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1951-07-21 第10回国会 衆議院 厚生委員会 第38号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年七月二十一日(土曜日)     午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 松永 佛骨君    理事 丸山 直友君 理事 亘  四郎君       岡延右エ門君    高橋  等君       田中  元君    寺島隆太郎君       松井 豊吉君    金子與重郎君       岡  良一君    堤 ツルヨ君       砂間 一良君    松谷天光光君  委員外出席者         厚生事務官         (大臣官房国立         公園部長)   森本  潔君         厚 生 技 官         (公衆衛生局         長)      山口 正義君         専  門  員 川井 章知君         専  門  員 引地亮太郎君         専  門  員 山本 正世君     ————————————— 本日の会議に付した事件  公衆衛生に関する件  国立公園に関する件     —————————————
  2. 松永佛骨

    松永委員長 これより会議を開きます。  今国会において議員提出法案により一部を改正いたしました理容師法の、その後の運用の経過について、政府当局より説明をお聞きしたいと存じます。山口公衆衛生局長
  3. 山口正義

    山口(正)説明員 先般第十国会におきまして一部改正されました理容師法のその後の状況につきまして、御報告申し上げたいと存じます。  第一に、施行規則改正、つまり省令改正をいたしました。また地方庁の衛生部の本法の主管課長を集めまして、いろいろ会議をいたしました。また全国の理容師養成施設の長を集めまして、会議をいたし、いろいろ意見を聴取し、今後の運営に遺憾のないようにして行きたいというような措置をとつたのであります。本日省令改正いたしました点につきまして簡単に御報告申し上げたいと存じます。省令は、省令そのもの文句が非常に複雑になつておりますので、簡単に要点だけを御報告申し上げたいと存じます。  第一は、法律でもございましたように、理髪師理容師と改めまして、また理髪所理容所と改めましたので、それに伴つて各所におきまして名称の変更を行いました。これが第一点であります。  第二点は、法の第二条、第三条によりまして、都道府県知事試験を行うことになりましたので、それに伴いまして、たとえば免許の申請手続の書類あるいは理容師名簿等につきまして、試験にするいろいろな事項を挿入したということでございます。  第三点は、先般法の御審議のときにも、いろいろ御意見がございましたように、従来養成施設一年の課程を経て、さらに指定実地習練所実地習練行つただけでございますが、それにさらに今回の改正によりまして、都道府県知事試験を行うことになりましたので、実地習練を行います場所を、指定の所でなく、理容所美容所であれば、どこでもいいというふうに改めましたことでございます。  第四点は、試験につきまして一章を設けまして、試験内容について規定を置いたことでございます。  第五点は、法の第六条の二によりまして理容師美容師は、原則として理容所及び美容所でなければ理容美容の業を行つてはならないということになつております。ただ省令の定めるところにより特別の場合はこの限りでないということになつておりますので、その特別の場合に関する規定を設けたのでございます。たとえば疾病、不具、癈疾等の身体上の理由によつて理容所または美容所に来ることのできない者に対しては、出張して業を行うことができる。婚礼その他の儀式のために出張して業を行う場合。前二項のほか都道府県知事が特別の事情があるものとして定めた場合、そういうふうなときには、出張して業を行つてもさしつかえないということを規定したのであります。  第六といたしましては、法第十四条の二によりまして、理容師会美容師会をつくつてそれを届け出ること、その事項省令で定めることになつておりますので、その届出に関する事項省令で定めたのでございます。  以上が、法の改正に従いまして、いろいろと御要望のございました点を取入れまして改正した省令のおもなる点でございます。
  4. 松永佛骨

    松永委員長 本問題についての御発言はございませんか。
  5. 堤ツルヨ

    堤委員 ただいま局長から御報告を承つたのでございますが、第十国会改正いたしました法律案でございますが、そのときも私主張いたしましたことく、新たに都道府県知事試験がなされることになりまして、働く人たちに狭き門をつくつたという結論を、私はどうしても否定することができないのであります。先ほど局長は、厚生大臣指定する養成所所長を集めて云云という御報告がございましたが、非常に玉石混淆の、しかも一部には学校屋といわれるような人たち養成所もある。中には一生懸命にやつて非常に模範的な養成所を持つている人たちもあるという現状におきまして、私は強く局長に要望しておきましたが、局長はそうした所長方々にどういう御指導をなさいましたか。そうして今後のどういう方針を伝えられたか、もう少し詳し御説明を願いたいと思います。
  6. 山口正義

    山口(正)説明員 養成施設の長の会議におきまして、私といたしましては、今回の法の改正の趣旨を説明いたしました。また従来の養成施設の長として、公衆衛生向上のためにいろいろ努力をしておられることに対して、謝意を表しますと同時に、今後養成施設内容整備等をはかつて、そこで養成されまする理容師の質の向上に一層の努力を払つていただきたいということを要望したのでございます。
  7. 堤ツルヨ

    堤委員 こいねがわくば、養成所所長であるとか、あるいは学校、そういうものを経営している人たちが互いに相啓蒙いたしまして、そうして自分の卒業生を出しながら、都道府県知事試験を受けさせなければならぬという法律を出されること自体に対して、ひとつ発奮を感じて、質の向上を期するようになされたい。でありますがゆえに、こいねがわくば民間団体のようなものをつくつて自主的に大いに勉強してくれればいい、こういうふうに思つておる次第でございます。これは私の一私見でございますが、局長あたりもその辺をお考えくださいまして、非常にむずかしいといわれた美容師会が、今後一致団結して文化的に国家への奉仕をしていただくように、特に厚生省の方からも、今まで少しなおざりであつた態度を御反省になりまして御指尋願いたい。特につけ加えておきます。
  8. 金子與重郎

    金子委員 省令で定めるという点でありますが、ただいまの説明にもちよつとありましたが、要するに、店舗を持たない場合は、原則として営業できないことになつております。その省令の認めるという場合、たとえば病院の理髪であるとか、あるいは疾病等に対する出張というようなことは、ただいまの説明にもありましたが、今疑問になつて来る問題は、よく上野公園なんかにあるような、ああいうふうな野天でバリカン等を持つて歩いて商売している者、しかもそれをほんとうの業にしている者があります。おそらく料金も非常に安いのだと思います。  その問題が一つあるのと、それから職場理髪所を持つておるのがありますが、この問題がさしあたりその条文に一番影響力を持つて来ると思います。何かああいうふうな零細な生活をしている人たちに、今の実態にかわるべき方法をお考えになつて、とつて行かないと、いわゆるルンペンというような人たちは困るのじやないかと思いますが、その辺に対してどういう処置をとりますか。
  9. 山口正義

