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山下説明員 今の
松澤さんのお尋ねについてお答えいたします。
勤務地手当というものは、おつしやいますようにまことに不徹底でありまして、理想的のものはどんなに骨を
折つてもできないのでございます。それで前にこしらえてありました
地域給というものがぐあいが悪いから、いくらかこれを
理論に合うようなものにしたいというので、この一年半も努力をいたした結果、五月に
勧告したということになるのであります。何としても川
一つ隔てて五%違うとか何とかいうことになりますと、どうしても
理論がつかないのでございます。私
どもとしても、こういうものは極力早くやめたいと思
つておるのでありますが、それには
相当な費用がかかる。今もら
つておるものを減らして、
簡單に減らし得るならともかくも、それが不可能であるとなると、これを
一つのものにして、それを
給與に繰込んで行くという
操作をするのには、
相当金がかかりますから、その時期について私
どもは見合
つておるのでありますが、まだうまい案が出ないのでございます。
それで
給與ベースの
改訂の問題でありますが、この前
勧告いたしましたのは、御
承知のように昨年の五月の
調査の結果、八月に
勧告をいたしまして、それが実施されたのが、御
承知の
通り本年の一月からであるのでございます。それからあと
物価がだんだん上
つて来ますし、また民間
給與もどんどん上昇して来ますから、これはどうしても十分に
研究しなくちやならぬというので、
研究をしたのであります。ところでその
勧告の時期と申しますと、これはなかなかむずかしいのでございまして、補正予算なり、とにかく予算が編成され、国会で審議される、その予算の中に繰込むのに十分な時間がなくちやならない。それで内閣においても、
人事院の
勧告が正しいか正しくないかということを十分消化して、それを予算に繰入れなくちやならぬわけで、それには
相当な期間がそこに必要であるということが一点。しかしそこに掲げました
資料というものは、できるだけ最近の
資料であることが望ましいのであります。私
どもは想像によらないで、すべてりつぱな統計を基礎としてやるという
方針を立てておりますから、その
資料はできるだけ新しい
資料を使わなくちやならぬということで、その間にはさまれまして、いつ
勧告をするかということは
相当むずかしい問題に
なつておるのであります。しかしいろいろな情勢から考えまして、この次の補正予算が出るのに間に合うようにといえば、まず今ごろが適当ではないかというふうに私
どもも思うのでございます。今
松澤さんがおつしやいますように、八月に入
つたらなるべく早く出したい、こう思
つて研究しておるのであります。その使いました
資料はそれじやいつかと申しますと、民間
給與を
調査いたすのが基礎でございますから、その元はこういうことでございます。
公務員の
給與は民間の
給與に合わすのだ、それをモツトーとしておるのでございます。という意味は、
公務員は国民に対して奉仕をするのだ、それで国民は
公務員に対してその代償として
給與を支給するのだという建前に立
つてお
つて、一方
公務員の方は争議権を奪われておるのだということから、
人事院は
公務員の方も満足さす、同時に納税者である国民も十分これを満足してくれるという数字を出さなければいけない。その出すのは何によ
つておるかといいますと、国民全体の平均の
生活水準に
公務員を持
つて行くということについては、国民はこれに対して反対をとなえる人はないであろうという考え方からいたしまして、民間の
給與をまず調べて、それに合わすのだという
方針をと
つて来ておるのであります。その
調査はいつのでや
つたかと申しますと、五月のでございます。すべて五月の基礎によ
つてそういう
調査を全部いたしまして、できた結果を今度
勧告しよう、そう思
つておる次第でございます。
それでは金額は幾らか、こういうことになりますと、どうせ近いうちに、数日中に国会並びに内閣にこれを
勧告するのでありますから、そのときに金額はお譲り願いたいのでありますが、大体の見当を申しますと、まず一万一千三百円見当とお考えくだされば、大した間違いはないだろうと思います。それがいつ実施になるのかということでございますが、ある人は五月で
調査をしたから、五月にさかのぼるべきだという考えをしておる方もありましようが、私
どもとしては、これは
勧告をする時期によるべきだと思います。なぜかといいますと、何号は幾らになるという切かえ表をずつと出さなければなりませんから、その切りかえ表はいつの切りかえ表になるかということできまるわけでございます。それは七月末現在での切りかえ表を使いました。それで結局八月一日から実施されるものということを期待しておるわけでございます。それの中に、
松澤さんが今御指摘になりましたように、
主食、電気料金、税、その他はどう
考慮されておるかということでございますが、米の
値上りということだけは、これは確かに八月一日からにな
つたのでありますけれ
ども、電気料金とか税がどれだけふえるか、減るかというようなことは、はつきりまだわからないのでございますから、私
どものと
つた策としては、
主食だけを考えに入れたのでございます。その
主食は、どういうところを勘定に入れたかと申しますと、今の
給與は民間の
給與に合わすということを土台としておりますが、しかし一方われわれが
給與の
研究をした初めからと
つて来た策は、独身の約十八歳の男子がどれだけの摂取カロリーを必要とするか、どれだけの
生活費があればよいかという
計算をまずすることに
なつております。
理論生計費の中へ
主食がどれだけ入るかということを
計算いたしますが、それは約十八歳の成年男子が水準のカロリーを摂取するといたしまして、幾らの金が必要かということになるのでございます。それを大体
計算いたしましたところ、勤務地が、いなかにくつついていないところにおきましては、約四千二百円程度になるのでございます。それで実はこの前の
勧告のときは、その点と十四級の六号のような高いところをとりまして、それの間を等比級数で結びつけたのであります。今度はそれよりももう一層合理的にやろうといたしまして、七級はどういう仕事をしているか、八級の人はどういう仕事をしているか、民間の仕事と
公務員の仕事をぴたつと合うように職務内容を
調査いたしまして、七級はどこ、八級はどこというようにずつと点をとりまして、それの平均を出して、それに合わすようにしてあるのであります。それですから、今までよりもそれはよほど合理的に
なつているとうぬぼれているわけであります。大体そういうことでお答えといたしたいと思います。