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1951-06-05 第10回国会 衆議院 地方行政委員会 第40号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年六月五日(火曜日)     午後二時二十一分開議  出席委員    委員長 前尾繁三郎君    理事 河原伊三郎君 理事 野村專太郎君    理事 龍野喜一郎君 理事 門司  亮君       大泉 寛三君    川本 末治君       吉田吉太郎君    鈴木 幹雄君       床次 徳二君    山手 滿男君       久保田鶴松君    立花 敏男君  出席政府委員         地方財政委員会         事務局長    荻田  保君  委員外出席者         專  門  員 有松  昇君     ————————————— 六月二日  委員尾関義一辞任につき、その補欠として井  手光治君が議長指名委員に選任された。 同月四日  委員井手光治辞任につき、その補欠として尾  関義一君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  地方財政に関する件     —————————————
  2. 前尾繁三郎

    前尾委員長 これより会議を開きます。  地方財政に関する件について質疑を行います。立花敏男君。
  3. 立花敏男

    立花委員 警察に対する平衡交付金の問題ですが、住民投票によりまして、自治体警察国警に移しました場合の平衡交付金につきまして、これを削減しないということを承つておるのですが、事実かどうか。それから削減しないということは、いかなる形においても削減しないのか、ちよつと承りたい。
  4. 荻田保

    荻田政府委員 自治体警察廃止になりまして、国家警察に移行いたしまする町村につきましての交付金の問題でありますが、削減しないということをどなたか言われたと思いますが、おそらくそれは総額について本年度そのための削減はしない、その意味総額の千百億を減らすようなことはない、こういう意味だろうと思います。それは個々の団体に対しまする交付金の額の問題とは、多少違つているのではないかと思います。
  5. 立花敏男

    立花委員 そういたしますと、警察関係のたまつて参ります交付金は、どのようにお使いになりますか。またその見通しは幾らくらいになりますか。
  6. 荻田保

    荻田政府委員 この本年度平衡交付金総額につきましては、先般来地方財政委員会意見もございますように、総額において足りないのでございます。従いまして、これを何らかの形において増加するということを、われわれは考えておるわけであります。そういう際でもありますから、自治体警察国家警察に移行した部分につきましては、あるいは筋からすれば、減らすべきであるかもしれませんが、それはそういう全体の問題もあるから、さしあたりそれは減らさない、こういう趣旨に了解しております。
  7. 立花敏男

    立花委員 減らさないのはわかりますが、とにかく千百億の中には、現在自治体が持つております警察平衡交付金も入つておるわけなんで、それが不要となりますと、それだけの分が実際当てのない交付金が出て来るわけであります。それの使途につきまして、特にお考えがあるかどうか承りたいと思います。
  8. 荻田保

    荻田政府委員 先ほど申し上げましたように、全体が足りないのでありますから、かりに自治体警察廃止のために、若干余るといたしましても、それは全体をにらみ合せてきめるべき問題でありまして、今その金を何費に充てるというようなことは考えておりません。
  9. 立花敏男

    立花委員 これは当然お考えにならなければならないと思うのです。全体が足りないと申しましても、何がどのようにどれだけ足りないかわかりませんと、残りました警察に充てるべき金が、どこへ持つて行つていいかわからないと思いますが、それに対する具体的計画はないわけでありますか。
  10. 荻田保

    荻田政府委員 交付金の各費目を全部必要なだけ計算いたしまして、それに対して交付金地方税と、この二つの収入をもつて見合せるわけであります。従いまして今足りないと申しますのは、総額において足りないのでありまして、今何費をどれだけにするから、従つてそれで足りないのだ、こういうことはまだ計算されていないのであります。
  11. 立花敏男

    立花委員 足りない額でやつて行けというのは、非常に無責任な話なんで、足りないとすれば、足りるだけ出さなければいけないと思います。しかも足りないのであれば、警察費が要らなくなれば、それをどうするということも、さつそく私は考えておかなければならぬ問題だろうと思います。まだお考えになつていないとすれば、至急きめていただきたいと思います。これと関連いたしまして、この間本会議で、地域給に対する緊急質問社会賞の松沢氏がやりました場合に、大蔵大臣から地域給財源の問題が出ておりますが、政府地域給改訂いたしました場合に、地方公務員に対する地域給財源について、平衡交付金との関連をどういうふうにお考えか、承つておきたいと思います。
  12. 荻田保

    荻田政府委員 地域給改訂に対しましては、地方においても相当の経費を要するわけでございます。これは平衡交付金を含めて地方財源の増額の問題として、あわせて考えなければならぬ問題だと存じております。
  13. 立花敏男

