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1951-03-31 第10回国会 衆議院 建設委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月三十一日(土曜日)     午前十一時二分開議  出席委員    委員長 藥師神岩太郎君    理事 内海 安吉君 理事 田中 角榮君    理事 前田榮之助君    逢澤  寛君       淺利 三朗君    今村 忠助君       宇田  恒君    小平 久雄君       瀬戸山三男君    高田 弥市君       西村 英一君    中島 茂喜君       増田 連也君    池田 峯雄君       寺崎  覺君  出席政府委員         建設事務官         (河川局次長) 伊藤 大三君  委員外出席者         議     員 黒澤富次郎君         議     員 井出一太郎君         運 輸 技 官         (鉄道監督局民         営鉄道部土木課         長)      富田 恵吉君         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ————————————— 三月二十九日  委員高木吉之助君辞任につき、その補欠として  宇田恒君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 三月二十九日  軽井沢国際親善文化観光都市建設法案黒澤富  次郎君外百二十名提出衆法第三四号) 同月三十日  河川法の一部を改正する法律案西村英一君外  十一名提出衆法第三九号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  軽井沢国際親善文化観光都市建設法案黒澤富  次郎君外百二十名提出衆法第三四号)  河川法の一部を改正する法律案西村英一君外  十一名提出衆法第三九号)   請願  一 横浜文壽堂印刷株式会社工場立退に伴う職    員救済請願門司亮紹介)(第八八    号)  二 朱太川切替工事施行に関する請願(小川原    政信君紹介)(第八九号)  三 芝川下流沿岸地帯水害防止に関する請願    (志田義信君外一名紹介)(第九二号)  四 見返資金による三陸東海岸国道開設請願    (志田義信紹介)(第九五号)  五 長良橋架替促進請願大野伴睦紹介)    (第九六号)  六 川口地内山入改修工事施行請願外一    件(福田篤泰紹介)(第九七号)  七 鹿児島下特殊土壌災害防止に関する請    願(中馬辰猪紹介)(第九八号)  八 月光川上流砂防工事施行請願志田義信    君紹介)(第九九号)  九 中藻興部奥興部間開拓道路開設請願(    松田鐵藏紹介)(第一〇三号) 一〇 本別町に上水道敷設請願伊藤郷一君紹    介)(第一〇七号) 一一 関門海峡隧道工事促進請願坂本實君紹    介)(第一一三号) 一二 味間村味間奥より篠山口駅に至る道路を県    道に編入請願有田喜一紹介)(第一    三〇号) 一三 吉野川改修工事促進請願生田和平君外    一名紹介)(第一三二号) 一四 竹田川改修工事施行請願有田喜一君紹    介)(第一三三号) 一五 昭和橋永久橋架替え並びに同地内道路    改修工事施行請願橋本龍伍紹介)(    第一三四号) 一六 日開谷川勝名橋下流堤防補強並びにしゆ    んせつ工事施行請願岡田勢一君紹介)    (第一三五号) 一七 球磨川改修工事施行請願坂田道太君紹    介)(第一九一号) 一八 犀川に国直轄改修工事施行請願植原悦    二郎君外一名紹介)(第二〇〇号) 一九 鍋田川に国直轄改修工事施行請願江崎    真澄紹介)(第二五〇号) 二〇 木曽川上流堤防築設費増額請願江崎    真澄君外二名紹介)(第二五一号) 二一 安野呂川改修工事施行請願冨永格五郎    君紹介)(第二五二号) 二二 荒沢村地内に防災ため池築設の請願(野原    正勝君紹介)(第二七三号) 二三 見返資金による三陸東海岸国道開設請願    (柄澤登志子紹介)(第三〇二号) 二四 鹿児島県下の治山治水事業費国庫補助増額    の請願中馬辰猪紹介)(第四三四号) 二五 福良沿岸防波堤築設の請願塩田賀四    郎君紹介)(第四三九号) 二六 田野畑海岸観光道路開設請願小澤佐    重喜君紹介)(第四五〇号) 二七 由良川改修工事に関する請願大石ヨシエ    君紹介)(第四六一号) 二八 大川右岸堤防復旧並びに放水路永久橋    架設請願菅家喜六紹介)(第四六三    号) 二九 月山山ろく開拓道路開設請願池田正之輔    君紹介)(第四九〇号) 三〇 県道盛岡秋田線改修工事施行請願山本    猛夫紹介)(第五〇二号) 三一 野木村野渡地内渡良瀬川堤防築設の請願    (小平久雄紹介)(第五〇四号) 三二 県道串村、鹿野間道路改修工事施行請願    (青柳一郎紹介)(第五〇五号) 三三 赤麻沼遊水池放水路しゆんせつの請願(    青木正紹介)(第五〇六号) 三四 大袖開拓道路開設促進に関する請願志田    義信紹介)(第五三三号) 三五 国道十号線本荘町以南地区改修工事施行の    請願村上清治紹介)(第五三六号) 三六 都市計画事業に対する国庫補助増額等に関    する請願平野三郎紹介)(第五四三    号) 三七 戦災復興特別都市計画事業に対する国庫補    助金削減反対請願平野三郎紹介)(    第五四四号) 三八 坪田村に砂防工事施行請願菊池義郎君    紹介)(第五四五号) 三九 最上川支流乱川改修工事施行請願志田    義信紹介)(第五四七号) 四〇 県道川前路線改修工事施行請願志田義    信君紹介)(第五四八号) 四一 川口芝川樋管改修並びに排水施設整備の    請願志田義信紹介)(第五四九号) 四二 丹生川上流砂防工事施行請願志田義    信君紹介)(第五九六号) 四三 県道大石田富沢間改修工    事促進請願志田義信紹介)(第五九    七号) 四四 母袋川、湯沢川上流砂防工事促進請願    (志田義信紹介)(第五九八号) 四五 丹生川橋永久橋に架替の請願志田義信    君紹介)(第五九九号) 四六 小国川下流富田地内の災害復旧及び堤防築    設の請願志田義信紹介)(第六〇〇    号) 四七 赤井川砂防工事施行請願志田義信君紹    介)(第六〇一号) 四八 県道楯岡線国道編入並びに改修工事施    行等請願庄司一郎紹介)(第六〇二    号) 四九 白水川上流砂防工事施行請願志田義    信君紹介)(第六〇三号) 五〇 巨瀬川改修工事施行請願荒木萬壽夫君    外二名紹介)(第六五三号) 五一 内川外二川の改修工事施行請願(高塩三    郎君外二名紹介)(第六五四号) 五二 柴山湖外二湖の国営沿岸排水工事施行に関    する請願坂田英一紹介)(第六五五    号) 五三 国道十五号線中橋本五条間改修工事施行    の請願前田正男紹介)(第六五六号) 五四 十川改修工事施行請願山崎岩男君紹    介)(第六五七号) 五五 大蔵村地内災害防除地殻に関する請願(志    田義信紹介)(第六五八号) 五六 吉井川改修工事予算増額等に関する請願(    星島二郎君外五名紹介)(第六五九号) 五七 船坂川の砂防工事促進請願吉田吉太郎    君紹介)(第六八〇号) 五八 山之口村下富吉地内の富吉川及び花之木川    の改修工事施行請願瀬戸山三男君紹    介)(第六八一号) 五九 加茂川下流福井地内に防災工事施行請願    (大村清一紹介)(第六八二号) 六〇 庄内川上流砂防工事費国庫補助請願(    加藤鐐造君紹介)(第六八三号) 六一 道路法改正して三陸沿岸縦貫国道開設の    請願鈴木善幸紹介)(第七二三号) 六二五家荘地区開発に発する請願坂田道太君紹    介)(第七二五号) 六三 箒川を中小河川に指定並びに砂防工事施行    の請願小平久雄君外四名紹介)(第七五    三号) 六四 雨龍村、江部乙村間の石狩川架橋請願    (篠田弘作紹介)(第七五四号) 六五 片貝塚山間道路開設請願田中角榮    君紹介)(第七五五号) 六六 八頭郡西部地区道路改修に関する請願(    足鹿覺紹介)(第七五六号) 六七 球磨川にダム築設の請願外一件(坂田道太    君紹介)(第七五七号) 六八 船岡作業所連合国軍関係労務者危険手当    支給の請願庄司一郎紹介)(第七八二    号) 六九 天神橋を永久橋に架替の請願門脇勝太君    紹介)(第七八三号) 七〇 小田橋架替の請願門脇勝太郎紹介)(    第七八四号) 七一 南山開拓道路開設促進並びに工事費増額に    関する請願志田義信紹介)(第八〇六    号) 七二 角川村地内各河川にえん堤工事施行請願    (志田義信紹介)(第八一五号) 七三 古口、今神間の道路県道編入並びに改    修工事施行請願志田義信紹介)(第    八一六号) 七四 県道角川古口停車場線道路改修工事施行の    請願志田義信紹介)(第八一七号) 七五 根知村地内根知改修工事施行請願(田    中彰治紹介)(第八一八号) 七六 東嶽山系砂防工事施行請願瀬戸山三    男君紹介)(第八一九号) 七七 県道都城坂元線隧道開さく促進に関する    請願瀬戸山三男紹介)(第八二〇号) 七八 河川災害復旧費増額に関する請願瀬戸山    三男紹介)(第八二一号) 七九 治水予算増額に関する請願瀬戸山三男君    紹介)(第八二二号) 八〇 焼尻村地内災害復旧に関する請願玉置信    一君外一名紹介)(第八四三号) 八一 第一有明橋永久橋に架替の請願前田郁    君紹介)(第八九一号) 八二 木曽川下流にしゆんせつ工事施行等請願    (江崎真澄紹介)(第八九二号) 八三 南藁科村地内藁科川堤防築設の請願(西    村直己紹介)(第九一五号) 八四 県道岐阜富山線国道編入請願岡村    利右衞門紹介)(第九一六号) 八五 新潟県下の地すべり対策砂防工事費国庫負    担の請願田中彰治紹介)(第九四三    号) 八六 福良沿岸防波堤築設の請願塩田賀四    郎君紹介)(第九四四号) 八七 国道四号線中白石、越河間道路改修工事施    行の請願庄司一郎紹介)(第九五六    号) 八八 江合、鳴瀬両河川合流工事促進に関する    請願庄司一郎君外五名紹介)(第九六八    号) 八九 県道新院内線改修工事費増額請願(志    田義信紹介)(第九九四号) 九〇 長良橋架替促進請願大野伴睦紹介)    (第一〇四三号) 九一 附馬牛村地内の防災えん堤工事施行請願    (山本猛夫紹介)(第一〇四四号) 九二 富磯、鵜泊間道路開設請願冨永格五郎    君外二名紹介)(第一〇五八号) 九三 片貝塚山間道路開設請願田中角榮    君紹介)(第一一〇〇号) 九四 見槻川砂防工事施行請願稻田直道君紹    介)(第一一〇一号) 九五 美谷栄浜間道路開設請願冨永格五郎君    外二名紹介)(第一一〇三号) 九六 志賀坂峠十石峠間道路開設請願(高間    松吉君外二名紹介)(第一一八七号) 九七 県道松本高山線開設に関する請願岡村利    右衞門紹介)(第一一八九号) 九八 田吹災害復旧工事促進請願山本久雄    君紹介)(第一一九〇号) 九九 根之谷川上流にえん堤工事施行請願(山    本久雄紹介)(第一一九一号) 一〇〇 呉市、昭和間道路改良工事施行請願    (宮原幸三郎紹介)(第一一九二号) 一〇一 県道宇都宮今市線外二線の国道編入に    関する請願尾関義一君外十名紹介)(第    一一九三号) 一〇二 上蒲刈島村地内の田戸大川にえん堤築設    の請願中川俊思君紹介)(第一一九四    号) 一〇三 戸川坂隧道開さく請願山本利壽君紹    介)(第一二    〇八号) 一〇四 千代田橋架設促進請願高倉定助君紹    介)(第一二〇九号) 一〇五 オソウシ原野電源開発道路開設請願(    高倉定助紹介)(第一二四五号) 一〇六 治水利水予算増額に関する請願(瀬戸    山三男紹介)(第一二四六号) 一〇七 菱海村地内久冨川に砂防工事施行請願    (周東英雄紹介)(第一二四七号) 一〇八 サロベツ川を日本海に切替請願玉置    信一君紹介)(第一二四八号) 一〇九 阿沙流、徳満間開拓道路開設請願(玉    置信一君紹介)(第一二四九号) 一一〇 渡川砂防工事施行請願長野長廣君紹    介)(第一二五〇号) 一一一 砂防予算増額並びに東の川線大柱山砂防    えん堤修築請願長野長廣紹介)(第    一二五一号) 一一二 茂岩橋永久橋に架替等の請願高倉定    助君紹介)(第一二五二号) 一一三 下ノ加江川に砂防えん堤築設費国庫補助    の請願長野長庫紹介)(第一二五三    号) 一一四 利別川治水工事費国庫補助請願高倉    定助君紹介)(第一二五四号) 一一五 砂防予算増額並びに伊与野川に砂防えん    堤築設の請願長野長廣紹介)(第一二    五五号) 一一六 国道延岡岩脇間道路改修促進請願(    佐藤重遠君外五名紹介)(第一二五六号) 一一七 県道延岡三角線国道一級路線編入の    請願佐藤重遠君外八名紹介)(第一二五    七号) 一一八 国道三十四号線中新橋、相生橋間に軍港    都市転換法による補装工事施行請願(大    石ヨシエ紹介)(第一二九〇号) 一一九 国道三十四号線中相生橋、余部上十一丁    目間の道路改修請願大石ヨシエ君紹    介)(第一二九一号) 一二〇 下田、修善寺間道路改修工事施行請願    (畠山鶴吉紹介)(第一三二五号) 一二一 災害復旧費全額国庫負担に関する請願(    江崎真澄紹介)(第一三二六号) 一二二 伊東三島間道路補装促進請願畠山    鶴吉紹介)(第一三二七号) 一二三 滑川改修工事施行請願圓谷光衞君紹    介)(第一三二八号) 一二四 長柄池築設促進請願島田末信君紹    介)(第一三四一号) 一二五 国道六号線中葛飾区金町四丁目、同六丁    目間道路改修工事施行請願中島守利君    紹介)(第一三四六号) 一二六 府県道勝沼大月線道路改修並びに国道編    入の請願今村忠助君外六名紹介)(第一    三四七号) 一二七 国際観光温泉文化都市として伊東市に国    庫補助金交付請願畠山鶴吉紹介)(    第一三八三号) 一二八 県道宇治山田吉津線及び吉津長島線改修    工事施行請願中村清紹介)(第一三    九六号) 一二九 県道川津浜・入谷間海岸道路改修工事施    行の請願畠山鶴吉紹介)(第一三九七    号) 一三〇 福良、阿万両町間に直通道路開設請願    (塩田賀四郎紹介)(第一三九九号) 一三一 浦臼・奈井江両村間の石狩川架橋の請    願(篠田弘作紹介)(第一四〇〇号) 一三二 網代、宇佐美間道路改修工事施行請願    (畠山鶴吉紹介)(第一四〇一号) 一三三 伊東市、修善寺間を観光道路として改修    工事施行請願畠山鶴吉紹介)(第一    四〇二号) 一三四 伊東十足間を観光道路として改修工事施    行の請願畠山鶴吉紹介)(第一四〇三    号) 一三五 山道田方宇佐美、大仁間を観光道路と    して改修工事施行請願畠山鶴吉君紹    介)(第一四〇四号) 一三六 椹沢、大曽根両村間の町村道県道に編    入の請願松浦東介紹介)(第一四六一    号) 一三七 田吹災害復旧工事促進に関する請願(    山本久雄紹介)(第一五二一号) 一三八 都市計画審議会令の一部改正に関する請    願(野村專太郎紹介)(第一五二二号) 一三九 道路法及び同法施行令の一部改正に関す    る請願野村專太郎紹介)(第一五二三    号) 一四〇 吉井川上流下原地内の堤防築設工事継続    に関する請願大村清一紹介)(第一五    四九号) 一四一 吉井川上流原及び薪森原地内に堤防築設    の請願大村清一紹介)(第一五五〇    号) 一四二 熱海市の温泉開発事業費国庫補助等に関    する請願畠山鶴吉紹介)(第一五五二    号) 一四三 新丹那トンネル開さく工事継続に関する    請願畠山鶴吉紹介)(第一五五四号) 一四四 県道小田原伊東間を観光道路として改    修工事施行請願畠山鶴吉紹介)(第    一五五五号) 一四五 熱海三島間を観光道路として改修工事    施行請願畠山鶴吉紹介)(第一五五    七号) 一四六 国際観光温泉文化都市として熱海市に国    庫補助金交付請願畠山鶴吉紹介)(    第一五五八号) 一四七 国費による中仙道以東地区河川排水    工事施行に関する請願中島守利君外四名    紹介)(第一五五九号) 一四八 多摩川堤防外地域砂利採取禁止請願    (栗山長次郎紹介)(第一五八四号) 一四九 北上川中流改修工事施行に関する請願    (淺利三朗紹介)(第一六六九号)     —————————————
  2. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 これより会議を開きます。  まず請願審査を行います。請願日程第一、横浜文壽堂印刷株式会社工場立退に伴う職員救済請願門司亮紹介文書表第八八号ないし日程第一四九、北上川中流改修工事施行に関する請願淺利三朗紹介文書表第一六六九号を一括議題といたします。この際請願審査に関する小委員長報告を求めます。請願審査に関する小委員長小平君。
  3. 小平久雄

