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1951-03-14 第10回国会 衆議院 建設委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月十四日(水曜日)     午後零時五分開議  出席委員    委員長代理 理事 内海 安吉君    理事 鈴木 仙八君 理事 田中 角榮君    理事 村瀬 宣親君       逢澤  寛君    淺利 三朗君       今村 忠助君    宇田  恒君       高田 弥市君    内藤  隆君       西村 英一君    中島 茂喜君       寺崎  覺君  出席国務大臣         大 藏 大 臣 池田 勇人君  出席政府委員         建設政務次官  渡邊 良夫君         建設事務官         (住宅局長)  伊東 五郎君  委員外出席者         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ————————————— 三月十四日  委員木村榮君辞任につき、その補欠として池田  峯雄君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 三月十二日  志賀坂峠十石峠間道路開設請願高間松吉  君外二名紹介)(第一一八七号)  県道松本高山線開設に関する請願岡村利右衞  門君紹介)(第一一八九号)  田吹川災害復旧工事促進請願山本久雄君紹  介)(第一一九〇号)  根之谷川上流にえん堤工事施行請願山本久  雄君紹介)(第一一九一号)  呉市、昭和間道路改良工事施行請願(宮原  幸三郎紹介)(第一一九二号)  県道宇都宮今市線外二線の国道編入に関する  請願尾関義一君外十名紹介)(第一一九三  号)  上蒲刈島村地内の田戸大川にえん堤築設の請願  (中川俊思君紹介)(第一一九四号)  戸川坂隧道開さく請願山本利壽紹介)(  第一二〇八号)  千代田橋架設促進請願高倉定助紹介)(  第一二〇九号)  オソウシ原野電源開発道路開設請願高倉定  助君紹介)(第一二四五号)  治水利水予算増額に関する請願瀬戸山三男  君紹介)(第一二四六号)  菱浦村地内久富川に砂防工事施行請願(周東  英雄君紹介)(第一二四七号)  サロベツ川を日本海に切替の請願玉置信一君  紹介)(第一二四八号)  阿沙流、徳満間開拓道路開設請願玉置信一  君紹介)(第一二四九号)  渡川砂防工事施行請願長野長廣紹介)(  第一二五〇号)  砂防予算増額並びに東の川線大柱山砂防えん堤  修築の請願長野長廣紹介)(第一二五一  号)  茂岩橋永久橋に架替等の請願高倉定助君紹  介)(第一二五二号)  下ノ加江川に砂防えん堤築設費国庫補助請願  (長野長廣紹介)(第一二五三号)  利別川治水工事費国庫補助請願高倉定助君  紹介)(第一二五四号)  砂防予算増額並びに伊與野川砂防えん堤築設  の請願長野長廣紹介)(第一二五五号)  国道延岡岩脇間道路改修促進請願佐藤重  遠君外五名紹介)(第一二五六号)  県道延岡三角線国道一級路線に編入請願(  佐藤重遠君外八名紹介)(第一二五七号)  国道三十四号線中新橋、相生橋間に軍港都市転  換法による補装工事施行請願大石ヨシエ君  紹介)(第一二九〇号)  国道三十四号線中相生橋、余部上十一丁目間の  道路改修請願大石ヨシエ紹介)(第一二  九一号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  耐火建築助成に関する件  公営住宅に関する件     —————————————
  2. 内海安吉

    内海委員長代理 これより会議を開きます。  耐火建築助成に関する件及び公営住宅に関する件を一括議題といたします。大蔵大臣が御出席になつております。大臣に対する質疑の通告がありますので、順次これを許します。鈴木仙八君。
  3. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 大蔵大臣にお尋ねいたしますが、前に建設省大蔵省と話合いの上、作成したものによると、耐火建築補助金交付の対象は、都市防火壁を設定するという目的で、防火地域内に特に助成を必要とする地帯を、助成地帯を指定し、その地帯内の建物に対してのみ補助金を交付するという案になつているが、都市不燃化を急速に進めるためには、これでは不十分であると思うのであります。現状で考えると、非常の際、防火避難等に役立つ耐火建築物には、一般的にこれを補助して、その建築を促進することが望ましいと思うのでありますが、この補助施策範囲を拡大することについて、大蔵省の御見解を承りたいと思います。
  4. 池田勇人

