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三浦法制局参事 ただいま
委員長からお話のありました、
委員派遣地におきます
公職選挙法改正に関する
主要意見につきまして、便宜私から御
説明をいたしたいと思います。なおこれに関しましては、幸いに
委員の
方々が
おいでになりましたときに、
法制局からそれぞれ随行して参りましたので、事務的に一応それらの
派遣地におきまして提出されました
意見等を私の方でまとめました次第でございまして、その全部につきましてはなかなか容易でもございませんので、大体こういう点が必要ではなかろうかと思われるような点につきまして、ここにあげました次第でございます。
なお私から申し上げまして、足りません点については、
おいでになりました
委員の
方々から、さらに御
説明をしていただきますと、たいへんけつこうと存じます。
第一は
選挙権の問題でございます。これにつきましては
改正意見のところに書いてございますように、
選挙人名簿に登録されましたものが、同一
都道府県内の他の
市区町村に住所を移しました場合におきましては、
移転先における
居住期間が三箇月未満でも、
当該都道府県の
選挙権を与えるようにしてもらいたいという
意見がございます。それらの
意見につきましては、
派遣地というところで書いてございますが、選管と書いてございますのは、
選挙管理委員会、主として県の
選挙管理委員会、場合によりましては、市の
選挙管理委員会も含んでおります。
議会と書いてございますのは、
都道府県の
議会あるいは地元市の
議会等も含んでおります。
公安と書いてございまするのは、
地方の
都道府県の
公安委員会あるいは
派遣地における市の
公安委員会等であります。検察と書いてございまするのは、
派遣地におきまするところの
地方検察庁の
意見、場合によりまして高検がございまするところは、
高等検察庁がその中に含まれておるわけでございます。この
改正意見につきましては、
意見が述べられましたり、あるいは
文書で提出されました
意見を、一応そのままに、何らの修飾を施すことなくここにあげました次第でございます。
次は
代理投票でございまするが、これにつきましては、第一は
文盲者の
代理投票制度を廃止することという
意見がございます。第二は
代理投票制度を全面的に廃止することという
意見がございます。この
代理投票制度は、御
承知の
通り四十八条にございまするが、
文盲者の場合とそれから身体の故障のために
代理投票をするという二つの道がございまするので、二の方は、その
全般について廃止するという
意見でございます。三は
投票補助者の
職権濫用に対する
処罰規定を設けること、
代理投票は、御
承知の
通り立会人が一人そこにつき添いまして、それからさらに
補助者がございまして、そうして
代理投票をさせるという
制度に
なつておりますが、そういう
投票補助者が
代理投票の本来の
趣旨に反して、権利の
濫用によ
つて投票者の
意思に反した記載をするというようなことが事実あつたそうでございますが、そういうことに対する
処罰規定を設けるという
意見が三でございます。それから第四が
代理投票制度を再
検討すること、これは確たる結論を出しておるわけではございませんが、何らかの
改正を加え、今回の
選挙等の結果にかんがみまして
代理投票制度を再
検討する必要があろうという
意見でございます。
次は
不在者投票でありますが、その一は、
病人等の
在宅投票制度を廃止すること。
病人等につきましては、その
自宅等におきまして投票することができることに
なつておりますが、これはいろいろの
弊害が多いので、これを廃止するようにしたらいいという
意見でございます。それから二は、
在宅投票制度は存置するも、その場合の
代理投票は認めないこととすること、
自宅でたとえば
病気の療養をしておりまして、そこで
在宅によるいわゆる
不在者投票は認めますけれども、
自分が書けないということで、他人にかわ
つて書いてもらうということは、本人の
意思と離れて
候補者の氏名を書くというような
弊害を生じないでもないからというので、それはやめたらどうかというような
意見が二でございます。三は
医師等の
不正証明に対する
罰則を設けるか、または
証明書の
交付にかえ、
診断書を
交付させること。現在
不在者投票の場合におきましては、ことに
