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1951-05-26 第10回国会 衆議院 地方行政委員会 第37号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十六日(土曜日)     午前十一時四十三分開議  出席委員    委員長代理 理事 河原伊三郎君    理事 野村專太郎君 理事 龍野喜一郎君    理事 藤田 義光君       池見 茂隆君    大泉 寛三君       尾関 義一君    門脇勝太郎君       吉田吉太郎君    床次 徳二君       久保田鶴松君    門司  亮君       立花 敏男君  出席政府委員         地方自治政務次         官       小野  哲君  委員外出席者         総理府事務官         (地方自治庁         公務員課長)  藤井 貞夫君     ————————————— 五月二十四日  委員石原登辞任につき、その補欠として中島  守利君が議長指名委員選任された。 同月二十五日  委員佐藤親弘君及び門司亮辞任につき、その  補欠として尾関義一君及び淺沼稻次郎君が議長  の指名委員選任された。 同月二十六日  委員淺沼稻次郎辞任につき、その補欠として  門司亮君が議長指名委員選任された。     ————————————— 五月二十三日  公職選挙法の一部改正に関する請願(今野武雄  君紹介)(第二三八四号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長選任に関する件  連合審査会開会要求に関する件  地方公務員法制定に伴う関係法律整理に関  する法律案内閣提出第一六七号)(予)     —————————————
  2. 河原伊三郎

    ○河原委員長代理 これより会議を開きます。  委員長が都合によつて欠席されましたので、御指名によつて私が委員長の職務を行います。  それではこれより地方公務員法制定に伴う関係法律整理に関する法律案を議題として、質疑を続行いたします。なお念のために申し上げますが、本案は予備審査であります。質疑を許します。
  3. 立花敏男

    立花委員 五月七日の朝日新聞に、吉田総理構想といたしまして、リツジウエイ声明に伴いましての、行政整理行政機構改革の問題が出ておるのですが、その中で三割以上の大幅な行政整理をやるということが発表されておるのですが、この問題は中央地方を含んでの構想かどうか、これをひとつお伺いしたいと思います。
  4. 小野哲

    小野(哲)政府委員 お答えいたします。ただいま立花さんから行政整理等の問題についての御質問でございますが、どういうふうな内容であつたか、また真否の点につきましては、私としてはつまびらかにいたしておりませんので、ここで具体的にどうこうというお答えはいたしかねるわけでありまして、地方自治庁といたしましては、いまだ地方関係において、行政整理をするという考えのもとに、具体的な案を取進めておるということはないわけでございます。
  5. 立花敏男

    立花委員 ところが実際問題といたしまして、現在全国地方に人員の淘汰が大分出ているわけですが、これは吉田総理の言われております行政機構改革の先駆をなすものではないかと思う。きようの朝日新聞にも、中央地方人事交流の問題が出ておりまして、中央人事交流連絡協議会というものがつくられるということが発表されておりますが、そういうことを政府の方ではお考えなつておりますか。
  6. 小野哲

    小野(哲)政府委員 行政整理等の問題につきましては、いまだ地方自治庁としては、関知しないところでありまするし、またただいまお話になりました人事異動の点について、何らか協議会のようなものができたということは、地方自治庁が關與いたしておるのではないのでありますことを申し上げておきたいと思います。
  7. 立花敏男

    立花委員 しかし地方の問題を統括される自治庁といたしまして、中央地方との人事交流が行われ、その中央における人事交流連絡協議会というような機関ができるということにつきましては、これは大分大きな問題であり、当然御存じのはずだと思うのですが、これは何ら自治庁とは関係なしに、また自治庁は何らお知りになつていないというようなもので、まつたく私的なものであるというふうに理解してよろしいのですか。
  8. 小野哲

    小野(哲)政府委員 今お話になりましたような協議会のごときものは、おそらく、全国知事会がございますので、この知事会といたしまして、自主的にさようなものを設けて、いろいろ相談をいたしたい、かような考え方から出ているものと思います。ただ依頼がございましたような場合におきましては、地方自治庁という立場上、この間のあつせんをするということは、決してやぶさかでない、かように考えている次第であります。
  9. 立花敏男

    立花委員 行政整理の問題を私ども問題にいたしますのは、現在すでに地方行政整理が出ておりまして、それが今問題になつております。地方公務員法施行に伴いまして、重大な不安を地方職員に與えておるという事実があるからであります。現在すでに首切りが出ておりますのは、宮城県庁、それから北海道の稚内市役所、それから最近うわさに上つておりますのは、青森県におきまして、四百人ないし五百人の首切り、それから長野県の松本市におきまして、大体二割の天引き整理、これは市街から通勤いたしております者を全部淘汰するというような情報が入つておりますが、こういうようにずつと地方行政整理の形が出て来ているわけです。それに対しまして、地方公務員法施行されまして後、これに対して十分地方員長が安んじて仕事のできないような現状にありますので、今回地方公務員法制定伴つて関係法令整備をなさるのであれば、この問題もひとつ重点においていただきたい、こう考えまして、具体的にお尋ねしたいと思うのですが、宮城県庁首切りの問題につきまして、自治庁の方ではどういう情報をお持ちになり、どういうふうにお考えでございましようか。
  10. 藤井貞夫

