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1951-05-26 第10回国会 衆議院 水産委員会 第36号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十六日(土曜日)     午前十時四十一分開議  出席委員    委員長 冨永格五郎君    理事 鈴木 善幸君 理事 二階堂 進君    理事 松田 鐵藏君 理事 林  好次君    理事 上林與市郎君       石原 圓吉君    小高 熹郎君       川端 佳夫君    川村善八郎君       田口長治郎君    田渕 光一君       永田  節君    小松 勇次君       水野彦治郎君    井之口政雄君  出席政府委員         水産庁長官   藤田  巖君         農 林 技 官         (水産庁次長) 山本  豐君  委員外出席者         議     員 山崎 岩男君         農林事務官         (水産庁漁政部         漁業調整第一課         長)      高橋 泰彦君         農林事務官         (水産庁生産部         漁港課長)   林  眞治君         通商産業事務官         (通商繊維局綿         業課長)    佐橋  滋君         專  門  員 徳久 三種君  五月二十四日  委員田渕光一君辞任につき、その補欠として渡  邊良夫君が議長の指名委員に選任された。 同月二十五日  委員渡邊良夫君辞任につき、その補欠として田  渕光一君が議長の指名委員に選任された。 五月二十六日  漁港法第十七條第二項の規定により、漁港整備  計画について承認を求めるの件(内閣提出、承  認第八号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  閉会中審査に関する件  漁港法第十七條第二項の規定により、漁港整備  計画について承認を求めるの件(内閣提出、承  認第八号)  水産資材に関する件  水産金融に関する件     ―――――――――――――   請願  一 鴨居瀬漁港修築に関する請願田口長治郎    君紹介)(第五九号)  二 大沢漁港を第二種漁港指定並びに修築工    事促進請願田中角榮紹介)(第六〇    号)  三 苅屋漁港築設に関する請願久野忠治君紹    介)(第六一号)  四 トロール船取締強化に関する請願石原圓    吉君紹介)(第一一九号)  五 北海道漁船保険組合設立反対請願(林    好次君紹介)(第一七八号)  六  落石漁港防波堤及び船付場築設の請願    (伊藤郷一君紹介)(第一七九号)  七 須津漁港拡張工事施行請願山本利壽君    紹介)(第二三一号)  八 湯江村に漁港築設の請願田口長治郎君紹    介)(第二四三号)  九 樺島漁港防波堤築設の請願田口長治郎    君紹介)(第二四四号) 一〇 平漁港防波堤築設の請願田口長治郎君    介)(第二四七号) 一一 さけ、ます流網試験漁ろうに関する請願(    冨永格五郎君外二名紹介)(第二五八号) 一二 魚田開発に見返資金融資請願冨永格五    郎君紹介)(第二八五号) 一三 漁業制度改革各種委員会等経費国庫負    担金増額請願鈴木善幸紹介)(第三    〇九号) 一四 大樹村に漁港築設の請願伊藤郷一君紹    介)(第三一六号) 一五 香深村に北方新魚田開発策源地としての諸    施設実現並びに魚田調査に関する請願(玉    置信一君紹介)(第三二六号) 一六 香深漁港修築工事促進に関する請願(玉置    信一君紹介)(第三二七号) 一七 知柄漁港防波堤築設の請願福井勇君紹    介)(第三五七号) 一八 漁業経営費増大及び漁価低落防止対策に    関する請願小高熹郎君紹介)(第三七四    号) 一九 旋網漁業許可制度確立請願小高熹郎君    紹介)(第三七五号) 二〇 漁船船員法制定に関する請願小高熹郎君    紹介)(第三七六号) 二一 水産資源枯渇防止対策確守に関する請願(    小高熹郎君紹介)(第三七八号) 二二 荒廃漁場復旧請願小高熹郎君紹介)(    第三七九号) 二三 漁業金融合理化に関する請願小高熹郎    君紹介)(第三八〇号) 二四 海区漁業調整委員会経費増額に関する請    願外十九件(永田節紹介)(第四三六号) 二五 海区漁業調整委員会委員公職兼職に関    する請願永田節紹介)(第四三七号) 二六 小型機船底びき網漁業整備に伴う転業資金    交付に関する請願外二十件(永田節君紹    介)(第四三八号) 二七 瀬戸内海漁政庁設置等に関する請願永田    節君紹介)(第四四〇号) 二八 平島村きみな網漁業障害除去に関する請    願(坪内八郎紹介)(第四四一号) 二九 漁船に対する特殊保険制度改革に関する請    願(石原圓吉君外一名紹介)(第四九一    号) 三〇 同(川村善八郎君外一名紹介)(第五〇八    号) 三一 同(小高熹郎君外一名紹介)(第五〇九    号) 三二 同(田口長治郎君外二名紹介)(第五一〇    号) 三三 同(冨永格五郎君外二名紹介)(第五一一    号) 三四 同外一件(田口長治郎君外一名紹介)(第五    一二号) 三五 大澗港を魚田開発漁港指定請願冨永    格五郎紹介)(第五八八号) 三六 山背泊港を魚田開発漁港及び避難港に指定    の請願冨永格五郎紹介)(第五八九    号) 三七 銭亀沢村に漁港築設の請願冨永格五郎君    紹介)(第五九〇号) 三八 大畑漁港しゆんせつ工事施行請願(山崎    岩男紹介)(第六三五号) 三九 北上川魚てい改善に関する請願鈴木善    幸君紹介)(第六七六号) 四〇 水産金融対策確立に関する請願鈴木善幸    君紹介)(第七〇七号) 四一 集魚燈漁業の制限に関する請願鈴木善幸    君紹介)(第七〇八号) 四二 岩手県下の漁港及び船だまり施設拡充に関    する請願鈴木善幸紹介)(第七〇九    号) 四三 機船底びき網漁業整理促進並びに取締強    化に関する請願鈴木善幸紹介)(第七    一一号) 四四 荒廃漁場復旧請願鈴木善幸紹介)(    第七一三号) 四五 輸出水産物産業奨励助成請願鈴木善幸    君紹介)(第七一四号) 四六 水産用石油増配に関する請願鈴木善幸君    紹介)(第七一五号) 四七 漁業経常費増大及び魚価低    落の防止対策に関する請願鈴木善幸君紹    介)(第七一六号) 四八 崎山漁港築設の請願西村久之紹介)(    第七七五号) 四九 水産皮革行政農林省一元化に関する請願    (石原圓吉紹介)(第八〇四号) 五〇 鹿部漁港拡張工事施行等請願川村善八    郎君紹介)(第八〇八号) 五一 漁船保険法による漁船保険制度改革に関す    る請願石原圓吉紹介)(第八四〇号) 五二 志布志町批榔島に蓄養場設置請願(二階    堂進君紹介)(第八四一号) 五三 水産資源保護法制定に関する請願石原圓    吉君外二名紹介)(第八六三号) 五四 焼尻村に漁港築設の請願玉置信一君外一    名紹介)(第八六四号) 五五 内之浦漁港を第四種に指定請願前田郁    君紹介)(第八八一号) 五六 根占町に漁港築設の請願前田郁紹介)    (第八八二号) 五七 小型機船底びき網漁業に関する請願(塩田    賀四郎紹介)(第九六二号) 五八 漁船に対する特殊保険制度改革に関する請    願(鈴木善幸紹介)(第九六三号) 五九 漁船保険法による漁船保険制度改革に関す    る請願鈴木善幸紹介)(第九六四号) 六〇 小川漁港拡張工事費国庫補助請願(水野    彦治郎紹介)(第九七四号) 六一 妻鹿漁港を第三種漁港指定請願外三件    (堀川恭平紹介)(第九八六号) 六二 海区漁業調整委員会経費増額に関する請    願(川端佳夫紹介)(第九八七号) 六三 同(小西英雄紹介)(第九八八号) 六四 小型機船底びき網漁業整備に伴う転業資金    交付に関する請願小西英雄紹介)(第    九八九号) 六五 同(川端佳夫紹介)(第九九〇号) 六六 同(平井義一紹介)(第一〇二九号) 六七 沼島港を第四種漁港指定請願塩田賀    四郎君紹介)(第一〇二八号) 六八 海区漁業調整委員会費増額等に関する請願    外一件(羽田野次郎紹介)(第一〇三〇    号) 六九 三重漁港防波堤築設の請願岡西明貞君    紹介)(第一〇四〇号) 七〇 高家漁港修築工事促進請願鈴木善幸君    紹介)(第一〇九〇号) 七一 太櫓漁港築設の請願冨永格五郎君外二名    紹介)(第一一一二号) 七二 相沼漁港築設の請願冨永格五郎紹介)    (第一一一三号) 七三 泊川漁港築設の請願冨永格五郎紹介)    (第一一一四号) 七四 関内漁港築設の請願冨永格五郎紹介)    (第一一一五号) 七五 熊石漁港しゆんせつ工事施行請願冨永    格五郎紹介)(第一一一六号) 七六 海区漁業調整委員会経費増額に関する請    願(川西清紹介)(第一一六〇号) 七七 小型機船底びき網漁業整備に伴う転業資金    交付に関する請願井之口政雄君外一名紹    介)(第一一八一号) 七八 同(堀川恭平紹介)(第一二三五号) 七九 海区漁業調整委員会費増額等に関する請願    (井之口政雄君外一名紹介)(第一一八二    号) 八〇 栖原漁港防波堤修築促進請願早川崇君    紹介)(一二三二号) 八一 由良村に漁港築設の請願大石ヨシエ君紹    介)(第一二八三号) 八二 小型機船底びき類似漁業より打瀬漁業分離    に関する請願三木武夫紹介)(第一三    一八号) 八三 小型機船底びき網漁業整備に伴う転業資金    交付に関する請願原健三郎紹介)(第    一四五六号) 八四 同(山本久雄紹介)(第一五一〇号) 八五 同(橋本龍伍紹介)(第一五一一号) 八六 瀬戸内海漁政庁設置等請願原健三郎君    紹介)(第一四五七号) 八七 同(橋本龍伍紹介)(第一五一二号) 八八 海区漁業調整委員会委員公職兼職に関    する請願橋本龍伍紹介)(第一五〇九    号) 八九 第五種共同漁業権証券資金化に関する請    願(長谷川四郎君外一名紹介)(第一五一    三号) 九〇 同(前田正男君外一名紹介)(第一五三三    号) 九一 海区漁業調整委員会経費増類に関する請    願(逢澤寛紹介)(第一五七五号) 九二 同(三木武夫君外一名紹介)(第一六三四    号) 九三 小型機船底びき網漁業整備に伴う転業資金    交付に関する請願外一件(逢澤寛紹介)    (第一五七六号) 九四 漁船保険法による漁船保険制度改革に関す    る請願角田幸吉紹介)(第一五七七    号) 九五 同(田口長治郎紹介)(第一六三六号) 九六 第五種共同漁業権証券資金化に関する請    願(田口長治郎紹介)(第一五九五号) 九七 荒浜漁港修築工事施行請願(佐々木更三    君紹介)(第一六一六号) 九八 小型機船底びき網漁業に関する請願外一件    (三木武夫君外一名紹介)(第一六三五    号) 九九 漁船保険法による漁船保険制度改革に関す    る請願川端佳夫紹介)(第一六九一    号) 一〇〇 同(川村善八郎君外一名紹介)(第一六    九二号) 一〇一 小型機船底びき網漁業整備に伴う転業資    金交付に関する請願中垣國男紹介)(    第一六九三号) 一〇二 網代漁港拡張工事施行請願畠山鶴吉    君紹介)(第一七二七号) 一〇三 漁業用資材に対する補給金制度復活に関    する請願鈴木善幸紹介)(第一七九五    号) 一〇四 魚かす等の集買による損失補償に関する    請願冨永格五郎君外一名紹介)(第一七    九六号) 一〇五 小型機船底びき網漁業操業区域等に関す    る請願亘四郎君外一名紹介)(第一八五    九号) 一〇六 内水面漁業委員会経費増額等に関する    請願門脇勝太郎紹介)(第一八九九    号) 一〇七 第五種共同漁業権証券資金化に関する    請願柳原三郎紹介)(第一九五一号) 一〇八 入野船だまり災害復旧工事施行請願(    長野長廣紹介)(第一九七二号) 一〇九 北上川魚てい改善に関する請願(小澤    佐重喜紹介)(第一九九一号) 一一〇 中央漁業調整審議会拡充に関する請願(    山本利壽紹介)(第二〇六二号) 一一一 漁船に対する特殊保険制度改革に関する    請願田口長治郎紹介)(第二一一八    号) 一一二 米軍用船による漁具被害に対する損害補    償に関する請願小高熹郎君紹介)(第二    一四六号) 一一三 奥戸漁港に船だまり工事施行請願(山    崎岩男紹介)(第二一四七号) 一一四 佐井漁港災害復旧費国庫補助に関する請    願(山崎岩男紹介)(第二一四八号) 一一五 崎浜部落漁港築設の請    願)(鈴木善幸紹介)(第二二五〇号) 一一六 第五種共同漁業権証券資金化に関する    請願鈴木善幸一君紹介)(第二二五一    号) 一一七 石巻漁港を第三種に指定請願角田幸    吉君紹介)(第二二八四号) 一一八 渡波港を漁漁港指定請願角田幸吉    君紹介)(第二二八五号) 一一九 塩釜漁港を第三種に指定請願角田幸    吉君紹介)(第二二八六号) 一二〇 女川漁港を第三種に指定請願角田幸    吉君紹介)(第二二八七号) 一二一 気仙沼漁港を第三種に指定請願(角田    幸吉君紹介)(第二二八八号) 一二二 漁港法施行に伴う漁港指定促進に関する    請願鈴木善幸紹介)(第二三二八号) 一二三 いか釣漁業者労働基準法適用除外に    関する請願冨永格五郎紹介)(第二三    九三号)   陳情書  一 池の浦漁港拡張に関する陳情書    (第八号)  二 越佐海峡横断禁止線をめぐる漁業紛争に関    する陳情書(    第九九号)  三 漁業災害補償制度確立に関する陳情書    (第一一八    号)  四 水産業協同組合に対し長期融資陳情書    (第一二三号)  五 漁業調整委員会費増額等に関する陳情書    (第一二四号)  六 漁業補償金現金化に関する陳情書    (第一七二号)  七 水質汚濁防止法制定促進に関する陳情書    (第    一八四号)  八 大海制実施に関する陳情書    (    第二一五号)  九 漁業調整委員会費増額に関する陳情書    (第二四三号) 一〇 漁業調整委員会費増額等に関する陳情書外    一件    (第二六九号) 一一 志布志枇榔島蓄養場設置に関する陳情    書    (第二七四号) 一二 同    (第二七    五号) 一三 同外二件    (第二七六号) 一四 小型機船底ひき網漁業整備に伴う転換資金    交付に関する陳情書外二件    (第二八〇号) 一五 小型機船底ひき網漁整備に伴う転換資金交    付に関する陳情書    (第二八一号) 一六 同外四件    (第二八二    号) 一七 小型機船底ひき網漁業整備に伴う転換資金    交付に関する陳情書    (第二八三    号) 一八 漁業調整委員会費増額等に関する陳情書    (第二八四号) 一九 同    (第二八五号) 二〇 同    (第二八六号) 二一 同    (第二八七号) 二二 同    (第二八八号) 二三 漁業制度改革に伴う諸施設並びに予算増額    に関する陳情書外一件    (第    三〇九号) 二四 海区漁業調整委員会委員公職兼職に関    する陳情書    (第三    一〇号) 二五 同    (第三一一号) 二六 志布志枇榔島畜養場設置に関する陳情    書    (第三三一    号) 二七 小型機船底びき網漁業整備に伴う転換資金    交付に関する陳情書    (第三四七号) 二八 中共による漁船不法だ捕防止に関する陳    情書    (第三五二号) 二九 漁業制度改革に関する陳情書    (第三五三号) 三〇 漁業調整委員会費増額等に関する陳情書    (第三    五七号) 三一 小型機船底びき網漁業整備に伴う転換資金    交付に関する陳情書    (第三七一号) 三二 同    (第三七二    号) 三三 同外一件    (第三七三号) 三四 志布志枇榔島蓄養場設置に関する陳情    書    (第三七七号) 三五 まんが漁業に関する陳情書    (第三九八号) 三六 漁業調整委員会費増額等に関する陳情書    (第四〇七号) 三七 同    (第四一〇号) 三八 以東機船底びき網漁業に関する陳情書    (第四一一    号) 三九 水産業に対する災害補償等に関する陳情書    (第四一七    号) 四〇 漁業権補償金増額及び現金化促進に関す    る陳情書    (    第四一八号) 四一 水産業協同組合に対し長期融資陳情書    (第四一九    号)四二 内水面における漁業権証券即時資金化に    関する陳情書    (第四二五号) 四三 小型機船底びき網に関する陳情書    (第四五六号) 四四 小型機般底びき網漁業整備に伴う転換資金    交付に関する陳情書    (第四六一号) 四五 同    (第四六二号) 四六 伊勢、三河両湾のパッチ網漁業全面的禁    止に関する陳情書    (第四六七号) 四七 漁業調整委員会費増額に関する陳情書    (第四七一号) 四八 内水面における漁業権証券即時資金化に    関する陳情書    (第四七四号) 四九 機般底びき網漁業大海制実施反対等に    関する陳情書    (第四九八号) 五〇 十和田湖漁業国営化に関する陳情書    (第    五〇六号) 五一 水産銀行設立に関する陳情書    (第五四二号) 五二 内水面における漁業権証券即時資金化に    関する陳情書    (第五五四号) 五三 放水路開さくによる被害漁民救済策に関    する陳情書    (第五八〇号) 五四 中共による漁船不法だ捕防止に関する陳    情書(第    六四五号) 五五 小型機般底びき網漁業整備に伴う転換資金    交付に関する陳情書    (第六四九号) 五六 内水面における漁業権証券即時資金化に    関する陳情書    (第六五〇号) 五七 同    (第六五一号) 五八 機船底びき網漁業大海制実施反対等に    関する陳情書    (第六五九号) 五九 沖合漁業大海制実現に関する陳情書    (第    六七九号) 六〇 漁業権証券資金化に関する陳情書    (第六八五号) 六一 水産金融政策確立に関する陳情書    (第六八五号) 六二 漁業用資材価格低廉化に関する陳情書    (第六八八号) 六三 漁業権証券資金化促進並び北海道の割当    額増額陳情書    (第六九二号) 六四 漁船不法だ捕防止に関する陳情書    (第七〇四号) 六五 沿岸零細漁業振興対策に関する陳情書    (第七三三号)     ―――――――――――――
  2. 鈴木善幸

