運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1951-02-02 第10回国会 衆議院 懲罰委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月二日(金曜日)     午後一時四十三分開議  出席委員    委員長 土倉 宗明君    理事 佐々木秀世君 理事 内藤  隆君    理事 田渕 光一君 理事 村瀬 宣親君    理事 猪俣 浩三君       鍛冶 良作君    高橋 英吉君       田嶋 好文君    田中  元君       塚原 俊郎君    中川 俊思君       西村 直己君    牧野 寛索君       柳澤 義男君    長谷川四郎君       石井 繁丸君    木村  榮君  委員外出席者         議     員 佐々木盛雄君         議     員 川上 貫一君 二月二日  委員高橋英吉君辞任につき、その補欠として田  嶋好文君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  議員川上貫一懲罰事犯の件     —————————————
  2. 土倉宗明

    土倉委員長 これより会議を開きます。  まず順序として佐々木盛雄君の趣旨弁明に対する質疑に入ります。通告に従つてこれを許します。猪俣浩三君。
  3. 猪俣浩三

    猪俣委員 提案者お尋ねいたしますが、この懲罰動議を出されたのは、憲法または国会法衆議院規則によると明記されております。そこで国会法の百十六條というのを見ますると、これは読まぬでもわかると思いますが、議長の命に従わないときというような條項になつております。そこで提案者はこの條文を引いておられるのであるが、これはどこをさしておられるのであるか、ちよつと御説明を願いたいと思う。それからあわせて衆議院規則の二百三十八條違反だということになつておりますが、それがどの條項になるのであるか。
  4. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 お答え申し上げます。まず第一に指摘しておきたいことは、これは憲法五十八條違反をするということに重点を置きまして、ただその一つ事例として、百十六條及び百十九條を持ち出したのでありますが、国会法第百十六條におきますると、「その他議場の秩序をみだし又は議院品位を傷けるときは」ということが示されておるわけでありまして、これはもとよりそういう場合において議長がこれを警戒し、または制止し、発言を取消させることができるということの規定でありますけれども、これらの行為院内においてなすべからざる行為であるという点から、百十六條を私は引用したわけであります。さらにそれと関連いたしまして、百十九條におきましても、無礼の言を用い、他人私生活に……。
  5. 猪俣浩三

    猪俣委員 それはわかつております。あなたは百十六條と二百三十八條を訴追の法條に引いておるのであるが、どこがそれに当るのですか。
  6. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 さらに衆議院規則二百三十八條は、その條項に書いておりまするごとく、「懲罰事犯として懲罰委員会に付することができる。」ということが明記されておるわけでありまして、この條項と何ら抵触するところはないと私は考えております。
  7. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたには質問だけで、議論するわけじやないけれども、これは「議長は、これを警戒し、又は制止し、又は発言……」した場合であるから、注意を與えた場合ですね。それから二百三十八條も「議長の制止又は取消の命に従わない者」というのが法條になつておりまするがゆえに、これをお引きになるとすると、どこが議長の命に従わなかつたことになるのであるかというお尋ねをしている。あとの百十九條はわかるのですが、百十六條と二百三十八條成文解釈からは、これがすぐ懲罰法條にならぬのじやないか。というのは、まあ、いろいろの條文を引いておられるけれども、中心点はどこにあるかお尋ねしたい。そこで百十九條もお引きになつておるが、これは衆議院において「無礼の言を用い、又は他人私生活にわたる言論をしてはならない。」というのでありまして、この中の「他人私生活にわたる言論」というのはないと思いますが、提案者はどうなんですか。
  8. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 ただいま御指摘の「無礼の言を用い、又は他人私生活にわたる言論をしてはならない。」という項目の中の前者、すなわち「無礼の言を用い」という項目の該当を当然受けると思います。
  9. 猪俣浩三

    猪俣委員 わかりました。それでは百十九條は「無礼の言を用い」というところでございますね、あなたの懲罰動議理由は……。
  10. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 さようでございます。
  11. 猪俣浩三

    猪俣委員 今度は衆議院規則二百四十五條をやはりお引きになつておりますが、これを見ると、「議院秩序をみだし又は議院品位を傷つけ、その情状が特に重い者に対しては、議院は、これを除名することができる。」という條項であります。この二百四十五條のところをお引きなつたのはどこでございますか。
  12. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 本條項は全部がその適用を受けるものと私ほ考えます。
  13. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうすると、議院秩序を乱したこと、議院品位を傷つけたということ、そしてその情状が特に重いというこの三つでございますか。
  14. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 その通りであります。
  15. 猪俣浩三

    猪俣委員 わかりました。なお念のために言いますが、この懲罰事犯法的理由としては、無礼の言を用いたということが一つ、それから議院品位を傷つけたということが一つ、それから議院秩序を乱したということが一つ、およそ集約するとこの三つ懲罰の原因だということに相なるわけですか。
  16. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 大体その通りであります。特に先ほど指摘いたしました通り、当然憲法五十八條條項に抵触するものと考えております。
  17. 猪俣浩三

    猪俣委員 憲法五十八條はどの点でございますか。
  18. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 五十八條の中の、「又、院内秩序をみだした議員懲罰することができる。」と規定されている。この規定に該当するものと私は考える次第であります。
  19. 猪俣浩三

    猪俣委員 わかりました。
  20. 土倉宗明

    土倉委員長 次は順序によりまして木村榮君。
  21. 木村榮

    木村(榮)委員 私は、大体今の猪俣委員質問でもわかつたように、川上君がこの間の本会議において行つたところの演説内容そのものが、懲罰に該当するということがはつきりして参りました関係上、あとでもう一ぺん川上君が出まして、その点の釈明もし、また委員諸君質問にも堂々と答えれば、十分納得の行くことになると思いますので、そういつた点は重複を避けましてお聞きしたいと思います。佐々木議員自由党内において最も反共の理論家、闘士として、自他ともに許すというわけでございましようが……(発言する者あり)これは内容が問題になつておりますから、従つてこの内容を検討いたしますためには、そういつた点に入つて行かなければ問題が解明いたさないわけなので、この点も私が納得ができるまで、相当時間をかけましてお尋ねをしたいと思う。  そこで最初お尋ねしたい点は、提案理由に述べられました、共産党マルクスレーニン主義の原則に立脚しておつて、第二回コミンテルン決定従つて議会を破壊するものである、従つてこの演説内容がなつておらぬという大上段から出ておりましたが、一体第二回コミンテルン決定というもののどこの辺をおさしになつてそういうふうに言われますか、その点をひとつ説明願いたいと思います。
  22. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 私は共産主義に対する批判につきましては、おのずから別の機会においてお話をいたしたいと考えます。私が懲罰動議において御説明申し上げましたことは、今日の世界共産党の信奉しておりまする共産主義というものは、これはあなた自身お認めのように、マルクスレーニンスターリン主義鉄則に立つておる。しかりといたしますと、この鉄則の上から割出されますことは、議会政治否認ということであります。このことは先般のコミンフオルムの批判に対して、日本共産党中央委員会の決議に基いて、野坂參三君自己批判なる形において発表いたしました自己批判におきましても、議会政治否認暴力革命ということを明らかにうたつております。私はこの点は本委員会におきまして、あなたと議論するために出席いたしておるのではないから申し上げませんけれども、一般の社会通念でございます。その社会通念から立つて共産党があのような言辞を弄するということは、私にとつて大した驚きではなかつた。しかしながらあまりにも国会言論自由の府であることを寄貨となして、国会議員たるの権利を濫用して行つた行為が、懲罰に値するということと指摘したのでありまして、あなたの御指摘の第二回コミンテルン大会決定に基き、その後世界共産党がとつております議会戰術が、どこに対してどう考えておるなどということは、私が懲罰動議として提案した理由ではございません。  なお私は提案者としてこの際申し上げておきたいことは、私は共産党諸君とも理論的に意見を鬪わしたい気持はたくさんありますけれども、本懲罰委員会の性質から、申しません。ここにおきまして私はただ懲罰動議を提起し、この問題につきまして本委員会皆様方の賢明な御審議をいただいて、その結論を出していただければけつこうなのであります。私と共産党諸君との間に、イデオロギーの理論鬪争をしようという気持で出席したわけではございません。この点は提案者として一言お断り申し上げておきたいと思います。
  23. 鍛冶良作

    鍛冶委員 ちよつと議事進行に関して……。今提案者に対する質問は、提案理由でわからぬところ、納得の行かぬところをお聞きくださるのはよろしいが、わかつておること、内容がどうだということは、討論もしくは弁論のときにやるべきことで、ここではやめてもらうことを委員長は御注意願いたい。自分の意思に反しておるからということではいけません。形式上のことだけにとどめてもらいたい。
  24. 木村榮

    木村(榮)委員 この提案の序論のところに、マルクスレーニン主義に立脚しておるからいかぬということがあるが、提案者はどういう理論でこういうことが言えるかということを聞かなかつたならば、これは問題になりません。これは理論鬪争ではない。明確な答弁をして、今こういう点で間違つておるから、従つてこの演説内容とはこういう点で抵触して、お前たち議会破壊である、こういうことが例示されなければならない。そこでコミンテルン決定のいかなる部面が、そういう点に抵触するかということを明白にしてもらいたいということを聞いたわけですが、遺憾ながら佐々木君がコミンテルン決定などというものを読んでなくて、どこからか聞いて来た、こう認定せざるを得ない。やめましよう。私たちはちやんとここにつぶさに読んでいますから、いくらでも討論はいたします。
  25. 土倉宗明

    土倉委員長 ちよつと木村君に申し上げます。本懲罰委員会審議方向というものは大体に一定しておるのでありまして、川上君のその言動懲罰に値するかいなかという判断をなさる御質疑のように私は考えますから、どうかその線に沿つて質疑をお進め願います。
  26. 木村榮

    木村(榮)委員 むろんわかつております。だからどういう点が抵触するかという点を私は提案者に聞くわけです。その聞くためには、その抵触するという理論的根拠前提となるものを聞かなければならぬが、これは御説明がないからやめましよう。  そこであなたのそういう理論から行きますと、共産党はそういうものであるから、従つてこれはこういう演説をする。しかしこれは合法政党として認められ、しかも連合国終戰後共産党を解放いたしまして、合法政党認め議会にも出るようになつた。このこと自体を否定されますか、このことをお聞きいたします。
  27. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 ただいまの御質問に対しましては、私個人の持つておりまする共産党に対する考えはおのずから別といたしまして、本委員会の特殊なる性格上、私の答弁の限りでないと考えます。私は先ほども繰返して申しまするように、私の提起いたしました懲罰動議説明の中には、もとより全部を含んでおりません。ただその中の二、三の点を取上げて申したのでありまして、本委員会において問題としていただきたいことは、川上君の演説そのものでございまして、私はその中の二、三の要点だけを取上げまして、これらの点から考えましても、川上君の演説内容言動というものは、懲罰に値するのではなかろうかという私の考え方から、動議を提出いたしたのであります。なお先ほど木村君は、非常に一方的独善に基いて、私の取上げた事例が何も知らないで取上げたかのごとくおつしやつておりますが、必要とあらばいくらでも材料を持つて来てお目にかけてもいいと思いますけれども、これは本委員会と別な問題でありますからやめましよう。
  28. 木村榮

    木村(榮)委員 それではあなたの提案理由はおよそなつてない。あなたはこういうことを言つている。「川上君の前後五十分間にわたる演説は、実は質問演説に名をかりた共産党テーゼ宣伝以外の何ものでもなく、」こう書いてありますから、事を明らかにするためには、今私が申し上げたことを理論鬪争——名前はどうでもいいのですが、明瞭にしないと、あなたの提案理由趣旨にもならない。提案理由趣旨の根本をなすものに、共産党テーゼ宣伝をしたということがひそんでおるならば、その前に、ではいかなるテーゼをどのような方向でやつたかということ、この内容とどう関係があるか、どこがどう抵触するかということをやらないと……。(「提案者と議論しても何にもならない」と呼ぶ者あり)
  29. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 ただいま木村君の提案者に対する質問は、提案者木村君の理論鬪争が継続されつつあるよううに思います。こういうことを続けているのでは、懲罰委員会の運営が円滑に行かないと思う。われわれは佐々木君の説明の中において——提案理由の中にもちろん不満な点もありましようが、懲罰委員会といたしましては、要するに先ほどから繰返して申し上げておるように、川上君の本会議場において行われた演説そのもの懲罰に値するというのでありますから、それに対する判断はおのずから委員がきめるべきであつて提案者のいわゆる説明の深さ、広さによつてきめるべきではないのであります。そういうことでこの委員提案者とが討論を続けるということにおいては、議事準行上はなはだ迷惑でありますから、佐々木君のいわゆる提案趣旨に対して、あなたの御疑問のある点だけをひとつ質疑なさつて、すみやかにこの委員会を進行せられんことを望みます。
  30. 木村榮

    木村(榮)委員 それはおかしい。そういうことを聞くこと自体が……。この提案理由説明の中で、この広汎な内容がいけないという以上は、この点はどうかとやらなければならぬので、一体何がいけないかわからずにやるということはない。
  31. 土倉宗明

    土倉委員長 木村君、ちよつとお諮りいたしますが、本問題に入られてはどうです。委員長も聞いておりますと、どうも本問題をはずれた御質疑のようで、もはや懲罰委員会に付せられたという現実はお認めになつていると思いますが、その懲罰事犯の核心、内容についての御質疑提案者に対して許したいと思いますから、どうか本論にお入り願いたい。
  32. 高橋英吉

    高橋(英)委員 議事進行について……。鍛冶君も先ほど申しておりますように、提案理由ははつきりしている。たとえば「そこに引用された例示は、ことごとく虚構捏造連続以外の何ものでもない」というのでありまして、この「虚構捏造連続以外の何ものでもない」のであるということを、川上君の方から証明しなければいかぬということになつているわけでありますから、提案者提案理由ははつきりしております。だから提案者に対してこの点について証拠をあげろとか、裏づけしろということは、これは理由のないことである。少しでも訴訟法的頭があればこの点はわかることであるから、早く内容に進んだらどうですか。どうぞ委員長その点……。
  33. 木村榮

