——あれはだいじようぶですか、昔の松永さんを知つておるからよいが……。そういうことを申し上げましたときに、松本先生が、いや決してそうではない、近ごろの松永氏を君は知らぬかもしれんが、非常に円熟した、しかし松永氏がかりにそういうような態度をとる場合には、私は議長として断固これに反対します、決してそういうような懸念はありません。松永氏はとにかく電気に生れて電気に育ち電気に死ぬ人だ——そこまでおつしやつたかどうか知りません、しかしそういう方を、いわば野にほうつてという意味力どうか知りませんが、それよりも十分に協力してもらうということが、この際にいいのじやないかと思うということをおつしやつたので、私もそれに賛成いたしました。そういう事情でございますから、どうか御了承願います。
  105. 今澄勇

    今澄委員 私は先ほど来問題になつておる関東の高井社長の件を一例としてあげるならば、電気事業分断促進のときに当通産委員会において参考人としておいでをいただいてわれわれは聞いたことがございます。御承知のように松永事務所に対する三百六十万円の献金の当の責任者が高井氏でございます、松永氏は公益事業委員会委員長代理である、こういつた明々白々なる事実があるにもかかわらず、これほど輿論が巻き起り、これほど国民的な批判の声が上つておるのに、公益事業委員会としてこの人物をあくまでも社長として押し切らなければならぬということは、現実には松永氏の言う通り動いておるものと認めなければならないが、これについての河上さんの御見解、また高井社長についての御見解をこの際おさしつかえなければ腹蔵なく説明していただきたいと思います。
  106. 河上弘一

    河上説明員 個々の人事にに対するまた個人的の批評というものは、この際委員会の一人としては私は差控えたいと思います。どうか御了承を願います。
  107. 今澄勇

    今澄委員 今の御答弁でございますが、抽象的な論議をこの委員会でやつてもそれはもはや大した問題にはならぬ。新聞紙上にずつと名前の出た新会社の重役、社長はこれこれである、大体これは間違いない、その通りにきまるのだというて、あなたが新会社人事について答弁があつたから、その答弁にこたえて私は質問いたします。この通りにきめるという新会社人事の名前の中には関東の高井という社長がある、この高井という社長は、あなたの言葉によるとその通りに押し切つてきまるのだ。松永さんに三百六十円も献金したという具体的事実がはつきりしておるような、公益事業委員会委員長代理とこういう関係にある者を、どうしても反対を押し切るということについてはどういうふうな御見解であるか。あなたがこの席上で公益事業委員会としては新聞に何と出ようとも、人事決定するまではわからぬという御答弁ならば、私は質問いたしません。しかし新聞に載つておる通り間違いなくやるとという先ほどのお話であるから、私はその線の上に立つた具体的は高井社長の問題についてお伺いをしたのでありまして、国民の代表であり、国会の審議権を持つ私の質問に対しては当然御答弁される義務があると思います。
  108. 河上弘一

    河上説明員 私が先ほど新聞を見せていただきまして大体この通りであろうと申し上げましたときに、私がつけ加えることを失念したかどうかはわかりませんが、とにかくほんとうの決定いとうものはまだできておらない。しかしながら今までの経過において大体こういう方向で、こういうことになるのではないかと思うという意味で申し上げたのでありますが、そういうふうに響かなかつたのでございますか、ちよつとお尋ねいたのます。
  109. 今澄勇

    今澄委員 先ほどのあなたの御答弁は、そういうふうに響かなかつたわけです。あなたの御答弁速記録に明確に載つておりますが、あなたは一応その名前をごらんになつて、この通りやりますという明確な答弁でございました。だから私はこの高井社長問題については、この際あなたがこれらの問題を含めていろいろ考えるとか、たとえばきようの先ほどの参考人の陳述も、少くとも高井という人については不当労働行為でこれこれこれこれ、森さんの陳述についてもこれこれこれこれ、われわれが知つておる事実もこういうふうであるという事態が明らかになつておるにもかかわらず、あなたの方で何ゆえに強行せられるか。強行しないで考えるということであれば、それもまた御答弁になかかと思いますが、ひとつ答弁を願いたいと思います。
  110. 河上弘一

    河上説明員 どうも私にあなたの御論旨が合点行かないのですが……。
  111. 小金義照

    小金委員長 河上委員ちよつと申し上げます。今澄委員の論旨は、名目のいかんにかかわらず、松永事務所に三百六十万円のお金を高井さんが、業界の代表者として寄付しておる。その寄付をいただいた松永安左衛門氏が公益事業委員会委員長代理である。だから寄付を受けた委員長代理と寄付をした代表者の高井さんとの関係を無視して、このまま押し切るかという意味なんです。
  112. 河上弘一