    藤井説明員 宮城の件につきましては、県当局の方から一応の報告だけは受けております。その報告内容について申し上げますると、勤務成績その他いろいろな観点から見まして、公務員としてあまり勤務成積等がよくないと思わるような人その他の人につきまして、大体十六名でありますが、これに対して自主的な退職の勧告を行つたものでございます。しかしその後本人が弁明書を出し、またいろいろ釈明をいたしました結果、当局といたしましてもこれを了といたしまして、その結果二名たけが結局依願退職の形になつたという程度のことを報告を受けております。
  11. 立花敏男

    立花委員 ところがこの十六名と申しますのは、全部が全部組合委員長書記長執行委員等、いわゆる組合幹部なんです。これが一括して首を切られておりまして、これは今理由としてあげられました勤務成積の問題とはやはりおのずから別じやないか。客観的に見ましても、組合の全幹部が一括してこういう行政整理対象になるということは、何と申しましても、これは単なる勤務成績の問題じやないと思うのです。しかも断つておきますが、この中には共産党員は一人もいないわけであります。組合幹部を一括いたしまして、委員長以下全部勤務成績が不良だというようなことは、とうてい常識上でも考えられませんので、今お述べになりました自治庁情報としての県庁からの報告勤務成績云々の問題は、これはあくまでも表面的な理由であつて、もつ一深い根本的な理由があるのではないかと思うのですが、これにつきましては、自治庁の方では深くお調べになつておられないのでございましようか。
  12. 藤井貞夫

    藤井説明員 ただいままでのところでは、われわれ報告を受けておりますのは、先刻申し述べました通りでありまして、それが勤務成績ということだけではなくして、組合幹部対象として行われた、特にそういう作為的なものとして行われたかどうかということについては、ただいま正確な情報を持ち合せておりません
  13. 立花敏男

    立花委員 作為的であつたかどうかは別といたしまして、客観的に見まして、十六人が全部委員長以下組合幹部であるということ、私どもはまずそういう事実に基いて判断をしなければいけないと思うのです。これは、やはり單に勤務成績の問題ではなしに、組合活動の問題であるというふうな推定は、当然一応の常識があれば考えられると思う。私どもそういう観点から調べてみますと、実際この問題に関しましては、昨年末の越年資金組合における獲得要求と非常に密接に結びついております。その問題で、とにかく一応年末資金を獲得いたしましたが、それにつきまして、県の財政に非協力的であるとか、あるいは知事の意志に反するとかいう問題が主になりまして、今度の問題が起つておるという事実を発見いたしまして、だからこそ組合執行委員長以下幹部十六名が一括して、こういう退職処置を受けたというふうに理解いたしましたし、またその方が私妥当じやないかと思うのです。やはり自治庁といたされましても、こういう重大な問題は、そこまではつきり調査なり、何なりなさる必要があるのじやないかと思いますが、その点で、こういう問題は、自治庁では何らお知りにならないのかどうか。しかもこれはすでに現地におきましては、地方労働委員会も取上げておりますし、あるいは東北大学の中村重夫教授も、知事との間にあつせんに立たれまして、一応和解が成立したこともありますし、これは地方的には重大問題なんです。そういう点を自治庁としてお知りにならないのか。特に公務員課長とされまして、地方公務員法施行後の過渡期における重大な問題だと思うのですが、單に県庁の一方的な、勤務成績云々報告だけで、何ら実態をつかんでおられないのは非常に遺憾だと思うが、この点はどうなんですか。
  14. 藤井貞夫

    藤井説明員 実はこの点についての県当局説明を聴取いたしましたのは、ごく最近のことでございまして、その内容につきましては、一応先刻申し上げましたような経過で、今立花委員の御指摘もありましたように、現実に退職いたしましたのは二名で、その二名についても、当事者の間に話合いがついた、こういう結果もあわせて報告を聽取いたしましたので、私の方といたしましては、それ以上積極的に調査をするということは、現在のところいたしておらないような状況であります。
  15. 立花敏男

