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1951-05-26 第10回国会 衆議院 地方行政委員会 第37号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十六年五月二十六日(土曜日) 午前十一時四十三分
開議
出席委員
委員長代理
理事
河原伊三郎
君
理事
野村專太郎
君
理事
龍野喜一郎
君
理事
藤田 義光君 池見
茂隆
君 大泉 寛三君
尾関
義一
君
門脇勝太郎
君
吉田吉太郎
君 床次 徳二君
久保田鶴松
君
門司
亮君
立花
敏男君
出席政府委員
地方自治政務次
官
小野
哲君
委員外
の
出席者
総理府事務官
(
地方自治庁
公務員課長
)
藤井
貞夫君
—————————————
五月二十四日
委員石原登
君
辞任
につき、その
補欠
として中島 守利君が
議長
の
指名
で
委員
に
選任
された。 同月二十五日
委員佐藤親弘
君及び
門司亮
君
辞任
につき、その
補欠
として
尾関義一
君及び
淺沼稻次郎
君が
議長
の
指名
で
委員
に
選任
された。 同月二十六日
委員淺沼稻次郎
君
辞任
につき、その
補欠
として
門司亮
君が
議長
の
指名
で
委員
に
選任
された。
—————————————
五月二十三日
公職選挙法
の一部改正に関する請願(
今野武雄
君紹介)(第二三八四号) の
審査
を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件 小
委員
及び小
委員長選任
に関する件
連合審査会開会要求
に関する件
地方公務員法
の
制定
に伴う
関係法律
の
整理
に関 する
法律案
(
内閣提出
第一六七号)(予)
—————————————
河原伊三郎
1
○河原
委員長代理
これより
会議
を開きます。
委員長
が都合によ
つて
欠席されましたので、御
指名
によ
つて
私が
委員長
の職務を行います。 それではこれより
地方公務員法
の
制定
に伴う
関係法律
の
整理
に関する
法律案
を議題として、
質疑
を続行いたします。なお念のために申し上げますが、本案は
予備審査
であります。
質疑
を許します。
立花敏男
2
○
立花委員
五月七日の
朝日新聞
に、
吉田総理
の
構想
といたしまして、
リツジウエイ声明
に伴いましての、
行政整理
、
行政機構
の
改革
の問題が出ておるのですが、その中で三割以上の大幅な
行政整理
をやるということが発表されておるのですが、この問題は
中央
、
地方
を含んでの
構想
かどうか、これをひとつお伺いしたいと思います。
小野哲
3
○
小野
(哲)
政府委員
お答えいたします。ただいま
立花
さんから
行政整理等
の問題についての御質問でございますが、どういうふうな
内容
であつたか、また真否の点につきましては、私としてはつまびらかにいたしておりま
せん
ので、ここで具体的にどうこうというお答えはいたしかねるわけでありまして、
地方自治庁
といたしましては、いまだ
地方関係
において、
行政整理
をするという
考え
のもとに、具体的な案を取進めておるということはないわけでございます。
立花敏男
4
○
立花委員
ところが実際問題といたしまして、現在
全国
各
地方
に人員の淘汰が
大分
出ているわけですが、これは
吉田総理
の言われております
行政機構
の
改革
の先駆をなすものではないかと思う。きようの
朝日新聞
にも、
中央
と
地方
の
人事
の
交流
の問題が出ておりまして、
中央
に
人事交流連絡協議会
というものがつくられるということが発表されておりますが、そういうことを
政府
の方ではお
考え
に
なつ
ておりますか。
小野哲
5
○
小野
(哲)
政府委員
行政整理等
の問題につきましては、いまだ
地方自治庁
としては、関知しないところでありまするし、またただいま
お話
になりました
人事異動
の点について、何らか
協議会
のようなものができたということは、
地方自治庁
が關與いたしておるのではないのでありますことを申し上げておきたいと思います。
立花敏男
6
○
立花委員
しかし
地方
の問題を統括される
自治庁
といたしまして、
中央
と
地方
との
人事
の
交流
が行われ、その
中央
における
人事交流連絡協議会
というような
機関
ができるということにつきましては、これは
大分
大きな問題であり、当然御存じのはずだと思うのですが、これは何ら
自治庁
とは
関係
なしに、また
自治庁
は何らお知りに
なつ
ていないというようなもので、まつたく私的なものであるというふうに理解してよろしいのですか。
小野哲
7
○
小野
(哲)
政府委員
今
お話
になりましたような
協議会
のごときものは、おそらく、
全国知事会
がございますので、この
知事会
といたしまして、自主的にさようなものを設けて、いろいろ相談をいたしたい、かような
考え
方から出ているものと思います。ただ依頼がございましたような場合におきましては、
地方自治庁
という
立場
上、この間のあつ
せん
をするということは、決してやぶさかでない、かように
考え
ている次第であります。
立花敏男
8
○
立花委員
行政整理
の問題を私
ども
問題にいたしますのは、現在すでに
地方
で
行政整理
が出ておりまして、それが今問題に
なつ
ております。
地方公務員法
の
施行
に伴いまして、重大な不安を
地方
の
職員
に與えておるという事実があるからであります。現在すでに
首切り
が出ておりますのは、
宮城県庁
、それから北海道の
稚内市役所
、それから最近うわさに上
つて
おりますのは、
青森
県におきまして、四百人ないし五百人の
首切り
、それから長野県の松本市におきまして、大体二割の
天引き整理
、これは市街から通勤いたしております者を全部淘汰するというような
情報
が入
つて
おりますが、こういうようにずつと
地方
の
行政整理
の形が出て来ているわけです。それに対しまして、
地方公務員法
が
施行
されまして後、これに対して十分
地方員長
が安んじて
仕事
のできないような現状にありますので、今回
地方公務員法
の
制定
に
伴つて
の
関係法令
の
整備
をなさるのであれば、この問題もひとつ
重点
においていただきたい、こう
考え
まして、具体的にお尋ねしたいと思うのですが、
宮城県庁
の
首切り
の問題につきまして、
自治庁
の方ではどういう
情報
をお持ちになり、どういうふうにお
考え
