○
太宰政府委員 明年度の
厚生省所管の
予算につきまして、簡単に
概略を御
説明申し上げたいと思います。
お手元に「
昭和二十六
年度歳出事項別予算書」というものがございますが、これは二十六
年度二
般会計予算、この部厚いものの
項目を書きましたものでございまして、簡単な
説明をつけるようにという御注意がありましたのですが、手違いを生じましてそちらの方が抜けておりますので、おわび申し上げておきます。その一番
うしろの方を見てくださいますと、
厚生省所管の分の合計といたしまして、
昭和二十六
年度の
予算額が、締めて四百四十二億七千二百四万七千円になり、これを
昭和二十五
年度の
予算と
比較いたしますと、二十五
年度の
予算が三百四十一億八千九十五万四千円でございますので、差引百億九千百九万三千円の
支出増に
なつておるのでございます。
以下特別に目新しい分、ないしは非常に額の違いました点を申し上げたいと存じます。
最初の
ページ——左側の方に番号が打
つてございますが
——最初は
厚生大臣官房でございまして、ここは格別取上げて申し上げることもございませんので、略させていただきまして、次の十二番、
公衆衛生局に入ります。
公衆衛生局の方におきまして、十二から三十までのところは、大体
本省費でございまして、三十一から以降が
補助費というようなぐあいにわかれてございます。その中で目新しいものといたしまして、二十番に
精神衛生対策強化に必要な
経費というのがございます。これは先般、昨年の国会で通りましたところの
精神衛生法、これに基きました
予算措置でございまして、これはその中の
本省の
審議会、
講習会、
協議会というような
事務費でございます。なおこのほかに、ついでにこの
精神衛生だけ申し上げさせていただきますと、一枚めく
つていただきました三十七番目のところに
精神衛生事業費補助に必要な
経費、一億二百六十三万円というのがございます。これは
府県におきましての
患者の
強制入院の
措置費、あるいは
病院の
経営費がこれでございます。それともう
一つずつと
うしろの方に参りまして、百二十八番のところに
国立精神衛生研究所という
項目が新たにございます。それに必要な
経費といたしまして一千十二万三千円、これが計上せられてございます。さしあたり
明年度といたしましては、この三つの
項目の
経費をも
つて精神衛生対策の
強化に向けよう、こういう
考えでございます。
それから前へもどりまして、
公衆衛生の項で、三十二番目に
保健所費補助に必要な
経費という
項目がございます。これは御
案内の通り、現在の
保健所が
A級と
C級と二色ございます。
A級の
保健所が百五十箇所、
C級が五百五十四箇所、合せまして七百四箇所ございまするが、それを
明年度におきましては、
A級の
保健所を百八十箇所にいたします。それから
C級と
A級との間に、まあ
B級という中間のものを設けまして、これを六十箇所新たに格上げいたします。それから
C級が四百八十四箇所、合せまして七百二十四箇所、つまり本
年度より二十箇所ほど増設しますと同時に、格上げを若干いたしまして、
結核対策の
第一線機関としての
保健所の機構を整備して行きたい、こういう
考えでございます。同時に
保健所のお
医者様の
待遇改善の一助にという
考えで、
研究費を少し組みました。大体各
保健所のお
医者様一人当り約七、八千円見当で
予算を組んでございます。これはまあ
待遇改善と申しましても、要するに
保健所のお
医者様が研究をいたしますその
費用でございます。と同時に、なお従来
保健所につきまして、近郷をまわりますのに、足がないというような声を聞いておりまするので、
A級の百八十箇所の
保健所には、せめてダツトサンくらいの
自動車でもというので、
自動車を一台ずつ百八十台備える、こういうことにいたしたのでございます。そういうものが目新しいものでございますが、それを含めて九億四千四百八十五万六千円であります。
それから三十五番でございます。これは
結核予防費補助に必要な
経費、十一億三千三百八万円でございます。これが前
年度と
比較いたしまして、大幅に十億ほど増加してございます。これは後ほど
社会保障の方で
ちよつと申し上げますが、
社会保障の
一環として
結核対策を
強化して行くというので、この
予算面に現わしたものでございます。
それから三十九番に参りまして、
公衆衛生関係施設整備に必要な
経費、これは
社会保障制度を漸進的に進めて行きますその
政策の現われといたしまして、
結核ベツドないしは
保健所の
増床というようなものの
施設費でございます。この内訳の中には、おもなものは
結核の
ベツドの
増床といたしまして、公立の分六千九百床、それから
公益法人の分千八百床の
建設増築費、それから先ほど申し上げました