    河上説明員 ああそうでございますか。結局最後の押し切るかという問題に対して、先ほど私が押し切ると申し上げたように、ただいまお話がございましたが、私は押し切ると必ずしも申し上げたのではありません。ただいまの経過においてそういう方向で、そういう意味考えて来たということは事実であるということを——私はあまりうそは言えないので、率直に申し上げた。その後にまたいろいろ御注文がございましたし、この委員会がこれほど反対しておる人物をというお話もございましたが、それに対して私は宮原さんと私と二人の委員だけでここで相談しろとおつしやつても、できかねる。委員長委員長代理、もう一人の委員と五人の委員会であるがゆえに、きようのお話のごときことは、率直にありのままに御報告はいたします。そうすればあらためて協議ということになるかもしれません。とにかく御報告するという意味を申し上げたのでありまして、このまま私が個人の信念においてこれを押し切るのだと申し上げた記憶はございません。
  113. 今澄勇

    今澄委員 河上さんのいろいろのお立場もございましようから、それらの点については十分御善処を願うということで質問を終ります。  せつかく宮原さんがお見えなつておりますから、私は宮原さんにお願いをいたしますが、今度四国の会長に予定されておる竹岡氏は、あなたの御推薦だということでございましたが、この人はどういう事業をされ、どういう経歴で、どういういきさつで、どういうわけで、御推薦になつたか、簡單にお尋ねいたします。
  114. 宮原清

    宮原説明員 ただいまの御質問簡單にお答えいたします。人事の問題を公開の席で論ずるのに適当な表現がないために、私は周囲の影響も顧慮いたしますが、この席でありますから、あえて私が推薦した理由だけを簡單に申し上げます。四国におけるいろいろの関係において、相当複雑で、あそこの開発をするために、有能な技術者を必要とするという第一の建前に対して擬せられておつた宮川氏は、相当な権威者であり、最も有能な技術者であるということを確かめております。そこでそれだけで行くということに相なつておつたのでありますが、一方において会長制度の施行もあり、しかももつとより世間的に信用の高い人を必要とするということを考えて、皆さんが首をひねつてつたのであります。日発総裁の小坂さんも竹岡氏というものを相当に買つていらつしやるという事実、それから四国の関係者である私の友人から、もし四国に社長を置くならば、いささか老齢だが、人格的にもりつばであり、松永氏の関係もあまり深くは私は存じませんでしたけれども、竹岡氏こそしかるべしという推挙もありました。この人は相当電業界において久しい間の実績を持つており、クレヴアーな人だということを拝承しておりましたから、いささかそういうことが頭にあつた折から、この方は九州で電気の仕事をされておつたのであります。九州の会長制の場合にも、竹岡氏などが一応問題にはなりました。その意味は当時においては九州の関係にはあの人がいいだろうけれども、しかしやや派閥的な意味に、おけるいろいろな競合があるから、必ずしも適当でないし、この通り考人でいささか仕事を終つたという形でひつ込んでおる方だからというようなお話があつたのであります。しかしながらちようど前にそういうことがありましたから、竹岡氏はいかがですかということを申し上げた。そのときに松永氏が、先刻河上さんにおつしやつたように、義兄だということでありましたが、おそらく人を推挙するには知つておるからできるのであつて、知らない人を推挙することはできないのであります。しかもこれが姻戚関係にあつた人でも、公正であるということをこちらが見きわめた以上は、推挙してさしつかえないというのが私の信念でありますので、私は宮川氏が社長になるのならば、竹岡氏が会長なつたら、ちようど向うの人々の希望しておるところであり——多少宮川氏に反対のあることも聞いておりましたから、ちうどそこに調節ができて、なめらかな人事において相ともに四国の開発に邁進できるのではないか、こういう意味で私は推挙したのであります。
  115. 今澄勇

    今澄委員 時間がございませんから、総括的な人事の問題を質問申し上げますが、大体公益事業委員会に技術顧問というものがございます。この技術顧問の性格は、電源帰属、融通問題について意見の交換をする、こういうことになつておるようであります。この技術顧問の中から新会社の首脳者が非常に多く出ておる。たとへば北海道の藤波、四国の竹岡、宮川、中国の進藤、こういつたいろいろなものを見ると、これらの委員会の技術顧問というものが、新会社首脳部に出たという事情、もう一点申し上げます。巷間において松永安左衛門氏と最も親交がある、電気事業分断について強力な推進をした者であると世間が認めておる東北の白洲次郎、関東の高井亮太郎、中部の東海要造、井上五郎、中国の進藤武左衛門、これから四国の竹岡、宮川、九州の佐藤篤二郎といつたような、この人々の顔ぶれを見ると今度の人事に、少くとも電気事業編成に邁進をした人々だけがこういつた電力会社首脳部として任命をされたように、社会が誤解するのも私は当然である思うのおります。われわれは日本電気事業の再分断が可なりや、非なりやということは別としても、少くとも再分断の政令によつて新たにきめる人事というものは、日本の産業を思い、わが国の電気事業について最も抱負経論のある人間がこれにつくものであるという森さんのお話が当然であると思う。にもかかわらず今度の人事に上つておる大きな国民輿論の中心は、今私が指摘しましたこういつた点にあるということを、河上委員はどのように考えられるか。これらの問題についていろいろ御調整なりその他御勘案が願えれば、これはわれわれは非常にけつこうであると思うので、切に反省を求めて私の質問を終ります。御答弁を願います。
  116. 河上弘一

