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宮幡委員 次は、われわれ自由党として
考えておりまするところの修正
意見があるのでありますが、これは必ずしも出さなければならないとも思
つておりません。しかしながらこれをまじめに検討してみまするに、大いに議論のある
品物がたくさんある。これを記録の上にはつきりとどめておきたいと思いますので、多少長くなるかもしれませんが、品目を掲げてお尋ねいたします。輸入品のうちで、おおむね奢侈品的な傾向を持ちまして、しかも
国内産業と
競争的の立場に立つ
品物が相当あります。これらにつきましては、ただいまの低
関税主義から生れました今回の
税率には若干の疑問があります。具体的にいえば、化粧石けんが、か
つて一〇〇%であ
つたのが今度三〇%から二〇%
程度にな
つている。これは一体下げる必要があるのか。ジヤム、ゼリーというようなものは三〇%でありますが、旧
関税は七〇%であります。こういう
品物につきましては、たとえば銀座街頭に氾濫しております外国製の菓子、これはおおむねOSSのカード所持者に対する販売を目的としておるものが、
国内に流れまして、
日本の製菓
業者を圧迫しておるというのが
現実にな
つております。こういうものに対して三〇%という低い
税率をあてがうよりも、でき得べくんばやはり五〇%というふうに持
つて行くべきではないか。歯みがきの二〇%も現行は一〇〇%であ
つたはずであります。それから花火
——花火というのは
日本の純粋の国産品でありまして、外国の容易に模倣することのできないものでありますが、こういう国粋的
産業はやはり
保護すべきである。前に一〇〇%であ
つた花火を二〇%にするということはどうも私
ども得心が行きません。合成繊維についても二五%という
課税をいたしておりますが、
国内の合成繊維
産業は、ただいま発達の過程にあるわけでありまして、いよいよも
つてこれを
保護育成しなければなりません。従
つて外国品の侵入を、報復的な
関税でなくて、合法的にこれを押えるということが当然の
措置であり、二五%は低過ぎはしないか。絹織物及び絹交織は、一〇〇%でありましたものが三〇%ないし二〇%に今度な
つておりますが、これも
国内の特殊
産業である、絹、人絹等の織物を
保護する上においていかぬではないか。手袋の三〇%から一五%、これも
日本のメリヤス工業に対しまして
保護的の
関税とはいえない。現在一〇〇%であります。靴下においても同様のことがいえます。ネクタイについても、外国製のネクタイをむやみに締めまして、非常に進んだような顔をしておるよりも、国産のネクタイを安く買
つてもらうという立場におきまして、三〇%は低いと思います。現在の一〇〇%ということとも思い合せなければならないと思います。その他寝台、金庫、こういうものも
日本で相当よいものができます。国産品を愛用する立場から、外国品をむやみに買
つて、外貨を失うような思想にならないようにするためには、現在の三五%くらいが適当であり、今回一五%に軽減したということは、はなはだも
つて当を得ないのではないか。キヤツシユ・レジスターは、
日本品は非常に優秀でありまして、今まで外国品に五〇%を
課税いたしておりましたものが二〇%に下げてあるのも得心が行かない。楽器も現在の四〇%を二〇%というふうに下げております。自転車は、現在三五%のが二〇%、今度アジア大会におきましても、
日本から携行した自転車の、声価はかなり上
つたはずであります。従
つて輸出促進の面において奨励はよいわけでありますが、外国車をも
つて日本の
産業が圧迫されるような
税率を置くことは、まことにも
つて当を得ないものだと私は強く感じております。写真用フイルムは、一〇〇%から三〇%、これも言葉をわかりやすく申しまして、けしからぬ
税率だと思います。
日本です白黒の映画から天然色に今切りかえられておるときでありまして、
国内のフイルム
生産には特別の配慮をいたさなければならない。それに対して外国
製品に圧迫されるような
関税はおもしろくない。そのほか室内遊戯品についても、一〇〇%であ
つたものを三〇%にした。その他あげてみるとまだたくさんありますが、これはほんの一例でありますが、こういうふうにわれわれ国会として、また自由党として
考えております。そこで原案を
提出せられました大蔵省の立場及び
関係各省の立場から行きますならば、なるべく原案を支持されたい、これは当然のことだと思います。けれ
ども実情はただいま
指摘しましたように、もう少し高い
税率を設けることが妥当であるという面で、もし
関係方面の御了解が得られるとすれば、かようなものの
税率引上げ等を志してよろしいかどうか、これはもしお答えができなか
つたならば、後日において
——とい
つてもあまり長い時間がた
つては困るのでありますが、明日か明後日あたりに御意向を承
つてもよろしいが、でき得ますならば、この際記録にとどめておきたいと思います。