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1951-03-27 第10回国会 衆議院 大蔵委員会 第43号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十七日(火曜日)     午前十一時十三分開議  出席委員    委員長 夏堀源三郎君    理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君       大上  司君    川崎 芳満君       佐久間 徹君    島村 一郎君       清水 逸平君    高間 松吉君       苫米地英俊君    三宅 則義君       内藤 友明君    宮腰 喜助君       田中織之進君    松尾トシ子君       竹村奈良一君    深澤 義守君  出席政府委員         大蔵事務官         (日本専売公社         監理官)    久米 武文君         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      佐藤 一郎君  委員外出席者         大蔵事務官         (銀行局総務課         長)      杉山知五郎君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  物品税法の一部を改正する法律案内閣提出第  八九号)  復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律  の一部を改正する法律案内閣提出第一一四  号)  たばこ専売法の一部を改正する法律案内閣提  出第一一八号)  国税徴収法の一部を改正する法律案内閣提出  第一二一号)     ―――――――――――――
  2. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 これより会議を開きます。  昨日質疑を打切りました物品税法の一部を改正する法律案、及び国税徴収法の一部を改正する法律案の両案を一括議題として討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。小山長規君。
  3. 小山長規

    小山委員 ただいま議題となりました国税徴収法の一部を改正する法律案、及び物品税法の一部を改正する法律案につきまして、自由党を代表して賛成の意を表します。国税徴収法案は、われわれがかねがね主張しておりました滞納整理に関しまして、一歩を進めた改善の法案であり、これによつて徴収困難な者に対しては、一定猶予期間を与えて、そしてもつて無理のない徴収をするということが、その主眼でありますので、その点賛意を表するにやぶさかでないものであります。  物品税改正法案につきまして、物品税法のうちの証紙を貼付させるという条項につきましては、いかなる品目に対して証紙を張らせるかという点について、法律上明定してない点が若干不安でありますが、昨日の私の質疑に対しまして、主税局長は、水あめ、サツカリン、ズルチンあるいはラムネ、サイダー、カバン、トランク等速記録に載つておる数品目限つて証紙の貼付を命ずるのであるという明確な答弁をされておりますので、これならば業界に不測の混乱を起す心配もなし、また証紙を張ることによつて、脱税を防止する利点もありますので、これまた賛成をいたすものであります。  以上をもつて、簡単でありますが、討論を終る次第であります。
  4. 夏堀源三郎

  5. 松尾トシ子

    松尾委員 私は社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました物品税法の一部を改正する法律案、並びに国税徴収法の一部を改正する法律案に対しまして、賛意を表するものであります。  物品税法の一部を改正する法律案に対しましては、その討論を省略いたします。  国税徴収法の一部を改正する法律案におきまして、今回分納及び徴収猶予制度を設けたり、あるいは滞納処分猶予制度を設けたり、滞納処分停止制度を設けて、従来非常にこのような制度を設けたらよろしいというところが、今回法律化されたのは喜ぶべきことであります。しかしながら考えますと、この徴収法を改善して行つて、そのお仕事を完遂するということばかりには行かないと思うのです。なぜならばこの滞納が今日一千億に近いというときにあたつて滞納の起つた原因をよく究明いたして、この改正法と両立して行くことがいい。結局私の言わんとするのは、担税能力限界線までこの税率を下げて、そうして快く税金が払えるようにするということになりますと、この税法の施行も大いに効果を上げるのではないかと思うのであります。この説明の中にもうたわれておりますように、昭和二十四年度分以前の所得税相続税物品税及び増加所得税財産税等の旧税に対しても、でき得る限りの猶予をするとありますけれども、できるだけこの新しい制度に沿うような方法によつて、旧滞納処分処理をしていただきたいということをお願いいたしまして、賛成するものであります。
  6. 夏堀源三郎

  7. 深澤義守

    深澤委員 日本共産党を代表いたしまして、ただいま議題となりました国税徴収法の一部を改正する法律案物品税法の一部を改正する法律案に対しまして、反対意見を表明するものであります。  第一に物品税法の一部を改正する法律につきましては、商品に証紙を貼付するということはまことに煩雑をきわめ、またこれによつて徴税が非常に強化されるという意味においてこれは反対であります。  第二の国税徴収法の一部を改正する法律案でありますが、これは一見分納及び徴収猶予制度を設け、あるいは滞納処分猶予制度を設け、滞納処分停止制度を設けたという形において、徴税を緩和するがごとき形式はとつておるのであります。しかし本質的には今まで担税能力限界を越えて重税を課して参りました結果、もはや税金を納めることのできないような窮境に達する国民が非常に多く出た、こういうところからこれを何とか糊塗しようとするところの意図から、この法案が出ておるのであります。しかしながらわれわれが今まで経験したところの徴税の経験から申しまして、ある場合においてはまつたく所得税法を無視してまで徴税が強行されておる。そのために中小企業者労働者農民がいかにこの税金の問題について苦しんでおるかということは、もはや何人も否定することのできない事実であります。従つてこのような制度を設けたといたしましても、これが百パーセント労働者農民中小企業者を救済し、そしてこの重税地獄から解放することはできない。もつと根本的に解決する問題は、徹底的な減税を行い、国民生活が成り立ち得るような限度において税金をとるというこの根本制度を確立しなければ、問題は解決しないということであります。従つてこれは一時を糊塗する法案にすぎない。われわれがこの法案の全体を見まする場合において、最後に二十一条の二の追加をやつておるのであります。これはまつたく実情を無視した税務署の課税のために、差押えをされ、そしてその差押え物件を持ち去られる場合において、一般の習慣として、その不幸な立場に立つた者に対して同情し、あるいはこの人の立場をよくするために協力するという者に対して、罰則をもつてこの徴税を強行しようとするところの条文まで挿入されているのであります。こういうような立場から考えまして、一見形式的には徴税を緩和するがごとく見えておりましても、決してこれは重税地獄から国民を解放することにはならない。特にわれわれはこの国税徴収法強行徴税趣旨には、この法案成立当時から反対しているのでありまして、真に国民のために税金の問題を解決しようとするならば、国税徴収法をむしろ撤廃すべきである、こういう立場から本法案に対しまして、われわれは反対せざるを得ないのであります。
  8. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 討論は終局いたしまし  た。   これより右両案を一括して採決いたします。右両案に賛成諸君起立を願います。     〔賛成者起立
  9. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 起立多数。よつて右両案はいずれも原案の通り可決いたしました。  なお報告書の作成及び提出手続等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。     ―――――――――――――
  10. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 次に復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律の一部を改正する法律案、及びたばこ専売法の一部を改正する法律案の両案を一括議題として質疑を続行いたします。
  11. 深澤義守

    深澤委員 復金の問題について御質問申し上げますが、大体復金政府貸出しがどのように回収されて、またどのようにまだ回収が不能になつておるかという実情について、まずお伺いしたいのであります。
  12. 杉山知五郎

    杉山説明員 復興金融金庫の貸出しにつきましては、現在三月も余すところ数日でございまするが、三月末におきまする残高は八百八十六億円になる予定でございます。これは昭和二十五年度中の回収が、予算におきましては百二十七億円を国に納付するという予定でやつて参りましたが、今のところではおそらくそれ以上に二十数億は超過して回収になる予定でございまして、これは今回提出いたしました法案によりますれば、昭和二十六年度中に国庫に納付するという予定で組んであるわけでございます。回収が不能になるものはどのくらいかというお尋ねでございまするが、最近の情勢を見まするに、回収は相当順調でございまして、大体において予定通り回収ができて行くのではなかろうかというように考えております。もつとも融資の中には年限が非常に長いものがございまして、たとえば炭鉱住宅のごときものは非常に年次が長うございますので、これは今後の情勢を見まして、逐次手を打つて行くわけでございまするが、私どもといたしましては、融資をされたものが何とか全額回収になることを、期待しておるわけでございます。
  13. 深澤義守

    深澤委員 たしか第七か八の国会のこの委員会で御説明願つたのでありますが、その当時の未回収金は約一千億以上あつたように聞いております。そのときに整理方針を三つにわけて、今ただちに回収し得るもの、それからある一定期間のうちに回収し得るもの、回収不能なものというぐあいに、三段階にわけて整理方針国会において御答弁されたと思うのでありますが、それではあの整理方針を撤回されて、全額回収できる見込みであるというような今の方針にかわつて、この整理をやつておられるのか。前の国会のときの御答弁とは違つて参りましたので、その点をひとつお伺いしたいのであります。
  14. 杉山知五郎