    山口(正)説明員 ただいま金子委員お尋ねの第二の方の問題でございますが、職場厚生施設として理容所を開設している場合、これは料金も非常に安くやられまして、そこで働く人たちが恩恵を受けているのでありますが、これもその理容所美容所に対しまして法を適用して、公衆衛生立場から取締つて行きたい、そういうふうに考えております。上野浮浪者などに対して、ただバリカンカバンだけを持つでまわつているというのは、私ども公衆衛生立場から、適当でないというふうに考えておりますので、それは今回の法の改正によつて認めないようにして行きたいと存じますが、御指摘のそれに対して、今後どういうふうにするかということは、まだ具体的に今こういうふうにしようと思つているというふうには御答弁申し上げかねますが、御指摘の点に従いまして、今後どういうふうにすれば一番よいかということを、研究して参りたいと存じております。
  10. 金子與重郎

    金子委員 第二の場合の職場厚生施設としての理髪は、それを一応料金たけの問題として、この法律の範囲内において届けさしてやるということは了解できますが、第一の浮浪者その他を相手にしております—、理髪業者ともいえないけれども、一面それをもつて生活のかてにしておられるとするならば、業者ともいえるのであります。それらのものは、今度の法律によつてなくなる。バリカンを持つて商売にしている人たちをどうするかということは、数においてはごくわずかでありますから別に問題にするにはあたりませんが、衛生的な知識も設備もないところで理髪をするということは、公衆衛生の上でいけないという立場からこの法律が適用されるわけであります。しかし高い料金でなければ刈つてくれない、店舗へも行けないあの人たちは、おそらく一日紙くずを拾つてどの程度の収入があるかわかりませんが、今日のような七十円、百円の理髪料は出せないと思うのです。そうだからといつて、頭をぼうぼうと長く伸ばしてしらみの巣にすれば、なおさら公衆衛生立場にそむくと思われますので、これは公衆衛生的な施設なり、あるいは業者自体奉仕的な施設があればよいのですが、そういう施設と一緒に解決しなければならぬ問題であります。これはどうぞとめただけにおかれずに、公的施設をする予算的措置がとれないならば、暫定的に業者人たち協力を得て、定期的な散髪奉仕をしてもらうとか、至急解決していただかないと困る問題だと思います。
  11. 砂間一良

    砂間委員 ただいまの金子委員質問に関連してでありますが、農村なんかに行きますと、学校行つている子供なんかが、家が貧乏なために、かつまた時間的な余裕がないために、頭を二箇月も三箇月もぼさぼさに伸ばしておる、こういうふうなところがたくさんあるわけであります。こういうところの学校で、バリカン理髪道具を買いまして、先生が休憩時間に刈つてやるとか、あるいはそつてやるとかいうようなこともあり、また現に行われているところもあります。ことに戦争中なんかは奇篤な床屋さんなんかが出張して、一箇月に一ぺんとか二へんとか、勤労奉仕をして刈つてやるというようなことなんかも、あつたのでありますが、しかし最近におきましても、そういうふうなことは、ところどころあるのです。そういつた場合、そういうふうなことをやりますと、これは違反になつて罰せられるのですか、その辺のところはどうなのでありましようか。
  12. 山口正義

    山口(正)説明員 第一の先生の場合は、それを業としているかどうかということにかかると思うのです。業としていない場合ならばよいと思います。  第二の点は、これは先ほど省令の際にも申し上げましたように、都道府県知事が特別な場合をまた定めることができるようになつておりますが、そういう場合にはただカバンだけ持つて歩くという人だけでなしに、理容所から篤志的に組合の方などが出かけて行つて、保健衛生的な素養のある方々にやつていただくということになれば、私はいいのではないか、そういうふうに考えております。
  13. 松永佛骨

    松永委員長 本問題についての御発言、他にございませんか。—それでは初めに、昨日の橋本厚生大臣に対する御発言中に、その解釈を誤まられるおそれがあるかもしれぬということから、堤委員から、訂正についての御発言を求められておりますから、これを許します。
  14. 堤ツルヨ

    堤委員 ただいま委員長の御指摘くださいました発言以前に、局長にひとつお願い申し上げたいのでありますが、実は旅館並びに浴場取締りでございます。私たちよく視察旅行をいたしましても、かねがね商売柄よくじろじろとながめておるのでありますが、全国的に浴場取締りがあまり行き届いておらないのではないかというような考えを持つのであります。私九州に参りましたときにも、北海道に参りましたときにも、北陸地方に参りましたときにも、大体申しまして非常に不衛生な、環境衛生立場から見たときに、当然もつともつときびしいお達しが来ておらなければならないような浴場が多い。また旅館なんかの中のふろにいたしましても、ことに温泉といわれておるようなところにも、うつかり入れないような、言語道断なおふろに私遭遇いたしました。と申しますのは、実は東京にも三本筋のちよろちよろつた旅館だか温泉だか、ややこしいところがございます。これについてもひとつ監視していただかなければなりませんが、このごろ一流の温泉宿連れ込み客が非常に多くなりまして、連れ込み宿とごつちやになりまして、極端に申しますれば、売春婦を連れ込んで入られるような、それが温泉地帯とあらゆる料理旅館等に非常に多い。でありますから、私たちふろに行きましても、どうもうつかり朝から入れない。ふろに入る前に考えてみると、実にどれだけ黴菌がいるかわからないというような寒心にたえないようなふろが多い。とまつている人たちの顔を見ると、実に怪しげな顔の人たちが多い。だから、ぬぎかけたゆかたをもう一度着て、入らないで帰つたことがたくさんあります。ぜひ局長にきびしい取締りを、料理旅館であるとか、旅館であるとか、温泉だとか、浴場に、最近あらためて指令を出すなり、何を出すなりして、出先機関をしてひとつ監督を行き届かせていただきたいという気持を持つておりますので、それに対してどういうふうにやつていらつしやるか、局長のお考えをお聞きしたいと思います。
  15. 山口正義

    山口(正)説明員 ただいま御質問の点は、先般も、これは旅館ではございませんが、公衆浴場性病に感染したというような場合も出ております。しかし実際に東京都内で起りましたときには、私どもも現場に行つて調べてみましたところが、どうもそれではつきり感染したというような証左は、認めることがちよつと困難な状態でございます。しかし東北地方のある温泉地におきましては、そういうふうな状況がはつきり証明されているところもございます。これは過去数年の間に、ときどきそういう状況もございますので、私ども公衆浴場法を運用しておりますが、たとえば湯の量、湯の温度、あるいは洗い場の状況というようなことについて、地方環境衛生監視員を通じて、十分指導させるようにいたしております。しかしまだ御指摘のように、なお不行届きな点もあるかと存じますが、一部におきましては、少し行き過ぎであるというふうな声も聞いておりますので、これは行き過ぎのないように、またそういう手抜かりのないように、十分今後指導して参りたい、そういうふうに存じております。
  16. 堤ツルヨ