    鈴木委員長代理 これより水産委員会を開きます。  本日は委員長にさしつかえがありますので、私がかわつて委員長の職務を行います。漁業制度改革実施につきまして、川村委員より発言を求められております。これを許します。
  3. 川村善八郎

    川村委員 漁業度改革は、農業とともにわが国産業民主化を達成し、この基盤の上に生産力を発展させ、日本の経済の再建とその振興をはかる画期的な一大事業であるのであります。この事業達成のためには、全漁民が最善の努力を払うことはもちろんでありますが、政府としても、この国策先途のためには、財政上及び金融上適切なる処置を講じ、本改革の徹底を期せられなければならないのであります。しかるに今や漁業制度改革実施期に人づているにもかかわらず、これに対する具体的の処置が何らなされていないことは、まことに違憾であります。この場合政府はすみやかにその措置を講じなければならぬのであるから、本委員会におきましては、これらの問題の解決のために、ぜひとも農林並びに大蔵当局に強い要望をしておくことが必要だと考えておるのであります。従つて私は左に掲げまするところの事項要望することを提楽いたします。  一、漁業権補償金の公正妥当なる配分を期すこと。  二、漁業権等補償金は非課税とすること。    もし諸般の事情により課税する場合においても左の措置をすること。    (1)漁業会及び漁業者等漁業権補償に対しては最低限度課税とし、課税相当額増額買上げ償還すること。    (2) 課税分については漁民に還元するよう適切なる措置を特になすこと。  三、漁業権証券資金化することは、漁業制度改革促進のための経済的裏づけであるから、この資金が真に漁業制度改革の目的に合致して利用されるよう、単に買上げ償還のみならず、特別会計を設置し、財政資金を導入し、これらを組合せ、本制度改革計画的に実施できるよう措置すること。    なお漁民生産手段等に充てるため個別買上げの道を開くとともに、金融機関より長期かつ低利なる金融ができるよう措置すること。  四、本年度漁業制度改革促進事業費として最少限度四十億(税金引当て分個別買上げ分を含まず)を確保すること。  五、前記特別会計が困難なる場合においては、既設の農林漁業資金融通特別会計のわくを拡大し、漁業制度改革に必要なる資金を特にひもつきとすること。  六、本問題の解決については、農林大蔵当局において特に緊密なる連絡をとり、これが万全の措置をすること。 以上のことを、大蔵大臣は申すに及ばす、大蔵当局農林大臣並びに農林当局要望することを提案する次第であります。
  4. 鈴木善幸

    鈴木委員長代理 ただいま漁業制度改革実施に関連いたしまして、川村委員より政府要望いたします事項をお述べになりましたが、この要望事項はきわめて適切なる御提案であると考えるものであります。つきましては、本委員会の総意によつて、これを大蔵大臣並びに農林大臣要望するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 鈴木善幸

    鈴木委員長代理 御異議なしと認めます。委員長においてそれぞれ農林大臣及び大蔵大臣要望手続をとりたいと思います。その手続はおまかせ願いたいと思います。     ―――――――――――――
  6. 鈴木善幸

    鈴木委員長代理 次に水産資材に関する件を議題といたします。水産資材の中でも特に綿糸綿漁網等の取扱いについて、政府において近い機会に統制方式その他について新たなる措置を講ずるやに聞いているわけでありますが、これについて水産庁当局から御説明を願いたいと思います。綿業課長佐橋滋君。
  7. 佐橋滋

    佐橋説明員 委員長からの御指名により綿糸統制状況についての御説明をいたします。先々週でありましたが、自由党の政調会物価庁繊維局安本の各首脳部が呼ばれまして、綿系統制を今後どうするかについての協議をいたしまして、大体現在の状況からいたしますれば、統制を早急に解除しても問題はない、こういうふうに大綱の決定を見ましたので、事務局の方といたしましては成案をつくりまして、本日安本産業局長司令部の方へ正式の折衝を始めるという段取りになつておるのであります。  一応の状況説明申し上げますと、毎々御説明いたしますように、本年度綿糸生産計画は年間百六十七万梱であります。これは現在の紡績の進捗状況からいたしまして、十二分設備的には可能であります。問題はこれに対します綿花の手当の問題でありますが、四月末現在におきまして、綿花の手持ちストックは七十三万俵持つて去るのであります。それで現在までに外貨資金の割当をもらいまして、まだ日本へ到着していないもの、もう資金の手当は現在についてはおりますものが三十四万三十俵あります。これでほぼ今年の生産には支障がないのでありますが、ランニング・ストックを持たせる等の関係がありまして、現在十万八千俵の契約が成立しておりますが、これに対する資金の割当が現在四―六ないし七―九で見ていただけることになつておりますが、この点はまだはつきりしておりせまん。いずれにいたしましてもこの程度の外貨資金は見ていただける、こういうふうに考えますと、本年度の百六十七万梱を生産いたします見合いの綿花の手当はつくのであります。百六十七万梱で申しますと、昨年よりも約三、四割の綿糸布の輸出を多く見まして、約十四億ヤードくらいの綿布の輸出、それから特需をさらに月約八千梱、年間約十万梱くらいのものを見まして、なおかつ国内へ五万梱くらいのものの供給ができることになつております。現在の状況と申しますのは、二月あたり綿糸のやみ相場は、二〇番単糸約二十五万円いたしておりましたのが、昨今は十六万円を割りまして、十五万七千円程度に達しておるのであります。マル公は十四万円でありますが、これは紡績の工場渡しの値段でありまして、これに綿糸商の手数がかかると大体十四万五千円くらいになりますので、現在のやみ値はマル公に対しまして一万円程度の高となつておるのであります。この十五万七千円のやみというものは、まあ一部の唱え値でありまして、現実には品物はほとんど動いておらないという状況であります。と申しますのは、綿糸の割当をもらつておらない業者が、タイトル料のような形で、マル公に対して一万円くらいのアップをして買つておるという状況であります。現在までに四―六の発券をいたしました総数量に対して、紡績(切符を提示しております数量はわずかに二〇%足らずでありまして、あとの八割は綿糸の消費業者たとえば漁網業者あるいは織物業者、メリヤス業者、雑品業者というようなものが綿糸の切符だけ抱いていまして、先の安物状況によつてはということで買い控えて切符を暖めておりまして、現実には品物が動いていない、こういうような状況になつておるのであります。     〔鈴木委員長代理退席、委員長着席〕 御承知のように今月の、終りあたりになりますと、米綿の収穫予想の発表がありますが、現在までの見通しでは、よほど天災異変でもない限り、米綿の収穫が千五百万を割るとかいうようなことは考えられませのんで、現在のニユーヨーク相場におきましても、先物は相当安値が出ておりますから、一体にそれに合せまして、最近は海外からの引上げもちよつと停屯状態にありますので、悪材料が重なつております関係上、先安が見通されますので、ますます十四万円の値段では品物が動かないというのが現状であります。こういうふうに見て行きますと、現在糸の切符制あるいはマル公がありますこと自体が、円滑なる綿糸、綿製品の気通を阻害しておる、こういうふうに考えられますので、この際早急に統制を解除したいというふうの決定を見ておるわけであります。御承知のように、先月の終りに綿花、綿糸、綿織物につきまして、輸出、内需をひつくるめた三品の設立が許可をされまして、これで全般についての自由取引をする一応の態勢が整つた、こういうふうに見られますので、一応政府の間で決定した線に沿つて、早急に統制を解除してさしつかえない、こう考えておる次第であります。
  8. 川村善八郎

    川村委員 ただいま通産省の綿業課長から、綿糸統制を解きたいという意向の御説明があつたのでありますが、それにつきまして一応承つておきたいと思います。御説明の中に、大体今日マル公が一梱十四万円くらいで、やみが十五万七千円くらいであつて、わずかに上まわること一万六、七千円である。以前のやみ値は二十万円くらいであつたが、アメリカの綿作も非常に豊作であつて、天災地変のない限りは一千五百万というものは確保できる、こうしたような理由かち統制を撤廃すべきであるという御説明であります。私らもその内容につきましては調査をしておりますので、大体その点はわかるのでありますけれども、ただ今後私たちの心配いたしまするのは、現在の高い綿花では、とうていその生産は世界市場にはけて行かないという点から、今後マル公も下るのじやなかろうかという予想もあるのでありますが、網は御承知のように各種にわかれておりまして、はたして統制を解いた時分に、漁民の要求しますところの網ができるかどうか、つまり原料がたくさん入りましても、われわれの要求する綿糸なりあるいは網が入るかどうかということについて、われわれの心配があるのであります。従つてこの点について綿業家なりあるいは水産庁なりが、はたして話合いができて統制を解くという段階まで行つておるかどうか。聞くところによりますと、水産庁では、これまで相当そうしたような考え方で、統制撤廃に反対をしておるということなんであります。これまでのいろいろな事情を調べてみますと、今まではもちろん綿花の入荷も不足であつたのでありますし、それからさらに海外の貿易の対象となりますところの綿製品が高かつたために、その方に横流れをして網ができなかつたということが明らかでありますけれども、またぞろ今度は統制を撤廃されたときに、網になるところの綿糸がはつきりこれこれという指示がきまらないと、やはり世界市場というものは、今後変化があつた場合に、今課長の言われるように、貿易の対象となるすべての綿製品が高くないから、むしろマル公を割らなければならない実情にあるから、決して網の問題については心配がないというような意味の御説明でありますが、はたして一体綱会社なり、あるいは綿業課の方で考えておるように、統制撤廃した後において、漁民の要求するところの綱が確実にできるという確信があるかどうかというのが、私の述べたい一点であります。これはもし綿業課の課長の方の答弁ができなかつたならば水産庁の方の答弁でもよろしゆうございます。また両方からの答弁でもさしつかえありません。それから私は過去を責めてもやむを得ないのでありますけれども、ただいまの説明からいうと、前には一梱の価格二十万円もでやみ取引がされておつた、こうしたようなことがわかつておりながら、これがどうして一体綿業課なり、あるいは水産庁なり、手を打つて漁民に網を十分に使えるような措置を講じなかつたか、この二点であります。そこで私は先ほども申し上げましたように、綿花がたくさん入つて来ても、網にならないで、どんどんその他のものに流れて行くような心配もありますので、その状況を伺つておるのでありますが、でき得るだけ詳細に、あなた方の良心に訴えて御答弁を願いたいと思います。
  9. 山本豐

    山本(豐)政府委員 ただいまの川村さんの御質問でありますが、実は大体お尋ねになりましたような点につきまして、水産庁としてもまつたく確信が持てない、こういう事情もありましたので、実は先般いわゆる生産割当だけを残すという御相談のあつたときには、いましばらく実際の実情を看取してからでも、全面的の撤廃ということはおそくないであろうというような考えのもとに、実は非常に愼重な態度を持して参つたわけであります。しかし今回の通産省方面の動きの模様を聞いてみますと、その後にいわゆる時価もだんだん下向きになつて来る事情、それからまた原料手配をしましても、案外に引取りが少い。これは結局購買力なり、あるいは綿糸の先安という思惑も相当作用しておると思うのであります。そういうようなことで、相当原料的にも安心ができるというのが通産省のお考えであろうと思うのであります。そういう事情が若干ずつかわつて参りました事情につきましては、水産庁としても原料の手配の問題につきまして、かなり安心が行く段階に入つて参つたのではないかというふうに考えておるわけであります。ただ残ります問題は、かようにいたしましても、大体価格の面で輸出に流れるとか、あるいは有利な織物類の方に多く行きまして、漁網の方に参らないというような点も、これはやはり将来の問題としては考えておかなければならぬ問題でありますが、さしあたつてはそうひどい影響はないのではないかと思うのであります。ただ問題は、ただいまも川村さんからもお話がありましたように、いわゆる綿業界というものの今後のあり方の問題もあろうかと思うのであります。これは通産省の所管にありますので、水産庁といたしましては、非常な重大な関心は持つておるのでありますが、直接こういう漁網綱を製造する工場に対する監督というようなことは、十分通産省を通じて御依願するというかつこうになつているわけであります。これらの点を通産省と緊密な連絡をとりまして、われわれのいろいろ聞き込んだこと、あるいはまた方々から参ります苦情等につきまして、通産省によくお聞き取り願つて、徹底の行くように工場の指導監督をしていただけば、あるいはまた一緒になつてそういう方向をとつて参りますれば、原料の手配が十分できますれば、大体そうえらい損はなく行けるのではなかろうかというような気持に、最近なりつつあるわけであります。もう一つは、漁網がやはり将来他の織物業と対等の地位に立つて行くというためには、やはり漁網を引取る漁民の購買力の問題も考えなければならぬと思うのであります。漁網の引取り資金の問題、この問題は今日仕込み資金全体の問題になつておりまして漁民金融能力ということにかかつておるのでありますが、これらの点の裏づけが伴つて参りますれば――購買力がないということになりますと、勢い綱をつくる連中もつくらない、手控えをするということにも相なつて参るかと思うのでありますが、そういう点を相当に取上げて参りまして、金融の裏づけもある程度できるということにいたしますならば、とにかく心配が少くなるのではなかろうか、もう一つは今日綿糸がこういうように値上りになつて参りましたので、いわゆる代用繊維といいますか、例のアミランその他これに類するような代用繊維と漁網の値段とが、かなり接近して参つておるわけであります。ひところ価格が三倍以上しておつたのでありますが、最近は二倍半くらいの程度になつて来ております。これはもつとも実用化するほどにはまだ生産力がないのでありますが、これまた通産省と御一緒になりまして、これからの大いに発展を期することも――これは実質におきましては、かりに価格が三倍いたしましても、三倍持てばそれは採算が合うわけでありますし、また最近いろいろ試験の結果は、かなりの結果が出ておるわけでありますので、こういう面も合せて通産省の御協力を得て、推進して行くことも必要でなかろうかというふうに考えておるわけであります。
  10. 川村善八郎