    木村(榮)委員 提案者の方がわかつておると言うが、わかつ、私にはわからないからわからぬと言うので、何も不合理じやない。それでは私は、あまり漠然とした話だけ聞いておつては、ごきげんが悪いようですから、もう少し進めましよう。たとえば、川上君は懲罰にはかかつておりますが、まだ国会議員であると思う。その国会議員であるものを懲罰にかけて、提案者がこれの提案理由説明する場合に、川上君を称して、これは日本国籍を離脱したもので、第三国人なつたものだから、こういう第三国人なつたものは国会の権威を汚すものだから処分しなければいかぬと言つたが、どういうわけで第三国人なつたという根拠がありますか。承つておきたいのであります。
  34. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 御答弁申し上げます。提案者といたしましては、川上君が二十七日に衆議院会議において行つた演説内容は、これを通読いたしましたときに、われわれのごとき日本人として、国民として、愛国的な立場とつおりまするわれわれから考えますと、精神的には、少くとも日本国籍を持つている日本国民の善良なる意識の上に組み立てられた発言でないと私は考えたのであります。法律上の根拠を申して、川上君が日本国籍を離脱しておるなどと申しておるのではなくして、これは私の主観であります。
  35. 木村榮

    木村(榮)委員 そうならば、私がさつきいろいろ質問したことは決して矛盾はしておらない。あなたがそういうことであえて提案せられ、これが法的根拠も何もないということになれば、私も法的根拠がどこにあるかということを聞きたいのは当然であつて、あなたも、法的根拠はどういうところにあろうと、あなたの主観の上に立つて提案したというならば、私も法的根拠はどうあろうと、私の主観に立つて質問して一向さしつかえないと思う。(「何を言う」と呼び、その他発言する者あり)ぼつぼつ聞くから急ぐことはないよ。  そこでもう一つお尋ねしたいわけなんですが、あなたが非常に強調されて、ダレスさんが来ておりますから、こういうときにこういう質問をしたのはいけない、こういうことになつておりますが、大体ダレスさんが来ているときは、共産党に限らず、国会の中においては、いろいろな疑問と思われる点を率直に聞く、あるいは討論をするということはいけないという何かお達しでもあつたのですか。
  36. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 ダレス顧問来訪中に行われた川上君の言動が、われわれのごとき国民感情を持つ人々にとりましては、まことに遺憾であつたということを補足的に申しただけのことでありまして、私は決してダレス顧問来訪中に川上君が言つたから、そのことが懲罰に値するというわけではないのであります。なおかつ先ほどあなたは、どこが懲罰に値するかということについて、何か法的根拠を示せということでありましたが、それにつきましては、冒頭猪俣君の御質問に対してお答えした通りであります。
  37. 木村榮

    木村(榮)委員 今、国会法百十六條、憲法五十何條ですか、これによつてやるんだ、しかし法律はそうであるが、今度の懲罰内容というものは、この演説内容そのものが悪いから、とこう言われるのですか……。(「その通り」)しからばその懲罰委員会委員としては、提案者意見、あなたがおつしやるこういう内容、この点の解釈と私たち意見は違う、違うにしても、しかし一応そのことを私たちが検討いたしまして、提案者の意のあるところ、御解釈の点をはつきりと腹に入れておかないと、川上君を喚問いたしまして聞く場合も、ほんとうの適切な質問ができないと思いますので、この質問をしているのであります。あなたがそれに対して一向答えられないということになりますと……(「答えているじやないか」と呼ぶ者あり)答えていますが、かんじんなところは答えない。  そこでもう一つお尋ねしたいのは、大体この川上君の演説ポツダム宣言を否定している、こういうふうにおつしやる。大体それとの関連におきまして、共産党宣伝をしたということになつておりますが、一体どういう点がその関連があるか、ひとつ説明を願いたい。
  38. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 私は懲罰動議説明の中におきましては、ポツダム宣言そのもの関連したことは申しておりません。ポツダム宣言受諾伴つて連合軍最高司令官の命令によつて発せられたところの、いわゆるポツダム政令なるもの、これに完全に抵触している。たとえば占領目的違反行為処罰令であるとかあるいはまた団体等規正令等勅令違反していることを申し上げたのであります。
  39. 木村榮

    木村(榮)委員 共産主義宣伝をしているから、この演説内容はいけないということがまず第一点ですね。そういたしますと、今の共産党はむろん共産主義立場に立つております。社会党社会主義実現ということをおつしやつていましてこの議会の申においても、社会主義実現のためにあらゆる御活動になつていると思いますが、これもやはりいけませんか。
  40. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 それは少くとも国会議員たる木村君の御質問とも覚えません。また、私がまじめになつてこれにお答えするのも、かえつて失礼かと考えるわけであります。木村君の賢明なる御判断にゆだねたいと思います。
  41. 木村榮

    木村(榮)委員 いかに賢明であつてもそういうことは判断できない。(笑声)と申しますのは、社会党社会主義宣伝し、あるいは政策として議会鬪うのと、共産党共産主義宣伝して鬪うのも一向……(「そういうでたらめはいかんと言うんだ」と呼び、その他発言する者あり)ばかなことを言いなさい。ばかなことを言いなさい。
  42. 土倉宗明

    土倉委員長 木村君、やじに拘泥なしに本論にお入り願いたい。
  43. 木村榮

    木村(榮)委員 共産党テーゼを基礎にして宣伝したからいけないということが、懲罰理由の一番最初である。しかし、なぜ共産党だけはいけないか。たとえば民主党が修正資本主義といい、自由党は何だか存じませんが、自由主義といたしましよう。何にいたしましても、ほかの政党はやつてもいいが、共産党だけは懲罰にする、こういう趣旨でおやりになつたかどうかということを説明願いたい。そうなれば、共産党テーゼを……。     〔発言する者多し〕
  44. 土倉宗明

    土倉委員長 私語を禁じます。
  45. 木村榮

    木村(榮)委員 黙つて聞いたらどうだ。あなた方に聞いているんじやないのだ。
  46. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 私は社会党社会党主義綱領の御宣伝をなさることも、わが自由党自由党主義綱領宣伝をすることも、それは自由であろうと考えます。ただ、その宣伝をするにあたつて、ことごとく事実無根捏造の事柄を流布することによつて院内秩序を乱し、あるいは品位を傷つけ、あるいは無礼の論議を弄するということが、法規に照して抵触し、当然処罰の対象になると考えます。
  47. 木村榮

    木村(榮)委員 それならば言いましよう。まあ事実無根のことを言つた云云というのは、あと川上君がたくさんの資料を持つておりまして、いかに無根でないかということをやりますから、ちよつと私はせめましよう。しかしながら、少くとも委員としてこういう提案が出た以上は、提案者が言つていることが、はたして正しいか、あるいは私が再三説明して、あなたの言うことこそがあまりに事実無根のことを言つているのじやないか、という点を明白にいたしませんと、これでは一方的と思うのでございますから、二、三あなたの提案……(「委員長、その点やめてもらおう」「それは討論のときにやれ」と呼び、その他発言する者あり)そういうことを質疑において明らかにしておかないと、討論ができません。討論前提をなすそういつたことを、質疑で明らかにしておいて、このときにはこういう答弁をなさつたが、ここに矛盾があるではないか。そういう点を明白にしておかないと討論はできません。それであなたがとにかく最も強調されておりますのは、事実無根で、事実を曲げて虚構なことを言つておるというのが、まず最も中心点になつておると思うのです。その点は大体この中でどの点どの点ということを、ひとつ具体的に御説明願いたいと思います。
  48. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 私はその一々をこの際列挙する煩にたえないほどに、全文ことごとく、ほとんど全部が虚構捏造だろうと考えます。少くともわれわれが日本国政府発表連合国ないし連合国最高司令官発表に照しまして、川上君の取上げました事実は、ことごとく捏造虚構連続であろうと私は考えるのであります。従つてそれに対する御判定は、委員によつて決定していただきたいと思います。
  49. 木村榮

    木村(榮)委員 それでは私はこの際、ことごとく捏造ではないという証拠を一々あげて、それから御説明を申し上げたいと思います。     〔「共産党委員をかえて来い」と呼び、その他発言する者多し〕
  50. 土倉宗明

    土倉委員長 静粛に願います。木村君に御注意申し上げますが、それは提案者に対する御質疑のようとも思われません。今の御発言は、どうも委員長として納得できません。討論の際になされたらいかがでありますか。提案者に対する質疑の範囲は自由とはいいながら、限定を受けなければなりませんから、御承知を願います。
  51. 木村榮

    木村(榮)委員 提案者がそういう抽象論で提案をされるならば、私たちといたしましては、なるほど提案者の言うことはもつともだということをやはり頭の中に入れておかないと、全部が間違いだ、はあ、さようでございますか、というわけには行かない。
  52. 土倉宗明

    土倉委員長 その点はあとでいくらでも聞ける機会がありますので、提案者に対する質疑をお進め願います。
  53. 木村榮

    木村(榮)委員 そこでお尋ねしたいのは、このことごとくが虚構捏造であるということになれば、あなたはそれに対してその証拠、こういう点で虚構であるという証拠書類を御提出なさることができますか。
  54. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 お答えいたします。たとえば松川事件のごとき、政府の発表川上君の申したこととは全然別個のことであります。従つてこれなどについて政府の発表を提出しろとおつしやいますならば、私はいくらでも提出するだけの資料を持つております。
  55. 木村榮

    木村(榮)委員 それならば、そういう立証をあなたがなさいますならば、われわれはこれ事実無根だということをいくらでも提出することができます。そういうことをこれから大いにやろうじやありませんか。やるならば、やる前提となるもの——少くともあなたが全部事実無根だというならば、そのような証拠書類をそろえて、こういう点で事実無根だということを説明されないと、これは抽象論である。
  56. 土倉宗明

    土倉委員長 木村君、それはもう速記録に明快に出ておりますから、御参考までにごらんください。提案者に対する御質疑はありませんか。
  57. 木村榮

    木村(榮)委員 まだあります。そこで事実無根だと言われましたから、無根でない点を二、三これから申し上げます。(「そんなことはあとでやるんだ」「きみのすべきことじやない」と呼び、その他発言する者多し)それが審議というものである。
  58. 土倉宗明

    土倉委員長 木村君にちよつと御注意申し上げます。実は本日、提案者として佐々木君を呼んであるのでありますが、同君はダレス顧問との会談の一員になつておりますので、時間があまりありません。提案者佐々木君がそういう立場におるので、時間の制約を受けておりますから、本論をお進め願えればけつこうでありますが、今のような御質疑でありますと、あとまわしにいたしまして、一応提案者は帰つていただいて審議を進めてもよろしゆうございますか。なお川上君も呼びたいと存じておりますから、どうぞその場合に、関連して御質疑を願いたいと思います。本論にお入りになるならば、まだしばらくの時間を佐々木君から割愛してもらいますから、どうぞ質疑の本旨について発言を願いたいと思います。
  59. 高橋英吉

    高橋(英)委員 ちよつと議事進行について——先ほどから木村君は盛んに証拠を出すと言つておりますが、証拠を出す段階というものは、審議の過程に当然やつて来るのです。だからその点を委員長がよく説明されて、なるべく今質問の段階において証拠を出すような、そういう間違つた考え方を是正されて、円滑に進行ができますように、ひとつ御注意願いたいと思います。
  60. 土倉宗明

    土倉委員長 お互いに、一身上の重大な審議にあたつておるのでありまするから、なるたけ秩序を乱さないように、不規則の発言等のないように、十分に審議を進められることを委員長は期待しております。その趣意において木村君の質疑を許します。
  61. 木村榮

    木村(榮)委員 だから、その点で私が最初から申し上げておりますように、そもそも最初懲罰動議が出ましたその提案理由なるものの理論的根拠を明白にしておきませんと、なかなか問題が解決しません。現にここに書いてある問題は——いわゆる懲罰動議の根本は、これは共産党がつまり議会の内部から——さらにまた共産党代議士は立法者ではなくして、共産党の扇動者であることを銘記せよなどと規定しておりますから、従つてこの演説がいけない、共産党テーゼ宣伝したのである、これが虚構であるということの前提條件、大原則である。しからばこの問題を徹底的に糾明せぬと、あなたの具体的本論に入れないから、その点をあなたはどういう意図によつて、どういう理論的根拠によつて、このような御提案をされましたかということを私が聞くと、それは理論鬪争だから言わぬというのでは、全然前進しない。しようがないから、この問題についてこれはどうか、これはどうかと聞けば、それは問題が違う、とこう言う。これでは全然私が惡いのではなく、あなたの方が、補足的に提案理由説明しなければならない義務があるにかかわらず、こういつた抽象論でごまかしておられるのであります。従つて私はその点を明白にしてもらいたいということを言つておる。その答弁がない。再三御注意を受けますが、これでは前進できませんから、この点からやり直しましよう。     〔「考え方が違うのだ」と呼び、その他発言する者あり〕
  62. 土倉宗明

    土倉委員長 私語を禁じます。木村君に申し上げます。先ほど委員長つておりますのに、理論的根拠理論的根拠と言われ、それがはつきりしないと懲罰内容に進まないというお話があり、また事実無根かどうかということもありますが、これこれの事実は無根であるというふうに、もう速記録に明快に出ております。その点についての御質疑以外は委員長は許可いたしません。理論的根拠とか、あなたの御構想なり、お考え方は別でありましようが、それはいずれ討論の場合においても十分に述べ盡されると思いますから、これ以上提案者に対する御質疑の継続をなされたいなら、どうか本論についてお進めを願います。
  63. 木村榮

