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1951-07-26 第10回国会 衆議院 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年七月二十六日(木曜日)     午後一時三十三分開議  出席委員    委員長 水田三喜男君    理事 寺本  齋君 理事 前田 種男君       宇野秀次郎君    鍛冶 良作君       菅家 喜六君    島田 末信君       野村專太郎君    山口六郎次君       河野 金昇君    並木 芳雄君       藤田 義光君    淺沼稻次郎君       佐々木更三君    立花 敏男君       中村 寅太君  委員外出席者         衆議院法制局         参事         (第一部長)  三浦 義男君     ――――――――――――― 六月五日  委員門司亮辞任につき、その補欠として加藤  鋳造君が議長指名委員選任された。 七月二日  委員鈴木義男辞任につき、その補欠として前  田種男君が議長指名委員選任された。 同月二十六日  委員加藤鐐造君辞任につき、その補欠として淺  沼稻次郎君が議長指名委員選任された。 同日  理事門司亮君の補欠として前田種男君が理事に  当選した。     ――――――――――――― 六月五日  公職選挙法改正に関する調査の件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事互選  小委員補欠選任  派遣委員より報告聴取  公職選挙法改正に関する件     ―――――――――――――
  2. 水田三喜男

    水田委員長 ではこれより会議を開きます。  まず理事補欠選任に関する件についてお諮りいたします。、  去る六月五日、理事門司亮君が委員辞任せられましたので、理事が一名欠員となり、その後委員会を開いておりませんので、その補欠選任をしておりませんが、この際その選任を行いたいと思います。これは先例によりまして、委員長において指名するに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 水田三喜男

    水田委員長 御異議ないようでありますから、前田種男君を理事指名いたします。     ―――――――――――――
  4. 水田三喜男

    水田委員長 次に公職選挙法改正調査小委員補欠選任に関する件についてお諮りいたします。小委員門司亮君の委員辞任に伴いまして、小委員が一名欠員なつており、なお小委員川本末治君、橋本龍伍君及び小野孝君より、それぞれ小委員辞任したいとの申出がありますので、これを許可することといたして、この際小委員四名の補欠選任を行うこととし、その方法は、先例によりまして委員長において指名をいたしたいと思いますが、以上御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 水田三喜男

    水田委員長 御異議ないようでございますから、    宇野秀次郎君  鍛冶 良作君    並木 芳雄君  前田 種男君を小委員指名いたします。     ―――――――――――――
  6. 水田三喜男

    水田委員長 ただいまより、派遣委員より報告聴取の件を議題といたします。去る六月八日議長の承認を得まして、過般の地方選挙実情調査し、あわせて各地選挙管理委員会地方議会道府県当局検察庁公安委員会等と、選挙法改正に関する意見の交換を行うため、委員八名を四班にわけ、第一班東北、北海道方面、第二班関東、信越、東海方面、第三班近畿、四国方面、第四班中国、九州方面に、七月二日または七月六日より、それぞれ十日間実地調査行つたのであります。各班ともに、それぞれ各地実情を把握し、有益な資料を整えて、それぞれの改正意見をとりまとめ、遺憾なく実地調査目的を果されまして、その報告委員長手元に届けられております。委員長といたしましては、これに基きまして法制局に依頼し、委員派遣地における公職選挙法改正についての主要意見集を作成いたしまして、お手元に配付しておいた次第でございます。ただいまよりこれにつきまして、法制局より概略の御説明を願うことといたします。三浦第一部長
  7. 三浦義男