    河上説明員 私は御質問の御趣旨に対していささか異議がある。と申しますのは、電力編成の可否について論議した人は日本電力界にたくさんさる。いいと言う人、惡いと言う人、すべてわが国の電力事業を改善し、発達させようという目的は一つであります。その一つの目的をいかなる方法を用いて達成するかというその方法論において意見を異にした人だと、私は善意に解釈しております。もしこの再編成において私利をはかるというようなことがあれば、そんな人間はとんでもない人間である。しかしながら今まで論議された方々の誠意を率直に承りまするときに、大部分の方があるいは例外があるかどうか、私は知りませんが、日本電力をいかにして進歩発展させるか、電源を開発するかという問題について、その方法論として甲論乙駁いろいろやられたことと信じております。それゆえ一旦国家が再編成という方法を採用するということに方法論が決定した以上、その前に電力の分割論をした人も、あるいは統一論をした人も、同じ立場において考えるべきじやないかというので、私はかつてかれがこういう主張をしたとか、これに反対したとかいうことは全然度外視すべきであるということを思つておりますので、その問題とこの人選とは因果関係は私はあまりないのじやないか、むしろ、個々の人について論議すべきだと考えております。
  117. 今澄勇

    今澄委員 打切るつもりでございましたが、河上委員の御説明にこたえて私は具体的な問題を一つごひろう申し上げて、さらに反省を求め、人事の問題を愼重にやつていただきたいと思います。二月十九日の産業経済新聞には松永氏の秘書である三宅晴輝氏の署名入りで、「次に新電力会社人事において必要なことはさきにも私が指摘した通り、思想的な資格である。日発の現状維持論、一社化論を主張上、分割すれば融通ができぬとか、資本は国家資本でとか、あるいは北海道や九州は分割すれば財政的に絶対やつて行けぬ等と主張して来た者は一切排除せねばならぬ。」ということを明確に書いておるのである。われわれはこういつた具体的な松永氏の考えている思想の一片をとらえて、あなたに反省の意思を求めたのであつ下れ具体的な問題であるということをつけ加えて、御了承願いたいのであります。
  118. 小金義照

    小金委員長 次は風早八十二衆でありますが、ここに御報告申し上げます。先ほど風早君は本委員辞任されて、その後任に江崎一治君が選任されたのでありますが、また再びここに風早君が選任されて参りました。従つて江崎君の小委員その他の関係を全部入そかえたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  119. 小金義照

    小金委員長 ではさようにいたします。風早八十二君。
  120. 風早八十二

    風早委員 今私の委員切りかえの問題が出ましたから、一応釈明しておきます。今日予算委員として予算委員会において発言を通告しておつたのでありますが、時間の関係でついにわが党は発言の機会を失つたのであります。そこで各位と相談の上かように決定したわけでありまして、御了承願いたいと思います。  さて今般公益事業委員会が大体発表の段取りになつております人事をめぐつて、いろいろ問題が紛糾して参りました。けさほどからも国会において予算委員会でこの点について特に論議が集中されたのであります。大体今までの論議を通じても、国会において、この問題のかなえの軽重といいますか、ごく狭い意味で、今発表されている人事問題に関する限り、この公益事業委員会措置に対しては、圧倒的多数が反対の意見を持つているというということは、大体わかつて来たと思うのであります。この点についてなお一、二公益事業委員の方にお尋ねをしたい点もありますが、長い間の質疑応答でお疲れでありましようから、しばらくお休みを願いまして、私はむしろ日発当局並びに藤田電産中央執行委員長にお尋ねをいたしたいと思います。人事問題、人事問題といいますが、なるほど新聞でも大きく騒いでおります。また世間でもこれに関心を持つておると思います。なお一般の国民大衆にいたしましても、また労働階級にいたしましても、非常にふに落ちないものがあるのであります。この人事問題で何でこれほど騒がなければならないか。それがもう一つふに落ちない。と申しますのは、小坂日発総裁並びに森副総裁にいたしましても、これは大西、櫻井前正副総裁にかわつて、非常なやつかいないきさつで就任された方であります。そうしてその就任当時から  これは事実が間違つておりましたら、どうぞ申出てもらいたいのでありますが、一般に信ぜられておるところでは、今の電力界のいわゆる大御所である松永氏とも十分な了解があつての上のことであるように、われわれももちろん考えておつたわけであります。つまりたとえれば、はなはだ失礼でありますが、今の公益事業委員会の各位と日発の現当局とは、これは同じ穴のむじなであるというような風評もあつたわけであります。しかるに突如としてこの人事に関して非常な鋭い対立が起つている。それには非常な心境の変化があられたわけでありますが、一体この心境の変化はどこから来ているのか。これを国民の前に明らかにしていただきたいと希望する次第であります。森副総裁がおいでになつておりますから、まず森さんからお願いいたしたいと思います。
  121. 森壽五郎

