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中村(純)
委員 塩及び肥料の問題につきまして、輸入が促進せられるかどうか、また生産が大いに
増加せられるかどうかということは、わが国のソーダ業を初めとして、これに関連いたします重要なる各種
産業あるいは農業生産の面に、きわめて重要な
影響を持
つておる問題でございます。これにつきましては、本
委員会におきまして同僚議員からの
質疑によりましても、きわめて明らかなところでございます。この問題の重事性にかんがみまして、
工業に関する小
委員会におきましては、塩の問題については去る二月の五日、また肥料の問題については二月の九日に、それぞれ小
委員会を開きまして、慎重に審議を重ねたのでございます。
その審議の経過並びに結果につきまして、時間がありませんから、ごく簡單に御報告申し上げたいと思うのでございます。まず塩の問題につきましては、今後の輸入所要量の確保の
見通しいかんということが、問題にな
つたのでございます。本年度内の所要量につきましては、約二十五万トンが必要と思われるのであるが、これは大体において確保できる、若干は来年度に繰越すことがあ
つても、大丈夫であろうということであります。しかしながら問題は、二十六年度の所要量の確保ができるかどうかということであります。これにつきましてわれわれといたしましても、また
政府といたしましても、二十六年度の塩の輸入所要量は、備蓄のものも入れまして、約二百万トン必要であるという
見解に大体一致したのであります。その輸入を確保する上におきまして、各種の隘路がある。外貨資金の確保の問題、新しき供給地開拓の問題、あるいは決済方法の改善の問題、特に船腹の確保ということが、最大の隘路であるということが明らかにな
つたのであります。船腹拂底のためにフレートが高くなりまして、これがために専売公社において組んでおります
予算の
範囲内において、はたしてこの必要量の輸入を確保できるかどうかということが、非常に重要なポイントにな
つて参
つておるのであります。そこで小
委員会におきましては、まず来年度の約二百万トンと推定せられる必要量を、單に
政府部内の一部局、たとえば通産省あるいは安本とかいうだけでなく、大蔵省、専売公社等の関係諸機関が、完全にその必要量は幾らであるかということについて、十分な一致した認識を持
つてかか
つてもらう必要があるということが、第一の要望でございました。次にはその統一されたる認識のもとに、関係諸機関があらゆる
努力を拂
つて、必要な船腹を確保し、その他の輸入上の隘路を打開し、この必要量をぜひ獲得すべきことを、われわれとして要望いたしたわけであります。これがために専売公社の
予算がもし不足を来し、専売公社全体の幅の中においての、塩の輸入の手当が困難であるというような事態が今後生ずるならば、これは当然補正
予算を組んででも、この問題は絶対的に
解決をはからなければならないということが、われわれの強い要望であ
つたのでございまして、これに対して大蔵当局といたしましても、今後の情勢の推移によ
つては、さような
措置をとることを十分に考慮するという答弁であ
つたのでございます。
以上が大体審議の経過でございます。そこで私どもはこの問題の重要性にかんがみまして、本
委員会といたしましては、特に強い
意思表示を盛つた決議をいたしまして、それぞれ
政府の関係機関に本
委員会の要望を伝達して、
政府を勉励したいということを、この小
委員会において出席議員の満場一致をも
つて可決いたしたのでございます。以上が塩の問題に関しまする概略でございます。
次に肥料の問題に関しまして、二月の九日に小
委員会を開催いたしたのでございます。この
委員会におきまして、終戰以後の肥料生産の実績についてまず検討いたしたのでありまするが、これは
政府提出の資料によ
つて見ますれば、順調なる生産増強の現象でありまして、昭和二十五肥料年度におきましては、戰前の最高生産額を、過燐酸を除いては、上まわる
数字が予定せられておるのであります。この情勢はまことに慶賀すべきことなのでありまするが、この二十五年度の
数字は、まだ半分近くは予定の
数字でありまするので、ぜひともこの生産予定の
数字を確保する。さらにそれ以上にもできれば、できるだけの増産を行うべきことを、われわれとして要望いたした次第であります。またこの生産計画を達成いたしまするためには、電力の配当を優先的に考慮いたすことはもちろんでありまするが、その原鉱石であります硫化鉱の増産につきましての
政府の所見をただしたのでございまして、これの統制の解除の問題、また増産計画等につきましても、それぞれ
政府の対策を伺うことができたのであります。しかしながらこれまた今日におきましては、極論すれば机上の計画を出でていないのであります。私どもは
政府が全力をあげて、この所要原料の増産に邁進せられることを切望いたしたのでございます。また過燐酸につきましては、今日他の肥料に比して生産額がまだ上
つておりません。この所要燐鉱石の輸入の促進につきましても、われわれは強い要望を開陳いたしたのでございます。しかしてまたわれわれがここに問題といたさなければならないのは、かくのごとく肥料につきましては、生産が順調に進行いたしておるにかかわらず、今日肥料の
市場が非常に混乱
状態に陥
つておる、また市価がうなぎ上りに上りつつある情勢であるのであります。これは仮需要に基くところの買いだめというようなことが、むろんおもな原因でありましようが、そこにはまた公団放出の操作等の面におきまして、なお十分に改善しなければならない問題が多々あることを、私も看取いたしたのでありますが、あいにく当日は大蔵、農林関係官が出席しておりませんために、この問題につきましては、なお今後の
調査に待つべき点が多々あると
考えておる次第でございます。かようなわけで出席議員の愼重なる審議を重ねたのでございまするが、この肥料の問題につきましても、現下内外の情勢から
考えますると、食糧の増産は喫緊の要務でありまして、そのためにも国内の需要に応ずるところの生産を十分に確保して、かつまたこれの配給を円滑にはかるとともに、肥料の生産は原料的に見ましても、大部国内において供給し得るものでありますので、国内の需要を確保した上において、その全力をも
つてできるだけの
輸出を伸ばして行くということは、わが国の肥料
工業を振興する大きな刺激になるわけでもあります。また
貿易改善の見地から申しましても、ぜひ必要なことであると
考えられますので、かような見地において、特にこの上とも
政府関係機関を、本
委員会として強い
意思をも
つて督励する必要があるのではないか。
従つてさような
意味の決議を本
委員会において
行つて、関係機関を督励すべきだということが小
委員会における結論であ
つたのであります。
以上をもちまして、簡單に小
委員会の経過並びに結果の御報告をいたす次第でございまするが、二回にわた
つて開きました
委員会の結論、すなわち塩につきましても肥料につきましても、本
委員会において強い要望を盛つた決議を行い、
政府を督励するということにつきましては、ただいま申し上げましたように、出席議員全部の賛成のもとに行われた決議でありまするので、
委員長におきましてよろしくおとりはからい願いたいと存ずるのであります。