保健所の
新設分二十箇所、それから拡張八十一箇所分の
費用、それから
精神病院で、
公立精神病院で五百床ほどふやす
費用、それからもう
一つ、
伝染病の
隔離病舎でございまするが、これは御
案内のように、
地方に行きますると、明治何年に建てたという
隔離病舎がございまして、ほとんど
隔離施設として、また
医療施設として用をなしていない、それが腐朽いたしまして今にも倒れんとするところが間々ございまするので、これをおそまきではございまするが、新しく建て直して行く。同時に昔のような墓地のそばに
隔離病舎があるというような、ああいう式のものを改めまして、市町村が
一つでつくりますより、幾つか集ま
つて連合いたしてつくりますれば、相当
りつぱな病室ができるというようなことで、連合でつくるようなふうに指導して行く、こういう
考えでございまするが、その
隔離病舎二千八百床をこれで新しくつくり直して行く、こういう
費用がこの中に組まれてございます。
それかそらの次の
医務局のところでございまするが、大体この辺に出ておりますのは、
本省の
事務費、
人件費、そういうようなものでございます。そこで五十番目の
国立病院の
指導監督に必要な
経費、これが九億八千二百万円、これは後ほど申し上げまするが、
国立病院特別会計に対しまして
一般会計からの繰入れがそのほとんど全部でございます。
それから五十六番目、五十七番目、この辺は、例の
医師、
歯科医師、
保健婦助産婦等の
国家試験でございまするが、大体前
年度と同じ回数のものを実施するという建前に
なつておりますことをつけ加えて申し上げます。
それから五十八番目に、
公的医療機菊整備に必要な
経費五千万円というのがございますが、これは
社会保障制度の
一環といたしまして、
医療対策の
審議会、
医療整備の
審議会というのがございまして、そこで一応今後の
医療計画、
病院の配置はこういうふうにや
つて行くべきだという計画を立てたのであります。それは同時に
審議会の勧告と
なつても出ておりまするが、それを受継ぎまして、わずか五千万円でありまするが、ここに新たに計上いたした次第であります。前
年度の三百万円と申いましたが、そういうものではなしに、
医療整備という
意味でとりましたもので、新しいものでございます。これは数年前からの問題でありますが、ようやく
明年度に頭を出したというところでございます。大体六箇所三百床ほどのものを予定してございます。
それから
薬務局に入りまして、七十というところに
医薬品用具化粧品の
国家試験とございますが、これは
国家検定でございまして、必要な
経費四百四万円、これは前
年度はゼロに
なつております。これに見合いまする分は、恐縮でございますが、
うしろの方の百四十一番というところを
ちよつとごらんくださいますと、そこに
国立衛生試験所というところの三番目に、
医薬品の
国家検定に必要な
経費三千四百七十八万三千円というのが出ております、これと見合いまする分でございまして、これは昨年の夏ごろでございましたか、
関係方面の方から、
メモランダムが出まして、
医薬品用具化粧品というものについても、極力
国家検定をやるようにという要望がございまして、それを
予算化したものでございます。前の方のものは、
府県に対しまして、そういうものの抜きとりの
費用、あるいはその不合格なものの廃棄というような、
国家検定に伴う
府県の
事務費、
委託費というものでございます。それから百四十一番目の方の
費用は、
国立衛生試験所でそれを
検定いたしますので、その
検定のための
経費でございます。さしあたりましてやる品目は、ぶどう糖、
注射薬、
避妊薬、
ビタミン剤、
ホルモン剤というようなものを予定して
予算を計上してございます。それからその
薬務局の一番最後の七十七というところに、
重要医薬品の
供給確保に必要な
経費九億六千三百三十万六千円というのがございます。これは例の
ストマイの
国家買上げの
費用九億円と、発疹チフスの
ワクチン、コレラ・
ワクチン、インフルエンザ・
ワクチンというように、国として常備しておきませんと、いざ必要という場合に、間に合わないような筋合いのものを買い上げておきます
費用が、約六千万円がそれに含めてございます。ストレプトマイシンの方は、なお
国産と
輸入との価格が非常に違
つておりまするために、
国産の企業を培養する必要がございまするので、この九億円の
費用をもちまして、買い上げて、
輸入のものとプールいたしまして、安い
値段でも
つて国民に配給する、こういう
考えで計上しているのでございます。
ストマイの単価は現在は九百六十円までに下
つております。これは二月一日にそれで実施になると存じます。来
年度は当初五百五十円ぐらいで初まりまして、三・
