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1951-01-30 第10回国会 衆議院 地方行政委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年一月三十日(火曜日)     午前十一時二十一分開議  出席委員    委員長代理 理事 野村專太郎君    理事 河原伊三郎君 理事 龍野喜一郎君    理事 藤田 義光君 理事 門司  亮君       生田 和平君    池見 茂隆君       大泉 寛三君    門脇勝太郎君       川本 末治君    吉田吉太郎君       床次 徳二君    大矢 省三君       久保田鶴松君    立花 敏男君  出席国務大臣         法 務 総 裁 大橋 武夫君         国 務 大 臣 岡野 清豪君  出席政府委員         国家地方警察本         部長官     齋藤  昇君         地方自治政務次         官       小野  哲君  委員外出席者         專  門  員 有松  昇君         專  門  員 長橋 茂男君     ――――――――――――― 一月十六日  地方公務員給與改訂等に伴う平衡交付金補正  の請願志田義信紹介)(第六号)  国庫負担率算定方法公開請願志田義信君紹  介)(第一五号)  赤十字事業に対する地方税免除請願大内一  郎君紹介)(第三六号)  入場税五割軽減の請願鈴木仙八君紹介)(第  一二三号) 同月二十五日  大都市に対する平衡交付金配付率是正に関する  請願前尾繁三郎紹介)(第一六六号)  地方公務員法反対に関する請願柄澤登志子君  紹介)(第一六七号)  地方財政確立に関する請願柄澤登志子君紹  介)(第一六八号)  大山村の経済再建五箇年計画事業完遂のため平  衡交付金増額等請願内藤隆紹介)(第二  一六号) の審査を本委員会に付託された。 一月十六日  消防長消防団員任免権付與陳情書  (第一一号)  消防職員教養機関の国費による整備拡充に関す  る陳情書  (第一二号)  消防に対する平衡交付金算定基準改正に関す  る陳情書  (第一三号)  消防施設費公共事業費として認定の陳情書  (第一九号)  消防自動車車両検査法規改正に関する陳情書  (第二〇号)  教育委員会委員の選定に関する陳情書  (第  二五号)  自治体警察吏員定員に関する陳情書  (第三〇号)  平衡交付金決定法令等に基く地方義務的負  担経費に対する財源措置に関する陳情書外三件  (第三  三号)  平衡交付金算定に関する陳情書外三件  (第三  九号)  平衡交付金増額に関する陳情書外二件  (第四〇号)  昭和二十五年度財政整理資金に関する陳情書  (第五〇号)  府県制度廃止に関する陳情書  (第五一号)  市財政確立に関する陳情書  (第五二号)  地方公務員給與ース改訂等に伴う財政措置  に関する陳情書  (第五四号)  消防団員に対する災害補償制度確立並びに消防  施設に対する国庫補助陳情書  (第  五六号) 同月二十六日  平衡交付金増額に関する陳情書外四件  (第五九  号)  入場税引下げに関する陳情書  (第  六八号)  地方税法の一部改正に関する陳情書  (第七〇号)  負担金及び補助金増額等に関する陳情書  (第七一号)  起債増額並びに起債許可手続改正に関する  陳情書  (第七二号)  消防施設公共事業とする等の陳情書  (第七三号)  遺失物法の一部改正に関する陳情書  (第七五号)  行政事務再配分に関する陳情書  (第七六号)  地方自治法の一部改正に関する陳情書  (第七七号)  国会議員選挙執行経費基準に関する法律の一  部改正陳情書  (第七八  号)  行政書士法一條改正に関する陳情書  (第八三号)  平衡交付金増額に関する陳情書外一件  (第八五号)  消防大学創設促進に関する陳情書  (第八九号)  地方財政窮状打開に関する陳情書  (第九〇号)  入場税引下げに関する陳情書外一件  (  第九六号)  平衡交付金決定法令等に基く地方義務的負  担経費に対する財源措置に関する陳情書外一件  (第九七  号)  地方自治法第百七十八條改正に関する陳情書  (第一〇〇  号)  広告税廃止に関する陳情書  (第一〇二号)  平衡交付金増額に関する陳情書  (第一〇八号)  地方財政平衡概算交付金の返還に関する陳情書  (第一一一  号)  平衡交付金決定法令等に基く地方  の義務的負担経費に対する財源措置に関する陳  情書(第一一  四号)  犯罪捜査に協力して傷病死した者に対する補償  制度確立陳情書  (第一二二号)  地方財政強化充実に関する陳情書  (第一二七号)  入場税引下げに関する陳情書  (第一三六号)  平衡交付金基準額及び補正系数に関する陳情  書  (第一四八号)  身体障害者に対する地方税免除に関する陳情書  (第一五一  号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  警察に関する件     ―――――――――――――
  2. 野村專太郎

    野村委員長代理 ただいまから会議を開きます。  委員長両院協議会出席をいたしておりますので、私が委員長職務執行いたします。  ただいま法務総裁及び国警長官がお見えになつておられますので、日程の順序を変更いたしまして、まず警察に関する件を議題といたしたいと思います。政府におきましては警察法全面的改正を企図しておるとの報道がございますし、また当委員会においても、警察法改正につきましては重大な関心を持つて、小委員会を結成しておるわけでございます。それでは通告順によりまして質疑を許します。まず床次徳二君。
  3. 床次徳二

    床次委員 私は警察法改正に関しまして、かねがね当委員会におきましても研究しておるのでありまするが、最近特に国内警備体制強化の点が懸案となつておりまして、警察予備隊等も半面において設置されておりまするが、同時に警察の問題に関しましても、ある程度までこれを解決すべき段階に達しておるように思うのであります。政府の方におきましては、この警察法改正について今日いかようにお考えになつておるか、この際承つておきたいと思うのであります。  なお特に政府の注意を喚起しておきたいのは、自治体警察相当の部分廃止せられるという意見が、今日新聞紙上に伝わつておりまする関係上、自治体警察に従事しております者の志気に影響するところが少くないのであります。單に志気に影響するのみならず、自治体警察におきまして、今後いろいろ施設、設備において拡充いたさんと計画中のものに対しましては、これがあるいは中止のやむなきに至るというような傾向さえも生じておるのでありまして、もしも警察法改正が実現せずして、このまま推移するということになりますると、自治体警察に対しましては、大きな穴が明くということを私どもおそれるのであります。従つてこの際政府警察法改正に対していかよう準備を持つておられるか。場合によりましたならば、あるいは議員提出という形におきましても、警察法改正を実施しなければならぬという状態も考えられるのでありまするが、政府のお考えを承りたいと思うのであります。
  4. 大橋武夫

    大橋国務大臣 床次委員のお考え通り政府といたしましても、警察法改正につきましては機運が熟しつつある、かように存じまして、ただいまできる限りの準備を進めておる次第でございます。
  5. 床次徳二

    床次委員 御準備中のことは大体了承いたしましたが、時間的にこれが相当先になるのか、あるいは大体最近の機会に出るかどうか、また改正せられる内容につきまして、新聞紙上にもときどき出ておると思いまするが、大体どの程度のことを考えておられるかどうか、当委員会におきましてもそれぞれ案を持つておりまするので、これは当委員会意見ともあわせ考えて審議いたすことの方が便宜かとも思いまするが、大体政府の意向がわかれば、おわかりになる分だけ御説明をいただきたいと思います。
  6. 大橋武夫

    大橋国務大臣 時期といたしましては、でき得る限りすみやかに実現を期したい、かように考えておる次第でありまして、私ども準備が予定の通り進行いたしますれば、本国会の閉会いたしますまでには、政府案として提出できるようになるではないか、かように考えております。
  7. 野村專太郎