    川村委員 今私の質問に対して、われわれの憂慮しておる点について、意見を加えまして、御答弁が山本次長からあつたのでありますが、私も次長の考えておることと同じ考えを持つておるのであります。しかしながら一面、私よくお話申し上げたいことは、漁網というものは、御承知の通り、できておつてもただちに魚をとる態勢にまでは持つて行かれません。その間いわゆる一つの網につくり上げ、しかも十分染料も施し、相当の長い日数をかけて、初めてこれは魚をとるところの綱に仕上るのであります。まれいつ何時災害等もあつて、大量の網の必要に迫まられることもあります。こうしたようないろいろの角度から考えますと、かりに綿花すなわち綿網になります原料がたくさん入りましても、相当大量につくつておいてもらわなければ、そのときに間に合わないということがあり得るのであります。もちろんこれには今山本次長の言われたように、漁民にそれだけの経済力を持たせるというと、いつでも金を出せば買えるということになりますけれども、それまでに十分つくつてもらつておかなければならぬということが先決となるのであります。そこで漁民経済力の問題については、いろいろ漁業制度改革の問題でも取上げておるように、何とかすべて資金化して、漁民の真の生産ができるようにしたいという念願で、本日もいろいろ関係閣僚に当つて来ておりますが、なかなかこれとても容易でないのであります。そこでどうしても私はこの漁網を生産するところのメーカーに対しても、漁民と同様に経済の裏づけをして行くことが必要ではないか、いわゆる端的に申し上げると、漁網をつくるところのメーカーに対しては、漁網をつくつた場合には資金に困らせない、いわゆるストックするだけの資金は十分にあてがうという措置もとつて行かなければならないか、とかように考えるのであります。今日漁業の財政の裏づけということは困難であることは、次長もよく知つている通りであります。かつては漁網あるいはロープ等に対して補給金があつたのでありますが、補給金が撤廃され、さらに、逆に今度は魚価が非常に安くなつておるので、漁業生産の資金すら容易でないため、網を買つてこれを十分ストツクしておくというようなことは、とうてい言うべくして望まれない段階にあると思うのであります。従つてこの場合、漁網を生産するメーカーを指定するかどうかという問題は、いろいろ議論もありましようけれども、とにかく今日まで漁網を生産することに寄与して来ました信用あるメーカーに対しては、資金の裏づけをしてやることが必要でなかろうか。つまり漁民に対する財政の裏づけと、さらに漁網を生産するメーカーに対して、漁網をストックするだけの資金のまかないをすることが必要ではなかろうか、かように考えますが、通産省並びに水産庁においては、そのことを考えているかどうかお伺いいたします。
  11. 松田鐵藏

    ○松田委員 関連して――ただいま川村委員からの発言もありましたが、綿花の統制撤廃ということは私の持論でもあつたのであります。幸いにして現階段に進んで来たことは、私どもの今までの持論が実現したもので、漁民はこれによつて救われるものだ、かように考えて非常にけつこうなことだと思うのであります。ただいま川村委員からもお話のように、今まで二百数十軒も網業者があり、統制されておつたがためにかような方向に向つて来たのであるが、一日も早く優秀なメーカーができ上つて、そのメーカーが漁民の要求する網を常にストックしておくことが、昔からあつたやり方にもどることであつて、それが漁民に対して非常な利益になる、かようにわれわれは考えておつたのであります。それは統制が撤廃されることによつて初めてその段階に進み得ると存ずるのでありますが、現在あらゆる企業が金詰まりによつて困却しているのであります。このときにあたつて、水産当局として、今まで一つの欠点もなかつた優秀なメーカーが、昔の状態になるまでの間援助をしてやらなかつたならば、とうてい他の繊維業者と太刀打ちができないことになるのではないか。統制が撤廃された結果、他の繊維業者の方にのみ綿花が流れて行つて、網をつくることは不可能な事態に直面するのではないかと相愛するのであります。この点に対して水産当局はどのようなお考えを持つておられるか。これに不安はないものと考えるか。私は不安があるものと考えるので、漁民がどこまで救われるようにするために、何とかして従来のりつぱな網会社に対して金融措置をして、過渡期における対策を進めて行かなければならぬと考えております。この点に対し両当局の御意見はどうであるか知りたいのであります。しかも、もつともつと突き進んで行くと、日本の繊維は世界の繊維価格より現在高いと考えているのであります。輸出も相当局限されるのではないかという情報もわれわれ耳にしておるのでありますが、その点網に対する心配はないとお考えであるか。こうした機業家はあらゆる努力をしてその販路を求めるものであるが、網というものは非常に局限せられた販路よりないものであるから、私がただいま申し上げたような杞憂があるのであります。これに対して両当局は、川村委員がただいま申されたように、何とか金融の道を講じて、昔のような整備した細工場をつくり上げて行こうという考えを持つておられるかどうか、この点をお伺いしたいのであります。
  12. 山本豐

    山本(豐)政府委員 川村さん並びに松田さんからお話のありました点でありますが、御承知のように、網工業というものは、家内工業式な段階を経て今日に至つておるのであります。従つて、非常に優秀な工場もあるわけでありますけれども、小さい経営の工場が扱つているものが多いと思うのであります。しかしながら、輸出網をやつておりました会社等におきましては、相当な設備も持つておるのでありまして、完備した工場のみが能ではないのでありますけれども、そういうような事情もありますので――統制時代を通じまして、需給生産というふうな面でサービスのよい工場には注文がたくさん行くというような経験は、これは非常に意味があると思うのであります。自由になりますと――先ほど川村さんから指定工場をつくつたらどうかというお話が御意見として出ておつたのでありますが、私もこういうふうな式がとれればいかがかというふうな感じを持つているのであります。しかしながら、自由競争を前提として統制撤廃いたしますと、指定ということもまた別の面から考えなければならぬ問題が出て来ると思うのであります。従つて網工場の今後の推進につきましては、これは通産省が直接監督に当られますので、こちらで直接ああせい、こうせいというわけに参りませんが、しかしわれわれとしましては非常な関心を持つておりますので、通産省とよく連絡をとりまして、この細工場が漁民の注文に応じ得るよう、だんだんよくなるように仕向けて参りたい、そういう強い気持を持つているのであります。問題は、それではどういうふうな方法があるかということにかかつて来ると思うのでありますが、資金の融通を考えてやるということは、これは私どもといたしましても異論はないつもりであります。ただ問題は、見返り資金のようなところから持つて行く、あるいは市中銀行も金融をあつせんして行くというような点もあるだろうと思うのでありますが、これもひとつ通産省とよく相談をして参りたいと考えているわけであります。なお私は、統制撤廃になりますと、やはり官庁の方でとかく事情がわからないようなことになりまして、漁民の利便等が反映して参らないということにもなろうかと思いますので、これは私見でありまするが、できればいわゆる生産者の団体と、このメーカーの団体とぐらいの協議会と言いますか、そういうふうなものでも打立てまして、ときどきそういう会合によりまして、漁民の方の苦情もそういう方々からメーカーの方に申し出てもらう、またメーカーの方も、漁民に対して、いろいろと工場の都合もあろうかと思うのでありますが、そういう事情も話して、もちろんそこで通産省と水産庁でよくそれらの話を基礎にいたしまして、できるべき方策をひとつ強力に持つて参るというふうな方法がよくはないか、これは思いつきでありますが、そういうふうに考えているわけであります。まずわれわれは、統制撤廃になりますと、原料の手配がどうなろうか、先ほど川村委員からもお話がありましたように、大量につくつてストックを持つということは、私たちも当面非常に関心を持つておるのであります。先般も原料割当をやると言われたときに、われわれといたしましては、漁網はやはり心配だから、若干少し甘い目ぐらいに漁網用のストックを出してくれぬかということを、繊維局長にも話したくらいでありますから、そういうことはわれわれとしても関心を持つておりますがゆえに、今日までいろいろと愼重なる態度をとつて来たわけでありますが、今後におきましても、全体的な、かなり量的には満足すべき段階には達しつつあると思うのでありますが、それらの点につきましても、通産省とよく相談をいたしまして、不自由のないように持つて参りたいと考えているわけであります。
  13. 井之口政雄

    ○井之口委員 ただいま漁網に対する統制が撤廃せられた場合に起る結果の問題ついて、いろいろな危惧を抱かれている委員の発言がありました。これは自由党の政策として、当然自由経済を主張されるのでありまして、統制撤廃を主張されるのでありますが、しかしその結果どういう結果になるかと言えば、これは自由競争が行われて、弱肉強食が繁栄して参る。しかし漁網はちようど農業における肥料並びに農機具のごとき作用を漁業に対して持つのでありまして、自由競争がこの方面に行われて、弱肉強食が盛んになるということになれば、当然漁網製造業者が零細なる漁民に対して大きな権限を持つて来る。たとい自由競争になつて、一時は価格が下るようなことがあつても、この価格のつり上げということが当然起つて来るのはあたりまえであります。これはもう自由競争の弊害であつて、自由党の委員自身がこれをすでに感得しておられるところであります。但し今の漁網製造業者、メーカーの連中は、これはまだそう大きな独占産業にはなつておりませんが、いずれはこうした問題も独占的なものになつて係る。従つてたとい消費者たるところの漁民との間に協議会というものを開いたところで、結局は大きな漁網製造業者によつて支配されてしまつて、そうして価格のつり上げが起つて来ることはもう当然であります。政府は今までの統制経済と、これから今度の自由経済と二つの主人に仕えているわけでありますから、その間にいろいろな経験も政府は積んでいる。その利害得失というものについても、相当な経験を持つておられることと思うのであります。われわれが主張いたしまするのは、統制経済でもこれは官僚的な経済でだめだ。自由経済でも、今言うようにかえつて漁網のつり上げ、価格のつり上げが行われる結果にしか立ち至らない。どうしてもこれは今日は日本の全産業の大きな計画を立てた、今のような政府的な方向を克服しない以上はわれわれはだめだ、こう思うのであります。こういう方針を政府においてもひとつ考慮してみてはどうか、こう思うのであります。  次に戦争前には漁網の製造業者が相当ソビエト貿易において輸出していたと思うのであります。その時分の状態もこれは大きな経験になることであつて、もし今日全面講和が実現して、自由な貿易が現出するということにならはこれは当然ソ同盟との間の漁網の輸出というふうなことも復活するでありましようけれども、またそのためには原料のバーター制ということも考えられると思うのであります。原料も一方的に、たとえば米綿等にかりに依存するということになつていたならば、将来の日本の繊維工業全体の破滅にもなる場合が起るのでありまして、こういう点から考えても、漁民の生活も、またメーカーの生活も、直接将来大きな全面講和の問題につながつているとわれわれは思うのでありますが、政府としての見解はどうでありましようか、この点を御質問いたします。
  14. 佐橋滋

    佐橋説明員 川村委員の御質問とただいまの御質問に対してお答えをいたします。統制をはずしますと、先ほど川村委員から御質問がありましたように、何というか、魚網をつくつておくとかいうような点につきましては非常に便利になると思いますが、問題はそのために必要な資金の問題であります。この前の八万円から十四万円に上りまして、約六割何分の値段が上つておりますので、現在のところはこの増加運転資金をまかなうので手一ぱいでありまして、ストックを持たせる、そういうのが一番けつこうだと思いますが、そこまでに現在の資金面のめんどうが見切れておらないという状態でありますので、この点はひとつ有力なメーカーに対しましては、川村委員の御質問のような意に沿うようにやつてもらいたい、こういうように考えております。  ただいまの御質問でありますが、水産業者は弱小であつて、漁網業者の独占形態が、農業に対する肥料のような面で出て来るかどうかという御質問でありますが、御承知のように、漁網業者は元ほど水産庁の次長から御説明がありましたように、きわめて小規模の形でもできるものでありまして、現在の漁網業者の実態は、若干大きなのもありますが、大部分はきわめて小規模なものでありまして、これは肥料業が農民に対して持つような形にはなり得ないと私は考えております。これはもちろん弱肉強食というか、優秀な業者が優秀でない業者を食うということは当然起るかと思いますが、独占形態は何というか糸値自身がある程度の値段でありまして、それ以上の加工賃が大した設備もなくできるというような形になりますれば、これは独占で大きな利潤を得、高値で売るということになれば、当然簡単に競争相手ができ得る形だと思いますので、肥料のような形には私はなり得ないじやないかと、こういうように考えております。  それから輸出の問題でありますが、現在の設備の状況から行きましても、国内の年間二千万円あるいは二千四百万円の需要をまかなつてもなお十二分の輸出余力は持つておりますので、もしも海外からの引合いがあるとすれば、これに対しては十二分応じ得る、こういうようにわれわれは考えております。
  15. 川村善八郎

    川村委員 ただいま綿網に対する統制の撤廃につきまして、いろいろ私らが危惧しておりますところも申し述べまして、大体それに沿うように努力するということでありますので、どうか水産庁並びに通産省の綿業課におきましても、水産委員会の意見を十分取入れまして、今後われわれの危惧しますところの諸問題の解決に邁進して、そして漁網生産に支障のないように、漁網生産が十分できるような方向においてするならば、私は今度の統制撤廃には必ずしも不賛成するものではありません。むしろ一日も早く統制撤廃して、その実現を期した方がいいという考えでありますので、私は賛成するものであります。
  16. 小松勇次

    ○小松委員 漁網原料の多くは、私は海外から輸入されておると思うのでありますが、その原料の輸入に対する見込みは将来十分立つか、また輸入された原料の割当が漁業に対してはどのくらいのパーセンテージが割当てられるのか、そういう問題は打合せがついておるのか、はつきりときまつておるのか、現在はどれだけのパーセンテージになつておるか、将来はどれだけのパーセンテージを漁業に割当てるのか、こういうことによつて統制を撤廃することがよきかあしきかという水産の問題として大いに考えなければならぬことだとわれわれは思うのであります。まずこの点をお伺いしたい。  そしてまた伺いたいことは、今この統制を撤廃することが時期を得たものであるかどうかということについて、あなた方の忌彈のない御意見を承りたい。
  17. 佐橋滋

