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1951-07-11 第10回国会 衆議院 地方行政委員会 第41号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年七月十一日(水曜日)     午前十一時四十九分開議  出席委員    委員長 前尾繁三郎君    理事 河原伊三郎君 理事 野村專太郎君       大泉 寛三君    尾関 義一君       中島 守利君    松本 善壽君       金子與重郎君    鈴木 幹雄君       大矢 省三君    久保田鶴松君       立花 敏男君    中西伊之助君  委員外出席者         地方自治政務次         官       小野  哲君         専  門  員 長橋 茂男君     ————————————— 七月十一日  委員川本末治君及び床次徳二辞任につき、そ  の補欠として松本善壽君及び金子與重郎君が議  長の指名委員に選任された。 同日  委員金子與重郎辞任につき、その補欠として  床次徳二君が議長の指名委員に選任された。     ————————————— 六月五日  地方自治並びに財政に関する件  警察及び消防に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  地方自治に関する件  地方財政に関する件
  2. 前尾繁三郎

    前尾委員長 それではこれより会議を開きます。  この際、委員派遣の件についてちよつと御報告申し上げておきます。委員派遣の件につきましては、委員長おまかせ願つたのでありますが、いろいろ皆さんの御希望伺つて、その御希望に沿うように努めた次第でありまするけれども、人数が制限せられておりましたので、あるいは御不満の点もあるかと存じまするが、その点御了承を願いたいと思つております。本日は政府側から小野政務次官がお見えになつておりまするから、地方自治地方財政一括議題として、質疑をしていただきたいと思います。河原君。
  3. 河原伊三郎

    河原委員 今日各地方団体で最も重要な問題として、また困難な問題として、一様に強く要望されておりまするので、起債わくがあまりにも狭いということで、これを実情に沿うように、実情の調和のできるまでに広げてもらう、もしくはその運営においてほぼその需要を満たすように努めてもらいたいというのが、ほとんど全体を通しての地方自治団体要望であるようでありますが、これらに関しまして当局とせられましてはどういうふうな見解を持つておられますか、またはいかにしてそれに沿うよう努力をされておるか、それらの見解なり、実情を承りたいと存じます。
  4. 小野哲

    小野(哲)説明員 お答えいたします。河原さんからお話がありましたように、地方債の問題はきわめて重要な問題として、各地方公共団体関心を持つておりますとともに、困惑をいたしておる次第でございます。御承知ように、政府としましては昭和二十五年度における起債の問題におきましても、シヤウプの税制勧告の趣旨に沿いましてできるだけ地方団体財源を涵養して行くという立場から、増額を期待して参つたのでありますが、御承知ように必ずしもその目的を達成することができなかつた次第であります。昭和二十六年度分の起債につきましても、関係方面と極力折衝いたしまして一応四百億のわくの設定を認められるに至りましたので、この間公共事業その他それぞれの項目に分別いたしましてその範囲内において起債の許可をいたすべく段取りを進めて参つたわけであります。御承知ように、最近の経済情勢その他地方公共団体事業実情から考えまして四百億のわくでは十分に需要を満たすに足りない。これはただいま河原さんがお話になりました通りでありまして、私どもその当局者としましては、できるだけ起債わくをふやしまして、少しでも多く各地方公共団体事業の遂行に支障なからしむるようにと念願をいたして参つておるわけであります。しかし遺憾ながら起債わくが、先ほど申しましたよう程度でございますので、公共団体の申請に対しましては、満足の行くよう起債処理ができないということは、まことに残念に存じておる次第でございます。すでに地方財政委員会からも報告書が出ておりますように、地方財政財源の確保につきましては、一面地方財政平衡交付金の適当な増額と、地方債わく増加とをいたす必要があるということを言つておりますがために、政府としましては地方財政平衡交付金は別といたしまして地方起債の問題についてあとう限りのわく増加をはかつて参りたいという考えを持つておるわけでございますが、遺憾ながらまだその段階にまでは至つておりません。大蔵省ともこの点につきましては密接に連絡をとりまして何とかこれがわく増加かはかるよう考えておるような次第で、すでに二十六年度分の起債の問題につきましては、目下地方財政委員会の手元におきましてこれが処理をいたしつつあるよう実情でございます。  はなはだ簡単でございますが、一応現状目下処理模様とをお話を申し上げておきたいと思います。
  5. 河原伊三郎