  8. 門司亮

    門司委員 今の床次さんの質問に対する法務総裁の御意見では、でき得るならば今国会中に出したい、こういう御意見でありますが、地方実情は今ちようど予算編成期に入つております。従つて自治体警察に何らかの改正が加えられるということになりますと、先ほど床次さんの御意見のような心配が各自治体に出ておるのであります。そこで予算編成をどうすればいいかということが、相当大きな全国的な問題になつておると私は考えておるのであります。従つて政府は、もしこれを改正される御意思があるなら、やはり早く発表していただくことが、地方自治体予算編成の上においてきわめて適切な処置ではなかろうか、こうわれわれ考えるのであります。従つて国会にでき得れば出し得るというようなことでなくして、大体の構想をこの際お示しが願えれば、予算編成等については私は非常に好都合かと考えております。具体的に言いますと、さき床次さんが言いましたように、自治体警察とすれば、やはり装備充実ということが非常に大きな財政上の負担になつておりますので、これをどう処置して行くかということで、私は相当悩んでおると思いますので、もう少しつつ込んだお話をこの機会に伺い、さらにそういう所信を明確にされることが、地方自治体予算編成の上にきわめて親切な行き方だ、同時に将来の警察行政の上に混乱を来さない一つの心構えを、地方自治体警察にも與えるのではないかというように考えますので、ひとつもう少しつつ込んで、腹のあるところをお聞かせを願いたいと思います。
  9. 大橋武夫

    大橋国務大臣 まことにごもつともなお話でございまして、政府といたしましては法律案について、ただいま準備を進めておるわけでございます。しかし中小自治体自治警察国警に移管するという問題につきましては、これは單に法令のみをもつてでき得るものではなく、これに伴う当然の予算措置というものも考えなければならぬわけであります。しかしこの予算措置につきましては、ただいまのところ政府といたしましては、まだそこまで考え段階に達しておらないわけでありまして、昭和二十六年度予算においても、これについては全然予算的な準備はいたしてないような次第でございます。従いましてかような制度の中で、特に自治体国警との入れかえというような予算準備の必要となりまする事項は、たとい法案が成立いたしましても、ただちに実施するということは不可能でございます。自然そういつた問題に関しまする限りは、なお相当先でなければ実行できないということに相なるものと考えております。
  10. 門司亮

    門司委員 その点は、予算処置が今度の国会予算の中に入つておらないということは、これはその通りであります。しかし少くとも改正しようとする意思はおありであるとするならば、それをやはり明確に示して、地方自治体は單に予算といいますが、国の予算の面から見ますと、あるいは主たるものは人件費であり、それからそのほかの装備等につきましては、おそらく現行の使用しておるものが、国にそのまま委譲されるというような形になつて来るかと考えますが、地方自治体は国のようなわけには参りませんので、たとえば予算を組みまして、そうして装備をいたす。その装備警察法がかわつたために、ただちに国に移管されるというようなことに対して、国がこれを全部補償すればけつこうでありまするが、政府の行き方はそうではないのでありまして、さきにも法律できめられておりますように、地方の都道府県の持つておりましたものは、全部国家警察無償で取上げた例が実はあるのでありまして、地方公共団体といたしましては、せつかく装備に金を使つたが、警察法がかわつたらその装備はそのまま無償国警に委譲しなければならないということになつて参りますると、一応自治体治安のために使うものであるということには間違いはありませんが、しかし地方財政の面から申し上げますると、国家財政にそれだけ支出したというような形が出て来る。この点は国警にこれを委譲いたしましても、先ほど申し上げましたように、單に人件費の問題だけであつて、私は施設その他について、おそらくただちに国の予算の大きな変更を見なければならないということにはならぬと思う。従つてできるだけそういうことでなくして、私はこの機会に、早く自治体要望にこたえるような何らかの見通しのつくように、ひとつ政府ではつきりしていただきたいということを、もし大橋さんがこの点答えられないというならば、私は強く要望いたしておきます。  その次に聞いておきたいと思いますことは、警察法の内部をどういうように改正されるかということでありますが、御承知のように十二万五千に限られております日本警察力が、警察法設置の当時から今日までに、人口増加による大きな異動が全国的にかなりできておると思いまするが、これに対して十二万五千のわくの中で調整をされるお考えであるか、あるいは十二万五千のわくを、人口増加伴つてこれを増して行くというようなお考えであるのか、この点をひとつお聞かせ願いたい。
  11. 大橋武夫

    大橋国務大臣 前段の御要望につきましては、十分に考慮いたすことにいたします。  それから十二万五千のわく内で、定員の入れかえということを考慮するのであるか、それとも警察法改正については、そのわく自体をいじるのであるかという御質問の点でございます。これはただいま警察法改正ということになりますると、自然現在の情勢から考えまして、十二万五千というわく自体が動かされるという結果になるものであろうと考える次第であります。
  12. 門司亮

    門司委員 その次に聞いておきたいと思いますことは、要するに五十四條の解釈でありますが、警察法の五十四條の解釈が今では大体広義解釈せられて、これの取扱いを受けておるように、われわれは大体承知いたしておるのであります、ところがこの解釈は往往にして自治体警察相互間の応援が明記していないということで、私よりも総裁の方がよく御承知だろうと思いますが、ある地方においては自治体警察応援行つた警察官がけがをしたという場合に、こそがそこで職務執行ができるかどうかということが問題になつて、單なる傷害罪だけが取上げられて、業務の執行に対する妨害等が取上げられなかつたというような判例といいますか、判決があつたようにも私聞いておるのでありますが、これらの点を明確に、そういうことのないようにするように、五十四條を広義解釈することのために、その点の法律改正をこの場合行われる御意思をお持ちになつているかどうかということと、あわせて五十五條についても、現在警察行政の上で解釈されておりますことが、やはり立法化されることが必要のようにも私考えておりますが、この点についての見通しをお聞かせ願いたい。
  13. 大橋武夫

    大橋国務大臣 門司君のただいまのお説につきましては、政府といたしましてもまつたく同感でございます。この機会にさような問題についても適当な措置をとりたい、かように考えております。
  14. 門司亮

    門司委員 そういたしますと、今度の警察法改正というのは、主として自治体警察範囲をどうするかということと、それから十二万五千のわくが自然的に広げられて来るということ、あとは事務的の五十四條、五十五條改正が中心になつて行われるということで、大体われわれには一応の警察法改正に伴う法律の非常に大きな面だけはわかつたのでありますが、これとあわせて警察予備隊関係であります。これはこの前の委員会でも大橋さんによくお聞きしたのでありますが、警察予備隊別個のものとして、この警察法改正には考えていないというような御答弁があつたように私記憶いたしておりますが、われわれから考えて参りますると、警察予備隊といつても、一応警察官であり、さらに警察官職務執行するものであることには間違いはないのでありますので、この警察法改正伴つて警察予備隊に対する警察法との関連を十分持たせることが必要であると思う。同時に、そうしないと、やはり将来の日本警察行政の上で、警察予備隊があり、国家警察があり、自治体警察があつて警察行政三本建になつておるというようなことは、いろいろな面に必ず障害ができて来ると考えておりますが、警察予備隊警察法改正に対して何らかお考えがありますなら、この際お伺いしておきたい。
  15. 大橋武夫

    大橋国務大臣 警察法改正について、警察予備隊警察との関係をどうするかという問題でございますが、これにつきましては、私といたしましては、従来と同様に、警察警察予備隊というものは、全然これは別個に観念すべきものであつて、この間におきます相互的関係というような問題を生ずる余地がない、法律的にそういつた問題を生ずる余地がない、こういうふうに考えておりますので、従いまして今回の改正に際しましても、この問題には触れないというふうに考えております。
  16. 門司亮