    堤委員 念のために申し上げておきます。これは観光関係の方に申し上げていいことかと思いますが、私がことに痛感しておりますのは、観光地指定されておるところの料理旅館であるとか、温泉旅館とかいうようなところに、もう少しはつきりああした客の種類を制限するような手が打つていただけないものか。と申しますのは、あまりにも連れ込み宿化しているのです。私らは、連れ込んで行く必要がないから、こういうことを申すのかもしれませんが、非常に危険性の多い人たちがあまりにも多い、たとえば家族で静かに保養したいという目的で行きましても、ほとんどいやになつてしまうような場合が非常に多いのです。旅館名前は伏せておきますが、私が九州に行きましたときに、天皇陛下が行幸になつたときにおとまりなつた宿屋だと、しきりに自慢をしておりましたが、ところがその晩のお客の八五%は怪しげな連れ込み客職業婦人で、私らのごときは一部しかおらない。私はそういうのを見ましたときに、そういう人たちがあるのに、そう文句を言うのはどうかと思いますが、やはり環境衛生上、旅館ふろ場一つにしましても、私はもう少し監視の眼を光らしてもらう必要があるのではないか、社会教育上からよろしくないというような気持も持つておりますので、その辺何とかならないものか。ああいう専門のところをこしらえる必要があるのではないかと私考えたりしておるのですが、ひとつそういう点、地方府県庁あたり取締りをやつていらつしやる方々に、はつきりした文書は書けないでしようけれども、良心的な監視をなさるように御指示をしていただきたいということを、ことに婦人立場から申し上げておきます。
  17. 山口正義

    山口(正)説明員 公衆浴場法あるいは旅館業法等で、いろいろ施設の面を取締つておりますが、御指摘のように、客の種類を制限するということは、なかなか困難だと思います。
  18. 砂間一良

    砂間委員 どういうふうに取締つておられるか、具体的な措置を聞きたいと思う。これは単に笑いごとではなくて実際非常に多いのです。たとえば、せんだつて静岡県の伊豆の下田で、非常に小さい子供性病に感染したという事実がありまして、これは新聞にとても大きくでかでかと取扱つていたのですが、これは職業婦人といえば人聞きがいいのですけれどもパン助がまつ昼間から入るのです。普通の人が入らないときに、ふろが沸くやいなや一番先に入つて梅毒の菌を一ぱいまき散らかすわけです。浴場の方では特別に料金を余計もらつておるらしい。普通の人は十円とか十五円で入れるのですが、そういう人たちは非常に余分に金を出しておるらしい。そういう関係浴場旅館の方でも、そういう人を断るどころか、歓迎しておるらしいのですが、そのためにあとから一般の人が入つて来て感染したというような例がたくさんあります。伊東の温泉でも何かそういうことが新聞に出ていたと思います。最近パンパンが非常にふえまして、そういう性病感染率か非常に多いわけです。これは善良な止直人たちが非常に迷惑しておるわけですから、何かはつきりした一つ取締り指令か何か出して、厳重に取締る必要があると思います。  もう一つプールですが、静岡市で、これは去年の夏のことでありますけれども学校児童プール行つて何百人かトラホームに感染したことがあります。プールの中の水が腐敗しておりまして、そこで最初一人か二人のトラホームの人が泳いで、その黴菌がずつと入つて行つた。そういうふうに新聞には出ておりましたが、そういうふうな例が非常に多いわけなんです。これは単に適当に処置するなどということでうつちやつておく問題でないと思うのですが、ひとつ当局方針を聞かせていただきたい。
  19. 山口正義

    山口(正)説明員 ただいまの御質問の、監視のやり方でございますがこれは各保健所環境衛生監視員がおりまして、それが出向いて参りまして、公衆浴場につきましては、湯の温度と、ときそそこの細菌的な検査をするというようなこともいたしますし、また直接目で見える施設につきましては、それぞれの指導をいたしております。ただ、先ほども申し上げましたように、客の種類を制限するということは、なかなか困難な問題でございます。それからプールの問題にいたしましても、私どもの方で、そのプールの水の清浄度を保つということについて、実際にそこの細菌を調べたりなんかして、指導をいたしております。ただブールから直接トラホームが感染したかどうかというようなことを断定いたしますのは、なかなか困難な問題ではないかと存じますが、いずれにいたしましても、プールの水を清浄に保つということは、これは公衆衛生上必要なことでございますので、私どもの方では、環境衛生監視員を通じて、それを指導させております。
  20. 丸山直友

    丸山委員 関連してちよつと……。今プールの話が出ましたのですが、せんだつて新聞で、学校プールの問題が出たのであります。学校プールなんかは、最近厚生省所管になつておりますか、文部省の所管になつておりますか。
  21. 山口正義

    山口(正)説明員 学校のいろいろの施設、ただいまお話のございましたプール、あるいはそのほかの施設の衛生問題につきましては、学校長が責任を持つていろいろ監督をいたしおりまして、それに対して技術的の援助を受けるというような点につきまして、学校教育法の中に、そういう条文がございます。協力態勢ができ上つております。また府県衛生当局の目から見まして、積極的に何か申入れをしなければならぬというふうなときには、それに対して申入れをするという建前になつております。
  22. 丸山直友

    丸山委員 これは事実であるかどうかわかりませんが、せんだつて新聞に書いてあつたのでございます。学校プールで調査してみたところが、学校児童自分学校プールへ入つている場合に、二二%はプールの中で小便をするということが書いてありました。上つて小便をしに行くのは非常にめんどうなので、見えないものですから、水の中で小便をしている。実際二二%ぐらいはやつておるそうです。こういうふうなことは、学校教育の問題で、厚生省所管ではありませんが、やはり保健所がそういうふうなことにタッチなさつておやりになるのでしたら、その辺まで御指導なさつて教育面からも適当な御指導あるように、ひとつ御連絡願いたいと思います。
  23. 松永佛骨

    松永委員長 他に御発言ありませんか。
  24. 高橋等

    高橋(等)委員 食品衛生の方面の、いろいろの省令的な定めが出されております。これにつきましては、いろいろとその後実行されまして、大分食品衛生の面は、戦後見直すようになりつつあると考えます。指導におきましては、行き過ぎの面もありますが、大体監視員等の定員が、非常に少いといようなことが原因で、まだ十分と申すわけには行きません。しかし、大体におきまして進歩しつつあるものとしてわれわれも喜んでおるのでありますが、この点につきましては、また後刻機会を見まして、詳しくお尋ねをいたしたいと思います。本日は、ただ一点だけ、牛乳低温殺菌という問題につきまして、お尋ねをいたしたいのであります。牛乳殺菌につきまして低温殺菌制をとるような通知を出されて、それを実行に移されておるようであります。現在どの程度までこれが実行されておりますか、大体の見当をお聞かせ願いたいと思います。
  25. 山口正義