    河原委員 わく拡張ということにつきまして、実情に沿うようわく拡張努力ようという当局の熱意のほどは、よく了承いたした次第であります。ところが一面わくの外部を広めるということと同時に、わく内の起債を許すものの運営をどうするかという点につきまして、現在におきましては戦災有無ということが大きな基本線になつてつて戦災によるものであれば許可するが、戦災によるものでなければ許さないという戦災有無ということが、一つ区画線になつておる模様であります。もちろん戦災の右無ということは重要なことでありますが、しかしいかなる場合においても、ただこの戦災有無一点張りによつて、いろいろな起債を律せられます場合は、必ずしも実情に沿う結果を来さない場合が認められるわけであります。戦災有無ということは、重要なる基礎もしくは資料として取扱わるべきことには異論はないのでありますが、ただこの一点のみによつて、すべてを律するということについては、多くの実情に沿わない面も生じて来ると思うのであります。従つて戦災有無ということも通票視しつつも、戦災によらない場合でありましても、これは実情やむを得ない、もしくはきわめて緊要な面につきましては、相当弾力性のある運営をせられる必要があると思うのでありますが、この点に関しましてはどういうふうな御見解もしくは運用をされておりますか、もしくは運用されんとなさいますか、お伺いしたいのであります。
  6. 小野哲

    小野(哲)説明員 お答えいたします。もとより戦災をこうむりました地域につきましては、特段配慮をして行かなければならないことは申すまでもないと存じますが、しかしながら河原さんの御指摘になりましたように、戦災地のみに重点を置いて、地方債わく内における運用をはかつて参るということは、必ずしも適当でない場合があるわけでございます。たとえて申しますと、小学校の校舎の老朽いたしたものを改築をしなければならぬ問題もたくさんございますし、またあるいはは地方公共団体として住民福利のために病院の設置をいたしたいという希望ございますし、あるいはまた公衆衛生その他防火を目的としたいわゆる水道設備整備拡充という問題もございまして、いずれもが直接住民福利に影響のある重要な案件でございます。従いまして当局におきましては、わく内における運用をはかります場合におきましても、もしわく相当許される場合におきましては、重点的に起債運用をいたすということが、最も効果的であろうと存じますけれども、一面地方公共団体の直接住民に対する関係から考えますと、必ずしもそれのみによつて運営をはかるということは困難な事情もございますので、わく内においてはできるだけの運用をはかることによつて地方公共団体希望を満たすべく努力をいたしているような次第であります。しかしながら何しろ総わくが小さいために、いわば乏しきをわかち合うというのが現状でございまして、できるだけひとしからざるを憂えて行さたいという考えのもとに、起債運用をはかつて行くしか方法がないのではないか。具体的の例をとつて申しますと、たとえば上水道の問題につきましても、その地方実情を伺いますと、まことにもつともな点が多いのでございますが、しかしながらある一定の公共団体のみに起債を重点的に運用いたすということになりますと、相当数地方公共団体上水道工事施行の上に支障を来すというような結果にも相なりますので、できるだけ住民の幸福のために、この種事業は広くやつていただきたいという考えを、私どもとしては持つているわけでございますので、許される起債範囲内において、できるだけ広くこの種事業地方公共団体において少しでも遂行できるように、かよう配慮のもとに実は運用をいたしているような次第でございます。従いまして必ずしも十分であり、また満足なものとは申し上げられないのでありますけれども、これは根本的に起債の総わく増額ということに向つて、一面努力いたしますとともに、与えられましたわく範囲内においてできるだけ各地方公共団体が仕事ができるように、こういう方向に持つて行くのが、今日の運用の建前として私ども考えているような次第でございます。
  7. 河原伊三郎