    三浦法制局参事 ただいま委員長からお話のありました、委員派遣地におきます公職選挙法改正に関する主要意見につきまして、便宜私から御説明をいたしたいと思います。なおこれに関しましては、幸いに委員方々おいでになりましたときに、法制局からそれぞれ随行して参りましたので、事務的に一応それらの派遣地におきまして提出されました意見等を私の方でまとめました次第でございまして、その全部につきましてはなかなか容易でもございませんので、大体こういう点が必要ではなかろうかと思われるような点につきまして、ここにあげました次第でございます。  なお私から申し上げまして、足りません点については、おいでになりました委員方々から、さらに御説明をしていただきますと、たいへんけつこうと存じます。  第一は選挙権の問題でございます。これにつきましては改正意見のところに書いてございますように、選挙人名簿に登録されましたものが、同一都道府県内の他の市区町村に住所を移しました場合におきましては、移転先における居住期間が三箇月未満でも、当該都道府県選挙権を与えるようにしてもらいたいという意見がございます。それらの意見につきましては、派遣地というところで書いてございますが、選管と書いてございますのは、選挙管理委員会、主として県の選挙管理委員会、場合によりましては、市の選挙管理委員会も含んでおります。議会と書いてございますのは、都道府県議会あるいは地元市の議会等も含んでおります。公安と書いてございまするのは、地方都道府県公安委員会あるいは派遣地における市の公安委員会等であります。検察と書いてございまするのは、派遣地におきまするところの地方検察庁意見、場合によりまして高検がございまするところは、高等検察庁がその中に含まれておるわけでございます。この改正意見につきましては、意見が述べられましたり、あるいは文書で提出されました意見を、一応そのままに、何らの修飾を施すことなくここにあげました次第でございます。  次は代理投票でございまするが、これにつきましては、第一は文盲者代理投票制度を廃止することという意見がございます。第二は代理投票制度を全面的に廃止することという意見がございます。この代理投票制度は、御承知通り四十八条にございまするが、文盲者の場合とそれから身体の故障のために代理投票をするという二つの道がございまするので、二の方は、その全般について廃止するという意見でございます。三は投票補助者職権濫用に対する処罰規定を設けること、代理投票は、御承知通り立会人が一人そこにつき添いまして、それからさらに補助者がございまして、そうして代理投票をさせるという制度なつておりますが、そういう投票補助者代理投票の本来の趣旨に反して、権利の濫用によつて投票者意思に反した記載をするというようなことが事実あつたそうでございますが、そういうことに対する処罰規定を設けるという意見が三でございます。それから第四が代理投票制度を再検討すること、これは確たる結論を出しておるわけではございませんが、何らかの改正を加え、今回の選挙等の結果にかんがみまして代理投票制度を再検討する必要があろうという意見でございます。  次は不在者投票でありますが、その一は、病人等在宅投票制度を廃止すること。病人等につきましては、その自宅等におきまして投票することができることになつておりますが、これはいろいろの弊害が多いので、これを廃止するようにしたらいいという意見でございます。それから二は、在宅投票制度は存置するも、その場合の代理投票は認めないこととすること、自宅でたとえば病気の療養をしておりまして、そこで在宅によるいわゆる不在者投票は認めますけれども、自分が書けないということで、他人にかわつて書いてもらうということは、本人の意思と離れて候補者の氏名を書くというような弊害を生じないでもないからというので、それはやめたらどうかというような意見が二でございます。三は医師等不正証明に対する罰則を設けるか、または証明書交付にかえ、診断書交付させること。現在不在者投票の場合におきましては、ことに病院等の場合におきましては、証明書を出すことになつておりますが、これらにつきまして罰則制限規定がございませんので、それを設けたらどうかというような意見でございます。あるいはまた証明書と申しますのを、医師診断書ということにかえれば、当然医師法でかつて病気を判断して記載するということになりますると、医師法違反ということになりますので、現在の証明書という名前をかえて、診断書ということにして、医師法規定によらせたらどうかというような意見が三でございます。四が不在者投票制度全般について再検討すること。これは不在者投票も、場合によつては必要でありますので、それらの弊害を除去する意味において、それらの点を是正するという意味において再検討をする。その再検討をするといたしますと、イ、ロ、ハ、ニ、に書いてございますように、手続、あるいはその区域とか、証明書無料交付とか、あるいはその他、これらの点について、所要の改善を加えて存置して行つたらどうかというような意見が四でございます。  