    山口(正)説明員 ただいまお尋ねの、牛乳低温殺菌の問題でございますが、牛乳殺菌方法といたしましては、省令におきまして低温殺菌高温殺菌との二通りを取上げているのでございまして、六十二度ないし六十五度三十分間、これを低温殺菌と申します。それから七十五度以上十五分間、これを高温殺菌というふうな便宜上名前をつけているのでございますが、省令の上ではどちらの方法をとつてもさしつかえないということになつております。低温殺菌にいたしましても高温殺菌にいたしましても、殺菌目的は達成いたしますが、ただビタミン等保存というような栄養学的な面から見ますれば、低温殺菌の方が好ましいというふうに奨励をいたしているのであります。先般も、この点につきまして、知事会議で御質問が、ございましたが、決して低温殺菌を強制しているわけではございません。そういうふうに御了承を願いたいと存じます。なお、低温殺菌が現在日本の中でどの程度普及しているかという点につきましては、牛乳の量の上から見ますと、殺菌されております全体の量の七〇%が低温殺菌で行われているというような状況であります。
  26. 高橋等

    高橋(等)委員 ただいまの御説明は、処理基準に関する御説明だと思うのですが、保存基準というのは、牛乳殺菌して、それを業者保存をする意味基準でございますか。
  27. 山口正義

    山口(正)説明員 さようでございます。
  28. 高橋等

    高橋(等)委員 そうすると、これは摂氏十度以下ということで冷却保存をしろということになつている、ところが低温殺菌をいたしましても、一般家庭牛乳が配られまして、そうしてその家庭でその牛乳を飲むという場合は、配られてから相当時間がたつのではないか、そうすると処理においては低温殺菌をしておつても、実際にこれを飲む場合には、もうその意味がなくなつているのではないかというようにも考えられますが、そうした心配はないのですか。
  29. 山口正義

    山口(正)説明員 御指摘の通りの問題が残されております。これは牛乳の配達を受けましたならば、家庭においてなるべく冷たいところに保存し、そしてできるだけ早くそれを飲むというふうに、指導をやつて行かなければならぬというふうに考えております。
  30. 高橋等

    高橋(等)委員 そこで、その低温殺菌をやりましても、実際に日本の現在の家庭の実情としましては、不完全な牛乳を飲まねばならぬというのですが、なるほどこれは低温殺菌というのはけつこうですが、設備に相当の費用を要する問題だと思うのであります。その設備に対しまして、弱小の業者は非常な苦痛を実は訴えております。これらにつきまして、何らか政府は、こうした省令をおつくりになる以上は、これらのものの保護を考えていただいて、融資のあつせんその他について、いろいろ手をお打ちになつておると思うのです。その状況を承りたいと思います。
  31. 山口正義

    山口(正)説明員 ただいま御指摘のように、施設の整備をいたしますのに、ある程度の経費がかかります。非常に零細な業者は、それに耐えられないという問題も起つて参りますので、一つ方法といたしましては、でき得ればその業者が、統合いたしまして、比較的大きなものにして、施設の整備をやつてほしいということ、もう一つといたしましては、ただいま御指摘のように、金融機関を通じて融資をしてもらうということを、私どもの方であつせんをいたしまして、大体全国から希望をとつたのでございます。その希望の額は非常に大きくなりましたが、いろいろ金融当局と折衝をいたしました結果、とりあえず大体七億の金融をやつてもらうことになりました。現在どれだけ現実に金融してもらつておるかということは、報告を今とりつつあるのでございますが、まだ的確な数字をここで申し上げることはできないのでございまして、まだ十分に企図した通りに金融を受けているかどうかということは、申し上げかねると思うのでございますが、ただいま手元まで来ておりますのは大体二億ぐらいのところ、金融をしてもらつておるというふうな報告を受けております。
  32. 高橋等

    高橋(等)委員 はなはだ行き届いた御処置で、敬意を表しますが、実は私たちがいろいろ地方状況を視察し、また陳情を受けておりますのでは、現実には金が出ておらないのであります。非常に金が出ておらない。一方低温殺菌をやれといつて責められる。ところが自己資金でやれる人は、何とかしてやつておりますが、やれない人もたくさんあります。そこで、監督立場に立つておりまする県の衛生方面では、無理にやらそうとすれば金がかかる、そうかといつてこれをやらずにほうつておけば、今まで無理をしてやらせた人が犠牲を負わなければならないというので、非常に立場上困つておるようであります。なお、資金のあつせんその他に、十分なる御努力をお願いいたしまして、私の質問を終ります。
  33. 堤ツルヨ

    堤委員 昨日新しい大臣の橋本大臣がお見えになつておりましたときに、私国立の病院並びに国立の療養所の問題について質問並びに希望を申し上げましたが、非常に私が長時間の発言をいたしましたので、恐縮に存じておりました関係上、言葉が非常に行き届かなくて、誤解を招いた点があるようでございますので、きようはひとつその点私の考えをはつきり訂正させていただきたいと思います。と申しますのは、実は現在の国立病院並びに療養所は、私から言わしめるならば、実にその内容がなつておらない。これは国の財政との関係もあるから、まことにいたし方ないことであつて、はなはだ遺憾なことであるが、これに何とか手を打たるべき新しい段階に来ておるのではないか。民間のものや、また私立のものに比べまして、実に行き届かない、情ない現在の状態を救うのには、どうしたらいいかという、その研究が大切である。大臣は、なるべく多く、一つでも多く地方に視察されて、何とか手を打つていただきたいという希望をもつて申し上げたのでございまして、あるいは方法としては、いろいろな方法考えられるだろうと思う。たとえば、どうしても金が足りなければ、私の常日ごろの考えといたしましては、各都道府県に二つも三つもあるところは、これを一つに減らして、予算をその一つに集中して、そうしてほんとうにモデル・ホスピタルに仕立て上げる。但し、一つ上かないところは、その最低の線を守つて、それを絶対に廃止してはいけない。さらに中央に厚生省がじつとしておつたのでは、どうしても目が届かない、だから充実しない。であるがゆえに、地方の力をあらゆる角度から借りて、これを国と地方とが協力して充実して行く手もあるだろう。地方に権限を移管して、そうして協力してこれを改善して行く方法考えられる。その権の権限という言葉を抜かしましたので、今の国営のものを地方に移管してしまつて、国営を廃止するというような解釈をなさつた方が、あるいは聞いていてくださつた方の中にはあるかと思いますが、そういう意味で申し上げたのではありませんから、特にその点を、きようは発言を許していただいて、私の意のあるところをはつきりさせていただくわけであります。どうかその点、ひとつ大臣おいでになりませんが、御研究になるように、ひとつよろしく委員長からお願いいたします。     —————————————
  34. 松永佛骨

    松永委員長 次に国立公園に関する件について、委員岡延右エ門君より発言を求められておりますので、これを許します。岡委員
  35. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 実はこの問題は、公園部長ではちよつと質問にならないと思う。なぜならば、大臣はこれに賛成の態度をとつており、部長は、仄聞するに反対の態度をとつておる。大臣立会いの上でなければ、質問にならぬと思うのですが、大臣は来られませんか。
  36. 森本潔