    河原委員 平衡交付金増額の点につきましては、当局においてもすでに考えておられるように、ただいま御発言があつたのであります。これは本年度予算を編成いたしました当時と、今日とは相当物価の値上りもありますし、当初より財政事情に制約せられまして十分でなかつたことは、それぞれの機会に論議されておつたところでありますし、また今回警察法改正にあたりましては、自治体警察国家警察に返上されました場合の地方財政平衡交付金余裕に対しては、大蔵当局としてはこれを更正減額しないということも、すでに言明しておりました。その理由としては、現在の地方財政平衡交付金財政事情に制約され、辛うじてまかない得る程度を出しているので、決して十分ではないものであるから、これを更正減額しないのだというふうな説明もしていることでありまして、これは当局も、また一般もこの地方財政平衡交付金増額の必要を十分に認められている段階であります。つきましては、この地方財政平衡交付金増額するといたしましてもいつ増額するのか、来年度を待つて増額するというのでは、はなはだこれは実情に沿わない、または地方自治体の要望に沿わないマンマンデー的な行き方であると思います。従つて臨時国会の開かれる場合において、本年度追加予算においてこれを増額すべきであると考えるのでありますが、当局の御見解はこれらの点に対してどうであるか、承りたいのであります。
  8. 小野哲

    小野(哲)説明員 地方財政平衡交付金増額の問題につきましては、すでに御承知よう地方財政委員会からも意見が出ているわけでございますが、昭和二十六年度につきましては千百億と国家予算の上に計上されざるを得ない状況にあつたわけでございまして、まことに遺憾に存じているわけでございます。ただいま河原さんから、平衡交付金増額の意図があるというふうなお言葉があつたようでございますけれども、実は目下のところはまださよう段階にまでは来ておらないわけでございまして、平衡交付金増額が各地方公共団体から熾烈な要望がございますことは、政府としても十分に承知をいたしております。先般開かれました全国知事会議あるいは市長会議または最近開かれておりました町村長会議等におきましても、強い要望が出ておるわけでございます。ただこの点につきましては、地方財政平衡交付金増額研究する以前において、地方公共団体の歳出の状況その他地方財政規模等につきまして、十分に検討を加える必要があるのではないかということを、かねてより大蔵大臣も申しているような次第でありまして、従つて地方財政委員会大蔵省当局等においては、できるだけ各地方公共団体財政運営実情を把握いたしたいというので、実地調査も一部行つて参つている次第であります。ただ問題は、新しい法令の制定あるいは改正に伴いまして地方において義務支出として、地方負担となるべきものも起つて参りますし、あるいはまた職員の給与の改正に伴います財源措置ということも、今後もあるいは起るのではなかろうかということも予定をいたさなければならないかと思うのでございまして、現在のごとく府県市町村を通じまして、地方財政の上に相当困難な状況が現われております際に、政府としましてもできるだけ実情を把握いたしまして、地方財政平衡交付金の問題を取扱つて参りたい、かよう考えているような次第でございます。従いましてこの問題につきましては、本年度補正予算において必ず地方財政平衡交付金増額する予定であるということを、今日私から申し上げるまでには至つておりませんので、大蔵省当局とも今後の状況に応じて判断をして行かなければならないのではないか、目下のところでは具体的には補正予算に計上するという段階にまだ達しておらない、かよう状況でございます。  なお補正予算の問題と関連いたしまして地方財政委員会におきましても、今後の地方財政見通し等とも考え合せて、大蔵当局とも折衝をいたすことになつておりますし、従来からも地方財政委員会としては、その意向を明らかにいたしているような次第で、私どももその点につきましてはできるだけこの間の折衝に当りたい、かよう考えている次第でございます。
  9. 河原伊三郎