    佐橋説明員 今御質問のことでありますが、一番初めに現在の統制をはずし得る状況についての御説明を申し上げましたので、ダブるかと思いますが、現在の綿の状況は、現在ストックのありますのが七十万俵余、それからもう資金の割当をして買いつけておりますのが三十四万俵ばかりでありまして、大体本年の百六十七万俵という計画は、十二分に綿の面からも達成できる、こういう状況であります。と同時に、いま一つ現在までに値段が非常に上つておりますが、十四万円の糸で発券をいたしましたのに対しまして、現在までに買いに来ておる数量がわずかに二割弱の状況であります。切符はもらつても、先安の見通しでメーカーその他も買い控えしておる、こういう実情でありますので、統制をはずすとしましても、値段が上る心配も現在のところ考えられない、こういうふうに考えておりますので、今はずすのが時期ではないかというふうに考えております。
  18. 小松勇次

    ○小松委員 漁業に対する原料の割当はどういうことになるのですか。
  19. 佐橋滋

    佐橋説明員 漁業に対する割当は、御承知の通り毎期三箇月に一万ないし一万五千梱の間を動いております。これは前に月三万五千七百梱ずつ渡しておつたときのべースにおいても、あるいは五万梱のときにおいても大体その限度、必要の最少量は確保しておるわけでございます。それに対しても切符の発券を許しておるわけですが、この問題についても、今言いましたように、先の値段が下るというような見通しから買いに来ない実情にあるわけであります。
  20. 冨永格五郎

    冨永委員長 資材に関する質疑はこの程度で打切りたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認めますから、さようとりはからいます。     ―――――――――――――
  22. 冨永格五郎

    冨永委員長 次に本委員会に付託されました請願について審査いたします。まず審査の方法についてお諮りいたします。紹介議員がお見えになりました請願のみ紹介説明を願いまして、その他の請願につきましては、すでに配付されております文書表によつて御承知のことと思いますので、政府の御意見のみ承ることにいたしたいと思います。が、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。  日程第一、第八、第九、第一〇、第三二、第三四、第九五、第九六、第一一一を議題とし、紹介議員の説明を願います。田口長治郎君。
  24. 田口長治郎

    ○田口委員 鴨居獺漁港修築に関する請願を御説明いたします。鴨居瀬は長崎県と朝鮮との間にあります対馬の東海岸の中央に位しておるのでありまして、ここには各県の漁船がたくさん集りまして、さば漁業なりあるいはかじき漁業なりをしておるのでありますけれども、現在の漁港の状態におきましては、これら多数の漁船を収容することができないような実情にありますから、この際すみやかに同漁港防波堤と荷揚場を修築いたしまして、そうして長崎県の漁船ばかりでなしに、ほかの府県から参ります漁船も能率的に漁業されたい。こういう意味におきまして、鴨居獺漁港の修築をすみやかにやつでいただきたいという請願でございます。  文書表二三四号、湯江村漁港築設の請願、この湯江村は有明海の中央に位しておりまして、有明海の漁場の中心に最も近い港でございます。現在の船の繋船場ははなはだ不安全な状態でございますので、すみやかに湯江村漁港を修築いたし、そうして有明海の漁業の振興に資したいと考えておる次第でございます。  次に文書表二四七号、平漁港防波堤築設の請願でございます。これは長崎県の中部に位しておるいわゆる平戸島一円の群島の一つである平島ですが、これも長崎県としては漁場の中心地に位しております。現在ありますところの漁港は非常に狭隘でございまして、今日の同地方の漁業の趨勢から申しまして、集まつて来る漁船を全部収容することが不可能な状態にございますから、港を拡張する意味におきまして、防波堤を修築して、いろいろな不便な点を除きまして漁業の振興に資したいと考えておる次第でございます。  次に、請願第二四四号、樺島漁港防波堤築設の件でございます。これは長崎県のいわし漁業の中心でございますが、現在の状態におきましては、防波堤施設がありませんために、往々風波のために、港の中におる漁船をこわしてしまうというような実情でありますから、すみやかに防波堤を設定して漁港の性能を極度に発揮いたしたい。こういう意味におきまして、すみやかに防波堤の修築をはかつていただきたいのであります。  以上の請願事項は、いずれも、漁場の中心から考えましても、あるいは現在漁民が非常に不便な、いわゆる漁港能率が上らないというような点から考えましても、長崎県といたしましては、一日も早く修築いたしまして、そうして漁業の振興に資ししたい、こういうような意味の場所でございますから、どうか愼重に御考慮くださいまして、この請願が通過するようにおとりはからいを願いたいと考えるのでございます。
  25. 冨永格五郎

    冨永委員長 政府の御意見がありますれば承ります。
  26. 山本豐

    山本(豐)政府委員 漁港に関する請願は、その他多数出ておりますが、ただいま田口委員から御紹介のありました四つの漁港につきましては、それぞれ水産庁としましても、いろいろお話を承つておる点であります。御承知のように、これらの港は大体漁港指定漁港整備計画等には採択になつておるようであります。問題は、今後三箇年、あるいは五箇年におきます予算の額によりまして、順次緊要度の高いものから着手して参ると考えておるわけであります。せつかくそういう方向に向いまして努力いたしたいと思います。     ―――――――――――――
  27. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは小高熹郎君紹介請願審査いたします。  請願日程一八、一九、二〇、二一、二二、二三、三一、一一二を議題といたします。小高熹郎君
  28. 小高熹郎

    小高委員 一八、漁業経営費増大及び漁価低落防止対策に関する請願であります。これは青森県旋網漁業協同組会長秋山君ほか五名の請願であります。本請願の要旨は、最近における漁業経営費の増大と魚価の低落に対する防止策として、左の点を留意され、すみやかに対策を講ぜられたいというのである。(一)漁業用資材、燃油の価格引下げのための方法を講ずること、(二)資材保持のための研究施設並びに漁法改善の施設を設けること、(三)魚価維持のために保蔵設備の強化をはかること、(四)市場の強化と水揚げ代金の即時決済を可能にさせるような金融措置を講ずること、(五)給水等を含む輸送費の低減をはかるごと。  次の一九につきましては、同じく前者から出ておる請願でありまして、旋網漁業許可制度確立請願であります。本請願の要旨は、動力付及び無動力の各種揚繰網及び巾着網漁業等、いわゆる旋網等につき、左のように許可方針を確立されたいというのである。(一)十五トン以上の網船を使用する者に対しては、これをすべて農林大臣の許可とし、十五トン未満のものには都道府県知事の許可とする、(二)農林大臣の許可については、漁業調整上可能な範囲で大海区制をとる、(三)許可に当つてはその制限定数を定め、原則として現在各都道府県の保有する統数以上にはふやさないこと、(四)漁種または漁法の制限は原則としてふさないこと。  次に二〇、漁船船員法制定に関する請願であります。本請願の要旨は、漁船乘組員に関する法的措置は、現行制度上二元的な取扱いを受け、しかも水産行政のうちから全然無視されている現況にかんがみ、漁業民主化に伴う各般の措置とともに、早急に漁船船員法仮称を制定公布されたいというのであります。  次に二一、水産資源枯渇防止対策確立に関する請願、本請願の要旨は、現在の漁業不振と漁場の荒廃については、いたずらに漁民の反省にのみまつだけでなく、総合的見地から水産資源枯渇防止のために国費をもつて次の事項実施されたいというのであります。(一)水産資源に対する基本的な調査をただちに開始すること、(二)調査研究にあたつては、広く関係者に公表すること、(三)海洋調査にあたつては、各県の保有する大型の指導船を国一費をもつて活用すること、(四)漁船とつながりをもたせること、(五)魚族の繁殖保護と資源の維持のために、稚魚の実態調査と濫獲を防止すること。  次に二二、荒廃漁場復旧請願であります。本請願の要旨は、暴風雨害による漁場の荒廃、沈沒船、墜落機体、その他海底沈下物のために操業不能となつている漁場があるが、旋網漁業にとつては特に漁網の損耗が大きい漁場の狭隘化が叫ばれ、漁業用資材の値上りに苦しんでいるとき、これらの荒廃漁場をすみやかに復旧されたいというのであります。  次に二三、漁業金融合理化に関する請願、本請願の要旨は、漁業金融については、昨年漁業手形及びこれらにつらなる一連の制度が実施の運びとなつたが、これは何ら法的裏づけもなく、すこぶる不成績に終つている。ついては、漁業金融の統一的合理化を期するため、左の事項を施行されたいというのである。(一)漁業金融について独立の金融機関指定すること、(二)漁業手形制度の法制化をはかること、(三)漁業共済基金制度を法制化し、これをさらに漁業災害の補償制度にまで発展させること、(四)漁船建造その他設備資金については五年を下らない期間において、着業資金については既存のものについては一年、新規のものについては一年半から二年の期間において融資できるようにすること。  次に三一漁船に対する特殊保険制度改革に関する請願、本請願の要旨は、朝鮮の動乱に伴い、東経百三十度以西及び九州北西部地方の漁場で発生する漁船の損害に対して、昭和二十五年農林省令第百三十号で、漁船保険法施行規則の一部改正が行われ、特殊保険の名称で戦争その他変乱による漁船の損害を補う道が開かれた。しかし、これは暫定的措置にすぎず、重大な不備があるから、暴力による不法な漁船の拿捕、抑留についても損害を全額国庫負担で補償できるように特殊保険制度を改革されたいというのであります。  次は一一二、この請願は、千葉県安房郡千歳村白子佐久間竹松氏の請願になる、米軍用船による漁具被害に対する損害補償に関する請願であります。本請願の要旨は、千葉県安房郡千歳村在住の請願者は、君津郡金谷村漁業協同組合と賃借権の設定により、同組合享有による千葉県免許定第七十二号、定置漁業権を賃借し、昭和十九年から十箇年の契約の下に毎年事業を経営していたが、今期も昨年十二月以来、漁具の敷設準備をほとんど終り、網形を整い、近く投網の予定であつたところ、二月十五日、米軍用船と思われる大型船三千トン級の貨物船が移動して来て、マニラロープ、及びワイヤロープを切断して出航した。よつて、第三管区海上保安部横須賀警備救難署を経て、横須賀米海軍基地司令官あてに不明の船籍の調査並びに確認方を届け出たところ、確認証書が交付された。ついては、右漁具の損害総額二百六十三万三千三百円を補償されたというのであります。  以上をもつて説明を終ります。
  29. 冨永格五郎

    冨永委員長 政府の御意見があれば承ります。
  30. 山本豐

    山本(豐)政府委員 今お述べになりました各請願の趣旨に対しましては、大体異存はないと思うのであります。詳しくは文書でさしあげてございますが、ただ一つ漁船船員法制定に関する請願でございますが、これは御承知のように休会前の国会におきまして、海上保安庁の関係の船舶職員法、これの改正の際、もちろんこれはまだ十分ではありませんけれども、かなり水産庁としましては、水産庁で年来考えております意見を十分浸透させまして、保安庁の方でも採択になつて、一応これが実施になる見込みであります。当時問題になりましたのは、その船員を養成する予算の問題はどうするかということが、強く要望されたわけであります。従いまして将来の問題といたしましては、さしあたり先般改正となりました、その法律によりまして、大体この請願の趣旨は達し得るのじやないか、こういうように考えます。     ―――――――――――――
  31. 冨永格五郎

    冨永委員長 次に永田節紹介請願審査いたします。日程第二四、第二五、第二六、第二七を議題といたします。永田節君。
  32. 永田節

    永田委員 私の請願は四件ございます。請願の第四三六号、第四三七号、第四三八号、第四四〇号ですが、請願の要旨並びに目的は、この印刷に明暗であります。この通り間違いない。従いましてすみやかに政府は実行に移すように、本委員会で決議してもらいたい。
  33. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは政府の御意見があれば承ります。
  34. 山本豐

    山本(豐)政府委員 番号が私の帳簿ではまちまちになつておりましてはなはだ申訳ないのですが、一つは海区漁業調整委員会経費増額に関する請願、この点は前の国会で法律が通りまして、それに即応する予算を実は補正予算に出すべく組んだのであります。従つてこの休会明けの国会には補正予算のかかる機会がございませんが、次の補正予算の機会までに、ぜひこれも通すように持つて参りたい。極力そういう方向に努力いたすつもりであります。  それから四三七号の海区漁業調整委員会委員公職兼職に関する請願は、これは休会前の国会で改正した問題であると思います。  それから瀬戸内海漁政庁設置等に関する請願、これ御趣旨はわれわれとしましては異存ないのでありますけれども、ただ最近出先官庁の問題も、いろいろ論議されておりますので、請願の趣旨には異存ありませんが、なかなかこれはむずかしい問題であろうということだけを申し上げておきます。
  35. 永田節

    永田委員 四三八号は……。
  36. 山本豐

    山本(豐)政府委員 それはどういう請願でございますか。
  37. 永田節

  38. 山本豐

    山本(豐)政府委員 それは御趣旨けつこうでございます、
  39. 永田節

    永田委員 やるか。
  40. 山本豐

    山本(豐)政府委員 内容につきましては、いろいろ検討いたしております。
  41. 高橋泰彦

    ○高橋説明員 小型底びき網漁業の問題につきましては、昨年以来私どもの方で一応の試案をつくりまして、各方面の御意見を目下聞いておりますが、ことに五ポイント勧告で指摘されましたような減船という点を実現しようといたしますと、これには相当の予算的な裏づけが必要だと思います。従つてこの点につきましては、今関係当局と打合せ中でありますので、何とかして実現して参りたいというふうに考えて目下努力中でございます。     ―――――――――――――
  42. 冨永格五郎

    冨永委員長 次に川村善八郎紹介請願を議題といたします。
  43. 川村善八郎

    川村委員 私外冨永格五郎君の紹介漁船に対する特殊保険制度改革に関する請願、番号は第五〇八号であります。この漁船保険制度改革問題につきましては、すでに漁船保険法で改正されまして、実現に至つたのでありますから、内容は申し上げません。  次に請願第八〇八号、鹿部漁港拡張工事施行等請願であります。これも昭和二十六年度におきまして実施になりましたから、内容の御説明は申し上げません。  次に請願等二五八号、さけ、ます流網試験漁ろうに関する請願請願者は函館市東浜町四十一番地、函館延繩開発漁業協同組合長三崎誠一外十九名、紹介議員は冨永格五郎君、田中元君、私と五名になつております。この請願の趣旨は、北洋漁場喪失以後におけるさけ、ますの流網漁業は、昭和二十一年以降、根室地区、釧路地区に大別して、それぞれ最寄港を基点とし連年出漁しているが、本年函館延縄開発漁業協同組合の一部業者が有望魚田地帶を発見し、出漁の結果きわめて好漁を特続し、従つてさけ、ます魚群が学説の示す通り、適温五度から十度以内の水温に接して北上するものとすれば、該地域附近はきわめて有望なる魚田地帶と考えられる。ついては、昭和二十六年四月上旬より六月中旬に至る延べ日数大十五日間、恵山岬を基点とする南東百カイリないし百五十カイリ洋上、範囲五十カイリの地点において、道費をもつて北海道水産試験場をして、さけ、ますの試験漁撈を実施されたというのであります。  次に請願一一一二号、太櫓漁港築設の請願でありますが、請願者は北海道太櫓村長両坂清五郎君外二名、紹介議員は冨永格五郎君、田中元君、それに私の三名であります。  本請願の要旨は、北海道太櫓郡太櫓漁港は、昭和十年簡易の船揚場を築設したもので、戦後漁船の激増するに従つて、狭隘となり、冬期は風波はげしく、築港完備していないため、出漁に支障を来し、漁獲にも多大な影響を及ぼしている。昭和二十五年漁港法に基く第一種漁港指定され、奥尻魚田発開にとつて重要性を有する太櫓漁港施設完備は緊急を要するから、昭和二十六年度においてぜひとも漁港築設を実現されたという趣旨であります。  次に請願第一七九六号、魚かす等集買による損失補償に関する請願でありますが、請願者は札幌市北三條西七丁目北海道漁業協同組合連合会高野源藏君外十六名でありまして、紹介議員は冨永格五郎君、川村善八郎の両名でありまして、この請願はすでに実現を期せられるように存じますので、内容の説明は省略いたします。  以上は私外二名の紹介にかかりまする請願であります。
  44. 冨永格五郎