    木村(榮)委員 本論について最初からやつておるのです。最初に明らかになつたことは、猪俣委員から御質疑があつて国会法百十六條、百十九條あるいは衆議院規則二百二十八條憲法の問題があつた。ところが私が受けた印象では、結局この国会法百十六條にいたしましても、どうもそういうものには書いてはあるが、実際問題としては懲罰に該当しないようなことになつてしまつて、結果的には憲法條文における問題になつておる。従つてこの演説内容というものが問題になる。品位を傷つけ、あるいは無礼の言辞を弄したということになれば——あなたは全般的に言つておるとおつしやる。全般的といつても、あなたの全般的の解釈と、私たち解釈は食い違いがあると思いますので、そこでこういう点はどうか、こういう点はどうかといつて聞いても、それは答弁の限りではない、それは討論のときにやれということになれば、それは一方的な言い分であつて、決してわれわれを納得さすだけの提案になつておらない。だから、納得するか、せぬかはわからぬ、それはあとの問題にしましても、一応この提案の各條項について質問するのは当然である。それに対して答えるのが当然である。それを答弁なさつていない。
  64. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 私が初めから答えないというお話でありますが、速記録をお調べになつたらわかりますように、あなたの御質問に対しては全部お答えをいたしております。一つ答弁を拒否しておりません。なお私の懲罰動議提出の理由は、繰返して申し上げますが、冒頭に猪俣君の御質問に対して私の答えたことをもつて十分であろうと私は考えておるわけであります。従つて私の提案した懲罰動議が、はたして懲罰に値するかいなやは、皆様方の賢明なる審議によつて決定していただきたいということを、私は提案いたしておる次第であります。
  65. 木村榮

    木村(榮)委員 そこで質問したいのですが、たとえばあなたは、この質問演説においては、いわゆる占領軍に対して占領政策を妨害するとか、あるいはこれに嫌悪の情を與えるような言辞を述べたとかいうことをたくさんおあげになつておりますが、大体そういう点は具体的にはどういうことですか。
  66. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 根本論を申しますならば、共産主義を信奉されております木村君と私とは、その主観においてまつたく氷炭相いれないものがあるわけです。従つてこれがはたして連合軍に対して嫌悪を與えるか、不信を招く言動であるかどうかということにつきましては、あなたと私の持つております哲学や世界観が異なつておるわけでありますから、川上君の申したことが、国際情勢に関する限りは、ことごとく連合国あるいは連合軍に対して不信を招き、怨恨を招くような行為であろうと私は認定をいたして、動議を提出した次第であります。
  67. 木村榮

    木村(榮)委員 ところがそういうことは決して言つおらない。そもそも懲罰動議を出して懲罰委員会審議されるのに、その内容全部がいけないという抽象論では、はあさようでございますかというわけには行かない。だから少くとも提案者の意思を尊重して、あなたの御説明と私の解釈とは違うが、この点はどうかということを質問するのが質問であつて、そういうことがなかつたら、一向質問の要領を得ない。ほかに何を聞くのです。品位を害したと言われますが、品位を害したということは、この点この点の内容のこの点だということを御説明くださいと言つておるわけです。
  68. 土倉宗明

    土倉委員長 委員長からかわつて申し上げます。この点この点がいけないから、懲罰事犯に付してもらいたいというのが、提案者最初からのはつきりした動議であります。その線について質疑をなさるのならば、提案者に対する質疑としていくらでもお取扱いをいたします。一応御注意申し上げますが、木村君の御質疑は、どうも提案者に対する質疑とは思われません。
  69. 木村榮

    木村(榮)委員 だからさつきも私は聞いております。この点この点が占領政策違反の文句である、あるいはこの点は事実と違うことである、あるいはこの点はどうだということを——こまかいことばどうでもいいですが、大体川上君の演説そのもの懲罰の対象になつておりますから、その点を言つてもらいたい。
  70. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 何回私が答弁をいたしましても、それが木村君の満足な答弁となり得ようはずはないわけです。なぜならば、あなたの持つておる哲学と私の持つておる哲学とは、根本的に違つております。世界観を異にしておるのでありますから、これ以上いくら申し上げましても、單なるイデオロギーの論争になる以外の何ものでもありません。どの点がポツダム政令に違反するかという点につきましては、私の提案理由説明の中において、具体的に事実をあげて私は申しておる次第であります。
  71. 木村榮

    木村(榮)委員 あなたが提案なさつた点を要約いたしますと、第一には、質問演説に名をかりて共産党テーゼを申し述べた、こういうことになつておる。そのテーゼなるものを申し述べた文句は、大体どの辺をおさしになるか、これをまず第一に承つておきたい。
  72. 佐々木盛雄

    佐々木盛雄君 なお私この際、先ほど委員長から発言のありました点を御了承願いたいと思います。実は四時からダレス顧問に、わが党を代表いたしまして会うことになりまして、目下すでに一行が私を待つておるわけでありまして、事前に外交局へ行つて待たなければならぬことにもなつておりますので、あらためた機会に、必要がありまするならば、ゆつくりとお答えいたしたいと考えるわけであります。ただいまの点につきましては、この中に申してありまするように、共産党テーゼ宣伝した以外の何ものでもない。それから後に述べておりまするところの、いわゆる虚構、無根の事実を流布することによつて議院品位を傷つけ、議場の秩序を乱し、無礼の言辞を弄する。さらにまたポツダム政令あるいは団体等規正令等の国法にも、これは違反するものである。ひいて憲法の五十八條規定にも抵触するということを申した次第であります。いずれまた必要な場合に参りまして、ゆつくりお話をいたします。
  73. 土倉宗明

    土倉委員長 一応質疑者に対して御注意申し上げておきますが、時間の制約の都合がありまして、佐々木君の退席は許可いたします。あらためてまたお招きして、木村君の質疑を継続いたしてもよろしゆうございます。
  74. 木村榮

    木村(榮)委員 議事進行について……。ダレス顧問に面会のために行かれますので、やむを得ませんから、文句は言いませんけれども、またあらためて質問いたしたいと思います。とにかく答弁ができないということが明白になつたことを……。  そこで今度は川上君をお呼びになる段取りだと思いますが、いろいろ準備がございますので、暫時休憩を願つて、一時間とか、あるいは何分間でもよいのですが、そうして続行されんことを望みます。     〔「反対」「反対」と呼ぶ者あり〕
  75. 鍛冶良作

    鍛冶委員 質問の点は十分盡きておつて質問以外の点にわたつて討論を続行することを望まれるようでありますが、そういうことはいけません。われわれとしてはこれだけ聞きまして、さらに進めることに十分なる準備ができましたから、ここでただちに私は川上君に質問いたしたい。川上君に出席を求めます。
  76. 土倉宗明

    土倉委員長 木村君から休憩の動議が出たものと認めます。この点について採決いたします。  休憩せらるべしとの木村君の動議に対して賛成者の御起立を願います。     〔賛成者起立〕
  77. 土倉宗明

    土倉委員長 起立少数。継続することに決定いたします。  引続き川上君の弁明に対し質疑の通告がありますので、本人に対し議長を通じて委員会に出席を求めます。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 土倉宗明

    土倉委員長 御異議なきものと認め委員長はその手続をとります。     —————————————
  79. 土倉宗明

    土倉委員長 川上君の出席を得ましたから継続いたします。  川上君に申し上げますが、昨日の弁明に対して質疑の申出がありますので、御出席を願つた次第であります。  これから川上君の弁明に対する質疑に入ります。なお身上弁明に対する質疑も、身上弁明の意味を明らかにすることが目的でありまして、委員会としてはその弁明を参考に聞くにとどまり、あくまでも先日の本会議川上君の発言について、懲罰に値するかいなかを判定すべきものでありますから、質疑もその趣旨沿つてなされることを望みます。
  80. 川上貫一

    川上貫一君 ちよつと委員長にお願いがあります。昨日私の趣旨弁明が十分でなかつたということがありまして——ではこれで私は趣旨弁明いたしましたと言つたのでありますが、その後きのうの提案者説明を十分に聞いておらぬということがありまして、それではその十分に聞けなかつたところをプリントその他によつてよく拜見して、それで趣旨弁明を補うということで、私きのう帰つたと思うのであります。そのあと提案者趣旨を詳細に調べてみましたところが、私の昨日の弁明は不十分である、さらに多くのことをつけ加える必要があると考えましたので、委員長に、趣旨弁明の追加をさしてもらいたいということを申し上げたい。
  81. 土倉宗明

    土倉委員長 ただいま川上君から、補足して弁明したいとの申出がありますが、お諮り申し上げます。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 ただいま川上君の発言がありましたが、そのことを非常に私も心配しまして、川上君に対しまして、一身上の弁明が十分盡きておるのかどうかということを問いただしたのでありましたが、川上君はもうこれで何も言うことがないということでございました。ただ、ただいま川上君が言われた通り佐々木君のいわゆる提案説明内容について、川上自体が聞いてなかつた点があるというのでありますから、それに対する補足はけつこうでありますが、その範囲は昨日の弁明をなされたことと重複しない程度にしてやつていただきたい、こういう希望を申し上げたいと思います。
  83. 土倉宗明

    土倉委員長 異議なきものと認めて、川上君の補足説明を許します。川上君。
  84. 川上貫一

    川上貫一君 委員長にあらかじめお願いしておきますが、これは私の一身上に関する問題でありますし、なお提案者のいろいろな趣旨の弁明を詳細に昨日以来読みまして、これは私としても十分にお答えをしておかなくちやいかぬと考えた次第でありますので、重複しないような形でと申しますけれども、多少の重複なども話の順序上出て来るかもしれません。その点をお含みおき願いたいと思います。  私がここに今重ねて一身上の弁明をいたしますわけは、ただいま申しました通りでありますが、まず第一に、提案者趣旨の弁明によりますと、私が第一に日本の政府は━━━━の手先である云々と言つておる、これによつて私が政府に対する不信を與えた、こういうことが一つの大きな理由になつておるように考えます。私の質問いたしましたのは、今日日本の政治は国民の大多数の要望を踏みにじり、力ずくで国民の思意を圧迫しようとしておる。━━━━━━の手先になつて單独講和を推し進めながら、日本を軍事基地にしようとしておる。提案者はまずそのことを指摘されたものであろうと私は考えます。しかし今日單独講和を望んでいると思われる国は、これは資本主義の陣営であつて、少くともソ同盟や中華人民共和国の方面ではないということは明らかであります。またインドなども、中華人民共和国の国連への参加、ソ同盟並びに中国の対日講和への参加ということを主張しておることは、これも周知の事実であります。これは皆さんも御承知と思いますけれども、一月十九日付の夕刊毎日新聞にこう出ておる。「ネール・インド首相は十七日パリで記者団会見を行つたが、その際対日平和條約は出来るだけ早急に締結されるべきだと次のように述べた。」と伝えられている。すなわち、「一、日本人は偉大な回復力を持つた国民である。この事実を承認する方がよい。一、もし全面講和がおくれた場合、多数国が別個の條約を結ぶだろうが、恒久的平和は中共ソ連の同意なくては達成出来ない。一、日本憲法は非武装を明記している。マツカーサー元帥が憲法にこの條項があることを知らなかつたことはないと考える。」これはネール首相が日本の全面講和を要望しておるということを明らかにしておると思うのでありまするが、政府のお考えは、あるいは政治は、事実上單独講和を望んでおる。單独講和のために、長いこといろいろな政治が行われて来ておる。これはひとり私だけの見解ではありません。常識のある国民なら、だれでもそのように考えておると考えております。しかも單独講和はソ同盟、中国を敵とする講和方式であると私は考えます。それゆえにこそ、ソ同盟や中国を敵とみなしての日本の軍事基地化、こういうことが必然の問題となつて提起されておるというようなことになる。またそれゆえに日本も反ソ反共の防壁、こういうことの提案が論議されておるというようなことになつておると考えております。これはどういうことを意味するか、これは日本の政府が資本主義国、帝国主義国一辺倒の方針を持つておる。中国やソ同盟に敵対することをあえて辞さないという方針を持つており、日本を軍事基地とする、こういう方針を持つておる。また西独のような再軍備をするという、こういう方針を持つておる。将来中国やソ同盟に攻め込むことをあえて辞さないという方針を持つておるであろうことを、私は表明するものだと考えます。私はこれを質問した。私の質問の要点はここである。今日国民がこれを非常に心配しておる。そこで私はこの事実について政府に質問しました。すなわち……。
  85. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 ちよつと議事進行について……。ただいま川上君の一身上の弁明の補足ということでありまして、その一身上の弁明の補足も、昨日佐々木君がいわゆる懲罰委員会において提案説明をした、それを聞いていないからという理由のもとに、私たちは一身上の弁明の補足を認めたのであります。しかるところ、ただいま川上君の一身上の弁明の補角なるものを聞いていると、先般本会議行つた演説のやり直しのようなことをまた繰返そうとしている。われわれはそういう疑念のある点については、各委員がこれから十分あなたにお尋ねいたしますから、昨日佐々木君が言つたことで、知らなかつた範囲の補足程度にとどめていただいて、今のような一身上の弁明でありますならば、われわれ委員といたしましては承服できませんから、もう一度委員長においてはお諮り願いたいと思います。この動議を提出いたします。
  86. 木村榮

    木村(榮)委員 佐々木君の今の御提案なすつたことに対しては反対でございます。と申しますのは、今、川上君が申しましたように、幾分重複する点もあるかもわからぬ。しかしながら大体そのことはあらかじめ言つて、そうして委員長の了承を求めてやつておるので、これは当然です。しかも昨日私は発言を求めまして——川上君がもう言うことはないかという委員長質問に対しましては、確かにございませんと言つた点は、私も承認いたします。しかしそのときは、この委員会において佐々木盛雄君が説明をいたしました点は、川上君がまだ知つていないから、だからこういう点を含めて、よくその点を川上君にも調べさして、その上でもう一遍弁明をさす機会を與えてもらいたいということを、私が提案をいたしましたところが、これは皆様方もよかろうということになつていますので、従つてこれに対してもう一遍この弁明をいたしますのは、決して不当なことではない。そして幾分重複するかもわからぬということは、最初に礼儀正しく申し上げております。だから、これは少々重複したところで、そこはまた大政党皆様方が襟度を開いて聞くのが、これが議会の通念、常識というものであつて、しかも懲罰を受けるということは、これはどういう処分を受けるか存じませんが、これは国会議員の身分といたしましては、事重大な問題でございますから、そこの辺は皆様方が相手の身にもなつて、お互いにひとつ聞くことは聞き、言うことは言わせる。しかもその内容が広汎な問題でございまして、ただ議場の中において議長の制止を聞かなかつたとか、それからまた他の議員に不都合な行動を加えたといつたふうな、現行犯的というとおかしいのですが、そんなものではなくて、相当理論的根拠に問題があると私は思いますので、そこはひとついろいろ問題もあるでございましようが、まあ襟度を開いて、お聞取りをひとえにお願いいたしたいと思います。
  87. 土倉宗明