    森参考人 その問題はけさほど予算委員会なり、なお午後のこの委員会におきまして申しました通り、私ども考えと一致しないのは、いわば主張の相違であります。これは再編成をできるだけスムーズに、そしてできたものをなるべく円滑にして、この事業の発達を促したい、こういう気持なのであります。と申しまするのは、日発の者が新しい会社社長になりました場合に、配電会社の者がどういうふうに考えるか、あるいはあべこべに配電会社の者が社長になりましたときに、日発の者がどういうふうに考えるかということを、まず一番最初に考える必要があると思うのであります。例をもつて言いますと、際限がないのでありますが、主として私から言いますと、配電と言いたいのでありますが、配電はいろいろな機会に目先の従業員をやつかい者扱いにしている。お前たちは分割されて配電のやつかいになるんだ、用のない者はやめてもらつてもいいといつたようなことを、口頭なりあるいは現場へ参りまし盛んに宣伝をしておるのであります。そういうことでありますからとどちらが社長になりましても、気持の上では非常にそこに不安があるのではないかということを考えるのであります。これはおもしろくないと私ども考えまして、日発からも配電からも社長は出さない。そのかわり地方の有力者で、財界、事業界に経験のある、にらみのきく大物を、そこの社長に持つて行くというのが私どもの根本理念であります。そうしまして、もちろん電気事業はまだまだこれから大いに電源を開発いたしまし、現在の不足しておる電気を補わなければならぬのであります。その関係からいいますと資金が非常にたくさんいるのであります。御承知通り昔日キロせいぜい四、五百円であつたものが、今日では五万円も六万円もするのでありまして、現在の時価で申しますと、一万キロの発電所をつくるに要する費用は、現在一つ会社の資本金にも相当するような金がいるのであります。そういう金を調達するためには、どうしても大物でなくてはできない、こういうふうに私ども考えるのであります。ところが現在運ばれつつある人選は、これに反して、配電会社へ勤めております現在の社長が今度の新しい会社社長にならんとする傾向にあるのであります。これは私どもの最も憂うべきことであり、最も排斥しなければならない問題であり、また一番大きく叫ばなければならぬ問題であると思います。こういう意味におきまして考え方がすつかり違う。これが理由であるとお考え願いたいと思います。
  122. 風早八十二

    風早委員 そういたしますと、もしも新聞に発表されたような人事にきまつてしまえば、今言われた電力の開発なり、その他実際働いておる労働者諸君の身の上なり、こういうものについて、実際日発当局としては責任が持てない、あるいはこれに対しては協力できない、そういうような性質のものであると考えておられるわけですか、その点について御説明願いたい。
  123. 森壽五郎

    森参考人 責任が持てないとかいうような意味ではなしに、そうすることがよろしくないという気持であります。
  124. 風早八十二

    風早委員 しかし今事実を見ますと、刻々にこれが最終的な決定として出る可能性が非常にあるわけであります。そうした場合に、どこまでこの点について争われる御覚悟であるか。最後は最高裁判所ででも争う、あるいはまた来るべき聽聞会などで徹底的にやるというようなお話は、けさほどから小坂総裁よりあつたのでありますが、それでもなおかつ人事は動かされなかつた、満足すべき人事ではなかつたという場合——これは仮定の問題でありますが、そういう場合にどれだけの腰を持つておられるか、今日のトラブルに対しまして、日発当局言のわれることが正論であると考えておる立場から、この点ぜひ伺つておきたいと思います。
  125. 森壽五郎

    森参考人 その意味で申しますと、けさほどからも、またきよう午後からも申しましたように、聽聞会その他でもつて、私どもの意見を鬪わして世間の批判を仰ぐつもりでおるわけであります。
  126. 風早八十二

    風早委員 もう一つ電力開発に関連して、日発配電との合併にあたりまして、資産の再評価の問題であるとか、両方の割合の問題であるとか、そのほか株価の問題あるいは退職金の問題等々につきまして、大体現在の公益事業委員会に対してどれだけの信頼を持つておられるか、そいう点もあわせてお尋ねしたい。
  127. 森壽五郎