    小平(久)委員 ただいま議題となりました総数百四十九件の請願に関しまして、請願審査に関する小委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  右請願は、本小委員会において慎重審議の上、審査済みと相なりましたのでございますが、その内訳は、一、河川関係のもの七十六件、二、道路関係のもの六十四件、三、都市関係のもの七件、四、その他のもの二件と相なります。  第一の河川関係請願につきましては、終戦前後を通じての改修工事の見送り、山林の濫伐等により、河川はいまだ全国的に荒廃いたしておりますところ昨年度は数度にわたる台風に見舞われ、多大の被害をこうむりましたので、その復旧工事については孜々として努力いたされましたものの、一たび出水ともなりますれば、堤防の決壊、耕地の流失、人畜に対する悲惨事を見ざるとは保証しがたいものがありますから、これが対策としてすみやかに災害復旧工事砂防工事または根本的治水対策樹立等を要望いたすものであります。  第二の道路関係請願につきましては、これまた道路はその荒廃のはなはだしいものがありますから、すみやかに国道県道等改修をいたしまして、全国的道路組織整備をはかりまして、重要物資大量輸送を確保いたし、もつて国家経済発展策を講ぜられたいという要望であります。  第三の都市関係請願につきましては、都市建設事業終戦後多少の改善を見たのでありますが、いまだきわめて不満足の状態にあり、遅々として進捗せざるものがありますから、都市建設促進を要望いたすものであります。  その他の請願につきましては、国土の総合開発計画促進等重要なものであります。  よつて右百四十九件の請願は、昨三十日の小委員会におきまして内容の審査を終了いたしまして、各請願の取扱いについて愼重に検討いたしました結果、本小委員会といたしましては、いずれも適切妥当なものと認め、衆議院規則第百七十八条により、議院会議に付するを要するものとし、採択の上、内閣に送付すべきものと決した次第であります。  以上簡単ながら、請願審査に関する小委員会において審査いたしました経過を御報告申し上げます。
  4. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 お諮りいたします。ただいまの請願審査に関する小平委員長報告通り、本日の請願日程全部について議院会議に付するを要するものとし、採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 御異議がなければさように決します。  なおただいま採択いたしました各請願に対する委員会報告書につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 御異議がなければさように決定いたします。     —————————————
  7. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 次に河川法の一部を改正する法律案議題といたします。本日は、提案者以外に伊藤河川局次長富田運輸省土木課長も臨席されておりますから、念のために申し上げておきます。  まず提案者西村英一君より提案理由の説明を聴取することにいたします。西村君。     —————————————  河川法の一部を改正する法律案   河川法の一部を改正する法律  河川法明治二十九年法律第七十一号)の一部を次のように改正する。  第三十二条第二項を次のように改める。  河川ニ関スル工事ニ困リテ必要ヲ生シタル他工事ニシテ其ノ目的タル工作物管理費用公共団体ハ私人ニ於テ負担スルモノニ付テハ其工事ニスル費用ハ工事ノ必要ヲ生シタル程度ニ於テ河川ニ関スル費用負担スル者負担トスシ其工事ニ因リ公共団体ハ私人カ特ニ利益受クル場合ニハ其利益受クル限度ニ於テニ其費用ノ一部ヲ負担セシムルコトヲ得    附 則  この法律は、公布の日から施行する。     —————————————
  8. 西村英一