病院等の場合におきましては、
証明書を出すことに
なつておりますが、これらにつきまして
罰則制限の
規定がございませんので、それを設けたらどうかというような
意見でございます。あるいはまた
証明書と申しますのを、
医師の
診断書ということにかえれば、当然
医師法でか
つてに
病気を判断して記載するということになりますると、
医師法違反ということになりますので、現在の
証明書という名前をかえて、
診断書ということにして、
医師法の
規定によらせたらどうかというような
意見が三でございます。四が
不在者投票制度の
全般について再
検討すること。これは
不在者投票も、場合によ
つては必要でありますので、それらの
弊害を除去する
意味において、それらの点を是正するという
意味において再
検討をする。その再
検討をするといたしますと、イ、ロ、ハ、ニ、に書いてございますように、
手続、あるいはその
区域とか、
証明書の
無料交付とか、あるいはその他、これらの点について、所要の改善を加えて存置して
行つたらどうかというような
意見が四でございます。
それから次は
開票及び
選挙立会人でございます。
投票立会人は、
選挙管理委員会が直接
選任する
制度に
なつておりますが、
開票立会人と
選挙立会人につきましては、
候補者が
届出をするということに
なつておりまして、
定数は大体十人ということに
なつております。十人を越える場合におきましては、
互選によるということに
なつておりますが、実際十人を越える場合におきまして
互選ということになりますと、それぞれの
利害関係を代表しておる
立会人がやはり
自分に投票するというようなことに
なつて、なかなか
立会人がきまらない。
従つて事務の点から申しましても、いろいろな点から申しましても、十分に
立会人の
選任ができないような場合が予想し得ますので、
くじ制を採用いたしまして、
定数をきめる、こういうようにしたらどうかという
意見であります。
次は
推薦届出人の数を
制限すること。
立候補の
届出によりましては、現在は
推薦届出人の数につきましては何らの
制限がございません。か
つて現在の
公職選挙法に包括せられております
教育委員の
選挙、それから
地方の
町村長の
選挙等につきましては、
推薦者が何名以上なければならないというような
規定がございましたけれども、
公職選挙法におきまして包括的にこれらを取入れました際に、そういう
制度をなくしましたわけであります。従いまして現在数の
制限はないのでありますが、
推薦届出の数を
制限することというような
意見が出ておりました。
それから次は
公務員の
立候補制限の問題でございますが、一は
公務員の
退職後
相当期間の
立候補を
禁止することという
意見がございます。それから次は、
地方議員が
在職のまま他の
選挙に
立候補できるようにしたらばどうかというような
意見がございます。これは現在の
規定では、
地方議員とその他の
議員とを問わず、
自分の
選挙には
在職のまま
立候補できますけれども、他の
選挙に出ようとする場合にはやめなければならない、こういうことに
なつておるのでありますが、二としては、
村会議員が
県会議員に出るとか、
県会議員が
衆議院議員に出るというようなことができるようにしてもらいたいという
意見だと思います。三は
立候補制限を受けている
公務員が
立候補した場合には、
立候補の
届出と同時に、何らの
手続を要せず当然
退職したものとみなす旨の
規定を設けることということでございまして、
立候補制限を受けております者が
立候補した場合におきまして、もうその場合は
退職上のいろいろな
手続によりまして、その
申込みをやりまして
退職の
手続をしましてそれから五日以内に何らかの
決定がなかつた場合には、これをやめたものとみなすというような
現行規定に
なつておりますが、これは
立候補の
届出と同時にもうすぐやめるようにして、その間の
関係をはつきりさしたらどうかというような
意見もございます。
次は
兼職禁止の職にある者が当選した場合の問題でございますが、
兼職禁止の職にある者が当選した場合には、その
決定と同時に
兼職を当然辞したものとみなす旨の
規定を設けるという
意見でございます。これは現在
公務員等につきましては
特定の者を除きまして、もちろんやめなければ
立候補できませんが、その他
国鉄職員あるいは
専売公社、その他の場合におきましても、
立候補は