    森参考人 今問題になつておりますのは、日発の清算質用と、それから世間で言われておるところの株式比率に対するプラス・アルフアーの問題が人事問題以外にあるのでありますが、清算の問題なり、プラス・アルフアーの問題は、技術的に公益事業委員会で相談を進めて妥結に至る見込みがあると思います。
  128. 風早八十二

    風早委員 私どもが、今一番お聞きしたいのは、公益事業委員会そのものに対しては全体として信任しておられるが、ただ今度の人事問題に関する限り、非常に意見が対立しておる、結局根本においては公益事業委員会とあなた方日発現当局とは十分な信頼関係にあるということなんですが、その点をぜひお尋ねしたい。
  129. 森壽五郎

    森参考人 今の問題につきましては、私ども公益事業委員会を信頼しておる、公益事業委員会に公平な判断をお願いしたい、こういうふうに考えております。
  130. 風早八十二

    風早委員 これはむろん公益事業委員会そのものの性質という問題がそもそも国会を無視してできたものである。大高さかのぼつて、分断そのもの一つまり公益事業委員会にほんとうに負わされた仕事というのは結局分断なんです。この分断、つまり再編歳ということも、これまた国会を無視して行われたことなんです。こういうようなことに対して日発現当局としては、これはもう承知の上だというお考えですか。
  131. 森壽五郎

    森参考人 その通りでございます。
  132. 風早八十二

    風早委員 わかりました。そういたしますとわれわれとしましては一食で電力料金の問題でありますとか、また電力そのものの割当の問題でありますとか、これらについて事ごとに国会を無視して、どこかで決定されて出て来ておるわけでありますが、通産当局もいろいろこの点では不満を持つておるくらいな大問題なのであります。     〔委員長退席中村委員長代理着席〕  たとえば料金にしましても、三菱の下丸子のPD工場におきましては、一キロワツト当り一円ないし一円十銭というような非常に安いものである。中小の場合におきまして大体三円から五円、さらに宿舎、寮といつたようなところでは八円へ定額の場合には十三円というふうな非常な開きがありして、住民に対して非常な負担を負わしておるのであります。こういつたような不当な料金が現在の事実である。この料金制度がまた国会を無視して行われておる。これらにつきましても森副総裁は、今の公益事業委員会を根本に信頼されておるか、その点もあわせてお尋ねしたい。
  133. 森壽五郎

    森参考人 料金の問題につきましてはいろいろ御不満があると思います。と申しますのは、現在の料金の立て方は一昨年の十二月に始まつたものでありまして、日本においては最初の試みであります。これがうまく行くか行かぬかは今後の運営にあるのでありまして、これは私が申しますよりか、むしろ公益事業委員会あるいは安本からお話にある方がいいと思うのでありますが、このレートの立て方はまだまだこれから大いに研究されて、最もいいところに落ちつくものであると私は想像しております。
  134. 風早八十二

    風早委員 今のお答えははなはだ不満足でありまして、最もいいところと言われる意味がさつぱりわからないのです。一応この点についてはあらためて公益委員河上さんにお尋ねいたしますが、こういつたはなはだしく不公正なる料金制度につきまして、今後どういう考えを持つておられるか、ひとつ教えていただきたい。
  135. 河上弘一

    河上説明員 これらの問題は、これからわれわれ委員会が大いに研究する問題ではないかとただいまのところは心得ておりますが、何分にもこれまで非常に短期間にいろいろなことをせわしくやつて来たものですから、各方面の将来に起る問題についてはまだ研究が足らぬかと思つております。何か御指示か御希望がございますか。
  136. 風早八十二

    風早委員 希望よりも要求がたくさんあるわけであります。今申しましたように、下丸子なんかでは一キロワツト一円ないし一円十銭、それに対して定額は十三円、はなはだしい差別があるわけでありまして、結局下の者ほど、働く連中ほど非常に大きな負担を背負つておるというのが事実である。これを公正にやつていただきたい。実際コストから見まして片方はコストで割る値段で支拂わしておる、しかるに他方はほとんどそれらの赤字を全部背負わされておるような料金である。今国民が人事問題、人事問題とやかましく言いますけれども人事問題がどうなるかということがもしこれに関係するならうこれは非常に興味を持ちます。今の日発の言つておることはもちろん正論だと思います。しかしながらその場合におきましても公益事業委員会としては——これは森さんに伺いたいのでありますが、森さんは公益事業委員会の方にその答弁を讓られましたので、公益事業委員会にお尋ねするのですが、こういつたような不当な料金の割当、あるいはさかのぼつて電力そのものの割当につきまして、われわれはこれを公正な割当並びに料金にしてもらいたいと要求するわけであります。こういう点についてどういうお考えを持つておられるか。
  137. 河上弘一