    杉山説明員 一昨年でございましたか、今御質問のございましたような計算をしてはいかがかという意見がございまして、当時そういう計算をいたしたこともございます。その後もちろん融資内容を一つ一つ検討いたしまして、比較的回収しやすいもの、それから回収の非常に困難なものとわけた計算は、今でも続けておるわけでございます。たとえば一例を申し上げますと、かつて非常に塩の需給がきゆうくつになりまして、そのために製塩の設備等融資をしたものもございます。その他そのときどきの情勢によりまして融資をいたしまして、その後の関係から回収が若干困難なものもあるわけでございまして、私どもといたしましては、できるだけこれが回収されるように期待いたしておるわけであります。
  15. 深澤義守

    深澤委員 回収できるように期待しておるということを言われておりますが、おそらくすでに破産の状態なつたものや、あるいはその責任者がもう明確でないものや、そういうものがあるようにわれわれはその当時承つておるのであります。この八百八十六億のうち回収不能というものは全然ない、こういうぐあいに答弁趣旨から申しますとうかがえるのでありますが、そういうふうに解してよろしゆうございますか。
  16. 杉山知五郎

    杉山説明員 私どもといたしましても全額が必ず回収できるとは申し上げられません。しかし私どもといたしましては、何とかできるだけこれが回収になるように、期待いたすという意味でございます。
  17. 深澤義守

    深澤委員 もちろんそれはそうあるべきでありますが、事実上回収不能というようなものが、たとえば会社解散なつたものとか、あるいは実情調査して、その会社内容が実に貧弱で、回収不能の状態にあるとかいうようなものを、やはりある程度調査されておると思うのであります。そういうものを一応われわれは明確に承知しないと、この八百八十六億の全額が、これが回収可能であるということと、それからある一定回収の不能のものがあるということとでは、今後の運営上に大分違つて来ると思うのであります。あなた方の責任としては、もちろん全額とらなければならぬということで、それに向つて努力されることは当然でありましようが、調査の結果どうしても回収不能であるという明確なものが、出ておるのではないかと思うのであります。その当時もそういう御答弁があつたわけであります。だからこの際、もちろん全額回収しなければならぬと思つて、その努力はしておると思いますが、今までの調査の結果回収不能であるという、そういう明確なものが私は出ておると思いますので、そういうものはないのかあるのか。その点をお尋ねします。
  18. 杉山知五郎

    杉山説明員 どういう回収が非常に困難であるか、もちろんそういう点は銀行の理事者としても、あるいは監督官庁としての大蔵省といたしましても、常時研究いたしておるわけでございます。なかなかその回収がむずかしいと思われるものと、回収が非常に楽なものと、これは当然区別がついておるわけでございますが、ただこれを発表いたしますことは、事後回収をさらに困難にいたすおそれもございますので、そういう内容自身発表は差控えさしていただきたい。
  19. 深澤義守

    深澤委員 内容自身発表をすることは、事後回収を困難にするからということでありますが、それはどういう意味でありますか。その点をひとつ明確にしていただきたい。
  20. 杉山知五郎

    杉山説明員 たとえば、こういう事業は非常に困難であると申し上げれば、そういう関係融資を受けてやつた方々は、これはもう国としては回収を期待していないのだ、それならば返さないでいいという態度をとられますので、非常にぐあいの悪い点を申し上げておるのです。
  21. 深澤義守

    深澤委員 大体そうでなくとも、すでに復金の金というものは、返さないでもいいという前提の上に立つて借りた連中が大分あるのです。従つてこの際そういうものを明確にして、国民批判の前に明らかにする必要がある。そうして国民批判と借りたものの責任において、これを返さして行くということこそが、私は公明な処理方法だと思うわけであります。これを政府事務当局だけが知つてつて国会も知らない。国民も知らない。復金の金がどうなつているであろうかということは、いまだ国民の脳裡から去つていないのであります。従つて私はむしろそういうものを明確にしてこそ、処理ができるのではないかと思うわけですが、その点はどうですか。
  22. 杉山知五郎

    杉山説明員 復金の金は借りたものではないという仰せでございまするが、私どもとしましては、そう考えておらないのでございまして、これはあくまで復興金融金庫からの融資である以上は、当然返すということを前提で当初借りたものであるということは、これはむしろあたりまえのことであると考えるわけであります。国からの補助金であるならば別でございまするが、やはり融資でありまする以上は、返すということが当然の建前であるというふうに考えております。
  23. 深澤義守

    深澤委員 私は返すなという前提の上に立つてつているのではないのです。復金の金というものは、当時そういう考えをもつて借りた諸君も相当あるわけです。しかしこれは当然返さなくちやいかぬし、また返さぬものに対しては、十分な厳罰をもつで臨むという態度もいいと思うし、国民の輿論にもこれを訴えて、明確にする必要があると私は思うので、むしろ厳重にこれを回収すべしという前提から私は論じているので、最初からこれを返さなくてもいいのだ、これは借りたものじやないのだ、補助金だという考えで借りた者に対してこそ、厳重な回収の措置をとるべきである。私はこういう前提の上に立つて主張をしているのであります。そこで先ほどあなたはそういうものを明確にして発表することは、どうも今後の回収を困難に導くというその議論が私にはわからないのです。少くとも国会に対してこの法案を出す以上は、そういうことを国会に対して明確にできないということはないと私は思うが、一体その点はどうですか。
  24. 杉山知五郎

    杉山説明員 私どもといたしましては、回収の困難であるものと、しやすいものとの区別は、もちろん理事者といたしましても、あるいは監督官庁といたしましても研究はいたしておりまするが、その業種、金額等発表いたしますれば、借りている人は、これはもう国としてもあるいは金庫としても、回収を予想していないものである。しからばこれは返さないということをむしろ裏づけされた、オーソライズされたというふうに感じられては困るわけであります。そういう副作用の生じないようにいたしまするためには、やはりその事業なりあるいは金額は、発表いたさない方がよろしいと考えております。
  25. 深澤義守

    深澤委員 そういう内容を知らずして、国会がこれを審議し、そしてこの法案を成立させるということは、国会の権威のためにも非常に問題があると私は思う。従つてこれこれは回収困難である、これこれ回収不能であるという仕訳でないにいたしましても、現在回収できていないものの具体的な資料を、われわれは承知する必要があるのであります。従つてそういう資料の御提出を、本委員会に対してお願いしたいと思うのですが、その資料提出ができるかどうか。その点をお伺いしたいと思います。
  26. 杉山知五郎

    杉山説明員 今御要求資料につきましては、帰りまして大臣と十分御相談申し上げましてから、御返事いたしたいと思います。
  27. 深澤義守

    深澤委員 そこで私は委員長の御見解をお伺いしたいのでありますが、この法案関係するそうした資料発表できない、国会にも提出できないということは、少くとも国会に対する侮辱であると私は考えるのです。委員長はこの資料責任を持つてひとつ政府から取寄せて、委員に御配付を願いたいと思うのですが、いかがでございましようか。
  28. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 委員長見解としては、このような資料要求はこれは御自由ではありますけれども、今政府の方から説明になりました通り、この回収を努めて早くしたい。そうしたような意味から、これを一般に公開しては、何かその会社の信用上ゆゆしき問題があるということになれば、回収は不能あるいは遅延するおそれあるということが、御心配のもとであろうと考えておりますので、委員長としても適当に研究いたしまして、できることであれば、御要求に応ずるような方法にとりはからいたいとは存じますけれども、ただいまの私の考えとしては、そのように考えております。
  29. 深澤義守

    深澤委員 私は回収不能とか回収困難であるという条件付で、その資料発表しなくてもいいと思う。大体この法案に相当するだけの、たとえば八百八十六億回収不能のものがある。だから、それはどの程度滞納状態になつており、どういうものがまだ回収してないのかという程度資料を、ある場合には委員会秘密資料でもよろしいから、少くともこの委員会に対して資料提出してもらわなければ、法案の審議ははなはだ困難であると考える。ただ八百八十六億現在回収不能である、これをひとつ回収しようと思うのだということだけでは、やはり委員会としてこれは承知できないじやないかと思うのですが、これは委員長としてもなお研究するということでありますから、十分御研究の上、何らかの資料を御提出願いたい、こう思うわけであります。
  30. 小山長規

    小山委員 復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律の一部を改正する法律案について、二、三質問したいのでありますが、この提出されました法律第三条は実に読みにくいのであります。この趣旨をまず最初説明していただきたい。
  31. 杉山知五郎