    土倉委員長 委員会にお諮りをして、補足説明をお許しいたしたわけですから、多少関連性のあるところも出て参りましようけれども、出て来た場合に、あまりそれが重複にわたるようであれば、委員長から注意をいたしますから、川上君の……。
  88. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 いや、私たち川上君に対しては、十分なる一身上の弁明を聞きたかつたのです。それなるがゆえに、昨日委員長も注意し、私も注意して、あと述べることがありませんか、こう言つたのですが、ない、こう断言したのです。そこで本日先ほど申し上げた通り佐々木君の趣旨弁明を聞いていないから、その佐々木君の趣旨弁明に対しての補足の一身上の弁明をしたい。その一身上の趣旨弁明が二回にも三回にもなるということは、異例なんだ。しかしそういうことであるならば、特に本日川上君のせつかくのお申出であるというので、われわれはそれを許した。それも無條件で許したのではございません。條件付の発言をわれわれは求めたわけなのであります。しかるにただいまお聞きいたしますと、そこにあります通り、原稿をこのくらい持つておられまして、本会議演説のやり直しなんです。それを初めからずつと言われて、しかも速記録に残つて、国の経費でこれを官報に印刷されるということは、これは共産党のやりそうな手なんです。それで全国に宣伝されてははなはだ迷惑だから、それをはつきり申し上げる。国家の機関を通じて印刷して、全国にその言わんとするところを宣伝をしようとするたくらみのような一身上の弁明は、国会としてはこれは当然認めるわけに行きません。そこで今申し上げました單独講和、あるいは松川事件、あるいはポツダム政令に違反するかどうかということは、われわれ委員がこれから十分にお尋ねいたしますから、そういう点に対しての一身上の弁明の再発言は、この際遠慮していただきたい。と同時に、昨日佐々木君の言われた範囲のことならば、一応きめたことでありますから、認めましよう。ただある程度重複になるといつても、それは量によつては、全部重複してもある程度に解釈されることもありますから、このままの一身上の弁明は、われわれとしては継続することは認められません。
  89. 鍛冶良作

    鍛冶委員 今佐々木君の言われた通りでありまして、昨日弁明した以外に、佐々木君が述べたという点があるのでありますから、その点だけは承ります。従つて前もつて重複すると言われても、この間の本会議でやつた演説のむし返しをやられたのでは困るから、この点この点と指摘してやつてもらいましよう。
  90. 土倉宗明

    土倉委員長 佐々木君、鍛冶君のただいまの議事進行に関しての御意見は尊重いたします。一旦委員会において補足弁明を許可いたした立場でもございますし、この案件たるや、事一身上のきわめて重大案件でありますから、できるだけ補足弁明は川上君にさしてあげたいと委員長は存じます。どうか川上君におかれましても、この場の発議をよく御参照の上、補足弁明に限ることならば、十分お述べになつてさしつかえないと思います。委員長においては、その重複が、あるいは宣伝その他にわたる逆効果を期待されての御発言ならば、即時停止をいたすつもりであります。どうぞその点にお含みをもつて十分御発言を願います。
  91. 川上貫一

    川上貫一君 ちよつと委員長にお願いしておきますが、今私が説明いたしましたのは、日本の政府が━━━━の手先であるということについて、これの弁明をしておりますので、こういうことになりますと、多少はこういうわけだということを繰返して言うことになりますから、その点もお含みを願いたいと思います。(「その條項はやめてもらいたい」と呼ぶ者あり)つまり私が今まで述べましたように、この條項に関する問題は、今の政府が連合国全体ではなくて、その一部分に一辺倒になつているということは、その方面のこういう形の政治を行つているということではないか、これが私の質問しました要点でありまして、こういうことを聞くということは、懲罰理由などにはどうも私はあらぬと思います。政府の政策批判でありますから、これは民主的な国会で十分に批判させて、そして国政の審議を完全に運用して行くということが民主国会であり——私がした演説が外国の不信を招いたとか、日本立場を不利にさせたというようなこともあるようでありますが、私は政府の政策批判ができぬような国会であれば、それこそ外国から信用を失う国会ではないかとも考えられます。  第二点として、提案者は、私が━━━━がアジア侵略の張本人云々と述べて、反米宣伝を行つた、こういうことを指摘して、懲罰理由にしておられると思います。察するに、これは提案者が、私の演説の中の次の通りに述べたこと、すなわち、諸君日本国民は、外国の軍隊に軍事費を負担する義務があるかどうか。そのような義務は絶対にありません。またこの終戰処理費が朝鮮に対する━━━━のために使われておるとすれば、一体日本における駐屯軍は、日本を民主化するためのポ宣言に基く占領軍なのでありますか。━━━━━のための作戰軍なのでありますか。ポツダム宣伝にも、降伏文書にも、作戰軍の駐屯を規定した條項一つもありません。これは私の演説であります。これは当然な質問だと私は考える。終戰処理費が終戰処理のための費用ではなくて、━━━━━のための費用として使われるといたしますれば——これは政府に聞いたのでありますから、使われでおらぬというならば、はつきりこういうぐあいに使うておらないということを示してもらいたい。使われておるとすれば、駐屯軍は日本国を民主化するためのポ宣言に基く占領軍なのであるか、━━━━━のための作戰軍なのかという疑問を国民が持つて来ることは、私はやむを得ないと思う。そこで私はこれを質問したのであります。このことについては、私はきのうも例を申しましたが、これだけではない。理由があるのでありまして、それを申し述べさせてもらいたいと思います。これは一身上の弁明でありますから、委員長に述べさせてもらいたいと思います。
  92. 土倉宗明