    河上説明員 今事務総長にも伺つてみたのですが、ただいまのところこれまで通りにやつております。但し問題が出ますことに、誠意をもつて研究するつもりでおります。
  138. 風早八十二

    風早委員 その問題をちよつと留保しまして、同じ意味でお尋ねするのですが、これは電産の藤田中央執行委員長に教えていただきたい。進駐軍用の電力に対しまして、その割当並びに料金について非常な差別待遇があることはかねて周知の事実となつておると思いますが、これらの点について電産の最高責任者といたしまして、ごく簡單けつこうでありますから、一、二の例をもつてお話願いたいと思います。
  139. 藤田進

    藤田参考人 具体的な資料を持つて参つておりませんので、数字的なことはお答えできがたいのでありますが、電産といたしましては、特に民生に直接関係あり、生活の問題であります電気である関係上からも、この料金について、さらに具体的に内容を掘り下げて検討いたしております。今御指摘のような問題ももちろんありますが、最近になつて地域差料金、そういつた全国的なアンバランスの問題がこれまた大きな問題になつて来ておりますから、こういつたものを含めて端的に申し上げれば原価主義で行きたい。政策料金という形でなく、原価主義をわれわれの建前といたしております。なおPD関係とか、個々のものについてここで例をあげて申し上げる資料を持ち合せておりませんので、お答えいたしかねます。
  140. 風早八十二

    風早委員 これらの問題につきましては、今までは配電が直接関係しておつたと思いますが、今日配電の当局が見えておりませんから、森日発総裁にお尋ねします。  先ほどお話したように、日発の要求されるような人事がいれられた場合においてこういう点、たとえば進駐軍に対しては、割当超過分についてもほとんど普通の基本料金でこれを拂わしておる、でありますから、これは割当がないも同様、いるだけ使わしておると考えられるわけですが、こういつたような不都合な点、またその他をとりましても、先ほど言つたように非常な差別的な料金制度が現に行われておる。しかもこういう進駐軍関係でうんと負担をかけますから、それがまわりまわつて差別をますます大きくして行くということになつて来るのです。こういう不公正に対して、日発人事に対する要求がいれられた場合において、どのような抱負を持たれておるかお伺いしたい。
  141. 森壽五郎

    森参考人 日発といたしましてはただいま実際に電気の販売を営んでおりますのは、いわゆる大口需用家と申しまして、全国に約五十箇所ばかりあるのであります。それは日発の系統から直接供給するような大口ばかりでありまして、ただいまお話のような進駐軍関係その他の家庭用の電燈電力といつたようなものは、実はあまりこまかく承知しておらぬのでありましてちよつと御質問に対してお答えしにくいのでありますが、しかしこの電力料金は先ほどもどなたたらかお話がありましたように、原価計算にプラス利潤といつたようなものを考えてきめるべきだと思うのであります。日本は今度で九つの会社にわかれるのでありますが、アメリカなどの会社の例を見ますと、非常にたくさん会社がありまして、その一つ会社でも部落によつて電力料金の違つているところも相当にあるのであります。これは従来からのヒストリーもありましようが、また原価計算なども、その区域を小さくすれば当然かわつて来ると思います。そういうことで比較的無理のない料金になつておると思います。お話のように自発の者が今度新しくできる会社に参りました場合、しからばどういう電気料金にする方法を持つておるかという御質問につきましては、ただいま申しましたような方針に従いまして、なるべく公平な料金にしたい。その方法については、ただいまのような料金のストラクチヤーがよいかどうかということももちろんあると思うのでありますが、こういうものも十分検討した上で皆さんと相談してやりたいと考えております。
  142. 風早八十二

    風早委員 次に電産の藤田委員長にお尋ねしたいと思いますが、実はけさほどからも予算委員会におきまして藤田委員長の御答弁を拜聽いたしまして非常に同感であります。ことに高井社長をすえるということについては、これは高井氏は追放にも該当すべき人物である。その理由は、幾多の不当労働行為をやつている。目下これらの提訴手続中であるというお話でありまして、われわれはこれを逐一拝聽してまつたく同感であります。問題は高井社長をすえたならば今まで通り、あるいはもつと惡く、ベースは上げない。また労働者の権利を職制強化でもつてつて行く、さらにもつとあくどいことは、御用組合をこしらえて分裂さして行く、こういうふうな人物をおめくと社長にすえておくということに対しては絶対に反対してあくまでも争うというお話でありましたが、それはまつたく同感であります。それだけになお一つ要望したのでありますが、先ほど御答弁の中にありましたように、レツド・パージを組合自身の手においてやつたというお話もありました。これについてはいろいろ議論もあると思いますが、それを今申し上げるわけではないのであります。ただ問題は、そういうレツド。パージを組合の意思によつてやる、それによつて組合をますます民主的に運営しようとはかられた。その趣旨は十分に認めまして、その前提の上に立つて申し上げるのでありますが、しかしながらその結果においては、そのことが御用組合をつくらせ一分裂政事ますます強化させる一つのきかけになつたというような印象も受けたわけであります。そういう点について今あなた方のおやりになつたことについて決してとやかく言うわけではありませんが、今後の問題といたしまして、こういう公益事業委員会のようなものが君臨している限り、かりに高井社長がすわらなかつた、そして自発側、あるいは第三者側からやつて来たとしまして、しかも公益事業委員会が上に君臨しているという場合において、あなた方はこのベースの引上げなり、あるいはまた権利の回復なりを阻害する、また御用組合というような、こういうような不当労働行為をやるという危險はもはやないものであるか、そういう点についてどういう見通しをお持ちであるか、ひとつお導ねしたいと思います。
  143. 藤田進