でございましようか。
藤井貞夫
9
○
藤井説明員
宮城
の件につきましては、
県当局
の方から一応の
報告
だけは受けております。その
報告
の
内容
について申し上げますると、
勤務成績
その他いろいろな
観点
から見まして、
公務員
としてあまり
勤務成積等
がよくないと思わるような人その他の人につきまして、大体十六名でありますが、これに対して自主的な
退職
の勧告を行つたものでございます。しかしその後本人が
弁明書
を出し、またいろいろ釈明をいたしました結果、
当局
といたしましてもこれを了といたしまして、その結果二名たけが結局
依願退職
の形に
なつ
たという程度のことを
報告
を受けております。
立花敏男
10
○
立花委員
ところがこの十六名と申しますのは、全部が全部
組合
の
委員長
、
書記長
、
執行委員等
、いわゆる
組合
の
幹部
なんです。これが一括して首を切られておりまして、これは今
理由
としてあげられました
勤務成積
の問題とはやはりおのずから別じやないか。客観的に見ましても、
組合
の全
幹部
が一括してこういう
行政整理
の
対象
になるということは、何と申しましても、これは単なる
勤務成績
の問題じやないと思うのです。しかも断
つて
おきますが、この中には
共産党員
は一人もいないわけであります。
組合
の
幹部
を一括いたしまして、
委員長
以下全部
勤務成績
が不良だというようなことは、とうてい
常識
上でも
考え
られま
せん
ので、今お述べになりました
自治庁
の
情報
としての
県庁
からの
報告
、
勤務成績云々
の問題は、これはあくまでも表面的な
理由
であ
つて
、もつ一深い根本的な
理由
があるのではないかと思うのですが、これにつきましては、
自治庁
の方では深くお調べに
なつ
ておられないのでございましようか。
藤井貞夫
11
○
藤井説明員
ただいままでのところでは、われわれ
報告
を受けておりますのは、先刻申し述べました
通り
でありまして、それが
勤務成績
ということだけではなくして、
組合
の
幹部
を
対象
として行われた、特にそういう作為的なものとして行われたかどうかということについては、ただいま正確な
情報
を持ち合せておりま
せん
。
立花敏男
12
○
立花委員
作為的であつたかどうかは別といたしまして、客観的に見まして、十六人が全部
委員長
以下
組合
の
幹部
であるということ、私
ども
はまずそういう事実に基いて判断をしなければいけないと思うのです。これは、やはり單に
勤務成績
の問題ではなしに、
組合活動
の問題であるというふうな推定は、当然一応の
常識
があれば
考え
られると思う。私
ども
そういう
観点
から調べてみますと、実際この問題に関しましては、昨年末の
越年資金
の
組合
における
獲得要求
と非常に密接に結びついております。その問題で、とにかく一応年末
資金
を獲得いたしましたが、それにつきまして、県の財政に非協力的であるとか、あるいは
知事
の意志に反するとかいう問題が主になりまして、今度の問題が起
つて
おるという事実を発見いたしまして、だからこそ
組合
の
執行委員長
以下
幹部
十六名が一括して、こういう
退職
の
処置
を受けたというふうに理解いたしましたし、またその方が私妥当じやないかと思うのです。やはり
自治庁
といたされましても、こういう重大な問題は、そこまではつきり
調査
なり、何なりなさる必要があるのじやないかと思いますが、その点で、こういう問題は、
自治庁
では何らお知りにならないのかどうか。しかもこれはすでに現地におきましては、
地方労働委員会
も取上げておりますし、あるいは東北大学の
中村重夫教授
も、
知事
との間にあつ
せん
に立たれまして、一応和解が成立したこともありますし、これは
地方
的には重大問題なんです。そういう点を
自治庁
としてお知りにならないのか。特に
公務員課長
とされまして、
地方公務員法施行
後の
過渡期
における重大な問題だと思うのですが、單に
県庁
の一方的な、
勤務成績云々
の
報告
だけで、何ら実態をつかんでおられないのは非常に遺憾だと思うが、この点はどうなんですか。
藤井貞夫
13
○
藤井説明員
実はこの点についての
県当局
の
説明
を聴取いたしましたのは、ごく最近のことでございまして、その
内容
につきましては、一応先刻申し上げましたような経過で、
今立花委員
の御
指摘
もありましたように、現実に
退職
いたしましたのは二名で、その二名についても、当事者の間に
話合い
がついた、こういう結果もあわせて
報告
を聽取いたしましたので、私の方といたしましては、それ以上積極的に
調査
をするということは、現在のところいたしておらないような
状況
であります。
立花敏男
14
○
立花委員
これが実はさいぜん申し上げましたように、今問題に
なつ
ております
地方公務員法制定
に関する
関係法規
の
整備
の問題と非常に重大な
関係
がある。
地方公務員法
の
施行
に
伴つて
非常に
不備
な点がある。ただいま大体
話合い
がついたと申しますのも、一口に申しますと泣き寝入りといいますか、まつたく
知事
と個人的な
折衝
によ
つて
の
泣寝入り的解決
がおもでありまして、
ほんとう
に公正な民主的な
解決
はやられていないわけです。その民主的な公正な
解決
がやり得ないという
地方公務員法施行
後の大きな
欠陷
があるわけなんです。これを
解決
していただき、法の
不備
な点は
整備
するというふうにしていただきたいと思います。問題は
宮城
県だけではなしに、さいぜん述べました
稚内
で、やはりこれと同じような
首切り
が、ただいま十数名出ているわけなんですが、これなんかも、実はまつたく
宮城
県と同じような、
地方公務員法施行
後の法の
不備
によるころの紛争が起
つて
いるわけなんです。これに関しましては、どういたしましても、やはり
整備
していただきたいと思うのです。その法の
不備
の点を申し上げますと、首を切られましても、何ら訴えるべき
機関
がない。
宮城
県の場合に、
地方労働委員会
に提訴いたしましたが、
地方労働委員会
の方では取上げていない。そうして五月十二日以後におきましては、もちろんお前
たち
はもう
労働者
でないのだから、
地方労働委員会
の問題ではないというふうに拒否されますし、あるいは
知事
に
組合
として
団体交渉
しようといたしますと、もうお前
たち
は
団体交渉
の
権利
がないのだという形で
交渉
もできま
せん
し、
人事委員会
も六月十二日まではまだつくられておりま