    立花委員 これが実はさいぜん申し上げましたように、今問題になつております地方公務員法制定に関する関係法規整備の問題と非常に重大な関係がある。地方公務員法施行伴つて非常に不備な点がある。ただいま大体話合いがついたと申しますのも、一口に申しますと泣き寝入りといいますか、まつたく知事と個人的な折衝によつて泣寝入り的解決がおもでありまして、ほんとうに公正な民主的な解決はやられていないわけです。その民主的な公正な解決がやり得ないという地方公務員法施行後の大きな欠陷があるわけなんです。これを解決していただき、法の不備な点は整備するというふうにしていただきたいと思います。問題は宮城県だけではなしに、さいぜん述べました稚内で、やはりこれと同じような首切りが、ただいま十数名出ているわけなんですが、これなんかも、実はまつたく宮城県と同じような、地方公務員法施行後の法の不備によるころの紛争が起つているわけなんです。これに関しましては、どういたしましても、やはり整備していただきたいと思うのです。その法の不備の点を申し上げますと、首を切られましても、何ら訴えるべき機関がない。宮城県の場合に、地方労働委員会に提訴いたしましたが、地方労働委員会の方では取上げていない。そうして五月十二日以後におきましては、もちろんお前たちはもう労働者でないのだから、地方労働委員会の問題ではないというふうに拒否されますし、あるいは知事組合として団体交渉しようといたしますと、もうお前たち団体交渉権利がないのだという形で交渉もできませんし、人事委員会も六月十二日まではまだつくられておりませんので、結局待つて行き場所がないわけなんです。裁判所に持つて行つたらいいじやないかという御意見もあるでしようが、こういう問題の扱いにつきましては、当然特別の機関がつくられなければいけません。新しい地方公務員法という法律によりまして、従来の労働者をある程度束縛いたします以上は、それに関しましての不利益処分、あるいはこういう不当労働行為のような問題につきましては、やはり特別の民主的な解決機関が必要だと思うのですが、それが非常に不備なわけなんです。結局首は切られつばなしで、どこに持つて行つても相手にしてくれないという形ができまして、こういう不当な扱いを受けましても、結局個人的な折衝泣寝入りということになつているわけなんです。しかもそれに対しましても地方自治庁が表面上だけ観察なさつて、問題が済んだようだからいいのじやないかという扱いを受けましては、地方職員といたしましては、はなはがしく不満に感ぜざるを得ないと思うのです。こういう点で不備をお感じなつていないか。あるいは不備をお感じなつているとすると、どういうふうな形で問題を処理すればいいのか。たとえば現在の瞬間におきまして、首切りでこういう不利益処分、あるいは不当労働行為に類するような行為が起りました場合に、地方職員はどの機関にどういう手続で訴えればいいのかはつきりしないわけなんです。あるいは職員委員会というものがあるじやないかというふうに言われるかもしれませんが、これは地・公務員法施行される以前からありまして、しかもこれは決して懲戒に関しての決議権も何も持つておりませんし、まつたく協議会的なものでございまして、これが十分地方職員の身分なり、あるいはその他の利益を守れるとは思えませんので、現在の瞬間におきましても、大きな不備があるだろうと思う。六月十二日になりません人事委員会も発足しないのですから、しかも地方労働委員会は、すでに五月十二日以後地方公務員の問題は扱わないということになつておりまして、非常に困るわけです。具体的に現在の瞬間にそういう問題が起つた場合に、一体地方公務員はどこに問題の処理を持ち込むのがいいか、これをひとつお聞かせ願いたい。宮城県の知事などは、労働組合はもうなくなつたのだ。組合なんかなくなつているのだ。当然組合はこういう首切りの問題などについては、知事交渉することもできなくなつているのだということを盛んに流布いたしておりまして、こういう不当な首切り処置を受けましたものは、まつたく泣寝入りなんです。個人的にどうにもしかたがないというような状態なつておりますので、この点をひとつ具体的に御説明願いたいと思います。藤井説明員 ただいまのお話でございますが、六月十二日までということが、人事委員会設置期限なつておりますので、現在知事選挙のございました府県におきましては、人事委員選任について目下人選を進めておる状況であります。この委員会ができましたならば、不利益処分等について、完全な態勢ができ上ることになるわけでありまして、現在これができませんところにおきまして、御尋ねのような首切り問題等があつた場合に、どうなるかということについてでありますがこれは立花委員も御指摘になりましたように、現在は人事委員会ができますまでは従前の例によるということに相なりまするので府県におきましては職員委員会があり、また市町村においては町村吏員懲戒審査委員会というものがございまして、分限懲戒等に関する事項は、これらの機関に諮らなければ処分ができない。その議決を経て初めて処置ができるということになつておるのでありますから、その点について不当な行き過ぎ処置というものはないのではあるまいかというふうに考えられるのであります。ただ今宮城県の場合等のごときは、これは別に懲戒等をやつたわけではないのでありまして、発令の形式も依願退職というようなことになつておるというふうに聞いておるのであります。ただ私たちといたしましては、現在地方公務員法自体職員団体関係條文といたしまして、不利益処分と申しますか、従来の労働組合法上の不当労働行為に該当する行為も禁止いたしております。その條文の精神から申しましても、そのような事態が起つて参りますことは、これはもちろん健全なる職員団体活動ということを育成いたして参ります建前からしても不適当でございますので、そのような事態のないように、なお指導には万全を期して参りたいというふうに考えておる次第であります。
  16. 立花敏男