    冨永委員長 政府の御意見があれば承ります。
  45. 山本豐

    山本(豐)政府委員 特別に申し上げることはございませんが、一つ魚田開発の試験をしてくれろという請願が出ておつたようでありますが、これにつきましては、いわゆる試験の予算の関係もございますので、それらの点をにらみ合せまして、極力御趣旨に沿うように努力したいと考えます。     ―――――――――――――
  46. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは二階堂進紹介請願審査いたします。二階堂委員
  47. 二階堂進

    ○二階堂委員 本請願請願第八四一号の鹿児島県志布志町批榔島に蓄養場を設置してもらいたいという請願であります。鹿児島県はいわし漁業の最も盛んなところでありまして、従いまして、盛漁期には県内及び県外から、二、三百隻に上る漁船が集まるのであります。しかしこれに最も必要なるえさが非常に不足することは明らかであります。現在ここに集まるかつお漁業の必要なえさは、鹿児島湾内にその多くを求められていますが、ここに入つてえさを積み込むのには、十時間以上の時間を要するのであります。同時にまた燃料の点から申しましても、非常に不経済なことが多いのであります。現在ここに請願に上つておりまする志布志町の批柳島というのは、志布志港を離れること約一軍ぐらいのところにありまする島でありまするが、この島は非常に典型的なりつぱな港にもなり得るようなところがありまして、現在漁船の避難場所とし、また従来ここにえさを蓄養しておつたこともあつたのでありますが、ここにもしえさ場が設けられまするならば、単に鹿児島県の漁師のみならず、現在は静岡あるいはまた和歌山、千葉といつたような所から来ておりまする漁師のためにも、非常に有利になるわけでありまして、私どもはここにぜひとも蓄養場を国費をもつて設けてもらいたいという請願を一昨年来出しておるのでありますが、いまだにその実現の運びに至らないことは、まことに遺憾にたえないのであります。私どもはぜひともここに国庫の補助をもつて蓄養場を設けていただきたいという請願を強く政府当局にもいたしたいのでありまして、予算措置等のことにつきましても、再三私は同僚の小高委員並びに石原委員の方からもお願いをしてもらつておるわけでありまするが、政府としましても、その必要性は現在認めておるというようなことをたびたび承るのでありまするが、予算措置につきましては、なかなかいろいろな問題で難点があることが指摘されておるのでありますけれども、この請願をぜひともひとつ実現させていただくように、強くお願いを申し上げる次第であります。
  48. 小高熹郎

    小高委員 ただいま二階堂委員から御意見のありました、鹿児島県のかつお餌料蓄養場につきましては、私もまことに同感でありますので、政府においてすみやかに予算措置を講ぜられて、これが実現を期されるよう希望いたしておきます。
  49. 冨永格五郎

    冨永委員長 政府の御意見を承ります。
  50. 山本豐

    山本(豐)政府委員 この問題につきまして、私もたびたび直接二階堂委員からも強くお話を承つておるのであります。何とかひとついい方法はないかというわけで、いろいろとやつておるわけでございまするが、御承知のように、漁港施設として考えるという建前になりますと、漁港としての指定ということが前提になるわけであります。ところが、この指定ができないような事情にありますると、この蓄養場だけの意味においての指定は困難かと思うのであります。しかし私どももこの蓄養場という問題は非常に大切であろうと思うのであります。ことに今後の問題といたしまして、沿岸の増殖等々と相並んで水産庁としては十分取上げるべき問題であるというふうに考えられまするので、補正予算その他の予算の機会に、新しくこういう問題は取上げてみたい。実はそういうふうな希望を持つておるわけであります。請願の願意につきましては、御趣旨は賛成でありまするので、その趣旨に沿いますように、できるだけ努力したいというように考えております。     ―――――――――――――
  51. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは次に林好次紹介請願審査をいたします。林好次君。
  52. 林好次

    ○林(好)委員 請願文書表番号第一七八号、北海道漁船保険組合設立反対請願であります。請願者は札幌市北五條西三TH北海道機船底びき網漁業漁船保険組合長理事渡辺昭平君外八名、紹介議員は不肖私であります。  本請願の要旨は、北海道水産部は、既設の漁船保険組合に対して、事前に何の予告なしに統合をもくろみ、一言半句の説明を示さないで、本年十一月十五日の組合長会議で、突如として北海道漁船保険組合(仮称)の設立を提案し、昭和二十六年度から実施する意向を朗らかにしたが、北海道の各漁船保険組合品は、今日まで十四年間、内地組合とは異なつた組織の下に置かれ、今日成績は芳ばしくないにしても、単に併合だけで立直るとは思われない。ついては、北海道漁船保険組合の設立、統合には反対であるから、適当に解散されたいというのであります。
  53. 冨永格五郎

    冨永委員長 政府の御意見を承ります。
  54. 山本豐

    山本(豐)政府委員 ただいまの請願の中にもございましたように北海道漁船保険が多少遅れておるというふうな趣旨から、道の水産部としましては、そういうふうな扱いに出たであろうと思うのでありますが、請願の御趣旨によりますると、やや高圧的に、よく納得行かずに出たようなふうにとれるのでありますが、それらの事情もよく調査いたしませんと、いずれとも結論は言えないのでありまするが、よくその請願の趣旨によりまして、事情がはたしてそういうふうであるのかどうか、その上で適当に処置いたしたいと考えております。     ―――――――――――――
  55. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは水野彦治郎紹介請願審査いたします。水野彦治郎君。
  56. 水野彦治郎

    水野委員 本請願は静岡県志太郡小川村長中野三郎外一名の請願にかかります第九七四号、小川漁港拡張工事費国庫補助請願でございます。  本請願の要旨は、小川港は駿河湾の湾底に位置する河口港であつて、焼津港に隣接する静岡県屈指の遠洋漁業基地であるが、最近人口の増加と船数並びに船型の増大に伴い泊地の狹隘を来し、艦舶の安全と生産の増進に重大な支障を生じている。ついては、泊地に接続している元養鰻池を浚渫し、本漁港の拡張工事を実施するため、これが経費の一部を国庫補助されたいというのであります。これができましたあかつきにおきましては、焼津港にまさる漁港となることは必然でございますから、どうぞ御採択あらんことをお願いいたします。
  57. 冨永格五郎

    冨永委員長 政府の御意見があれば承ります。――意見はございませんか。     ―――――――――――――
  58. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは 川端佳夫紹介請願審査いたします。
  59. 川端佳夫

    川端委員 ただいま議題になりました私の紹介にかかりまする海区漁業調整委員会経費増額に関する請願、これにつきましては、先ほど同主旨の請願が出ておりますので、永田委員の場合に大体考慮するというお話がございましたが、大体具体的にどういう計画があるか、この点を承つておきたいと思うのであります。  それから小型底びきの整備の転業資金交付に関する請願、これも永用節君と同主旨のものでございますが、この点についても、大体瀬戸内海では十五馬力を限度として考えられるのかどうかという点を、一点参考に承つておきたいと思うのであります。  それからもう一つは、漁船保険に関する請願でありまするが、これは要するに、きまりましたからはずします。この前段の二つの請願についてポイントを承つて委員会においでは何とぞ愼重御審議の上、御採択あらんことを切望いたします。
  60. 冨永格五郎

    冨永委員長 政府の御意見があれば、承ります。高橋課長。
  61. 高橋泰彦

    ○高橋説明員 本漁業調整委員会経費増額の件につきましては、これは委員の旅費、日当その他の経費が他の委員会に比較いたしまして少いということで、その増額について、補正予算その他については関係当局と打合せて、実現に持つて参りたい、かように存じております。  それから小型底びき網漁業件、特に瀬戸内海においては十五馬力でやるのがあるが、そういうような方針で進んでおるかということについて申しますと、ただいま私どもで御審議願つておりまする原案といたしましては、瀬戸内海では十馬力以下ということで御審議願つておりますが、これが調整委員会その他の御意見では相当異論があるように聞いておりますが、この馬力を何馬力にするかという点につきましては、まだはつきりした結論は出ておりません。その点は愼重にこれから審議して参りたいというふうに考えております。
  62. 川端佳夫

    川端委員 ただいまのお話を伺つて安心をいたしたのでありますが、十五馬力というのは、水産庁でそういう意向があつたようであつたので、今なおそういうことを考えているのであろうかどうかということをためしてみたのでありまするが、十馬力以下でなければ瀬戸内海では困りますから、その点とくとお含みおきを願いたいと思うのであります。     ―――――――――――――
  63. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは井之口政雄紹介請願審査いたします。
  64. 井之口政雄

    ○井之口委員 私の請願は、私とそれから立花敏男代議士、二人の紹介で出している次第でありまして、請願者は播磨海区漁業調整委員の方々から出ております。内容は、小型機船の整備に伴う転業資金交付についての請願と、海区漁業調整委員会費増額に関する請願と二つになつております。これはもう請願をするほどのむのでもなく、ほとんど実行されていなければならない性質のものであるにかかわらず、自由党の内閣が軍事費その他の部面に支出が多くて、こういうところに手がまわりかねているのだろうと思う。しかし今自由党の委員の方で永田さんや川端さんから同じような請願が出ていることを見ましても、欣快にたえない次第であります。自由党にもこういう漁民のためを思つている方がいると感心している次第であります。ぜひひとつこれを通過させて、国民の安堵が行くようにいたしたいと思います。  なお海区漁業調整委員会費増額につきましては、すでに追加予算の点もあるそうでありますが、それが十分に機能が果されるくらいの額にならぬと、帶に短かしたすきに長しで、実際上運用する場合に何の役にも立たないという危険がありまするから、十分その点も考慮して、たんまりこれが出るようにおとりはからい願いたいと思います。
  65. 山本豐

    山本(豐)政府委員 大体先ほど高橋課長から申し上げた通りであります。     ―――――――――――――
  66. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは山崎岩男紹介請願審査いたします。山崎議員。
  67. 山崎岩男

    山崎岩男君 大畑漁港浚渫工事施行請願でございまして、大畑町長からの請願であります。その要旨を御説明申し上げておきまするが、青森県下北郡大畑漁港は、本州最北端下北半島にあつて、年額二億円以上の海産資源を産する重要漁港でございます。昨年九月の台風により、大畑川流域の土砂流出し、土砂堆積のため河口は浅くなり、地元船舶の出入は困難をきわめ、日夜遭難、破船の危険にさらされている実情にあります。ついては、昭和二十六年度において同漁港の浚渫工事を施行されたいというのが本請願の趣旨でございます。また河口を浚渫していただかなければ、流出して参りましたところの土砂に乗り上げまして船がいたむのでありまして、本年においても、もう十ばいくらいの船がいたんでいるような状態であります。何とぞ請願の趣旨をお聞き取りのほどを願います。
  68. 冨永格五郎

    冨永委員長 山崎議員にお諮り申し上げます。御請願の議題は全部一括してお述べを願いたいと思います。
  69. 山崎岩男

    山崎岩男君 次に青森県下北郡大間町長からの請願でありますが、奥戸漁港に船だまり工事施行請願であります。本請願の要旨は、青森県下北郡奥戸町は、戸数三百九十一戸、人口二千六百三十三人で、町の八割が漁業収入で生計を維持しているが、近年人口の増大に反し、漁獲物の生産が減退し、従来の無動力舟による根付漁業を、浮遊魚漁獲の方向に転ずる傾向があり、小型発動機船の造船が増加している。しかしながら、奥戸港には船だまり設備がないため、相当トン数の漁船が造船されないという事情もあるから、すみやかに同港に船だまり工事を施行されたいというが本請願の趣旨であります。  次は下北郡佐井村長からの請願でありますが、青森県下北郡佐井港は、昭和十四年船だまりとして竣工したが、その後しばしばの災害でその機能を喪失し、昭和二十三年五月県費支弁港に指定された。しかしながら財源の関係で着工の見通しは不明であり、地元漁民はこのため漁船の建船もできず、漁業不振となり、生活は窮乏の極に陥つている。ついては同漁港の災害復旧に対し国庫をもつて補助されたいというのが請願の趣旨であります。何とぞ御審議くださいまして、地元民の請願の趣旨を御達成くださいますようにお願い申し上げる次第であります。
  70. 冨永格五郎