    土倉委員長 それは質問がある事項なのですから、その点については……。
  93. 川上貫一

    川上貫一君 それではきのう申し上げませんでした点を申し上げます。私がこういうことを質問しました。これは今申しましただけの理由ではない、いろいろなことがありますから、ということを申し上げたのでありますが、その中で一月二十二日のニユーズ・ウイーク誌にこういうことが書いてあるのです。日本防衛という項目の中で、朝鮮動乱は日本の防衛施設を非常に強力なものにするに至つた。できたばかりの日本の━━すなわち七戸五千の警察予備隊は、意外なほど急速な進歩を逐げているものの、やはり目下編成の段階にある。その人員の半数は第二次大戰の将兵である。日本が自国防衛に参加するということは、多分ダレス使節団によつて具体化されることになろう。まず第一に日本はできるだけ早く地上防衛施設を引継ぐだけの軍隊を集めることになろう。朝鮮動乱中、日本は掃海艇並びにLST——これは水陸両用艇だと思いますが——を提供し、一方国連艦隊は基地から作戰行動に移つたものの、その基地における作業の多くは日本人の手によつて行われている。最後に日本はおそらく防空にも参加することになろう。もつともすでに日本の労働者は大規模に国連空軍基地で使用されているのである。これはニユーズ・ウイークの記事であります。こういうことがいわれておる。ますます国民は疑問を持つであろうと私は考える。これはどうしても政府の所信をお伺いしなければならぬと私は考える。また中華人民共和国伍修権代表は、国連の政治委員会でこう言つている。米国政府が━━━━━━を拡大しようと企てていることは、在鮮米軍の行動にもつとはつきり現われている。八月二十七日以来絶えず在鮮米━━軍の飛行機及び海軍艦艇は中国に対して━━行為に出ている。十一月二十四日までに在鮮米━━空軍は千機以上を動員して、二百回以上中国上空を━━し、中国領内に深く突入して重爆撃と探察を行い、その際中国人民に━━━━━━━を出させ、中国の財産に大損害を與えたのである。さらに台湾、朝鮮に対して行動中の米━━━艦艇は、公海上で中国の平和的商船を不法に臨検した。有名な米誌ユナイテツド・ステーツ・ニユース・アンド・ワールド・リポート十月二十三日号は、在鮮米━━━爆撃機隊の行動を発表しておるが、これによると、中国東北諸都市は在鮮━━━空軍の爆撃目標がはつきりつけられている、こういうことを言うております。しかしこれはこの言うた者が、中国人民共和国の代表であるからどうだとか、あるいはこれがソ同盟のあれだからどうだとかいう問題ではなくして、事実において国連の政治委員会において公然とこういうことが述べられておるということ、これをいろいろな状況とにらみ合せまして、やはり日本においても私は十分な質問をして、政府の所見を明らかにして、国民日本の政治のどういうものであるということを知らせなければ、民主的な政治はできない。こう考えたのが、私の質問した点であります。そのために私ははつきりと、この点に関し内閣総理大臣の答弁を求めるものでありますと申しております。総理大臣は、これに答弁しないのであります。私はなぜ総理はこれに答弁されないのであるか、不思議に思うのです。私が事実を例示した質問に対して、政府が何の答弁もしない。それを放つておいて、提案者は私を懲罰にすると言うておる。これはどうも私は道理に合わないことであると思います。これが私が弁明したいと思う点であります。  第三点は、提案者は、私の演説連合国に対しまして不信や怨恨を招いたということを主張しておられます。提案者は不信とか怨恨とか抽象的な言葉でもつて私を非難しておられます。しかし私は具体的に事実をあげて質問しておるのでありまして、これがどうして連合国に対し、不信や怨恨を招くのでありましよう。そんなことを言うなら、提案者発言それ自体も、私は連合国の不信、怨恨を招く危險があると思います。なぜなら、連合国というものは、御承知のようにアメリカ、イギリス、フランス等の国々だけではありません。中国も連合国でありますし、ソ同盟も連合国であります。私は提案者発言は裏を返せば、ソ同盟、中国の側から見ますと——提案者のりくつから考えますと、これはやはり不信を招く言動ではあるまいかと考えます。ことに吉田内閣が外務省から出された「朝鮮動乱とわれらの立場」というこのパンフレツトによりますると、もうはつきりソ同盟その他社会主義並びに人民民主主義諸国を━━しておる。それに対して自由党の植原君は外務委員会で、それはあたりまえだ、こいつは政府が出したものだとはつきり言え、こういうことを言うておられます。私はもちろん、だから植原君も懲罰になるんだ、こんなばかなことを言うておるのじやありません。こんなことは懲罰にならないと私は言うておる。  第四に提案著は、私が大要次のように演説したということを指摘しておるのであります。すなわち、日本の政治は、日本を朝鮮に対する━━━━の道具にし、日本人民に対して軍事的、植民地的奴隷政策を押しつけている。また、日本人民を━━に使うことによつて、国際帝国主義の利益と安全をはかろうとしておる云々、これは私の演説であります。しかし、なぜこれが懲罰になるであろうか。これが私に理解できない点を弁明しておるのであります。第一に、朝鮮に対する干渉云々ということは、今日ではもう世界の半分の人間がそう言うております。また日本人民の多くの人々もそう思つておる。ソビエト、中国、東ヨーロツパ諸国、その他社会主義並びに人民民主主義の人民諸君はもちろん、資本主義諸国のフランス、イタリア、その他日本の労働者、人民大衆も朝鮮干渉反対の鬪争をしておる。半分は反対しておると私ははつきり考える。日本人民の多くも、こう思つておる。ことに中国やソ同盟は、朝鮮に対する干渉を国連委員会ではつきりと抗議しておる。われわれは、ソ同盟が連合国でないと考えることはできません。日本は無條件降伏しております。それはただアメリカにだけ降伏したのではありません。われわれが責任を持つべきものは連合国であります。それゆえに私は、ソ同盟その他の国々がこれをどう考え——日本の講和をどう考え、日本の独立をどう考えておるということを決して無視することはできません。これは日本人民の私は義務であると思います。私はここでヴイシンスキーが抗議をした、これを読み上げたいのでありますが、委員長もいろいろ心配して、もうこの辺でとめなくちやならぬのじやないかと考えておられるかもわからぬと思いますので、これだけを私は割愛いたします。私はこういう世論、但しここで申しておきますことは、ここでヴイシンスキーが国連政治委員会においてはつきりと抗議しておるんだということだけは、明らかに申し上げておきたい。資料はいつでも私は提出いたします。私はこういう世論にかんがみて政府の所見をただしたのであります。私は当然のことを質問したのにすぎません。これはいずれも国会において当然質問され、かつ討議されなければならぬ問題であると私は考えております。  次に、日本を━━の道具にしているではないかということについては、私は具体的な事実をあげて質問しております。何も抽象的に申したのではありません。もしそうでない、この事実が違うというならば、政府はそれがそうでないということを事実をもつて明らかに答弁していただきたいと思う。  次に、日本人に対して軍事植民地的奴隷政策を押しつけているではないかという私の質問も、これもまた具体的な事実で政府に質問しているのでありまして、抽象的な言葉をいたずらに並べて質問したのではありません。これの答弁をなさらぬのは政府であります。してみれば、政府はこれを認めておられるのではないかとさえ考えなければならぬ。もし日本の労働者の利益をほんとにちよぴりでも考えるならば、共産党宣伝だなどと言うて答弁を逃げる態度は、これは国政を審議する者の態度ではないと私は思う。私は言いたいです。この民族存亡のときにあたつて、これを宣伝だとか何とか言つて答弁を拒否する。これは政府みずからが、ほんとうにまじめに人民とともに国政を審議する意思がないのだと言われてもしかたがないのじやないか。  次に私は、日本人民を━━に使うことによつて帝国主義の利益をはかつている云々の点については、わが党はこれまで何度も政府に質問をしております。現にたくさんの日本人の遺骨が内地に帰つて来ているという事実が報道されている。これは明らかに朝鮮の戰争に日本人が使われているという証拠であろうと私は思う。これを質問することがなぜに悪い。私はこの点は納得ができません。  第五点は、私が故意に占領軍に反抗し云々と言われております。私は演説において故意に占領軍に反抗した事実は何もありません。ポツダム宣言並びに極東委員会の対日基本政策というものは、戰争の能力を日本から奪うこと、軍国主義的勢力を除去すること、日本の国の物質的及び政治的非軍事化の任務を完了すること、基本的人権を尊重され、特に信教、集会、結社、言論及び出版の自由は尊重されるべきこと、戰争のために再軍備をすることを得せしめるような産業を維持することを許さないこと、平和的傾向を有し、かつ責任ある政府が樹立さるるにおいては、占領軍はただちに日本より撤收さるべきこと、これらを要求し義務づけております。これは平和的、民主的な日本が建設されることを連合国が要求しておるのであります。私は現在の政治がこの要求、この義務に違反しているのではないか、これを事実をあげて政府に質問したのであります。これはポツダム宣言の完全実施を人民とともに心からこいねがうからのことであります。これはわれわれの至誠の結果だと思う。これは連合国の占領政策に完全に一致すると私は考えております。私はこういう弁明をしておかなければならぬ。  第六点は、提案者は私の質問演説国会外ならばポ政令第三百二十五号に違反する、こう言つている。しかしこれは、私の質問が三百二十五号に違反すると言われておりますが、了解ができないのです。ダイヤモンドの一月下旬号(「昨日読んだじやないか」と呼ぶ者あり)これは読みません。違います。ここに書いてある。一月下旬号には「日本国民の講和への待望は、煎じ詰めれば自立への待望であるといつてよかろう。もつと正確にいえば政治的独立への待望である。そもそも考えて見れば、戰争に敗れたという一事の故に、既にその戰争自体が終了して五年以上にもなる今日、人事の端々から予算計数の隅々に至るまで、戰勝国の干渉を受けねばならぬという義理が敗戰国にあるわけはない。」「前回の第一次大戰の敗戰国は、條約による特定の制約は受けたけれども、行政の末端までが戰勝国派遣官吏の指示を受けねばならぬような独立の喪失はなかつたのである。然るに今回の敗戰は斯様な独立の喪失を招来し、五年以上を経てなほそれがいつ回復されるかの保証もない有様である。然も斯様な状態に対する不審も不満も、必ずしも国民の間に顯著でなく、思うことも碌々言い得ないような形にある。」(「たれが書いたのか」と呼ぶ者あり)これはダイヤモンドに書いてある。「従来干渉行政の合理性を説明する根拠として常に指摘せられることは、日本が米国の物質的援助を受けている事実である。援助を受けているのだから細かい管理を受けるのは当然であるという議論である。しかし、その当らざるは明かである。米国から物資の援助を受けている国は日本ばかりではない。いわゆるマーシヤル計画は英仏初め西欧諸国に対する米国の無償援助である。然るにこれら被援助国の内政に対して援助国が何らかの干渉を加えていることは、西ドイツその他の敗戰国を除いては少しも聞かぬ。そうすると日本の場合も要するに敗戰国だからであるにすぎない。従つて結局敗戰国は戰勝国の内政干渉を無期限に受けねばならぬ義理があるのか。敗戰国は無期限に内政の自由を失わねばならぬか。この設問に対する回答は比較的簡單である。敗戰国に左様な義理はないのである」と書いてある。(「だれが書いたのだ」と呼ぶ者あり)私はだれがこれを書いたかを言うのではありません。これが社会に通用しておるのであります。公刊されておるのであります。私はこれを言うておるのです。提案者の考えによれば、これことごとくポ政令違反でなければならぬと私は思う。ところが公然と出ておる。刑事訴追を受けておりません。私はあたりまえだと思う。いわんや国会内における私の質問のごとき、何の懲罰にも値しないと私は確信して疑いません。これを理由共産党が団体等規正令に該当するなどというに至つては、党に対する侮辱であります。私はこれに対して抗議したいと思う。  第七に、松川事件の私の質問に対し、提案者は司法権を冒涜し云々と言つておられる。私の質問は松川事件の裁判に対する人民の批判の声であります。裁判を批判することは、国民の自由な権利だと私は考えております。これは何ら司法権を冒涜しません。また侵害するものでもないと思う。  第八に、提案者にまた、川上君は吉田首相や芦田均君をあたかも━━━━     ━━━━━━━━━━━━━ のごとく取扱つておるが、これは国会法第百十九條において厳禁する無礼の言たることもちろんである云々と言つておられる。しかし私の演説は、吉田総理大臣や芦田均君に対する政治批判でありまして、政治家が政治家を批判するのはあたりまえであつて、こんなことが国会法第百十九條に抵触するなら、もはやこれは国会も何もあつたものではない、笑いを後世に残すであろうと私は考えます。ところがこの提案者は、吉田総理、芦田均君に対する私の演説を、無乱な言辞として懲罰理由一つにあげておられます。ところが提案者みずからは私に対し、精神的には完全に日本国籍を離脱し、第三国に対し忠誠を誓つたものだ云々と言つております。私も国会議員であります。これこそ議員に対する最大の侮辱である。私はこのことに関する限り、懲罰にかけべき者は提案者自身であると思う。  さらに提案者は、私の演説を非愛国的言動と非難しておられますが、一体非愛国者はだれであろうかということであります。私の一般質問中心点は、單独講和は戰争への道だ、再軍備への道なんだ、米、英、ソ、中の四大国の協調と合意による大国一致の全面講和こそ、日本の独立と平和を保障し、世界の平和の基礎を打立てるものであるということを強調して、私は政府に所信をただした。これは私顧みて恥じない愛国の主張であるという自信を持つておる。しかるに提案者は、私を日本人でないように誹謗しておる。これは日本共産党国民との間を離間して、これによつてまるで━━━━━とか、單独講和論者や再軍備論者をほんとうの愛国者のように国民に思い込ませるにくらみであると考えても、考えられぬことはないと私は考えます。しかし大多数の国民は戰争に反対し、單独講和に反対し、單独講和は日本の独立を脅かすということを言つております。どつちが日本の平和と独立のために鬪う愛国者であるか、私は歴史が証明するだろうと考えます。  去る一月十九日から開かれました社会党の大会では、單独講和は必然的に戰争への道であることを指摘して、それによつて必然的に起る再軍備や自衛論に反対され、講和問題に対しては社会党は、われわれは極東委員会十三国との全面講和を強く要望し、單独講和を求むべきではないと、はつきり決議しておられる。さらに一月二十七日の本会議では、社会党代表勝間田氏は、ポツダム宣言に基き全面講和を主張すると、はつきり言つておられる。提案者はこれもやはり第三国人の部類に属するというのか。私が全面講和を主張し、單独講和に反対し、平和と民族の独立のためにこれを強調した、これは国籍を離脱したものだ、これはどういうことになるのか、私は了解できません。  私は最後に申したい。この懲罰動議は私に対する懲罰動議と思いません。これは日本共産党に対する迫害だ、それだけとも思いません。單独講和に反対し、戰争に反対し、全面講和を望む日本の人民に対する懲罰だと私は思います。これは全面講和によつて日本の繁栄と自由な通商、生活の安定を望む人民に対する彈圧ではないかと私は考える。私は多数党派によつて懲罰を宣告されようとしておる。しかし、たとい私が懲罰に付されたとしても、ほうはいたる人民の意思、平和と独立を望む人民の意思をじやますることは絶対にできないと私は確信しておる。  私はこれをもつて私の一身上の弁明を終ります。
  94. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 ただいまのは、最初お約束した通りの一身上の弁明から大分逸脱しておるように思われます。そこで国会委員会において、速記をとりながら一身上の弁明をなされたのでありますけれども、たまたま本書において行われた川上君の演説そのもの懲罰なつたのでありまして、本日一身上の弁明になされた大要をお聞きいたしますと、再演説のように私は聞いたのであります。その点につきまして、速記録並びに公報への発表は、委員長において十分御検討願つて、削除その他の点におきましても、委員長一人ではできませんが、議長と御相談の上に適当に処置をされんことを願いたいのであります。
  95. 木村榮

    木村(榮)委員 ただいま佐々木委員が喋々と申し述べられましたが、まことに不可解な言辞であつて、私たちが正々堂々と理論を展開し、実際問題をひつさげて議論いたしますと、周章狼狽をいたしまして、速記録まで云々ということに至つては、まことにその心底は寒々としたものだということを私は申し上げる。従つて速記録の抹殺のごときは国会を冒涜するものであるから、堂々とさつそく発表を願いたいということを私は申し述べておきます。
  96. 土倉宗明

    土倉委員長 これより川上君に対する質疑に入ります。
  97. 川上貫一

    川上貫一君 数日来少しかぜを引いておりますから、あまりこまかい点にわたらぬように願います。そのかわりいつでも出席しますから、その点委員長においてお含みのほどを願いたい。
  98. 土倉宗明

    土倉委員長 委員長川上君の申されたことを了承いたしました。発言順序として鍛冶良作君。
  99. 鍛冶良作

    鍛冶委員 私は川上君の弁明並びに本会議における演説に対して、了解のしがたい点を二、三点伺いたいと思うものであります。まず私は川上君のこれを述べられるに至つた意図を伺いたいと思うのでありまするが、川上君は本会議演説並びに弁明、さらに昨日の弁明等におきまして、繰返して、私は共産党を代表して述べたものであると言われ、ただいまも、共産党を代表したものであつて、この懲罰動議は、共産党に対する彈圧をさらに通り越したものだとまで言つておりますが、すべてあなたの今までの弁明ならびに演説は、共産党そのものの意思と考えざるを得ないが、それに間違いありませんか、まずその点を伺いたい。
  100. 川上貫一

    川上貫一君 私の質問しました意図をお尋ねになりましたが、質問しました意図は、政府に対して質問した、これが意図であります。どういう考えでしたかということは、速記録の演説によつてごらんを願いたい。
  101. 鍛冶良作

    鍛冶委員 そんなことを言つているのではない。あなたは繰返し、私は共産党を代表しておる、この懲罰動議共産党に対する挑戰だ、こう言つておられるから、もちろんのこととは思うが、重ねて聞く。あなたの述べられたことはすべて共産党の意思そのものでありましような。こういうことを聞いておるのです。
  102. 川上貫一

    川上貫一君 国会の常識によつて判断を願います。
  103. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それでは代表演説であるから共産党の意思であるということでしよう。  そこで承りたいが、共産党ではかようなことを質問するという決定があつたのですか。その点はいかがですか。
  104. 川上貫一

    川上貫一君 お答えをする必要がないと思います。
  105. 鍛冶良作

    鍛冶委員 どうしてお答えする必要がないのですか。それはどういう意味ですか。かつて判断していいというのですか。質問に対してかつて判断していいくらいなら、ここであらためて質問する必要などない。どういうわけでそういうことをいうのですか。(発言する者あり)
  106. 川上貫一

    川上貫一君 これはひとつ静かに聞いてもらいたい。静かに質問していただきたい。私は年寄りで心臓が破裂する危險がありますから、なるべく静かに御質問を受けたいと思います。  今問題になつておりますのは、私のいたしました演説懲罰の問題になつておるのでありまして、あの演説のどこが懲罰になるかということについてはお答えをいたしますが、あの演説をどこで書いたとか、あるいはどこでどうしてつくつたとかということは、懲罰に何の関係もないと思いますから、私は答えませんと言つておるのです。
  107. 鍛冶良作

    鍛冶委員 われわれが懲罰事犯ありやいなやというときにあたつて、これは重大なる前提であると思う。しかもあなたは繰返して共産党を代表しておる、これは共産党に対する排戰だ、こう言つておるではありませんか。なぜ今の私の質問に対して答えないのですか。
  108. 川上貫一

    川上貫一君 国会の常識によつて判断なつたらけつこうです。
  109. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それではよろしい。それでは共産党を代表しておるから、共産党の意思であるとわれわれは認めざるを得ません。その点を明らかにしておけばよろしい。共産党というものは、かような川上君と同一の考えを持つて国政に臨んでおられるものであるということが明らかになりました。  次に承りたいのは、あなたの演説を聞いておりますると、日本が占領治下にあるということを忘れておるように考えざるを得ないが、占領治下にあるという認識がありますか。いかがですか。
  110. 川上貫一

    川上貫一君 占領治下にあるからこそ、ポツダム宣言違反していはしないかということを聞いたのです。これを知つておるかと言うが、これが私の質問なんだ。日本は無條件降伏をしたのだ、占領されておるのだ、そこでポツダム宣言違反を吉田さんあなた行つたのではないか、こう聞いたのです。
  111. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それでは、占領治下にあるという認識を前提にして言われたものであるということで、これから承りますが、占領治下にあれば、占領軍が占領政策上やられることに対して、日本政府は何らの権限もなければ、これに文句を言う資格もないと私は思うが、あなたはその点に対してどういうようにお考えになりますか。
  112. 川上貫一

    川上貫一君 これは、私のいたしました質問のどこがこの懲罰に値いするかという問題と相当離れておりますので、私の心理状態をお尋ねになる分に対しては、ちよつとここでは答えいたしかねます。
  113. 鍛冶良作

    鍛冶委員 あなたの質問の速記録を読んでおると、占領治下にあつて占領軍のしたことが、全部日本政府がやつたことだというようにみななつておる。それで私は聞くのです。占領治下にあつて、占領軍のやられることには日本政府は干渉することはできないのだ。黙つて従うよりほかしかたがないと思うのです。それをあなたはどう思うか。その前提がなかつたらこの演説はできない。それだから質問しておるのです。
  114. 川上貫一

    川上貫一君 私がどう考えておるかということは、懲罰関係がないと思います。それから私がどういう質問をしたかということは、あの質問の速記できわめて明瞭でありますから、適当に常識で御判断を願つたら、それでけつこうです。
  115. 鍛冶良作