せん
ので、結局待
つて
行き場所がないわけなんです。裁判所に持
つて
行つたらいいじやないかという御
意見
もあるでしようが、こういう問題の
扱い
につきましては、当然特別の
機関
がつくられなければいけま
せん
。新しい
地方公務員法
という
法律
によりまして、従来の
労働者
をある程度束縛いたします以上は、それに関しましての
不利益処分
、あるいはこういう
不当労働行為
のような問題につきましては、やはり特別の民主的な
解決
の
機関
が必要だと思うのですが、それが非常に
不備
なわけなんです。結局首は切られつばなしで、どこに持
つて
行つて
も相手にしてくれないという形ができまして、こういう不当な
扱い
を受けましても、結局個人的な
折衝
で
泣寝入り
ということに
なつ
ているわけなんです。しかもそれに対しましても
地方自治庁
が表面上だけ観察なさ
つて
、問題が済んだようだからいいのじやないかという
扱い
を受けましては、
地方
の
職員
といたしましては、はなはがしく不満に感ぜざるを得ないと思うのです。こういう点で
不備
をお
感じ
に
なつ
ていないか。あるいは
不備
をお
感じ
に
なつ
ているとすると、どういうふうな形で問題を処理すればいいのか。たとえば現在の瞬間におきまして、
首切り
でこういう
不利益処分
、あるいは
不当労働行為
に類するような
行為
が起りました場合に、
地方
の
職員
はどの
機関
にどういう手続で訴えればいいのかはつきりしないわけなんです。あるいは
職員委員会
というものがあるじやないかというふうに言われるかもしれま
せん
が、これは地・
公務員法
が
施行
される以前からありまして、しかもこれは決して
懲戒
に関しての
決議権
も何も持
つて
おりま
せん
し、まつたく
協議会
的なものでございまして、これが
十分地方職員
の身分なり、あるいはその他の
利益
を守れるとは思えま
せん
ので、現在の瞬間におきましても、大きな
不備
があるだろうと思う。六月十二日になりま
せん
と
人事委員会
も発足しないのですから、しかも
地方労働委員会
は、すでに五月十二日以後
地方公務員
の問題は扱わないということに
なつ
ておりまして、非常に困るわけです。具体的に現在の瞬間にそういう問題が起つた場合に、一体
地方公務員
はどこに問題の処理を持ち込むのがいいか、これをひとつお聞かせ願いたい。
宮城
県の
知事
などは、
労働組合
はもうなく
なつ
たのだ。
組合
なんかなく
なつ
ているのだ。当然
組合
はこういう
首切り
の問題などについては、
知事
と
交渉
することもできなく
なつ
ているのだということを盛んに流布いたしておりまして、こういう不当な
首切り
の
処置
を受けましたものは、まつたく
泣寝入り
なんです。個人的にどうにもしかたがないというような
状態
に
なつ
ておりますので、この点をひとつ具体的に御
説明
願いたいと思います。
藤井説明員
ただいまの
お話
でございますが、六月十二日までということが、
人事委員会
の
設置期限
に
なつ
ておりますので、現在
知事選挙
のございました
府県
におきましては、
人事委員
の
選任
について目下人選を進めておる
状況
であります。この
委員会
ができましたならば、
不利益処分等
について、完全な態勢ができ上ることになるわけでありまして、現在これができま
せん
ところにおきまして、御尋ねのような
首切り
の
問題等
があつた場合に、どうなるかということについてでありますがこれは
立花委員
も御
指摘
になりましたように、現在は
人事委員会
ができますまでは
従前
の例によるということに相なりまするので
府県
におきましては
職員委員会
があり、また市町村においては
町村吏員
の
懲戒審査委員会
というものがございまして、
分限懲戒等
に関する事項は、これらの
機関
に諮らなければ
処分
ができない。その議決を経て初めて
処置
ができるということに
なつ
ておるのでありますから、その点について不当な
行き過ぎ処置
というものはないのではあるまいかというふうに
考え
られるのであります。ただ今
宮城
県の場合等のごときは、これは別に
懲戒等
をやつたわけではないのでありまして、発令の形式も
依願退職
というようなことに
なつ
ておるというふうに聞いておるのであります。ただ私
たち
といたしましては、現在
地方公務員法自体
が
職員団体
の
関係條文
といたしまして、
不利益処分
と申しますか、従来の
労働組合法
上の
不当労働行為
に該当する
行為
も禁止いたしております。その
條文
の精神から申しましても、そのような
事態
が起
つて
参りますことは、これはもちろん健全なる
職員団体
の
活動
ということを育成いたして参ります建前からしても不適当でございますので、そのような
事態
のないように、なお
指導
には万全を期して参りたいというふうに
考え
ておる次第であります。
立花敏男
15
○
立花委員
人事委員会
が六月十二日にできますまでは
従前
の例によるとおつしやられますが、すでに
労働委員会
は五月十二日で、
地方公務員
に対する
不当労働行為
などの事案の
審査
を拒否している。これは
従前
の例によると申しましても、
労働委員会自体
が拒否しておる。この
宮城
の問題は、十二日以前に提訴しているのですが、この場合にもやはり実質上拒否したわけです。
理由
といたしましては、
地方労働委員会
の改選で、まだ後任が
決定
していないとか何とかいうことですが、十二日に拒否しておりまして、
従前
の例によるということが、少くとも
地方労働委員会
においては、まつたく空文であるということが言えると思います。それから
藤井課長
がおあげになりました
職員委員会
、あるいは
懲双審査委員会
の問題ですが、これはさいぜん申しましたように、あくまでも諮問
機関
的なものでございまして、真に民主的な公平な最終的な
決定
のできる
機関
ではないということは、これは御承知の
通り
であります。それで
地方公務員法
が
施行
される以前にありましたこういう
機関
が
地方公務員法
によりまして
地方公務員
が
労働三法
の
適用
から除外され、特に
人権
を大幅に制限されるような場合に、
従前
にありました
職員委員会
あるいは
懲戒審査委員会
で
十分利益
が守れるはずはないわけなんです。これで
十分地方公務員
の
利益
が守れるのであれば、特に
人事委員会
をつくる必要はないわけです。
屋上屋
を架するように、この
人事委員会
をつくる必要はありま