    冨永委員長 政府に御意見があれば承ります。
  71. 山本豐

    山本(豐)政府委員 漁港につきましては、先ほど来各県からの請願が出ておりますと同じようなことをお答えするわけでありますが、今お述べになりました中でも大畑は非常に差迫つておる問題であると思います。特に継続事業として着手しておるようでありますので、おそらく続いて予算の範囲内でやれると思いますが、あとの二つの問題につきましても、できるだけ御趣旨に沿うように今後努力したいと思います。     ―――――――――――――
  72. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは鈴木善幸紹介請願審査いたします。鈴木委員
  73. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 崎浜部落漁港築設の請願請願者は岩手県気仙郡越喜来村長熊谷留之助外三名であります。本請願の要旨は、岩手県気仙郡越喜来村崎浜部落は、その地崎に漁場「小壁」をはじめとし、多数の定置漁場を有し、県南における沿岸漁業の中心地でありながら、漁港施設がないため、生産の増強及び経費の節減に不利不便を来している。ついては、崎浜部落漁港を築設されたいというのであります。  次に高家漁港修築工事促進請願請願者は岩手県九戸郡中野村長南福松君であります。本請願の要旨は、岩手県九戸郡中野村待浜村の中央に位する高家港は、天然の小湾であり、その修築は多年沿岸漁民の渇望するところであるが、その工費は巨額に上るため、いまだに着手に至らず、従つて、幾百の漁民は他地方の漁船に資源の濫獲をほしいままにされている実情である。ついては本村漁業振興のため、すみやかに同港の修築工事を実施されたいというのであります。  次に岩手県下の漁港及び船だまり施設拡充に関する請願請願者は釜石市海岸通り岩手県水産懇談会議長藤澤清助君であります。本請願の要旨は、水産業振興発達は、漁港船だまりの整備拡充にまつことが大であるが、岩手県におけるこれら施設の現状は原始的域にあつて、完備しているものが一港もないため、水産業の発展を期することができず、本県産業開発に重大な支障を来している。ついては予算を計上して本県漁港船だまりを整備拡充されたというのであります。  次は水産金融対策に関す請願請願者は岩手県水産懇談会議長藤澤清助君。本請願の要旨は、水産金融対策の樹立は、業界多年にわたる熱望であり、現下の金融事情は水産業の実態に適応しないために、水産業の発達を十分ならしめていない。ついては現下水産業の重要性にかんがみて長期資金の貸出しを可能ならしめるようすみやかに適切な処置を講ぜられたいというのであります。  次は漁業用資材に対する補給金制度復活に関する請願請願者全国漁業協同組合連合会会長横田象三郎君。本請願の要旨は、打続く漁業用資材の値上りにより魚価との、いわゆる鋏状価格差はますます激化し、漁業なかんずく沿岸漁業は崩壊の危機に直面し、三百万沿岸漁民は生死の問題に直面している。この沿岸漁民の危機を打開するには、経営の合理化漁民の自走的対策も必要ではあるが、今日漁民の自主的対策のみでは到底不可能であり、資材価格の高騰を抑制する財務的措置要望されている。ついては、漁業用資材に対する補給金制度を復活されたいというのであります。  次は機船底びき網漁業整理促進並びに取締強化に関する請願請願者岩手県水産懇談会議長藤澤清助君。本請願の要旨は、水産資材の枯渇を防止し、魚族の繁殖をはかることは水産界当面の緊急施策であるが、現行機船底びき網漁業の許可隻数は、その操業海域と魚族資源に比してはなはだしく多数のため、漁業経営に無理があり、従つて沿岸近海の魚族は、著しく減少し、このままに放置すれば近海の定着性魚族は壊滅に瀕することは明らかである。ついては、機船底びき網漁業を整理するとともに、違反船の絶滅を期するよう取締を徹底的に強化されたいというのであります。  次に漁業制度改革各種委員会等経費国庫負担金額の請願請願者岩手県議会議長村上順平君。本請願の要旨は、岩手県の昭和二十六年度漁業制度改革に関する各種委員会等の経費に充当すべき交付金は七百八万五百円であり、経費不足のため委員会の活動を中止せざるを得ないような状態に立ち至つており、従つて県費百三十六万円を追加支出したが、本来かかる経費は法の定めるところにより全額国庫負担たるべきことは明らかであり、他面水産業協同組合の育成強化も漁業調整と併行して、新漁業制度の一環をなすものであるから、この際これらに要する経費国庫負担金の増額並びに助成費の設定を実現されたいというのであります。  次に集魚燈漁業の制限に関する請願請願者岩手県水産懇談会議長藤沢清助君。本請願の要旨は、集魚燈漁業の発達は、漁獲成績の向上という点においで大いに見るべきものがあるが、反面魚族の繁殖と沿岸漁業の立場に立つてみる場合、この種漁業の過度の発達は魚の習性をかえるばかりでなく濫獲に陥るおそれも少なくない。ついては集魚燈漁業の制限措置をすみやかに講ぜられたいというのであります。  次に北上川魚てい改善に関する請願請願者岩手県知事国分謙吉君。本請願の要旨は、昭和六年、石巻市を中心とする一帶の治水と、灌漑を目的とする堰堤及び可動堤が設置されて以来、北上川上流のいたるところで漁獲される河川魚族が急速に減少した。この現象は堰堤の魚梯が不完全なためであつて、魚族の遡河を阻止し、自然繁殖を阻止する結果となつた。とくに宮城県柳津、飯野川両町にある脇谷閘門と鴇波洗せきは、その排水口が魚梯の真下にあつて、水勢激しいため、魚族が近寄れない状況にある、ついては、新漁法の精神にもとずいて、内水面漁業増殖のため、これら魚梯を改善されたいというのであります。  次に漁業経営費報大及び魚価低落の防止対策に関する請願請願者釜石市海岸通り岩手県水産懇談会議長藤沢清助、紹介議員鈴木善幸君、本請願の要旨は、第三百七十四号に同じでございますので、省略いたします。  次に水産用石油増配に関する請願請願者釜石市海岸通り岩手県水産懇談会議長藤沢清助、本請願の要旨は、水産用石油は実需要量に対し、その供給量が少ないため、近年発展途上にある漁業生産を停とんせしめるおそれが多分にあります。ついては、同石油を増配するよう積極的方途を講ぜられたいというのであります。  次に輸出水産物産業奨励助成請願請願者釜石市海岸通り岩手県水産懇談会議長藤沢清助、本請願の要旨は、近年水産業の急速なる復興発達とともに輸出向け水産物も逐年増産され、現下の国内市場の需給関係よりみても相当量の海外輸出を可能ならしめており、水産業の健全なる発達と外貨獲得の両面において著しい成果を挙げつつあります。ついては、輸出水産物産業に対して、すみやかに適切なる奨励助成の方途を講ぜられたいというのであります。  次に荒廃漁場復旧請願請願者釜石市海岸通り岩手県水産懇談会議長藤沢清助、本請願の要旨は、岩手県宮古湾は昭和二十三年の洪水による被害流失物の沈下はなはだしく、湾内漁業ことにいわし旋網地びき網漁業に重大なる障害となつている現状であり、漁業生産上に大なる影響を及ぼしています。ついては、同湾の障害物を国費をもつて除去されたいというのであります。
  74. 冨永格五郎

    冨永委員長 政府の御説明を願います。
  75. 山本豐

    山本(豐)政府委員 非常に多岐にわたつておりまするが、大体においてはすべて漁民の立場からのもつともな要望に盡きておると思うのであります。具体的には文書をもつてお答えいたしたいと考えるのでありますが、ただ一つ資材に対する補給金の問題でございますが、これは私どもといたしましても、いろいろ研究はいたしておるのでありますが、目下の情勢からいたしまして、なかなか困難な事情であります。そこでむしろ別の線からこういうような結論を得るように努力いたしたいと考えておる第であります。     ―――――――――――――
  76. 冨永格五郎

    冨永委員長 ただいま、漁港法第十七條第二項の規定により、漁港整備計画について承認を求めるの件が付託になりましたので、午後引続き委員会を開きまして、本件を審査いたしたいと思いますが、この場合政府より提案理由の説明を願います。
  77. 山本豐

    山本(豐)政府委員 この前長官から、漁港整備計画の提案につきましての大体の骨子を申述べたのでありまして、それ以上特につけ加えることはないのでありますが、実は国会の会期もあと非常に近くなつておりますので、どうか愼重に御審議願いまして、すみやかにこれが可決になりますようにお願いいたしたいと思うのであります。
  78. 永田節

    永田委員 議事進行について。ただいま提案になつております漁港法第十七條第二項の規定により、漁港整備計画について承認を求めるの件でありますが、この問題は、漁港法第十七條第一項、第二項を参照いたしまして、閣議決定に至りましたその過程について若干不審の点をわれわれは見るのであります。従いまして本日はこの審議を延期していただきたいと思います。
  79. 井之口政雄

    ○井之口委員 この書類は農林省から提出したものでありますか。しかるに農林省と書いて消してある。またこのうしろを見ると、中野商会印刷部でこれが出されている。これはおかしな話である。これはひとつ責任のあるところを明らかにしておいていただきたい。
  80. 冨永格五郎

    冨永委員長 永田委員、井之口委員の申出につきましては、午後続行のときに伺うことにしまして、この場合暫時休憩いたします。     午後零時三十七分休憩      ――――◇―――――     午後二時九分開議
  81. 冨永格五郎

    冨永委員長 午前に引続き会議を開きます。  この際閉会中審査の件についてお諮りいたします。近く会期も終了になりますので、本委員会といたしましては、閉会中適時委員会を開いて、国政に関する調査を進めて参りたいと思いますが、委員会が閉会中に審査をいたしますためには、国会法第四十七條第二項によりまして、審査をしようとする事件について、特に議院の議決に基いて付託されなければなりません。従いましてこの機会に、漁業制度に関する件、漁業金融安定に関する件、水産行政の充実に関する件、水産金融に関する件、水産資源に関する件について、閉会中審査の申出を議長に提出いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認めまして、さようとりはからいます。  次にお諮りいたします。議院の議決によつて閉会中の審査事項が本委員会に付託されましたならば、漁業制度に関する小委員会、漁業経営安定に関する小委員会、水産行政の充実に関する小委員会水産金融に関する小委員会、水産資源に関する小委員会、沿岸漁業の基本的復興対策に関する小委員会の各小委員会を、閉会中もなお継続して開会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお委員派遣についてお諮りいたします。ただいま議長に申し出ることにいたしました閉会中の審査事項が、院議によりまして本委員会に付託されましたならば、調査の方法の一つといたしまして、現地について実情を調査する必要が起つて来ると思いますが、委員を派遣するにには議長承認を必要とするのであります。つきましては、委員派遣の承認要求をいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認めます。なおその手続、派遣委員の選定、日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  85. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。     ―――――――――――――
  86. 冨永格五郎

    冨永委員長 次に本委員会に付託されました請願につきまして、その採択不採択の決定をいたします。請願日程第一ないし第二四、第二六ないし第八七、第八九ないし第一二三の各請願は、採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  87. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認めて、さよう決定いたします。  なおただいま採択いたしました各請願の報告書の作成等に関しましては、委員長に御一任願います。     ―――――――――――――
  88. 冨永格五郎

    冨永委員長 次に陳情書審査に入るのでありますが、本委員会に送付されました陳情書は、全部で大十五件ありますが、これは午前中に審査いたしました請願と同趣旨でありますので、これを委員会において了承いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。L
  90. 冨永格五郎

    冨永委員長 次に漁港法第十七條第二項の規定により、漁港整備計画について承認を求めるの件を議題といたします。質疑を許します。松田委員
  91. 松田鐵藏

    ○松田委員 午前中、この整備計画に対して永田委員からの発言によりまして、内容に対しては相当考えなければならない問題があるという議論が出たのでありまして、私今休憩中にどのようなことでそうした発言をされたかということをよく承つたのであります。ところが漁港法第十七條第二項の規定による漁港整備計画について承認を求める問題に対しては、何や異存はないものであり、これは賛成するものであると、かように申しておるのでありまするが、そのうちにたまたま問題となつたことは、本年度着手される予算の面に対して意見が出ておつたのであります。要するに漁港の予算というものは、われわれが議会においてこれを可決したものであつて、その予算の範囲内において、当局が正しい方法によつて事務的に処理するということに対して、行政面から行きましてわれわれはとやかく申し上げることのでき得ないものであり、また権威ある行政官としてこれを施行するものに対して、私どもは心から信頼をしておるものであります。ところが水産委員会に対して、各県、各町村から、漁港、船だまりに対してのいろいろな陳情があり、促進方を陳情されておるのであります。こうした問題は、水産委員会といたしまして、自己の委員会の使命に基いて各地を調査研究し、そしてその地方々々の特異性、政治性、あらゆる面から勘案いたしまして、その地方における新規、継続などというものに対しても、政策の点から行きまして強力に当局に対して進言をし、またでき得るだけの協力をして参つたものであります。この点は水産庁といたしましても、私のただいま申し上げている言葉に対しては、決していなやは申されないことだと存ずるものであります。しかして国会内における各委員は、その所属委員会において、各政党のイデオロギー及び政策、かような面からいたしまして、でき得るだけ地方民の実情を参酌して、その地方々々の発展、国の政策というものを樹立することに努力をしており、しかして各委員は、自分の委員会以外の問題に対しては、当該委員会委員に対して協力を求め、また陳情をして、国の政策施行等に対する強力なる協力を求めて来ておるのが、今日の議きのあり方であるのでありまして、これは各委員において十分に検討し、こうした事柄に対する当水産委員会の申出に対して、水産庁は十分に検討してやつて行かなければならないものと私どもは考えておるのであります。ところがたまたま兵庫県の問題になりまして、炬ノ口の漁港修築に対して、地方の輿論として、また希望として、本年度の予算の裏づけを願うべく、われわれにも陳情され、当局に対しても十分にその意を具申したものであつて、前長官である家坂長官は、快くこれを引受けて、水産委員会の意思を尊重すると言明されたのでありましたが、今日予算の裏づけの確定したときにおいて、この炬ノロ漁港というものが脱落しておるのであります。予算がついていないのでありまして、この点に対して私ども委員は、その地方の要望その他当時の状況、また家坂長官自身の言質等に対して、その食い違いの点が今日見出されたのでありますが、どういう理由によつて、どういうお考えをもつて、当局はかような実態になつたかということを、詳細に承つてみたいと存ずるものであります。この点をでき得るだけ詳しく御説明願いたいと思います。
  92. 林眞治

    ○林説明員 御説明申し上げたいと思います。ただいま松田委員からお話のありましたように、水産業のためと申しますか、漁港政策のために第一に問題となりますのは、予算の問題であります。その問題につきましては、私どもも及ばずながら十分努力はして参つたのでありますが、ことに水産常任委員会といたしまして、いろいろ御盡力をいただきました結果、たとえば公共事業費の総額におきまして、さしたる増額もないにもかかわらず、漁港の修築の面におきましては、相当昨年度に比しまして、増率を見ておるような次第であります。この点につきましては、深く感謝を申し上げておる次第であります。従いまして、先ほどお話のございました水産常任委員会の御意思と申しますか、御要望と申しますか、そういうものに対して、私どももできる限り御協力を申し上げてやりたいということで、従来及ばずながらやつて来たつもりでございます。この点はお認めをいただけるのではないかとひそかに考えておるわけであります。ただ予算の問題につきましては、具体的な問題につきましては、いろいろな條件がその他にもあるように、考えるわけであります。ただいまお話の出ました兵庫県の問題につきまして、たまたまこういうふうなことが問題に持ち上つたという結果に相なつておるわけであります。この問題につきましては、整備計画といたしましては、もちろんこれは取上げてございます。それから整備計画をわれわれがつくりました場合に、この前の委員会でもちよつと御説明申し上げたわけでありますが、日本全体の漁港修築の姿をよくしようという観点から考えまして、従来のことを申しますと、たとえば府県別の事業量の関係にいたしましても、必ずしも均衡のとれたものではなかつたといううらみをなきにしもあらずであつた。そこでこの府県ごとにおきまする諸般の情勢を勘案いたしまして、今後修築を行うべき事業量等につきましても、急には間に合いませんにしても、漸次軌道に乗せるようにして参りたい。そういう点から申し上げますと、兵庫県といたしましては、われわれが考えました整備計画の観点からいたしまして、従来着手されております港が比較的多いわけでございます。整備計画におきましては、大体計数的に出ましたのは十二港ということに相なつておりますが、現在までにすでに工事中のものが五港ございます。これは他の府県の例から見ますと、比較的高率になつておるわけであります。そこで新規事業といたしましては、先ほど申し上げました全国的な面から考えて、あまり一度に兵庫県に持つて行くということは、われわれとしては是正をしたい、こういうふうに考えたわけであります。  それからなお具体的に申し上げまするならば、兵庫県におきまする候補地は、二十六年度要望といたしましては、非常にたくさん出て参つておるわけなんであります。御承知のように、二十六年度の予算の起りは、実は整備計画を考える以前に予算の作業には着手しておつたわけであります。その要望は、必ずしも要望のみをもつて決定するというわけではございませんが、これは従来の漁港整備計画を樹立いたします前の関係でありますので、大体従来のやり方でやつて来たわけであります。従つて県費を負担いたしまする関係、あるいは地元負担等に対する県の指導関係、あるいは工事施行に対する県の施行の関係等もございますので、従来の方針によりまして、県の意向を重んじて大体いたしたいということになつております。そこで最終的に県の方と打合せをいたしました結果、先ほど申し上げました数の問題等を勘案いたしまして、少し兵庫県といたしましては多いかもしれませんが、急に是正するということもできないので、二港を採用するということにしたわけでございます。その結果ただいままでのところは、問題の炬ノロにつきましては、一応今年度から本工事として着手することは困難ではないかというふうに考えておりますが、決して国会の御意思に反してこれをやつたということではないのであります。なおこの点につきましては、先ほど午前中にもいろいろお話を承りましたので、さらに県の当局を至急上京いたさせまして、打合をいたしたい、こういうふうに考えております。月曜日にでもさつそく出て来ていただきまして、種々協議いたしましたところで最終的にきめて参りたい、こういうふうに考えております。
  93. 松田鐵藏