    西村(英)委員 ただいま議題になりました河川法の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表して、提案理由を御説明申し上げます。  現行河川法は、明治二十九年に制定を見たものでありまして、きわめて古い法律であります。これを政治、社会、経済の各般にわたり着々とその民主化が進められている今日から見ますれば、時代に即応しないものが多く、その全面的な改正を考慮しなければならない趨勢にありますことは御承知の通りであります。なかんずく同法第三十二条は、河川に関する工事費用分担を規定している条文でありまして、河川そのもの工事と、河川工事施行することによつて必要となる種々の附帯工事、たとえば鉄道橋梁蒿上あるいは径間拡張とか、道路橋蒿上あるいは径間拡張とか、農事用用排水施設の変更というような附帯工事がある場合の費用負担を定めてある条文であります。この場合、現行河川法建前は、原則として附帯工事管理者がその附帯工事に必要なる費用を負担するというように規定されております。ただ政令によつて、これを三分の二まで補助することができるということになつているのであります。すなわち一例を町村管理用排水施設にとりますと、河川改修に伴うこれらの施設移築改築等が必要なる場合は、その管理者である町村が負担する建前でありまして、政令によりまして、三分の二の補助を受けられる場合でも、三分の一は管理者が負担することとなるのであります。この思想は、現行河川法がきわめて古い時代のもので、国家権力のはなはだ強い時代の考え方でありまして、これを今日から見ますれば、はなはだしく時代に即応しないものがあると考えられる次第であります。ゆえに本法律案改正趣旨は、かような場合においては、その工事の必要を生ぜしめた原因者が負担することが妥当でありまして、特にその管理者に受益がある場合は、その限度で、受益者一部を負担するように改正しようとするのであります。現行法案第三十二条の適用は、河川改修工事のすみやかなる進行が要望されております今日、むしろ工事促進をはばむ原因ともなりますので、同条を原因者負担の精神に改正せんとする次第であります。以上が本法律案の大要であります。  次に、その理由をいま少し詳細に申し上げたいと存じます。第一の理由としては、現行河川法第三十二条は、第一項と第二項から成つておりまして、これをよく検討いたしますと、同条第一項と第二項とは矛盾し、大いに均衡を失しているのであります。すなわち第一項は、他の工事によつて河川工事の必要を生じた場合、この河川工事費の負担は、その原因者が、負担するとしてあるにかかわらず、第二項は、河川工事によつて必要を生じた他の工事、いわゆる附帯工事費用は、この附帯工事管理者をして負担せしむることとしているのでありまして、両者の間にはあまりにも均衡を失し、公平の精神に反するといわざるを得ないのであります。かくのごとく河川法自体においてはなはだ矛盾せる考え方がなされておりますのは、最前も申し上げましたように、国家権力によつて一方的に強制しているような感じがいたすのでありまして、現在の社会情勢にかんがみまして、第一項の精神と同様、第二項も原因者負担とすべきが当然でありまして、もし附帯工事施行によつて特定の利益管理者にある場合には、その受益の限度によつて、その者に費用の一部を負担せしむることが、費用負担の公平の精神に合致するものと考えるのであります。  第二の理由といたしては、現行道路法と比較しての矛盾についてであります。御承知のように、現行道路法は、大正八年制定されまして、河川法に比しては新しい法律でありますが、同法におきましては、第四十一条において、道路附帯工事費用は、道路工事費用負担者が負担する。すなわち原因者負担の建前をとつておるのであります。河川法の場合と原則を逆にしておるのでありまして、近代法の精神が、かような場合に原因者負担であることは明瞭であり、また公平の精神にも合致するものと存ずるのであります。河川法道路法においては、かくのごとく関連法規間の矛盾がありますが、この場合、道路法の原因者負担の精神を貫いているのであります。すなわち河川附帯工事がもし道路である場合は、河川法によりますれば、この附帯道路工事費用は、道路管理者の負担となり、道路法の原則たる原因者負担と相反することとなるので、道路法第六十三条第八号によりまして、かかる場合でも河川法第三十二条は適用しないことといたしまして、原因者負担の精神を一貫させているのであります。  第三の理由としては、現行河川法第三十二条の規定は、その取扱い上、首尾一貫せず、行政上好ましくない点があると思うのであります。すなわち河川附帯工事に対しましては、政令によりまして三分の二まで国庫補助をなし得ることといたしまして特別の場合、全額補助をなし得るようになつておりますが、河川附帯工事は、市町村あるいは公共組合管理用排水施設がその件数において大半を占めておりますが、地方財政困窮の今日におきましては、その特例が一般例となつておるところもあり、あるいは三分の一負担せしめられている場合もありまして、当事者の考え方次第で負担に差異を生ずるような次第でありまして、行政上好ましいことではないのでありまして、これを費用負担の原則を、原因者負担という、すつきりした合理的改正を行いますれば、その取扱いも公正を期し得られると考えるのであります。  第四の理由としては、現行河川法第三十二条第二項の規定は、河川改修促進に対しまして、支障を来しているという点であります。昨今河川災害は激増の一途をたどりつつありますとき、河川改修のすみやかなる進捗が要請されておりますので、その附帯工事費用を、一方的な考え方によつて地方鉄道、あるいは地方公共団体等にその工事費を負担せしむることは、かなり無理なる場合が多く、ために河川改修に一大支障を来しているのであります。御承知の通り河川改修は、公害を除去するために、一貫してすみやかに施行することによりまして、その効果を上げ得るのであります。現行法第三十二条第二項の一方的な取扱いでは、その円滑なる進捗を期しがたいのでありまして、これを原因者負担として、河川工事を、一貫した精神によつて行うことが、河川改修の円滑なる促進をはかるものと確信するものであります。  以上が、本法律案提案いたしましたおもなる理由でございます。  最後に、本法律案河川法全文と文体等を歩調を合せるために、かなり読みにくいようには感ぜられますが、これは、以上申し上げましたような理由によりまして、御了承を願いたいと存ずる次第であります。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いし、提案理由の説明にかえたいと思います。
  9. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 それではただいまより質疑に入ります。小平君。
  10. 小平久雄