せん
ので、
人事委員会
をつくる必要を認められましたのは、やはり何といいましても
従前
の
機関
によりましては、不十分であるということを認めての上だろうと思います。そういたしますと、六月十二日にこの
人事委員会
ができますまでの
空白状態
を、單に
職員委員会
とか
懲戒審査委員会
にまかせておけば十分だということは、これは
理由
にならないと思います。当然新しく
地方公務員法
を
制定
いたしまして、非常に特殊な
人権
の制限を行い、
労働者
としての
権利
を守る
労働三法
の
適用除外
を
決定
いたしました以上は、当然従来の
機関
よりも、もつと民主的な、もつと
労働者
のために公正な
決定
のできる
機関
を置かなければいけないと思いますが、その間がまつたく
空白
に
なつ
ているわけです。六月十二日に
人事委員会
ができますまでは、まつたく
空白
なんです。現在
全国
的に見ましても、
人事委員会
ができているのは非常に少くて、私
ども
の聞いておりますのでは
青森
とか高知とか
大分
とか、その他二、三の県だけでございまして、ほとんどがまだできていないというような
状態
なんです。ただいま言われましたように
地方
の
選挙
もございましたし、まつたくこの点は
空白状態
に
なつ
ておるわけです。この点をひとつ
整備
していただきたい。特に法の
不備
の間に起きました問題に対しましては、十分慎重に
調査
されまして、
ほんとう
に
労働者
の
立場
に立
つて
の
処置
をしていただきたい、こう思います。
地方公務員法制定
に
伴つて
の
関係法規
の
整備
という問題は、やはりこの問題が
重点
ではないか。單に形式的な
関係法規
の
整備
ではなしに、この問題を私は
重点
に置かなければいけないのじやないか。と申しますのは
地方公務員法自体
の性格からいたしまして当然なことですが、
地方公務員法
は何と申しましても、その
重点
は
地方公務員
から
労働者
としての当然の
権利
を奪いまして、
労働三法
の
適用
を除外するという点が
重点
なのでございます。そういう意味から申しましても、この
労働者
の重大な民主的な
権利
を制限する以上は、それに
伴つて
起るところの法の
不備
をどうして補うかということこそが
重点
にならなけれげならぬと私は思う。ところがこういう問題はあまり問題にされていない。そうして
最初
に
小野
さんにお聞きいたしましたように、
行政整理
をやる、あるいは
機構
の
整備
をやるというようなことが一方的に実施された。実際問題としてこういうような形で、
全国
的にどんどん起
つて
参りますと、
地方
の
公務員
といたしましては、非常に一方的な
措置
だというふうに感せざるを得ないのですが、この
地方公務員法
の
施行
後の、こういう
欠陷
について
お気づき
なのかどうか、またそれに対しまして、
十分地方公務員
の働く者としての
立場
を守るような
措置
をおとりになるお
考え
があるのかどうか。特にこの間に起きました
宮城
とか、あるいは現在問題に
なつ
ております
稚内
などの問題を、
ほんとう
に働く
地方公務員
の
立場
から、誠意をも
つて
解決
なさる御意思があるのかどうか。これをひとつ承
つて
おきたいと思います。
藤井
さんの
答弁
を聞いておりますと、ただ
県庁
の方からの
勤務成績云々
というような、非常に表面的な
調査
しかなさ
つて
おられま
せん
ので、それでは
ほんとう
に
地方公務員
の
立場
に立
つて
の親切な
解決
ができないのじやないかと思います。私
ども宮城
の問題だけだと思
つて
おりますと、
稚内
の大きな問題が起
つて
参りまして、
稚内
のはもつと露骨なんです。これは今度の
選挙
に関連いたしておりまして、前の
市長
が立候補した、今度はそれに
対立候補
が立候補いたしまして、
組合
か大会で
対立候補
の支持を決議いたしましたところ、
知事
あるいは
部課長
らの圧迫が
組合
に加わりまして
選挙
の結果、前の
市長
が当選いたしましたので、その
市長
が
組合
の
幹部連中
を、十数名馘首したということがあるのでありますが、これはまつたく、非常に露骨な問題なんですが、この
問題はちようど
今言いました
宮城
の場合と同じような
空白
の間に起
つて
おりますので、これに対しても十分の保障がないわけです。でありますから、六月十二日までの
空白
の間に、こういう問題が続々と起
つて
来るだろうと思います。こういう問題をやはり真剣に
考え
て
解決
していただかぬと、
地方
の
公務員
は安んじて
仕事
ができない。その点をどうお
考え
になりますか。また
稚内
の問題は
お気づき
でございましようか。ちよつとその点をお聞きいたします。
藤井貞夫
16
○
藤井説明員
稚内
の問題は私まだ承知いたしておりま
せん
。先刻からるる
お話
のありました点につきましては、先刻私からも申し上げておる
通り
でございますが、
人事委員会
、あるいは
公平委員会
というものの設立については、相当の
準備期間
を要しまする
関係
上、六月十二日、あるいは八月十二日までというような
設置期限
に
なつ
ておるわけでありまして、それの
設置期限
との
関係
上、
労働組合法
との
関係等
について、若干問題が生じておりますことは、
過渡的措置
としてこれはやむを得ないではないかというふうに
考え
ております。ただ御
指摘
のありましたような
不当労働行為
に該当いたしますような
行為
というのは、これは
公務員法
においても禁止をいたしておる。そういうものはあ
つて
はならないというふうに承知いたしておるわけでありますから、そういう
違反行為
のないように、私
たち
といたしましてはできるだけの
指導
ということについて、万全の
措置
を講じて行きたいというふうに
考え
ておる次第であります。
立花敏男
17
○
立花委員
大体
課長
のお
考え
、また言われることはわかりましたが、実際そうや
つて
いただきたいと思う。
最初
に私この問題をお尋ねいたしまして、
藤井課長
の
答弁
をお聞きいたしました。これは非常に一方的と申しますか、不親切な
扱い方
が出ておるのじやないか、
藤井課長
の今言われましたこと、そのままが行動としては出ていないのではないか、お
考え
なり、述べれましたことは了承できますが、それを実際の面にはつきり生かしていただきたい。
宮城
、
稚内
の問題につきまして
調査
につきましても
解決
につきましても十分慎重にや
つて