現職のままできますが、当選したあかつきには、二つ兼ねることはできないということに
なつております。これは
地方自治法等にもその
規定があるわけであります。その場合におきまして、当選したときには五日以内にその申出をいたしまして、
意思を明らかにしまして、
現職をやめるということをしなければ当選を辞したものとみなす、こういうような
規定に
なつておるようでありますが、それをさつきと同じように、当然当選すれば
現職を辞したものとみなすというようなふうにしたらよかろうという
意見であります。
次は再
選挙及び
補欠選挙でございますが、これは
議員が欠けました場合には、再
選挙または
補欠選挙を行うことに
なつておりますが、これが
特定の
要件を満たしていなければ、たとえば
地方公共団体の場合におきましては、二人以上
欠員を生じた場合でなければ
補欠避難及び再
選挙はやらないということに
なつておるわけであります。そのような場合におきまして、これは
地方の
選挙等につきましての問題でありますが、他の
特定の
選挙、たとえば
地方公共団体の他の
選挙が行われる場合、それと一緒にやる場合におきましては、その
要件に該当しなくても
選挙を行わなければならぬということに
なつております。これを
任意規定にいたしまして、
行つてもよし行わなくてもよいというような
規定にいたしたい。事務的な問題でもございますが、
相当地方の
選挙管理委員会の取捨選択によ
つて再
選挙、
補欠選挙をある場合はやらないという結果になるおそれもあるわけでございます。そういう問題でございます。
次は
決選投票でございますが、第一は
決選投票の
制度を廃止することという
意見であります。次は長の
選挙につきまして、もちろん長の
選挙につきまして、
法定得票数を引下げることによりまして、
決選投票を行う場合を少くしたらどうかという
意見でございます。現在の長の
法定得票数は八分の三に
なつておるわけでありますが、これはほかの
選挙の場合に比べまして一番高いことに
なつておるわけであります。これを具体的に申しますれば、四分の一
程度に引下げたらどうか、こういう
意見でございます。
それから次は
同時選挙でありますが、
同時選挙制度を再
検討する。この再
検討の中には、廃したらどうかというような
意見も含まれております。現在
同伴選挙をや
つておりますのは、
選挙費用が非常にかさみますので、これによつとその
費用を節約しようという
趣旨が主たるねらいでできておるのでありますが、
選挙ということだけから考えますと、非常にこの前のような
選挙の場合におきまして、複雑に
なつて明確を欠くというようなきらいもなきにしもあらずだと考えられます。
これから後は大体
選挙運動に入りまするが、その最初の問題は、
選挙運動の
期間であります。この
選挙運動の
期間は、
選挙期日の
告示の問題とも関連いたします。なおまた
選挙の
候補者の
届出の
告示がありましてから何日以内にやるかというような問題ともあわせ考えなければならないと思
つておりますし、さらに
選挙の
公営をどういう
程度にやるか、ことに
地方選挙等につきまして、どういう
程度にそれを及ぼすかということによりまして、
選挙運動の
期間が短縮されました場合におきまして、事務的にそれらの点が処理されるか、あるいは
候補者に不便はないか、
選挙権者との
関係はどうなるかというような点をあわせ考えて
決定すべき問題だと思いまするが、大体におきまして、
選挙運動の
期間を短縮したらどうかというような
意見が
地方で
相当多いようでございます。第一は
都道府県等でございますが、これにつきましては二十日説と十五日説とございます。現益の
公職選挙法は二十日ということに
なつております。それから二は市の
選挙についてでありますが、これは二十日、十五日、十日こういう税があります。それから三の
町村につきましては、十五日、十日という説がございます。
町村についてちよつと先ほどの点を申し上げますが、
町村が十日ということになりますと、つまり
町村の
選挙の
告示がありまして十日目に
選挙が行われるということになります。そうしますと、
告示がありましてから何日目に――たとえば三日以内あるいは五日以内に
立候補の
届出を締め切ることになりまして、
あとがほんとうの最後の、一番
届出のおそい立
候補者の
選挙運動の
期間ということになるわけでありまして、五日とかりに予定いたしますと、
あとの五日で、