    杉山説明員 第三条の条文はひどくくどくどいたしまして、カツコがたくさんございまして読みにくうございますが、趣旨を申し上げてみますと、復興金融金庫回収した金額は種類がいろいろございます。その一つは融通した資金の回収費、それから第二には、復金債務保証をいたしまして、その保証の履行によつて取得した債券で回収なつたもの、それから第三番目の回収は、債権の保全のため必要な経費、たとえば貸付をした相手先が建物の保険をつけていない。ところが、将来この回収を容易ならしめるためには、新しく金を貸しまして、それで保険をつけさせるという場合がございます。そういう場合に、その貸付金があとで返つて来た場合、そういう三種のものがございます。その回収金の中から控除されるものがございます。たとえばかつて住宅営団金庫から融資を受けました。ところが営団がいよいよ解散になりまして、その家を地方団体に売却したのであります。地方団体の方では現金が十分ないために、県債市債返済をいたしましたものがございます。ところが住宅営団がいよいよ金庫返済をいたします場合に、その県債市債代物弁済として返しました場合に、その県債市債をそのまま国に納めるわけに行かないのであります。国に対しては現金で納めなければならないわけでありますから、この納付金といたしましては、先ほど申し上げました三種回収金の中から、たとえば今申し上げましたような地方債でまだキヤツシユになつていないものは、差引まして納めればよろしいという意味でございます。そうして今のこの地方債につきましては、すぐに現金にかえようと思いまして、たとえば預金部と売却の交渉をいたしたのでありますが、預金部としては時価でなければ買い取らない。時価で買い取りますと、額面よりも割つて参りますために、金庫に損ができます。そういう損を出さないためには、やはり地方債が年々償還されましたときを見まして、その償還されました額を国に納めるというふうにいたしたいということで、第三条を改正いたしたいという趣旨でございます。
  32. 小山長規

    小山委員 提案理由説明で、改正の第一点として、「その債権を保全するための費用につきましては」云々、「本来債務者の負担すべきものは」云々、こうあるのであります。「本来債務者の負担すべきものは、」「資本勘定で経理するのが適当でありますので、」と書いてありますが、これはどういう趣旨でございましようか。
  33. 杉山知五郎

    杉山説明員 これはこういう意味であります。たとえば先ほど申し上げました、融資をしまして不動産を取得した、ところが保険につけていないという場合に、新しく貸増しをしまして、保険につけるといたしますと、ほんとうならばそういう費用は当然債務者の負担すべきものでありまして、復金の方が負担すべきものではない。そうであれば、これは融資としまして、資本勘定の方で経理をするのが適当ではなかろうか。元本分として扱う、こういう趣旨でございます。
  34. 小山長規

    小山委員 二十六年度に復金債償還されるように書いてありますが、その復金債償還によつて減資を行おうという額は、予算書に載つておると思いますが、金額幾らでありますか。
  35. 杉山知五郎

    杉山説明員 復金債は全部償還してございます。ここに書いてございますのは農林中央金庫債権でございます。これはかつて復金がまだ新規融資をいたしておりましたときに、農中が農中債を出しまして、これを復興金融金庫が買い上げまして、そして農中をして農林漁業特別融資をやつてもらつたわけであります。これが二十四年の二月から償還になりまして、現在すでに復興金融金庫といたしましては、二十億九千万円を現金で持つております。これを二十六年度に繰越しまして、二十六年度の国に対する納付金の中に入れたい。明年度は百二十一億を復金から国に納付いたしまするが、そのうち二十億九千万円は農中債の現金化なつた部分で、二十五年度から繰越したもの、こういうふうに計算いたしております。
  36. 小山長規

    小山委員 第三点の代物弁済受取つた公社債、この金額はどのくらいありますか。
  37. 杉山知五郎

    杉山説明員 この金額は、今ここで覚えておりませんが、金額としましては非常にわずかでございまして、先ほど申し上げました住宅営団地方債のものだけであります。
  38. 小山長規

    小山委員 およそ幾らぐらいですか。
  39. 杉山知五郎

    杉山説明員 九百万円ほどであります。
  40. 小山長規

    小山委員 タバコ専売法改正について、農薬用タバコはこれをはずすというのでありますが、農薬原料用タバコというものは何でありますか。硫酸ニコチン原料でございますか。
  41. 久米武文

    久米政府委員 ただいま御質問通り、ここで考えております農薬原料用というのは、硫酸ニコチンの製造原料用の意味でございます。
  42. 小山長規

    小山委員 硫酸ニコチンというのは何に使うのでありましようか。それからその需給関係はどうなつておりますか。
  43. 久米武文

    久米政府委員 硫酸ニコチンは果樹の駆虫剤、虫よけでございます。たとえばりんごでありますとか、なしとかいうものの駆虫剤でありまして、この需給関係の大体について申し上げますと、年間百トンないし百五十トンを必要といたしまするが、従来わが国におきます生産量は二十トン前後でございます。たとえて申しますると、二十四年度には十五トン程度、本年度は大体二十トン程度、これは従来はタバコの製造工場で不要となりましたくずタバコを、農薬の製造会社に払い下げまして、そのくずタバコ原料として硫酸ニコチンができていたわけであります。二十六年度につきましても、二十五年度と同様に、くずタバコから二十トン程度の生産は期待できまするが、そのほかに今度特にルスチカと申しますニコチン含有量の多い葉タバコを栽培いたしまして、これから約三十トン程度硫酸ニコチンをとるというふうな予定に相なつております。なお輸入の関係について申し上げますと、二十四年度の輸入が大体百三十トン程度、二十五年度が六十トン程度、二十六年度が四十トン程度というふうに、大体見込まれております。
  44. 小山長規

    小山委員 大分輸入が多いようでありますが、そういたしますと、この農薬用原料タバコの耕作面積は、逐次ふやして行かれるのであろうと思うのでありますけれども、さしあたり二十六年度はどの程度の耕作面積を必要とするのか。逐次どの程度まで広げて行くおつもりであるか。またただいま申されましたルスチカという葉タバコの適作地と申しますか、これはどの方面でありますか。それをあわせて伺いたい。
  45. 久米武文

    久米政府委員 ルスチカの栽培につきましては、昭和二十六年度は大体二百町歩を予定しております。硫酸ニコチンを次第に国内で増産をして行くとい立場が望ましいので、この二百町歩という耕作反別は、今後増加して行くという方向に持つて行きたいと考えております。適作地につきましては、二十六年度は北海道に二百町歩ということを考えております。どちらかというと、寒い方がいいということと、もう一つこのルスチカというのは、特別のニコチンの含有量の多いタバコでありますが、これも、もし吸おうと思えば、われわれが普通吸いますタバコと同様に吸うこともできるのでございます。タバコの密製造いわゆる違反の取締りという見地から、普通のタバコの耕作地の間に、ルスチカの耕作地が点在をするというようなかつこうは、専売の違反の取締りという見地から、しばらくの間は避けたいというふうな配慮もございまして、当分北海道だけでやつて行きたい、そう考えております。
  46. 小山長規

    小山委員 この収納は相当めんどうだろうと思うのでありますが、どういうようなことをやるのでありますか。専売公社が収納しないということになりますと、特定の製造会社が収納することになるのでありましようか。たとえば密売といいますか、その点との関係においてはどういう措置をとられるのでありますか。
  47. 久米武文

    久米政府委員 ルスチカの栽培は、もつぱら農薬の原料になる。従いまして農薬会社といたしましては、北海道のある一定の区域に、来年二十六年度について申しますと、二町歩の耕作を農民の方にやつていただく。そういたしますと、その耕作する農民の方と農薬製造会社との間には、あらかじめ契約がございまして、この人この人という具体的な耕作者がとりますところのルスチカの葉つぱは、どこの農薬製造会社で買つてもらうのだという予約をいたしまして、その予約付の形でもつて、専売公社に対して耕作の許可を求めて来る。そういう形を想定いたしております。つまりできた葉つぱは、どこの農薬会社に行くのだということが、あらかじめわかつているという形でもつて、専売公社は耕作の許可を与える。その葉つぱがはつきりと農薬会社に入つて行けば問題ないわけでございます。横流れがないかどうかという点についてだけ専売公社が取締りをいたす、そういう形に立案いたしてございます。
  48. 小山長規

    小山委員 もう一つ伺つておきたいことは、このルスチカの耕作地でありますが、耕作地は従来のタバコ耕作地の中に食い込むのでありますか。それとも従来の耕作地外にそれだけやるのでありますか。
  49. 久米武文

    久米政府委員 北海道といたしましては、従来のタバコ耕作面積のほかに、これだけふえて行くというわけであります。
  50. 小山長規

    小山委員 第二は、小売店のタバコの災害補償の問題でありますが、法案によりますと、今度新たに製造タバコをなくした場合の補償の規定を補充したいということであります。ところが従来の解釈上、これはできないのではないか。と申しますのは、こういうふうな規定を新たに挿入するということは、従来こういうような天災によつてタバコが滅失した場合には、災害の補償は法律上できないということを根拠づけることになるわけでありますが、従来の解釈上でもできるのであるけれども、それを明らかにするためにやられたのか。従来はできないからやられたのか。それと同時に災害補償をやつた前例があるかどうか。
  51. 久米武文

