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1951-03-29 第10回国会 衆議院 地方行政委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十九日(木曜日)     午後二時十九分開議  出席委員    委員長 前尾繁三郎君    理事 河原伊三郎君 理事 野村專太郎君    理事 藤田 義光君 理事 門司  亮君       生田 和平君    大泉 寛三君       門脇勝太郎君    佐藤 親弘君       中島 守利君    床次 徳二君       大矢 省三君    立花 敏男君       大石ヨシエ君  委員外出席者         国家地方警察本         部警視     田中 八郎君         專  門  員 有松  昇君         專  門  員 長橋 茂男君     ――――――――――――― 三月二十九日  委員佐藤親弘辞任につき、その補欠として中  野武雄君が議長指名委員に選任された。 同日  委員中野武雄辞任につき、その補欠として佐  藤親弘君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 三月二十八日  普通飲食に対する課税廃止並びに遊興飲食に対  する標準税率引下げに関する請願(逢澤寛君紹  介)(第一五六四号)  狩猟者税軽減に関する請願田嶋好文紹介)  (第一五九六号)  東京都下団体の集会に関する請願江崎一治  君外一名紹介)(第一六二七号)  遊興飲食税の撤廃に関する請願加藤充君紹  介)(第一六四四号)  警察法の一部改正に関する請願床次徳二君紹  介)(第一六五七号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  遺失物法の一部を改正する法律案川本末治君  外四名提出衆法第七号)     ―――――――――――――
  2. 前尾繁三郎

    前尾委員長 これより会議を開きます。  去る二十二日本委員会に付託に相なりました遺失物法の一部を改正する法律案川本末治君外四名提出衆法第七号を議題といたします。まず提出者河原伊三郎君より提案理由説明を聴取いたします。河原伊三郎君。     ―――――――――――――
  3. 河原伊三郎

    河原委員 ただいま提案いたしました遺失物法の一部を改正する法律案提案理由について、御説明申し上げます。  御承知の通り昭和二十三年三月新警察制度が実施されまして、国家地方警察自治体警察とが設置せられて来ておるのでありますが、遺失物法の取扱いは、旧警察制度の当時のままとなつております。そこで今回現在の制度に即応して、遺失物処理及び帰属等を明確にし、その解決をはかるため、本法案提出することといたしましたわけであります。  次にこの法律案の内容について御説明申し上げます。この法案は、四点の改正案文及び附則からなつております。  第一は、「警察官署」を「警察署長」に改めるのでありまして、自治体警察が設置されております以上、他の法令の場合と同様、官署の語によらず、警察署長と改めることとしたのであります。  第二は、第二条第四項を削除するのでありますが、出訴を禁ずるのは、憲法に違反するおそれがあると考えますので、これを削除することとしたのであります。  次に第三としまして、第十一条第三項にあります「警察官」を「警察署長」に改めるのでありますが、第一条第二項で警察署長が公告をするのでありますから、このように改正すべきであると考えます。  次に第四としまして、第十五条の全文改正を行うものでありますが、現行法によりますと、警察官署保管物件で交付を受ける者がないときは、国がその所有権を取得することとなり、国庫帰属していたのでありますが、新警察制度趣旨から見まして、自治体警察に保管しております物件につきましては、これを当該市町村に、国家地方警察に保管しております物件につきましては、これを国に帰属させることとするのが妥当であると存じまして、このように改正の案を提出しましたのであります。  次に附則に移ります。附則第一項は、この改正法を公布の日から施行することとしたものであります。  附則第二項は、第十五条の改正経過措置についての規定でありまして、自治体警察の設置以後の当該自治体警察署長保管物件及び遺失物法第二条の規定により売却費用を控除した売却代金を含め、国庫帰属したこととなつているものについては、その処理方針及び手続が定まらぬため、そのままになつているのであります。従つて第十五条の改正案と同じ考え方で、これらの物件は、当該自治体に無償で譲渡することとし、そのかわりに、保管費その他これに要した費用は、国が負担せず、法第三条の規定趣旨により、当該地方公共団体の負担とすることとしたのであります。  以上がこの法律案の概要であります。何とぞ御審議のほどをお願いいたします。
  4. 前尾繁三郎

    前尾委員長 それでは本案に対する質疑に入ります。
  5. 大泉寛三

    大泉委員 この問題は私の大いに考えておりましたことでまた当然かくあるべきだと存じておつたのでありますが、問題は自治体警察の存置されておる自治体であればよろしいが、しかし国警範囲に属する自治体と、警察区分というものは違つておりますので、国家地方警察の所属に属しておるところの自治体が、少しもこれは直接恩恵をこうむる――といつてはおかしいが恩恵をこうむらない。いわゆる自治体警察の存置しておるところの範囲に限られておる。そこで遺失物の取得とかその他の事件発生場所は、あらゆ  る場所において行われるが、ただ警察行政区域だけのことでこれを決定して、そうして結局はその自治体帰属  せしめるということになると、警察行政区域自治体行政区域がおのおの違つた系統になりますので、これは国家地方警察においても、その自治体にまた帰属せしめるのか、いわゆる国家警察範囲に属するところの自治体、これはやはり従前通り国庫帰属するのか、提案者のお考えはどんなでありましようか。
  6. 河原伊三郎