    立花委員 人事委員会が六月十二日にできますまでは従前の例によるとおつしやられますが、すでに労働委員会は五月十二日で、地方公務員に対する不当労働行為などの事案の審査を拒否している。これは従前の例によると申しましても、労働委員会自体が拒否しておる。この宮城の問題は、十二日以前に提訴しているのですが、この場合にもやはり実質上拒否したわけです。理由といたしましては、地方労働委員会の改選で、まだ後任が決定していないとか何とかいうことですが、十二日に拒否しておりまして、従前の例によるということが、少くとも地方労働委員会においては、まつたく空文であるということが言えると思います。それから藤井課長がおあげになりました職員委員会、あるいは懲双審査委員会の問題ですが、これはさいぜん申しましたように、あくまでも諮問機関的なものでございまして、真に民主的な公平な最終的な決定のできる機関ではないということは、これは御承知の通りであります。それで地方公務員法施行される以前にありましたこういう機関地方公務員法によりまして地方公務員労働三法適用から除外され、特に人権を大幅に制限されるような場合に、従前にありました職員委員会あるいは懲戒審査委員会十分利益が守れるはずはないわけなんです。これで十分地方公務員利益が守れるのであれば、特に人事委員会をつくる必要はないわけです。屋上屋を架するように、この人事委員会をつくる必要はありませんので、人事委員会をつくる必要を認められましたのは、やはり何といいましても従前機関によりましては、不十分であるということを認めての上だろうと思います。そういたしますと、六月十二日にこの人事委員会ができますまでの空白状態を、單に職員委員会とか懲戒審査委員会にまかせておけば十分だということは、これは理由にならないと思います。当然新しく地方公務員法制定いたしまして、非常に特殊な人権の制限を行い、労働者としての権利を守る労働三法適用除外決定いたしました以上は、当然従来の機関よりも、もつと民主的な、もつと労働者のために公正な決定のできる機関を置かなければいけないと思いますが、その間がまつたく空白なつているわけです。六月十二日に人事委員会ができますまでは、まつたく空白なんです。現在全国的に見ましても、人事委員会ができているのは非常に少くて、私どもの聞いておりますのでは青森とか高知とか大分とか、その他二、三の県だけでございまして、ほとんどがまだできていないというような状態なんです。ただいま言われましたように地方選挙もございましたし、まつたくこの点は空白状態なつておるわけです。この点をひとつ整備していただきたい。特に法の不備の間に起きました問題に対しましては、十分慎重に調査されまして、ほんとう労働者立場に立つて処置をしていただきたい、こう思います。地方公務員法制定伴つて関係法規整備という問題は、やはりこの問題が重点ではないか。單に形式的な関係法規整備ではなしに、この問題を私は重点に置かなければいけないのじやないか。と申しますのは地方公務員法自体の性格からいたしまして当然なことですが、地方公務員法は何と申しましても、その重点地方公務員から労働者としての当然の権利を奪いまして、労働三法適用を除外するという点が重点なのでございます。そういう意味から申しましても、この労働者の重大な民主的な権利を制限する以上は、それに伴つて起るところの法の不備をどうして補うかということこそが重点にならなけれげならぬと私は思う。ところがこういう問題はあまり問題にされていない。そうして最初小野さんにお聞きいたしましたように、行政整理をやる、あるいは機構整備をやるというようなことが一方的に実施された。実際問題としてこういうような形で、全国的にどんどん起つて参りますと、地方公務員といたしましては、非常に一方的な措置だというふうに感せざるを得ないのですが、この地方公務員法施行後の、こういう欠陷についてお気づきなのかどうか、またそれに対しまして、十分地方公務員の働く者としての立場を守るような措置をおとりになるお考えがあるのかどうか。特にこの間に起きました宮城とか、あるいは現在問題になつております稚内などの問題を、ほんとうに働く地方公務員立場から、誠意をもつて解決なさる御意思があるのかどうか。これをひとつ承つておきたいと思います。  藤井さんの答弁を聞いておりますと、ただ県庁の方からの勤務成績云々というような、非常に表面的な調査しかなさつておられませんので、それではほんとう地方公務員立場に立つての親切な解決ができないのじやないかと思います。私ども宮城の問題だけだと思つておりますと、稚内の大きな問題が起つて参りまして、稚内のはもつと露骨なんです。これは今度の選挙に関連いたしておりまして、前の市長が立候補した、今度はそれに対立候補が立候補いたしまして、組合か大会で対立候補の支持を決議いたしましたところ、知事あるいは部課長らの圧迫が組合に加わりまして選挙の結果、前の市長が当選いたしましたので、その市長組合幹部連中を、十数名馘首したということがあるのでありますが、これはまつたく、非常に露骨な問題なんですが、この問題はちようど今言いました宮城の場合と同じような空白の間に起つておりますので、これに対しても十分の保障がないわけです。でありますから、六月十二日までの空白の間に、こういう問題が続々と起つて来るだろうと思います。こういう問題をやはり真剣に考え解決していただかぬと、地方公務員は安んじて仕事ができない。その点をどうお考えになりますか。また稚内の問題はお気づきでございましようか。ちよつとその点をお聞きいたします。
  17. 藤井貞夫

    藤井説明員 稚内の問題は私まだ承知いたしておりません。先刻からるるお話のありました点につきましては、先刻私からも申し上げておる通りでございますが、人事委員会、あるいは公平委員会というものの設立については、相当の準備期間を要しまする関係上、六月十二日、あるいは八月十二日までというような設置期限なつておるわけでありまして、それの設置期限との関係上、労働組合法との関係等について、若干問題が生じておりますことは、過渡的措置としてこれはやむを得ないではないかというふうに考えております。ただ御指摘のありましたような不当労働行為に該当いたしますような行為というのは、これは公務員法においても禁止をいたしておる。そういうものはあつてはならないというふうに承知いたしておるわけでありますから、そういう違反行為のないように、私たちといたしましてはできるだけの指導ということについて、万全の措置を講じて行きたいというふうに考えておる次第であります。
  18. 立花敏男

    立花委員 大体課長のお考え、また言われることはわかりましたが、実際そうやつていただきたいと思う。最初に私この問題をお尋ねいたしまして、藤井課長答弁をお聞きいたしました。これは非常に一方的と申しますか、不親切な扱い方が出ておるのじやないか、藤井課長の今言われましたこと、そのままが行動としては出ていないのではないか、お考えなり、述べれましたことは了承できますが、それを実際の面にはつきり生かしていただきたい。宮城稚内の問題につきまして調査につきましても解決につきましても十分慎重にやつていただきたい、これをひとつお願いしておきます。  もう一つは地方公務員法の三十六條の問題ですが、三十六條の問題につきまして自治庁では、今度の選挙を通じまていろいろな経験をお持ちで、ある結論が出ておるかに聞いておるのでありますが、三十六條の修正につきまして御意見をお聞かせ願いたいと思います。
  19. 小野哲