いただきたい、これをひとつお願いしておきます。 もう一つは
地方公務員法
の三十六條の問題ですが、三十六條の問題につきまして
自治庁
では、今度の
選挙
を通じまていろいろな経験をお持ちで、ある結論が出ておるかに聞いておるのでありますが、三十六條の修正につきまして御
意見
をお聞かせ願いたいと思います。
小野哲
18
○
小野哲
政府委員
今回の
選挙
にあたりまして、
地方公務員法
の
施行
と関連してどういうふうに
考え
ておるか、こういう御質問のようでありますが、未だこの点につきましては、
自治庁
としての見解を申し上げるまでには至
つて
おりま
せん
。
立花敏男
19
○
立花委員
今度の
地方
の
選挙
においての検挙件数は四万五千で、そのうちの大部分八割が悪質な買収であるということは、国警の発表によ
つて
明らかなんですがおそらく
地方公務員法
の三十六條に違反して今度の
地方
選挙
で、ほとんど事件が起
つて
いないと思う。むしろ今度の
地方
選挙
を通じまして、市の
理事
者側あるいは県の
理事
者側から一般
職員
に対しての攻撃が非常にきつかつたという事実を多数知
つて
おります。
部課長
の
知事選挙
、あるいは
市長
選挙
における運動が非常に露骨をきわめまして、愛媛などでは
職員
の配置転換まで事前にや
つて
おりまして、非常に露骨な運動がやられております。これがひどいところになりますと、奥さんは
知事
側につき、旦那さんは新しい民主戦線の候補者を推すという形で、家庭的な問題まで起
つて
おるところがあるというのですが、こういうふうに上から攻撃が加えられる傾向が非常に強かつた、その結果下の者がいくら
地方公務員法
で規定しております中立性を守ろうといたしましても、守り得ない
状態
に追い込まれるというような
状態
があるのですが、こう
なつ
て参りますと、どうしても中立性というようなものは廃しまして、自由に政治
活動
ができるようにする必要が、実際上できて来たんじやないかと思いますが、
自治庁
はこういう問題は
小野
さんの言われましたように、何ら結論が出ておらない、聞くところによりますと、
自治庁
といたしましては、だからこそよけい嚴罰主義でやらなければならぬ、三十六條に対する罰則を
制定
いたしまして、嚴罰主義で臨むのだというような意向をお持ちだというふうに聞いておるのですが、その点はどうなんですか。
小野哲
20
○
小野
(哲)
政府委員
選挙
の執行が公正かつ自由であることを、私
ども
は常に期待をいたしておりますし、また
地方公務員法
の精神から申しまして、
公務員
諸君の政治的な中立性が確保されることを強く望んでおるわけであります。具体的にいかなる事実があつたかにつきましては、
全国
各地にわた
つて
おる問題であり、先ほど申しましたように
自治庁
としての見解を申し述べる機会にまでは至
つて
おらぬわけでありますが、国会においてはすでに
公職選挙法
につきまして
調査
をいたす目的をも
つて
、
委員会
も設置されておるような次第でありますので、この種
委員会
において種々具体的な問題につきまして論議されることであろうと思いますし、また
地方
自治法の
施行
の
状況
と相まちまして、各方面からの資料が集まりましたような場合におきましては、
地方公務員法
との関連において、
選挙
の問題についてどういう
事態
が起
つて
来たかということにつきましても、つまびらかにし得るのではないか、かように
考え
ておる次第でありまして、ただいまただちに
地方公務員法
を改正するとかどうするとかいう結論までは到達しておらぬのであります。
立花敏男
21
○
立花委員
さいぜん申しました
稚内
の市役所の
首切り
の原因は、
組合
が大会で現
市長
の立候補に対し
対立候補
を支持したということが、結局三十六條違反であるというようなことで、
市長
が
組合
の
幹部
を首切
つて
おるわけです。しかもこれに対しましては、北海道庁のお役人
たち
が、
市長
の態度は不当である、逆に
市長
自身が三十六條違反であるというようなことをはつきり言
つて
おるのです。こういう問題がやはり
稚内
の
首切り
の問題にからんでおるということを御了解の上で、
稚内
の問題の
解決
をや
つて
いただきたいと思います。この三十六條の問題に対しまして結論が出ていないというような
お話
なんでございますが、私
ども
といたしましては、こういう権力を持
つて
おるものが逆手に使い得るような
條文
は、ひとつ禁止していただきたいと思います。またこういう問題に関連して起
つて
おります問題につきましては、十分慎重にや
つて
いただきたいと思います。 それから最後にお聞きしておきたいと思いますことは、
組合
登録の問題ですが、最近
全国
的に登録拒否の問題が非常に出ておりまして、愛媛県とか、京都、あるいは
宮城
県、こういう所では、従来ありました
組合
が登録申請いたしますと拒否されております。登録につきましてどういうお
考え
で、どういう御指示をなさつたか。私
ども
聞くところによりますと、従来ありました
組合
に対しましては、できるだけ従来
通り
存続を認めて行くという方針であるということでありましたので、従来円滑にや
つて
参りました
組合
が登録いたすにつきまして、拒否されるようなことは私
ども
予期してなかつたのですが、京都のような大きい
組合
も拒否されております、
宮城
、愛媛などでも実際上拒否されている実情にありますので、登録に関しまして一体どういうような指示をなさつたか、またどういうお
考え
をお持ちなのですか、承
つて
おきたいと思います。
藤井貞夫
22
○
藤井説明員
職員団体
の登録につきましては、
全国
的に見ますと、大体順調に推移いたしておるようでありますが、今御
指摘
になりましたような所で、若干登録拒否と申しまするか、そういうような
事態
が起きておりますことも事実で、あります。しかし私
ども
といたしましては、
職員団体
の登録について格別の方針とか指示はいたしておりま
せん
。ただ法の命ずるところに従
つて
、適法な登録申請がなされれば、これが登録せられることは当然のことであるというにとどまるのでありまして、問題の起
つて
おりまするような所では、法的の手続等について可否があるために、そういうような
事態
が起きておるというふうに
考え
る次第であります。
立花敏男
23
○
立花委員
私
ども
は
藤井
さんのように、何と申しますか、ぎこちのないような解釈の仕方はしてなかつたし、またそういう
説明
でもなかつたと思うのです。従来ありまして円満にや