    ○松田委員 もちろん小さな問題まで事務引継ぎをするものではなく、長官の交替によつて、長官はこういう問題は知らなかつたことだろうと思いますが、実は田淵議員、私、塩田代議士、永田代議士、この四人でもつて、この炬ノロの問題を水産庁前長官と話し合つたのであります一課長はなかなか容易なことではないから、できるだけの善処をするというお話で、このときは努力をするということであつたのでありますが、一も二もなく上司の指図が一番重要であるということを、われわれにもその当時申されておつたのであります。前長官は、当時十何人かの陳情団も参つておりまして、よく了承したという言葉をもつてわれわれに接せられたのであります。必ずやりますという言葉は使いませんでした。しかしよく了承したという言葉を使われておつたのであります。私どもは水産庁の大官、農林省の大官である水産庁長官が、地方の陳情及び四代議士がその必要なることを力説して、この炬ノロの漁港に対する本年度の予算の裏づけを陳情したときにおいて、よく了承したという言葉は、われわれは決定してやるという言葉に受取つたのであります。今は長官の職を解かれて去られておりまして、新しく藤田長官が今その職につかれておるのでありますが、よく了承したという言葉は、承知したという言葉に私どもは考えるのであります。日本人の言葉は使い方によつて左右どのようにでも解釈できることもあるのでありますが、水産庁の長官として、了承したという言葉はどのようにお考えなさるか。そのお考え方の披瀝を願いたいと存ずるのであります。
  94. 藤田巖

    ○藤田政府委員 言葉の表現はその人その人の特徴がありますし、実際に私が申しましたことならどういう意味だということは言えますが、人の言葉について申し上げるのはどうかと思います。その言葉だけでは何とも御答弁できないと思います。
  95. 松田鐵藏

    ○松田委員 人の言葉というけれども、日本の政府の大官である責任のある長官の言葉は、そう違うものではないと私どもは考えておるのでありまして、藤田長官が、その人がいないからその意思がわからないと言うことは遺憾にたえないものでありますが、まず言葉じりをつかまえてさようなことを申すことは別として、兵庫県の炬之口の漁港の問題は、もはや政治問題化しておるものであります。私ども四代議士が、水産庁に対してそのときの実情を話したところが、先ほど申したように、前水産庁長官はこれを了承したということで、われわれの陳情に対してはつきり答えられたこととわれわれは考えておつたのであります。しかして今日この予算の裏づけがないという。その他生穂、鎧という二つの漁港がある。これも某代議士の陳情によつてこれが人つたものでありますが、これを入れるとか入れないとかいうことになると、非常に大きな政治問題化するのでありまして、水産庁当局も、また委員会においても、予算の獲得に対してせつかく努力しておるものが、かようなことで政治問題化するということは、私どもとしてもまことに不愉快千万なものであります。また話に聞けば、県当局の相当な謀略もあつたということを聞かされているのであります。さようなことがあつたかないかは存じませんが、そうしたことがかりにあつたとしたならば、この問題は軽々に決定される問題ではないと私は考えるのであります。ゆえに兵庫県の二つの新規の問題は、県からどなたか責任ある者が来て、この内容がはつきりするまでの間、これを保留することを私は水産庁当局に対して希望するものでありまして、各委員においても私の意見に対して賛成を願いたいと存ずるのであります。
  96. 川村善八郎

    川村委員 本日上程になりました漁港整備計画について、国会の承認の問題でありますが、この整備計画承認がない限りは予算の裏づけもできないということであるので、この案に対してはおそらく賛成しない人はないと思います。ただ問題は、今年の予算の裏づけの門出、またこれから漏れたものをどうするかという問題等があると思います。従つて水産庁におきましては、この整備計画に載つております四百五十港のうち、二十六年度に予算をつけることのできないというものに対しましては、最善の努力を払つて、本年から何らかの形において着工できるようにした方がいいじやないか。たとえて申し上げると、北海道でも七十七港ほど整備計画に載つて、いずれも本年度から着工してくれという陳情請願があるのであります。しかしながら予算の関係上、あるいは北海道漁港修築の施設の関係上、あるいは技術官の関係等で、一度に七十七港という修築ができないことははつきりしております。ただその中で何港から着工できるのでありますけれども、やはり国の予算の裏づけがないということから、道費をもつて本年委から着工するという来もあるのであります。従つて県当局と水産庁とよく協議をして、本年度の国費から漏れたものに対しては、一応県費で二十六年度から着工するという方針もとられるはずであります。またこの第一次整備計画から漏れておるものについては、第二次の整備計画を立てなければならぬということも、われわれは感じておりますし、漁港審議会におきましてもそういう意見が出ましたので、今日この案において不備な点は、追つて水産委員会の意見も十分尊重し、さらに地元の意見も徴し、さらに県当局ともよく相談して、そうした不備な点を補うような措置をとつて行くことが、最も適切な措置ではなかろうか、かように考えますので、各委員の方にも細部にわたつてはいろいろ御意見もありましようけれども、一応この第一次整備計画というものを通してもらわなければ、本年度の予算も受けられないという実情になりますと、かえつて、議論には勝つて内容には損をするということもないでもないのでありますから、私からもこれは審議会の委員の一人としてお願いいたしますが、まずこの案を通して、さらに不備な点は、追つてわれわれと水産庁との間において、十分協議をして解決づけた方がよいと思いますので、その点をどうか委員長から各委員に、そういうふうにおとりはからいを願いまして、善処されんことを望みます。
  97. 冨永格五郎

    冨永委員長 これにて質疑を打切りたいと思いますが、御異議ありませんか。
  98. 松田鐵藏

    ○松田委員 いや、まだまだ……私はこの問題は、これは賛成なんです。決してこれに不賛成をしているのではない。これに対しては何ら文句を言うところなく、賛成なのであります。また午前中に永田委員から発言された問題に対して、休憩中にどのような意見で発言されたかということを聞いたときにおいて、この問題に対しては賛成だと言うのであります。漁港法第十七條第二項の規定により、漁港整備計画について承認を求めるの件というものに対しては、何ら反対の意思を持つていないのであります。私もこれは賛成、最も賛成するものであります。但し、今議論になつているものは、兵庫県の二港に対しては炬之口というものと関連した政治問題化しているものであるがゆえに、本年度の予算はまだ決定されていないことだろうと思いますが、これをお預けにしておいていただきたい。しかして県当局と水産常任委員会と水産庁、この三者の間で話し合つてからきめるようにしてもらいたいというのが私の希望なんでありまして、これができ得ないかどうか。これです。私の意見を聞き取つてくれるかどうかということを、私は藤田さんに尋ねるのであります。
  99. 藤田巖

    ○藤田政府委員 この整備計画については御意見がないようでありますからして、これは私どもといたしましても、予算の遂行上ぜひ早急にこれが決定しますようにお願いいたしたいと考えております。ただ具体的な問題になつての御意見でございますが、これは先ほど漁港課長からもお諾いたしましたように、県の者も来るわけでありますから、十分相談もし、御趣旨の点もよく尊重いたしまして、これはやはり個々のものを解決する問題は、行政官庁の責任かと思いますからして、そこはやはり混淆を来さないようにして、行政官庁の責任において――これを行政、立法関係の御意見をよく尊重いたしまして決定いたしたい。こういうふうに思います。
  100. 松田鐵藏

    ○松田委員 私は先ほどから申している。行政の面に対してわれわれはタツチするものでないということをはつきり申し上げているのであります。しかしてわれわれは地方の陳情を受け、そうして実情を調査した上において、四代議士が水産庁に対してこれを今年度の予算をつけてくれるようにと、政策の面でもつて陳情に及んだのである。あなた方の行政の面に対してはとやこうわれわれは言うたのではありません。その政策として、地方の実情を具申して陳情に及んだのであります。この点を誤解のないように、水産委員会委員が、何もかにも水産庁の行政の面までタッチするなどという考え方はとうていでき得るものでもなし、あなた方もそういうふうにお考えを持つてもらつたらたいへんなことです。しかし今日政治問題化していることであるから、これを決定されたかされないかは知らないけれども、数字ははつきり現われているのであるから、あなた方と水産庁と県当局と、これをわれわれが陳情に行つた当時の代議士と地方の代議士と政治問題化しているから、それまで保留せいということは、何らわれわれがあなた方の行政の面に対してタッチしているものではないと思う。そのくらいの政治力を水産庁として持たれることは私は至当だと考えるのでありますが、それをでき得ない、すべてわれわれの責任においてなしとげるというのであつたならば、この問題はもはや私は質問する筋合のものではありません。あなた方の御随意におまかせしますが、もし政策の面に対してあなた方が誤れることがあつたならば、それこそあなた方はどのような責任を持つか。要するに、委員会と当局とは相一致して、あらゆる面を調合してやつて行くことによつて、水産行政というものは成立つものだと考えている。この問題とは別であるけれども、あなた方がつくつた水産の金融問題は今日どうなつている。(「別にやれ」と呼び、その他発言する者あり)いや、ほんとうだ。この問題に対して、もはやあなた方は、われわれのやることに対して何らくちばしを入れるべからずと言うのであつたならば、その意思をはつきりここで明示してもらいたい。
  101. 冨永格五郎

    冨永委員長 この場合は法案を御審議願いまして、明日この問題を今の松田委員の御発言の問題も含めまして……。(「議事進行」と呼び、その他発言する者あり)  これにて質疑を打切りたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
  102. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認めます。討論を省略して採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認めまして、ただちに採決いたします。本件は承認を与えるべきものと決するに御賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  104. 冨永格五郎

    冨永委員長 起立多数。よつて本件は承認を与えるべきものと決定いたしました。なお報告書の作成等につきましては委員長に一任を願います。  次会は明二十七日午後一時より開会することとし……。
  105. 松田鐵藏

    ○松田委員 まだまだ……。この問題は、先ほど私が申した事柄に対して、水産庁長官の答弁を願います。
  106. 藤田巖

    ○藤田政府委員 いろいろ申し上げておりますように、むずかしい問題のある点だということは拝聴いたしております。私どもといたしましては、県当局ともよく相談をし、なお御意向のあります点もよく伺いまして、これを決定して行きたいと思つております。私の申しましたのは、やはり個々の具体的な場所を決定するような問題は、やはり行政庁の責任ということでやるべきだと考えております。従つて、先ほど県当局と水産庁と水産委員会とが集つて、何か決定するようなお話と――私は誤解しているのかもしれません、そういうようなお話で、それでは立法府と行政府と混淆するというふうに考えたわけでありますが、そこの点は先ほど申しましたように、十分御連絡し御相談申し上げまして、きめて行きたいと考えております。
  107. 松田鐵藏

    ○松田委員 ただいまの長官の答弁は、まだ私としては納得できない話なのです。政治問題化している問題であるがゆえに、調整をしなければならないことだと思うからして、水産常任委員会委員として、水産庁に前に陳情に行つたこともあるのであつて、ゆえにその地方の出身代議士及びわれわれが当時陳情に行つたものであるから、それらと県と水産庁とよく協議したい。協調したい。この中に、聞くところによれば非常なる謀略もあるというデマも聞いておるがゆえにそうしたい、とこう言うのであつて、それに対して、はつきりあなたは私の言うことをのみ込めたであろうと私は考えるのであるが、その間決定されたことか決定されないことかわかりませんが、保留しておいてもらいたい。こう言うのです。これができないか。これです。
  108. 藤田巖

    ○藤田政府委員 御趣旨は了解いたしましたが、よくその事情は私ども十分伺う機会は持ちたいと思つております。
  109. 松田鐵藏

    ○松田委員 それだけじやだめだ。今この問題を保留しておいてくれるかどうか。
  110. 冨永格五郎

    冨永委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕
  111. 冨永格五郎

    冨永委員長 速記を始めて。
  112. 川村善八郎

    川村委員 本委員会で最も重大問題として取上げられた問題は漁業権証券の問題であります。この中でも、もちろん各都道府県の配分についての問題もありまして、これらに対しての本委員会要望もあつたのでありますが、いまだにその解決を見ない。むしろ要望をしりぞけて、水産庁がすでに発表しましたあの意見通りやるというようなことも聞いております。もし水産庁が各都府県に漁業権証券の割当をするということについての要望をしりぞけた場合において、われわれ委員会がどういうふうな処置をとらなければならぬかということも、委員会として決定をしておかなかればならぬことであります。  それからさらにもう一つは、漁業権証券課税すべからずという議論が今日まで闘わされておつたのであります。しかるに今や客観情勢は、その非課税は許されないという実態になつたのであります。この問題についても、水産庁の態度というものは、これまで非課税を目標にして進んで来たところが、途中で折れて、再評価税をとらせるといつたようなことにもなり、その額が九億八千万円だというのが十四億七千七百万円になつているということも、われわれの考えたことと、また当初水産庁で立案しましたものとはまつたく相違しております。さらに漁業権証券資金化については、水産庁は今日まで案を立てて進めて来たことは事実でありますけれども、これらもわれわれの意と沿わなかつた点がありますが、その沿わなかつた点についてはとやかく申し上げませんが、とにかくわれわれが積極的に出ようといつて意見を申入れしたにもかかわらず、しばらく待つてくれ、待つてくれといつて押えて今日まで来たところが、せんだつての本委員会において、大蔵大臣並びに農林大臣の意見を徴したところが、水産庁案に対しても、さらにわれわれが要望することについても、何ら得るところがなかつたという結論であります。われわれは漁業権証券資金化については政治問題化して、もつと早くやらなければならないということがわかりつつも、水産庁に抑えられて来た。すなわち極端に言うならば、われわれがだまされて来たということになりております。今日ここにいよいよもつて漁業権証券資金化について、われわれの要望が完遂しないということになりますと、私が言うまでもなく、漁業制度改革がその目的を達成することができないということに相なるのであります。かようになりましたならば、われわれ国会議員としてはまことに責任を痛感しなければならないことは、われわれがこの漁業法を通したのでありますから、もちろん責任を負う意思はありますけれども、しかし今日まで漁業権証券資金化についてその見通しもなくして、今日までわれわれを押えて来た。いわゆる表面化しないでくれ、われわれが解決つけますという腹でやつて来て、そうしてわれわれを動かさなかつた、こういうことが事実であります。従つて資金化が思うようにできない場合、これが水産庁としていかなる責任を持つか、この問題であります。われわれは税金を幾分とられましても、漁業制度改革の目的さえ完遂するところの裏づけがあるならば、今日承服しようというところまで折れております。しかしながら資金なくしては何事もできない今日の段階におきましては、大蔵大臣も確固たる答弁もしてくれませんし、また今日私らが大蔵大臣と会見をしまして、ひざを交えてお話を申し上げたのでありまするけれども、これについても、確固たる信念を持つてや望ますというお約束ができないということを断わられております。われわれはこの問題の解決のために今後も邁進するのでありますけれども、今日の段階では、極端に言うならば、今国会ではこの問題は解決つきません。つかないとなれば、水産庁はわれわれ水産常任委員をだまして来たということになるのであります。従つて水産庁当局でありまするところの長官におきましても、以下その所管でおりまするところの方々にも責任を負うてもらわなければならぬというのが、私の考えであります。この問題について、もし水産庁の計画が実行に移されないといつて漁業制度改革が宙に迷うということに相なりました場合には、長官はいかなる責任をとられましようか。また長官は最近参りましたので、今日その責任を全面的に負えということになると、あまりに強過ぎるかもしれませんけれども、少くとも前長官時代から、久宗連絡員といいましようか、課長といいましようが、とにかくあなたとよく相談して、あなたがその責任をまかすはずであります。責任をまかせられたものが、今日その実施ができない、すなわちわれわれは対して欺瞞な行いをして来たとするならば、少くも私は久宗君に対するところの責任をただすべきでなかろうか、かように考えるのでありますが、長官の御意見を拝聴して、最後の質問を終りたいと思います。
  113. 藤田巖