    門司委員 その点はどうもおかしいと思うのであります。一体警察予備隊というものが、警察の中で多少でも考えられないということになりますと、警察予備隊というものの正体が何であるかということを国民ははつきりしないと思う。これが今日の警察予備隊が往々にして軍隊にばけるのではないかとか、あるいは軍隊的の物の考え方のもとに行われておるのだという誤解を招いておる一番大きな原因だと思う。政府はあれが軍隊でないというはつきりした御答弁ができるなら、日本警察法というものがありまして、しかもこれが、警察予備隊もやはり同じように警察という名前を上にくつつけておる警察予備隊であるならば、警察法の中にこれが何らの関係がないということは、私どもにはどうしても了解ができないのであります。従つてはつきりあれは別個のものであるとするならば、一体どういう使命を持つているか、警察行政にあれが携わるものであるということは間違いないと思うが、警察行政以外のものに、あれを使わなければならないようなことをお考えになつておるかどうかということである。私は日本の現在の立場から見ますれば、私が言わなくもよくおわかりのように、自衛権云々の問題がいろいろ議論されておりますが、しかし現在の日本段階におきましては、憲法が警察権行使以外のことについてはなかなか許さぬと思う。そうすると、どうしてもこの警察予備隊というものは、やはり警察行政の中に含まれた一つのものである。これは警察と同じような仕事をいたしております鉄道公安官がありますが、鉄道公安官、海上保安庁というようなものは、おのおの特別の任務を持つておりますので、一応了解はできるのでありますが、警察予備隊だけはどうしてもその性格というものが、はつきりいたしておりませんので、御迷惑でもひとつ警察予備隊ほんとう性格というものを、正しくお聞かせを願いたいと考えます。それから同時に警察予備隊設置に対します法律内容等を私どもよく知つておりませんので、この機会にひとつお聞かせを願いたいと考えております。
  17. 大橋武夫

    大橋国務大臣 警察予備隊はなるほど広い意味におきまして警察でございますが、しかしながら現在の警察法というものは、普通警察でありますところの国家地方警察及び自治体警察について、それを眼中に置いての立法でございまして、警察予備隊国家地方警察自治体警察と全然別個警察力としてできております。ただいま門司君からも、海上保安官鉄道公安官のごときものは全然別個であるから、これは警察法と切り離して観念することもできる、こうおつしやいましたが、それと同様に、警察予備隊警察法とは切り離して、別個制度にしておく、これが実情にも適し、また実際上も便利である。私どもはかように考えておるわけであります。
  18. 門司亮

    門司委員 あげ足をとるようでありますが、実情に即し、また実際に適しておるというが、実情と実際ということはどういうことが意味されておりますか。この際その点を明確にしていただきたい。
  19. 大橋武夫

    大橋国務大臣 警察予備隊というものは、これは通常その出動を予想されるというようなものではなくて、これは国内におきまする非常事態と申しまするか、大規模なる騒擾事件といつたような非常の際においてのみ出動することが、最初から目的として予定せられた性質のものでございます。従いまして、日常の警察事務というようなことを主たる任務とし、またそういうことを主として眼目に置いて規定いたしておりまする普通の警察法とは、別個取扱いをいたして行くということが実際的に便利である、こう私は考えておるわけであります。
  20. 門司亮

    門司委員 総裁考え方はそういうお考えかもしれませんが、われわれが考えて参りますと、今の総裁お話だけでは、やはり警察と私は何らのかわりはないと考えております。大規模騒擾事件その他に備えるものだというお話でございまするが、それならそれで、やはり警察法の中の運用の問題でありまして、これはどうしても別個性質を持つておるとは私どもには考えられない。やはり国内治安、ことに陸上における一般国内治安行政に充てるものであつて警察と何らのかわりのないものと私は考えておる。従つてどもは、国内における一応の大きな騒擾事件というようなものが、警察行政から離れた特殊の治安関係とはどうしても考えられない。従つて国家警察あるいは自治体警察の持つておりまするものは、おのおの警察行政上の一つの役割を演じておるわけでありまして、その中にやはり非常事態に備えるそうしたものが必要だとするならば、同じ警察行政の中にこれは含まるべき筋合のものではなかろうかと私は考える。今の総裁答弁だけでは、警察予備隊というものが今の警察法から離れた一つ行政的の機関でなければならないというような考え方は、われわれにはどうしてもできないのでありまして、この点はできればもう少し正確に詳しいお話を伺つておきたい。たといどんな大きな騒擾事件が起りましようとも、これが警察権範囲で行われることには間違いないのであります。従つてそういう騒擾事件に備えるために特に警察予備隊という名称がついているのではないか。予備隊である以上は、警察がやはり本体でなければならない。その本体から離れた機構というものが予備隊という名前で置かれるということについては、私は日本警察行政の上から非常に不可解に考えておりまするので、その点はできればもう少し警察予備隊設置ほんとうの腹、警察行政のほかにそういうものがどうしても必要だということについての御意見を承つておきたいと存じます。  それからもう一つ、これは長くなりますので、齋藤さんにお聞きした方がいいと思います。実は問題の焦点は少しそれるかもしれませんが、かつて岐阜県の知事選挙の場合に、私も岐阜に参りまして、大垣で見た新聞でありますが、警察新聞という新聞がある。そうしてその警察新聞という新聞が、特定候補者選挙に対する選挙違反といいまするか、そういうものをずつと並べて号外を出しておる。これが普通の営業新聞でありまするならば、住民に與えます影響というものは大したことはない。小さな新聞と言うと語弊がありまするが、地方紙がいろいろなことを書いて報道することは大してさしつかえないと思つておりますが、少くとも警察新聞という名前を書いたものが、特定候補者について、こういうことでこの候補者はいつ告訴されたと書く。そのことは、新聞を持つておりますから、見せてもよろしゆうございますが、こういう犯罪があるのだ、あるいはこういうことが今告発されているというようなことを、少くとも警察新聞名前を書いたものによつて号外と称して実は購読者以外に相当数まかれているのであります。こういうことは、警察自身に聞いてみますると、なるほど警察新聞名前は書いてあるが、しかし警察とは何らの関係もないので、別に文句を言われる筋合いではないという警察当局のお話であつたように私は聞いております。あるいはそうかもしれないが、少くとも住民に與えた印象というものは、普通の商業新聞とはかなり趣を異にした印象を與えていることには間違いがないと考えますので、こういう点に対して、国警の本部長官としての齋藤さんの御意見を、この機会にひとつ承つておきたいと思います。
  21. 齋藤昇

    齋藤(昇)政府委員 ただいま御質問岐阜県の警察新聞なるものを私は存じておりません。ただいまおつしやいました通り、おそらくこれは普通の営業新聞であつて警察という名前を冠しておるにすぎないと考えております。警察当局が全然タッチしない新聞でありますから、これが法律その他に触れるならば格別、そうでない場合はいかんともいたしがたいと考えるのであります。ただいまお話のように、選挙の最中に号外に刷つて特定候補者がもし利用して選挙妨害を試みたというようなことがあるならば、これは選挙法なり、あるいはその他の法令の処断を受けるものかと考えます。さようでありません限りは、何ともいたしかたのないものだと考えております。
  22. 門司亮