    立花委員 ところがこの間の二日の本会議では池田大蔵大臣は、平衡交付金を増額する意思はない、地方財政が非常に余裕があつて自然増収でまかなえるはずだから、地域給に関しては平衡交付金は増額しない、こう答弁されております。今荻田さんの答弁と非常に食い違いがあるので、地財委の方では、あくまでも地域給改訂があつた場合には、平衡交付金を増額するというお考えかどうか。大蔵省の反対がありましても、それを遂行するだけの御決意をお持ちであるかどうか、承りたい。地域給改訂がありました場合に、大体所要額幾らをお見込みで、そのうち平衡交付金幾らお出しになるのか、これもあわせて承つておきたい。
  14. 荻田保

    荻田政府委員 平衡交付金総額につきましては、御承知通り地方財政委員会意見内閣に出すわけでありまして、内閣がきめるわけであります。従いまして私は所要のものは、すべているとして要求したいと思います。地域給のために幾ら地方財源がいるか、まだ詳細調べておりませんが、大体二十億前後のものだろうと考えております。
  15. 立花敏男

    立花委員 二十億のうち、平衡交付金でどのくらいお見込みかどうか。
  16. 荻田保

    荻田政府委員 地方財政全体につきましては、先ほど申し上げたように、大きな問題もありますので、ほかに財源等に求むべきものがあれば、それも考えますが、まだ詳細にそういうことまで検討しておりませんので、二十億のうち、どれだけ平衡交付金から出るということは、結論が出ておりません。
  17. 立花敏男

    立花委員 さいぜん言いましたように、警察に充てておつた金が、平衡交付金がいらなくなるし、当然地域給なんか至急いるのだから、この方にまわすというようなことは、当然お考えになる必要があると思う。ほかに重大な問題があるからと言つておられますが、地域給の問題は重大な問題なので、地方の連中は、たびたび地財委の方にもあるいは自治庁の方にも、訴えに参つておるわけであります。こういう問題がはつきり出て来ておるのに、まだ考えていないというのは、非常におかしいと思います。  それから大蔵大臣のお考え方とあなたの方のお考え方と、根本的に違う。大蔵大臣平衡交付金は出さないと言つておられる。あなたの方は出してもいいと言つておいでになるので、そういう連絡の仕方では非常に不誠意であつて、結果において結局大蔵省意見に、またぞろ屈服するのではないかと思います。こういう問題はやはり重大な問題の一つとして、前もつてあらかじめこれは実現できるように、関係方面大蔵省方面と御折衝願いたいと思うのですが、この問題について大蔵省の方との下打合せと申しますか、交渉は何らなさつておられないのですか。なさつておられるとすれば、どういう交渉をなさつておられるか、ちよつと承りたいと思います。
  18. 荻田保

    荻田政府委員 まだこの問題だけを取上げては折衝いたしておりません。
  19. 立花敏男

    立花委員 さいぜんから申しますように、地域給の問題は、従来ともべース改訂がありまして以来の懸案で、これは御承知ないとは言えないと思う。それでこの問題について今まで折衝がないのはおかしいと思うのですが、まあないのはやむを得ませんから、これから大蔵省の方と一段と折衝してもらいたい。あるいはさいぜん申しましたように、大蔵大臣とあなたのお言葉との間には根本的な食い違いがありますので、これはよほどうまく折衝して予備工作をやつていただかないと、結局平衡交付金がふやしていただけない。従つて幾ら地域給の法案が成立いたしましても、これは実質においてもらえないという結果が起りますので、ひとつ地方公務員の立場に立つて、彼らの重大な問題であるということを御認識願つて、どうか前もつて大蔵省と折衝願いたいと思います。  それからもう一つ地方債の問題ですが、この間五月の終り東京新聞でしたか、「六三建築の行き詰まり」と大きく発表いたしまして、六三建築に要する地方起債地財委の一方的な考えによつて打切られたということを発表しておるのですが、その事実は一体どうなんですか、御説明願いたい。
  20. 荻田保

    荻田政府委員 御承知のように、昭和二十六年度において所要といたしまする地方債の額、われわれ地方財政委員会の提案しております額が、不幸にして認められませんので、相当圧縮されておるわけであります。従いまして全般的に各費目にわたつて地方債許可を圧縮いたしませんと、つじつまが合いませんので、その結果六三制の建築費等も、大体地方負担の三分の二くらいより認められないということになつております。
  21. 立花敏男