    小平(久)委員 ただいま御提案になられました河川法の一部を改正する法律案につきましては、御趣旨はたいへん私もけつこうであると思いますが、ただいま、提案者の説明にもありましたが、河川改修に伴いまして、他の施設を同時に改修しなければならぬという場合、なかんか今まで費用の負担の関係で思うように工事量が足りなかつたということをわれわれ日ごろ遺憾に思つておりますので、これが今回の河川法改正におきまして除去されることは非常にけつこうなことだと思うのであります。ただこの法案におきまして、今度は原因者負担という方針を確立いたしまして、河川改修の結果、他の施設管理するもの、あるいは所有するもの等が利益を受くる場合には、その利益を受くる限度においてこれにその費用の一部を負担させることができるというような御趣旨のようでありますが、他の公共団体あるいは私人が利益を受くる場合において、その利益を受くる限度ということが、また実際問題として問題になるのじやないかと思うのであります。その判定と申しますか、算定についてはどういう方法で大体おやりになりますか、この点御質問申し上げます、
  11. 西村英一

    西村(英)委員 但書の特に利益を受ける場合、この利益ということは、大体附帯工事の場合でありますと、鉄道の橋梁を上げるとか、径間を延ばすとか、あるいは道路の場合というような、一般的な場合の積極的な利益ということはあまり多くは考えられない。しかしこれは皆無ではないのでございます。用排水施設等におきましても、変更することによつて、その位置その他その場所によりまして特別な利益がある場合がないわけではないのでありまして、それらの場合におきまして、この法律でどういうような場合ということを定めることはできませんので、やはり行政上の取扱いで、両者の協議になるということになろうかと思うのであります。
  12. 小平久雄

    小平(久)委員 ただいまの御説明のように、両者の協議ということになると思いますが、ただ当局も見えておりますから、私はこの機会に一応希望を申し述べたいことは、せつかくこういう改正ができたのでありますから、多少他に利益を受けるものが出ましても、その利益をあまり過大に見て、せつかく法律ができた精神がまた殺されるというようなことのないように、成立した上は当局もひとつ運用してもらいたい。この点を一つ申し上げておきたいと思います。  それからこれは提案者に伺うのではありませんので、むしろ建設省の方に伺いたいと思いますが、この法律の精神は、先ほどもお話のありました通り、原因者負担という方針を確立したわけであります。しかもこの場合は河川改修を行うために他の工事を必要とする、こういつた場合のことをいつておるわけなのでありますが、また逆に河川改修を行わないために他の工事を必要とする場合が非常に多いのです。これは関連した事項になりますが、そういう場合においては、原因者負担の方針を貫くならば、河川改修を行わざるために、他のものがある種の工事をするという場合が非常に私は多いと思う。具体的に申すならば、河川改修が行われないために、内水の排水施設等も相当やらなければならぬ。こういう事態が多いことは河川局次長もよく御存じだと思うのですが、今回の法律改正の精神を貫くならば、当然これは原因者である当局がやはり負担して行くという方針に基いて、何らかの措置が必要でないかと考えられるのでありますが、この点についてひとつ当局の御意見を承りたい。
  13. 伊藤六三

    伊藤(六)政府委員 河川管理者といたしまして、河川の状態をよくして行くことは河川管理者の一つの義務ではございます。従つて河川管理者といたしましては、予算のある限りこの方面につきまして十分に善処して行くべきではございますが、それは自然の状態をまますますよくして行くという面におきましての責任を担当いたしておるわけでございます。従つてまだ手がつかない——それは結局金の問題となりますが、それに合せてやつて行くのであります。以前よりよくして行くという点におきまして、河川管理者としては善処いたすべきでありますが、たまたま金の面から行きまして、その状態をさらによくして行けなかつたという場合におきまして、そのほかの工事を、どういう工事か知りませんが、やるということは、ちよつと責任が負えないかと存じております。
  14. 小平久雄

    小平(久)委員 その点はひとつ今後御研究願いたいと思います。  もう一つ伺いたいことは、たとえば河川改修のために大きなダムをつくるような場合に、道路のつけかえという問題が当然起ると思います。今回の場合も、この改正の趣旨から申しますならば、それはやはり建設省で同時に道路改修費も持つのだという趣旨と思うのでありますが、その道路県道あるいは町村道というような場合にも、実際建設省で持つということになるのかどうか伺いたい。
  15. 伊藤六三

    伊藤(六)政府委員 この法律で参りますと、今のような河川工事附帯工事としてどうしても必要な道路のつけかえ、改築という問題は、他の工事といたしまして取扱われるのでありますから、建設省というよりは、むしろ河川費でこの関係を負担するという関係になるのでありまして、これが建設省の補助の対象となつておる場合におきましては、それの費用といたして補助して行く、こういうことになるわけであります。
  16. 小平久雄

    小平(久)委員 その場合に、たとえば見返り資金工事の負担をやつております。そういう場合には今のところでは全額国庫の負担でやつておるわけですが、道路改修が必要になつたという場合は、一体その道路のつけかえ費というようなものも全額国庫で持つことになりますか。それとも例の地元負担というものがやはりつきまとうことになりますか。
  17. 伊藤六三

    伊藤(六)政府委員 見返り資金の関係につきましては、これをその河川費——直轄工事と同様に府県に負担させるかどうかということにつきましては、一応負担させるという方針があるようでありますが、ただその負担をどういうふうにさせるか、どれくらいの年度にまたがつてするかということにつきましては、まだはつきりきまつておりません。それで見返り資金の問題は例外でありますが、そのほかの直轄で施行いたします河川工事の問題に例をとりますならば、国費といたしまして当然出します金の三分の一が地元の負担になるわけでございます。その国の出します河川費の中に、いわゆる附帯工事費用が含まれるわけです。この附帯工事につきましては、河川費の負担といたしまして、地元は三分の一以上負担する、こういうことになります。
  18. 小平久雄

    小平(久)委員 その点が地元からすれば心配なのであつて、ダムの建設に伴う道路の建設ということも、当然ダムをつくるようなところですから、なかなか道路をつくるにも金がかかるわけです。その場合に、ただいまのところ見返り資金による工事というものについての地元負担はわかつていない、こういう御説明でありますが、当然附随的な道路のつけかえについても、地元に負担させるかどうかわからぬということになると思うのでありますが、この点はダムの工事等に伴う当然のことであつて道路をつけかえることが必ずしも地元に利益をもたらすとも限らない。かりに利益があつても、地元だけの利益とも限らないのでありますから、この点については、今後地元負担というものをやはりなるべく少いようにして、やつてもらいたいことを希望してこの際私の質問は終ります。
  19. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 提案者に御質問申し上げますが、問題によりましては河川局次長の方からの御答弁でもよろしいですからお答えを願いたいと思うのであります。  まず第一に、今小平委員から御質問になりました、利益を受ける場合は、「其ノ利益受クル限度ニ於テニ其費用ノ一部ヲ負担セシムルコトヲ得」という条項が、今御答弁によりますと、利益を受ける方と管理者との間において話合いによつて最終決定ができるものだと考える、こういうように御答弁なさつたのであります。大体現実におきましては、さようなことになろうと私も想像いたしておるのでありますが、法律といたしましては、その場の事情や、その交渉する相手等によつて心臓の強い、がんばり抜いた方が得をしていわゆる正直者がばかを見るような現象が起らないとも保証はできないと思うのであります。従つてこういうすきを与えるような法律は、適当でないと思うのでありまして、最終決定をされる場合においては、たとえば委員をつくつてやるとかいうようなことで、公正に額を決定する一つの機構をここで明示すべきではないか、かように考えるわけでありますが、これは今までどういう処置がとられておるか。それからこの法律提案される方では、そういう場合はないと考えてかようなことを御提案なさつたのか、この点をまず第一にお伺いいたしたいと思うのであります。
  20. 西村英一