    門司委員 もう一つそのことで聞いておきたいと思いますが、先ほどから申し上げておりますように、あれも一つの商業新聞であることには間違いがないが、しかしいずれにいたしましても、普通の商業新聞との性格上の問題については、私は住民に與える影響がかなり違うと思う。そこで警察新聞という名前を濫用するといいまするか、多くわれわれの常識から考えて参りまして、警察新聞とか消防新聞であるとかいうことになつて参りますると、警察行政に対する啓蒙であるとか、あるいは消防施設、あり方についての啓蒙であるとか、あるいはその間の法律上の疑問とか、あるいは起つた事件の解明に努めるとかいうことで、警察行政に対するきわめて謙虚な気持で貢献するということが、大体ああした特殊の新聞の使命だと考えます。ところがそれがこういうことで、一般の商業新聞であるから、警察とは関係がないから、何をやつてもいいのだということになつて参りますると、警察という字句自体が住民に與えておりまする影響というものは、ここで申し上げておりますように、普通の新聞とは違う。そこで警察という文句をそういう名前でいずれにも使つていいかどうかは別として、濫用することは私はできると思う。その場合に、これは法律に触れていないから何にもさしつかえない、おれの方ではそう考えていないのだ、これが選挙妨害その他に触れるのならば、そのときだけ処断するというようなことだけでは、私は将来この種のものが必ず選挙その他については出て来ると思います。そうするとこれは警察自体が一々弁明して歩くわけにも参りますまいし、また警察自体がそういうものに利用されるということは、警察の威信にも関係して来ると私は考えております。従つてこの点に対して先ほどの長官の御答弁だけではわれわれ満足できないのでありますから、さらにそういう警察の威信の問題に関してのお考えをこの際承つておきたいと思います。
  23. 齋藤昇

    齋藤(昇)政府委員 ただいまの御意見通り警察と何らか密接な関係があるように一般に見られるのが普通の常識だと考えます。また警察新聞という名を冠して出しております以上は、警察の事柄を民衆の人たちによく知らせる、あるいは民衆の要望を取入れるというようなことが主になるものと考えます。ただいまのような場合には、新聞関係しておる人と懇談を遂げまして、よく了解を得るように努めたいと思います。
  24. 野村專太郎

    野村委員長代理 大矢省三君。
  25. 大矢省三

    ○大矢委員 最近の新聞ではしばしば見ます朝鮮人の送還の問題ですが、日本国内における朝鮮の人たちに及ぼす影響もきわめて大きいと思いますし、その内容なり、あるいはまたどういうふうな取扱いをするか、この際お伺いいたしたい。  まず第一に、南鮮、北鮮といいまするが、朝鮮、韓国というわけ方を、数字的にあるいは実際的にどういうふうに見ておるか。私ども聞くところによりますと、朝鮮の人として登録して、その後北鮮、南鮮になつて、韓国という籍を再登録した者を韓国人と言つておる。従つて南鮮に事実自分たちの居住があつても、そういう手続をとつておらないために北鮮の人だということで、新聞などを見ますと、数字的に私ども常識で判断できない。私どもは南鮮の方が非常に多いように考えておりますが、あの新聞の数字から考えてみますと、ほとんど北鮮の人で、南鮮の人はごくわずかでありますが、どういうことを根拠にしてわけておられるのか、その実数はどういうことになつておるのか。南鮮、北鮮の数字、わけ方、取扱い方というものを聞きたい。
  26. 大橋武夫

    大橋国務大臣 ただいま大矢委員からの御質問でございまするが、出入国管理庁におきまして、外国人の登録をしております。これは外国人の申出によつて登録いたすことになつております。それで最初朝鮮人ということで全部登録をいたしたわけでございますが、その数が四十六万八千六百八名ということに相なつております。その後三十八度線以南を韓国ということで、韓国人として登録を求めることになつたのでございますが、これに対する登録は七万四千九百二十七、こういうことに相なつております。これは特に外国人登録令の趣旨といたしましては、韓国人として改めて登録したい者は、そういう登録をしてもよろしい、こういう趣旨で登録させたわけであります。それが七万四千九百二十七、こういうことになつておるわけであります。ですから事実三十八度線以南の所属と認めらるべき朝鮮人でありましても、これは本人がその登録の意思がなければ、特に韓国人としての登録をする必要がないという扱いになつておるわけであります。
  27. 大矢省三

    ○大矢委員 七万と四十六万と申しましたが、もし送還するということに相なりますと、自分は韓国に手続をとつていない、朝鮮人としてそのままであるという場合には、北鮮に帰されるかどうか。それからどういうときにこれを帰すか、何か好ましからざる人であるとか、どうも日本治安維持について協力ができない人とか、いろいろあると思います。それから韓国政府の正式な承認を得たのかどうか。そういう送還の基準と、まさか北鮮の方には話はないと思いますが、送還する相手方の韓国政府とのその後の折衝、そういうことの経過についてお聞きしたいと思います。
  28. 大橋武夫

    大橋国務大臣 朝鮮人の送還と申します問題は、これはただいま政府と総司令部の間で研究中の問題でございますが、根本の方針として、不穏分子を送還するということは、これは意見が一致をいたしております。ただいま御質問になりました送還すべき人の選択の基準であるとか、あるいはどういう港に送還するというような具体的方法につきましては、まだ具体化いたしておらない状態でございます。
  29. 大矢省三

    ○大矢委員 まだ具体的にきまつておらないということでありますけれども、ちよつと質問内容に入つて行くかもしれませんが、今数字をあげましたうちのほとんどが南鮮の人である。そういう場合に、もし不穏な人々とか、それからいろいろな送還の基準がそこにきまり、日本で不穏分子という銘を打つて南鮮の方に帰しますならば、北鮮の共産軍と対立しておる現状においては、向うで虐殺されるということを覚悟の上で送還されるということになりまして、これはたいへんなことになると思う。ただ普通の密航者であるとか、あるいはいろいろ犯罪を犯した人を一応本国に送還するということでありますならば、そういうことはない。日本が特に自由党の内閣において、共産党と始終対立しておるときに、そういうものを銘打つて日本政府が帰したならば、これは韓国としては受入れるはずはない。これは戰々競競といいますか、人道上ゆゆしき問題が起きると思う。そういう内容について司令部との間にきまつていないということでありますが、これは愼重に扱つてもらいたい。現に日本におられる朝鮮の人々の思想の上にも、あるいは将来アジア民族の上に及ぼす影響もきわめて大きいですから、この点愼重にやつてもらいたい。  さらにもう一つ大きなことは、送還される人々の資産をどうするかということが非常に問題になると思う。日本政府が没収してしまうのか、あるきり財産を持たしてやるのか、こういうことも日本と話合いの上で、司令部の了解があつたならばどういうふうにするとか、そういう場合の処置は、韓国との間に国際法があるかもしれませんが、そういう場合は当然了解を得てあればあつたものと私は考えますが、その財産の処分なり、どこへ帰すのか。しかも共産主義運動をやつておつたということの刻印を押して帰すということになると、戰つておる南鮮においては非常な身辺の危險を感ずる。こういうことについては一応考慮されたことがあるかどうか、この機会にお伺いしたいと思います。
  30. 大橋武夫

    大橋国務大臣 ただいま大矢委員の指摘されたような点は、いずれも考慮すべき点であると考えております。かような点の具体的な問題をただいま司令部当局と打合せ中であるわけでございます。
  31. 大矢省三