それから次は開票及び選挙立会人でございます。投票立会人は、選挙管理委員会が直接選任する制度なつておりますが、開票立会人選挙立会人につきましては、候補者届出をするということになつておりまして、定数は大体十人ということになつております。十人を越える場合におきましては、互選によるということになつておりますが、実際十人を越える場合におきまして互選ということになりますと、それぞれの利害関係を代表しておる立会人がやはり自分に投票するというようなことになつて、なかなか立会人がきまらない。従つて事務の点から申しましても、いろいろな点から申しましても、十分に立会人選任ができないような場合が予想し得ますので、くじ制を採用いたしまして、定数をきめる、こういうようにしたらどうかという意見であります。  次は推薦届出人の数を制限すること。立候補届出によりましては、現在は推薦届出人の数につきましては何らの制限がございません。かつて現在の公職選挙法に包括せられております教育委員選挙、それから地方町村長選挙等につきましては、推薦者が何名以上なければならないというような規定がございましたけれども、公職選挙法におきまして包括的にこれらを取入れました際に、そういう制度をなくしましたわけであります。従いまして現在数の制限はないのでありますが、推薦届出の数を制限することというような意見が出ておりました。  それから次は公務員立候補制限の問題でございますが、一は公務員退職相当期間立候補禁止することという意見がございます。それから次は、地方議員在職のまま他の選挙立候補できるようにしたらばどうかというような意見がございます。これは現在の規定では、地方議員とその他の議員とを問わず、自分選挙には在職のまま立候補できますけれども、他の選挙に出ようとする場合にはやめなければならない、こういうことになつておるのでありますが、二としては、村会議員県会議員に出るとか、県会議員衆議院議員に出るというようなことができるようにしてもらいたいという意見だと思います。三は立候補制限を受けている公務員立候補した場合には、立候補届出と同時に、何らの手続を要せず当然退職したものとみなす旨の規定を設けることということでございまして、立候補制限を受けております者が立候補した場合におきまして、もうその場合は退職上のいろいろな手続によりまして、その申込みをやりまして退職手続をしましてそれから五日以内に何らかの決定がなかつた場合には、これをやめたものとみなすというような現行規定なつておりますが、これは立候補届出と同時にもうすぐやめるようにして、その間の関係をはつきりさしたらどうかというような意見もございます。  次は兼職禁止の職にある者が当選した場合の問題でございますが、兼職禁止の職にある者が当選した場合には、その決定と同時に兼職を当然辞したものとみなす旨の規定を設けるという意見でございます。これは現在公務員等につきましては特定の者を除きまして、もちろんやめなければ立候補できませんが、その他国鉄職員あるいは専売公社、その他の場合におきましても、立候補現職のままできますが、当選したあかつきには、二つ兼ねることはできないということになつております。これは地方自治法等にもその規定があるわけであります。その場合におきまして、当選したときには五日以内にその申出をいたしまして、意思を明らかにしまして、現職をやめるということをしなければ当選を辞したものとみなす、こういうような規定なつておるようでありますが、それをさつきと同じように、当然当選すれば現職を辞したものとみなすというようなふうにしたらよかろうという意見であります。  次は再選挙及び補欠選挙でございますが、これは議員が欠けました場合には、再選挙または補欠選挙を行うことになつておりますが、これが特定要件を満たしていなければ、たとえば地方公共団体の場合におきましては、二人以上欠員を生じた場合でなければ補欠避難及び再選挙はやらないということになつておるわけであります。そのような場合におきまして、これは地方選挙等につきましての問題でありますが、他の特定選挙、たとえば地方公共団体の他の選挙が行われる場合、それと一緒にやる場合におきましては、その要件に該当しなくても選挙を行わなければならぬということになつております。これを任意規定にいたしまして、行つてもよし行わなくてもよいというような規定にいたしたい。事務的な問題でもございますが、相当地方選挙管理委員会の取捨選択によつて選挙補欠選挙をある場合はやらないという結果になるおそれもあるわけでございます。そういう問題でございます。  次は決選投票でございますが、第一は決選投票制度を廃止することという意見であります。次は長の選挙につきまして、もちろん長の選挙につきまして、法定得票数を引下げることによりまして、決選投票を行う場合を少くしたらどうかという意見でございます。