    小野哲政府委員 今回の選挙にあたりまして、地方公務員法施行と関連してどういうふうに考えておるか、こういう御質問のようでありますが、未だこの点につきましては、自治庁としての見解を申し上げるまでには至つておりません
  20. 立花敏男

    立花委員 今度の地方選挙においての検挙件数は四万五千で、そのうちの大部分八割が悪質な買収であるということは、国警の発表によつて明らかなんですがおそらく地方公務員法の三十六條に違反して今度の地方選挙で、ほとんど事件が起つていないと思う。むしろ今度の地方選挙を通じまして、市の理事者側あるいは県の理事者側から一般職員に対しての攻撃が非常にきつかつたという事実を多数知つております。部課長知事選挙、あるいは市長選挙における運動が非常に露骨をきわめまして、愛媛などでは職員の配置転換まで事前にやつておりまして、非常に露骨な運動がやられております。これがひどいところになりますと、奥さんは知事側につき、旦那さんは新しい民主戦線の候補者を推すという形で、家庭的な問題まで起つておるところがあるというのですが、こういうふうに上から攻撃が加えられる傾向が非常に強かつた、その結果下の者がいくら地方公務員法で規定しております中立性を守ろうといたしましても、守り得ない状態に追い込まれるというような状態があるのですが、こうなつて参りますと、どうしても中立性というようなものは廃しまして、自由に政治活動ができるようにする必要が、実際上できて来たんじやないかと思いますが、自治庁はこういう問題は小野さんの言われましたように、何ら結論が出ておらない、聞くところによりますと、自治庁といたしましては、だからこそよけい嚴罰主義でやらなければならぬ、三十六條に対する罰則を制定いたしまして、嚴罰主義で臨むのだというような意向をお持ちだというふうに聞いておるのですが、その点はどうなんですか。
  21. 小野哲

    小野(哲)政府委員 選挙の執行が公正かつ自由であることを、私どもは常に期待をいたしておりますし、また地方公務員法の精神から申しまして、公務員諸君の政治的な中立性が確保されることを強く望んでおるわけであります。具体的にいかなる事実があつたかにつきましては、全国各地にわたつておる問題であり、先ほど申しましたように自治庁としての見解を申し述べる機会にまでは至つておらぬわけでありますが、国会においてはすでに公職選挙法につきまして調査をいたす目的をもつて委員会も設置されておるような次第でありますので、この種委員会において種々具体的な問題につきまして論議されることであろうと思いますし、また地方自治法の施行状況と相まちまして、各方面からの資料が集まりましたような場合におきましては、地方公務員法との関連において、選挙の問題についてどういう事態が起つて来たかということにつきましても、つまびらかにし得るのではないか、かように考えておる次第でありまして、ただいまただちに地方公務員法を改正するとかどうするとかいう結論までは到達しておらぬのであります。
  22. 立花敏男

    立花委員 さいぜん申しました稚内の市役所の首切りの原因は、組合が大会で現市長の立候補に対し対立候補を支持したということが、結局三十六條違反であるというようなことで、市長組合幹部を首切つておるわけです。しかもこれに対しましては、北海道庁のお役人たちが、市長の態度は不当である、逆に市長自身が三十六條違反であるというようなことをはつきり言つておるのです。こういう問題がやはり稚内首切りの問題にからんでおるということを御了解の上で、稚内の問題の解決をやつていただきたいと思います。この三十六條の問題に対しまして結論が出ていないというようなお話なんでございますが、私どもといたしましては、こういう権力を持つておるものが逆手に使い得るような條文は、ひとつ禁止していただきたいと思います。またこういう問題に関連して起つております問題につきましては、十分慎重にやつていただきたいと思います。  それから最後にお聞きしておきたいと思いますことは、組合登録の問題ですが、最近全国的に登録拒否の問題が非常に出ておりまして、愛媛県とか、京都、あるいは宮城県、こういう所では、従来ありました組合が登録申請いたしますと拒否されております。登録につきましてどういうお考えで、どういう御指示をなさつたか。私ども聞くところによりますと、従来ありました組合に対しましては、できるだけ従来通り存続を認めて行くという方針であるということでありましたので、従来円滑にやつて参りました組合が登録いたすにつきまして、拒否されるようなことは私ども予期してなかつたのですが、京都のような大きい組合も拒否されております、宮城、愛媛などでも実際上拒否されている実情にありますので、登録に関しまして一体どういうような指示をなさつたか、またどういうお考えをお持ちなのですか、承つておきたいと思います。
  23. 藤井貞夫

    藤井説明員 職員団体の登録につきましては、全国的に見ますと、大体順調に推移いたしておるようでありますが、今御指摘になりましたような所で、若干登録拒否と申しまするか、そういうような事態が起きておりますことも事実で、あります。しかし私どもといたしましては、職員団体の登録について格別の方針とか指示はいたしておりません。ただ法の命ずるところに従つて、適法な登録申請がなされれば、これが登録せられることは当然のことであるというにとどまるのでありまして、問題の起つておりまするような所では、法的の手続等について可否があるために、そういうような事態が起きておるというふうに考える次第であります。
  24. 立花敏男