    河原委員 私の聞き誤りであれば別でありますが、聞き誤りでないといたしますれば、まことに驚き入つたお話を承つた感がいたすのであります。それは地方財政平衛交付金は、地方実情を把握してから増額とか、そういうことを考えて行きたい、こういうふうな御説明であつたように聞いたのであります。そういたしますれば地方財政委員会もあり、地方行政調査委員会議もあるのでありますが、現在の地方財政平衡交付金というものは、実情を把握しないで雲やみにやつておられるのか、どういう考え方でやつておられるのかわからぬなりでやつておられるのか、どうもそういうふうに受取れるのでありますが、この点もう一度ひとつ承りたいと思います。
  10. 小野哲

    小野(哲)説明員 私が少し結論の方を急いだために、その間の模様お話し申し上げることを省きまして、恐縮に思つたのでありますが、実は私が申し上げましたのは、昭和二十五年度予算の編成にあたりまして、いわゆる大蔵省案地方財政委員会案との間に、相当の開きがあつたわけであります。従いまして、この点につきましては両者が具体的に実情を調べて把握するようにしなければいけないのではないか、こういう点から実情調査、把握ということを問題にいたしたような次第で、従いまして地方財政委員会そのものが、地方財政平衡交付金の算定にあたりましては、もちろん資料に基いて十分に検討を加えておることは申し上げるまでもないのであります。ただ大蔵省当局地方財政委員会当局との間に、意見食い違いがあつた点につきまして、双方か実情をもつと十分に把握することは必要ではないか、こういうことを実は私自身も勧めた一人でありまして、この点はひとつ御了承を願いたいと思います。
  11. 河原伊三郎

    河原委員 地方財政平衡交付金の問題につきましては、当該の対象となる地方自治団体がはたしてどれたけを必要とするか、どれだけの、幾ばくの平衡交付金が妥当であるかという、地方自治団体独自の見方から考え行き方と、いま一つはその必要なる財源が、国家財政の都合に照らして出し得るかどうかという二つの点が、重要なる問題であろうかと思います。従いまして国家財政余裕のあるときでありますれば、地方自治団体要望に沿うことができるし、また地方自治団体の方で切実な要望がありましても、国家財政の方に余裕がないときにはむずかしいと思われるのであります。ところが大蔵当局におきましては、機会あるごとに減税を大いに強調されている次第でありまして、従つて段階においては、将来の見通しとして減税をなすほどの財源余裕を生する見通しができておるとみなしてもよいと思います。従いまして、こういう際こそ地方自治庁におかれまして、ひとつ大いに馬力をかけていただいて、地方財政平衡交付金実情に沿うだけの増額、または従来地方税におきまして、いろいろ論議されておりました問題の減免に対する解決、これらをこの際国家財政状況とにらみ合せて円滑に解決するように、特段の御努力を願いたいと存ずる次第でありますが、これらの点に関する御見解も承りたいと存じます。
  12. 小野哲

    小野(哲)説明員 ただいまの御意見十分に拝承いたしたのでありますが、まず第一の地方財政平衡交付金増額につきましては各地方公共団体からその財政需要に応じた要望があることは事実であります。と同時に、地方財政委員会におきましても、先ほど私から例示いたしましたような事柄について財政需要が起るべき可能性があるという観点から、地方財政平衡交付金増額が、財源措置として必要であるという見解を持つております。一面、第二の点としては、国家財政全般運用の点から申しまして、地方公共団体要望通りに、これを増額することは困難であるという状態にあることも、これまた見のがすことができないと思うのでありまして、要はこの間の調整をどうはかつて行くかということについての、具体的の施策が伴われなければならないのではないか。そういう点につきまして、各機関においていろいろ目下論議が行なわれておるような次第で、従いまして、国全体の行政運営の上に刷新をはかつて行くのと相まちまして、地方公共団体行政運営の上にも、やはりこれらの施策を適当に行つて行かなければならないのではないか。さよう方法によりまして、今お話になりましたよう国民負担軽減、すなわち減税等措置による負担軽減をはかつて行くという方向に、目下進んでおるようなわけであります。地方財政平衡交付金は、地方税法の適正な運用、あるいは地方債の適当な運用と相まちまして、地方財政財源をつちかつて行くことに相なりますので、ただいま強い御要望がございましたように、私ども立場といたしましては、地方財政委員会意見にも出ておりますようなぐあいに、地方財政平衡交付金増額に向つて、これが実現をはかるように一層努力をして参りたい、かよう考えておるような次第でございます。地方税制の問題につきましても、この税法運用に伴いまして、各方面からいろいろと御意見もあるようでありましたので、これらの御意見を伺いました上で政府としては十分に研究をいたして参りたいと考えております。
  13. 立花敏男