現在の長の法定得票数は八分の三になつておるわけでありますが、これはほかの選挙の場合に比べまして一番高いことになつておるわけであります。これを具体的に申しますれば、四分の一程度に引下げたらどうか、こういう意見でございます。  それから次は同時選挙でありますが、同時選挙制度を再検討する。この再検討の中には、廃したらどうかというような意見も含まれております。現在同伴選挙をやつておりますのは、選挙費用が非常にかさみますので、これによつとその費用を節約しようという趣旨が主たるねらいでできておるのでありますが、選挙ということだけから考えますと、非常にこの前のような選挙の場合におきまして、複雑になつて明確を欠くというようなきらいもなきにしもあらずだと考えられます。  これから後は大体選挙運動に入りまするが、その最初の問題は、選挙運動期間であります。この選挙運動期間は、選挙期日告示の問題とも関連いたします。なおまた選挙候補者届出告示がありましてから何日以内にやるかというような問題ともあわせ考えなければならないと思つておりますし、さらに選挙公営をどういう程度にやるか、ことに地方選挙等につきまして、どういう程度にそれを及ぼすかということによりまして、選挙運動期間が短縮されました場合におきまして、事務的にそれらの点が処理されるか、あるいは候補者に不便はないか、選挙権者との関係はどうなるかというような点をあわせ考えて決定すべき問題だと思いまするが、大体におきまして、選挙運動期間を短縮したらどうかというような意見地方相当多いようでございます。第一は都道府県等でございますが、これにつきましては二十日説と十五日説とございます。現益の公職選挙法は二十日ということになつております。それから二は市の選挙についてでありますが、これは二十日、十五日、十日こういう税があります。それから三の町村につきましては、十五日、十日という説がございます。町村についてちよつと先ほどの点を申し上げますが、町村が十日ということになりますと、つまり町村選挙告示がありまして十日目に選挙が行われるということになります。そうしますと、告示がありましてから何日目に――たとえば三日以内あるいは五日以内に立候補届出を締め切ることになりまして、あとがほんとうの最後の、一番届出のおそい立候補者選挙運動期間ということになるわけでありまして、五日とかりに予定いたしますと、あとの五日で、選挙公営等をやるとすれば、そういうことのいろいろな処理をやらなければならないというようなこと等にもなるわけであります。れから四は、選手につきまして適宜短縮してもらいたいという意見でございまして、具体的に何日というところまでは触れていないわけであります。  それから次は、公務員選挙運動禁止でございまして、一は知事市町村長または個別職にある者が、自己の選挙以外の選挙において選挙運動を行うことを禁止することということでございまして、現在この長等につきましては、選挙運動についての制限がないわけでございます。また特別職についても同様でございまするが、こういうものについて大体知事市町村長等立候補して選挙運動をやるという場合に、自分立候補した知事市町村長選挙運動については選挙運動はやつていいが、ほかの議員等選挙運動等についてはこれを禁止した方がいいのではないか。本来の知事市町村長の地位を濫用するきらいがあるからというような点から、こういう意見が出ておるのだろうと思います。それから二は、公務員選挙運動を全面的に禁止することということでございまして、この公務員につきましては、国または地方公共団体を問わずこういうように禁止したらいいという意見でございます。  次は団体選挙運動でございまするが、この団体選挙運動は、政党その他の政治団体、あるいは労働組合等もあるわけでありますが、ここで特にあげてございまするのは、職員団体等組織を通じてする選挙運動禁止または制限することということでございまして、主として教員組合、あるいは県庁その他の職員組合等が、そういう組織を通じて選挙運動をすることは弊害があるから禁止したらどうか、あるいは制限したらどうか、こういう意見でございます。  次は教職員選挙運動についてでございまするが、これは教職員選挙運動禁止すること。教職員と申しますと、私立学校教職員も入るわけでございますが、特に教育公務員について禁止したらどうかというような意見もございます。  次は未成年者選挙運動でございまして、この未成年者選挙運動禁止することという意見でございます。その場合に、例外といたしまして、候補者と同居する親族等は除いたらどうかというような意見もございます。自分の子供が父親のために選挙運動をするというようなことは人情のしからしめるところで、それぐらいは弊害もないから、そのままに認めたらどうかというようなことでございます。  次は選挙運動員及び労務者についてでございまするが、これは運動員労務者の数を制限することという意見がございます。それから次は、選挙運動員及び労務者定義を、制限するということになりますと、明らかにすることが必要になつて参りますので、そういう定義を明らかにしたらどうかという意見でございます。