    ○森本説明員 大体大臣の意向はわかつております。
  37. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 それでは、私は不満ですが、申し上げます。実は御承知の通り新宿御苑に国民プールなんかを建設しよう、こういう問題であります。私は、実はふだんは文部委員をしており、かつスポーツ議員連盟の一員でありますので、これに対しては特別の関心を持つておる。御承知の通りあの古橋選手の一行が、まだ日本がそのときは非常に暗かつたのでありますが、ブラジルに行き、あるいはハワイに行つて、そうして溜飲を下げた。これは暗雲とじ込める中に、一縷の光明を認めたような感を、われわれは持つたのでございます。ところが御承知の通りヘルシンキの五輪大会が来年に迫つておる。ところがこの間の日米対抗等を見ましても、日本の特技であつたところの跳躍、そのうちの棒高跳びにつきましては、アメリカの後塵を拝するようになつておる。その他トラツク、フィールド、またバスケツト、サツカー、ああいう球技においても、とうてい勝算がない。そうしてみると、残された問題は、ただ一つ水泳あるのみである。これはわが日本人の体格と、それから畳にすわるという生活様式、こういうところから来て、そこに強味があるのではないかと思うのでありますが、とにかく最後に残されたものは水泳であるという意味において、われわれは水泳というものを非常に重視し、かつその修練場であるところのプールというものに対して、重大なる関心を払うべき立場にあるのであります。さて部長さんは、国民プール建設委員会というものがあつて今その会長は欠員でありますが、その副会長は自由党の中でも最も長老である星島二郎君、それから民主党の笹森順造君、参議院の島津さん、こういう方々であり、顧問、常任理事あるいは理事、こういうものには衆参両院のおそらく二百名ぐらいが、参加しておるのでありますが、そういう事実を御存じですか。
  38. 森本潔

    ○森本説明員 最後の結論のお話の、国民プール建設委員会というものができておつて国会関係者がそれに入つておられることを知つておるかというお尋ねでありますが、ここの問題につきましては、昨年の六、七月ごろ、最初国民プール建設委員会というものができております。それがどうなりましたのでございますか、先日プール関係の方が大臣それから次官の方へ見えましたそれによりますと、国民プール建設会ということになつておりますが、その名簿等を拝見しますと、今お話のような方が入つておられることも存じております。
  39. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 そこで、最初は委員会でございました。それは御答弁の通りであります。ところがそこに至るまでには、いろいろ衆参両院議員が署名をいたした。たしか百九十何名、約二百名でございますが、その中には前厚生大臣黒川氏も、現厚生大臣橋本氏も入つておる。そこで私は、大臣にここにどうしても出てもらつた方がよろしいと、こう思つたわけです。署名をしておられるという事実を、あなたは御存じありますか。
  40. 森本潔

    ○森本説明員 その事実は、私もよく確認はいたしておりません。別に話も聞きますけれども、確実に署名されたかどうかということはよく確認いたしておりません。
  41. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 それはいずれお目にかけますから、その点は認識を新たにしていただきたい。前厚生大臣も、現厚生大臣も、それに賛成の署名をしておるという事実を確認してもらいたい。  それから、御承知のように新宿御苑の処理方針というものは、昭和二十二年十二月二十七日の閣議決定事項——これは旧皇室園地の運営に関する件——これは片山内閣の当時であります。それから第二回は昭和二十三年の十二月二十八日に、また閣議がこの問題について開かれております。それでその第二回目の閣議の席上におきまして、旧皇室園地運営審議会というものが結成されております。その会長は総理大臣たる吉田茂氏でありまして、その名において総理大臣たる吉田茂氏に答申といいますか、意見具申といいますか、行われたのが昭和二十四年四月二十日でございます。そしていろいろございますが、新宿御苑に関しましては、八項目があげられております。そのうちに国民プールと関連があるだろうと思われるところを申し上げますると、第三に、なるべくすみやかに「次の諸施設を設けること、児童遊園、国民広場、休憩所、水飲場、駐車場、便所等」こうあるのであります。ところが問題は運動広場という問題であります。この運動広場というものを、前の公園部長であるところの飯島さんは、これは施設を含んだところの運動広場である、こういうふうに積極的に広義に解釈いたしまして、あの飯島公園部長はその現役の身において、その資格において、あの委員会に参画をしておる。積極的に参画をしておつて、これをつくることは賛成である。ところが飯島公園部長が外遊しておる間に、おそらくあなたがあずかつてつたのじやないかと思うのでありますが、公園部の名において、それは反対であるというような申入れか何かが行われたそうでありますが、そうでありますか。
  42. 森本潔

    ○森本説明員 それでは、少し従来の経過を申し上げましたら、よくわかると思いますから、簡単に申し上げます。昨年の六、七月ごろだと思いますが、当時実は私総務課長をしておりまして、このことにはタツチしておりません。仄聞いたしますところによりますと、委員会ができましてプールをつくるという話があつたのでございますが、役所の方といたしましては、正式の申請等は出ておりません。関係の代表の方が見えまして、厚生省所管しておるが、どうであろうということの意向を打診しております。それが今お話の通りの飯島部長さんの洋行前の話じやないかと思います。それからいろいろ正式な話もないので経過しでおつたわけでありますが、だんだん様子を聞きますと、あるいは厚生省の方においては許可するという意向もある。それから当時印刷物が非常に広範囲に配付されまして、それによれば、知らない人が見れば、すでに厚生省が許可しておるのではないかというような印象を与えるような文句もあつたようであります。それで厚生省といたしましては、これは飯島さんが不在中かと思います。当時かわりの課長が代理をいたしておりまして、いろいろ相談をいたしました。それからこの問題につきましては、建設省も関係しております。あそこの建設関係は、建設省がタツチしております。それで両省いろいろ相談をいたしました。それから事務当局のほかに、次官と大臣の意向も伺いました。そして、これは誤解を与えてはいけないし、間違いがあつてもいけないというので、正式に申請はないのですけれども、役所の意向を伝えておくことが必要ではないかと考えまして、九月の二日に、厚生省国立公園部長、建設省の都市局長の両名で、国民プール建設委員会あてに、公文で一応伝達いたしました。その内容を見ますと、国民プールを新宿御苑内に建設することについては、現在のところ許可しないことに決定したので通知する、こういう書類を出しております。この書類を出しますにつきましては、いろいろあとに問題が残つてはいかぬというので、大臣、次官の決裁もとりまして、両部局長で通知をいたしました。こういう形式をとつて来たわけであります。それで役所の方としましては、当時の責任者にそういう意思表示をしてございますので、一応これでいいのではないかと考えております。その後いろいろ個人的に、実は自分プール関係者になつておるのだが、厚生省の意向はどうであろうとかいうことを、お話に見える方もございましたが、その都度、大体今申しました両省の決定の趣旨をお伝えいたしておるわけであります。その後私たちの方には正式にプール委員会の方から、あるいは建設会の方から、何の連絡もございませんし、どういう動きがあつたかということも了承いたしておりません。新大臣になりまして、この四、五日前でしたが、その代表の方が大臣のところへ見え、それから次官のところにも見えました。それから地元の新宿区の方でしたか、その代表の方も見えました。そのときに初めて機構のことや、経過について知つたわけでございます。それで大臣、次官ともに、従来の既定方針でやつてよろしい、かえないという意思表示も、そのとき代表の方にしておられました。大体そういう事情でございます。
  43. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 その委員自体は弱体であつたし、若干の誤解も世の中にあつたようでありますが、最近改組拡充されまして、非常に性格がかわつて来ておりますので、その点、今度御認識を願いたいのであります。これは非常に一般に誤解されておつた。それが難航しておる原因であろうと思うのですが、実はこの国民プールというものは、あの御苑の真中に設置されるかのように初めは考えられておつた。ところが、ほんとうはあの新宿御苑の十九万坪のうちわずか四千坪で、ちようど西北端にあたりまして、何もじやまにならないのであります。かつて四谷第二中学校と新宿高等学校の両校に運動場として分割譲渡したあの隣接地でありまして、ちつともじやまにならない。実は参議院の建設委員会が去年の十月二十日にこれを視察して最初は非常に誤解があつた、ところがこれは向さしつかえないという結論に達しておる。それからこれに続いて、初めからこのプール建設に非常に反対であつたところの風景協会並びに庭園協会の理事の参議院議員であつた故橋本萬右衞門氏、あるいは本多静六博士、田村剛博士、これらの方々も実は反対であつた。ところがこれらの方々が、一行十六名で現地を視察されたのですが、その方々は、最初は全然現地をごらんにならなかつたのですから反対しておられたのでありますが、その結果何ら風致上プール建設はさしつかえないという結論に達せられた。このこともあなた御存じであろうと思うのですが、どうですか。
  44. 森本潔