    久米政府委員 大蔵省といたしましての解釈では、現行のたばこ専売法の全体の規定を見ますると、これは今回の災害補償の規定、つまり第四十一条の二の規定がなくとも、現行規定の解釈上小売店に対する災害補償は実行できるという見解を持つておるのでございますが、この解釈につきまして、相当疑義を持たれる向きがございますので、この際政府といたしましては、この疑義のある解釈から一歩進めまして、はつきりとたばこ専売法の上に、小売店の災害補償の規定を設ける方が適当であると考えまして、この第四十一条の二の規定を提出しておる次第でございます。現行法におきましては、たばこ専売法第四十一条に引きかえという規定がございます。その規定によりますと、製造タバコの品質が悪変した、たとえばかびがはえて悪くなつた、あるいは風水害でもつて小売店の持つているタバコが水浸しになつた、ぬれたというふうな場合には、引きかえの規定がございます。それからなお専売公社は、小売人に対しましては、その小売店に常備すべき数量を法律上指示できるということになつております。そういうふうな規定の関係から見まして、ぬれた場合に引きかえという規定がある以上、滅失の場合に何らの救済がないというのはおかしいのでございます。これは引きかえの規定の一種の拡張解釈と申しますか、たばこ専売法における小売店に対する各種の救済規定の権衡上から、条理的にもこれは実行できるというのがこの解釈でございます。この解釈に対しまして、一部疑義を持たれる向きもございますので、この際これをはつきりと明文にしたいということに相なつたわけでございます。なお前例といたしましては、昭和九年の室戸台風の場合に災害補償を実行いたし、それから昨年のジエーン台風の場合に、関西の罹災地におきまして、相当多量の製造タバコが流失いたしました。これに対しまして大蔵省といたしましては、日本専売公社の申出に対し、この災害補償の実行を認可いたしております。つまり大蔵省といたしましては、解釈上災害補償ができるという実行を、すでに昨年のジエーン台風のときにやつておるわけであります。昨年の実行の際には、小売店数約二百五十、それから災害補償として与えました製造タバコの数量、これを金額に換算いたしまして、約三百万円というふうな実行をいたしております。
  52. 小山長規

    小山委員 滅失の場合の幾ら滅失したかということの認定は、簡単にできるようになつておりますか。
  53. 久米武文

    久米政府委員 この滅失の数量の確認につきましては、専売公社の下部機構におきましては、相当実地調査につきまして努力を要すると考えております。現場の確認を必要とするわけでございます。なおその数量の算出につきましては、専売公社の出張所から、各小売店に対しまして、定期的に売渡しをいたしております。たとえば三月なら三月の一日、十日、二十日というように売渡しをいたしておりますから、その罹災の直前の売渡しの日から何日経過しているか、その直前に売り渡したときの数量はどれだけか、何日経過したからどれだけ売れたであろうという推定はつくと思います。それからまた罹災の状況を見ますると、たとえば家全体が流されたというような場合には、大体全部流れたんではないかという推定がつきます。その他家財道具等の流失のぐあいなどから見まして、流失の数量というようなものは判定はつくと考えております。実際の認定につきましては、相当の努力は要しますけれども、相当正確な調査ができると考えております。
  54. 小山長規

    小山委員 たとえば全部流れてしまつたというような場合は、全滅したという推定がつくにかかわらず、二分の一で最高を押えたということは、どういうわけでしようか。
  55. 久米武文

    久米政府委員 この点はいろいろ御意見があろうかと思いますが、これを全部補償するというところまで考えるのも、少し行き過ぎではなかろうか。大体前例が二分の一ということでございますので、その前例に従つて今回は考えたのでございます。
  56. 小山長規

    小山委員 これは理論上からいつて、そういうふうに全滅の推定ができる場合があるのなら、全滅の場合は全部補償すべきではないか。引きかえの場合は全部引きかえるのに、滅失した場合に、その推定が前例としてはつきりできないというのなら別でありますが、ある程度まではつきりできるということなら、二分の一は少し酷なような気がする。せめて一割引、二割引という程度なら、若干その間に誤差もあるであろうからということで、それでよかろうと思うのでありますが、半分というのはちよつとひどいように思いますが、その点将来改正されるお考えがありますか。
  57. 久米武文

    久米政府委員 非常にむずかしい御質問でございますが、今後実行上非常に不合理であるというようなことでありますれば、その場合におきましては考え直さなければならないと考えます。さしあたり二分の一という点でもつてスタートしたいと考えております。
  58. 小山長規

    小山委員 二分の一のところでスタートして、将来は考えるということでありますから、それで了承いたします。  次に、最後でありますが、タバコは四月から値下げされることに相なつております。そうしますと小売店の手数料が、従来のような率では相当下つて来るであろうと思いますが、小売店の手数料の引上げについてどう考えられておられるか。またその率はどういうふうに考えておられるか伺つておきたい。
  59. 久米武文

    久米政府委員 四月からのタバコの値下げは、ピース、光でありまするが、ピースにつきましては、従来小売店といたしましては、五十円のピース一個に対して六%、三円というものが手数料であつたのでありますが、今度は四十円になりまするので、小売店としての一個当りの手数料を同じ三円に置くという目途のもとに、六%から七・五%に上げて、一個当り三円という金額は同じにするようにいたしたいと考えております。それから光につきましては四十円に対しまして従来六%、二円四十銭でありますが、今度は三十円に対しまして八%ということで、同じく二円四十銭というようにいたす予定に相なつております。この前、昨年の暮れでございましたか、あるいは今年の一月でございましたか、ちよつと記憶がはつきりいたしませんが、六%を七%にそれぞれ引上げるという答弁をいたしておりますが、その後専売公社内部、大蔵省ともいろいろ相談をいたしまして、ただいま申し上げましたように、ピースについては七・五%、光については八%というふうに率を引上げることに方針を改めました。この際そのことを申し添えておきたいと思います。
  60. 深澤義守

    深澤委員 小売人の利益の率でありますが、これは都市においては売上高が非常にたくさんありますから、非常に低くても引合うのでありますが、農村等におきましては売上高が非常に少いのであります。ところがやはりこれに対しては一人かかり切りにかからなければならないわけです。そういうことで農村における小売人の利益率を、特別に考えてやる必要があるのではないかというふうに考えるのですが、その点は専売公社の方では何か腹案を持つておられないのか、ひとつ承りたい。
  61. 久米武文

    久米政府委員 ただいま御指摘になりました御意見もときどき伺うのでございますけれど、小売人の手数料といたしましては、農村と都市との間に別の取扱いをするところまでは考えておりません。
  62. 深澤義守

    深澤委員 これはひとつ要望しておきます。やはりある程度考えるべきことではないかと思うので、研究課題としてお願いしたいのであります。  第二に小売人の災害補償の問題がこの法案に出ておるのでありますけれども、これももちろん反対すべき筋合いのものではないと思います。しかしながら耕作者に対する災害補償の問題、これが私は相当重大問題であると考えるわけです。特に最近におけるタバコ耕作者は、利益率が非常によくないということを聞いているのであります。また災害等の関係もかなり敏感にあるようでありますが、この耕作者に対する災害補償の方はどうなつておりますか。
  63. 久米武文

    久米政府委員 タバコの耕作者に対する災害補償の規定といたしましては、現行法の第二十四条に、「耕作者の耕作したたばこ又は収穫した葉たばこが風害、水害、震害、ひよう害、干害、病害その他の災害にかかり、著しい損害を受けたときは、公社は、その耕作者にその損害の二分の一に相当する金額の範囲内で大蔵省令で定める額の補償金を交付することができる。」となつておりまして、天災、病害というような場合につきまして、損害の二分の一に相当する補償金を交付するという規定になつておりますので、これで現在実行いたしております。
  64. 深澤義守

    深澤委員 二分の一の災害補償があるということも、われわれは承知しておるのでありますが、これは病虫害、早害というようなものは天災として、耕作者がいかんともしがたい問題であると考えるわけです。しかし耕作者は専売公社から委託されて耕作し、他にこれを売ることができないという建前になつておりますので、私はこの災虫補償の率をもう少し上げる必要があるのではないかと思うのですが、そういうことは専売公社の方としては考えられておらないのか。あるいは研究課題となつておらないのか。その点をひとつお伺いしておきたいと思います。
  65. 久米武文

    久米政府委員 各種の災害補償の法制につきましては、専売公社としていろいろ研究は進めておりますけれども、まだただいまおつしやつたような結論を得る段階には相なつておりません。
  66. 深澤義守