それから三は選挙運動員が日当、たとえば報酬等を受け得る旨の規定を設けたらどうかというようなことでございます。選挙運動たとえば連呼行為禁止するかどうかというようなこと等とも関連いたしまして、そちらの方で連呼行為をかりに禁止するということにいたしますれば、選挙運動員等制限するというようなことは、そちらの方で大部分制限を受けることになりまして、そういうことによつてその弊害を除去されることにもなるかと思つております。それらとあわせ考うべき問題だと思つております。三に書いてございますことは、現在選挙運動員は、買収規定と関連いたしまして、報酬をもらつていろいろ選挙運動をしてはいかぬというのが現在の二百二十一条にあるのでございますが、それらとあわせて報酬を常々ともらえるようにしたらどうかという意見でございます。  次は署名運動禁止ということであります。これは現在規定がございませんが、特定候補者推薦目的として署名を求める行為禁止することであります。今度の地方選挙におきまして、こういうことがあつたそうでありまして、家をまわりまして署名を求めて行つたという事実があるそうでございます。そういうことも明文を置いたらどうかという意見でございます。  戸別訪問につきましては、一、二とございまして、一は全面的に禁止するということで、これが下に書いてありますように、たくさんの意見がございます。次は戸別訪問を認める範囲をさらに限定するという点でございまして、そのうちのイは、市町村選挙に限つて禁止する、但し市のうち五大市は除きます。次は親族以外を禁止する、親族だけは戸別訪問を認めようという制限的な意味において戸別訪問を認めようという意見が出ております。  次は自動車、拡声機及び船舶の使用でありますが、市のうち、五大市を除きました市と町村選挙については、禁止したらどうかという意見であります。現在の公職選挙法におきましては、台数の制限はこれらの選挙につきましては規定いたしてありませんので、何台でも一応使えることになつております。しかしながら、それを使つた場合は再挙費用に加算するというようなことで、百九十七条であつたと思いますが、そこで押えてありますので、そういう点で自然に抑制されるというような規定の建前になつておりますが、事実上こういうところでは必要がないから、堂々と禁止する規定を置いたらどうかという意見だと思います。  それから次は文書図画の問題でありますが、その一ははがき、ポスター枚数制限有権者数に比例して行うようにすること。二は枚数をさらに増加することという意見でございます。三はポスターを掲示する施設につきまして、次のように措置したらどうかという意見でありまして、イは掲示施設公営で行うというのでありまして、ポスターを張る場所をきめまして、そういう設備を設けて公営でやつたらどうかという意見であります。それから現在は、こういうポスターを掲示します場所制限は、国または地方公共団体等の所有または管理する建物は全部いかぬということになつておりますが、それらのうちで特に公営の住宅、橋梁、電柱等には掲示し得る道を開いたらどうかというのであります。  次は文書図画撤去の問題でありますが、これは投票所の入口から一町以内の区域に掲示したポスターについては、次のように措置したらどうかというのであります。一は撤去義務候補者に負わせること。現在は選挙管理委員会選挙の当日または前日に撤去することになつておるのを、候補者撤去したらどうかという意見であります。それから次は撤去義務規定を廃止したらどうか。張つたら張つたままにそのままにしておいたらどうかというような意見でございます。  それから次は新聞紙、雑誌の報道及び評論等の自由の問題につきまして、一、二の意見がございまして、一は、新聞雑誌範囲を明確にすることという意見でございます。二は人気投票当落予想等についての制限を設けること、こういう意見であります。  それから次は公営立会演説会についてでありまするが、一は条例により任意立会演説会開催し得る場合を拡張することということでありまして、県会議員等選挙につきましても、これを拡張してやれるようにしたらどうかという意見であります。二は立会演説会開催当日の他の演説会等開催制限を緩和することということでありまして、御承知通り立会演説会開催当日他の演説会をやつてはいかぬということになつておりますが、その制限を緩和しようということでございます。こういう意見であります。  次は街頭演説でありますが、一は街頭演説をいたしまする演説者を限定すること、こういう意見であります。二は街頭演説を行いますのに、あるいは昼間に限るとか、あるいは時間を限るとか、あるいはその街頭演説を行いまする場所制限設けること、こういうことでございます。街頭演説の一の方には、候補者でなければ街頭演説はできないというような規定を設けたらどうかというような意見も含まれております。  次は連呼行為の問題でありますが、一は全面的に禁止することという意見であります。