    ○藤田政府委員 この前の大蔵大臣の御答弁で御承知でありますように、農林省の考えと大蔵省の考えとがまだ相当隔たりがあるわけでありまして、非常に困難な事態に相なつておるわけでありますが、私どもといたしましては、まださらに何らかの妥結の方途があるものというふうに感じております。最後の望みを捨てず、やはり実質的に私ども考えておりますことが極力実現できるように、今後も努力をいたして参りたいと思つております。  なおそういうようなことができなかつた場合の責任はどうかというふうなことでございますが、こういうような問題は、私はこれはやはり水産庁長官たる私の負うべき責任だと考えておるのであります。従つて全力を盡しまして、どうしてもできないという場合の責任については、これはひとつ上司に御裁断を仰ぎたいと考えております。
  114. 川村善八郎

    川村委員 ただいまの長官の御答弁では、今後最善の努力を払つて、これの完遂を期するという決意のほどは十分われわれは尊重いたします。しかしながらわれわれは第十回国会すなわち昨年の十二月から今日まで、中約一箇月間ほどの休会はあつたにしても、五箇月以上にわたるところの議論の焦点となり、これの実施については非常なる努力を払つて来たのであります。しかしながら先ほども言う通り、われわれが積極的に出ることを押えて来たということは、水産庁の責任であると私は思う。従つて今期国会のうちに解決つかなければ、われわれは一体どうして選挙区に帰つて漁業制度改革に対する裏づけがこうなつたということを申されましようか。たとえて言えば、どうもわれわれが叫んだけれども、できなかつたということを、われわれは何の顏があつて言えるものか、こういうことであります。長官はのんびりして、後日においてできるまで努力しようと言うが、長官はそれでいいでしよう。しかしわれわれが漁業法を制定して以来、すでに四回の国会を重ねております。この間われわれはこの問題の解決のために闘つて来たのであります。でありまするから、私は今期国会のうちに解決がつかなければ、あなた方に責任をとつてもらはなければならないというのが私の考え方なのであります。われわれは近く国会を終了いたしまして帰郷した場合に、水産常任委員として各漁村に報告をしなければならない義務があります。この報告をする時分に、一体何と言つて報告したらいいが、できなかつたと言つて頭を下げなければならないのか、まだまだ努力の余地があるといつて報告したらいいのか。もしそれでできなかつた場合に、われわれは公約を無視したのであるから議員を辞職をしなければならぬとまで決意しております。そうしたような決意のもとにわれわれが今日漁業権証券資金化に闘つて来たのでありますが、今やもう望みの綱は切れたような状態であります。現在まで行つて来ました方法ではできないということは、はつきりしたのであります。今日こそわれわれはあなた方いかんにかかわらず、この漁業権証券資金化について活動をしなければならぬのでありますが、とにかくこの国会にあなた方の意思通り資金化ができないたにめ、漁業制度改革に支障を来したとすれば、少くも今期国会における責任として、長官以下が責任をとつてもらわなければならぬというのが私の考え方であります。でありますから、五年も七年もたつて、全部漁業権証券を償還してしまつたから、これでいいじやないかという大蔵省の考え方かどうか知りません。また水産庁藤田長官以下関係官が考えているかもしれません。しかしながら当初の計画というものが最も大事であります。このときにこそ軌道に乗せなければ、将来軌道には乗つて来ない、遅れてしまう。漁業権は完全にここに買収されて、新たな漁業はできないとなれば、漁民そのものの不幸ばかりでなく、漁村経済に及ぼす影響が大きい。さらにもう一歩進んで、日本の食糧問題としての大きな問題ができると同時に、国家が立てました政策が破滅になることになつたならば、自然に水産庁としての責任は負わなければならぬということが、必ず出て来ると私は思うのであります。私は長いことはとやかくと申しません。もう第十回国会においては見通しがないということだけははつきりしたのであります。でありますから、長官の御答弁の、長い目で見てくれといつたようなことは、われわれは許されません。第十回国会の会期内にできるかできないか。もしできないとしたならば責任を負うという答弁でなければ、われわれは承服できません。でありますから、その決意ありやいなやということを再びお尋ねいたします。
  115. 藤田巖

    ○藤田政府委員 見通しからいたしまして、本国会会期中に農林省の原案通り実現するかどうかという見通しでありますならば、それは非常に困難だと考えております。しかしながらまだ農林省の考えと大蔵省の考えとの間に、なお今後妥結の見込みのあるものが残されていると思います。これを私どもは極力早くきめて行きたいということを考えているのであります。  なお責任の点については、私申しておりますように、これのできなかつた問題についての責任を決して回避しようと思つておりません。水産庁としての責任は十分私は考えております。従つてその処置については上司の御裁断を仰ぎたい、こう私は言つておるのであります。
  116. 川村善八郎

    川村委員 私の申し上げておることは、これは努力は買つておりまするけれども、もうできないという見通しがついたのであります。そこで今後交渉を開始せられまして、あなた方の御意思が通らなかつた場合にのみ私は責任をどうするかという問題に局限して、あなたに答弁を求めておるのであります。でありまするから、今後、先ほども言う通り、二年、三年先にはできるかもしれない。漁民を殺されないから、いよいよこうしてやらなければならぬということになつて資金化があるいは十分できるかもしれませんが、とにかく今日この国会を通じて、この資金化ができなければ、漁民は失望するということは明らかでありまするし、われわれは松田君の言うように、何んのかんばせがあつて漁民にまみえ、資金化ができたとか、できないとかいつたようなことを、漁民の前に報告することができるかという、非常に苦しい立場にわれわれは追いこまれておるのであります。でありますから、今後長いことでなく、今会期中にできるかどうか。できないとしたならば、責任をとつてもらいたいというのは極端の私の考え方であります。でありますので、押えて来た久宗君はもちろん責任を問われなければなりません。実は長官も御承知ではございましようが、三月の二十一、二日ごろだつたと思つておりますが、富永水産常任委員長と参議院の木下常任委員長とを呼んで、久宗君が案を説明していたところに私は行つた。     〔委員長退席二階堂委員長代理着席〕 まことに込み入つた案であることは私も感心しましたけれども当時これがはたしてできるか、われわれが、ただ案を立てて事務的にこそこそやつたつて容易じやないぞ。それよりもわれわれもともに政治問題として取上げて行くことが促進するにいいじやないかという私の意見に対して、それはしばらく待つてくれ、私らはこの手で行かなければあの手で解決つけます。必ず解決つけますから、と言つておる。あの手もこの手もすでに手が盡きて、今日会期は余すところ二日か三日しか去りません。そうしますと、それから二箇月以上もたつてできないとすれば、勢い責任をとられるのは私は当然だと思つております。でありますから、私はこの際今期国会におきまして漁業権証券資金化が実現できないとすれば、責任をとつてもらいたい、こういうのが私の発言であります。今日ここで責任をとるとらないというようなことが容易でないとするならば、後日でもよろしゆうございます。もう一回ぐらい水産委員会があると思いますから、その際にはつきりとここで責任をとるかとらないかということを御答弁願いたいのであります。さらに先ほど質問の中に、漁業権証券の公平な配分をするためにわれわれが意見を申し入れてあります。その当時示された水産庁案を一割天引きをして話をつけた、こういうことであつたのでありますが、その案も出て来ておらぬ。またわれわれがもう一歩進んで考えておりましたところの、長官の言を信じての増額の問題、すなわち百七十八億以上に増額するという問題も、おそらく望みはないということであろうと思います。そうなりますと、われわれの意見というものはまつたく通らなかつた。しかしながらわれわれの意見が不合理な意見であるなれば、これは引込むのでありますけれども、しかし少くとも漁業制度改革遂行のために、どうしてもそうした方がいいという確信のもとにわれわれが意見を述べておるのでありまするから、もしわれわれの意見が、水産庁長官が考えるのに合理的な意見でないというならば、承つてもよろしい。正しい意見だとするならば、あなた方のできなかつたことについて、ひとつはつきり責任を負うてもらわねばならぬのでありますから、どうかこの点について、はつきりと御答弁を願いたいのであります。
  117. 藤田巖

    ○藤田政府委員 漁業権証券の問題につきましては、懇談会のときのことを私よく承知いたしております。懇談会の趣旨に従つて私は措置しているつもりでございます。従いまして、いろいろこれが末端まで参つて御審議をいただきます折に、これは水産庁の計画上のミスであるということがはつきりいたしますものについては、それこそこれは私全責任をもつて解決いたします。それから久宗君云々の問題は、私はかような大きな問題を、単に一課長の責任に帰すべきものではないと思つております。従つてこの問題はやはりその責任は水産庁長官たる私が負うべきものである、かように思つております。
  118. 川村善八郎

    川村委員 水産庁の計画がミスであつたということなれば責任をとる、これはもちろんそうであります。水産庁のミスでないものまで責任をとれとは私は申しません。しかし今や考えておりますところの資金化は、水産庁の計画にはまつたく乗つて来ないということだけは明らかであります。すなわち漁業権証券を中心として水産金融公庫をつくることのできないということもはつきりしたでしよう。それから漁業の特別会計を法制化するということのできないこともはつきりしたはずであります。それからさらに証券の資金化についての四十億といつたようなものも、はたして確信が持てるかどうか。別な方法で行けばこれは出るでしよう。われわれが百七十億の証券を持つている以上は、おそらく五十億や三十億は別な方法をとつたら出るでしようけれども、水産庁案の通り行くと、おそらくできないという見通しが今日ついておりますから、その責任を私は問うているのであります。しからばあなたの方で御計画を立てましたことについて、ミスであるかミスでないかということは、いつ一体はつきりするか。今期国会はもう二、三日であるから、私はこの国会中にあなたの意見をこの席上で承りたいのであります。われわれが帰つてしまつてから、この問題はかようになりましたくらいの報告では、われわれは承知できません。しかも百五十日以上もこの会期を続けておつて、今日までできないというそのことだけですら、私は責任をとつてもらわなければならぬのに、水産庁で計画を立てましたすべてのこうした問題が実現できないとすれば、なおさら責任をとつてもらわなければならぬ、かように考えるのでありますから、今これこれについて責任をとるということができなかつたならば、明日か明後日の委員会の開かれた時分でもよろしゆうございます。もしそれもできないならば、私の方から書類で出しますから、その書類に対して御答弁を願えばまことにけつこうであります。でありますから、私はこれ以上追究申し上げません。とにかくもう会期も短かいのでありますから、その間において、あなたの方の計画通り行かないものはこれこれであるという報告をしてもらわなければならぬと考えておりますので、どうかこの点お含みの上善処されんことを希望いたしまして、私の質問を打切りたいと思います。
  119. 松田鐵藏

    ○松田委員 私はかつて事業をしておつた当時、一人の技術者を頼んだことがあつたのであります。その技術者は大学を出た最も優秀な技術者であつたのであります。ところが、その技術者に一つの仕事をやらすべく命じたところが、あまりに小さな問題なるがために、非常な経費をかけてもついに不成功に終つたのであります。そこで私は、一週間たつてその現場へ行つてみて、こんなものわこうこうすればいいじやないかと注意してそれをやらして、簡単にその目的を達したことがあるのであります。私は、学校を出た優秀なる技術者であつても、誤れる感覚をもつてやつた場合においては、非常な浪費をしてもその効果はあがらないと考えておるのでありまして、あらゆる面を研究して、何とかそうしたことのないようにしたいという考えを持つておるのであります。今国会においても、また前国会においても論議されている水産金融計画は、非常に優秀な計画のようにわれわれはこれを見たのであります。また説明されたのであります。ところがその計画は、最後の段階になつてほとんどすべてが不可能になつた。ただいま川村委員がおつしやつたようなことになつたのであります。われわれは、今まで待つておれ、やつてみせるからというのでずらされて来た。しかしそれは水産庁久宗課長のみの責任ではなく、それを見破らなかつたわれわれの責任も重大なものがあるのであります。これを見てこういうようにしたらいいじやないか、こうしようよ言つたときに、いやこれは必ずできるものである、必ずなしとげることができるということで、それにまかせたのがわれわれの失敗であつたのであります。この失敗は両方に責任があると思う。われわれは選挙区へ帰つて、選挙民に対して、まことに何とも申訳ありませんでしたと、国会議員として国民の要望に沿うことができなかつたことを率直に謝罪する以外何もないのであります。もはや八日になればこの証券が交付されるので、そこにもう一つ拍車をかける問題が出て参つたのであります。あなたは水産の技術者であり、また大官であるがゆえに、世事にはうといかはしりませんが、日本の経済の動向は、今やあなた方の考えておるような状態になつていないことも認識されなければなりますまい。こうしたときに、この水産金融に対してまことに重大な危機が招来しておるのであります。これは水産庁長官一人の責任ではない。水産庁の責任でもなく、要は自由党の責任であると考えて、先日の委員会で、何の顔あつて委員会に出席できるかとまで申し上げたのでありますが、もはやわれわれはでき得ないことをあの委員会においてもはつきり掌握し、今日また大蔵大臣に朝七時からつめよつて、二時間余り論議したのであります。もはや今日においては、われわれの希望のつるは閉ざされてしまつた。川村委員が確信を持つてただいま申されたこともそこに原因があるのであります。まことに残念なことだと私も考えている。しかしこれは決してあなたの責任ではなく、廣川農林大臣の責任である。ところが彼は、農林大臣をさつさとやめてしまつたから、もう問題ではないかもしれぬが、次の大臣を輔佐し、次の大臣の政策が――はたしてこの問題が解決されるかいなや。私どもはとうてい不可能であると考えるのであります。ここにもはや何もかもごちやごちやになつてしまつた。まなたは水産行政というものは十分知つておられるが、あまりにも物事にこだわり過ぎることがあるではないか。そうして古い感覚を持つているがために、庁内の状況を観察するのに非常に因ることがあるではないかと考えるのであります。この点十分なる御警戒をされて、委員会とも考えを交換して行くことによつて打開の道が見つかるのではないかと考えるので、十分なる御勘考を願いたいと存ずるのであります。答弁の必要はありません。
  120. 二階堂進

    ○二階堂委員長代理 本日はこの程度にとどめまして、次会は明二十七日午後一時開会いたします。本日はこれにて散会いたします。     午後三時二十八分散会