    藤田参考人 お答えいたします。先ほど私の申し上げたことに幾らか誤解があると思いますが、レツド・パージは組合の手でやつたのではないのでありまして、この点は、いわゆる組合の破壊をするような人、暴力を直接振うような人、こういう人を組合としては排除いたしました。従つて今日レツド・パージといえば共産党のことだと思いますが、そういう人でもやはり組合員として残り、また企業に従事している人もあると思います。だからレツド・パージを組合自身でやつたという事情については多少誤解があると思います。要するに御用化の動機としては、実は当時の地方の委員長であつた吉田一吉という者が最も中心的な御用化の役割を演じたのでありますが、この人もやはり当時共産党員であつたわけであります。そこで問題は、この御用化の動機となつた大きな原因は、先ほど来指摘されているところの料金問題にもあるわけであります。つまり会社のセクト主義、一般の公益企業であるということを忘却した、会社單位のセクト主義に大きく原因していることと、組合で極左、暴力主義者を排除したということが御用化の直接原因として拍車をかけたのではなくて、当時の組合の内部が一つのまとまつた電産十四万という、こういう強固な組織が、非常事態によつてがたがたになつた。そして暴力的な行き方等に対する猛烈な批判が起きて、いわば機能がまつたく停止してしまつて麻痺状態なつた。中央執行委員会を開きましても、過去五、大臣にわたつて退場があつて流会する。そういうところに原因があつて、これにつけ込んだのが高井社長でありますので、こういう事情から御用化に拍車がかけられらたて来た。同時に今反対をいたしております高井社長を排除した場合に、なお公益拝業委員会が今のような実態で、さらに全国的にもこの動きが高井社長を排除することによつて、すべては終つたかといえばそうではないと考えております。やはり組合を分裂させよう、つまり組合を弱い形にして行こうという思想は、やはり資本家、あるいは多くの経営者にあるわけであります。ただそれが法を否定した形で、きわめて下劣な手段でそれを行うか行わないか、またそれを行う機会を與えるか與えないか、こういうところにやはり将来の問題がありますと同時に、今日の公益事業委員会委員の中には、先ほど来申し上げておるように、組合を分裂して御用化しようという考えを持つておる方もおられるのでありますから、この点はまつたく将来にわたつて解決するものではない。従つて組合は、自主的に今後もさらに組合の組織を強化して行かなければならないと同時に、特に顕著な不当労働行為を行うような人は、今後といえどもわれわれは十分監視し、また排除すべきものは排除して行くという考え方であります。
  144. 風早八十二

    風早委員 公益事業委員会というものはどういう性格かというようなことは、法律できまつているといいますけれども、実際にその証明するところによれば、今あなたが言われましたような、高井社長はやはり社長としてどこまですえて行く。また白洲氏もこれまたその姿の現われるところ必ず何か臭いものがあるということを、今日の予算委員会でだれかが言つておりましたが、そういつたような人物が東北の社長になる。また先ほども同僚委員指摘いたしましたが、松永機関に対してこの高井社長は、すでに三百六十万円の献金をしている、そういうような因縁がついている社長をすえる。また四国につきましても松永氏が義兄に当る竹岡老人をすえる。これも決して松永氏が何もどうしたというのではないと言われますけれども、その他の人たちがそれを知りながらそういうことをするのはこれはかえつて松永氏のためにもはなはだ不親切なことであろうと考える。もちろん松永氏のためは一応おいても、公益事業委員会としてみすみす世間から非常な誤解を招かせるような、そういうことをわざわざ現実にやつている。これは何と弁解せられましようとも、その結果においては明らかに松永人事であり、松永電力式会社であると言われてもしかたがないようなことをやつている。こういつた人事関係一つ見ましても、今後公益事業委員会が公正な運営をやつて行くということは考えられないと思うのであります。ましてや公益事業委員会委員諸君労働組合の問題、これはまつたく御存じないものと、私どもは判断せざるを得ないのであります。われわれはそう考えますが、これらの点については、もともと公益事業委員会というものが天くだりしたというよりも、舶来である、国会を通じたものではないというところに根本の原因があると思うのでありますが、これらについては現組合責任者として藤田さんはどのような御見解であるか、この際承りたいと思うのです。
  145. 藤田進