    立花委員 小野さんの今の御答弁では、政府としてはそういうふうに考えておるとおつしやつておられますので、政府としての意見を聞きたいのでありますが、きようの日経に、大蔵省意見として、税制改革の根本的な記事が出ているのですけれども、あれは一の大きな政府意見なんでしようか。あの問題について小野さんどの程度にお知りなんですか。また自治庁としてどの程度関係をお持ちになつたか、ひとつお聞かせを願いたい。
  14. 小野哲

    小野(哲)説明員 税利改革をするかいなかということにつきましては、税制懇談会というものがありまして、そこで目下懇談を進められているような次第で、政府としてはいまだお話を申し上げるよう成案は持つていないのであります。
  15. 立花敏男

    立花委員 きよう新聞を見ますと、大体大蔵省の一致した有力な意見として発表されておりますので、小野さんが政府として税制の問題を答弁なさる以上は、その問題を御存じだろうと思いますし、これは決してきよう突如として発表されたものではなく、今までの新聞発表の経過をたどりましても、ずつと一連の動きがございまして、今小野さんが言われました税制懇談会とも関連を持つてこの意見が出て来ておると思います。きよう新聞を見ましても、事実上、大蔵省意見と並べまして税制懇談会意見が出ておりまして税制懇談会では意見が一致したというところまで、はつきり発表しているわけであります。しかも税制懇談会の一致した意見の中には、平衡交付金減額はつきり認められております。これは今河原委員が問題にされておりますし、小野さんもその増額努力すると言われております。その平衡交付金減額が、税制懇談会で一致した意見として発表されておる。こうなつて参りますと、小野さんが政府として答弁されているのであつたら、非常に食い違いが大きくて、まつたく逆なことになりますのでわからないのですが、その間の事情をひとつ御説明願いたい。
  16. 小野哲

    小野(哲)説明員 税制の問題は、各方面でいろいろ研究もしておりますし、またいろいろの意見が出ることは当然だと思います。ただ地方税に関しましては、これが企画立案をいたします責任当局は、地方自治庁でございます。従つて地方自治庁として研究いたしました結果、これが成案であるということを申し上げるまでは、地方税法に関しましては、政府としては成案の持合せがない、かように申し上げてよいかと思います。従つて大蔵省として新聞紙上発表されましたのは、あるいはさようなことが論議されたのかも存じませんけれども、これは成案として論議されたものではない、地方自治庁として研究いたしました結果の成案ではないということを、申し上げておきたいと思います。
  17. 立花敏男

    立花委員 お役所内部のそういうなわ張り的な問題は別といたしまして、大蔵省のおもな意見として発表されておりますので、国民が見ます以上は、やはりこれは政府意見であるというよう考えざるを得ないと思う。もし自治庁の方で、そういうはつきりした考えをお持ちになり、また大蔵省意見として発表されておりますものと相違当つた意見をお持ちになつておるのであるというならば、自治庁といえども大蔵省といえども同じ政府部内なので、この意見は私は当然折衝して、まとめていただく必要があると思います。小野さんの意見によりますと、大蔵省意見は何ら政府意見でもなし、大した問題ではないのだ、あるいはさようなことが論ぜられておるかもしれぬというような御意見ですが、しかし私どもが見ます以上は、発表を見ました限りにおきましては、重大な問題を含んでおるわけです、税の地方分権から中央集権へ移行させるという根本的な問題まで含んで発表されておるわけです。しかもさいぜん言いましたように、平衡交付金減額する、入場税遊興飲食税は国税にする、市町村税中心府県税中心にする、あるいは附加価値税を廃止する、取引高税を復活する、こういつたようなまつたく根本的な現在の税の改変が行われる意見が、しかも大蔵省のおもな意見として発表されております。これはどういたしましても、私どもといたしましては問題にしてその真相を確かめて、またこれに対して政府部内の統一した意見を承りたいと思うのです。この問題が発表されるまではともかくといたしましてこういう問題が発表された以上は、自治庁としても政府部内意見の統一なり、今後の成行きに対しての御意見を、はつきり示していただきたいと思います。
  18. 小野哲