選挙公営等をやるとすれば、そういうことのいろいろな処理をやらなければならないというようなこと等にもなるわけであります。れから四は、選手につきまして適宜短縮してもらいたいという
意見でございまして、具体的に何日というところまでは触れていないわけであります。
それから次は、
公務員の
選挙運動の
禁止でございまして、一は
知事、
市町村長または
個別職にある者が、自己の
選挙以外の
選挙において
選挙運動を行うことを
禁止することということでございまして、現在この
長等につきましては、
選挙運動についての
制限がないわけでございます。また
特別職についても同様でございまするが、こういうものについて大体
知事、
市町村長等が
立候補して
選挙運動をやるという場合に、
自分の
立候補した
知事、
市町村長の
選挙運動については
選挙運動はや
つていいが、ほかの
議員等の
選挙運動等についてはこれを
禁止した方がいいのではないか。本来の
知事、
市町村長の地位を
濫用するきらいがあるからというような点から、こういう
意見が出ておるのだろうと思います。それから二は、
公務員の
選挙運動を全面的に
禁止することということでございまして、この
公務員につきましては、国または
地方公共団体を問わずこういうように
禁止したらいいという
意見でございます。
次は
団体の
選挙運動でございまするが、この
団体の
選挙運動は、政党その他の
政治団体、あるいは
労働組合等もあるわけでありますが、ここで特にあげてございまするのは、
職員団体等の
組織を通じてする
選挙運動を
禁止または
制限することということでございまして、主として
教員組合、あるいは県庁その他の
職員組合等が、そういう
組織を通じて
選挙運動をすることは
弊害があるから
禁止したらどうか、あるいは
制限したらどうか、こういう
意見でございます。
次は
教職員の
選挙運動についてでございまするが、これは
教職員の
選挙運動を
禁止すること。
教職員と申しますと、
私立学校の
教職員も入るわけでございますが、特に
教育公務員について
禁止したらどうかというような
意見もございます。
次は
未成年者の
選挙運動でございまして、この
未成年者の
選挙運動を
禁止することという
意見でございます。その場合に、例外といたしまして、
候補者と同居する
親族等は除いたらどうかというような
意見もございます。
自分の子供が父親のために
選挙運動をするというようなことは人情のしからしめるところで、それぐらいは
弊害もないから、そのままに認めたらどうかというようなことでございます。
次は
選挙運動員及び
労務者についてでございまするが、これは
運動員、
労務者の数を
制限することという
意見がございます。それから次は、
選挙運動員及び
労務者の
定義を、
制限するということになりますと、明らかにすることが必要に
なつて参りますので、そういう
定義を明らかにしたらどうかという
意見でございます。それから三は
選挙運動員が日当、たとえば
報酬等を受け得る旨の
規定を設けたらどうかというようなことでございます。
選挙運動たとえば
連呼行為を
禁止するかどうかというようなこと等とも関連いたしまして、そちらの方で
連呼行為をかりに
禁止するということにいたしますれば、
選挙運動員等を
制限するというようなことは、そちらの方で大
部分制限を受けることになりまして、そういうことによ
つてその
弊害を除去されることにもなるかと思
つております。それらとあわせ考うべき問題だと思
つております。三に書いてございますことは、現在
選挙運動員は、
買収規定と関連いたしまして、
報酬をもら
つていろいろ
選挙運動をしてはいかぬというのが現在の二百二十一条にあるのでございますが、それらとあわせて
報酬を常々ともらえるようにしたらどうかという
意見でございます。
次は
署名運動の
禁止ということであります。これは現在
規定がございませんが、
特定候補者の
推薦を
目的として
署名を求める
行為を
禁止することであります。今度の
地方選挙におきまして、こういうことがあつたそうでありまして、家をまわりまして
署名を求めて
行つたという事実があるそうでございます。そういうことも明文を置いたらどうかという
意見でございます。
戸別訪問につきましては、一、二とございまして、一は全面的に
禁止するということで、これが下に書いてありますように、たくさんの
意見がございます。次は