二は所定の自動車上における連呼行為だけを認めて、その他は一切禁止するという意見であります。所定の自動車土と申しまするのは、選挙法できめられた台数、一台または二台等のその自動車上からやる連呼行為、こういうことであります。三は連呼行為と演説との区別を明確にするということでありまして、現在連呼と演説という区別が必ずしも法律上明確にされておりませんが、それらを明確にして、取締りを現在よりはつきりさしたらどうかという意見であります。何々さんに投票を願いますというようなことになつた場合におきましては、連呼行為であるのか、演説に含まれるのかというような点であります。  次は選挙公報の問題でありまして、条例により任意選挙公報を発行し得る場合を拡張することということでございまして、現在選挙公報を発行し得ます範囲を限定してあるのでございますが、それをずつと広く、条例できめさえすれば、地方選挙のどういう選挙でもやり得るように規定を改めたらどうかというような意見であります。  それから氏名等の掲示の問題でありますが、その一は従来の公営による候補者の氏名等の掲示にかえて、投票記載所のボツクスごとにその氏名を掲示したらどうかという意見であります。二は掲示期間を短縮し、参議院については廃止したらどうか、こういう意見であります。現在氏名等の掲示は十日間になつておりまして、参議院の全国選出議員につきましては一箇所、その他は三箇所ないし五箇所、こういうことになつているのであります。  次は選挙運動の収支報告書の提出の問題でありまして、中間報告を廃止して、精算報告一回の提出で足りることとすること、こういう意見であります。  それから選挙運動費用についてでありますが、一は選挙運動の法定制限額を実情に即するように改めることということでございます。現在法律上は政令で選挙費用の基準をきめることになつておりますので、その額によつて算定することになつているわけでございます。それから二は県会議員以下の選挙の自動車使用の費用を法定費用に算入しないこと、こういう意見であります。現在は先ほど申しましたように、算入することになつておりますのを、それを選挙費用に加算しないようにしたらどうか、こういう意見であります。  それから罰則でございいすが、罰則についてもおもなものを書き上げてございますが、その一は、立候補前におきまししも虚偽事項公表罪の成立を認めることということでございまして、現在は、立候補者がきまりまして、立候補の後になりまして候補者が多年のいろいろの経歴その他等につきまして、一般の公開の席で虚偽を申し述べたりいたしました場合に、虚偽要項公表罪になるわけでございますが、届出前におきまして、もう前からあの人を出そうということでいろいろやる、こういう事例もないわけではないそうでございますが、そういう場合も処罰するようにしたらどうかというのが一の意見。それから二は詐偽投票罪の未遂を処罰する規定を設けることということでございまして、これは実際投票した後におきまして、その投票が詐偽によつて行われたという場合、詐偽投票罪になるわけでございますが、実際は投票しなくても、たとえば不在者投票とか、あるいは代理投票等におきまして、かわつて補助者行為をしてやるというような場合に、本人の希望した意思に反した候補者の名前を書く、そうしてそれが事前に発在したというような場合には、これを処罰する規定がございませんので、そういうものをも処罰する逆を開いたらどうかというのが二の問題。三は現行の併科刑を改め、悪質犯についても併科刑を科するようにすること。それから四は選挙違反訴訟の審理を促進すること。これらはおもなものを書き上げましたので、以上さきに述べました選挙運動その他の点がきまりますとともに、また罰則の方も、それに応じましてそれぞれ所要の改正を加えざるを得ないと考えております。  それから最後に補則のところで、これはあげておいたのでございますが、選挙法上の期間計算につきまして、起草日を明確にするための明文を設けることということでございまして、現在は何々の日から何日以内というようなことになつておらますが、それは当日を含めることになるのか、翌日から起算することになるのかというようなことが選挙法上はつきりしないという点もあるのでありますが、それをはつきりして、当日起算というようなことに明白にしようということになつております。そういうことがおもなる意見であります。  以上、新法におきまするところの意見の概要をここにあげた次第でございまして、それ以外に全国の都道府県選挙管理委員会連合会あるいは全国の地区選挙管理委員会連合会等の意見がございまして、活版にしたものをお手元に差上げてあると存じますが、それらの意見もございます。これらの意見等を参酌いたしまして、別にタイプで打つてございますのが公職選挙法改正に関する主要な研究事項で、主として選挙運動を中心として考えました事項を並べてございます。以上大体申し上げました。
  8. 水田三喜男