四半期で全部生産が軌道に乗りますと、四百円を割
つて三百円代に入
つて来る。そうしますと、もう
国産と
輸入とが大体同じような
値段になりますので、そこで今のような
価格操作をはずしまして、今度は
自由競争にさせるという
考えでおります。大体そういうことで来
年度の三
—四半期までに、この九億円の金でも
つて操作する、こういう
考えでございます。
次に
社会局に参りまして、
社会局は大体八十六番目ぐらいまでは、
本省の
事務費がおもでございます。
生活保護法の
施行に必要な
経費、二百十億六千三百四十五万六千円、前年と
比較いたしまして大幅に四十七億二千八百万円ほど増加に
なつております。このうち大体
生活扶助が百十五億ほど、
住宅扶助が約九億三千万円ほど、
教育扶助が十六億八千万円、
医療扶助が六十一億ほどを占めております。前年との
比較は
生活扶助の方は、百十五億に対しまして、前
年度は八十六億でございます。
住宅扶助が九億三千万円に対して前
年度が六億、
教育扶助は十六億に対しまして、前
年度が八億九千万円、
医療扶助が、六十一億に対しまして前
年度が五十一億、そのほかに小さな
項目に出産、生業がございますが、おもなものは大体そういうようなものでございます。そのほかに
明年度の
予算といたしまして、従来と目新しい点は、
地方の方の
事務費 地方の
府県庁などが使います
事務費が足りなくて、とかく非難があつたのでございますが、その
費用を三億二千五百万円ほど計上いたしまして、これを
府県にわけて
事務費に充ててもらうという
考えを持
つております。
その次は八十八番、
身体障害者の
保護更生に必要な
経費、これが一億五千三十六万六千円ございます。これは大体
身体障害者に義手、義足というような
介護用具を与える
費用、
援護措置費と申しておりますが、そういう
費用、あるいは
地方におきまして
巡回相談をして指導するというような
費用がこれでございます。
その次の八十九番で
災害救助に必要な
経費が前
年度に
比較いたしまして三億三千万円と大幅に減
つておりますが、これは前
年度は
ジエーン台風でも
つて補正予算で相当ふくらんでおりましたので、その結果この
予算との
比較では非常に
減つたように見えるのでありますが、そういう
意味でございます。
次に九十一番目に参りまして、
更生資金貸付に必要な
経費が三億円、これは前
年度が五億円でございまして、二億円の減に
なつております。これは御
承知の
国民金融公庫を通じまするが、特に引揚者あるいは
戦災者のような
困窮者に対しましての、普通の
一般庶民金融よりも、なお保護的な色彩を持つた
貸付の
資金でございます。二億減りました
理由は、すでに約四十何億、五十億近くのものが過去数年間で
貸付に
なつておりまして、それがそろそろ
回収の時期に入りまして、その
回収の金が来
年度はほぼ五億近くのものがもどる予定になりますので、合せまして大体八億近くのものが動くのではないかというような
考えで、
漸次国から新たに持ち出す分が減
つて来る、こういう
考えでここに減らしたのでございます。
それから九十二番の
社会事業施設整備に必要な
経費が三億二千二百三十八万円、これが前
年度に
比較いたしまして二億五千万円ほど増に
なつておりますが、これもやはり
社会保障制度の
一環といたしまして、こういう
国家補助の面を拡充して行きたいという
政策の現われの
一つであります。その中で
生活保護施設が約三億円ほどございます。そのほかに
身体障害者の収容、
授産施設を二千二百万円ほどで六箇所新たにふやしたい、その
施設費がここに出ておるのでございます。九十三番は、公益質屋法の
施行に必要な
経費一千十万円、金額としてはわずかでございますが、公益質屋を拡充してくれという声が相当強く
なつておりまして、これもようやく頼みまして頭だけ出してもらつたということであります。大体戦災にあつた古い質屋さんなどに、この金でも
つて補助いたしまして、修理して再開するという、何と申しますか、調弁費みたいなものでございます。
児童局に参りまして、御
承知の児童局の一番大きな児童保護費はあとで申し上げますが、昨年から平衡交付金に入りまして、今年もこの問題は解決してございませんので、ここに掲げましたものは主として
本省費と、それから若干の
補助費でございます。従いまして、ここでは格別大きな
項目はございませんが、九十九番目そのページの一番最後でございますが、児童福祉施設の整備に必要な
経費五億六千二百二十万三千円、前
年度に
比較いたしまして一億二千二百九十七万円ほど増に
なつております。これは児童福祉
関係は、なお現在の施設では足りませんので、どんどんこれをふやして行かなければならない状況でございますので、これを増額した次第でございます。それと同時に、その次の百一番の身体障害児
