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長崎説明員 商法第二百九十三条ノ五の第二項に「
業務及財産ノ
状況ヲ
詳細ニ記載シ」としてあるが、その「
詳細ニ記載シ」というのは、どういう
程度かという御
質問でありました。これは
商法の
一般の解釈になるわけでございますが、
法務庁とも打合せた結果に基きまして御回答いたしますと、これを要するに、この
商法の二百九十三条ノ五というのは、従来の
決算書類の閲覽権だけでは
株主の
保護に十分でないというところから、新たに
規定せられた
条文でありまして、今の
決算書類、すなわち
財産目録、
貸借対照表、
営業報告書、
損益計算書等では、十分に
株主の
監査の権利を発揮することができないというので、それよりも詳細に書いて
株主の
保護に遺憾なからしめんとしたものであります。従いまして、そういう
目的を達成し得るものであれば十分でありますので、必ずしも細
目的な
事項を網羅的に記載する必要はないのでありまして、重要な
事項を逸脱しない限り、概括的に記載することはさしつかえないというふうに解せられております。
なお
相互会社について、この
条文を準用いたしませんでしたのは、これは今の第二項の中に
株主との
取引を明示するとか、あるいは
資本及び
準備金の
増減について明示することを要するというようなことに
なつておりますが、
相互会社では
株主というようなものはございませんし、また
資本の観念もございませんので、別途省令で定めることにいたしておるわけであります。