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西村(直)
委員 あなたは多くうわさを持
つて来てやつでおるのだと、最後は逃げ道を持
つておられるが、
言葉の抑揚から言いますと、東
日本重工下丸子工場の労働者に対して、大橋法務総裁は、「━━━なるが
ゆえに
基本的人権はないのであると明言しております。」こう言うておる。それからたとえば「これは明らかに陸軍である。」これは確認を求めるのなら別ですが、こういうふうに断定をしておられる。さらに、私は
はつきり聞いておる、
証拠を持
つておるが、しかしそういうことをあなたの口から言
つておるということになれば、
質問の
形態になる。あなたはそれを
質問だと言
つて逃げますけれ
ども、
証拠を持
つておる、こういうことを言われておる。しかしこれは意見に
なりますから、私は差控えます。あとの審議の段階で出て来る問題だ。
国会の中の、しかも本
会議における施政方針演説に対する質疑というものは、どの
政党のどの議員でも相当勉強し、確実な材料を持
つて出て来るのが従来のしきたりだと思う。單に町のうわさやデマを拾
つて来て、それを誇大に放送するのなら、これはこつけいなものになる、私は先般あなたにたいへん失礼な
言葉を申し上げたが、人を興奮させる妙な絵がある、あれと同じ絵を
国会の中でまかれては困る、これと同じことなのです。その点はあなたはいくらでも弁解はなさるでありましようが、どうも私らには
納得の行く点がない。
いま
一つはこういうことであります。たとえば警察予備隊の問題でも、警察予備隊に対するマツカーサー元帥の、いわゆる最初の指令を御研究にな
つていただけば、この点もある程度
はつきり出ておるのであります。マツカーサー元帥の指令には、
民主社会における公共の福祉を守るに不可欠な程度の勢力に増強されてよいと信ずる
——いわゆる公共の福祉を守るということで、何ら戰という
考えを前提にした指令ではないのであります。こういう指令が出て予備隊ができておる。この指令を越えた行動をあなたがいかにも断言することは、言いかえれば、
占領軍最高司令官の指令そのものをも、あなたの
言動が踏みにじ
つておるという結果を生ずる。言いかえれば、それがすぐあなた方の今や
つておる反帝闘争の
形態を
国会内に持ち込んだということになるのですが、その御意見を聞きたい。