つて
いる
組合
は、一応申請の手続さえともれば、そのままずつと存続できるというふうに解釈しておつたわけです。あなたの御
説明
では、五月十一日までに申請をやらせ、従来のものはできるだけ認めるようにするということであつたと、私
ども
了解しておつたわけで、
藤井
さんの言われるように、單に
法律
上の形が整
つて
おれば、それでいいのだというようなことではなかつたと思うのです。もつと現実に即して、現在あります
組合
は、一応申請はするが、そのまま認めるというふうに理解しておつたので、今度の問題が
宮城
、愛媛、京都などで起
つて
おりますことは、非常に私
ども
潰憾に思うのです。しかも
内容
から見ましても、この登録拒否は明らかに不当なんで、これはやはり十分
調査
していただきたいと思います。京都などは
懲戒
処分
を受けました者が
組合
員に
なつ
ておるからいけないとか、あるいは水道等単純労務者を
組合
員に含んでいるからいけないとか言
つて
おりますが、水道単純労務者を含んでおりますのは、京都以外の
組合
にもありまして、それが認められているのに、京都だけこういう問題で拒否している。あるいは役員の得票数が
組合
員の過半数に達していないというような
理由
を言
つて
いるのです。
委員長
とか
書記長
とか、こういうものは一人ですから、過半数をとることができますが、執行
委員
が十人も十五人もおりましては過半数をとれないのは当然で、執行
委員
十五人一人々々が過半数をとつたりなんかいたしますとたいへんなんで、十五人の執行
委員
の全部が過半数をとらなければならないとすると、十五名連記制にするとか、そういうことをやらなければしかたがなくなる。こういう明らかに不当な條件を並べまして、そうして登録を拒否して、
組合
としての完全な
活動
ができないような
状態
に置いておくということは、何としても不当ではないか。しかも私
ども
が
地方公務員法
の審議にあたりまして、あなたの方から
説明
を受けましたところでは、従来円満に
組合
運動をや
つて
おりましたところは、できるだけ認めるようにするというような
お話
であつたように了解いたしておりますので、どうもおかしいと
考え
るのです。京都などの登録拒否の問題は、十分ひとつ
調査
していただきまして、適当にや
つて
いただきたいと思います。京都の登録拒否の問題を、
自治庁
の方では御存じでありますか。
藤井貞夫
24
○
藤井説明員
大体の話は連絡を受けております。
立花敏男
25
○
立花委員
今言いました水道單純労務者を
組合
員に含んでいるからいけないという
理由
、あるいは役員の執行
委員
などの得票数が、全員の過半数に達しないからいけないという、こういう具体的な問題もお聞きでありますか。また具体的にお聞きであれば、こういう問題についてどういう御
意見
を持
つて
おられますか。
藤井貞夫
26
○
藤井説明員
そこまでの
内容
のこまかいことは、まだ口頭あるいは書面等においても
報告
を受けておりま
せん
ですが、想像いたしまするに、もしそういう
理由
をもとにして拒否したということでありますればこれは御承知のように公益企業
職員
等につきましては、
地方公務員法
の付則二十項におきまして別個の
法律
ができまするまでは、
従前
の取
扱い
によるということに
なつ
ておりまして、この方はいわゆる
労働組合法
の
適用
等も受けて参る
状態
が続いて参るわけであります。そういう意味で、
地方公務員法自体
の
内容
についての規定の
適用
は受けないわけでありますので、法的にはそういうようなことに解せざるを得ないことになるではないかというふうに
考え
る次第であります。なお役員の
問題等
についても、これは全員の多数決というふうに法五十三條第三項に明記されておりまするので、その規定を援用いたしまして、
当局
といたしましてはそのような主張をいたしているというふうに想像される次第であります。
立花敏男
27
○
立花委員
だからその法にそういう明記がありまして、それを機械的にやりますと、今言いましたように、十五人の執行
委員
は
組合
員の過半数をとらなければいけないということに
なつ
て参ります。これはどうもおかしいので、
委員長
とか、
書記長
とか、副
委員長
とか、一人であります場合は、過半数をとり得ますが、十五人もおります執行
委員
が、
組合
員の過半数をとることはありま
せん
から、そういう問題につきましては、法の解釈上やはり何とかや
つて
いただかないと、
法律
にそうあるから、お前の方の執行
委員
は過半数をと
つて
ないから拒否するということに
なつ
て参りますと、まつたくこれはめちやくちやであります。その結果といたしまして、今まで完全に
組合
として存続し、また
当局
とも
折衝
して、円満に
仕事
を運んで参りました京都の
組合
が拒否されるということが、実際問題として現われておるわけなのであります。この問題はどうなんですか。やはり執行
委員
も過半数をとらなければいけないとお
考え
になりますか。
藤井貞夫
28
○
藤井説明員
この点は法の建前といたしましては、あくまで全員の多数決ということに
なつ
ておりますから、なるほど同時に十人なら十人の執行
委員
が過半数参をとることはできないかもしれま
せん
が、それは連記制なり、あるいは個々の人について投票その他の議決方法をとりますれば、全員の多数決ということになるわけでありますから、その点につきましては、第三項の趣旨からい
つて
、
当局
側のと
つて
おる態度が正しいのではないかと私は
考え
ております。
立花敏男
29
○
立花委員
それじや十五人おれば十五人、一人々々
選挙
をやらなければいけないのですか。執行
委員
は十五人に限りま
せん
ので、
組合
が大きいと二十人も三十人もおります。三十人もおる執行
委員
を全部一人ずつ
選挙
して、過半数あるかどうかをきめなければいけないという解釈ですか。私
ども
はそういう解釈ではなしに、当選しておる執行
委員
全体として、
組合
の過半数の支持がかあればいいという解釈もできるのではないか。また執行
委員
につきましては、これは役員と申しましても、実際上この人
たち
は常時
組合
の役員的な
仕事
はあまりしていないわけでありますので、こういうものまでに過半数制を機械的に当てはめる必要があるか。
組合
といたしましては、最近では
組合活動
が非常に制限されておりますので、十五人、二十人、三十人というような執行
委員
の一人々々を採決する時間はとうていございま