    深澤委員 農業災害等においても大体そういう基準ではありますが、しかし部分的に非常にひどかつた場合には、相当多額の補償をしているということも行われているわけです。従つてこれはやはり農業に属する問題でありますから、相当考える必要があると私は思うのです。  第三の点は、最近において専売公社としては外国タバコの輸入をされているやに聞いているのでありますが、その輸入状況をちよつとお伺いしたいと思います。
  67. 久米武文

    久米政府委員 専売公社の製造するタバコの品質を向上していいタバコをつくるためには、現在の状況ではどうしても米葉の輸入が一つの必要な要件に相なつておるわけでありまして、昨年以来米葉の輸入につきましていろいろ交渉を重ねて参りましたが、本年に入りまして相当数量の輸入を実行いたしております。
  68. 深澤義守

    深澤委員 その数量はどの程度か、おわかりになりましたらひとつ伺いたい。
  69. 久米武文

    久米政府委員 米葉、インド葉合せまして大体百万キロ程度と記憶しておりますが、なおこの数字は今後ふえる趨勢にあると思います。専売公社の製品の品質を向上して行くという見地からは、四百五十万キロ程度の輸入が望ましいというのが、現在の専売公社の製造関係意見と相なつております。
  70. 深澤義守

    深澤委員 それからこれはうわさとして聞いているのでありますが、最近専売公社で進駐軍関係タバコの製造を委託されてか、どういう形でか、おやりになつているということを聞いているのでありますが、その事実があるかどうか。
  71. 久米武文

    久米政府委員 これは一つは沖縄に対する輸出がございます。それから朝鮮に対する輸出がございます。その二つが司令部に関係を持つておる主たる輸出でございます。
  72. 深澤義守

    深澤委員 その関係はどういうことになつておりますか。専売公社として製造してそれを輸出する、そうするとそれをドルで支払われるという関係になつておるのでありますか。その経済関係はどうなつておりますか。
  73. 久米武文

    久米政府委員 大体今おつしやつたような筋になつております。なお詳細の点は後刻答弁いたしたいと思います。
  74. 深澤義守

    深澤委員 それではその点は後刻詳細にお伺いしたいと思います。  それから第四点としてお伺いしたいことは、先般の新聞紙上において、いわゆるやみタバコの大量製造があつたということが発表され、しかもその光の箱が専売公社から横流しをされておつたという事実が、指摘されておつたように記憶しておるのでありますが、あの新聞の記事は事実であつたかどうか。専売公社から光の箱が流れたのかどうか。その点をひとつお伺いしたい。
  75. 久米武文

    久米政府委員 最近新聞記事に出ましたのは、光の密製造の関係でございますが、この光の密製造の場合の箱につきましては、非常に技術が進歩していて、本物とほとんど肉眼では判定の困難なような製品もあるように、われわれとしては観測しております。なお専売公社で一度製品として売り払いましたタバコのあき箱を集めて、それを密製造のタバコの箱に再使用している、そういうふうな疑いがあるものも相当ございます。それからなおそのほかに若干専売公社の関係の正式ルートから、箱を横流ししたのではないかという疑問を持つて、目下調査をしておるものもございます。
  76. 深澤義守

    深澤委員 そうしますと、大阪の専売公社の方から流されたという新聞記事は、あれは事実でありますか。それともまだ明確になつていない問題でありますか。
  77. 久米武文

    久米政府委員 目下調査中であります。
  78. 竹村奈良一

    ○竹村委員 深澤君の質問の中で、タバコの品質を向上させるために、いわゆる米葉等の輸入が現在は百万キロぐらいであるが、今度は四百万キロくらいに増加しなければならぬ、こういうお話であつたのですが、そこで私ひとつお伺いしたいのでございますけれども、日本のタバコの品質を向上させるために、単に米葉を輸入することだけを考えておられるのか。根本的に日本において耕作するところのタバコの品質を向上させるためには、どういう手段を――あるいはアメリカにおいてりつぱな葉ができておるとすれば、その根本的な種子等を輸入するとか、あるいはその耕作方法研究するとか、そういう面について、どういうような耕作者に対する御指導をなされておるか、詳細に承りたいと思います。
  79. 久米武文

    久米政府委員 日本で耕作しております葉タバコの品質を向上するというためには、専売公社としてあらゆる努力を払つているわけでございます。現在製造タバコの主たる原料になつております黄色種のタバコ、これはもともとの種はアメリカ系統のものでございます。こういうアメリカ系統のいい種を持つて来て、日本でそれと同じようないいタバコをつくつて行くというのが、まず第一のねらいでございます。しかしながらアメリカと日本とは風土が違いますので、同じ種を日本にまきましても、年数がたちますれば、次第に日本の風土に順応したような品質に変化して参りまして、どうしてもアメリカで耕作したようなタバコのようには参らないというのが、自然的な条件の制約でございます。しかしながらこういう条件の制約のもとにおきましても、できるだけ品質の向上に努めて参るということが、現在の努力している手段でございます。これがタバコの葉についての努力している点でございますが、なおその葉を収納いたしました後の製造工程におきまして、葉の処理、各種の加工をいたすというような点につきましても、いろいろくふうをいたし努力を重ねて参つております。それからもう一つ申し落しましたが、耕作者の耕作技術の進歩のために、専売公社としてもいろいろ耕作指導と申しますか、実際の畑につきましていろいろ技術的な面で耕作者に協力していることは、御承知の通り考えます。
  80. 竹村奈良一

    ○竹村委員 もう一点お伺いしますが、沖縄あるいは朝鮮等にタバコを輸出するために生産しておるということですが、その数量はどのくらいありますか。
  81. 久米武文

    久米政府委員 今手元に持ち合せておりませんので、あらためて申し上げます。
  82. 松尾トシ子

    松尾委員 共産党の深澤さんと竹村さんがたいへん詳しいことをお聞きになりましたので、私はちよつと違つたことをお尋ねいたします。というのは、毎年予算を組むときに、財源のないときはいつも専売益金が犠牲になると聞いておりますけれども、二十六年度の予算を組むときに、そういうことはございませんでしようか。
  83. 久米武文

    久米政府委員 専売益金は、今の日本の予算を組む上に税と並んで重要な財源であります。できるだけたくさんの財源がここから出て来ることは望ましいことでございますが、無理のないようにという点は十分気をつけております。たとえば昭和二十六年度の専売益金は千百三十億ということになつております。これについては大体無理がないというふうに考えております。
  84. 松尾トシ子

    松尾委員 実は私はあるところから聞いたのですけれども、その数字は提供しますけれども、実際の収入の方は責任がとれませんよというようなお話がかわされたやに承つておるのです。二十五年度の予算を見ましても、結局八十億だけ予算よりも収入が少くて、補正予算で切りました経験もございますので、なかなか骨だろうと思うのです。それは製造本数も去年と今年と比較するとそうふえてもいないし、また値段を下げるということも大衆の嗜好物としてまことにけつこうですが、そういうことで非常にお骨折りだと思うのです。今政府委員のおつしやつたように、これは税金ではございませんから、執行もできませんし、買つてくれなければそれまでですし、他の物価も上つておりますので、非常に御奔走なさつてサービスしないと、税金の方にも響くと思つて心配しておるのでありますから、御無理のない程度でよろしく販売数量をお上げくださるようお願いいたします。
  85. 久米武文

    久米政府委員 ただいま非常に御親切な御忠告をいただきまして、十分念頭に置いて遺漏のないようにいたしたいと思つております。
  86. 田中織之進

    ○田中(織)委員 私は復興金融金庫改正法律案に関連してちよつとお伺いしたい。政府は別途この国会に開発銀行法案提出せられるやに聞いておりますが、私らは前々から復興金融金庫がその貸出し関係回収の問題、その他諸般の事情から新規の貸出しをやめて整理するという段階に入りましてから、やはりこのせつかくの金庫を利用して新たなる構想のもとに、長期建設資金の調達機関としての機能を果させるべきであるということを、主張して参つたものでありますが、これはきわめて概括的なお答えしか得られないかとも思いますけれども、今度の開発銀行というものの構想は、まだわれわれ新聞で散見するだけで、具体的には存じておらないのでございます。そういう面に、今後復金貸付金回収過程において、新たに開発銀行から融資する問題との相関関係が出て参ると思うのでありますが、開発銀行の立案にあたつて復興金融金庫貸付金回収の問題と、開発銀行による新たなる貸出しというものとの間を、どう調整するかということについては、御研究なつたことがあるかどうか。この際承つておきたいと思います。
  87. 杉山知五郎