    立花委員 私ども藤井さんのように、何と申しますか、ぎこちのないような解釈の仕方はしてなかつたし、またそういう説明でもなかつたと思うのです。従来ありまして円満にやつている組合は、一応申請の手続さえともれば、そのままずつと存続できるというふうに解釈しておつたわけです。あなたの御説明では、五月十一日までに申請をやらせ、従来のものはできるだけ認めるようにするということであつたと、私ども了解しておつたわけで、藤井さんの言われるように、單に法律上の形が整つておれば、それでいいのだというようなことではなかつたと思うのです。もつと現実に即して、現在あります組合は、一応申請はするが、そのまま認めるというふうに理解しておつたので、今度の問題が宮城、愛媛、京都などで起つておりますことは、非常に私ども潰憾に思うのです。しかも内容から見ましても、この登録拒否は明らかに不当なんで、これはやはり十分調査していただきたいと思います。京都などは懲戒処分を受けました者が組合員になつておるからいけないとか、あるいは水道等単純労務者を組合員に含んでいるからいけないとか言つておりますが、水道単純労務者を含んでおりますのは、京都以外の組合にもありまして、それが認められているのに、京都だけこういう問題で拒否している。あるいは役員の得票数が組合員の過半数に達していないというような理由を言つているのです。委員長とか書記長とか、こういうものは一人ですから、過半数をとることができますが、執行委員が十人も十五人もおりましては過半数をとれないのは当然で、執行委員十五人一人々々が過半数をとつたりなんかいたしますとたいへんなんで、十五人の執行委員の全部が過半数をとらなければならないとすると、十五名連記制にするとか、そういうことをやらなければしかたがなくなる。こういう明らかに不当な條件を並べまして、そうして登録を拒否して、組合としての完全な活動ができないような状態に置いておくということは、何としても不当ではないか。しかも私ども地方公務員法の審議にあたりまして、あなたの方から説明を受けましたところでは、従来円満に組合運動をやつておりましたところは、できるだけ認めるようにするというようなお話であつたように了解いたしておりますので、どうもおかしいと考えるのです。京都などの登録拒否の問題は、十分ひとつ調査していただきまして、適当にやつていただきたいと思います。京都の登録拒否の問題を、自治庁の方では御存じでありますか。
  25. 藤井貞夫

    藤井説明員 大体の話は連絡を受けております。
  26. 立花敏男

    立花委員 今言いました水道單純労務者を組合員に含んでいるからいけないという理由、あるいは役員の執行委員などの得票数が、全員の過半数に達しないからいけないという、こういう具体的な問題もお聞きでありますか。また具体的にお聞きであれば、こういう問題についてどういう御意見を持つておられますか。
  27. 藤井貞夫

    藤井説明員 そこまでの内容のこまかいことは、まだ口頭あるいは書面等においても報告を受けておりませんですが、想像いたしまするに、もしそういう理由をもとにして拒否したということでありますればこれは御承知のように公益企業職員等につきましては、地方公務員法の付則二十項におきまして別個の法律ができまするまでは、従前の取扱いによるということになつておりまして、この方はいわゆる労働組合法適用等も受けて参る状態が続いて参るわけであります。そういう意味で、地方公務員法自体内容についての規定の適用は受けないわけでありますので、法的にはそういうようなことに解せざるを得ないことになるではないかというふうに考える次第であります。なお役員の問題等についても、これは全員の多数決というふうに法五十三條第三項に明記されておりまするので、その規定を援用いたしまして、当局といたしましてはそのような主張をいたしているというふうに想像される次第であります。
  28. 立花敏男

    立花委員 だからその法にそういう明記がありまして、それを機械的にやりますと、今言いましたように、十五人の執行委員組合員の過半数をとらなければいけないということになつて参ります。これはどうもおかしいので、委員長とか、書記長とか、副委員長とか、一人であります場合は、過半数をとり得ますが、十五人もおります執行委員が、組合員の過半数をとることはありませんから、そういう問題につきましては、法の解釈上やはり何とかやつていただかないと、法律にそうあるから、お前の方の執行委員は過半数をとつてないから拒否するということになつて参りますと、まつたくこれはめちやくちやであります。その結果といたしまして、今まで完全に組合として存続し、また当局とも折衝して、円満に仕事を運んで参りました京都の組合が拒否されるということが、実際問題として現われておるわけなのであります。この問題はどうなんですか。やはり執行委員も過半数をとらなければいけないとお考えになりますか。
  29. 藤井貞夫

    藤井説明員 この点は法の建前といたしましては、あくまで全員の多数決ということになつておりますから、なるほど同時に十人なら十人の執行委員が過半数参をとることはできないかもしれませんが、それは連記制なり、あるいは個々の人について投票その他の議決方法をとりますれば、全員の多数決ということになるわけでありますから、その点につきましては、第三項の趣旨からいつて当局側のとつておる態度が正しいのではないかと私は考えております。
  30. 立花敏男

    立花委員 それじや十五人おれば十五人、一人々々選挙をやらなければいけないのですか。執行委員は十五人に限りませんので、組合が大きいと二十人も三十人もおります。三十人もおる執行委員を全部一人ずつ選挙して、過半数あるかどうかをきめなければいけないという解釈ですか。私どもはそういう解釈ではなしに、当選しておる執行委員全体として、組合の過半数の支持がかあればいいという解釈もできるのではないか。また執行委員につきましては、これは役員と申しましても、実際上この人たちは常時組合の役員的な仕事はあまりしていないわけでありますので、こういうものまでに過半数制を機械的に当てはめる必要があるか。組合といたしましては、最近では組合活動が非常に制限されておりますので、十五人、二十人、三十人というような執行委員の一人々々を採決する時間はとうていございませんし、そんなばかげたことをやつておりますれば、組合員がいやになつて来なくなるわけでありますから、こういうものにつきましては、もつと実情にほんとうに即したやり方なり、法の解釈があると思うのですが、そういう点については何もお考えなつておられませんか。
  31. 藤井貞夫