    河原委員 ただいまの御質疑に対しましてお答え申し上げます。この法案提案趣旨は、扱うものの帰属するところに帰属せしめる、こういうのが趣旨でございまして、従いまして遺失物国家地方警察管轄区域にありまする場合は、その当該村に帰属せしめずに国に帰属せしめる、こういうことになつておりますが、警察帰属主体が国にあります関係上、ただいま申し上げました通り警察そのもの帰属いかんということを主体として立案いたしました関係上、そういうふうなことになつておる次第でございます。
  7. 大泉寛三

    大泉委員 それではたとえば自治体警察の管轄しておるところのものは、その当該自治体帰属する、ほかの国家警察行政区域にあるところの町村は、やはり国家警察範囲であるから、国庫帰属するこれでよろしいのですか。
  8. 河原伊三郎

    河原委員 そうでございます。
  9. 大泉寛三

    大泉委員 これはあとの紛争にならないように、この委員会の精神をしつかり法文化されたときに明確な一つ判断にもなると思います。たとえば拾得物は甲の警察管内であつたが、届出は乙の警察管区に届け出た、甲の自治体のところで拾得したものを、乙の自治体警察に届け出た、あるいはまた国家警察の方に届け出たというような場合は、その帰属をどちらの方にせしめるのであるか、一応提案者の御意見を承りたい。
  10. 河原伊三郎

    河原委員 届出を受けた警察署でございます。
  11. 大泉寛三

    大泉委員 届出を受付けた警察署でありますと、拾得物届出に対して相当はつきりしたことを、一般の市民なり住民が知つていてもらわぬと困ると思います。もちろん拾得物は、その受付けた警察帰属になるとか、あるいは国庫帰属するとかいうことでなく、大体は返すということでありますけれども、遺失した場所では探してくれる、あるいはまた親切にやつてもくれるけれども、管轄外ですと、ほつたらかしておくような傾向があるのではないか。そういたしますと、一応拾得したところの場所警察に移管せしめるのが、ほんとうじやなかろうかと思うのですが、いかがですか。
  12. 田中八郎

    田中説明員 大体拾得物は、ふつう駐在所なり派出所とかいうものが多くございますので、大部分の場合は、当該地域の管轄する警察に届け出られるのが、通例ではないかと考えておりますが、たまたま旅行中であつたような場合には、大阪から汽車に乘つたときに汽車の中で見つけて、東京駅へ着いて届け出たというような場合には、大阪で落した物が、東京拾得届出をされているということになりまして、その間遺失場所拾得届出場所とに非常な食い違いが生ずるおそれがあります。そういう事例はまれじやないかと思われます。また警察署長拾得届出を出した場合には、必ず公告することが遺失物法規定でもありますし、公告する以上は、どこどこで拾つたという届出をいたすわけでありますから、当該関係警察の方にも、こういうものをあなたの警察で落した者はいないであろうか、こういう届出があつたがという連絡があるわけであります。従いまして落した人はその落した場所警察に行きましても、どこどこの警察に保管してあるという連絡があるわけでありますから、大体その手に返るのではないかと考えております。
  13. 大泉寛三

    大泉委員 私のお尋ねするのは、そういう例外に対する一つ判断の誤りのないように、法文化するときに明らかにするために念を入れたい、こういうのでありますが、要は例外なんです。拾得した一つ管内警察届出するのは、もちろん同一であるけれども、今申したような、甲の警察管区拾つた物を、乙の警察に届け出た場合には、警察同士で、乙の警察から甲の警察に、それを返送すべきじやないか、こういうのです。そして甲の警察官轄地で遺失したのだから、その甲の警察管区内でそれを保管しておくのが当然じやないか。いわゆる警察署同士の内部の事務上のことでありますけれども、そうした方がよろしいのではないか。この点に対する提案者のお考えはどうか。私はどうもやはり遺失した場所警察官内において取扱うべきだ。もちろん届出するのは任意で、これは自由でありますけれども、受付けたところは、やはり遺失した場所警察官内に返送すべきだ、こういうふうに私は考えます。
  14. 河原伊三郎

    河原委員 ただいまの御質疑一応ごもつともでございますが、遺先物は本来遺失した人に返るのがほんとうでありまして、これの返らない場合を考えてのこの法案でありますので、従つてこれを取扱つた警察署にこれを帰属せしめる、こういう趣旨からこの法案ができておる次第でございます。
  15. 前尾繁三郎

    前尾委員長 ほかに質疑はありませんか。――なければ、本案に対する質疑はこれをもつて終局いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 前尾繁三郎

    前尾委員長 御異議なしと認め、本案に対する質疑は、これをもつて終局いたしました。  これより本案に対する討論に入りたいと思いますが、討論はいかがいたしましようか。
  17. 佐藤親弘

    佐藤(親)委員 討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 前尾繁三郎

    前尾委員長 御異議なしと認め、討論を省略して、ただちに採決いたします。本案に賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立
  19. 前尾繁三郎

    前尾委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  この際お諮りいたしますが、衆議院規則第八十六条による報告書作成の件は、委員長一任に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 前尾繁三郎

    前尾委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時三十九分散会