    杉山説明員 日本開発銀行法につきましては、できるだけ早い機会に国会に提案できるようになることを、期待いたしておるわけでありますが、この新しい銀行と復金との関係につきましては、現在考えておりまする案では、復興金融金庫は、明年の三月三十一日までの間で、政令の指定する日に解散いたしまして、その日に新銀行に一切の権利義務を承継するということを考えております。従いまして復金解散すれば、新銀行と復金とが一緒になるわけでございますが、新銀行がどういう方面に融資をいたすかというような問題は、追つて条文ごとに詳しく規定されることになつております。法律通りまして新しい理事者――役員が任命されましてから、そういう点が問題になると思いますが、やはり前に復金が貸しておりました企業と同じところに、新銀行が貸すという部面が相当多いと思います。ただ現在見返り資金で、船舶、電力に相当大規模な融資をする予定でございますので、そういう面と新銀行との融資の分野をどうするかというような問題は、これから考えたいと思います。
  88. 田中織之進

    ○田中(織)委員 政令の定める日に復興金融金庫解散いたしまして、解散の当時に残つておりまする業務は、新銀行いわゆる開発銀行に承継するという構想であるといたしますならば、私は開発銀行はいつから開店するかまだわかりませんけれども、開店ずれば新たなる貸出しというか、融資が行われることだと考えるのであります。そういたしますと、しかも現在なお復金の貸出しが、未償還で残つている企業にも、開発銀行を通じて新たなる資金が注入せられて行くというようなことになる場合に、私はやはりその間の貸出し先の問題、あるいはもしも新たなる開発銀行から貸し出したものが、いわば復金の前の貸付金償還に充てられるというようなことでは、これは開発銀行をつくる意味がなくなつて来る面も考えなければならないと思うのであります。その点については、もちろん開発銀行法案が出たときには、当然そういう点について詳細な政府説明を聞かなければならないと思うのでありますが、十分その点を考えていただかなければならぬと思う。なお政令によつて開発銀行に業務を承継する日時は、現在大蔵省としては大体いつごろを見込んでおられるか。その当時において復金貸付金回収がどの程度つて、それが開発銀行に引継がれることにおよその日時がきまれば、見通しもつくのではないかと思いますが、そういうことについて検討されたことがございますれば、大体復金解散して開発銀行に引継ぐべき予定の日時等について、見通しがついているのだろうと思いますので、お聞かせ願いたいと思います。
  89. 杉山知五郎

    杉山説明員 まず初めの点でございまするが、親銀行の業務の内容といたしましては、新規の貸付のほかに、現在商業銀行あるいは農中、商中等が貸しておりまする長期融資、一年以上の設備資金の融資を、新銀行が肩がわりをして行くというようなことも考えております。しかし仰せのごとくに、もしこの銀行が旧復金の債券を回収するために貸すということであれば、これはただぐるぐるまわりになるだけでございますので、そういう融資考えておらないのでございます。  それから第二の政令の定める日に復金解散をする問題でございますが、現在のところまだいつ政令できめるのか、私どもとしては別に腹案は持つておらないのでございます。それで二十六年度に復金回収いたしまして、国に納める予定回収金は五十五億となつておりまして、大体月に五億見当と見ておりますから、四月以降何箇月後に解散するというふうにきまりますれば、大体月五億で御算定願つた金額が、現在の融資残高よりも減つて参るというふうに御了解願いたいと思います。
  90. 田中織之進

    ○田中(織)委員 大体二十六年度において、五十五億円の貸付金回収をはかる予定であるということでございますが、そういたしますと、あとどの程度残ることになるのか、その点をお聞かせ願いたいのと、それから回収の過程において、われわれよく聞かされるのでありますけれども、相当中以下の企業等への貸付金回収は、なかなかまめにやつておられるようでありますけれども、比較的大企業方面からの回収のテンポは、あまり早くないというようにもわれわれ聞いておるのでありますが、最近の償還の過程において、大企業と中以下の企業とに貸付先の対象をわけて考える場合に、償還の成績というものが大体大中小の場合に、どの面が償還の成績がよいか。この点もお聞かせ願いたいと思うのであります。なお貸出し後復金融資を受けるときには、一つの企業体としてできておりましたけれども、現在はそういう企業がもう事業を継続しておらないというような形でおるものも、相当あるやに聞くのであります。そういう関係で、これは今ただちに見通すことは困難かもしれませんけれども、大体復金貸付金の中で、どうしても償還を求めることができないと見込まれるような、いわば平たい言葉で言えば貸倒れ、回収不可能と見られるような面は、現在において予想されないかどうか。もし若干そういうようなものを見込まなければならないとすれば、今の実情から見れば、ことに復金がその意味でかなり放漫な貸出しを行つた向きについては、回収不能の面も出て来ると思うのでありますが、そういう点についての現在の回収状況から見た状況等を、お聞かせ願えれば幸いであります。
  91. 杉山知五郎

    杉山説明員 復興金融金庫の二月末の残高が八百八十六億五千六百万円になつております。三月中の回収がまだはつきりわかりませんのでございますが、その額と、それから二十六年度の五十五億の回収、これを引きましたものが三月末の残高となる、こういうふうに考えております。それから第二の大企業と中小企業との回収成績について、どちらの方がいいか悪いかという御質問でございますが、どちらかと申しますれば、やはり中小企業の方が若干悪いかと考えます。それから第三の御質問でございますが、復金の現在の融資内容及び今までの回収実績を見て参りますと、大体のところ市中の商業銀行の場合の融資と、大差のない優良な回収成績を示しております。特に復金融資回収が悪いということは言えないかと考えております。
  92. 小山長規

    小山委員 ちよつと時間がありますので、専売公社のことで聞いておきたいことがあります。それはこういうことを聞いたことがあるのであります。つまりタバコ専売公社の資金の還流が非常に遅い。タバコの小売店で売り上げた金は、たしか郵便局に入つて来て、それが預金部資金に入つて、そして専売公社に入つて来る。これに一箇月もかかつているというようなことを聞いたのでありますが、はたしてその通りであるかどうか。まずそれから伺つておきます。
  93. 久米武文

    久米政府委員 専売公社の関係の資金、これはたとえばタバコの売上げの代金というものは国庫に入るのでございますが、国庫に入りまする間に金融機関を経由いたします場合、これは現在は一日ということに相なつております。ただ売り上げました金を金融機関に入れるのが、たとえば金融機関の窓口を締めた後の時刻であるとか、そういう時間的な関係で二日にわたることはございまするが、原則的には、金融機関に滞留しているのは一日ということに相なつております。
  94. 小山長規

    小山委員 いや私が伺つているのは――これは最初に金融機関は何を利用しているかということから、伺うべきであつたのかもしれませんが、郵便局以外に商業銀行も使つておられるのでございますか。
  95. 久米武文

    久米政府委員 市中銀行を使つております。
  96. 深澤義守

    深澤委員 復金の未回収金の八百八十六億円の問題でありますが、先ほどのあなたの御答弁によると、この内容を明確にするわけに行かぬ、こうおつしやられたのでありますが、今田中君からの質問によりまして、開発銀行にこれを継承するという問題が出て来ておるのであります。従つてなおさらこの際明確にしなければならぬ段階に来ておるのではないかと思うのであります。八百八十六億というこの財源は、莫大なものであると考えるのであります。政府自体では国民税金の取立てに対しては容赦なくやつており、差押えもやつておる。そのために気違いになり、あるいは首をつつておる連中もあるのであります。ところが今の御答弁によりますと、中小企業の回収率は割合によろしい、大企業の回収率は悪いということをおつしやつておる。政府はこういうようなものはやはり明確にして、その責任を追究する必要があると思う。ところがあなたの方ではこれを明確にするというと、回収の点で困難の点が生ずるから、これを国会に対しても国民に対しても明確にしないということは、私はまことに無責任きわまる態度であると考える。従つてこれはあくまで明確にしていただきたいと思うが、あなたは先ほど大臣と相談されてこの点答弁すると言われた。この法案は今自由党の方では質疑の打切りまで準備しておるのでありますが、この点を明確にしない限りは、この法案質疑の打切りに対しては反対である。従つて大臣に相談して、午後にでもこれを明確にする責任をとつてもらいたいと思いますが、一体どうですか。
  97. 杉山知五郎

    杉山説明員 今私の御説明いたしましたのを、ちよつと逆におとりになつたようでありますが、回収の問題につきましては、むしろ中小企業の方が大企業より若干劣つておるというふうに申し上げた。大企業の方が悪いというふうに申し上げたわけではございません。それから資料提出につきましては、大臣と十分相談いたしまして善処いたしたいと考えております。
  98. 深澤義守