戸別訪問を認める
範囲をさらに限定するという点でございまして、そのうちのイは、
市町村の
選挙に限
つて禁止する、但し市のうち
五大市は除きます。次は
親族以外を
禁止する、
親族だけは
戸別訪問を認めようという
制限的な
意味において
戸別訪問を認めようという
意見が出ております。
次は自動車、
拡声機及び船舶の使用でありますが、市のうち、
五大市を除きました市と
町村の
選挙については、
禁止したらどうかという
意見であります。現在の
公職選挙法におきましては、台数の
制限はこれらの
選挙につきましては
規定いたしてありませんので、何台でも一応使えることに
なつております。しかしながら、それを
使つた場合は
再挙費用に加算するというようなことで、百九十七条であつたと思いますが、そこで押えてありますので、そういう点で自然に抑制されるというような
規定の建前に
なつておりますが、事実上こういうところでは必要がないから、堂々と
禁止する
規定を置いたらどうかという
意見だと思います。
それから次は
文書図画の問題でありますが、その一ははがき、
ポスターの
枚数の
制限は
有権者数に比例して行うようにすること。二は
枚数をさらに増加することという
意見でございます。三は
ポスターを掲示する
施設につきまして、次のように措置したらどうかという
意見でありまして、イは
掲示施設を
公営で行うというのでありまして、
ポスターを張る
場所をきめまして、そういう設備を設けて
公営でやつたらどうかという
意見であります。それから現在は、こういう
ポスターを掲示します
場所の
制限は、国または
地方公共団体等の所有または管理する建物は全部いかぬということに
なつておりますが、それらのうちで特に
公営の住宅、橋梁、
電柱等には掲示し得る道を開いたらどうかというのであります。
次は
文書図画の
撤去の問題でありますが、これは
投票所の入口から一町以内の
区域に掲示した
ポスターについては、次のように措置したらどうかというのであります。一は
撤去義務を
候補者に負わせること。現在は
選挙管理委員会が
選挙の当日または前日に
撤去することに
なつておるのを、
候補者が
撤去したらどうかという
意見であります。それから次は
撤去義務の
規定を廃止したらどうか。
張つたら張つたままにそのままにしておいたらどうかというような
意見でございます。
それから次は新聞紙、
雑誌の報道及び
評論等の自由の問題につきまして、一、二の
意見がございまして、一は、
新聞雑誌の
範囲を明確にすることという
意見でございます。二は
人気投票、
当落予想等についての
制限を設けること、こういう
意見であります。
それから次は
公営立会演説会についてでありまするが、一は条例により
任意に
立会演説会を
開催し得る場合を拡張することということでありまして、
県会議員等の
選挙につきましても、これを拡張してやれるようにしたらどうかという
意見であります。二は
立会演説会開催当日の他の
演説会等の
開催の
制限を緩和することということでありまして、御
承知の
通り立会演説会開催当日他の演説会をや
つてはいかぬということに
なつておりますが、その
制限を緩和しようということでございます。こういう
意見であります。
次は街頭演説でありますが、一は街頭演説をいたしまする演説者を限定すること、こういう
意見であります。二は街頭演説を行いますのに、あるいは昼間に限るとか、あるいは時間を限るとか、あるいはその街頭演説を行いまする
場所の
制限設けること、こういうことでございます。街頭演説の一の方には、
候補者でなければ街頭演説はできないというような
規定を設けたらどうかというような
意見も含まれております。
次は
連呼行為の問題でありますが、一は全面的に
禁止することという
意見であります。二は所定の自動車上における
連呼行為だけを認めて、その他は一切
禁止するという
意見であります。所定の自動車土と申しまするのは、
選挙法できめられた台数、一台または二台等のその自動車上からやる
連呼行為、こういうことであります。三は
連呼行為と演説との区別を明確にするということでありまして、現在連呼と演説という区別が必ずしも法律上明確にされておりませんが、それらを明確にして、取締りを現在よりはつきりさしたらどうかという
意見であります。何々さんに投票を願いますというようなことに
なつた場合におきましては、