    ○森本説明員 実際に今申された方々が、視察されましたかどうか、私はよく知りませんが、実は今お話の点に関連いたしまして、事務経過報告書というものを、この間陳情に見えまして、いただいたのであります。その中に、今お話のようなことが実は書いてあつたことを、私も拝見したのであります。それで、せつかくこういう文書が来ましたので、一応わかるところは事情を聞いてみようと思いまして、聞いてみたのでありますが、ここに書いてあります、十月二十一日、——今朗読されました通りでございますが、本多静六博士、田村剛博士というのがございますが、実は本多さんは連絡がつきませんので、田村博士がやはりごらんになつたかどうかということと、それから事務経過に書いてあります通り、風景協会としては賛成されたのでありますかということを、実はお聞きしたわけでございますが、どうもそうじやないような趣旨の説明がございまして、見に行くことは行つたけれども、賛成の意向は表しておらない。最初通り反対であるということを田村剛博士は言つておられました。この点につきまして、私の知つておるのは以上であります。
  45. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 それから今年の五月二十六日、これはここにおられる厚生委員長松永佛骨さん以下五名の委員、それから同じく六月一日には文部委員長の長野長廣さん以下六名の委員、これらの方々がおのおの現地を視察されたのでありますが、結果は、そのプール建設には何らさしつかえないという結論に達しておる。これはもう歴然たる事実でありまして、ここにおられる松永委員長のごときは、あの現場を見たならば、百名中百一名までは賛成されるであろうというようなことをおつしやつたそうでありまして、百名プラス・アルフアー、これはどういうことになるか、私は数学はわかりませんが、だれでもみな賛成されるはずだということを、委員長は個人としての資格でしようけれども、感想を漏らされたそうであります。われわれもあの現地を見ましたけれども、これが風景を損ずるというのは、ちよつと認識が違うではないか。あの自然美に人工美を加えることによつて、かえつて風致を添えるというのが、われわれの結論である。  それから、大体あなたにも責任があるのでしようけれども、あの管理が非常にでたらめである、まつたく荒廃に帰しておる。あれにこういつたような人工美を加えたならば、一つの森厳さが加わるために、ああいうようにパンパンなどに荒されることはない。御承知でしようが、あの隣接地である神宮外苑ですか、あそこは野球場あり、水泳場あり、競技場あり、また絵画館等もあるのでありますが、あそこは何となしに神聖感がある。だから同じ隣接地であるにかかわらず、あそこはあまり。パンパンに荒されていない。いろいろなものに非常に悪いあれはない、むしろそういうことによつて浄化されるのではないかと思う。ちよつと認識が違うと思うが、どうですか。
  46. 森本潔

    ○森本説明員 その点につきましては、認識が違うと思います。それでちよつと説明を申し上げますと、あの庭が荒れているじやないかというのですが、これは事情を御承知かもしれませんが、ひとつ状況報告しておきます。  御存じの通り、あれは終戦後物納になりまして、当分の間東京都が管理しておりました当時の状況をごらんになつた方は、よく御存じだと思いますが、それは非常にひどいものでありまして、あそこは全部芝ふが掘り返されますし、いもをつくつたり、ちがやがはえたりして荒れほうだいであります。それでこれを国民公園として開放するという閣議決定がございましたが、実は厚生省は、そういう命令を受けましても、さつそくに開放する自信がなかつた。と申しますのは、見せるわけに行かない。木はいたんでおる、それからかつらが巻いておる、雑草が一ぱいである、とにかく見せるわけに行かないというのが、当時の状況でありました。それで何とか一応当座の手入れをして行きたい。それから御存じの通り芝ふというものは、ぜに金をかけましても、できるものではないのでありまして二年、三年という日をかけなければ、木でもそうであります、自然のものはみなそうでございますが、よくならない。それが引継ぎまして二、三年の間、大体最近におきましては、見られるようになつたのではないかと思います。それで、戦前のレベルに達つしておるかどうかというと、まだ達しておらない。今後ひとつこれを従来の姿に返さなければいかぬというので、努力しておるのであります。荒廃の状況につきましてはひとつこういうことで御了承願いたいと思います。それから今申し上げるように、これは半年ごとあるいは三月ごとにだんだんよくなつて参りますから、一年前にごらんになつた感じと、今日ごらんになつた感じとでは、よくなつて来る状況が非常に違うと思います。そういう点もごらん願いたいと思います。あそこにプール等をつくつたならば、非常によくなるのじやないかというのは、これは認識の問題だと思います。  それで先ほど御朗読になりました閣議決定の趣旨としますところは、こういうことであります。新宿御苑と申しますのは、日本だけでなしに、世界的に有名な庭でございます。そしてこれを維持管理する方針としましては、そういう世界的な名園をそのままの状態に置きまして——そのままと申しますのは、作成の当時の状態においてこれを保存して行くというのが方針でございます。こういう名園になりますと、あとで手を加えてよくなるということは、ほとんど考えられないのであります。と申しますのは、たとえば、例は当らないかもしれませんが、りつぱな絵かきが絵を描いた。少し黒が薄いので、濃くしようと、あとでしろうとが黒を濃くする。そこでよくなつたかというと、そうではない。なかなかあれだけの庭を一つの構想をもつてつくるというにつきましては——これは若干のあき地もございます、道路が広過ぎるということがあるかもしれぬ。ありましようが、これはやはり全般的に大きな構想のもとと、十八万坪というものを一つの庭につくり上げるという一つの大きな芸術でございますので、それにたまたまあき地があるからそれをこうしたらどうかということは、なかなか困難で、むしろいためるという結果しか起らぬのじやないか、そういう趣旨でこの閣議決定、それから審議会の答申はされたのであります。一種の史蹟名勝天然記念物と申しますか、そういう考えでやり出したということになつております。そういう方針でやつておりますがゆえに、あそこに新しい施設をつくるというようなことは適当ではないだろう、こういう方針でやつて来たのでございます。
  47. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 森本部長さんは、昨今行つてみると、非常によくなつておるという話でありますが、これはきのうの読売新聞でございます。「街の声」、「粛正したい新宿御苑」というのに、これは非常に簡単な文章でありますが、よくそれを表わしていると思う。「新宿御苑が戦後開放されたのは都会の雑騒から逃避する都民の憩いが目的であつたが、最近では晝間広大な苑内の樹陰が到るところアベツク、パンパンが風紀を公然とみだす野天ホテルと化して学童の遠足などには誠に困りもの、先生はじめ付添いの者まで真つ赤になる光景がここかしこに演ぜられ「粋宿獣苑」と名を改めざるを得ない、まして夜間開園はもつての外、当局の一考ならず二考、三考をわずらわしたい」もつていかんとなす、あなたの感想を伺いたい。
  48. 森本潔