    深澤委員 それでは具体的なことからお伺いします。大体この八百八十六億の未回収はどういう業種に多いのか。その点をまずお伺いしたい。
  99. 杉山知五郎

    杉山説明員 八百八十六億の残高があると申しますることと、それから先ほど御質問のいかなる業種に回収困難なものがあるかという点は、大分違うわけでございます。当初から融資残高の多いもの、それから融資残高の少いもの、いろいろ区別があるわけでございます。八百八十六億の内容から申し上げますならば、一番大きいものは鉱業関係、その次が電気、その次が化学工業、こういつたような順序でございまして、内容は八百八十六億中鉱業が三百七十億、電気が百七十五億、化学工業が九十二億、こういうような数字であります。
  100. 深澤義守

    深澤委員 鉱業、電気、化学工業等がこの滞納内容であると申しますが、これらの工業はいずれも最近における特需景気において、相当恵まれた部類に属するところの業種であると考えられるのでありますが、この回収不能の状態になつておるものの中で、つまり借り受けた当時の法人としての組織が解散されて、回収不能になつたものがどの程度あるか。現在存続しておつて回収のものがどの程度あるか。その点をひとつ明確に願いたい。
  101. 杉山知五郎

    杉山説明員 明瞭に申し上げまするが、回収不能の額が八百八十六億と申し上げておるのではございません。八百八十六億は現在の二月末における融資の残高でございまして、これは今申し上げましたように、初めから受けた融資の額が多いものは融資の残高が多いわけでございまして、決してここにありますような大きい融資残高のあるものが、回収にならないという意味ではございません。
  102. 深澤義守

    深澤委員 全体が回収不能ではないということは了解いたしました。それではこの八百八十六億の貸付金の中で、すでに返済期限が来てまだ返済しないものはどのくらいあるのですか。
  103. 杉山知五郎

    杉山説明員 ただいま手元に資料を持つておりませんので……。
  104. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 深澤君あと一点だけ許します。
  105. 深澤義守

    深澤委員 その点もひとつ後刻明確にお願いいたしたいと思います。  それから二十五年度の回収予定百二十七億というものが、大体これは回収の限度以上に回収されておる、こういうことでありますが、この回収されたものは鉱業、電気、化学とわかれておりましたが、この中のどういうものが二十五年度において回収されたのか。その点をひとつお伺いいたします。
  106. 杉山知五郎

    杉山説明員 三月末はまだ見当がついておりませんので二月末までで申し上げますと、工業が十六億二千二百万、それから電気が十一億四千百万、それから化学工業が十億六千八百万、それから大きいものでは交通業の六億四千万、それから機械器具の六億三千九百万、こういつたことになつております。
  107. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 私は三点です。一点ずつ伺いますからそのつもりで……。
  108. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 三宅君に御相談いたします。もう間もなく一時になりますから簡単にひとつ要領をつかんで……。
  109. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 私はタバコ専売に関しますものについてお伺いいたします。政府といたしましては良質のタバコを安く売る。これが根本でなければならぬ。四月からは光、ピース等において十円ずつ下げて売られることはもつともであると思いますが、その葉タバコ原料等は、従来も外国品種の良好なものを内地に移植いたしまして、相当りつばにでき上るようになつたと思いますが、さて将来ともこういう問題につきましては十分に監督すると同時に、民間でも良質なタバコをつくりたいという陳情もあるわけでありますが、われわれはそれは承認しておりません。どうか官営でありますから、最も良質なものを安くできるように御検討願いたいと思いますから、それにつきましては品種等もよほど改良せられまして、将来とも農業耕作者にも便利であり、またこれを愛用いたします一般の国民もよくのみ得る。決して進駐軍のタバコに劣らないというくらいの誠意をもつて努力せられたいと、私どもは議員として思うのでありますが、管理官は一体どういうふうに考えておられるか。この際承りたいと思います。
  110. 久米武文

    久米政府委員 ただいまの点まつたく御同感でございまして、日本で耕作しますタバコの品質を向上するためには、専売公社傘下の各試験場等の能力も総動員いたしまして、各種の種につきまして各種の栽培試験をやり、肥料をどうやつたらいいか、あるいはどういうふうな栽培をして、どういうときに芽をつんだら一番良質の葉が得られるかということにつきまして、試験場におきましても十分な努力をいたしておりますし、また耕作者の皆様の現地の畑におきましても「専売公社としてお手伝いできる限度におきまして、耕作指導と申してははなはだ潜越でございますが、技術的な御協力を申し上げておるという実情でございます。この点につきましては今後とも十分努力をするつもりでおります。
  111. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 監理官久米さんのお話によりまして、監督は厳重にしておる、こういうことであります。これははなはだ余事ではありますが、なおやみタバコというものが相当あるということを聞いております。私どもタバコというものは各地区にまんべんなく配給できるように、小売人の指定等もなるべく緩和してもらいたい、かように思います。承るところによりますと、専売公社の係官等が少いためでありましようか、なかなか調査に来てくれない。相当努力をしなければ出張もしてくれないし、イエス、ノーをきめるのにも長くかかる。こういうのは民論に反すると思いますから、もし交通の便利あるいは需要者、店舗等をよく調査するときにおきましては、なるべく期間を早めに見てやつて、イエス、ノーをきめてやることが、小売人としてもまた業者としても適切であると考える。しかるにお役所式をまだ実行しておつてなかなか来ぬ、そういう例を聞くのでありますが、現在の小売店等につきましては、最も迅速に処理せられまして、民論を尊重するという意味合いにおいて、まんべんなく配給できて、皆さんが円滑に買い得る、こういう制度を示されたいと思います。今までのような官僚式ではせつかく専売公社になりましても、何ら改善する余地がないというふうに考えられますから、民間の業者とはよほど違いましようけれども、それに近いような簡易な方法をもつてやられたいと思いますが、これに対します政府当局の御感想なり御処置なりを承りたい。
  112. 久米武文

    久米政府委員 タバコの小売店の現在の分布状況というものは、御指摘の通り必ずしも満足すべきものではございません。需要に応じました必要な小売店が、必ずしも完全に行き渡つておるというふうには考えておりません。大体の傾向といたしましても、二十四年度よりは二十五年度、二十五年度よりは二十六年度というふうに、小売店の数は逐次増加をして免許をして行くという方向にございます。ただ新規の免許につきましては、申請書が専売公社の出張所の窓口に出ましてから、実際に免許が出るまでに相当日がかかるというふうな点につきまして、いろいろ現場の方で御不満の点もあるように、幾多の事例を伺つております。これは三宅さん御指摘の通りでございまして、専売公社が公共企業体の名にはずかしくないような、今後の適切な運営をして行かなければならないという点につきましては、まつたく御同感でございます。そういう方向に向つて公社としても努力いたします。われわれ大蔵省といたしましても、その方向に向つて十分留意して参りたいと思つております。
  113. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 今久米監理官答弁によりまして大体了承いたしました。  最後にもう一点だけ申し上げますが、耕作者というものは全国にあるわけでありまして、南から北の方に至りますまで各地にあるわけでありますが、ある県におきましてはこの収穫金額の半額が所得として計算せられておる、こういうことを言いまして、他の業種もしくは農業諸物価と比較いたしまして、タバコの方が高過ぎるのではないかという陳情も受けたわけであります。これにつきましては指導しておられる久米監理官といたしましては、税金の問題、所得の問題等についてもむろん研究せられておることと思いますが、いかように監督しておられるかということと同時に、もう一つ耕作者におきましては悪質な耕作者はないはずであると思いますが、これに対しまして多少なお違反いたしておる者もあると聞いております。この辺の監督は一体どうなつておりますか、ひとつあなたから責任ある答弁を承りたいと存じます。
  114. 久米武文

    久米政府委員 後段の方で申されました悪質の耕作者に対する監督ということにつきましては、公社としていわゆる専売監視員というふうなものも置きまして、十分遺憾のないようにやつておるということは御承知だと思います。前段の点ちよつと……。
  115. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 これは所得の計算でありますが、タバコ耕作者のごときは割合に税金が高過ぎると言われておる。なぜかというと、収穫量がはつきりしておりますからごまかしができません。ですから大蔵省に関係しておる税務署もしくは国税局、あるいは国税庁とも関連をいたされまして、このタバコ耕作者に対する所得はどのくらいが適当だろうかということを、お示しになつておるかいないか。将来そういうことをお示しになりますと、官営でありますところのタバコ耕作者に対しましても、適切な課税ができるのではないかということを承知するわけでありまするが、監督官といたしましてどういうふうに考えておられますか。この際国民にかわつてお伺いをいたします。
  116. 久米武文