対策に必要な
経費、これは先ほどの
社会局にございました
身体障害者の保護
対策と相通ずるものでございまして、こちらの方は子供に対しましてやはり松葉づえというような
介護用具を出しますのと、それからこういう人たちを収容して療養させますところの施設を一箇所東京都内に設けまして、委託経営するという
費用がここに計上してございます。
それから次の保険局、これはやはり事業費の方は保険の特別会計の中に入
つておりますので、
本省費がおもでございまして、ここで取上げて申し上げまするのは、百十番に
社会保険国庫負担金に必要な
経費十八億三千四百九十一万円、これは前
年度と
比較いたしまして九億四千一百万円と、大幅にふえてございます。これは大体
社会保障の方で申し上げたいと存じますが、保険の
事務費の負担率をふやしました。その負担率は従来健康保険が、
事務費につきましては、国が十分の五を負担しておりましたものを十分の八にふやした、その
事務費の負担率増加に伴います
費用と、それから
結核対策の
一環といたしまして、
結核べツド七千床をこの保険を通じて増設いたしまするので、それの補助繰入金がここに入
つて、かように大幅にふくれたのでございます。それからその次の百十一番の
国民健康保険の補助に必要な
経費二十億七千七十一万二千円、これはやはり同じ
社会保障制度の漸進的な
政策を進めて参ります現われでありまして、
事務費につきまして従来十分の七を国庫が補助しておりましたものを、全額十分の十国庫が補助する、こういう立場をとりましたその
費用、それから直営診療施設を四億円をもちまして、これを大幅にふやして行きます。同時に、これをも
つて一つには無医村
対策にも資したいという
考えで、ここに計上したのでございます。
その次、引揚援護庁に参りまして、これは上から六番目までが大体
人件費、
事務費でございまして、それからあとは事業費になります。
引揚げの方は、大体毎年
引揚げが順調に進んで来ますにつれまして、今後の
引揚げ見込みというものにつきましては少くなりますので、
予算面としては、その面からいえば減
つて参
つてしかるべきなのでございまして、来
年度におきましても、そういう面で相当減
つて来ておるのでございます。百十八番の引揚援護庁の事業に必要な
経費、これは
内地に
引揚げて参りました方々が、上陸港から郷里に帰りますまでの間の、途中の駅におきまするいろいろ援護、あるいは郷里に帰られましてから、さしあた
つて冬を越すのに寝具がないというような問題、あるいはまた定着するところがなくてどこかへ移ります際に、その定着するまでに要します
経費というのがそこに入
つております。
その次の
地方引揚援護局の事業に必要な
経費、これは
内地に上陸いたしました方々が、上陸地においていろいろな復員、
引揚げ手続を終え、医療を受け、あるいは必要な衣服その他の給与を受けるというような
経費がそこに計上されております。
それから次の一番最後に、未復員者給与法
施行に必要な
経費というのがございますが、これが十九億七千百七十六万円で、前
年度に
比較いたしまして三億六千六百万円の増に
なつております。それと同時に、その次の特別未
帰還者給与法
施行に必要な
経費三億一千七百四十八万七千円、一億五千二百六十一万円の増に
なつておりますが、いずれも先般の臨時国会で御決議をいただきました法律
改正によりまして、俸給その他の手当の増額によりまするところの増でございまして、俸給の方が三百円から千円になり、埋葬
経費が千五百円から三千円になり、遺骨の引取り
経費が千七百円から二千七百円というふうに御訂正いただいたのでありますが、そういうものが含まれまして、これが非常に大きな増額に
なつております。
それからあとは、
厚生省の施設でございます。人口問題研究所に必要な
経費、国立
公衆衛生院、国立栄養研究所、国立予防
衛生研究所、先ほど
ちよつと申し上げました
国立精神衛生研究所、検疫所というのがございます。
次の
国立療養所、これを
ちよつと
結核対策の
一環として申し上げたいと存じますが、百三十一番の国立
結核療養所の経営に必要な
経費五十一億二千五百九十一万円、これが前
年度に
比較して十二億円大幅に出ておりますが、これは百六十六箇所の国立
結核療養所の経営の
費用でございまして、
ベツド数が来
年度は千五百床ふえる予定でございます。
その次は百三十二番、癩療養所の経営に必要な
経費、これは十箇所の癩療養所の経営に必要な
経費が載せてございます。
次は精神頭部療養所でございますが、これは三箇所でございます。その次の脊髄療養所は一箇所。以上の
経費がそこに載せてある次第でございます。
その次に百三十五番に、特殊
医薬品購入に必要な
経費、一億百八十三万一千円ございますが、これは癩