    西村(英)委員 ただいまの前田さんの御質問は非常にごもつともでありまして、そういう場合につきまして、両者の協議によつてやれば、非常にあいまいになるのじやないかというような話は一応わかるのであります。しかしながら河川法と同様な道路法にいたしましても、あるいは都市計画法にいたしましても、受益者がある場合は費用を負担するのだという原則をきめておるのであります。その原則に基いて、やはり行政上の措置が行われるわけでありまして、あるいはそういうような利益の認定にはある種のそういう機関も必要かと思われますが、この三十二条の改正におきましては、その点までは考えなかつたのであります。そういろ利益の限度はやはり積極的な利益ということを意味するのじやなかろうかと思います。たとえば河川を直します場合に、河川を直すこと自身が公害を除去するためでありまして、一般の人人がそれによつて利益を受けるのは当然であります。しかしそこに特定の積極的な利益があるというような場合を指すことが妥当ではないかと思われます。そういう解釈をいたしますれば、その間の交渉等もきわめて明瞭になるのではなかろうかと思つておるのであります。
  21. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 もちろんただいま御説明になりましたように、特定の利益に限定されるのでありますが、この特定の利益の場合において問題になるのでありまして、利益を受ける方と、その工事管理者側——大体工事管理者側の方で、たとえば直轄河川につきましては、建設省の方で技術的にこれをいろいろ各方面からの調査によつて、特定の利益が百万円なり一千万円なりということで、受益者の方に御交渉なさることになろうと思うのでありますが、それでは百万円と認定されたとして、五十万円しかないのだというよろなことで、問題にならなかつたらいいのでありますが、問題になつた場合において、そこで両者の話合いということになる。甲の工事の場合と、乙の工事の場合、丙の工事の場合に、甲は非常にがんばつたから結局受益者が得をしたけれども、乙はたいへん損をしたというようなことが起ると想像されるのであります。ことに公共土木については、公正でなければならぬということが大事で、その点憂慮されるのであつて、そういう点からも、むしろ河川局次長の方から御答弁いただいた方がいいと思うのでありますが、この程度の法律でもわれわれは一応認めてもいいんじやないかと考えますが、過去においてどういう状態であつたか、ひとつ御説明願いたいと思います。
  22. 伊藤六三

    伊藤(六)政府委員 従来におきましても、実は両者間の円満なる話合いのついた上で工事にかかつておるわけであります。ただ従来におきましては、先ほど西村委員からお話のございましたように、原則はその他の工事管理者であるというのであつて補助令によつてそれをひつくり返したようなかつこうになりまして、三分の二までとし、三分の二まではほとんど問題はないのですが、三分の二から五分の四とか、あるいは全額というような点につきましては、財政状況、いろいろの点を相談し合いまして、両者の間に話合いがつかないうちは手をつけなかつた、話合いをつけてやるというかつこうをとつているのであります。このたびにおきましては、その話合いの限度が非常に狭められるという点におきましては、話合いも前より円満に行くのではないかと存ずるわけであります。
  23. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 次にお尋ね申し上げたいのは、この問題で最も重要に考える点は、この負担の関係で、町村あるいは水利利用組合等の負担が非常になくなるというような状態については、われわれは大賛成なのでありますが、府県財政についてどういうようになるかという点であります。御承知のように今の府県財政は、各府県とも地方税法の改正に伴いまして非常に幅のない財源をもつてまかない、ことに二十六年度における地方財政平衡交付金の増額が困難な状態に立ち至つている点から考えますと、府県の負担額が従来よりも増額されるようなことになりますと、この法律はきわめて合理的であることはわれわれも認めるのでありますが、たとい合理的でありましても、現実の今の府県財政の上に影響するようなことがあつては、さしあたり困る問題だと思うのでありまして、その点はどういう情勢になつているか、ひとつ御説明願いたいと思うのであります。
  24. 西村英一

    西村(英)委員 ただいまの地方財政あるいは府県に及ぼす影響でありますが、府県、地方公共団体に対する場合は、二つの考え方があるのでありますけれども、地方公共団体あるいは府県市町村施設管理者となる場合は、その管理者は、この改正案によつては負担を免れるわけであります。特定な利益があれば別でありますが、特定な利益がない限りは負担を免れ得るのであります。またその反面におきまして、国家の負担額が多くなる、その国家の負担額が多くなる一部分を府県が負担しなければならぬという結果が起りますので、府県の費用は多少増加するのであります。しかし町村の負担は軽くなるのであります。その増加の仕方もそんなに大したものではないのでありまして、多少地方財政に影響することは認めなければならぬと思うのであります。しかし合理的な点におきましては、お認め願いたいのであります。
  25. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 合理的な点についてはすでに認めておりまして、この法律の趣旨については私も賛成いたしているのでありますが、ただ二十六年度に及ぼす影響、これがさしあたりの地方財政平衡交付金等の増額が困難な状態になつては、二十六年度における都道府県の財政がきわめて困難な立場に立つということは皆さんも御承知の通りでありまして、これに対する対策を立ててやらなければならぬと思うのでありますが、これは伊藤河川局次長にお尋ねいたします。二十六年度において、この法律施行により、額において、いわゆる管理者となつて負担を免れる額と、その他の場合における負担の増額になる場合の額とを差引してどのくらいになつて、しかもそれに対して政府の方で差引増額になる場合に対する何かの対策があるかどうか。これをお尋ねする次第であります。
  26. 伊藤六三

    伊藤(六)政府委員 この法律施行によりまして、府県市町村の負担がふえはしないかという問題であります。実は市町村におきましてはおそらく問題は起らない、むしろ軽くなつたと存ずるわけであります。府県におきましては、府県は一方におきまして河川管理者の統括をする団体でありますし、また河川工事の負担の団体、国直轄のやる場合の団体となる点におきまして若干の費用がふえる。しかし一方におきまして、府県の管轄いたします他の工事も相当ございますので、この負担の減ることもあります。そこでこまかい点につきまして、実は補助工事につきましては、附帯工事でもつてやるかという問題につきましては、詳しいものをとらないとどうにもわからないのでありますが、大体におきまして、直轄工事の方をあげてみますれば、本年度大体鉄道につきます部分は一億以上ありますが、しかしこれは従来とかわりがありませんので問題もございません。それから道路工事につきましても、これは三億程度ありますけれども、これも従来の行き方とかわりがありませんので問題ございません。残るは用排水の関係でありますけれども、この用排水の関係につきまして、県におかれましても、こういうような負担をなるべく軽減していただきたいという要望もあります。府県におかれましてもあまり異存はないものと考えるわけであります。なお用排水関係につきましては、現在の用排水組合などの関係からいたしまして、相当低率の負担をなさしめているような関係でありまして、この改正によりまして地元負担として府県に大した負担をかけるものにならないと考えるわけであります。
  27. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 大体大差はないということで、しかも府県もこの法律施行に対してそう異存はなかろうというような軽いお考えを持つておられるようでありますが。大体この参考資料によつて見ますと、五千万円ばかりさしあたりの負担が府県に増額というようなことになつているように見受けられるのでありますが、今都道府県の財政は何とかして収入をはかり、費用の軽減をはかつて、切り詰めてやりたいというのが各都道府県の財政事情なのであります。その際、たとえ少額といえども負担が増額されるようなことについては、さしあたり政府としてはこれに対する対策を立てるべきものだと思うのでありますが、それについて河川局の方で、これに対する地方財政の方の負担を調整して行くために、何か御交渉をなさつていましたか。またいなかつたならば、そういう交渉をされる御意思があるか、この点ひとつお伺い申し上げておきたいと思います。
  28. 伊藤六三

    伊藤(六)政府委員 この問題につきましては、実ははつきりと交渉いたしているということはありませんでした。しかし大体府県におきましても、用排水関係の問題につきましては、絶えず工事進捗の問題やいろいろな点から考えて、なるべく軽減してもらいたいという声のあることも相当聞いておるのでありまして、そういう意向については、おそらく反対はないと存じているわけであります。なお今後の問題といたしましては、この点について十分府県とも話し合いたいと存ずるわけであります。
  29. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 ただいまの問題につきましては、建設当局からも大蔵当局の方に、地方財政に及ぼす影響や、その額はどのくらいになるかということを御調査の上、御交渉していただくことを希望申し上げておきます。  その次には、従来この三十二条の改正がなかつたために、私鉄関係につきましては、現在の私鉄の財政事情から、負担をすることは困難だということで、工事施行等に支障を来しておるのではないかと思うのでありますが、そういろ私鉄関係で、河川改修による障害になつている鉄道は、現在までにどのくらいになつているか。建設省関係の直轄河川の部分だけを概略でよいですから、御説明願いたいと思います。
  30. 伊藤六三

    伊藤(六)政府委員 直轄河川の進捗状況がなかなかまだ進みませんので、いろいろの問題について現在障害になつている所が直轄河川にはあります。たくさんはないのでありますが、現在問題になつておりますのは、利根川及び江戸川におけるところの東武だとか、重信川における伊予鉄とかいうような場所でございますが、河川改修と関連させましてこれを解決して行くので、いろいろと今相談をしている段階で、そこの個所にまでまだ手がついておらないところでございます。しかし来年再来年あたりは、そこらの問題は問題になつて来ることと存じております。
  31. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 その次にお尋ねを申し上げたいのは、この準用河川の影響であります。準用河川は、この三十二条の適用の対象になつていないように考えておるのでありますが、もしさようなことになりますと、この準用河川改修する場合におけるこうした事項等に対して、どういう処理をして行くかということは、やはりこの三十二条の精神を準用して行われるものではないかと思うのでありますが、準用河川に対する実際の適用のない場合における影響についてどういうお考えを持つておられるかお尋ね申し上げます。
  32. 伊藤六三