    久米政府委員 タバコ耕作者の所得税の問題につきましては、従来の実際の課税の率、所得の標準率と申しますか、あるいは必要経費の控除の仕方、そういうものにつきましては、二十四年度と五年度までは大体各国税局ことに、相当慎重な調査をいたしております。二十六年度につきましては、国税庁におきまして、なお全国的な権衡の点につきまして、十分遺憾のないように検討をすることになつております。なお具体的には各地方の専売局におきまして、政府部内と申しますか、国税局との間に事実上いろいろ打合せをいたしまして、課税が適正に行くようにということにつきまして努力をいたしております。
  117. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 深澤君からの資料の御要求の分は、午後の会議までに間に合せるようにいたしますから、ぜひ午後の会議に御出席を願います。  休憩いたします。午後は二時より会議を開きます。     午後零時五十二分休憩      ――――◇―――――     午後三時十九分開議
  118. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律の一部を改正する法律案、及びたばこ専売法の一部を改正する法律案の両案を一括議題といたしまして、質疑を続行いたします。
  119. 深澤義守

    深澤委員 ただいま資料をもらいましたが、この資料を見ますと、石炭関係に三百四十五億三千万円何がしかの残高があるのでありますが、これは最初貸付と現在の残高との割合はどんなことになつておりますか。最初貸し出したものに対してどのくらいの回収が行われ、この三百四十五億は最初貸し出した総額のどのくらいのものになつておるか。その点をひとつお伺いいたします。
  120. 杉山知五郎

    杉山説明員 鉱業全体でまとめたもので見ますると、今までの回収が二百三十七億ばかりに上つております。しかしこのうちには石炭以外の亜炭、石油、その他の鉱業が入つております。ちよつと石炭だけを区分したものは手元に持つておりませんですが、御必要であれば後刻資料として提出いたします。
  121. 深澤義守

    深澤委員 そうすると、最初貸し付けたもののうち二百三十七億の回収が行われておつて、三百七十億の残高があるということになりますと、大体六割以上のものがまだ残高となつているというふうに了解していいのですか。
  122. 杉山知五郎

    杉山説明員 さようでございます。御承知の通り、石炭融資は当初から非常に年限が長うございまして、たとえば炭住につきましては、当初から十年でございますが、実際単価の査定にあたりましては、十五年で回収できるような計算になつておりました関係もありますし、まだ融資当初から数年しかたつておりません関係上、残高が六割以上になつているというわけでございます。
  123. 深澤義守

    深澤委員 先ほどちよつと私質問してまだ御明答を得ておりませんが、つまり八百六十六億のうち期限が来て残高になつておるのが、幾らあるのかということが明確になつて来ますと、これを了解するのに容易なのであります。その点どうなんですか。
  124. 杉山知五郎

    杉山説明員 これは期限が来て幾らという資料を持つておりませんので、はつきり申し上げられませんが、期限が来て延滞になつておるというものはそう多くないと了解しております。
  125. 深澤義守

    深澤委員 昭和二十三年の十一月に会計検査院が復興金融金庫融資にあたり処置当を得ていないものとして指摘しておりますものの中に、六一四として三建工業株式会社以下八社の問題があるわけです。三建工業のごときは四千五百万の融資を受けまして、回収未済高も四千五百万円、一〇〇%未回収という状態が指摘されております。その他九九%、九四%とずつとあるわけですが、こういうぐあいに会計検査院自体も非常に不当であると指摘しているわけであります。こういうものが私は復金の残高の多い根拠になつていると思うわけでありますが、二十三年十一月現在において、会計検査院が指摘しておりますあの九社のその後の処置は、どういうぐあいにつておりますか。その点をお伺いしたいのであります。
  126. 杉山知五郎

    杉山説明員 二十三年の会計検査院の御指摘の問題は、今ちよつと手元に資料を持つておりませんが、その後一年有半たちまして回収成績を見ますると、当時検査院から指摘を受けた未済であつたものも相当回収成績を上げまして、漸次残高が減つておる状況でございます。
  127. 深澤義守

    深澤委員 時間もありませんのでこれはその程度にしておきます。しかし私は、具体的な資料提出がないので、この復金の処置の問題ははなはだ不明確であるということを、申し上げておきたいと思います。  それからタバコの問題について、先ほど輸出関係タバコを製造して、沖縄とか朝鮮へ輸出しているという問題について、御説明を承ることになつておりましたので、ちよつとその点をお伺いいたしたいと思います。
  128. 久米武文

    久米政府委員 特需関係タバコにつきましては、昭和二十五年度といたしまして、数量で二億本、金額で一億円でございます。
  129. 深澤義守

    深澤委員 そうすると、これはどういうことになるのですか。総司令部の注文があつてそれを専売公社で製造して納入する、それをドルで受取つている、こういうのですか。
  130. 久米武文

    久米政府委員 国連軍からの注文によつて製造して納めている、そういうふうに御了承を願います。
  131. 深澤義守

    深澤委員 これは、先ほどは沖縄、朝鮮へ輸出をしているということでしたが、沖縄、朝鮮だけでなしに、内地に駐在する国連軍にも行つているということはないですか。
  132. 久米武文

    久米政府委員 ただいま申しました数量及び金額は、大体朝鮮向けと御了承を願いたいと思います。それ以上のことは答弁を差控えたいと思います。
  133. 深澤義守

    深澤委員 この国連軍発注のタバコ製造と、内地のタバコを製造することとの利益関係、これはどういうぐあいにつておりますか。
  134. 久米武文

    久米政府委員 この点につきましても、答弁を差控えたいと思います。
  135. 深澤義守

    深澤委員 専売公社の経理関係の問題でありますから、われわれはそういう点を承知したいのでありますが、概括的に国連軍のタバコを製造すると損でありますか、得でありますか。
  136. 久米武文

    久米政府委員 必要な数量を公社で適当な価格で売り渡していると考えております。
  137. 深澤義守

    深澤委員 それはそういうことになつていることは間違いないでしようが、結局経理上損になるか利益になるしかという問題です。その点をお聞きしたいと思います。
  138. 久米武文

    久米政府委員 先ほど申しました通り、数量は二億本でありまして、金額は一億円ということでありまして、損にはなつておりません。
  139. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 他に御質疑はありませんか。
  140. 大上司

    ○大上委員 動議を提出いたします。ただいま議題となつております復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律の一部を改正する法律案、及びたばこ専売法の一部を改正する法律案、この両案につきましてはすでに審議も尽されたと思われますので、この際両法案について質疑の打切りをせられんことを望みます。
  141. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 大上君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  142. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 御異議なしと認めます。右両案に対しましては質疑を打切ることといたします。  それでは右両案を一括して討論に入ります。
  143. 深澤義守

    深澤委員 共産党を代表いたしまして、両法案に対して反対の意を表明いたします。  復金の問題につきましては、これはすでに終戦直後における国家資金が非常に濫費せられた。さらにその中に非常に大きな不正が伏在しておつたという問題も具体的に暴露され、そうして伏魔殿的な存在であるということが、明確になつて来ておるのであります。しかしなお今日においてこの整理が、会計検査院も指摘しておりますように、はなはだ当を得ていない。従つてこれは重大な政府責任であるというぐあいに、われわれは指摘せざるを得ない。さらにこれが最近の情報によりますと、開発銀行に受継がれるというような折、この点を明確に審議する必要があるとわれわれは思うのでありますが、午前中の本委員会における政府事務当局の御答弁によりますれば、具体的な資料は出すことはできないというぐあいに国会の審議をも十分尽させない態度をとつておることにつきましては、はなはだ不満であります。そこにこそ、この復興金融金庫の非常に複雑な事情があるということを、私は指摘せざるを得ないのであります。こういう意味において、まずこの復興金融金庫法案に対しましては、われわれは反対であります。  たばこ専売法の一部を改正する法律案でありますが、この法律案の今度の分に対しましては、特別にこれは反対する理由もないのでありますが、現在全国におけるところの小売人の利益率が非常に少いということ、さらに農村関係における販売高の非常に少い小売人の利益率は、特別に考えるべき必要があるというような問題、さらに災害補償の問題についても、耕作者が非常に困難をしておる。この問題について二分の一の補償という程度では、これはタバコ耕作者が安心してやつて行けないというような事情にある。もう一つは、どうもこの専売公社の運営が、ひたすら外国製品に依存する傾向を持つているのであります。日本のタバコ製造に関しましては、内地で品種の改良、増産ということをいたしまして、内地産で自給するという建前をとるべきであるということを、われわれは主張いたすのでありますが、この方向に対しまして本法案がまつたく積極的でないという意味において、これに対して反対をするものであります。
  144. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 討論は終局いたしました。これより右両案を一括して採決いたします。右両案はいずれも原案の通り可決するに賛成諸君起立を願います。     〔賛成者起立
  145. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 起立多数。よつて右両案はいずれも原案の通り可決いたしました。  なお右両案に対する報告書の作成並びに提出手続等につきましては、委員長に御一任を願います。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後三時三十四分散会