    鍛冶委員 常識で判断と言うが、あなたの言われておる意図が、占領軍はかくかくのことをしておる、総理大臣はこれに対してどういう措置をとつたか、これは明らかに日本政府はポツダム宣言違反しておる、こう断定しておられる。今も言うように、日本は占領治下にあつて、占領軍のみずからせられることに対して、日本政府は何らこれに干渉できない。してみれば責任はないものと思うのに、これはどうだ、これはどうだと言われるから、私はその点を聞くのです。一体この点はどうなんです。
  116. 川上貫一

    川上貫一君 ポツダム宣言違反していないか、これに対して内閣総理大臣、関係閣僚の御答弁を願いますと質問したのです。
  117. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それでは答えにならないではないですか。占領軍のやつたことに対して、日本政府に、お前はこれをどう思つてやつた、お前はこれに対してどう責任を負うかと言うからには、日本政府自身が責任者である、行為者であるということが前提でなければ出ない言葉である。それだからあなたは占領軍のやつたことでも、日本政府の行為である、日本政府は責任を負うべきものであると心得ておられるかということを聞いておるのです。
  118. 川上貫一

    川上貫一君 私の懲罰関係はないと思いますから、しかるべく御判断を願いたいと思います。
  119. 鍛冶良作

    鍛冶委員 これほど重大なことを——あなたの質問演説が問題になつておるのですよ。あなたがどういうことを質問しておるかということが問題になつておるのですよ。質問すべからざることを質問しておるとわれわれは考えるから、あなたに聞いておる。それでもそれは日本政府の答うべきことだと考えれば、なぜそういうように言わないのか。
  120. 川上貫一

    川上貫一君 速記録の通りです。     〔発言する者あり〕
  121. 土倉宗明

    土倉委員長 私語を禁じます。
  122. 鍛冶良作

    鍛冶委員 速記録の通りと言われるが、速記録を読んでおるから問うのです。一体あなたはそういうことを認識してかかつたのですか、どつちなんですか。
  123. 川上貫一

    川上貫一君 速記録の上で懲罰に値することは十分に審議して懲罰されたい。懲罰に値しないことは懲罰に値しないと決定されたい。これだけ申し上げておきます。
  124. 鍛冶良作

    鍛冶委員 一体あなたは答弁するつもりでそこへ出ておるのかどういうのか。それじや答弁でないじやないか。反抗じやないか。
  125. 川上貫一

    川上貫一君 反抗ではありません。答弁であります。
  126. 鍛冶良作

    鍛冶委員 しからば答えたまえ、こつちの問うことを。
  127. 川上貫一

    川上貫一君 それは私の懲罰に直接関係がない。
  128. 鍛冶良作

    鍛冶委員 懲罰関係があるかないかはこつちの判断だ。君は被告だぜ、じようだんじやないよ。
  129. 川上貫一

    川上貫一君 判断は御随意になさつてけつこうです。それは適当に判断してください。     〔「被告じやない」と呼ぶ者あり〕
  130. 鍛冶良作

    鍛冶委員 被告という言葉が惡かつたら、被告と同一の地位にある……。一体あなたはそういうことを言つて——こういうことを言うからには、日本の政府に責任があるということを前提として言うておられるに違いないと思う。そこはどういう意味で、あなたは占領軍のしたことを日本政府に責任があると思われたか、それを聞くのです。
  131. 川上貫一

    川上貫一君 ちよつと質問の要旨がわかりません。もう一度……。
  132. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それでは事例をあげて言いましよう。私はなるべく総論的なことで、あまり具体的なことにはかかわりたくないと思つたのですが。たとえば朝鮮に対して軍隊を派遣しておる。これは明らかに、朝鮮は国連の名による━━━━━の干渉によつて、人民━━━━、これに対して総理はどう考えておるか、これでいいと思うかこういう質問です。日本政府は朝鮮に対する出兵に対して何らの関係がないと思う。従つて総理はこれに対して意見もなければ、責任もない。しかるにあなたは総理大臣にこれはどうだと言つている。こういうのはどういうことから出ておるか、それを聞きたい。
  133. 川上貫一

    川上貫一君 そうではありません。安全保障の問題について、総理大臣はどうお考えになつておるかということを私は聞いたのです。
  134. 鍛冶良作

    鍛冶委員 そうではないと言つても、今事実をあげて言うておるではないか。そうでないとは何だい。「安全保障の一番よい例は朝鮮であります」こう言つておる。「朝鮮は国連の名による━━━━━の干渉によつて、人民は━━れた。家が━かれた。国土は━━と━━で焼野原になつてしまつた。その上に━━━━の使用を言明したのはトルーマン大統領であります。これが朝鮮民族にとつて安全保障であつたか、どうであるか、これはちつとも安全ではありません。」かようなことをあなたは日本の総理大臣に聞いている。総理大臣は答えられるわけがないのに、あなたがこれを言うとは何事だ。それでも答える責任があるというなら、その点を明白にしなさいと私は言うのです。
  135. 川上貫一

    川上貫一君 私の質問したのは、どういう安全保障を総理は考えておられるかということを質問した。何も朝鮮で殺されておるか、殺されておらぬかということを質問したのではない。
  136. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それならなぜかような言葉を使うのか、総理大臣に対する質問に対して……。
  137. 川上貫一

    川上貫一君 例をあげなければ質問にはなりません。
  138. 鍛冶良作

    鍛冶委員 総理大臣に関係のない例をあげて、総理大臣にあなたは答弁を求められたのですか。
  139. 川上貫一

    川上貫一君 安全保障に関係のある例をあげたのです。
  140. 鍛冶良作

    鍛冶委員 いくら繰返しても、日本の総理大臣に何の関係があるか。日本の総理大臣にどういう責任があるか。それは責任がないということをわかつていながら、あなたはこれを言つたのでしよう、答えられるところをみると……。そうしてみれば、これほど重大なことはない。日本国会に対して……。あなたは一体日本議員であるということを認識してかかつたかどうか、この点を伺いたい。
  141. 川上貫一

    川上貫一君 私が日本議員であるかどうかは御判断におまかせいたしますが、イギリスの首相がこういうことを言うておる、あるいはインドのネール首相がこういうことを言うておる、フランスではこういうことがあつたということを質問の例に引くのは、一向さしつかえない。これを質問しておるのであります。私は安全保障について総理に聞いておる。(「ごまかしだ」と呼ぶ者あり」)ごまかしであるかないかは御判断の上で決定をしてもらいたい。
  142. 鍛冶良作

    鍛冶委員 イギリスの総理はイギリスのやるべき行動を述べておる、日本に何も関係のないことを述べておるのに、それを日本政府に質問するばかはありません。これを言うからには、あなた自身としては、日本の総理大臣がこれに関係しておる、この責任を日本の総理大臣が負うべきものだという頭で——負うべきものだと考えておるかどうか知らぬが、その意味がここへ出ておることは間違いない。これをどういう考えで現わしたのか。これを私は聞いておる。それ以上答えられないなら答えられないでも、やむを得ない。
  143. 川上貫一

    川上貫一君 問題の取扱い方が鍛冶さんのは違つておると思う。私は安全保障の問題で総理に質問したのであつて、私が言いましたのは、いろんなことを質問する場合に、イギリスの総理大臣がこう言うたということを言いながら質問する。これは必要なのだ。私が聞いたのは、いかにして総理は安全保障を全うされるかということを聞いた。ここは私に対する質問を取違えないようにお願いしたい。
  144. 鍛冶良作

    鍛冶委員 ますますもつて貴下の不逞な考え方が現われて来た。そういう顧みて他を言うような——いやしくも共産主義者だという以上、そんなことじやいかぬですよ。もつと自分の言うことに責任をもつて答えなさい。こう言つていますよ。「日本人民を━━に使うことにより国際帝国主義の利益と安全をはかる。それが吉田内閣の安全保障だ。」こう言つておる。これは吉田内閣がやつたのか。やつたのならやつたという根拠を聞かしてもらいたい。
  145. 川上貫一

    川上貫一君 その問題は私は別の問題だと思う。たとえば吉田内閣のもとにおいて、労働者の人がこの戰争のために非常に被害を受けておるということは、私の質問の中に言うておる。これに対し政府は答弁しておらぬ。またいろいろな工業が、この戰争によつてつて、そのためにポツダム宣言違反が行われておるんじやないかという私の質問に対しても、政府は答弁しておらない。またこの戰争によつて——朝鮮の戰争によつて日本がいろいろな影響を受けておるということを例をあげて私は質問をしておる。それに対しては答えておらない。これは吉田内閣の責任だと思う。これを私質問しておる。政府は答えない。これはほんとうのことだと私は思います。
  146. 鍛冶良作

    鍛冶委員 これ以上は議論になりますから、いいかげんでやめますが、日本政府の関係しておらぬことを問うたつて答弁できるものじやない。それにもかかわらず、あなたが問うというその意図がどこにあるかを私は聞いておる。それを顧みて他を言うならば、あなたの意図は明白でありますから、これ以上はこれに対しては、またあとの機会に譲りましよう。  私は第三点として伺いたいのは、去る二十七日のあなたの演説は、一体質問するつもりでやつたのか、それとも共産党宣伝をするつもりでやられたが、これを伺いたい。
  147. 川上貫一

    川上貫一君 国会議員の常識で御判断願いたい。
  148. 鍛冶良作

    鍛冶委員 常識でと言うて、ここに現われておるから私は聞いておる。これもまた具体的に言わなければなりませんが、あなたは質問だと思いましたが、それとも宣伝だと思いましたか、これだけを聞いておる。
  149. 川上貫一

    川上貫一君 政府に対する代表質問をした。これは常識で考えられる。
  150. 鍛冶良作

    鍛冶委員 私はそこで質問に名をかりた宣伝であると認めざるを得ない事実を二、三指摘いたします。それであなたはどうお考えになるか。たくさんあるがね。一番大きなのは最後のところの結論です。「終りに私は、講和に対するわが党の基本的態度を明らかにしておきたい。」この前提で、第一から第六まで並べておられる。そうして千島列島を云々するものは、故意にソ同盟を誹謗し、国民に対して反ソ感情を沸き立たせ、国民を反ソ反共戰争にかり立てようとするものであるといわなければならない。」さらにそのあとで「そのために立つてみずから鬪う人民の権利を主張する。」かような質問は世の中にないと思うが、あなたはこれでも質問だと言われるのですか。
  151. 川上貫一

    川上貫一君 世の中にあります。これは党の政策と見解を述べておる。これは政党として当然のことです。われわれはかくのこと考える。われわれは講和に対してはかくのごとく主張する。これを明らかに述べてこそ、私の質問は政府に対する質問なんです。何も考えもしないで、政府に質問ができますか。これはできない。最後に私は「わが党の質問に対し、総理その他閣僚諸公の明確な答弁を要求します。」とちやんと言うております。
  152. 鍛冶良作

    鍛冶委員 あとにそのことがあるのは、私は十分わかつておる。質問ならば質問らしい言い方がある。われわれはこういう考えであるのであるが、この点に対してどう考えるか。われわれは党の態度を明らかにする。かように主張する。答えようがないじやないか。共産党議会において共産党テーゼを宣言せられる。それに対して一々答弁のしようがないじやないか。さようにお心得でありますかと言われれれば、そう言うよりほかはない。これが質問だと言われることが合点が行かない。
  153. 川上貫一

    川上貫一君 答弁の仕方があるのだろうと思います。前国会において深澤議員が、内容は違いますが、この通りのことを質問をしております。総理はこれに対し、共産党の講和政策には反対でありますとはつきり答弁しておられます。ちつとも答弁ができぬはずはありません。
  154. 鍛冶良作

    鍛冶委員 まことにどうも詭弁もはなはだしいもので、さようなことで、一体きようの懲罰事犯のわれわれの調査に対するあなたの答弁とはわれわれは考えられない。ますますもつて挑戰して来られるものと考えざるを得ません。これはまあ事例をあげれば、ほとんど演説が全部そうなんだ。もう一、二あげてみましよう。松川事件のことで、先ほどあなたも言われたが「この無実の労働者」——無実ですよ——「この無実の労働者二十名に対し、五名を死刑にし、十五名を無期懲役その他の重刑に処する未曽有の判決を下している。これは憲法と人権に対する冒涜であります。だからこそ、この陰謀は今や中国を初め、全世界の民主勢力の一大抗議運動となつて摘発されている。われわれは政府に対し、即刻松川事件に関する全被告を無罪釈放することを要求する。」かような質問が世の中にありますか。あなたこれでも質問と言われますか。
  155. 川上貫一

    川上貫一君 その通り質問であります。
  156. 鍛冶良作

    鍛冶委員 要求が質問であるとは、一体共産党でそういうことがはやるのか。
  157. 川上貫一

    川上貫一君 それがいけなければ、その要求は受けられませんと御答弁を願つたらけつこうです。
  158. 鍛冶良作

    鍛冶委員 これは幾つもあるから切りはありませんが、これは朝鮮人の騒擾についてのあなたの質問と称するものです。一つ読んでみましよう。「私は、こういう事実を、全世界の民主的諸国と民主的諸勢力に告発する。ことに、最近神戸において、その他名古屋において、政府が行つた朝鮮人に対する悪辣陰險なることの━━に至つては、黙視することができません。政府は、教育と自由、生活の保障を求めて当局に交渉した朝鮮人に対して、計画的な━━を加えておいて、これを朝鮮人の━━━━━━━━━仕事をやつておる。」と断定しております。これも質問ですか。
  159. 川上貫一

    川上貫一君 質問であります。
  160. 鍛冶良作

    鍛冶委員 あなたは一体まじめに答えるつもりか。
  161. 川上貫一

    川上貫一君 私はまじめに答えておる。自分の一身上に関する問題を答えるのに、まじめに答えずしてどうなる。ところがわれわれが党の政策を述べ、質問の間に党の見解を明らかにし、これを述べながら政府に、総理に質問することはわれわれの権利であります。従つて質問の間には、われわれは絶対に反対であるという言葉もあります。これは、あなたの言うようになれば、質問じやない。反対であるという意向を明らかにすること——われわれはかようなことをするならば、断じて政府には反対しますということを、他党の議員も言われる。これは党の見解を明らかにすることであります。質問の間にこれが入ることは、何にも質問でないことはない。私はこう考えております。ただ、繰返して私は言いますが、私がまじめに答弁しておらぬというようなことを言われることは心外である。私はまじめに答弁しております。
  162. 鍛冶良作

