○古屋
証人 杉並の区役所におきましては、昨年の二月二十日に、区役所の渉外係長ほか二名の吏員が、一昨年の十月朝鮮から密入国いたしました李商洪というものから頼まれまして、外国人登録証明書及び主食の配給簿を偽造、交付したものでありまして、金額にいたしまして三万四千余円に相当する收賄をしております。
それから中野の区役所におきましては、これは登録証明書の盗難
事件でございます。二十五年の五月二十日午後五時ごろから翌日の八時半までの間におきまして、区役所の渉外係室で外国人登録証明書が四枚、これは記載済みで交付するばかりのものであります。これと、浮出しプレス一個が盗難にあ
つたのであります。なお同区役所におきましては、二十五年の二月七日にも登録証明書二枚が窃取された
事件がありまして、警察におきまして鋭意犯人の検挙に努力しておりましたが、この犯人が長崎県の対馬の警察で検挙された旨、国警の方から連絡がありまして、これにつきまして国警並びに立川警察の方からそちらへ向いまして、盗難品中浮出しプレス一個は区役所に返還されたのであります。
さらに板橋区役所の
事件におきましては、大体前に申し上げました葛飾区役所と同じ
ようなものでありますが、この問題については、一名は検挙しておるのでありますが、被疑者が逃亡しておりまして、現在のところ捜査を續行しております。大体のやり方等につきましては、前に申し上げたものと大同小異でございます。
なお現在捜査しておりますのは、世田谷の区役所におきましての不正発行
事件であります。これは世田谷区役所の玉川支所の吏員がや
つておるのでありますが、昨年の二月の登録令一斎新規切りかえに際しまして、横浜に住んであります朴英昌ほか六名の朝鮮人の請託を受入れまして、世田谷区長名義の登録証明書七十四名分を偽造したものでありまして、目下これについて捜査をしております。
次は川崎市役所の不正発行
事件であります、これは昨年の四月でございますが、警現庁捜査第三課のすり係の刑事が、すりの現行犯人としてある朝鮮人をつかまえて
調べましたところ、
本人が川崎市役所発行の外国人登録申請済証一枚を見せましたので、登録の切りかえは三月二十日前でありまして、四月にな
つてそういうものを持
つているのはおかしいということで、川崎市役所について
調査をいたしました結果、登録証明書の偽造、変造の事実がわか
つたのでありまして、これには相当たくさんの
関係者がございますが、市役所の吏員の鈴木知蔵ほか三十四名という
ような状況であります。この朝鮮人は
昭和二十四年の四月ごろ崔晩秀という朝鮮人から、茨城県新治郡志築村村長発行の日
本人名の幽霊転出証明書百四十四名分を一枚五百円の割合で買い受けまして、その買い受けました朝鮮人が、これを川崎市役所の吏員でありまする先ほどの鈴木知蔵に情を明かしまして登録証明書の偽造を依頼いたしました。この日
本人名の証明書を朝鮮人名に書きかえまして仮登録証の発行を受け、さらにこれを本登録証の
もとにしまして交付を受けました。一枚五百円で買いましたものを一枚千円の割合で他の被疑者に売却していたものでありまして、統計三十九名を検挙いたした事案であります。
なお立川の事案につきましては、警視庁は取扱
つておりませんので、警視庁で
取扱いました
事件につきまして、以上簡單でありますが、申し上げました。