○
金森国会図書館長 今日御
審議をお願いいたしまする三案のうち、第一の案は、これは
国会図書館組織規程の一部を
改正するものでありまして、御
承知のようにこれは
図書館の
組立て、いわば
各省の
組織規程のようなものに該当するものであります。そこで案文の中にはいろいろの字句が使
つてございますけれ
ども、要するに
支部図書館を二つ設けるというのが
趣旨であります。私
どもの方の
図書館では、今まで
支部図書館を二十幾つ持
つておりまして、それの大
部分は、
各省あるいはその他の
行政官庁の中に設けられておるものでありますし、それからごく
少数は、各
官庁に設けられてあるのではなく、独立に外に向
つて働くものであります。たとえば
静嘉堂文庫あるいは
東洋文庫がこの例であります。今回加えようといたしますのは、
一つは今の
静嘉堂文庫のように、外に向
つて一般の
図書館のような
仕事をするものであります。それがその中の十一号として掲げてあります
ところの
国立国会図書館支部大倉山文化科学図書館であります。この
図書館は従来民間のものとしてでき上
つておりまして
相当の年月を経ております。
場所は横浜市の港北区にありまして、
大倉山という山の上に孤立して設けられております。この
図書館はやや特別な
図書館でありまして、中に所蔵しております
書物は大体宗教、哲学、倫理、教育、心理、歴史というような面に限定せられておりまして、一口に言えば
精神文化に関するものであります。
建物もはなはだ堅牢な
不燃質のものでありまして、所蔵しております
書物も約十万冊あります。その中に含まれておりますのは、一粒よりというのも大げさかもしれませんが、偶然に集めたものではなくて、よい本を和漢洋を通じて選択して集めたものでありまして、たいへん役に立つもののように思われます。それが昨年ごろからいろいろと
連絡をし、事実上は
図書館運営委員の方にも御
連絡を申し上げておりましたが、来年度から
予算がとれるように
なつたのであります。きわめて小さな規模でありまして、
職員な
どもわずかに六人でや
つて行くというような
計画でありますが、これを新設するのが第一の
目的であります。
次にいま
一つ支部図書館を加えますが、これは
官庁に所属いたしまする通常の形の
支部図書館で、設けます
ところは
特別調達庁であります。
特別調達庁は、御
承知のように比較的新しくできた
官庁でありまして、
図書館のできましたのもつい最近と申し上げられるのでありますが、
書物といたしましては若干のものを持
つておりまして、それは
特別調達庁の
目的に合うような特殊なものであります。
つまり調達の手続とか、あるいはその実績に関する重要な
官庁資料を集めておるものでありまして、
支部図書館としてこれを完備することがよさそうに
考えられます。
支部の
部局からの御
希望もありまして、そこで今回これを第十七号に加えるという
趣旨であります。
なおしまいの
ところに地名などが書いてある
部分がございまするが、これは従来
静嘉堂文庫と
東洋文庫のあり
場所につきまして、非常にかたくなな
規定がありまして、
静嘉堂文庫は
静嘉堂文庫に置く、
東洋文庫は
東洋文庫に置くというような、りくつで言えば通らぬこともございませんけれ
ども、はなはだ
しろうと離れをしておるようなことでありましたので、今回はそういうわからない
規定はやめまして、
現実に地理上の名称を掲げまして、おのおのどこどこにあると
はつきりさせたわけであります。それが第一の
議案の御
説明であります。
それから第二の
議案、つまり
国立国会図書館職員定員規程の一部を
改正する
規程案と申しまするのは、かねがね
国会の方に御意見がありまして、
国立国会図書館の特に
調査立法考査の
部局を改善し、かつ拡大するという御
趣旨がありまして、その御
趣旨に従いまして
大蔵省側と
予算の交渉を重ねまして、それによ
つて六十人の
定員増加が認められております。それに
大倉山図書館の
定員増加六人を加えますると、六十六人の新しい人が、私
どもの
図書館に加わることになるのであります。六十六人とは申しまするけれ
ども、その中にはごく資格の軽い人、つまり
雇員、
用人の類の人がありまして、実際この
規程の中に上せまするものは、それだけはございませんが、しかしそれを今回この
規程に上せようといたしますことが
一つと、従来すでに中に入
つておりまする
職員の中におきまして、いろいろよその
振合い等を
考えてみますと、
雇員、
用人級に置くのではなくて、
主事の級にするのがいい者も多少ございまするし、それからまた
主事の級にありまする者を、
参事または
司書の
方向に上げるのが適当な者もございまして、そういう者を、普通の
言葉で言えば、昇格させるということにも当りまするが、そういうことをいたしまして、そこで今回の
改正はそれに必要な
人員の整備をいたしましたので、純粋に
新規増だけを
規定いたしますると、
増員三十九人でよいのであります。しかし今申しましたように、下の方から上に上げるというものを含んでおりますので、ここに現われましたように、やや大きい数字にな
つております。念のために申し上げますると、第一の
司書の
ところは、今回十六人ふやすことになります。
専門調査員の
ところは今回二人ふやす、
調査員の
ところは十六人増加する、
参事は八人、
主事は五十人、これだけが従来のものの上に加わるのであります。なお
附則の
ところがごてごてしておりますが、これは
予算の
関係で四月以後に使える
予算と、七月以後にのみ使える
予算と二種ございまするので、それに合せるために
附則を設けたのであります。
次に第三の案について御
説明を申し上げまするが、これは
上野の
図書館の
組織規程の一部を
改正するものであります。
上野につきましては、今回一人も
増員をするという
計画は持
つておりません。しかしよその
振合いもありまして、
雇員、
用人の方から
地位を上げるとか、あるいは
主事の
ところから
地位を上げるということが適当と思いましたから、全体の
職員の数をかえない
程度に、
司書について二人をふやし、
主事について三人を増加したのであります。かような昇格の面につきましては、
予算も
従前の
通りのものを用いまするし、人も
従前と同じ範囲の人を用いるのでありまして、
財務当局との
関係につきましては了解を得ておる次第であります。
以上が大略の
説明であります。何とぞ御
審議をお願いいたしたいと思います。