    ○森本説明員 私も、ときどきあそこへ参りまして、現場を承知しております。それでこの投書された方は、そういう事実を知つておられるのかと思いますが、どういう事実を目してそういうことになつておりますか、大体アベツクといいますか、男女の人がすわつておるというということは、私もよく見ておりますが、それ以上醜体でどうとか何とか、学生がどうとか、どういう事実をそういつておるのか知りませんが、そういうひどいことは、私はないように考えております。しかし、ここにはいわゆる若い青年男女が行つておることは確かでございます。しかし醜態がどうで、名前をかえねばいかぬとか、そんなことを、しかも白昼でございますので、私はそういう事実を見たこともございませんし、また係の者に聞きますが、とにかく白昼であつて、男女がおつても、それはすわつておるだろうけれども、今お話のようなひどいことはないだろうと私は考えております。
  49. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 それはともかくといたしまして先ほどから申しました通り、二百名以上の署名があり、そうしてまた今役員等に百余名の衆参両院議員もなつている。前の委員会当時と今はすつかりかわつていて、常任理事によつてその会の方針を運営するということが一つと、それから何かあすこには営利も若干許可されているように聞いておりますが、それはほんとうかうそか知りません、お答え願つても、けつこうですが、これは何億かかりましようとも、完成のあかつきには、国に一切帰属せしめる、だれが私益をむさぼろうというのでもない。その点を十分認識していただきたい。  それからもう一つ、世界的云々というお話でありますが、その世界的名園の一隅に、壮大なプールをつくり、スタンドをつくつて世界のお客さんを迎える。五輪大会等も東京に招致したいという希望を持つておることは明らかでありますが、そうなればなおのこと、あのりつぱな地域の一角にこういうものをつくつてそして自然美に人工美の風致を添えたい。あの神宮外苑の人工美に対して、野球場あるいは水泳場、競技場等が、いかにりつぱなハーモニーを保つているかということを、あなたはエンジニアであるか文官であるか私はよく知りませんが、これは少しわれわれと認識が違うのではないか。われわれが見て、松永委員長が言われた、百名のうち百一名までが賛成であろうという、そういう考え方を持つているところへ、役人がただ一人傲然と胸を張つておれは反対でござるというのは、民主的国家の官吏であるかどうか、それも考えてもらいたい。あなた方がそう反対するならば、来るべき臨時国会において決議文を突きつけるかもしれない。そこまで行かないうちに、適当なところで妥協されたらどうですか。現厚生大臣の橋本君を、私は呼びたい。あの人は主義主張に忠実だということを言つている、それに敬意を表している。だから、いかに彼が主義主張に忠実であるかを、この事例をもつてはつきりしていただきたい。だから、厚生委員長は、適当な機会に大臣においで願つて、その心境を聞きたい。次のあれもあるようでございますから、大体の辺にしておきます。
  50. 金子與重郎

    金子委員 関連して……。五分しかありませんから簡単に申し上げます。問題は二つであります。一つ国立公園の問題、一つプールの問題であります。このプールのことにつきまして、私別に今岡さんの御意見というか、お話に反対する立場でもなんでもないのであります。私も署名しておりますから、反対ではありませんけれども、私東京に来ておりまして、一番嘆かわしく思うのは、東京都内にありますところの開放された名園、あるいは六義園であるとか、あるいは後楽園であるとか、新宿御苑ももちろんその一つに入りますが、そういうものが戦後めちやちやに荒れてしまつていること、そして戦後において、りつぱな建築ができますけれども、かりにこの国会議事堂を一つつて、高さが高いとか、金がたくさんかかつたとか、大きいとかいつても、そんなことはちつとも誇りにはならない。東京で誇りになるものはあの名園は誇りになる。こういうものに、もつと力を入れるべきだと思います。競技場というようなものは、それは金をかけたら、どこへでもできる。電車に乗ればどこへでも行ける。それを名園を壊してまでするのは、私も反対だ。その点は、私も厚生省意見は同じでありますが、ただこの問題は、将来に残されるでしようけれども、話が出ましたから申し上げるのでありますが、希望としましてはもし御苑にああいう競技場のような殺風景な鉄筋コンクリート——見方によれば近代的だといえるが、金さえあればいつでもできる。そういうものをつくるとするならば、後楽園の二の舞を踏まぬように、画然と環境の違うものをつくつてもらいたい。そういうことで、私はつくることは別に不賛成じやない。またいいことでもありましようが、つくるときには、私は自分の体験から行きましても、かつては後楽園にも、常に散歩に出たのでありますが、最近はあおがちやちやの隣にある後楽園には、行く気にならなくなつた。また今の部長の話では、パンパンはないだろと言うけれども、それはうそです、実際あるのです。これは私は一週間ほど前に六義園に行つて、あの園丁と日陰でしばらく話したのでありますが、戦後パンパンがおつて、ささや何かの中で風紀を乱して困つた、しかしながらだんだん公園の管理がよくなるに従つて最近よくなつた、こういうことを言つております。そのパンパンの問題も、風致の問題であります。また庭園の芝ふの上に、くつで平気で上るような、そういう女がいるようなことは間違いでありまして、これは戦後の日本の道徳がまた元にもどることによつて、日本独特の庭園というものが保存できると思いますので、この点は相当あなたの方でも考えていただきたい。プールにつきましては、つくることに対しては不賛成じやない。もしおつくりになる場合には、自然の境地というものと、人工的ながちやちやした環境というものと、まつたく要素が違いますので、環境を別な形に置けるように設計しなければいけない。やがてこの問題で会議にかかりますならば、そういう意見を主張したいと思いますから、それを申し上げておきます。  それから最後に一つ、この間九州に行きました。長崎県の雲他の問題でありますが、去年から問題になつております世生的な産業としての硫化鉱の採掘権が問題になつておるのであります。最近国政調査に参りましたら、向うでは一応六箇月で期限が切れておるけれども、向うの鉱山主が非常に政治力を持つておるので、厚生省がまたどういう態度をとるかわからぬが、それに対して一応確かめておいてほしい、こういうことを地元で言われて参りました。私は硫化鉱の生産量がどのくらいであるかということは、わかりませんが、とにかく私も群馬県の温泉地にいるだけに、温泉のボーリングや、温泉の掘り起しによつて、非常な異変が来ることは毎日見ておりますので、相当慎重な態度をとらなくちやならぬと思いますが、それに対して今どんな段階になつておりますか。
  51. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 偶然にも二つ関連して参りましたから、ちよつと申し上げます。私もあの新宿御苑にプールのほかにいろいろなものをつくることは、これは反対であります。ちようどあの箇所に一箇ぐらいつくることは、むしろ風致をこわすどころではない、ぼくはプラスになると考えるけれども、それ以上いろいろつくることは、それは反対であります。その点は金子さんとまつたく同感であります。  それから偶然にも雲他の問題が出ました。これは私の県でありまして、但し選挙区ではありませんが、私もこれを心配します。幸いにして、金子さんは厚生委員であり、私はきようは厚生委員ですけれども、本職は文部委員でありまして、やはり天然記念物があるという意味におきましては、重大なる関心を持ち、あれを掘ることは反対であります。でありますから、その点は厚生省と文部省とが両々相協力して、ああいう乱暴なことをさせないようにしてもらいたい。これは希望でございます。
  52. 森本潔