    ○大矢委員 打合せ中であるというなら、もつとあとでお伺いしてもよろしい。  なおこの機会にお伺いしたいことは、せんだつての議会の開会中に陳情がありましたあの千数百人胸部疾患で解雇された予備隊の人々のその後の取扱いはどうなつているか。これは直接総裁にお会いして、総裁からできるだけのことは、治療にも当ろう、生活保護法の適用も受けるということで一応帰りましたけれども、私ども来た人々だけでなしに、予備隊警察の運営の上に、非常に影響が大きいと思いますから、その後の扱い、実情というものについて、この機会にお伺いしたいと思います。  それからいま一つ自治体警察、先ほど門司君からもいろいろ質問がありましたが、今度の警察法改正によつて新聞紙上によると、何か十万以下の自治体警察はこれを廃止して、国警に統合する。これはまだそこまで進まれているかどうか知りませんが、それについていろいろ自治体警察関係者が集まつて意見もまとめているようです。この地方自治体、小さな衛星都市その他の自治体警察が、経済的に非常な苦しみのために、各地方の多くの会社あるいはまたその他の関係者に向つての寄付を半強要といいますか、相当集めているようです。特に電鉄会社のごときは、各小都市の自治体警察に必ず関係があるということで、各自治体の小さい警察からの寄付を申し入れられて、実際困つておるというようなことも、ちよいちよい耳にするのであります。そういう寄付金が自治体警察單独でやつておるのだから正式な確実なことは握れぬかもしれませんが、大体このくらいの費用は集まつたであろうというような何か数字の調査したものがあれば伺いたい。それから今後自治体警察をこのまま存続するか、国家警察に統合するかは別として、経済上の費用の問題というものは相当重要視しなければならぬ。勢いそういうことも考慮に入れなければ、国の国家警察につくものとしても、自治体警察をそのまま残すとしても、何かの形で平衡交付金なり、あるいは国家の補助なり、あるいは自治体の方にもつと財源を認めるか何かしないと、このままでは実際存続しても廃止しても経済上の影響が非常に大きいと思いますから、この機会に寄付金の総額、内容というものがもしわかつておりますれば伺いたい。
  32. 大橋武夫

    大橋国務大臣 最初の御質問警察予備隊におきまする結核患者の措置の問題でございますが、これはただいま千数百名とお述べになりましたが、当時私ども情報がないために約千名くらい、かように存じておりましたが、その後十分に調査いたしましたところ、人員といたしましては五百名以下でございました。これにつきましては当時一応免職をするというような措置がとられておつたのでございまするが、予備隊といたしましては、これをただちに取消しまして、六箇月間の自宅休養を命ずることにいたしまして、この間の給與の金額を支給いたしますると同時に、若干の医療についても心配をいたしたわけであります。それでなお当初処分が行われましたる際において、医師の診断が必ずしも正鵠を得てはいなかつたではないか、こういう疑いもございましたので、全般的に公立病院の医師二名以上の診察によりまして、さようなる心配はないという診断が與えられたものは、即日より勤務してよろしい、こういうような措置をとつておるわけであります。従いまして、大部分のものは自宅において給與を受けつつ今療養をいたしておるという状態でございます。  なお第二の地方自治体の寄付を徴收いたしておる実情についての調べがあるかということでございますが、国家警察といたしましては、ただいまのところこの調べは持つておりません。
  33. 野村專太郎

    野村委員長代理 よろしいですか。——次に大泉寛三君。
  34. 大泉寛三

    ○大泉委員 政府はこの国会警察法改正案を提出されるということで、自治警とあるいは国警に対しても、その欠陷をある程度取入れられて出されると思いますけれども政府としては多分警察行政に携わつておる立場の方から、多くは意見を聞かれておることと思いますが、大体政府の方針としてその住民の意思を基本に置いておるか、あるいは警察側の意思をもととしておるか、これをまず伺いたい。  それから犯罪性質内容においては、地域にこだわる必要はないではないか。犯罪が全国的にきわめて大きな規模においてある場合に、ある小さな町にその犯罪の根拠があつた場合は、その自治体がひとりこれを負うということは、あまり大き過ぎてとうてい手がつけられないというようなこともあり得る。こうした場合には、その犯罪性質内容によつて国警で取上げるべきものじやなかろうかと考える。そうした場合に、自治体警察が多分にそれに協力した場合に、あるいは負担を負つた場合に、いかなる措置をとられるか。経済的な財政的な援助は、特にするのかしないのかということをお伺いしたい。  それから地方の完全に独立されておる小都市、いわゆる小さな町や市においては、なるほど政府考えておられるように、自治体警察として運営できますけれども、大都市の周辺にある、大阪とか東京とかいうようなところに接近しておる小都市というものは、その大都市の余波を受けて、実際の負担は大都市と同じような負担を負わなければならない。ところが犯罪には何も地域も区域もありはしないけれども財政的には地域によつてそれを負担しなければならない。自治体である以上は、たとい大都市に接近しておろうが、それは自治体としてのまかないをやつて行かなければならぬというような、犯罪内容性質と異なつ一つの立場に置かれている。同じ東京都においても、ずつと離れた八王子とか、あるいはそれに反して東京都に近い埼玉県の浦和とか、あるいは川口というような場合は、ほとんど東京都の郊外とかわらない、こういうような立場にあります。これに対して何らかの財政的な援助をされるというような点、これを今度の改正に十分盛られていることと信じますけれども、なおこの点における現在の御意見を承りたいと思います。
  35. 大橋武夫

    大橋国務大臣 まず第一に警察法改正については、警察側の意向を主とするか、あるいは住民の意向を主とするかという御質問でございまするが、私どもはこれはやはり国民全体の立場というものから考えて参りたい、かように存じております。従いまして今後立案の仕事を進めて参りますにあたりましても、ひとり警察関係者のみの意見を徴するばかりでなく、広く各方面の意見を総合して案を決定して行くという運びにいたしたいと考えております。  それから犯罪性質によりましては、地域——いわゆる自治体警察の地域というもの以外にわたる場合もあるし、従つてこれについてある程度国警の仕事を認めるか、また費用を国警負担せしめるか、この点はこのたびの改正においても取上げておる一つの大きな題目でございまして、目下この点は愼重に研究をいたしておる次第でございます。  なお大都市周辺の小都市の警察の問題でございますが、この点もあわせてよく研究いたして参りたい、かように考えます。
  36. 大泉寛三

    ○大泉委員 多分そういう考えであると思いますが、これについてはやはり警察関係意見というものは、どうしても地方自治体の責任者——府県とかあるいは市町村というような自治警に携わつておる責任者の立場から、あるいはまた警察に直接に携わつているような警察官吏の方から、政府としては強い要望を聞かされていることと思います。そこで民間から聞かれるとすると、まずわれわれ国会議員とか、あるいはそうした民間に常に接触しなければならないような立場の人の意見を多く聞かなければならぬと私は思うのであります。私どもでさえもいつも聞くのは、どうも警察行政面のいわゆる成績をあげんがために——もちろん成績をあげるというのは国民のためにあげるのでありますけれども、とかく身分上の立場からいつも論じられる。こういう弊害は警察行政を中心として、いつも私ども聞かされる。私どもでさえそうであるから、多分その中心部である法務総裁としても、裁判所その他地方警察あたりから多く要望されると私は思うのであります。この点ひとつ民間の意見も、特に国会意見も十分取入れて改正法に盛られたい、こういうふうに要望しておきます。私は別に答弁を求めるのではありませんが、とにかくこれだけを申し上げておきたいと思います。
  37. 野村專太郎

    野村委員長代理 次に立花敏男君。
  38. 立花敏男

    ○立花委員 警察問題を先にお聞きしたいのですが、十二万五千のわくをお広げになる意向があるらしいのですが、どの程度、またいつごろお広げになるのか承りたいと思います。
  39. 大橋武夫

    大橋国務大臣 これは警察法改正案の内容をなす問題になるのでありまして、目下研究中に属しております。
  40. 立花敏男

    ○立花委員 それでは警察法はいつごろお出しになるのでありますか。
  41. 大橋武夫

    大橋国務大臣 先ほど申し上げました通り、でき得る限り本国会中に提案をいたすようにいたしたいと、かように考えております。
  42. 立花敏男

    ○立花委員 警察法改正の提案が、本国会中に行われるといたしましたならば、聞くところによりますと、地方選挙関係等で実質的に広がります。今度の国会はもう二箇月ないのじやないかと聞いておりますので、その間に警察法改正をおやりになり、その内容は十二万五千のわくの拡張がおもであるといたしましたならば、もうすでに数に関するお気持はきまつていなければならないじやないかと思いますので、大体をお漏らし願いたいと思います。
  43. 大橋武夫