    立花委員 単独事業なども、このごろほとんど起債が許されないので、事業を停止しなければならぬ、継続事業なども、起債が認められないので、せつかく今まで何分の一か竣工いたしておる事業をそのまま打切らなければならぬという事態が起つているのですが財政委員会の方では、継続事業で半ば以上完成しておりますものでも、起債打切つて仕事を途中で放棄さすような事態を起さしてもかまわないという方針なんでしようか。そういうことになりますと、これから金がもらえないだけでなしに、今までもらつたものも全部御破算になるという形になりまして、これは地方の行政に与える影響が非常に大きいと思うのですが、継続事業のものでもやはり起債をお許しにならないという方針ですか。
  22. 荻田保

    荻田政府委員 継続事業については、なるべくその事業が予定通り遂行できるように起債を認めて行きたいと思いますが、何分にも総額が小さいために、やむを得ずある程度年度割りの延長とか規模の縮小とか、あるいは極端なものにつきましては打切りという問題も起るかと思つております。
  23. 立花敏男

    立花委員 そういう起債までも節減なさるのはちよつと納得しがたいのですが、しかし政府の方でこれをカバーする方法は必ずしもないではないだろうと思うのです。たとえば資金運用部の金を四百億ばかり地方融資するというような決定になつて発表されているらしいのですが、特にこういう継続事業で途中で打切らなければならないような問題に対しては、資金運用部の四百億の融資を優先的に認めるというようなお考えはないかどうか、また考えがあつてもやれないのか。
  24. 荻田保

    荻田政府委員 結局地方債わく四百億は、すべて原則としまして資金運用部の金をまわすことになつております。従つて資金運用部の金をどうのこうのという問題は、地方債わくの問題に帰着すると思いますが、それは先ほどから申し上げております通り、非常に小さいものでありますから、あらゆる費目にわたつて削減しなければならぬわけであります。従いまして継続費だけを最後まで押し通して行くという方針を貫けません。もちろん継続費については優先的に考えておりますが、それだけに限るということはできないような次第であります。
  25. 立花敏男

    立花委員 まだ今年は年度の初めなのに、非常に起債わくが苦しくなつて来ておるのですが、巷間では地方選挙があつた関係で、二十六年度起債わく年度初めにたくさん出ておるということを聞いているのですが、今までどれくらい地方起債が許されておりますか。念のためにひとつ聞いておきたいと思います。
  26. 荻田保

    荻田政府委員 ちよつと御質問趣旨がわからないのでございまするが、起債年度を通じまして一回限りでございます。いつ決定するかはなるべく年度の初めにしたいと思つておりまして、今やつております。従つて年度の初めにたくさん出るとか終りに出るとかいうことはないわけであります。何か資金運用委員会資金の一時融資の問題と混同されているのではございませんか。
  27. 立花敏男

    立花委員 四百億の起債が許されておるとすれば、今までに許可なつ起債幾らかということなんです。
  28. 荻田保

    荻田政府委員 起債は先ほど申しましたように、年に一度きめるわけでありまして、相対的にまとめて詮議しなければ、彼此の均衡がとれませんから、まだ一つもやつておりません。
  29. 立花敏男

    立花委員 そういたしますと、たとえばさいぜん申しました六三制教室起債打切りとか、あるいは単独事業起債打切りとかいうことは、これは方針だけでございまして、まだ実質打切つたかどうかわからない。またこれからまとめて審議する場合に、これは復活されるかもしれないというふうに考えてよろしゆうございますか。
  30. 荻田保

    荻田政府委員 その通りでございまして、まだ方針でございます。第一、六三制の補助金も、まだ末端までは確定しておりませんから、起債の詮議のしようがございませんので、一応それだけわくをそのために残してあるのであります。方針にすぎません。
  31. 立花敏男

    立花委員 確定でなければ、六三制の教室など重大な問題は、できるだけこれから復活するようにお願いしておきたいと思います。それからさいぜん申しましたように、地方単独事業、あるいは継続事業でも打切らなければならぬというようになつているようですが、これを地方の方では何だか確定的のように受取つておりますが、あなたのお話では、これはまだ方針なんで、実質的にはこれからきまるのだという実情であれば、こういう六三制の起債とか、単独事業起債とかは、なるべく実現できるように、ひとつ御努力願いたいと思います。  それから、平衡交付金を返還したり、あるいは平衡交付金が少くともやれるような大都市に対しては、非常に起債わくも少い、認めないというふうに方針が立てられているように聞いているのですが、こういう方針をおとりなんでございましようか。
  32. 荻田保

    荻田政府委員 平衡交付金の行きませんようなところは、結局一般財源が多いわけでありますから、従いまして一般財源によつて支弁するような事業に対しまする起債は、そういうところにはなるべく差控えたいという方針を持つております。
  33. 前尾繁三郎

    前尾委員長 暫時休憩いたします。     午後二時三十九分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた〕