    伊藤(六)政府委員 三十二条は準用になつていないかと存ずるのであります。もし間違いがありましたら訂正いたします。そこで準用河川につきましても、もしこういう御改正が国会において御議決になりますならば、われわれといたしましては、河川の全体の思想統一の意味からいいましても、そういうふうに取扱うべく府県にも勧奨いたします。それから補助の対象としても、これをその補助金額の総額の中に加えて参る所存でございます。
  33. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 最後にもう一点お尋ねを申し上げておきたいのは、国鉄関係であります。国鉄関係は同じ国の施設としてこの三十二条を適用しないことに大体話がついたように承つておるのであります。そういたしますと、この法律の中に、法律的な根拠に基いて適用しないということはいいと私は思うのでありますが、ただどういう法的な解釈のもとに行われておるのかということです。これは関係方面が了解したらよろしいというだけの情勢だけでそう解釈するのは変だと思いますが、これは小委員会でも問題になつただろうと思いますけれども、法的な根拠はどこに基いておるか、ひとつ御説明願いたいと思います。
  34. 西村英一

    西村(英)委員 国有鉄道との関連性のことについてでありますが、法律的に解釈すると、公共団体または私人ということになつておるのです。前から法律の適用は、国有鉄道にはなかつたのであります。しかし公共企業体になりましてからの問題でありますが、この場合につきましても、本法に特に入れてないのでありまして、公共団体及び私人ということになつて、公共企業体は入れてないのであります。その国有鉄道に対する費用の負担方につきましては、公共企業体が準政府機関といたしまして、やはりこれは両者間でやるというような程度におきまして、国有鉄道と河川局との間の話合いとか、また最近は閣議決定によつてその負担をきめるというふうな方法に定められている次第であります。
  35. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 淺利君。
  36. 淺利三朗

    ○淺利委員 大体皆さんの御質問で了解いたしました。ただ特にこの際確かめておきたいことは、河川に関する工事によつて必要を生じたる他の工事というものの意味及び範囲です。これは従来の法律にある言葉でありますから、提案者よりも建設当局に伺つた方がよいと思うのでありますが、この条文から見ますと、「他ノ工事ニシテ其ノ目的タル工作物管理」云々とありますが、工事であつて工作物の場合だけをいうのであるか、解釈はいろいろありましようが、たとえば個人の井戸をなくしてしまえば、これを別のところにつくつてやらなければならぬ。そういうような場合には、これも工作物という範囲に入るか、その点をひとつまずもつて伺いたいと思います。
  37. 伊藤六三

    伊藤(六)政府委員 この、他の工事という言葉は、いろいろ従来からの慣例的な解釈を進めておるわけでありますが、今の井戸の場合のようなものは一定の補償で解決すべきものではないかと思います。
  38. 淺利三朗

    ○淺利委員 そこで補償の問題となると、また別になるかもしれませんが、河川に関する工事によつて必要を生じたる他の工事という範囲の問題で、もう一ぺんお伺いしたい。たとえば堤防のかさ上げをしたために道路のつけかえをしなければならぬ。今度は道路のつけかえをしたために、それに附帯して他の必要な工事が起つて来る。こういう場合には、これは河川に関する必要な工事と見るか、あるいは道路に関する必要な工事と見るか、それは従来の取扱いはどういうふうになつておりますか、それをお伺いしたい。
  39. 伊藤六三

    伊藤(六)政府委員 その必要を生じたという程度の問題でございます。従来のその問題は、道路工事をやりました場合において必要を生じたる工事として取上げておるものであるかどうかは、その程度による問題だと考えるのでございます。それで道路工事をして、そのために必要を生じたる他の工事として、道路工事において負担されるような限度のものでございますれば、これはそれと同一解釈で進めるべきかと存ずるわけであります。
  40. 淺利三朗

    ○淺利委員 そこで今度は具体的な問題についてお伺いしたいと思うのであります。先般当委員会請願が出まして採択されておるのでありますが、先年のカザリン、アイオン台風によつて岩手県の一関の磐井川が大災害をこうむつた。そうして堤防の強化のためにかさ上げをしておる。従つて、自然に道路のつけかえを要するということになつたのであります。ところがその道路のつけかえの方法が、道路の土盛りをするにあらずして、町の道路の上に橋を延長した。そのためにその道路の両側の商店街というものは橋の下になつて道路に直面したところが、橋の下に直面する、こういうことになつたのであります。これに対して地元から、この新たな橋の高さまで基礎を上げるということをやつてもらいたいという請願が出ておるのでありますが、今日までこの問題は何ら解決していないのであります。土地も収用しておらない。であるから、そのために不利益をこうむつて、憲法上の所有権に対して重大な侵害を与えたにかかわらず、これが切捨てごめんのありさまになつておるのであります。これに対して橋を延長して道路がなくなつて、すなわち橋の高さが道路になつておる。その高さまで住宅の基礎を上げる。橋に面して商店の店舗をつくることの補償をする。あるいはその施設工事をしてもらいたいというのであります。こういう場合に、それだけの高さに土盛りをするなり、あるいはまた橋と同様に、下にけたなり、あるいはコンクリートの柱を立てて、その上に店舗をつくるというような施設をすることは、ここにいう必要を生じたる他の工事といえるか、またその目的たる工作物といえるか。もしいえないとすれば、これが全然認められないということになりまして、重大なる私権の侵害を来すことになります。こういうものに対しては、この法律によつて救済の道があるかないか。またそういう場合には、政府当局はどういう方法でこれを救済するか、その点について明確なる御意見を承つておきたいと思います。
  41. 伊藤六三

    伊藤(六)政府委員 ただいまの問題につきましては、すでに淺利委員からもたびたびお話を承りまして、その事情非常にお気の毒と存じておるわけであります。この問題の解決が、この法規ではたしてできるかどうかということについては、若干私も疑問を持つておるものでございます。結局今のような他の工事というものの解釈の問題でございますけれども、現在までの取扱いから行きましても、こういう問題に関する今までの道路の関係のことをいろいろ聞きましても、これは取上げていないように思つております。ただ、この救済の問題をどういう方法で行くかということは、今後さらに法規的に研究いたしますが、今のところでは、民法第七百九条の不法行為によるか、その他権利の濫用で行くか、そういう問題の損害賠償というような解決の方法で行くよりいたしかたないと存じております。なお、こういう問題につきましてさらに法的解釈が拡大されるとすれば、またそこに開ける道もあると存じますが、現在のところにおきましては、その問題についてはこの法規では、ちよつとむずかしいのではないかと存ずる次第であります。
  42. 淺利三朗

    ○淺利委員 そこで問題がさらに紛糾して参るのでありますが、ただいまのように道路のとりつけを土盛りをしてやるということになりますれば、従来の市街地の幅が高くなるのであります。従つてのり敷として両側に土地の収用の問題が起つて来る。そういう工法をいたしますれば、土地収用法によつてその土地の収用の結果、改築、新築の必要を生じた場合には、これを補償する道があるのであります。ところが工事実施者は、そういうことをするとかえつて金がかかりますから、ただ橋の延長でやるのだということで、市街地の幅一つばいの橋を、十二、三尺の高さからずつと平地まで延長して、そうしてその両側のものは橋の下をながめる。こういう結果になつております。こういうものを何かの方法で救済する道を開かずして放任する。今日までは何らその方法はないということは、これは明らかに人権を無規し、民生の安定を阻害して顧みないということになるのです。でありますから、もし河川法改正するならば、そういう場合もまたあわせて考えるべきではないか。この改正の局に当られた際に、この問題について御研究はなかつたか、この問題はひとり河川に限らず、道路の関係においても、立体工作というような場合にはしばしば起つて来るのであります。大衆は利益しましようけれども、一部の人はそれによつてほとんど生活の根拠を奪われる、これを救済する道は何らないということは、立法上の欠陥であるかと思うのであります。政府なりあるいは御提案者は、この問題について何かお考えはなかつたか。そういうところまでは思い及ばずしてこの法案をつくられたか。この点について、提案者側の今日までの御研究の結果と、政府の将来の方針について明確なる点を伺つておきたいと思います。
  43. 西村英一

    西村(英)委員 ただいま淺利委員のおつしやることにつきまして、その例についてはどう判断していいか知りませんが、大体その必要な工事というものの限界が問題であろうと思うのですけれども、やはりこれは、その河川工事をやる場合に、直接その原因になるもの、支障になるものそのものを動かさなければ、あるいはそのものを模様がえしなければ、河川工事ができないのだというふうに解釈しないといけないのではないかと思います。それ以外にいろいろの支障が起る場合は、これはさいぜんも伊藤次長が言われたように、損害の賠償その他の問題でカバーして、利益を擁護してやることは当然のことでありますが、この河川法の精神から行きますれば、やはり直接のものというふうに解釈するのがいいのではないかというふうに私は思つておるのであります。その他の問題につきましては、伊藤次長にお伺いする方が適当かと思うのであります。
  44. 伊藤六三