    鍛冶委員 もちろん、私はこう思うが、政府はこれに対してどうだ、私はそういうことに反対だがどうだと言うならいいが、告発する、かようにした、これでは答える相手が何と答えたらいいか。告発するというなら、さようでございますか、われわれはかように断定する、そうですかと言うよりほかはないじやないか。それでも一体質問になりますか。
  163. 川上貫一

    川上貫一君 演説の上手下手とか、言いまわしとかいうことは、私は懲罰の問題にならないと思う。私はきよう懲罰事犯——事犯と言えば悪いですが、懲罰についてこの質問に答えに来ておるのでありまして、やり方がいかぬ、言いまわし方がけしからぬ、それは私が懲罰動議にかかつておる問題にはならないと私は思います。
  164. 鍛冶良作

    鍛冶委員 どうも何べんも言うのだが、あなたは一体こつちの質問に対して答えようという意思がない。ますますもつて挑戰せられるのだが、私の言うのは、あなたは質問に名をかりて、共産党の日ごろ言わんとすることを宣伝しておる。これでは容赦がならぬのだ。その点をわれわれは言つておる。質問と言うから、どうしてこれを質問と言われるかということを私は質問しておる。
  165. 川上貫一

    川上貫一君 党が党の政策をひつさげてこそ質問ができるのです。党の見解と政策を言わずして質問はできない。決して宣伝ではない、質問であります。もしも行いました演説の部分部分をとらえて、これは宣伝ではないか、こういうようになりますと、私は議会における質問演説というものは、全然できないと思います。総理大臣並びに各閣僚が施政演説をされます場合でも、與党の、具体的に言えば、自由党の政策をひつさげて、これを明らかにされておると思います。それが私は議会における討論であり、質問演説であると考えております。
  166. 鍛冶良作

    鍛冶委員 これ以上は議論してもしようがありませんが、おれはこの点はこうだ、おれはこいつを告発してやる、お前はこうした、それに対して何と答える、相手方の答えようのないことを言つて、そうしていわゆる党のテーゼなるものを明らかにする。そうしてそれをもつて質問であるというに至つては、それは容赦のならぬことと心得るが、これはどうですか。
  167. 川上貫一

    川上貫一君 御自由な御判断におまかせするよりいたし方ありません。
  168. 鍛冶良作

    鍛冶委員 そこまですてばちに出られるならやむを得ません。先ほどからあなたも大分そこでお述べになりましたが、次に承りたいことは、いわゆる民主連盟に対して、国際帝国主義、侵略主義者だと断定しておる。ことにアメリカ特にアメリカはという言葉を使つておられる。その根拠を承りたい。
  169. 川上貫一

    川上貫一君 これはちよつと問題の箇所がわかりませんが、箇所を言つてください。
  170. 土倉宗明

    土倉委員長 箇所だけ知らしていただきたい。
  171. 鍛冶良作

    鍛冶委員 十枚目のあとの方です。「またアメリカは、朝鮮の内戰に軍隊を派遣し、海岸に海空軍を出動さしております。このようにして、帝国主義者は、国連━━━━━━━━━大国一致の原則を━━し、国連を━━━━━の道具にし、アメリカの世界政策を実現する機関にしておる疑がある。」こう言つておる。まだほかにもありますが、このようにしてあなたが帝国主義者である、世界政策を実現する機関である、かように断定せられた根拠を承りたい。
  172. 川上貫一

    川上貫一君 演説をした通りであります。その疑いが明らかにあると考えたから、それを質問したのです。その御質問の要点はどの点でありましようか。もう一ぺん質問の要点を言つていただきたい。
  173. 鍛冶良作

    鍛冶委員 これはしかし大分ある。ここだけじやありませんよ。あなたの言うのは国連軍、ことに━━━━が帝国主義的侵略者であると、こう言つておる。その根拠はどこにあるのか。     〔「あなたが質問したのだからわかるじやないか」と呼ぶ者あり〕
  174. 川上貫一

    川上貫一君 いや、曲げて聞かれますから、これはよく言つてくださらないとわからない。
  175. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それじやもう一つあげましようか。あとから五枚目のやはり終りの方に「しかるに何ぞや。吉田総理は、この中国を講和から除外し、国際帝国主義、特にアメリカの政策に加担し、みずから進んでこれを除外しようとしている。そればかりではない。帝国主義者の━━となり」云々と、こう言つておる。こういうことが、どこからどういう信念をもつて言われるのか、これを聞きたい。
  176. 川上貫一

    川上貫一君 帝国主義の━━云々の問題については、私が一身上の趣旨弁明のところでさきに申し上げた通りであります。そのほかの点は速記録に書いてある通りであります。
  177. 鍛冶良作

    鍛冶委員 私は日本政府が━━になつたということを聞いておるのではない。━━━━を帝国主義者、侵略者とあなたが言われるその根拠を聞いておる。
  178. 川上貫一

    川上貫一君 これはさきに米国の対中国━━について、私の弁明の時分に申し上げたと思うのです。私だけが言うておるのではないということを、はつきり言つておる。こういうこともありますから、この点を明らかにするために、総理にお聞きいたしますと言つたのです。
  179. 鍛冶良作

    鍛冶委員 今もここで、言う通り、そういうことがほかにも言われておるがどうだ、と言うておるなら私は質問しない。あなたは頭から国際帝国主義、特にアメリカの政策、帝国主義者の━━となつてと言う。これは明らかに━━━━が帝国主義者であつて、そうしてその━━として吉田総理がこれに加担した、この帝国主義の━━になつたと言われる。これは断定だ。その断定せられたる根拠を聞いておるのであつて、ほかのことは言つてもらいたくない。
  180. 川上貫一

    川上貫一君 そこに書いてあります、私が演説しましたことのどこが懲罰に値するかが問題であつて、その動機とかその考えとかというものは、懲罰問題に関係はありません。これは私は答える必要がないと思います。そこに書いてある通りです。その通り私が演説しておる。これが私の演説で、明らかに速記録があるのであります。
  181. 鍛冶良作

    鍛冶委員 いやしくも今日の国際情勢において、あなたが国連に対して━━━━だ、アメリカは━━━だと、こう言うからには、根拠がなくて言われるわけはないと思う。もし根拠がなくて言われたのなら、これは明らかに虚構の事実を述べておる。しかもこちらから問うておるのに、そちらから答弁する必要はないと言う。あなたはどういう立場に立つてものを言うておられるのですか。きようの立場を考えてものを言つてもらいたい。
  182. 川上貫一

    川上貫一君 きようの立場を考えておるから答弁しておりますが、国連を━━━━と言つた文句はどこにもありません。アメリカを━━━だと言つたことは私はありません。これはよくお調べ願いたい。
  183. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それではもう一ぺん、九枚目の裏です。あなたは国連に対してさようなことを言つたことはないと言われるが、読み上げます。「朝鮮は、国連の名による━━━━━の干渉によつて、」これは幾つもあるのです。一々ここで言うと時間をとるけれども、幾つもあるのです。そういうことはないと言われるが、これはどうです。
  184. 川上貫一

    川上貫一君 これはさきに私が申し上げたヴイシンスキーの演説は、きようは割愛すると言いました。それから伍修権の演説、これは公然と国連の政治委員会において、全世界の人民大衆の前に発表された大国の意見であります。こういう意見があるということをひつさげて政府に質問することは、私は議員の権利だと思います。
  185. 鍛冶良作

    鍛冶委員 私が言うのは、国連の名による━━━━とあなたが断定せられたのは、どういう根拠であるかということを聞いておる。ヴイシンスキーの言が金科玉條だというのか、それをはつきりしてもらいたい。それならそれでいい。顧みて他を言わぬでもらいたい。
  186. 川上貫一

    川上貫一君 繰返して言うておるのです。ヴイシンスキーの言、これは私は参考のために引いた。伍修権の言葉も、これは私は参考のために引いたのです。いろいろの資料を引き、これはヴイシンスキーが言うたから私が言うと、こういうのではありません。これは世界の半数が、朝鮮干渉と言うておるではないかとはつきりと私は言つておる。世界の人口の半分が朝鮮に対する干渉と言うておるではないか。はつきり言うておる。これはさきの私の弁明の記録をごらんくだされば、明らかにあると思います。われわれは日本の独立と平和、このために人民の声を代表し、労働者、農民、市民の声を代表し、世界の平和のために、世界の平和勢力と互いに提携しながら、日本の生活の安全、これを考えておるのでありますから、そういう見地からいろいろな資料はこれを使い、いろいろな意見はこれを述べるのであります。私のは質問であります。政府がそれはそうでないということであれば、なぜそうでないということを答弁なさらぬのか。そのときに私がまた立つてそういうことを言う、それは違うと私は言う、共産党を代表して政府に質問しておるのであります。政府はそれに対しそうでないとも何とも言わない、これは共産党宣伝だから答弁しないと、総理大臣ははつきり言うておる。これが国会でなぜ問題にならぬのでしよう。私はこれが国会で問題にならなければならなぬと思う。私は責任を転嫁するのでは決してありません。私は政府に質問しておるのであります。質問するときに党の政策、党の方針、党の見解、勤労大衆の声、勤労大衆の苦しみをひつさげてこれを質問することは、少くとも共産党議員の責任であります。
  187. 鍛冶良作

    鍛冶委員 どうも先ほどからこういうものが質問になるか、これはあなたの宣伝ですかと言うたときに、しまいには、かつてにあなたの方でやれと言うて、答えにならぬことを言う。それでは問題にならぬじやないか。先ほどあなたは答えなかつた。これは済んだ、あらためてやる必要はない。私が今質問しておるのは国連の名による━━━━━と断定しておる、ヴイシンスキーの言によれば、帝国主義者と断定してもいいが、お前どう思うかこれは質問です。その国連の名による━━━━━の干渉、これは━━をいじめておるのだ、こういう断定を下される。こういう断定はどこから出て来ておる。これを言うておる。重ねて言いますが、ほかのことは言うてもらいたくない。
  188. 川上貫一

    川上貫一君 どこから出て来ておるかということは、懲罰関係ございません。そこに書いてあるそのことが私が質問した演説であります。この演説懲罰になるかならぬかというのが今後の懲罰委員会の問題であつて、私はこれには答えるのであります。これをどこから引いて来たか、どういう考えで言うたか、これは私は懲罰の対象にならないと思う。  また私が答えぬと言われますが、私は質問だというておるのだが、質問ではないと言われますので、それならば適当な御判断をお願いしたいと私は申し上げたのであります。
  189. 鍛冶良作

    鍛冶委員 われわれ今ここで言つているのは、根拠のないことを、しかもわが日本の国際情勢上、さようなことを議会であるとどこであると、言うたことにおいて、日本に重大なる惡影響がある。これを議会で言えば、議会品位を傷つけるものであると思うから、根拠があるかということを聞いておる。根拠がないなら、ないとはつきり言うたらいい。それが懲罰に何も関係がないと言われるが、重大な関係ありますよ。
  190. 川上貫一

    川上貫一君 心臓が破裂する危險があるから静かに言うてください。さつきから繰返して言うておるのです。世界の半数の人口が朝鮮干渉だと言うておる。なぜこれが根拠がないとか何とか言うか。これは私は明らかに言うておる。それ以上はここに書いてある通りだと私は言うておる。
  191. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それではこう聞きましよう。あなたは先ほど国連に対して━━━━といつたことはないと言われたが、明らかに言つたんだ。しこうして朝鮮に行つておるところを見れば、明らかに帝国主義であると、こういうことですね。
  192. 川上貫一

    川上貫一君 ソビエトもむろん国連の一員であります。その他のところも一員であります。いやしくもわれわれがソビエト同盟を帝国主義であるなんということは、断じて申しません。
  193. 鍛冶良作

    鍛冶委員 無用のようたが、あなたは一体ここに書いてあることを言わぬといつておる。国連の帝国主義、国連の名による帝国主義者……。
  194. 川上貫一

    川上貫一君 名によるです。
  195. 鍛冶良作

    鍛冶委員 帝国主義者……。
  196. 川上貫一

    川上貫一君 そこに書いてある通りです。
  197. 鍛冶良作

    鍛冶委員 だから、あなたはどこにその根拠があるのですか。もう一ぺん言うが、あなたは初めに国連を━━━━といつたことはないと言つたが、しかしこれを見れば、今あつたと認めるか。
  198. 川上貫一

    川上貫一君 認めません。
  199. 鍛冶良作

    鍛冶委員 認めない。それではこれはどういうことか、もう一ぺん聞こう。
  200. 川上貫一

    川上貫一君 どうも、これはわかつてもらえると私は思うのですが、国連の名によるで、国連とは言つておらぬ。その通りであります。国連が━━━━と言うておらぬ。やはり言つておりません。
  201. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それぢやあ、これはどういう意味だ。もう一ぺんあなたに聞きたい。
  202. 川上貫一

    川上貫一君 ……。
  203. 鍛冶良作

    鍛冶委員 返答がないならば、これ以上はやむを得ません。もうあなたは詭弁を弄して、根拠のないことを議会において流布したと、かように見る以外には方法はありません。  次いで私が承りたいのは、いわゆるポツダム政令なるものの法的効力を、あなたはどうお考えになつておるか、この点を聞きたい。
  204. 川上貫一

    川上貫一君 懲罰関係がないと思いますから、答弁いたしません。
  205. 鍛冶良作

    鍛冶委員 関係がないどころではない。焦点だ。ポツダム政令に違反することを公然と言つておると思うから、この問題が起きて来ておる。しかしあなたは、それを言うことにおいて、ポツダム政令というものをどう考えておるか、宣言ではありませんよ。政令ですよ。
  206. 川上貫一