    水田委員長 それではただいまより公職選挙法改正に関する件を議題といたします。
  9. 並木芳雄

    並木委員 今の御報告に対してちよつとつけ加えさしていただけませんでしようか。
  10. 水田三喜男

    水田委員長 よろしゆうございます。それでは各実地調査に参られました委員から、それぞれ補足の説明報告がございましたらお願いいたします。
  11. 並木芳雄

    並木委員 三浦さんから最初に、もし足りぬところがあつたら各派遣委員から補足してくれということでありましたし、きよう初めてこのプリントを拝見いたしましたところ、実は非常によくまとめておられることに敬服したわけです。非常にわかりやすくて、各派遣委員のどこでどういう意見を持つているかということまで明示されてあつて、非常に参考になると思います。従いまして、大して補足することはないのですが、ちよつと私が気のついたことで、大きい問題を三つだけここであげておきたいと思います。  その一つは事前運動でありますが、事前運動というものの定義をはつきりしておかないために、実際の取締りに当り非常に困つたという声を聞いたのであります。どつかあるいはこの報告に含まれておるかもしれませんが、私の今聞いた範囲では、その点が含まれておらなかつたと思いますから、現実に取締りとする場合に、これは事前運動になるのだというきめだまが出て来るようにしてもらいたい、それが一つでございます。  それから第二の点は、選挙法それ自体の改正ではありませんが、朝令暮改の感があつて、実際に改正がひんぴんとして行われる。これを実行する選挙管理委員会あるいは取締りに当る検察、警察当局としては、この改正されたものを覚えるだけでもたいへんで、ましてや周知徹底せしめるには非常な努力と時間がいるので、結局うまい運用ができないおそれがあるので、改正した日には、必ず前の日までに周知徹底せしめるだけの時間的余裕を置いてくれという強い要望がありました。これが第二点です。  第三点は、選挙法の形態に関する注文でございました。公職選挙法が一本になつて、この点は非常にいいという前提のもとに、いいはいいけれども、総論だけをまとめて、国会議員の選挙、都道府県会議員選挙市町村長選挙市町村会の議員選挙都道府県知事選挙教育委員選挙、こういうふうにあとは各論的に種類別につくりあげていただいたならば見るのに非常に便利である、こういう声をかなり聞いたのであります。これはちようど地方税の形になつて来ると思う。固定資産税とか市町村民税とか、総論を先にあげて、あとから各論を選挙の種類別にしていただいたならば、非常に実行するのに能率があがる、こういう御意見であつたのであります。その形態に関連して、選挙運動について、左に掲ぐる選挙運動以外は一切これを認めずというような形は法律としてできないものであろうか、これは私は相当いい意見じやないかと思つて聞いて来たんです。あるところではこのことを禁止する、ある条項においては左のことは許すというふうに、法律の体系が選挙運動に関しては一本でないわけなんです。それですから、それを選挙運動は左の諸項に限つてこれを許可する、その他のことは一切いけないのだというふうにすると非常に一目瞭然でよろしい、こういう御意見であつたのです。これを第三点といたしまして、ちよつと今思いついた点を補足させていただきます。
  12. 水田三喜男

