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佐々木(秀)
委員 いろいろ教えてい
ただいて感謝にたえません。ヤルタ協定による島のいろいろな協定が、いわゆるカイロ宣言にな
つて、このカイロ宣言に難くせをつけるとあなたが
表現しているので、私はカイロ宣言ということを申し上げた。その前にヤルタ協定ということも書いてありますから、それはわかりましたが、私
たちは、いわゆる
ポツダム宣言を條件としての無條件降伏と、こう考えておる。だから、そこにおいてあなたの解釈でわかるのですが、まあわれわれ
考え方は幾分違
つているということを申し上げます。その点についても私は決して議論はいたしません。
ただあなたの考えをお聞きし
ただけであります。
そこで、いわゆる国際條約あるいは国際間においてきめた
諸般の協定あるいは宣言というものは、国際人として当然これを守
つて行くのが、いわゆる
日本人としての立場でもあるということを今あなたが明言されました。その通りだと思う。われわれといたしましても、占領治下におきまする
日本人は、
連合国のいわゆる指令、命令に服して行かなくてはならないことは、これは国際條約を守る上からい
つても当然ではないかと思うのです。そういたしますと、アメリカが
日本を今占領しおる。これもアメリカひとりできめたのではないということは、いまさら申し上げるまでもありません。
諸般の国際條約に基いて、国際協定に基いて、
日本の最高司令官にはマツカーサー元帥がその任につかれていることは、私から申し上げるまでもないのであります。しからばマツカーサー元帥から発せられるところの
諸般の、いわゆる
ポ政令なるものの重大なることも当然でありまするし、また
日本人として
占領下におきましては、これは
憲法の上に立つとまでいわれているのであります。そうした占領政策にいろいろ疑念の点、それに災いする
ような言があ
つたと
想像される点もありますので、われわれはいろいろとあなたに御
質問申し上げたのであります。
ただこれ以上私は聞こうとはいたしませんが、大体
川上君の考えておられまするところの大半はお聞きいたしました。私
たちが
了承するしないは別といたしましても、
お答え願
つたわけであります。あなたの今度の
演説は、国内ばかりでなく、国際的にも相当重大な問題にな
つている
演説であろうと思うのであります。昨日の東京の新聞を見ましても、モスクワ放送が三日の夜、同日付のソ連
政府機関、これは何というか、向うのことは私はわかりませんが、イズヴエスチヤに掲載された
日本共産党代表
川上貫一君の第十
国会における
質問演説は大要放送したということが、きのうの新聞に載
つております。これほど重大なる
演説でありますので、われわれも愼重にあなたの
演説されました
内容については十分検討して行きたいと考えております。
ただ一つ申し上げたいことは、繰返す
ようでありますが、決してあなたの思想的なものをどうこうしているのでもありませんし、あるいはまた、言いまわしがよか
つた悪か
つたと言うのでもありません。
先ほど申し上げました
ように、いわゆる不穏当な言辞に該当するものであるか、あるいは
議院の
品位を傷つけたものであるか、あるいは
国会の秩序を乱したものであるかという点でありますが、
国会の秩序を乱したという点におきましても、決して暴力行為だけが
国会の秩序を乱したとはわれわれは考えておりません。そういう
諸般の
規定に違反したものがいわゆる秩序を乱したという
ように考えておるのであります。そういう点をひ
とつ申し上げまして、私の
質問を終りたいと思います。