    池田国務大臣 耐火建築補助必要性を考えまして、当初予算編成にあたりましては、五億円の補助を考えておつたのでありますが、その後いろいろな事情のために、明年度予算に計上できなかつたことは、まことに遺憾に存じておるのであります。しかしお話のように、日本の建築の状況、また災害の頻発の点から考えまして、将来は十分考えて行きたいと思つております。
  5. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 昭和二十六年度耐久建築補助に要する予算は、政府においても、去る第七国会における耐火建築促進決議案を尊重して、——ただいま何か大蔵大臣が仰せられたが、——作成したものと思いますが、今回は関係方面のいろいろな点で了解が得られないように今承りましたが、今後補正予算の際などに再計上する考えはありませんか。
  6. 池田勇人

    池田国務大臣 先ほど申し上げましたように、将来の問題として十分考慮いたしたいと考えております。ただ補正予算に組むか組まぬかという問題になりますと、補正予算はその性質上範囲を、規模をごく少くする考え方を従来とつておりますので、補正予算にはちよつとお約束できないと思いますか、とにかくできるだけ早い機会に適当な金額を盛りたいという気持で、昭和二十六年度予算編成当初の考え方をまだ持つておるのであります。これは将来の問題として、ひとつ御了承願いたいと思います。
  7. 田中角榮

    田中(角)委員 大蔵大臣が御出席でありますので、二点にわけて御質問をいたしたいと思います。第一点は、わが建設委員会において第七、第八、第九、第十国会と続けて研究して参りましたところの、耐火建築助成という意味から、耐火建築助成法案なるものを今用意しておるわけであります。これが助成につきましては、いろいろな意味大蔵省当局の御協力を必要といたすのでありまして、これが正式提案をいたす前に、当局意見十分承知をいたしたいという意味において、過般一回、二回と委員会を開きまして、第一回には銀行局長出席を求め、なおかつ先日の委員会においては佐竹主計官及び高橋資金課長出席を求めて、当局意見をただしたわけであります。  問題の焦点は、簡単に申し上げまして、ただいま大臣が御発言になられた通り、二十六年度予算編成にあたつて耐火建築助成必要性から、政府もこれが助成金として五億円の予算を計上いたしたいということで、あつたのでありますが、その後諸般の情勢に制約をせられて、遂にただいま審議中の二十六年度予算に、これを計上することが不可能であつたというような状態であります。私たち耐火建築助成法案を提出いたしたいためには、先ほど鈴木君からも発言がありました通り、二十六年度補正予算にこれを組むことができないか、これに対しては大臣はただいまのところ明確に言明できないということでありましたが、それも現在の状態としては当然であろうと思います。但し私たちはそれであるからといつて、二十七年度までこれを待つということよりも、もう一歩進めて、現在の状態で本法律案を提出し、しかも大蔵省当局の理解ある処置によつて、何らかの処置がとり得ないであろうかということで、預金部資金の活用ということに思いをいたしたわけであります。その意味において預金部資金で、五億ないし十億の補助金というものを貸し付け得るように処置がとれるかどうかという問題に、焦点が集まつておるわけであります。その問題に対しましては、住宅金融公庫に対して、預金部資金を二十六年度五十億を貸し付けられる以外に、耐火建築助成、いわゆる耐火建築助成法案趣旨沿つた金融を、幾ばくでもできないであろうかというのが焦点であります。銀行局長答弁では、比較的政治的な答弁であつたようにも思うのでありますが、でき得ないことはなかろうというような、可能なような口吻でありましたので、本委員会としては、立法の趣旨沿つた発言でありまして、非常に意を強うした次第でありますが、続いて高橋資金課長及び佐竹主計官発言によりますと、現在の総額四百億のうち、見返り資金よりの重点産業に対する貸付額七十億が減らされたので、結局三百三十億程度のものに対しては、あらゆる意味制約を受け、すでに配付の額というものは厳重に決定をしておる。だからこのわくを動かすことができないという現在においては、五億ないし十億の、特に本法案による住宅金融公庫に対する貸付は、事務的には非常にむずかしいのではないかということに訂正になつたようでありますが、そういうふうな御意見でありました。もちろんこれは速記をつけての発言としては非常に事務的な御答弁になると思いまして、懇談会の形式をとりまして、隔意のない意見の交換を行つた結果、事務的に考えてはむずかしいのではないか、ただ最後に残された手は、大蔵大臣政治的折衝において、もし大蔵大臣が政治的にこれを解決するという場合には、五億や十億何とかなるのではないかというふうな御答弁と、私たちは解しておるのでありますが、最後大蔵大臣意思一つにかかつておる、政治力一つにかかつておる、要は本法律案に対する認識のいかんにかかつておるということでありますので、特に本日御出席を煩わして御答弁を願うわけでありますが、答弁を願う前に、まず五億や七億、耐火建築重要性にかんがみられてお出しになるという御答弁を、ぜひ期待いたしておるわけであります。
  8. 池田勇人