連呼行為であるのか、演説に含まれるのかというような点であります。
次は
選挙公報の問題でありまして、条例により
任意に
選挙公報を発行し得る場合を拡張することということでございまして、現在
選挙公報を発行し得ます
範囲を限定してあるのでございますが、それをずつと広く、条例できめさえすれば、
地方選挙のどういう
選挙でもやり得るように
規定を改めたらどうかというような
意見であります。
それから氏名等の掲示の問題でありますが、その一は従来の
公営による
候補者の氏名等の掲示にかえて、投票記載所のボツクスごとにその氏名を掲示したらどうかという
意見であります。二は掲示
期間を短縮し、参議院については廃止したらどうか、こういう
意見であります。現在氏名等の掲示は十日間に
なつておりまして、参議院の全国選出
議員につきましては一箇所、その他は三箇所ないし五箇所、こういうことに
なつているのであります。
次は
選挙運動の収支
報告書の提出の問題でありまして、中間
報告を廃止して、精算
報告一回の提出で足りることとすること、こういう
意見であります。
それから
選挙運動の
費用についてでありますが、一は
選挙運動の法定
制限額を
実情に即するように改めることということでございます。現在法律上は政令で
選挙費用の基準をきめることに
なつておりますので、その額によ
つて算定することに
なつているわけでございます。それから二は
県会議員以下の
選挙の自動車使用の
費用を法定
費用に算入しないこと、こういう
意見であります。現在は先ほど申しましたように、算入することに
なつておりますのを、それを
選挙費用に加算しないようにしたらどうか、こういう
意見であります。
それから
罰則でございいすが、
罰則についてもおもなものを書き上げてございますが、その一は、
立候補前におきまししも虚偽事項公表罪の成立を認めることということでございまして、現在は、立
候補者がきまりまして、
立候補の後になりまして
候補者が多年のいろいろの経歴その他等につきまして、一般の公開の席で虚偽を申し述べたりいたしました場合に、虚偽要項公表罪になるわけでございますが、
届出前におきまして、もう前からあの人を出そうということでいろいろやる、こういう事例もないわけではないそうでございますが、そういう場合も処罰するようにしたらどうかというのが一の
意見。それから二は詐偽投票罪の未遂を処罰する
規定を設けることということでございまして、これは実際投票した後におきまして、その投票が詐偽によ
つて行われたという場合、詐偽投票罪になるわけでございますが、実際は投票しなくても、たとえば
不在者投票とか、あるいは
代理投票等におきまして、かわ
つて補助者が
行為をしてやるというような場合に、本人の希望した
意思に反した
候補者の名前を書く、そうしてそれが事前に発在したというような場合には、これを処罰する
規定がございませんので、そういうものをも処罰する逆を開いたらどうかというのが二の問題。三は現行の併科刑を改め、悪質犯についても併科刑を科するようにすること。それから四は
選挙違反訴訟の審理を促進すること。これらはおもなものを書き上げましたので、以上さきに述べました
選挙運動その他の点がきまりますとともに、また
罰則の方も、それに応じましてそれぞれ所要の
改正を加えざるを得ないと考えております。
それから最後に補則のところで、これはあげておいたのでございますが、
選挙法上の
期間計算につきまして、起草日を明確にするための明文を設けることということでございまして、現在は何々の日から何日以内というようなことに
なつておらますが、それは当日を含めることになるのか、翌日から起算することになるのかというようなことが
選挙法上はつきりしないという点もあるのでありますが、それをはつきりして、当日起算というようなことに明白にしようということに
なつております。そういうことがおもなる
意見であります。
以上、新法におきまするところの
意見の概要をここにあげた次第でございまして、それ以外に全国の
都道府県の
選挙管理委員会連合会あるいは全国の地区
選挙管理委員会連合会等の
意見がございまして、活版にしたものをお
手元に差上げてあると存じますが、それらの
意見もございます。これらの
意見等を参酌いたしまして、別にタイプで打
つてございますのが
公職選挙法改正に関する主要な研究事項で、主として
選挙運動を中心として考えました事項を並べてございます。以上大体申し上げました。