    小野(哲)説明員 立花さんは新聞記事を主として、いろいろと御質問ようでございますが、私どもはこの種記事があるいは推測を加味して発表されたものではないかとも考えられますので、新聞記事のみによつて、ここで御答弁申し上げることはいかがかと思うのであります。政府として地方税制改正するかどうかという問題は、まだ本日ここで立花さんの御質問に対して御答弁を申し上げる時期には至つておらないので、税制懇談会等においていろいろ、意見が交換されておりますことは十分承知いたしております。と同時に税制については各界、各方面関心を持つておりますために、いろいろの意見新聞紙上に現われて来ることも予想にかたくないわけであります。従つて政府においても各方面意見を十分に聞き、また、その推移を見しまして、さらに地方税法が施行された以後における実情等考えまして、改正すべきかいなかを決定すべき問題でございます。従つてここではつきりと政府はこういう案を持つておる、あるいは地方自治庁はこういう見解であるということを申し述べる時期には、また至つておらないわけでございます。
  19. 立花敏男

    立花委員 政府の案を発表していたたきたいということを申し上げておるのではございません。こういう動きが少くとも政府部内にある、あるいは税制懇談会としての動きがある、それと自治庁とはどういう関連において、今後お動きになる見通しなのか、またそれに対して自治庁としてはどういう態度、でそういうものと関係をお持ちになる方針か、こういうことをお聞きいたしております。今できていない案を見せていただきたいとか、できないことをやつていただきたいとかいうことを申し上げておりません。けさ小野さんに聞きますと、そのようなことは初耳だとおつしやられますので、私どもは驚き入つたのであります。岡野さんは外国へ行つておられますから、そのあとはやはり小野さんが中心になつてお動きになると思うのですが、その方が全然知られない、大蔵省意見も知られないというのでは、私ども聞きただす道がないわけです。税制懇談会あたりとはどういうふうな接触をお持ちなのか、これも承つておきたい。新聞によりますと、自治庁関係はどなたもお出になつていない。地方税制をお扱いになる自治庁関係がお出になつていないで、はたして妥当な意見がまとまるかどうか、これも重大だと思いますし、故意に自治庁関係をはずされているのかどうか、何らその点に関しての折衝がなかつたものかどうか、三人も大臣が出ているのですが、自治庁関係は一人も出ていない。この点非常にふしぎなんです。そういう点も承りたいし、もし故意に自治庁関係が除かれているとするならば、自治庁としてはどういう態度でそういう組織、あるいは委員会との接触を今後なさるつもりであるか承りたい。
  20. 小野哲

    小野(哲)説明員 地方自治庁の態度は先ほど申し上げましたように、いろいろの方面でいろいろの意見が出て参つておりますので、十分に関心を持つてこれを見、かつ研究いたしたいと思つているわけであります。従いまして自治庁が全然無関心であるということではないので、きわめて重大な関心を寄せていることを申し上げておきたいと思います。また税制懇談会において—新聞には名前が出ていないかもしれませんが、必要に応じて、資料による説明その他を求められる場合もありありますので、従つてその場合においては、進んで地方財政委員会とともに説明の衝に当つている、そういうように御了解願いたいのであります。
  21. 立花敏男