    伊藤(六)政府委員 ただいまのような問題につきまして、実際その局部的な方に迷惑をかけるという問題の解決は、訴訟ざたにするようなことのないように解決して行くのが、やはりこれも政府の責任だと思いますので、実は土地収用法の改正についても、そういうふうな問題についてできるだけ救済の道も考えてみたいと思います。それからそのほかの問題につきましても、今後いろいろと他の官庁との折衝も続けまして、この解釈が広げられるものならば、何とかそれを進めて行きたい。なおこういう法規で行くべきではなく、民法上の関係で行くというならば、それは訴訟にならない前に何とか話をつけるというようなことを研究するようにして参りたいと存じているわけでございます。
  45. 淺利三朗

    ○淺利委員 最後に申し上げておきたいことは、今の提案者の御説明の、河川工事に直接する範囲ということでありますが、道路のつけかえのごときは、これは河川工事をするときに、当然附帯してなさねばならぬことであります。同時に、道路のつけかえによつてそういう必要を生じたということになれば、これは放任できないものと思つております。ただいままでの御説明を承るというと、法規上これを救済する道はないというが、そうすれば、民法上の損害賠償という以外に救済の道がないのかどうか。もしそういうことでありますならば——将来何らかの施設をなしてやらねばならぬということが明らかにわかつており、直接その人の損害がはなはだしいにもかかわらず、切捨てこめんのようにこれを放任しでおくというというようなことでありましては、将来これらの工事をすることは、大衆のためには喜ばれましようけれども、局部の人には非常に恨みを買う。従つて、これらの人が今後の生活を奪われて、この改修工事のために自分らの生業が全然できないということになるのであります。そこで、ある程度その現状を維持し得る程度の工事をなして、そうして損害を与えないようにすることも、いわゆる必要なる工事の範囲であると思うが、そういうような解釈をとるというお考えはないかどうか。その点について将来どういうふうに保護なされるかということを、もう少しはつきり伺つておきたいと思います。
  46. 伊藤六三

    伊藤(六)政府委員 この問題につきましては、先ほどもちよつと触れたのでございますが、われわれのみによつてこれを決定するということはなかなか困難な問題もございまするので、こういう問題については、関係各省ともともとと相談して、しかもまた現在の解釈が拡張できるということになりますれば、そういう点までも考えてやつて参りたいと思つております。しかし現在の段階といたしましては、はつきりこれを申し上げることは困難かと思うのであります。
  47. 高田弥市

    ○高田(弥)委員 ただいま議題になつております本案に対する質疑はこれにて打切り、ただちに討論、採決に入られんことを望みます。
  48. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 お諮りいたします。ただいまの高田君の動議に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決します。それでは本案に対する質疑はこれにて打切ります。  河川法の一部を改正する法律案議題として討論に入ります。田中角榮君。
  50. 田中角榮

    田中(角)委員 私は自由党を代表して本案に賛成の意を表するものであります。  本河川法の一部を改正する法律案に盛られた法律改正部分につきましては、つとにその改正が要望せられておるものであり、河川改修について一貫性を持たせることは、河川改修の一大進捗が要求せられておる今日、時宜を得たものでありまして、治山、治水対策として一大進歩を来すものとし、提案者の賢明な処置に深く敬意を払うものであります。以上の理由によりまして、自由党は賛成をいたすものであります。
  51. 藥師神岩太郎

  52. 増田連也

    ○増田(連)委員 河川法の一部を改正する法律案提出理由は、河川工事により必要を生じた他の工事費用は、原則として原因者負担とし、特にその工事によつて利益を受ける者がある場合には、その者に費用の一部を負担させることが妥当であるという趣旨であります。私は賛成はいたしますが、目下地方、特に府県財政窮乏の際、さらに府県の負担率が増加するという点に難色があるのであります。しかし、この点に関し、政府において特段の考慮を払うようにしていただくということを希望条件として本案に賛成するものであります。
  53. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 前田榮之助君。
  54. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 私は日本社会党を代表いたしまして本案に賛成するものであります。  ただこの際希望を付しておきますが、この法律の実施に伴いまして、地方財政、特に都道府県財政に及ぼす影響について、政府は適当な措置を講ずることを希望して、本案に賛成するものであります。
  55. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 寺崎覺君。
  56. 寺崎覺

    ○寺崎委員 私は農民協同党を代表いたしまして本案に賛成をいたします。
  57. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 これにて討論は終局いたしました。ただちに採決に入ります。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  58. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 起立総員、よつて本案は原案の通り可決いたしました。  なお本案に関する委員会報告書につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 御異議なしと認めます。よつてさようにとりはからいます。     —————————————
  60. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 お諮りいたします。軽井沢国際親善文化観光都市建設法案が付託されております。これを追加して議題にいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 御異議なしと認めさように決します。それでは軽井沢国際親善文化観光都市建設法案議題にいたします。まず提案者黒澤富次郎君より提案理由の説明を聴取することにいたします。黒澤富次郎君。
  62. 黒澤富次郎

    黒澤富次郎君 ただいま議題となりました軽井沢国際親善文化観光都市建設法案につきまして、提案者を代表いたしまして私よりきわめて簡単に提案理由を御説明申し上げたいと存じます。  軽井沢町が世界においてまれに見る独特の高原美を有し、すぐれた保健地たるとともに、国際親善と世界平和の維持に貢献した歴史的事実にかんがみ、同町を国際親善文化観光都市として建設することは、全人類の希求する世界恒久平和の招来を促進することであり、また国際文化の向上とわが国の経済復興に寄与するゆえんでありまして、この目的を達成せんがために法的措置が必要であります。これがこの法律案提出した理由であります。何とぞ慎重審議の上御賛成あらんことをお願いいたします。
  63. 今村忠助

    今村(忠)委員 提案者の一人として簡単に説明をつけ加えさせていただきます。  提案理由は、今黒澤氏から申した通りでありますが、御承知の通り軽井沢は、歴史的に、国際的に実に海外に知られている所でありまして、現在海外の人で居住している数は四百二十名に達しております。おそらく全国的にかく多数の方が居住されるということは、軽井沢が他の土地と比較して最も多いのではないかと考えられるのであります。また今までにかような意味の特別都市が順次できたのでありますが、現在までのものは主として海岸地帯ないしは温泉地ということでありましたが、趣きをかえて、ぜひともこの山嶽地帯の軽井沢もそれに加えていただきたいと考えるのであります、将来かような特別都市に対する法律についても、いろいろ研究をされなければならぬ点もあるかと存じますが、この際ぜひともこの建設法案が通過いたしますよう、皆さんの御協力を切にお願いする次第であります。
  64. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 これより本案に対しまして質疑を順次許します。田中角榮君。
  65. 田中角榮

    田中(角)委員 ただいま議題となつております軽井沢国際親善文化観光都市建設法案につきましては、私個人といたしましてはいろいろ意見もあるのでありますが、建設委員会といたしましては、この種法案をすでに十幾つか審議をし、通過いたしているのであります。しかも議員提出法律案でありまして、同じこの種の法律案を通過している現在、本法律案に限つてこれが通過に反対をするという根拠も非常に薄いのであります。すでに結論的には賛成をしなければならないのではないかと考えているのでありますが、ただこの軽井沢の問題は、前に公布せられたこの種法律案と異なつて、軽井沢がいわゆる都市というよりも、もう少し規模が小さいような状態である。これは軽井沢を中心とした軽井沢一帯が目標になるのでありまして、この種の法律案の表現としては観光都市建設法案というのではなく、観光地域の特殊な指定を行うという方が、私は筋が通つているのではないかと思うのであります。この種のものまでいわゆる観光都市建設法案ということになりますと、日光、松島その他これに類するものがまた陸続として出て来るおそれが十分あると考えているわけであります。だから本法律案に対しては、相当委員会としても定義をはつきりして審議をしなければならぬのではないかということを考えます。私はその意味において本法律案に対しては注文もあるのでありますが、いろいろな法律案を審議し、通過をせしめた本委員会の大体の結論として、この種法律案を統一するところの国際文化観光都市建設法案ともいうべきものをつくりたいという意見が圧倒的にあるのであります。しかも過ぐる国会には、当委員会といたしましては“この種法律案の統一をいたすために、法律案の準備をいたして、その筋へ許可を求めておつたというような経緯もありますので、この法律案を審議した後は、この種法律案に対しては早急に本委員会が主導権をとり、この種法律案の整理統合とでも申しますか、一つの基準法的なものをつくることに努力せられんことを私自身希望いたしているわけであります。  なおこの法律案の内容等につきましては、現在の私といたしましては異論はありません。
  66. 黒澤富次郎