    川上貫一君 ポツダム政令はポツダム政令で、それをどう考えておるかということは、懲罰事犯に一向関係はないと私は思う。なお私のなしました演説は、決してポツダム政令に違反しないと考えております。
  207. 鍛冶良作

    鍛冶委員 私の聞くことに答えてもらいたい。ポツダム政令に対して、法的効力を認めておるかどうか。あつたことは——そんなことは言わぬだつて、あつた事実は認める。それは法律的な効力があるとあなたは認めておるかどうか。どの点に疑いがあるか。
  208. 川上貫一

    川上貫一君 どうも私は法律をあまりよく知りませんので、認めておる——これは懲罰の問題に直接関係がないし、それからそれを認めておる、認めておらぬということは、私の演説のここが懲罰に値するという問題に直接関係がないと思いますので、これはお答えすることはいらないと思います。
  209. 鍛冶良作

    鍛冶委員 一体、関係があるとか、ないかとか、あなたの判断でやるべきことではない。われわれは、関係があるからこそ聞くんだ。
  210. 川上貫一

    川上貫一君 必要がないと思えば、私は答えません。懲罰関係のあるものと思えば答えます。私は懲罰委員会に来ておりますけれども、何でもかんでも答えなければならぬ義務は決して感じておりません。
  211. 鍛冶良作

    鍛冶委員 今わかるように言うたつもりだが、わからなければ、もう一ぺんあなたに聞かして上げましよう。大関係がある。あなたの言辞はポツダム政令に違反しておる言辞であるとわれわれは考えておる。しかるにあなたはポツダム政令というものを——この演説を見ますると、こんなものは法律でも何でもない。こんなものに何が違反しておる。何事だ、とこう言つておる疑いがある。そこで私は、ポツダム政令に法的効力をあなたは、認めておるかどうか、これが大事なことなんだ。ポツダム政令に違反するようなことを、議会言論自由の名において、ここでやられては、議会秩序を乱すことはなはだしいものがある。それゆえに、あなたのポツダム政令というものに対する認識をまず承つておきたい。これほど関係があることはないのですから、もう一ぺん重ねてここで申しておきます。
  212. 川上貫一

    川上貫一君 私の知識は何も懲罰には関係いたしません。この私の述べた演説懲罰に値するということになれば、これは懲罰決定されてけつこうです。しかたがありません。それを私がどう考えておつたとか、法律上の知識が私にどれだけあるか、これは決してこの懲罰決定関係がないと考えますから、私は答弁いたしません。
  213. 鍛冶良作

    鍛冶委員 これはまさしく捨てぜりふだね。(笑声)いわゆる盗人たけだけしき言と言わざるを得ない。それでは事実をあげて質問しましよう。あなたのこの一月三十一日の本会議における弁明を読みますと、「さらにまたポツダム政令違反とは、一体どういうことでありますか。」この見出しで、「私の行つた質問のどの條項も、ポツダム宣言並びに極東委員会の諸決定に絶対に違反しておりません。」こう言うておられる。
  214. 川上貫一

    川上貫一君 その通りです。
  215. 鍛冶良作

    鍛冶委員 そこで私は聞きたい。ポツダム宣言並びに極東委員会の諸決定違反しておらなかつたら、ポ政令に違反しておつても何でもないものだとこうお考えですか、これを聞きたい。
  216. 川上貫一

    川上貫一君 私の演説は、ポツダム宣言並びに極東委員会の諸決定違反せず、前に申しましたように、ポ政令に絶対に違反しないと私は終始一貫主張しております。
  217. 鍛冶良作

    鍛冶委員 これを読むと、そうは聞えないのですよ、そうじやないのです。
  218. 川上貫一

    川上貫一君 それは御随意です。
  219. 鍛冶良作

    鍛冶委員 いいかね。ポ政令に違反せぬということは——私の行つた質問のどの條項も、ポツダム宣言並びに極東委員会の諸決定に絶対に違反しておらぬ、従つてポ政令に違反しておらぬ。あなたはこの点から見ると、ポ政令とは何事だ。ポツダム宣言違反しておらぬ、極東委員会決定違反しておらぬものを、ポ政令に違反するわけがないじやないかと、こう言わざるを得ないが、これはどうだ。
  220. 川上貫一

    川上貫一君 御判断にまかせます。
  221. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それではそう見るよりほかはありませんから、われわれはさように——少くとも私はさように断定いたします。まつたくそれは捨てぜりふだ。  次にもう一点だけ総括的の質問をして——事実に対してはあとに讓つて、総括的に質問しておきたい。あなたは日本の司法権に対する威信ということに対して、どういう考えを持つておるか、その点を伺います。
  222. 川上貫一

    川上貫一君 私の思想検査は——お答えいたします。私がどう考えておるかということは、この懲罰関係がありません。
  223. 鍛冶良作

    鍛冶委員 あなたも日本国民というのでしよう。いやしくも国会議員ですよ。日本の司法権の尊嚴ぐらいは知らないのですか。
  224. 川上貫一

    川上貫一君 司法権の存在を知る知らぬということは……。
  225. 鍛冶良作

    鍛冶委員 司法権の存在ではない、尊嚴だ。
  226. 川上貫一

    川上貫一君 私の演説懲罰に値するかいなかに関係がないのです。これは見解の相違です。私はないと思う。私が法律に対して、憲法に対してどう考えておるかということ、これは懲罰の問題ではない。こういうことを言うたことが、懲罰になるかどうかということが懲罰の問題なんだ。(「それを無視した断定をしておるやつが、あれじやないか」と呼ぶ者あり)断定をしておらぬというのに、しておると言われるならば、適当に御判断を願いたい。私は繰返して言うておる。
  227. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それでは重ねて承るが、あなたはよもや憲法を知らぬとは言わぬだろう。憲法第七十六條の第三項に、「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」かようにあることは御承知ですか。
  228. 川上貫一

    川上貫一君 それが質問ですか……。どうも法律條文をお聞きになりましても、私は法律はあまり詳しゆうありませんので、これは答弁もいたしませんし、また私がどれだけの法律を知つておるかどうかということは、私の演説懲罰に値するかどうかにはごうも関係がない。
  229. 鍛冶良作

    鍛冶委員 あなたは憲法を知らぬとは言わないでしよう。それは文句まで一々とは言わないが、裁判官は良心に従い独立して職権を行うものであるぐらいのことは御承知だろうと思いますが、知らないのですか。これをお目にかけてもよろしい。
  230. 川上貫一

    川上貫一君 それは答弁をする必要がありません。
  231. 鍛冶良作

    鍛冶委員 どうして答弁をする必要がないのです。憲法にこういう條文があるが、よもや知らぬとことはあるまいと聞いておる。
  232. 川上貫一

    川上貫一君 私が憲法條文を知ろうが知るまいが、あの演説懲罰に値するかどうかということには何らの関係がない。
  233. 鍛冶良作

    鍛冶委員 実にどうもふてぶてしいとでも言うか、あなた裁判に対してどういうことを言つたか覚えがありますか。松川事件に対して、この司法権の独立ということと重大なる関係のある演説をしながら、これは懲罰関係がないとは一体何です。一体あなたは裁判に対して、裁判の独立は保たれぬという演説をしたはずであるが、どうですそれは。
  234. 川上貫一

    川上貫一君 政府は法務府を通じ、適当な機関を通じて裁判所を監督する権利があります。そこで私は政府に対してわれわれの見解、人民の見解を要求した。これは当然の権利である。
  235. 鍛冶良作

    鍛冶委員 法律を知らないならどうもやむを得ないが、なるほど上級裁判所は下級裁判所を監督する権限がある。その監督するとは行政上の監督だ。司法というものは裁判です。裁判ということは絶対独立であつて、いかなるものといえども干渉をすることのできないことは、いやしくも国会議員となつて、三権分立ということを知つておるもので、わからぬわけがないじやないか。今日になつて私にそれを言われたら、その防衛のためにおれは知らなかつたで済むかね。
  236. 川上貫一

    川上貫一君 どうもこの質問は何のための質問か私はわからぬ。私のいたしました質問演説懲罰に値するということで、私はその質問に対して答えに来ておるのだ。ところが、私の法律に対する観念、憲法に対する知識、こういうものの質問は、この私の演説懲罰に値するかどうかということには直接関係がありません。私は法律を一から十まで知つているとも言われない。また知らぬとも言いませんが、これは直接関係がない。繰返して言うている通り……。
  237. 鍛冶良作

    鍛冶委員 実に情ない。関係あるかないかはこつちの言うことなんです。あなたの質問演説に対して私は問うておる。それでは具体的に聞きましよう。「このような狂暴の政治の集中的な現われとして松川事件を指摘したい。そもそも松川事件は、━━━━━事件である。検察当局が頼みとする証拠物件と称するものは何であるか。それは外国文字入りのバールと、使いものにならぬ小さなスパナの、たつた二つだけである。そた以外には何もない。反対に、裁判所の調べによつて事実無根が明らかとなつたのであります。しかるに、日本の支配者は、民主主義勢力に対する恐怖政策のために裁判所を圧迫し、この無実の労働者二十名に対し、五名を死刑にし、十五名を無期懲役その他の重刑に処する未曽有の判決を下している。これは憲法と人権に対する冒涜であります。だからこそ、この陰謀は、今や中国を初め全世界の民主勢力の一大抗議運動となつて摘発されている。われわれは政府に対し、即刻松川事件に関する全被告を無罪釈放することを要求する。」こういう演説である。
  238. 川上貫一

    川上貫一君 その通りであります。
  239. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それで私は聞くのだ。日本の裁判は独立であるということが憲法七十六條の第三項にあるにもかかわらず、あなたは一体日本の支配者は裁判所を圧迫する、さようなことがあり得ると思つているのですか。その点を私は聞きたい。
  240. 川上貫一

    川上貫一君 これは一向私に対する質問でないような気がするのですが、私は先にも言うた通りに、裁判に対する批判はする権利があると考える。また今日本の人民大衆は私の言うた通り、に言うております。一人や二人じやありません。(「何人だ」と呼ぶ者あり)全国至るところで言うている。一々数えたことがないからわからぬ。     〔発言する者多し〕
  241. 土倉宗明

    土倉委員長 私語を禁じます。
  242. 川上貫一

    川上貫一君 その声を代表して私が政府に対しまして質問することは当然の権利である。
  243. 鍛冶良作

    鍛冶委員 裁判に対する批判は自由だと言われるが、さようなことはない。法律上における適用を誤つているという議論ならば、これは自由である。けれども、裁判官そのもののやつたことを言うということは、あり得ることでない。ところが、こう言われると、あなたは憲法は知らぬと言われるが、またほかのことになると、憲法を蹂躪し、憲法と人権に対する冒涜——こういうときには憲法を使つて、この裁判のことになつたら知らぬと——それで済むのかね。
  244. 川上貫一

    川上貫一君 承つておきます。
  245. 鍛冶良作

    鍛冶委員 承つておく。それじや答弁できないのだというのだね。  その次に大事なことは、日本の支配者どもという支配者は、たれをさしているのか知らぬが、われわれはさようなことは断じてあり得ない、もしあつたとするならば一大事である。ことにわれわれのように司法に職を置いている者は、かようなことの言われること自身が国家の恥辱になる。国会においてかような言辞を弄されるということは、これまつたく国会みずからが日本の司法権を冒涜するものである。それにもかかわらず、あなたが一体圧迫したということはどこから出て来たのだ。それを聞きたい。
  246. 川上貫一

    川上貫一君 共産党国会議員が、人民の声を代表して国会発言することは権利があります。当然の権利を行使したにすぎない。
  247. 鍛冶良作

    鍛冶委員 私はさようなことを聞いておるのではない。裁判は独立であろということは憲法できまつておるはずなんだ。それを独立しておらぬ、圧迫したと言う。そんなことを一体共産党は言う権利があるのか。
  248. 川上貫一

    川上貫一君 社会で多くの人が言うておるということを、さつきから繰返しておる。たくさんの人がそう言うております。裁判の権威というものは、力をかさに着て圧迫するのが権威ではない。大衆を納得させ、国民に心服させるのが裁判の権威です。
  249. 鍛冶良作

    鍛冶委員 今の言葉は非常に重大であるが、もう一度繰返してあなたの言われたことを私は確かめておきたいのであります。共産党ではさように認定しておる。そうしてだれをさして言うのか知らぬが、人民の多数が、支配者が圧迫しておると認定しておるとこう解していいのですね。
  250. 川上貫一

    川上貫一君 演説をした通りであります。
  251. 鍛冶良作

    鍛冶委員 日本の司法権を冒涜するこれより重大なものはない。あなたはかようなことを議会において述べてさしつかえないと思いますか。三権分立ということは、これは憲法の大前提なんです。その大前提を、議会みずからが圧迫しておる、こう言うからには、日本憲法は蹂躪されておる、日本憲法は破壤されたとあなたは断定したことになる。それに違いありませんか。
  252. 川上貫一

    川上貫一君 私の演説をした通りであります。私がきよう発言した通りであります。
  253. 鍛冶良作

    鍛冶委員 まことにどうも聞けば聞くほど容赦ならぬことであつて、あなたはどういうことを考えてそういうことを言つておられるか、どういうことを覚悟しておられるかしれぬが、いやしくもあなたは日本国会議員ですよ、さようなことで済むと思いますか。私はそれだけを言つて、私の総括質問をこれで打切りまして、あとは具体的な事実に入りたいと思います。  ただもう一つつておくが、先ほどもあなたは言われたが、事実に対してはすべて根拠があると言われたことは間違いありませんか、これだけ一言聞いておきたい……。
  254. 土倉宗明

    土倉委員長 川上君の弁明に対する質疑は本日はこの程度にとどめることにいたします。  なお先刻佐々木秀世君から御注意がありましたが、川上君の補足弁明中、もし不穏当な言葉がありましたら、調べまして、委員長において適当に処理いたしたいと思いますから、御了承を願います。  次回の委員会は公報をもつて御通知いたします。  本日はこれにて散会をいたします。     午後五時三分散会