    水田委員長 そのほかにございませんか。
  13. 立花敏男

    ○立花委員 質問でもいいですか。
  14. 水田三喜男

    水田委員長 よろしゆうございます。
  15. 立花敏男

    ○立花委員 私どもたくさん陳情書をいただいておるのですが、三浦さんこれを一応ごらんになりましたか。
  16. 三浦義男

    三浦法制局参事 全部見ました。
  17. 立花敏男

    ○立花委員 そうするとごらんになつたものと、今御報告願つた委員調査なさつた分の中で、きようの新聞なんかに載つております小選挙区の問題、それに関する要望がありましたかどうか。私はこれに目を通していないのですが、この中にあるかどうか、今御報告なさつた中にはなかつたと思うのですが、話の中に出て漏れておるようなことがありはしないか、それをひとつ御報告願います。
  18. 並木芳雄

    並木委員 今のは、むしろ派遣委員の一員として立花さんにお尋ねしたいのですが、調査の中にそこまでは含まれておらなかつたと思うのです。選挙区の問題とか、あるいは中には参議院をやめてしまえというような意見もありましたし、それから参議院の六年は長過ぎるとか、参議院の全国区はナンマンスだというようなことは、意見としてはあつたのですが、今度は調査目的が限定されて、主として選挙運動ということであつたのですから、私どもは聞きはしましたけれども、公式の報告には出していないはずであります。
  19. 立花敏男

    ○立花委員 そういうことを含んだ上での御答弁でけつこうです。大体そういう方向だつたと思うのですが、行かれました個々人の委員の方とされては、また違つた意見をもつて参加されたかわからぬ、公の上ではそうなつておる。しかも話の内容がそういう制限のわくを越えた話もあつたかもしれませんが、私は参加しておりませんので、そういう話があつたかなかつたかということだけ事案として報告していただいてけつこうです。
  20. 三浦義男

    三浦法制局参事 ただいまお手元に差上げました委員派遣地における公職選挙法改正に関する主要意見集と申しますのは、地方おいでなつ委員方々が、先方でいろいろ文書による調査書類等をもらわれましたそれらを参考といたしましてまとめましたのでございまして、それらには私の知つておる限りにおきましては、文書の上では選挙区制の問題には触れていなかつたと考えております。それから都道府県選挙管理委員会、あるいは市区の選挙管理委員会等の改正意見なり陳情書もここにございますが、これも選挙区制の問題には全然触れておりません。それらの問題について、ただ地方におきまして非公式にと申しますか、雑談的にいろいろ意見があつたところもあるかとは存じておりますが、文書の上ではないと考えております。
  21. 鍛冶良作

    鍛冶委員 今のその問題ですが、向うの方では、むしろわれわれは事務に携わつているから、事務的なことを申し上げるだけで、政治的なことは触れないように、むしろ向うの方から言つておるのでありますから、先ほどから出たような大きな制度上の問題なんということには、まず触れなかつた。従つてその問題は出ませんでした。
  22. 水田三喜男

    水田委員長 それではお諮りいたしますが、今までの議事のあとを顧みますと、最初各党から改正意見を出していただいて、これを中心に小委員会がその検討をやつて結論を出し、要綱を作成するということで、小委員会はすでに二回開かれまして、要綱の作成に現在とりかかつておりましたところへ、今回全国に委員が派遣されて、その結果を持つて参りましたために、従来のいろいろの各政党の意見と、それから今回地方調査いたしまして、それらの意見を総合し、問題点は大体これくらいある、この点だけを検討すれば、大体今度の改正目的は達するのではないかというふうに考えて整理したものが、先ほど三浦部長から説明されたように大体三十項目あるということになりましたので、この三十項巨につきまして、一応この委員会全体で二通りの討議をして、これをさらに小委員会に移しますか、それとも問題の所在ははつきりしておりますので、ここで一応の討議をよして、これをすぐに小委員会に移して検討するということにした方がよろしゆうございますか、どちらにいたしましよう。ちよつと速記をやめてください。     〔速記中止〕
  23. 水田三喜男

    水田委員長 それでは速記を始めて……。ではそういうことにいたしまして、小委員会にかける前に、各委員におかれましてこの三十項目に対するいろいろな御意見がございましたならば、フリー・トーキングの形で継続することにいたします。     〔午後二時十九分懇談会に入る〕     〔午後二時五十五分懇談会を終る〕      ――――◇―――――     〔懇談会を終つて散会〕