    藤田参考人 もともと日本電気事業を、今起きておりますような形で分断ずることには反対の態度をとつて来たものでありますし、同時に公益事業委員会、レギユラトリー・ボデーガできたことは、考え方によつては、あるいはこの運営よろしきを得れば一歩前進といつたことも考えられるのですが、その機構を動かして行くところの委員が非常に重大な役割を演じ、多くの権限を持たされておりますので、公益委員の任命についてはかくかくにしてもらいたいという要望を書きまして、吉田首相あてにも申入れをいたしました。同時にこのことは單に労働陣営だけではなく、たとえば経国連の石川氏も産業代表を入れろとか、いろいろな声も持ち込まれたようでありますが、しかし実際に実現し、今日決定を見ております委員方々については、われわれが最初要望した線よりも非常に大きくかけ離れているのであります。従つてこれらの公益事業委員皆さんに、より多くを期待することは、木によつて魚を求める以外の何ものでもないというふうに考えますが、しかしあのようにポ政令によつて実施せられ、そうしてきわめて直接的に従業員の問題となつて振りかかり、さらに全国的な問題となつ電気事業が俎上に乘せられている今日の段階におきましては、いたずらに委員の攻撃のみに終つては、結局時期的に申し上げましても、この委員の任命その他の経緯、あるいは公共事業令等の関係からいたしましても、これは時を失する可能性も非常に大でありますので、今日のところこういつた公益事業委員皆さんに反省を求めながら、なおかつ具体的な問題について愼重な検討と批判のメスとを下し、この上とも電気事業をより公益性の高いものにしてもらいたいという態度で、実はこの人事問題をその具体的な一つの問題として取上げ、さらに公益事業委員会については、すでに皆さん承知通り電力の危機に際会して、つまり電力の足りないこの渇水期に対して電力の制限が行われるように、公益事業委員会から発令されておりますが、これらの問題についても、すでに事情を明らかにして申し入れを公益事業委員会にいたしております。つまりこれは公益事業委員会規則等をつくり、また聽聞会を経た上で民生に直接関連のある問題であるから、そういつた民主的な手段を講じた上でなされるべきであり、そのいとまは多分にあつたはずでありますけれども、それを公益事業委員会委員の方でやはり発令されるという事実を追究いたしまして、今後の是正方を要望して行くという態度をとつております。
  146. 風早八十二

    風早委員 公益事業委員会性格の問題が今出ているわけでありますが、この人事問題だけでも、この一発からまつたくひどい体たらくでありまして、この先料金問題、割当問題、最も国民経済に直接に関係のあるこういう問題について、これらのやり方で公益事業委員会に何らか期待するということは、幻想にすぎないとわれわれは考えるわけでありまして、こういつた公益事業委員会に頼つて何かするということについては、これはその元を失う、つまり主客転倒ではなかろうかと思うのです。私どもが電産の労働組合に望むところは、あくまで労働組合の自主的な立場から、あらゆる正当なる手段をもつてこの問題の解決に邁進せられることを切に希望してやまない次第であります。この公益事業委員会につきましては、われわれはかねがね公益事業委員会をどうだこうだと言つて参りましたことが、もはやこの人事問題ですでにはつきり裏づけられたと考えるのでありまして、これ以上多弁を弄することはなかろう、ただ公益事業委員会の現にやつておられる皆さん方に対しましては、皆さん方がお話されるところは非常におとなしく、そうしてきわめて公正なるかのごとく見えるのでありますが、しかしあなた方はまつたく專制君主です。とにかく自分たちの考えていることは正しいのである、それに反する者は間違つているのだ、結局森副総裁をとらえましても、お前は政令に違反するつもりかといつておどかしている。これは松本委員長自身おどかしている。そういうような実に言語道断、不届きなる存在であるということを、われわれはここで確認するものでありまして、そういう公益事業委員会に対しては、またわれわれとしても徹底的にこれから争つて行きたい。現在の委員はもちろん総辞職を、われわれとしては断固として要求するものであります。別に公益事業委員皆さん方に、これからどうしていただきたいということは、われわれとしては全然期待しないということをこの際はつきり申し上げて、私の質疑を終りたいと思います。
  147. 中村幸八

    中村委員長代理 本件に関する調査はこの程度にいたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後六時十一分散会