    藤井説明員 ただいまの問題は、立花委員が前段にお述べになりました解釈が、法の解釈といたしましては正しいのではないかと思つております。なお今御指摘になりましたような点は、十五人なら十五人の委員について一括してその替否を問う。その他の方法をもつてしても現実的にはそれほど不都合な結果は起らないようになると思つております。
  32. 立花敏男

    立花委員 一つの解決の答えが示されたわけですが、それじや現在二十人の執行委員を信任投票いたしまして、過半数の信任投票があれば、一人々々が過半数をとつていなくてもいいという解釈もできるわけですか。
  33. 藤井貞夫

    藤井説明員 結局形式的には一人一人が過半数をとらなければいけないということになるわけであります。
  34. 立花敏男

    立花委員 藤井さんのさいぜんのお言葉では、何か執行委員に対して全体として過半数が信任すれば、それが一人一人に対して過半数の信任が得られたと同じように考えるという御説明があつたと思いますが、そういう方法をとつていただけると非常にいいのです。こういう形の上で非常にきゆうくつな形をやられますと、一人々々決をとるというようなことは実際上とうていできません。しかもそれができなければ組合としての登録を拒否するというようなことは、事質上何も意味がないと思う。そういうようなことをなぜやらなければいけないのか。向うの指示か何かあるといたしましても、こんな日本の組合の実情に即しないようなことは、当然何らか便法があつてしかるべきと思いますが、それをお考えにならないのですか。これでやられますと、ほとんどすべての組合は登録を拒否されてもやむを得ないことになる。一人々々の執行委員が過半数を得たというような組合はないだろうと思う。執行委員一人々々について投票をやつたという組合は、日本中にないだろうと思います。これで拒否されますと全部の組合は拒否されます。そういう点で実情にそぐわないとお考えなつていないのですか。何か便法をお考えになる考えはないのかどうか。
  35. 藤井貞夫

    藤井説明員 これは先刻から繰返して申し上げておりますように、非常に重要な事項でありますから、全員の多数決によらなければならぬというふうにいたしておるわけでありまして、建前といたしましては一人々々ということになりましようが、ただ便宜手段といたしまして、甲乙丙丁戊というふうに五八の名前をあげて、それに対する賛否の投票をやつて行くような方法が行われることは、ときとしてあり得るかと思いますけれども、ただ形式的に、結論的に見ますと、五人なら五人の一人々々が全員の多数決によつて選出されたという建前になりませんと、この第三項の要件には該当しないということに相なると思います。
  36. 立花敏男

    立花委員 しかしこんな問題で登録を拒否されてはたまらぬと思います。しかもこの問題につきましては組合と事前に十分の折衝も何もなしに、ぽかつと登録を拒否して来たわけですが、こんなやり方をすれば組合としても勢い感情的にならざるを得ない。こういうように一人々々の執行委員が過半数を得ていないから拒否するということになると、全部拒否することになる。日本の地方公務員組合で一人々々決をとつた組合なんかない。これを全部やるとしたら全部登録できません。登録できなければ組合としての完全な仕事ができないわけです。こういうことを頭ごなしにばんとやられたらたまらぬと思う。登録の問題は、今まで円満に仕事をやつて参りましたような組合は、形の上で登録するのだから、実際上はできるだけ認めるようにするという気持も、おありのように聞いておりましたので、安心しておりましたが、こういう問題をたてにとつて、執行委員の一人々々が過半数をとつていなければ、お前のところは拒否するというのでは、しかも組合と何らの話合いなしに、ぽかつとやられると困りますので、この点は慎重に扱つてもらいたいと考えます。  以上述べましたように、地方公務員法施行に伴いましての関係法令整備という問題は、地方公務員法制定によりまして、重大な制限を受けました、働く者としての地方公務員利益を守つてやるための関係法令整備という点に、重点を置いていただきたいと思います。そういう問題がいたずらにないがしろにされまして、片一方では吉田総理の言うようにやれ三割減員するとか、あるいは各省でどんどん首切りが出て来るとか、登録拒否か出るとか、こうなつて参りますと、かんじんの自分たち利益を守つてもらうための法令が不備であつて、しかもどんどん首切りや、あるいはその他の形の圧迫の方が強くなつて参るというような実情になつておりますので、私どもはこの際政府に対しまして、あくまでこの労働者権利を制限するのであれば、それに伴つて起るところのいろいろな不利益な問題につきまして、それを補足するに足る法令の整備という点に重点を置いていただきたい、これをお願いしまして質問を終ります。  なお当面問題になつております稚内首切りの問題、あるいは宮城首切りの跡始末、京都の登録拒否の問題、こういう具体的な問題が残つておりますので、これの具体的な処理につきましては、地方当局とお打合せの上愼重にやつていただくことを、最後に述べて終ります。
  37. 河原伊三郎