    池田国務大臣 下準備でございまして、耐火建築助成法案内容をまだ見ておりません。お話の点は、住宅公庫に対して今予算で御審議つておる金額以外に、預金部から耐火建築助成意味において貸付をしたらどうか、こういうお話だと思います。しかるところ預金部の四百億円の運用は、直接予算影響はいたしておりませんが、その四百億円を使う場合において、住宅金融公庫予算というものは国会にかかつておるのであります。従つて住宅金融公庫予算とういものは、預金部から五十億円を借りる、こういう予算になつておるのであります。従いましてもしお話のように、新たに預金部から出すということになりますると、公庫予算をかえなければならぬことになるのではないかと思います。公庫予算をかえるということが、一つ問題点と思います。  第二は、予算に直接影響はございませんが、参考としてお出ししておりまする預金部運用計画の四百億円を、それだけふやすかという一つの政治的の問題がございます。これは預金部運用につきまして、昭和二十六年度にどれだけ預金が受け入れられるか、どれだけ簡易保険あるいは郵便年金が入るかによつて、ある程度つて来るのであります。預金部運用という問題が一つございます。  第三には、預金部からたとい五億なり十億なり出す、また五億の予算を補正した場合において、公庫が新たに家を建てるのでなしに、耐火のために補助金を出すとか、あるいは補助金でなしに特別貸付をするかという問題があると思う。  この三点につきましては、よほど研究を要する問題と思います。先ほど申しましたように、耐火建築助成法案を私まだ拝見していませんので、この問題につきましてはいま少しく時間をいただきまして、第三に問題点としてあげました公庫耐火のための特別の貸付金をやるか、あるいは補助金ができるかという公庫法自体の問題、これを検討しなければなりませんし、第二の点は予算を補正するという問題がある。第三の四百億円というのは、これは大体の見込みでございます。予算としてとつて、直接にここで御審議を願う問題でないのでありますから、これはある程度のゆとりは考えられぬことはありませんが、今の補正予算の問題と公庫業務としての問題がありますので、いましばらくひとつ猶予願つたらいいのではないかと思います。どうぞその辺で御了承を願いたいと思います。
  9. 田中角榮