せん
し、そんなばかげたことをや
つて
おりますれば、
組合
員がいやに
なつ
て来なくなるわけでありますから、こういうものにつきましては、もつと実情に
ほんとう
に即したやり方なり、法の解釈があると思うのですが、そういう点については何もお
考え
に
なつ
ておられま
せん
か。
藤井貞夫
30
○
藤井説明員
ただいまの問題は、
立花委員
が前段にお述べになりました解釈が、法の解釈といたしましては正しいのではないかと思
つて
おります。なお今御
指摘
になりましたような点は、十五人なら十五人の
委員
について一括してその替否を問う。その他の方法をも
つて
しても現実的にはそれほど不都合な結果は起らないようになると思
つて
おります。
立花敏男
31
○
立花委員
一つの
解決
の答えが示されたわけですが、それじや現在二十人の執行
委員
を信任投票いたしまして、過半数の信任投票があれば、一人々々が過半数をと
つて
いなくてもいいという解釈もできるわけですか。
藤井貞夫
32
○
藤井説明員
結局形式的には一人一人が過半数をとらなければいけないということになるわけであります。
立花敏男
33
○
立花委員
藤井
さんのさいぜんのお言葉では、何か執行
委員
に対して全体として過半数が信任すれば、それが一人一人に対して過半数の信任が得られたと同じように
考え
るという御
説明
があつたと思いますが、そういう方法をと
つて
いただけると非常にいいのです。こういう形の上で非常にきゆうくつな形をやられますと、一人々々決をとるというようなことは実際上とうていできま
せん
。しかもそれができなければ
組合
としての登録を拒否するというようなことは、事質上何も意味がないと思う。そういうようなことをなぜやらなければいけないのか。向うの指示か何かあるといたしましても、こんな日本の
組合
の実情に即しないようなことは、当然何らか便法があ
つて
しかるべきと思いますが、それをお
考え
にならないのですか。これでやられますと、ほとんどすべての
組合
は登録を拒否されてもやむを得ないことになる。一人々々の執行
委員
が過半数を得たというような
組合
はないだろうと思う。執行
委員
一人々々について投票をやつたという
組合
は、日本中にないだろうと思います。これで拒否されますと全部の
組合
は拒否されます。そういう点で実情にそぐわないとお
考え
に
なつ
ていないのですか。何か便法をお
考え
になる
考え
はないのかどうか。
藤井貞夫
34
○
藤井説明員
これは先刻から繰返して申し上げておりますように、非常に重要な事項でありますから、全員の多数決によらなければならぬというふうにいたしておるわけでありまして、建前といたしましては一人々々ということになりましようが、ただ便宜手段といたしまして、甲乙丙丁戊というふうに五八の名前をあげて、それに対する賛否の投票をや
つて
行くような方法が行われることは、ときとしてあり得るかと思いますけれ
ども
、ただ形式的に、結論的に見ますと、五人なら五人の一人々々が全員の多数決によ
つて
選出されたという建前になりま
せん
と、この第三項の要件には該当しないということに相なると思います。
立花敏男
35
○
立花委員
しかしこんな問題で登録を拒否されてはたまらぬと思います。しかもこの問題につきましては
組合
と事前に十分の
折衝
も何もなしに、ぽかつと登録を拒否して来たわけですが、こんなやり方をすれば
組合
としても勢い感情的にならざるを得ない。こういうように一人々々の執行
委員
が過半数を得ていないから拒否するということになると、全部拒否することになる。日本の
地方公務員
の
組合
で一人々々決をとつた
組合
なんかない。これを全部やるとしたら全部登録できま
せん
。登録できなければ
組合
としての完全な
仕事
ができないわけです。こういうことを頭ごなしにばんとやられたらたまらぬと思う。登録の問題は、今まで円満に
仕事
をや
つて
参りましたような
組合
は、形の上で登録するのだから、実際上はできるだけ認めるようにするという気持も、おありのように聞いておりましたので、安心しておりましたが、こういう問題をたてにと
つて
、執行
委員
の一人々々が過半数をと
つて
いなければ、お前のところは拒否するというのでは、しかも
組合
と何らの
話合い
なしに、ぽかつとやられると困りますので、この点は慎重に扱
つて
もらいたいと
考え
ます。 以上述べましたように、
地方公務員法
の
施行
に伴いましての
関係法令
の
整備
という問題は、
地方公務員法制定
によりまして、重大な制限を受けました、働く者としての
地方公務員
の
利益
を守
つて
やるための
関係法令
の
整備
という点に、
重点
を置いていただきたいと思います。そういう問題がいたずらにないがしろにされまして、片一方では
吉田総理
の言うようにやれ三割減員するとか、あるいは各省でどんどん
首切り
が出て来るとか、登録拒否か出るとか、こう
なつ
て参りますと、かんじんの自分
たち
の
利益
を守
つて
もらうための法令が
不備
であ
つて
、しかもどんどん
首切り
や、あるいはその他の形の圧迫の方が強く
なつ
て参るというような実情に
なつ
ておりますので、私
ども
はこの際
政府
に対しまして、あくまでこの
労働者
の
権利
を制限するのであれば、それに
伴つて
起るところのいろいろな不
利益
な問題につきまして、それを補足するに足る法令の
整備
という点に
重点
を置いていただきたい、これをお願いしまして質問を終ります。 なお当面問題に
なつ
ております
稚内
の
首切り
の問題、あるいは
宮城
の
首切り
の跡始末、京都の登録拒否の問題、こういう具体的な問題が残
つて
おりますので、これの具体的な処理につきましては、
地方
の
当局
とお打合せの上愼重にや
つて
いただくことを、最後に述べて終ります。
河原伊三郎
36
○河原
委員長代理
門司亮
君。
門司亮
37
○
門司
委員
私はごく簡単に一言だけお聞きしておきたいと思います。今
立花
君から
意見
のありました
地方公務員法
の
適用
の問題でありますが、実は
地方公務員法
の中の
選挙
に関する問題で、一般
公務員
の
選挙
に関する違反に対しては、行政
処分
が行えるように
なつ
ております。ところが特別職に対する
違反行為
に対しては、当然
公務員
としては違反だと
考え
られるが、しかしそれには制裁が困難であるということが、一応
考え
られるのであります。この点について
当局
はどういうふうにお
考え
に
なつ