    大橋国務大臣 それはある程度の目算というものはございますが、なお結論を得るに至つておりませんので、申し上げることを差控えた方がよろしいかと思います。
  44. 立花敏男

    ○立花委員 この数の拡大の問題は、その性質はまたあとでお聞きしたいと思うのですが、單に数をふやすだけでも、実は国民にとりましては大問題だと思うのです。これは必然的に予算増加を伴いますし、ただでさえ困難しております地方財政にとりましては、非常に負担が大きくなる。今地方は、御承知のように予算編成期を迎えておりまして、警察の数がどうなるかということは、予算の上にも大問題です。早く腹案をお持ちならばお示し願いたい。数を示したからどうということは、私はないと思います。これはぜひお聞かせいただきたい。国家警察地方警察合せまして、大体はつきり数字の上に現われました予算だけでも五百億円を突破しております。そういうような莫大な予算を伴う問題であり、数が幾らふえるのか、倍になれば一千億になりますし、幾らふえるかわからないでは、地方予算が組めません。そういう予算がおありになり、しかも腹案を得ておれば至急お示しになるのがよいのではないか、そういうふうにお運び願いたい。  それから十二万五千のわくの問題でございますが、わくの拡張は今お考えになつておりますのは、政府自身が発案なさつたのか、関係方面からの示唆か何かあつたのか、それを最初にひとつお聞きしておきたいと思います。
  45. 大橋武夫

    大橋国務大臣 警察法改正の問題につきましては、自由党といたしまして一昨年以来いろいろ研究いたしおるわけであります。また政府といたしましても、一昨年来研究をいたして参つておるのであります。このたびのいろいろな警察法改正についての考え方というものは、関係方面の示唆というよりは、むしろ日本側の考えつきによるものでございます。
  46. 立花敏男

    ○立花委員 向うの示唆じやなしに、十二万五千のわくを広げるということは、どうも私納得できない。どういう理由で十二万五千のわくを広げなければいけないのか、どういう具体的な事実があつて警察法改正が必要なのかお示し願いたい。片一方では警察予備隊をおふやしになるような話もございますし、その際さらに十二万五千のわくを広げなければならないという理由は私どもどうもわかりません。と申しますのは、二、三日前総理大臣の演説の中に、治安は良好だということをはつきり言つておられる、国民は安心しておつてもいいということを言つておられるのに、どうして警察わくを広げなければならないのか、どうもわからないのであります。もし具体的な理由がございましたらお示し願いたい。
  47. 大橋武夫

    大橋国務大臣 先ほど来私の申し上げておりますのは、わくを広げるということがきまつたということを申し上げておるのではありませんので、わくを広げるという問題についても、研究をいたしておるということを申し上げてあるわけであります。従いましてわくを広げる理由というものは、わくを広げるということがきまりまして、それを御審議願いまする際に申し上げることにいたしたいと思います。
  48. 立花敏男

    ○立花委員 さいぜんからのお答えでは、わくを広げることがきまつておるというふうに聞いたのですが、そうではないとすれば——今そういうふうにおつしやつたのですが、そうすればわくは広がらないというふうに理解してもいいのでございましようか。さいぜんの門司君の質問に対されましては、わくは大体広げるのだということが既定方針のようにお答えになつたので、今の答弁相当違うのですが、今後お出しになるものには、わくは広げない、それは研究中だと言われれば別ですが、大体広げないというふうに了解しておつていいのかどうか。これは言葉でいくらおつしやられても、実際出て来たものが広げることになつておれば、何にもならないと思うのですが、これはどうなつておるのですか。
  49. 大橋武夫

    大橋国務大臣 これは最初から申し上げました通り、こういう問題について研究中である、その問題の一つとしてわくを広げるという問題もある、私はこういうことを申し上げたつもりであるわけであります。
  50. 立花敏男

    ○立花委員 まあ警察法そのものを観念的にお扱いになつて、妥当な警察法にするという研究であれば、それはそういうお答えもあるでしようが、実際政治をおやりになり、実際警察行政をおやりになつた中から出て来た結論なんだから、ふやすかふやさないかということの結論が出ておるのではないかと思う。ですからどうも今のお答えでは納得できないのですが、しかしそれ以上質問してもお答えがないでしようから、次の問題に移りたいと思います。  自治警察をある程度制限いたしまして、国家警察にするということが、やはり今度の改正の主眼点になつております。これもやはりさいぜんの総理大臣のお言葉にも矛盾するようですし、あるいはマッカーサー司令部あたりでも、日本の民主化は非常に進んで来て、講和の受入れ態勢ができるまでに民主化できておるとおつしやられておるので、いまさら警察の民主化の方法を逆転させて、自治警察国家警察の方に持つて行かなければならぬということは、私はどこからも結論が出て来ないと思う。実際今度の警察法改正の中には、自治警察国家警察にして行くという方向が含まれでおるのかどうか。これはたびたびマッカーサーの声明の中にも、日本の新しい警察法をおつくりになる場合に、今までの日本の軍国主義的な一つの支柱をなしておつた警察国家的なものをなくするのだということを、はつきり明言されております。この方向と非常に違つて来るのではないか。もしこういう問題が含まれておるとすれば、客観情勢がどういうふうに変化したので、こういう方向をとらなければいけないのか。これは実に重大な問題だと思うのですが、その点をひとつお示し願いたい。
  51. 大橋武夫

    大橋国務大臣 警察法改正の趣旨と申しますものは、警察の民主化というものを日本実情によりよくあてはめて、これを推進するという方向に進むべきものである、こう考えておるわけであります。これを逆転せしめるようなことがあつてはならない、こう考えております。
  52. 立花敏男

    ○立花委員 日本実情に即せしめるということは、吉田さんも言つておられる、日本治安は良好になつて来た。それからマッカーサーも言つておられますように、民主化が非常に進んで来た。これが実情だと思う。その実情の上に立つのであれば、自治警察強化がむしろ進むべき方向でございまして、国家警察の方向に行くのは、むしろ日本実情に即したことは私は言えないと思う。そういう意味で総裁日本実情に即して警察法改正するというのであれば、むしろ自治警察は拡充の方向に行くべきではないか。その点で具体的な日本実情という問題については、まだちよつと私ども納得が行かないのですが、総裁警察国家を拡充、整備する方向に日本実情が動いている、自治警察を拡充すべきではないというふうにお考えだと思うのですが、それをひとつ具体的に、どういうふうに日本実情警察国家を拡充する必要があるかということをお示し願いたい。
  53. 大橋武夫

    大橋国務大臣 自治警察の拡充ということは、やはり非常に大切なことでありまして、警察法改正においては、常にそれを一つの主眼点として考えなければならない。小さな自治警戒の問題でございまするが、この問題を考えまする場合におきましても、自治警察というものを強化する、拡充するという上から考えて行く、こういうふうに私ども考えるつもりであります。
  54. 立花敏男

    ○立花委員 それは少し詭弁じやないかと思うのですが、現在お聞きしておりまする警察法改正の案では、さいぜんも大矢さんですかから御意見が出ておりましたように、小さいところは、十万以下の自治警察をなくして国家警察にするのだ、こういうことになりますと、今あなたの言われました小さいところの自治警察も拡充するのだということは違つて来るのじやないか。十万以下の自治警察はなくなるのですから、自治警察は小さいところでも拡充するのだということは言えないのじやないか。そこに大きな矛盾があるのじやないか。この点をひとつお答え願いたい。
  55. 大橋武夫