    ○河原委員長代理 門司亮君。
  38. 門司亮

    門司委員 私はごく簡単に一言だけお聞きしておきたいと思います。今立花君から意見のありました地方公務員法適用の問題でありますが、実は地方公務員法の中の選挙に関する問題で、一般公務員選挙に関する違反に対しては、行政処分が行えるようになつております。ところが特別職に対する違反行為に対しては、当然公務員としては違反だと考えられるが、しかしそれには制裁が困難であるということが、一応考えられるのであります。この点について当局はどういうふうにお考えなつておるか。一例をあげて申し上げますと、横浜で、特別職であります教育委員会の諸君が、委員会の連名の公文書で選挙運動を実はやつておるのであります。これは教育委員会の事務局を通じて各校長あてに指令を出して、そして横浜の十区の小学校の教員を集めて、特定の候補者の応援をさせるというようなことをやつておるのであります。従つて公務員としての選挙違反は一応成り立つと思いますが、しかしそれには特別職でありますことのために、行政上の処分が法的にはないと思いますけれども、こういう問題について当局はどういうようにお考えなつておりますか。その点たけをお聞きしておきたい。
  39. 小野哲

    小野(哲)政府委員 技術的の点につきましては、藤井課長からも御説明いたしたいと思いますが、大体地方公務員法の当初の考え方といたしましては、さような場合においても、ある程度罰則の規定が適用し得るような考えを持つておつたのであります。しかし国会の御審議の過程で御修正がありまして、今施行なつておるような地方公務員法なつたわけであります。従いまして、ただいまお話のありましたような職種のものにつきましては、やはり公職選挙に関する法令の一般原則によるしか方法がないのではないか、かように考えております。
  40. 門司亮

    門司委員 そうすると、三十六條の規定は特別職には全然適用はないことになつて参りますので、従つて公職選挙法違反以外には、どうにもならない、こういう結論になると思います。そうすると、結論的に申し上げますと、特別職は地方公務員法に書かれている違反をやつても、行政上の処分を受けなくてもいい、こう解釈をしてよろしゆうございますか。
  41. 小野哲

    小野(哲)政府委員 御説の通りであります。
  42. 門司亮

    門司委員 そうすると、道義的な問題が次に起つて来るわけであります。当然法に対する違反であるが、しかし処分をする規定がないから、処分しなくてもいいのだということになつて参りますと、おのずからそこには道義的な問題が起つて来るわけであります。その道義的の問題に対して、法がそれを罰する規則がないから、結局違反をやつてもいい、違反を奨励する——奨励と言つては言い過ぎかもしれないが、かまわないということになつて、法の精神がまつたく没却される危険性がそにあると思う。これが法の一つの欠陷であるといえば欠陷であり、ポケットであるといえばポケットであると思いますけれども、それに対する道義上の責任というか、道義上の制裁というものは、私は法がなくても当然あるべきだと考えておりますが、これに対する当局の御意尾をお聞きいたしたい。
  43. 小野哲

    小野(哲)政府委員 公職選挙に関する一般的な法令の原則によらなければならないと考えでおることを申し上げたわけでありますが、ただいま御指摘のような、個人々々の立場においての道義的な責任の問題になりますと、要は個人々々の良識に基いた行動なり、判断にまたなければなるまいかと考えておるわけであります。ただ一般職である地方公務員につきましては、地法公務員法の直接の適用があるし、特別職につきましては、地方公務員法適用がありませんので、法律の建前といたしましては、門司さんから御指摘のように取扱いをせざるを得ない。ただ道義上の問題といたしましては、それぞれ個人における良識のある判断による行動にまつしかないのではないか、かように考える次第であります。     —————————————
  44. 門司亮

    門司委員 この機会に委員長にお諮りを願いたいと思いますことは、今内閣委員会にかけられております、北海道開発法の一部を改正する法律案内容でありますが、これは従来の北海道開発法を改正して、国の直営で仕事を行うということになつて参つておりますが、この問題については、一昨日の知事会議におきましても非常に取上げられて、知事会議といたしましては、地方自治体との関連が必ずしも円滑に行かないであろうという声明書を出しておるわけであります。従つて見ようによりましては、たとえば地方財政法第十二條に書いております。例の、国は地方公共団体に経済的の負担を負わせるような施策を講じてはならないというようなことと、多少関連を持つて来ると思います。同時に自治行政の上から申しましても、知事会議の声明書等は妥当であると考えております。従つて北海道開発法の一部改正に関する法律案の審議に対しまして、当委員会といたしましては合同審査の要求をいたしていただきまして、なおこれの内容を検討する必要があると考えておりますが、委員長はこの点しかるべくおとりはからい願いたい
  45. 河原伊三郎

    ○河原委員長代理 ただいま門司君からの御発言によりまして、内閣委員会に北海道開発に関する問題について合同審査を申入れよう、こういう御発言があつたのでありますが、これをいかにいたしますか、お諮わいたします。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 河原伊三郎

    ○河原委員長代理 それでは申し入れることにいたします。     —————————————
  47. 河原伊三郎

    ○河原委員長代理 なおこの際お諮りいたします。請願に関する小委員会の設置をいたしたいと思うのでありますが、本委員会に付託されました請願は、全部で九十件でありますので、これら請願審査のため、小委員会を設置いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 河原伊三郎

    ○河原委員長代理 御異議ないようでありますから、さよういたします。  つきまして、その小委員及び小委員長選任は、委員長より指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 河原伊三郎

    ○河原委員長代理 それでは御異議なしと認めまして、委員長より指名することにいたします。つきまして、都合によつて本日の公報をもつて指名することにいたします。さよう御了承願います。  本日の会議はこれをもつてとじることにいたします。     午後零時四十九分散会