    ○森本説明員 いろいろ御意見、よくわかりました。それから具体的な問題としまして、雲他の話が出ましたが、これは期限が切れておりますが、申請がまだ出て参つておりません。出て参つたときの措置をしなければならぬと考えますが、今ブランクの状態であります。  それから先ほど御意見等がありました国民公園の問題は、新宿御苑にしましてもこれはひとつたちは、公園道徳と申しますか、公衆道徳の模範的なものに、国が管理したときにしなければならぬというので、今金子委員のお話のような線でやつておりますから、そのうちお行きになれば、少しずつ様子がかわつて、よくなつておるという感じを持つていただけるのじやないかと思つております。  それから先ほど岡委員からお話がございましたが、これは私一人が反対しているのじやありませんで、大体将来におきましては、部内としてはそういう意向でございます。私がそれを代表して申しておるのであります。それから将来としましても、前大臣、次官、それから現大臣、次官もそういう意向でございます。それから建設省においても、そういう意向でございますが、結局そういう結論が出て参りますのは、先ほど申し上げましたように、閣議決定を忠実にすれば、そういうことになるのでありましてその閣議決定の基本的な考え方がいいか悪いかという問題になつて来ると思います。その基本的な閣議決定の考え方をかえることが適当かどうか別でありますが、しからざる限りにおきましては、国家公務員というものは、忠実にそれを解釈してやつて行かなければならぬ、こういう結論になると思います。
  53. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 飯島さんは、積極的にこれに賛成です。これはここに証人として呼んでもよろしい。そうしてみると、飯島さんはそれがためにおやめになることになつたのですか、国家公務員として忠実でなかつたというわけですか。
  54. 森本潔

    ○森本説明員 どうもその辺の事情は、私よく存じません。こういう問題になりますと、いろいろ部内で研究いたして議論いたすのでありますが、これはいろいろございましよう。意見が各人若干の差はありましよう。飯島さんのことは、よく存じませんから御了承願います。
  55. 堤ツルヨ

    堤委員 いずれにいたしましても、広く開放されたものでありますから、大衆の世論を中心に、あれを使用したらよいと思います。でありますから、私も非公式でありますが、部長に御意見を承りましたが、大体において世論が、やはりあそこに国民プールを設定してもよいじやないかというような意向ならばひとり厚生省が変なえこじを張らないで、ひとつ御同意を得るように部長さん少し研究していただきたい、私はこう思います。大体の世論を聞いてみたらば、これはやはりあそこにプールをこしらえてもさしつかえないというようなところにおちつくのではないか、私はかように考えておりますので、いずれこの委員会で問題になると思いますが、先ほど岡さんは、一人傲然と部長だけが胸を張つて云々ということがありました。少し言葉がいかがかと思いますが、そういう感じを与えないように、無理のないように、なぜ厚生省はあんなに反対するだろうといつて、納得の行かないような態度をとられないように、今後のためにひとつつていただきたいと思います。
  56. 松谷天光光

    ○松谷委員 昨日部長に非公式に伺いましたが、国立公園審議会の改選の件であります。国立公園の決定にあたつて、審議会が昨年以来部長の御就任早々で事情が十分納得できないという理由のもとに、延びておられたように伺つておりましたが、今日になりまして審議会のメンバーの入れかえをなさつたというようなことをちらつと伺つたのですが、何かその辺には事情があつてそういう旧メンバーの解散、新メンバーの構成という、何かそこに新しい一つの問題が提起されてのことなんですか。その辺のいきさつを簡単でけつこうですから、伺つておきたいと思います。
  57. 森本潔

    ○森本説明員 審議会の委員には二年の任期がございまして、いやでもおうでも期限が来ますと一応改選ということになります。その時期が来たということでございまして、それが七月の十四日に消えております。そうして新しく再選しなければならぬ、それだけの事情でございます。
  58. 松谷天光光

    ○松谷委員 了承いたしましたが、その場合に委員のメンバーで相当の変化がございますか。再選される方が多いのでございましようか。あるいは次の決定はお済みなんでしようか、それともまだ入選中でしようか。
  59. 森本潔

    ○森本説明員 実はこれは申し上げるのはどうかと思いますが、追放解除との関係がございまして、従来からこういうことについての権威者も相当おられます。それでりくつから言えば、七月十四日にすぐ再選しなければならぬことになりますが、急にという事情もございませんので、そういう事情を勘案して再選と申しますか、選任していただいたらどうかと思つております。それからどれだけかわるか、これはいろいろ研究した結果でなければ申し上げるわけには参らぬと思います。
  60. 松永佛骨

    松永委員長 他に本件についての御発言はございませんか。——他に御発言もないようでありますので、本日はこの程度で散会いたしたいと存じます。  暑さの折から閉会中にもかかわりませず委員会を招集いたしまして皆様の御精励によつて開会することのできたことを、まことに喜びといたしております。なお八月にも適当の機会に日を選定しまして、委員会を開会しなければならない重要事項が二、三ございますので、日等を御通知申し上げますが、どうかその際も、万障繰合せて御参集を賜わりたいと存じます。まことにありがとうございました。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時六分散会