    大橋国務大臣 十万以下の自治警察をやめるということは私ども考えておりません。
  56. 立花敏男

    ○立花委員 いや、十万という数字は、あるいは確定的ではないかもしれませんが、とにかく現在小さいところの自治警察を持つているところも、国家警察にある程度切りかえて行くということは、やはり今度の警察法改正の主眼点だと思う。結局現在の十二万五千のわく内の振りわけの問題になるでしようし、これがふえた場合の振りわけの問題になるでしようが、結局そのわく内での比率が、国家警察がふえる方向に行くのじやないかと思うのですが、この点もまだおきめになつていないのかどうか。これはおきめになつていないと言われればそれまでなんですが、私どもの聞いているところ、あるいは新聞に発表されたところによりますと、やはり国家警察の比重が大きくなつているということが言われておりますので、この点でもやはり大橋総裁が言われますように、これも自治警察の拡充だというふうに強弁なさるのであるか。
  57. 大橋武夫

    大橋国務大臣 比重がどうなるかという問題も、実はまだきまつておりません。小さな自治警察を何とかして強化しなければならぬということは考えております。これが強化のためにどうしても必要であるという場合においては、自治警察にかえて国家警察にするということも一つの方法として考えられるわけであります。その場合において、地方自治の精神、新警察法の精神をいかにして生かして、そういうことをやるかということを今研究しておるわけであります。
  58. 立花敏男

    ○立花委員 まだおきめになつていないとすれば、ぜひひとつ自治警察の拡充の方向に行つていただきたい。と申しますのは、私ども関西の方におきましても、すでに自治警察の縮小は反対だという声が、警察方面からも出ておりますし、マッカーサーの言葉の中にも、明らかに主体は自治警察にあるので、警察の民主化にあるので、国家警察の方は不可分のものだけは残して置くという建前は明らかにうたわれておりますし、その意味で、十二万五千のわく内でも国家警察を三万という最小限度の必要しかとつていないわけなんで、いまさらこの比重が逆転するようなことになりましては、明らかに警察行政の逆転だと思うので、その点はひとつ愼重に御考慮を願いたいと思います。それから予備隊の問題でございますが、実は予備隊については、たいへんな問題が兵庫県の方に起つておりまして、学校をどんどん立ちのかせまして、予備隊のキャンプに充てようとしておるのでありますが、しかもこれに対しまして父兄の方面から陳情いたしますと、これは私どもではきめられないのだというようなことになつてしまいまして、泣きつくにも泣きつくところがわからないということが起つておるのですが、こういうようなほんとうに人民のための警察をおつくりになるのであれば、なぜこの人民の意向を無視して警察をつくるために、警察の宿舎のために学校を立ちのかしたり、ひどいのになりますと、盲唖学校を立ちのかしまして——盲唖学校は御承知のように特殊な学校でございまして、おいそれと立ちのき先がないのでありますが、こういうところまでも強制的に立ちのかして、父兄の間に大問題になつておる、なぜこういうようなことをなさるのか。これは警察予備隊性格が、国民に非常に誤解されるものだと思うのですが、なぜこういうような強行的な措置をおとりにならなければならないのか。これは増原さんも実際姫路まておいでになつて、実際自分がごらんになつておるので、これを知らないということは言えないと思うのですが、この点をお聞かせ願いたいと思います。
  59. 大橋武夫

    大橋国務大臣 現実に学校に使用されておる建物を立ちのかして、これを隊員の宿舎にするというような措置をとつてはならない。こういうふうに指導いたしておりますから、さような事実はなかろうと存じますが、もし事実があつたといたしまするならば申し出ていただきますならば、十分に調査いたしたいと思います。
  60. 立花敏男

    ○立花委員 それはけつこうな御答弁をいただきまして、父兄はたいへん喜ぶだろうと思いますが、実は姫路の神戸大学の分校と盲唖学校を、強制的に立ちのかすことになつております。これは今父兄が県の教育委員会陳情いたしましたが、結局らちがあかずに知事まで持つて参りました。しかし知事も自分ではどうにもならないということで、大体処分は決定したようです。それで父兄は泣寝入りということになつております。姫路の盲唖学校は特に盲さんたちですから、特別の施設を備えつけてやつているわけなんです。これは莫大な費用もかかるし、つくるのに非常に期間もかかりますし、どうしても立ちのき先がないということで困つておるのですが、今の大橋法務総が言われましたことを実際やつていただきますれば、非常に私はいいじやないかと思いますので、さつそく連絡をとりますからよろしくお願いいたします。それから今のような学校の問題ではなしに、地方財政的な負担が、予備隊の問題で非常に増加して来ております。兵庫は伊丹、姫路というふうに予備隊がずつと来るのですが、福知山あたりでは、市の予算の上に予備隊予算を幾らというふうに計上しているわけです。こういう問題がありまして、ただでさえ困難な地方予算の上に、予備軍の費用がどんどんかさんで来る。あるいは長野県で起きました予備隊設置の問題につきましては、今の自由党のおえら方も参加しておられるようですが、数千万円の金が予備隊誘致に使われまして、地方の公務員の冬期の手当等に非常に影響がありまして、一箇月分もらえるのが半月分しかもらえなかつたというような状態が起つておるのは、これは公然の祕密になつております。こういうような形で公式に支出する金、あるいは予備隊を誘致する金が非常に大きいのですが、これを大臣はお知りかどうか。こういう問題がありましては、私ども地方行政あるいは財政を担当しております者といたしましては、どうしてもこれは無視することができないと思う。今後予備隊の費用を地方財政負担にしないということが御確認願えるかどうか、ひとつお聞かせを願いたいと思います。
  61. 大橋武夫

    大橋国務大臣 予備隊の経費は、もとよりそれがために必要な予算を計上いたしておるのでありまして、その予算範囲でやつて参る、こういう方針でございまして、これに対して地方負担をおかけするというようなことは当初より考えておりません。
  62. 立花敏男

    ○立花委員 そうしたならば、そういう負担はもし実際上地方自治体が知らずにやつておりました場合は、これは国家の方で出すべき金だからというふうにいたしまして、削つてもいいわけでございますか。
  63. 大橋武夫

    大橋国務大臣 地方予算のことにつきましては、私からお答えすべき限りではないと思います。
  64. 立花敏男

    ○立花委員 では地方にそういうふうに連絡をとるようにいたします。それからこの警察予備隊の問題ですが、私どもどうも警察予備隊のキャンプ等を、私どもが知り得る範囲で見てみますと、非常に莫大な数が現在すでにおるのではないか、七万五千くらいではないではないかというふうな結論に到達するわけです。たとえば京都だけでも約一万近い予備隊がおります。舞鶴に六千近い、福知山に二千五百、とにかく京都だけでも一万近い予備隊がおりますので、全国で七万五千くらいではないのではないかというふうな感じがするのですが、ひとつ予備隊のはつきりした数字とキャンプの所在地、キャンプの收容人員等を、ぜひお示し願いたいと思うのですが、これはやつていただけますかどうか。
  65. 大橋武夫

    大橋国務大臣 ただいま予備隊の総員数は約七万二千名ばかりに相なります。
  66. 立花敏男

    ○立花委員 そのキャンプの所在地、キャンプの数、収容数というようなものをひとつお示し願いたい。
  67. 大橋武夫

    大橋国務大臣 キャンプの所在地、キャンプの数というのは、ただいま私手元に資料を持つておりません。
  68. 立花敏男

    ○立花委員 それはお示し願えるのは願えるのですか。今手元にないだけで、委員会にお示し願えるかどう  か……。
  69. 大橋武夫

    大橋国務大臣 この問題はひとつ研究さしていただきます。
  70. 立花敏男

    ○立花委員 どういうわけで研究しなければいけないか。
  71. 大橋武夫

    大橋国務大臣 研究の必要がありますので、研究をさしていただきます。
  72. 立花敏男

    ○立花委員 その必要の理由をひとつ……。
  73. 野村專太郎

    野村委員長代理 答弁ございません。
  74. 立花敏男

    ○立花委員 それでは国民は警察予備隊というものに、非常に疑惑を持つのではないかと思うのです。どこにキャンプがあつて、どれだけおるのかお示し願えない。国会でもお示し願えない。もし大橋さんが必要とあれば、祕密会にしてでもいいと思うのですが、国会の祕密会でもお示し願えない。そういうものがある。しかもそれに対しまして莫大な費用が使われますし、またこれが何倍かにされようといううわさもある場合に、こういう形のものがそういう形でふえますことは、国民は疑惑を持つなと言つても疑惑を持たざるを得ない。しかもそういうものが軽装備から重装備に最近切りかえられまして、もうあるキャンプでは予備隊と呼ばれずに兵隊と呼ばれておるというような状態になつて参りますと、これは憲法に何と書いてありましようとも、軍隊ということになりますので、そういうことでないとおつしやるならば、予備隊のキャンプの所在地、キャンプの数、收容数、こういうものをはつきりお示し願いたい。
  75. 大橋武夫

