○大矢委員 まだ具体的にきま
つておらないということでありますけれ
ども、ちよつと
質問が
内容に入
つて行くかもしれませんが、今数字をあげましたうちのほとんどが南鮮の人である。そういう場合に、もし不穏な人々とか、それからいろいろな送還の
基準がそこにきまり、
日本で不穏分子という銘を打
つて南鮮の方に帰しますならば、北鮮の共産軍と対立しておる現状においては、向うで虐殺されるということを覚悟の上で送還されるということになりまして、これはたいへんなことになると思う。ただ普通の密航者であるとか、あるいはいろいろ
犯罪を犯した人を一応本国に送還するということでありますならば、そういうことはない。
日本が特に自由党の内閣において、共産党と始終対立しておるときに、そういうものを銘打
つて日本の
政府が帰したならば、これは韓国としては受入れるはずはない。これは戰々競競といいますか、人道上ゆゆしき問題が起きると思う。そういう
内容について司令部との間にきま
つていないということでありますが、これは愼重に扱
つてもらいたい。現に
日本におられる朝鮮の人々の思想の上にも、あるいは将来アジア民族の上に及ぼす影響もきわめて大きいですから、この点愼重にや
つてもらいたい。
さらにもう
一つ大きなことは、送還される人々の資産をどうするかということが非常に問題になると思う。
日本政府が没収してしまうのか、あるきり財産を持たしてやるのか、こういうことも
日本と話合いの上で、司令部の
了解があつたならばどういうふうにするとか、そういう場合の
処置は、韓国との間に国際法があるかもしれませんが、そういう場合は当然
了解を得てあればあつたものと私は
考えますが、その財産の処分なり、どこへ帰すのか。しかも共産主義運動をや
つておつたということの刻印を押して帰すということになると、戰
つておる南鮮においては非常な身辺の危險を感ずる。こういうことについては一応考慮されたことがあるかどうか、この
機会にお伺いしたいと思います。