患者の特効薬でありますプロミンの購入の
費用、それから
結核の特効薬でありますところのパスの購入の
費用、それぞれこれを必要といたします
患者のパーセンテージをとりまして、それを購入するように
なつております。
次に百三十六番、
国立療養所施設整備に必要な
経費、四億五千四百七十一万四千円でございますが、これは前
年度に
比較いたしまして一億四千九百万円ほど減に
なつております。これは
増床の
関係でそのような
関係に
なつておるのでございます。これでは大体
結核は千五百床、癩が一千床、それの整備に必要な
経費がそこに載せてございます。
その次の百三十七番、
国立療養所の拘置病棟設置に必要な
経費、一千七十五万円、金額はわずかでございますが、これは例の癩
患者であ
つて犯罪を犯した人を、一般の刑務所などに収容いたしますことが適切でございませんので、これを
国立療養所の中に新たに拘置病棟を設けまして、そこでこれを管理する。管理の面は法務府の方でいたしまして、
厚生省の方は医療の面ないしは予防の面だけをするという申合せで、
予算としては一応こちらに計上せられることに
なつたものであります。
それからあとは、先ほど申しました
国立衛生試験所が
ちよつとございます。格別あと申し上げるものはございませんが、百四十二番の国立光明寮でございます。これは金額としては大したことはございませんが、
明年度から一箇所ふやしまして、神戸に光明寮を設ける建前をと
つておりますことを、この際申し上げておきたいと存じます。従いまして東京と塩原と神戸と三箇所になるというふうに御了承を願つたらけつこうだと存じます。以上が大体
明年度の
一般会計の
予算でございます。それからついでに特別会計の方は、厚生保険と船員保険の特別会計、それから
国立病院の特別会計とございまするが、保険の方は、大体
社会保障制度の
対策としまして、
事務費の補助率を非常にふやしたということと、それから
結核の
ベツドを保険でも
結核対策をになわせまして、七千床負わせた。そのうち四千床を
政府管掌でやる、組合で三千床やるというのが、
事項としては目新しいことでございまして、格別申し上げることはないと存じます。
それから
国立病院特別会計におきましても、
明年度は大体歳入出とも四十四億二千七百六十一万四千円を計上してございますが、ここでは
一般会計からの繰入れ、これが問題であろうかと存じます。昨
年度の決算をいたしたところが、
一般会計からの繰入れを受けまして、二億三千六百万円だつたと思いますが、二億三千六百万円ほどのものが黒字になりまして積立金となりました。そのうち三千六百万円を二十五
年度の
補正予算の方へ繰入れまして、なお二億の積立金が余りましたので、これを
明年度は財源の一部として積立金から繰入れを受けた。そのほかなお
一般会計からの九億八千万円というものをさらに繰入れた、こういうふうにしてバランスを合せておるような次第でございます。
このほかに、もう
一つお手元に
社会保障経費というものが配
つてあると存じますが、これは例の
社会保障制度審議会の勧告が少し遅れましたのと、それから財政的な
理由から、
政府といたしましては漸進的にこれを進めて行くということでございまして、私どもといたしまして、はなはだ満足いたしかねる点があるのでございまするが、一応ここで計上いたしましたのが、締めまして、一番最後を見ていただきますと、三百九十二億七千万円。これは従来の
社会保障的なものと
予算を検討して
比較してみますると、前
年度は二百九十七億で、約九十五億ほど
厚生省関係だけの
社会保障の
経費としては増に
なつております。もつともこの
社会保障の
経費をどの面まで取入れるか。これを狭い範囲に解釈いたしまするか、きわめて広い範囲に解釈して取入れるかによりまして、数字が違
つて参ろうかと存じます。あるいは皆さん方のお手元に、その他の大蔵省などから出ました
経費の内訳は、違つた数字が若干出るかもしれませんが、それは取止げ方を広くとるとか、どの程度とるかということでかわ
つて来るかと思います。これは御了承願いたいと思うのでありますが、大体
審議会の勧告に出ました
項目を私どもの方で拾
つてみますと、今申しましたように、
厚生省関係だけ約三百九十二億になりまして、前
年度に比しますれば九十五億ほど進歩しておるということに
なつております。そこの左の方にずつと
項目が書いてございますが、
社会保険の方は、そのおもなものは、先ほど申しましたように、
事務費の補助率の増と、
結核ベツドの
関係でふえておるということでございます。なおそのほかに、給付費の問題があつたのでございますが、これは遺憾ながら二十六
年度には給付費に対する
補助費というものは計上せられるに至らなかつたのでございます。それから……。