ておるか。一例をあげて申し上げますと、横浜で、特別職であります教育
委員会
の諸君が、
委員会
の連名の公文書で
選挙
運動を実はや
つて
おるのであります。これは教育
委員会
の事務局を通じて各校長あてに指令を出して、そして横浜の十区の小学校の教員を集めて、特定の候補者の応援をさせるというようなことをや
つて
おるのであります。従
つて
公務員
としての
選挙
違反は一応成り立つと思いますが、しかしそれには特別職でありますことのために、行政上の
処分
が法的にはないと思いますけれ
ども
、こういう問題について
当局
はどういうようにお
考え
に
なつ
ておりますか。その点たけをお聞きしておきたい。
小野哲
38
○
小野
(哲)
政府委員
技術的の点につきましては、
藤井課長
からも御
説明
いたしたいと思いますが、大体
地方公務員法
の当初の
考え
方といたしましては、さような場合においても、ある程度罰則の規定が
適用
し得るような
考え
を持
つて
おつたのであります。しかし国会の御審議の過程で御修正がありまして、今
施行
に
なつ
ておるような
地方公務員法
に
なつ
たわけであります。従いまして、ただいま
お話
のありましたような職種のものにつきましては、やはり公職
選挙
に関する法令の一般原則によるしか方法がないのではないか、かように
考え
ております。
門司亮
39
○
門司
委員
そうすると、三十六條の規定は特別職には全然
適用
はないことに
なつ
て参りますので、従
つて
公職選挙法
違反以外には、どうにもならない、こういう結論になると思います。そうすると、結論的に申し上げますと、特別職は
地方公務員法
に書かれている違反をや
つて
も、行政上の
処分
を受けなくてもいい、こう解釈をしてよろしゆうございますか。
小野哲
40
○
小野
(哲)
政府委員
御説の
通り
であります。
門司亮
41
○
門司
委員
そうすると、道義的な問題が次に起
つて
来るわけであります。当然法に対する違反であるが、しかし
処分
をする規定がないから、
処分
しなくてもいいのだということに
なつ
て参りますと、おのずからそこには道義的な問題が起
つて
来るわけであります。その道義的の問題に対して、法がそれを罰する規則がないから、結局違反をや
つて
もいい、違反を奨励する——奨励と言
つて
は言い過ぎかもしれないが、かまわないということに
なつ
て、法の精神がまつたく没却される危険性がそにあると思う。これが法の一つの
欠陷
であるといえば
欠陷
であり、ポケットであるといえばポケットであると思いますけれ
ども
、それに対する道義上の責任というか、道義上の制裁というものは、私は法がなくても当然あるべきだと
考え
ておりますが、これに対する
当局
の御意尾をお聞きいたしたい。
小野哲
42
○
小野
(哲)
政府委員
公職
選挙
に関する一般的な法令の原則によらなければならないと
考え
でおることを申し上げたわけでありますが、ただいま御
指摘
のような、個人々々の
立場
においての道義的な責任の問題になりますと、要は個人々々の良識に基いた行動なり、判断にまたなければなるまいかと
考え
ておるわけであります。ただ一般職である
地方公務員
につきましては、地法
公務員法
の直接の
適用
があるし、特別職につきましては、
地方公務員法
の
適用
がありま
せん
ので、
法律
の建前といたしましては、
門司
さんから御
指摘
のように取
扱い
をせざるを得ない。ただ道義上の問題といたしましては、それぞれ個人における良識のある判断による行動にまつしかないのではないか、かように
考え
る次第であります。
—————————————
門司亮
43
○
門司
委員
この機会に
委員長
にお諮りを願いたいと思いますことは、今内閣
委員会
にかけられております、北海道開発法の一部を改正する
法律案
の
内容
でありますが、これは従来の北海道開発法を改正して、国の直営で
仕事
を行うということに
なつ
て参
つて
おりますが、この問題については、一昨日の
知事会
議におきましても非常に取上げられて、
知事会
議といたしましては、
地方
自治体との関連が必ずしも円滑に行かないであろうという声明書を出しておるわけであります。従
つて
見ようによりましては、たとえば
地方
財政法第十二條に書いております。例の、国は
地方
公共団体に経済的の負担を負わせるような施策を講じてはならないというようなことと、多少関連を持
つて
来ると思います。同時に自治行政の上から申しましても、
知事会
議の声明書等は妥当であると
考え
ております。従
つて
北海道開発法の一部改正に関する
法律案
の審議に対しまして、当
委員会
といたしましては合同
審査
の要求をいたしていただきまして、なおこれの
内容
を検討する必要があると
考え
ておりますが、
委員長
はこの点しかるべくおとりはからい願いたい
河原伊三郎
44
○河原
委員長代理
ただいま
門司
君からの御発言によりまして、内閣
委員会
に北海道開発に関する問題について合同
審査
を申入れよう、こういう御発言があつたのでありますが、これをいかにいたしますか、お諮わいたします。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
河原伊三郎
45
○河原
委員長代理
それでは申し入れることにいたします。
—————————————
河原伊三郎
46
○河原
委員長代理
なおこの際お諮りいたします。請願に関する小
委員会
の設置をいたしたいと思うのでありますが、本
委員会
に付託されました請願は、全部で九十件でありますので、これら請願
審査
のため、小
委員会
を設置いたしたいと思いますが、御異議ありま
せん
か。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
河原伊三郎
47
○河原
委員長代理
御異議ないようでありますから、さよういたします。 つきまして、その小
委員
及び小
委員長
の
選任
は、
委員長
より
指名
するに御異議ありま
せん
か。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
河原伊三郎
48
○河原
委員長代理
それでは御異議なしと認めまして、
委員長
より
指名
することにいたします。つきまして、都合によ
つて
本日の公報をも
つて
指名
することにいたします。さよう御了承願います。 本日の
会議
はこれをも
つて
とじることにいたします。 午後零時四十九分散会