    黒澤富次郎君 ただいま田中委員の御発言ごもつともだと思います。軽井沢の町それ自体は小さいから、こういうようにしろというようなお説のようでございます。もちろん細則には、軽井沢をこめた広義小諸、上田その他を含めまして、非常に大きい、広い範囲になつているわけでございまして、御説の通りにいたしているような状態でございます。詳細ごらんを願いたいと思います。
  67. 池田峯雄

    池田(峯)委員 まず第一に、国際親善文化観光都市というふうにうたつてありますが、そもそも国際親善ということはどういうことでありますか、提案者にお伺いいたしたいと思います。
  68. 井出一太郎

    井出一太郎君 池田委員にお答えをいたします。  先ほど提案理由の説明の中にもありましたように、軽井沢が従来国際都市としてその名前はもう世界的に宣伝せられている。過去七十年間の軽井沢の歴史の上において、列国の大使、公使でここに居を構える者三十六名以上に上つており、夏季軽井沢は、避暑地として国際間の交歓が行われまして、その間におのずから親善の実の上りましたことは世間周知の事実だろうと考えるのであります。また戦争中などにおいても、たとえばスイスの公使ゴルジエ氏のごときは、ここに居を構えて、ここから日本と列国との協和点を見出すべくいろいろな努力をされたという事実もございまして、軽井沢こそがそういう意味において国際親善の名に値する幾多の事実を持つている、こういうことからしてひとつ御了承願いたいと思うのであります。
  69. 池田峯雄

    池田(峯)委員 「国際親善と国際文化の交流を盛んにして世界恒久平和の理想の達成に資する」ということがこの法律の大きな目的になつておるのでありますが、単に外国人が高原美を愛するために、そこに別荘を建てたりすることで、はたして世界の恒久平和を達成することができるか、どの程度に世界の恒久平和に寄与することができるものなのか。根本的には世界の恒久平和はどういう方法によつて達成されるか、その中において何パーセントの比重をこの国際観光都市が有するのかという点をお伺いしたいと思います。
  70. 井出一太郎

    井出一太郎君 ただいまの池田委員の御質問の、何パーセントまでが国際親善の役割を果すかということになりますと、はなはだ御答弁がしにくいのでございますが、しかしこの事業計画の中にございますように、たとえば国際図書館の建設でありますとか、ユネスコ・ハウスの計画でありますとか、ないしは国際的な一大国際会議場を設けますとか、そういう計画は、それ自体が国際社交の場として、軽井沢の自然美を最も生かす意味において、われわれのねらいは十分に達成せられると考えている次第でございます。  なおまた付言いたしますれば、ここには先ほど申した三十六箇国の大公使、その中にはソ連大使もおられまして、非常にこの地を愛好されているように承つております。
  71. 池田峯雄

    池田(峯)委員 この計画を見ますと、非常に尨大な計画があります。たとえば信越線を改善し、国道十号線の改修を行い、あるいは自動車道路網を完備する、あるいは飛行場の拡充整備、こういうふうに書いてあります。従つてこれは文部省の予算から、運輸省の予算から、建設省の予算から、各省の事業執行に関係するような計画を含んでいるのであります。しかも軽井沢国際親善文化観光都市建設事業は軽井沢町長がこれを執行することになつでいるのでありますが、従つて、国の執行事務と軽井沢町長が執行する事業計画の間に、どういつたように相互調整をやられるお考えであるか。この点はきわめて重要な問題だと思いますから、はつきりしたところをお伺いしたいと思います。
  72. 井出一太郎

    井出一太郎君 この問題は、すでにできました十幾つかの観光文化都市においても同様に行われる問題であつたと思いますが、今御指摘のような、あるいは運輸省、あるいは文部省、それぞれの予算にも関係した分野があるだろうと思いますが、それはもちろんそれぞれ行政措置としておやりを願うといたしまして、軽井沢町長は、いわば地元の責任者としてこれが調整あんばいのお役に任ずる、この程度に理解をいたしているわけであります。
  73. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 他に御質疑はありませんか。——ないようでありますから、これで質疑を打切りたいと思います。  それでは本案に対する質疑はこれで打切りまして、これより軽井沢国際親善文化観光都市建設法案議題として討論に入ります。田中角榮君。
  74. 田中角榮

    田中(角)委員 私は自由党を代表いたしまして本法律案に賛成をするものであります。ただこの種法律案が本委員会において審議をせられたときに問題になりまして、同法第五条中「国有財産法第二十八条の規定にかかわらず、」ということがあるのでありますが、この種の法律案によつて、国有財産法に制限を加えるということは妥当でないということになつているのでありますが、この種の法律案を通過せしめる以上は、大蔵省をして国有財産法の改正案を早急に提出せしめるということをお考え願いたいと思います。と同時に先ほど申し上げた通り、この種法律に対しまして本委員会において十分研究をしている通り、基準統一法ともいうべき法律案の立案に努力することを希望条件といたしまして、本案に賛成する次第であります。
  75. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 池田峯雄君。
  76. 池田峯雄

    池田(峯)委員 私はこの法案に反対の意を表するものであります。  そもそも日本は、現在ある特定の一国の占領下にありまして、現在の吉田内閣はその特定の一国にまつたく追随するところの、植民地的な、奴隷的な政策をとつている。さらにまたソヴイエトあるいは中国に対しては、敵対的な行為をすら行つているのであります。この間私は青森急行に乗りまして、北海道の相当大きな漁業家と席をともにしたのであります。その漁業家が曰く、われわれはソ連の領海に船を何べんか進めている、そしてそのたび何べんか危険な目にあつている。わざとあのマッカーサー・ラインを越してわれわれは行つているのだ、こういうことを言つているのである。しかるに日本の新聞紙はどういうふうに伝えておるかといえば、ソ連の軍艦が不法にも日本の漁船を拿捕しておる、あるいは中共の軍艦が不法にも日本の漁船を拿捕しておる、こういうことを言つておる。そうして明らかに反ソ反共宣伝をやつておるのであります。国会におきましても、水産委員会などが、明らかに反ソ反共宣伝をやつておる。吉田内閣のやることは、することなすこと、すべてこういうように国際親善をぶちこわし、世界の恒久平和をぶちこわすようなことである。そういつた吉田内閣の政治下におきまして、この風光明媚な軽井沢を国際親善に、また世界恒久平和の大理想を達成するために寄与せしめるようなことは、吉田内閣の存続する限りは、絶対不可能であるといわなければならぬと思います。さらにまた日本国民の大多数は、この吉田内閣の政治を打倒し、そうして四大国の協和に基くところの全面講和によつて、アメリカとも、イギリスとも、ソヴイエトとも、中国とも、全世界の国民と手を携えて行きたい、こういう全面講和の運動を起しております。提案者の自由党の諸君が、はたして全面講和に賛成であるかというとそうではなく、まさに単独講和、再軍備派の諸君に属する。さらにまた執行者である軽井沢の町長さんは、はたして命を捨てて全面講和のために、あくまでも国際親善のために軽井沢を持つて行くのであるか。ある一定の国にだけこの軽井沢を提供して、ある一定の国は将来追い出してしまう、こういうようなことを絶対やらないと保証できるかどうか、はなはだ疑いがあるのであります。風光明媚なわが国の山川が、日本人のためでもなく、勤労大衆のためでもなく、ある特定の人間の独占物になつてしまう、こういう危険性がわれわれには十分考えられる。しかもこの軽井沢という町は、小さな町でありまして、税収入はどのくらいか知りませんが、おそらく大したことはない町だろうと思います。こういつた町で、この計画に盛られておるような国際飛行場をつくり、あるいは国際放送局をつくる、こういうような計画は当然軽井沢町の負担においては不可能でありまして、国の税金によつて、一般会計からこういうところに補助することなくては絶対不可能である。しかして特定国の管理下における国際放送局というものは、どういう放送をするかといえば、これまた反ソ反共の宣伝である。こういうことにおきまして、われわれはとうてい賛成することはできないのであります。  四大国の協和に基く全面講和を達成するというこの大政策のもとにおいて、初めて第一条の目的が達成されるのでありまして、単独講和を希求しておる。そうして共産主義制圧の一勢力たらんとしているこの吉田内閣のもとにおいては、こういつた第一条の目的はまつたく虚偽と欺瞞でありまして、実際は軽井沢町をある特定の一国に売り渡すものであると断ぜざるを得ないのであります。そういう意味において、私は反対するものであります。
  77. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 これにて討論は終局いたしました。  採決に入ります。本案に御賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  78. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  なお本案に関する委員会報告書作成につきましては、委員会に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長 御異議なければ、さように決します。  次会は公報をもつて御通知を申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時四十五分散会      ————◇—————     〔参照〕  河川法の一部を改正する法律案西村英一君外十一名提出)に僕する報告書軽井沢国際親善文化観光都市建設法案黒澤富次郎君外百二十名提出)に関する報告書     〔都合により別冊附録に掲載〕