    大橋国務大臣 これはお示し申し上げることはできないとは申しておらない。お示しできるかどうかを研究してお答えする、こういうことを言つておるわけであります。
  76. 立花敏男

    ○立花委員 警察は人民のための警察でございまして、警察が民主化されたのは国民はみな知つております。その民主化された人民の警察がどこにあつて、どれだけおるのかわからない、それも言えない、研究しなければ言えない、研究する理由も言えないというのでは、これはまつたく祕密なんです。祕密警察なんです。なぜ警察の数が発表できないのか、警察の所在地が発表できないのか、研究をしてからというならば、なぜそれを研究する必要があるか、研究の理由はどうなんだ、国民もほんとうに必要があれば納得するだろうと思いますが、隠さなければいけない、発表できない理由は何なんだ。あるいは研究しなければ発表できないような、研究しなければならない理由は何なのか、これだけはひとつお示し願いたいと思う。
  77. 大橋武夫

    大橋国務大臣 これはまだ所在地が確定的になつておりません。それから現在そこにおります者も、確定的にそこにおちつくということがきまつておりません。それから始終移動をいたしております。そういうような関係がありますので、十分に研究をいたしませんと、実情を発表することもできないわけでございます。
  78. 立花敏男

    ○立花委員 私何も確定したやつを知らしてくれと言つているのではありません。現在おるところでけつこうです。現在すでに何箇月も、去年の夏からおりますので、これがどこにかわろうと問題ではありません。現在おるところを、現在おるままの数字をお示し願いたいと言つておるので、大臣の御答弁は私は答弁にならないと思います。
  79. 大橋武夫

    大橋国務大臣 お示しできる程度のものはお示しいたしたいと思います。
  80. 立花敏男

    ○立花委員 それはひとつぜひお示し願いたい。できないと申されるのは、どういうものができないのか。お示し願えるのはどういうものなのか、それをひとつお示し願いたい。
  81. 大橋武夫

    大橋国務大臣 実はこの警察予備隊は、現在独自のキャンプを持つていないものがあります。従いましてこれは進駐軍の好意によりまして、その施設を借用いたしておるものがあるわけでございます。そういつた関係上、この警察予備隊自体の必要からではなく、進駐軍の関係で発表できないところが起つて参る、こう考えられます。
  82. 立花敏男

    ○立花委員 それがどうも不可解なんです。日本警察が、たとい進駐軍のキャンプを借りておりましようとも、日本警察の所在地はやはり国民が知つていなければいけないと思う。私どもは何も進駐軍のキャンプの所在地を知らしてくれとは申しておりませんので、私どもが法規によりまして、また私たちの予算によりましてつくつております日本警察予備隊の所在地を知らしていただきたいと申しておりますので、これは進駐軍の問題とは関係ないと思うのですが、その点どうですか。
  83. 大橋武夫

    大橋国務大臣 立花君は関係ないと考えられますかもしれませんが、また私どもとしては関係あると考えざるを得ないことがあります。しかしいずれにいたしましても、これはその辺を十分調べた上で、またの機会に申し上げることにいたします。
  84. 立花敏男

    ○立花委員 では現在の日本警察予備隊に関しては、進駐軍との関係があるので、所在地、数等ははつきりできないというふうに御答弁があつたと了解してよろしゆうございますか。
  85. 大橋武夫

    大橋国務大臣 これをはつきり申し上げることによりまして、進駐軍の兵力があるとか、ないとか、そういつた進駐軍の兵力を間接に推測させるような——警察予備隊がそこに入つておれば、そこには進駐軍はないということになりますし、またどこそこに幾ら入つているということになれば、そこにはそれだけの進駐軍の兵舎があるということが間接にわかるわけであります。そういつた進駐軍の軍機に触れる事項があるわけでありますから、この点につきましては、その辺を十分に研究をいたしてから申し上げる、こういうことにいたしたいと思います。
  86. 立花敏男

    ○立花委員 そうすれば、そういう進駐軍の軍機に関することを除いては、原則的には警察予備隊のキャンプの所在地、数等は発表なさるという方針がというふうに理解しておきたいと思います。それからさいぜん問題になりました朝鮮人の強制送還の問題ですが、これは現在の国際情勢、日本の立場から申しまして、單に日本の立法だけで措置できる問題ではないと思うのですが、その点はどういうふうな手続で送還なさるおつもりなのか、その手続きをひとつ……。
  87. 大橋武夫

    大橋国務大臣 この手続を司令部と相談をいたしておるわけであります。
  88. 立花敏男

    ○立花委員 司令部当局と御相談ということはさいぜんも承つてよくわかるのですが、こういう重大な問題につきましては、実は日本には六万近い朝鮮人がおりますし、その人たちとの折衝を政府はやつておられるかどうか。單に司令部だけとの折衝で問題を全面的に御決定なさるおつもりか、その辺をお伺いしたい。
  89. 大橋武夫

    大橋国務大臣 政府としましては、直接外国人と交渉するという立場にないわけであります。
  90. 立花敏男

    ○立花委員 これは意見の聽取でもいいと思うのです。外国人との折衝をやらないとおつしやつておられますが、実際朝鮮人に対しましては、各地方機関で折衝をやつているわけです。しかも生活保護法まで適用しております。こういう問題で、あるいは朝鮮人の中から方面委員にかわるものすら選ばしてやつているところもあるわけでございまして、そういうふうにしやくし定規におとりにならないで——実際これは朝鮮人にとりましては大問題であります。これは資産の凍結問題も入つて参りますから、非常に大問題でございまして、やはり実情をよく知つた上でおやりになるということが、将来の問題にとりましても、あるいは日本民族と朝鮮民族との今後の問題につきましても重大な問題でありまして、一方的に事を決せられないようにするためには、ぜひ何らかの形の意見を聞き折衝するということが必要じやないかと思うのですが、これを政府は全然おやりにならないのかどうか承りたい。
  91. 大橋武夫

    大橋国務大臣 御意見として承つておきます。
  92. 立花敏男

    ○立花委員 問題を円満に解決いたしますためにも、ぜひそういうふうにやつていただきたいと私は思います。最後に共産党に対する問題でございますが、共産党非合法化の問題に対する大橋さんの御意見が、最近また大分かわつて来たようでございますが、この経緯並びに現在のお考えお話願いたい。
  93. 大橋武夫

    大橋国務大臣 共産党の非合法化の問題につきましては、引続き研究中である、かように申し上げる程度であります。
  94. 立花敏男

    ○立花委員 岡野さんはどうですか。
  95. 野村專太郎

    野村委員長代理 岡野さんは参議院の方に行くので御退席になりました。明後日なお続行いたしますから……。
  96. 立花敏男

    ○立花委員 では警察の問題はこのくらいにしておきます。
  97. 野村專太郎

    野村委員長代理 それでは今日はこの程度で散会いたします。     午後零時四十八分散会