    立花委員 そういたしまとす、進んでやつているということなんで、税制懇談会とは相当接触があるように思われます。二十七日の朝日新聞にも、地方自治庁地方財政委員会と連絡をとつて検討を開始しているという記事が出ているので、連絡をおとりだと思うのです。しかもその税制懇談会がもはや一致した結論をお出しになつているというところまで新聞発表しているのです。今まで連絡をおとりになつた以上は御意見をお持ちだろうと思うのですが、どうなんですか。
  22. 小野哲

    小野(哲)説明員 立花さんは少し私の答弁を曲解されているのじやないかと思いますが、連絡をとるということは、税制懇談会意見を構成するという意味ではないのでありまして、説明を求められる場合において説明するということであります。従つて税制懇談会のメンバーとして、その意思を決定することに参加すとるいう意味ではないわけであります。税制懇談会懇談会としての独自の立場で、いろいろと議論されているようなわけでありますので、この点を誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
  23. 立花敏男

    立花委員 税制懇談会政府が設けたものだと思いますが、そうなんですか。
  24. 小野哲

    小野(哲)説明員 政府が設けたものでありましても、その委員会その他審議機関の性格によりましては、独立したものがあるわけでありますので、政府が設けたから、すべて政府機関の意見が、その懇談会なり、委員会に反映するものとはならないと考えております。
  25. 立花敏男

    立花委員 私はそんなことを聞いておりません。政府が設けたかどうかをお聞きしている。政府が設けたものだということは明らかだと思うのですが、その政府が設けました懇談会が自治庁あるいは地方財政委員会と連絡をとつて、しかもあなたの言われましたように、積極的にあなたの方からも意見資料をお出しになつている以上は、そこに生れて参りました結論なり、一致した意見は、同じ政府の一部である自治庁地方財政委員会には反映していると思うのです。そうなつて参りますと、今私たちに示されております税制懇談会意見は、やはり自治庁あるいは地方財政委員会においても反映している、少くともこの結論に対する御意見はお持ちだろうと思うのですが、それをひとつお聞かせ願いたい。
  26. 小野哲

    小野(哲)説明員 私の見解では、税制懇談会はその独自の立場意見をまとめるものと考えられます。
  27. 立花敏男

    立花委員 そういたしますと、小野さんとしては、同じ政府の機関である税制懇談会が出した結論あるいは意見に対して、今自治庁側で何ら持合せの意見がない、賛成なのか反対なのか、そういうことは一切わからない、まだ発表できないと言われるのですが、その理由をひとつ聞かしていただきたい。
  28. 小野哲

    小野(哲)説明員 税制懇談会でいろいろお話合いをされました結果が、政府に出て来るであろうと思つております。その場合に政府がこれをどういうふうにとりさばいて行くかは、政府が決定すべきものだと考えております。
  29. 立花敏男

    立花委員 政府が決定すると申しましても、小野さん自身が一つ政府の有力なポストにおられるので、どう決定するかは小野さんの意見が非常に重要なモメントになつて来ると思いますが、政府といつたつて小野さん以外の人はない。小野さん自身が一つの有力なモメントになられるのですから、そういう意味で小野さんの意見をひとつ承わらせていただきたい。
  30. 小野哲

    小野(哲)説明員 政府は閣議等を持つておりますので、政府意見は閣議において方針を決定いたすことになつております。私の今の意見がただちに政府意見とはならないと思います。同時に先ほど繰返して申しましたように、税制懇談会でいろいろ話し合いをされました結果が、おそらく政府に対してこういうよう意見を持つているということをお申出になるのではないか、かように思います。その際に政府としてこれを受入れて、どの程度税制改革の上に、政府としての意見をまとめるかどうかは、なお今後の問題に属すると考えております。
  31. 前尾繁三郎

    前尾委員長 ほかに御質疑はありませんか、——それでは本日はこれにて散会いたしまして明日は午前十時から開会いたします。     午後零時三十三分散会