    田中(角)委員 やはり大臣をお呼びしなければ問題は解決しないのであつて、私はただいまの大臣発言で、非常にわが意を得たと考えておるわけであります。それは第一、第二、第三の条件をあげられましたが、私たちが企図しておるのは、大蔵大臣の政治的な感覚及び手腕においてできるところの第三の条件を具備していただけば、われわれの目的は達成し得るのでありますから、これは私の力で何とかなるであろうというお話でありましたので、それでもう質問はあとは蛇足になると思うのでありますが、念のために申し上げておきます。  第一の問題は、本法案によりまして、住宅金融公庫が、住宅を提供するためにのみ業務行つてつたものに追加をして、不燃建築物に対する助成意味で、貸付金貸付を行うことができるように、住宅金融公庫法の修正をいたすのが、本法律案目的であります。それでありますので、第一の条件は何とかなる、ただ第二の問題は補正予算の問題でありますが、予算の問題ではなく、本法律の第一段階において企図するものが、預金部資金を借りたい、現在公共団体以外のものには貸付ができないというものを、本法律案によつて耐火建築助成にのみ補助をする場合、住宅金融公庫においてこれが業務を行うことができるということを規定したのでありますから、第二の予算的措置は必要としないわけであります。それで第一、第二の条件は、本法律案を提案することによつて解決できると思う。第三のそれによつて住宅金融公庫に対して、特殊資金を貸し付けられるという条件を具備し、しかも予算的措置を講ずる必要がないということになり、しかも預金部資金大臣の御答弁によりまして、何とか伸縮はでき得るものであるというのであるならば、大体本法律案の企図するところの目的は達成できると思うのでありまして、私はあえて答弁を求めませんが、時間的余裕はもちろん必要でありましよう。しかしその意味において本法律案が通過したあかつきには、ぜひとも五億円ないし十億円の預金部資金の放出をお考え願うと同時に、大いに御努力を願いたい、こういうふうに申し上げておきます。  第二の問題は、これと併合して審理をいたしております公営住宅法の問題でありますが、この問題に対しては現在政府が、予算わく内において公営住宅建築しております。これが必要性を説く必要はないと思うのでありますが、公営住宅を無計画につくつておるものを、三年ないし五年間の期限をつけて、計画的にこの公営住宅建設を行おうというのが、公営住宅法趣旨でありまして、現在予算わく内においてやつておることを、ただ法制化したいというのが目的であります。ただその中で、現在のような条件を第一種建築物に適用し、第二種建築物に対してはもう少し、政府補助をする率を四分の三ないし五分の四まで上げ得ないか、これは非常に収入の低いところの、いわゆる住宅金融公庫法によつて救い得ないもの、でき得るならば全額国庫公営住宅をつくるというようなものよりも、多少自費を持つておるというようなごく細民と、それよりもちよつと上の連中に、何とか国が補助をして、公営住宅をつくつてあげたいというのが第二の目的でありますが、この問題に対しても高橋課長及び大蔵省関係当局の方々は、十分研究せられておるはずでありますから、この程度のものはぜひ御賛同願うように、事務当局をして調査をせしめていただきたいということが第二であります。  第三の問題は、簡単に申し上げますと、私は新聞を取上げて言うわけではありませんし、特に池田大蔵大臣がかような発言をせられまいと思うのでありますが、現在建築行政にあずかつておるものから見ますると、非常に大きなシヨツクを受ける問題が、今日の朝日新聞に掲載せられておるわけであります。これは「不急資金抑制要望」というので、どなたかとの懇談会の席上、一万田日銀総裁が、不要不急資金抑制というので、定期預金金利引上げにつき銀行側に、ビルデイング建築等に対しても、建築資金はなるべく貸し付けないようにしてもらいたいというような御発言があつたそうであります。但しこの表現はどうであつたか私はわかりませんが、最近ビルデイングキヤバレーなど料理店建築などが多いのですから、後段にウエートが置いてある、こう考えておりますが、そうでなく最近ビルデイングというようなことにウエートが置いてある発言であるとしますと、われわれとしても非常に大きな問題であると考えておるのであります。と同時に「池田蔵相からも資金面からの建築抑制が要望された模様」、模様をとらえて大臣攻撃をするのではありませんが、本件に対しては明確なる御答弁をされることが、池田さんの政治的な面から言つても非常にいいことであり、また安心させておくことはいい。もちろん不要不急建築ということに対して、こういうタイトルのもとにお話になつたのでありますから、一般建築に対してかかることを言われたのではないと思いますが、念のため御発言を求めたいと思うのであります。
  10. 池田勇人

    池田国務大臣 初めの御質問に対します点につきましては、住宅公庫業務範囲特別会計法の改正を要するのではないかという点がありましたが、なおしばらく検討いたしたいと思います。  第二の公営住宅、多分これは公共事業費から出しておる住宅と思いますが、これはお話通り住宅公庫と、こしらえておる人との直接の契約ではなしに、公共団体がやつておる分だと思いますが、御趣旨ごもつともな点もありますので、その補助割合につきましては将来検討いたしたいと思います。  最後の御質問不要住宅抑制という問題は、昨日終戦後初めて日銀と、市中銀行との幹部の会合がございました。初めてのことでありますので、私も出て参りました。二、三十分一緒におりましたが、そのときにビルデイング建築の話が出ております。私はそういう場合でなしに、第九国会のどこかの委員会で、最近ビルがどんどん建つておる、このビルも必要であろうが、もつと必要なものはないか、冷蔵庫とか、その他こういう方面にまず金を流してくれると非常にいいと思うということを言つております。また先般来東京にはどんどんビルが建ちます。大阪の方は、大阪行つてみますと、あまりビルが建たぬ、どういうことかと思つて検討したのでありますが、それは終戦後本社が東京にどんどん移るので、大阪東京ほどビル不足がない。また東京は進駐軍が相当接収しておられる関係で、大阪東京とはビルの必要さが違うのだということが第一点、第二点は大阪の商人は、家を建てるよりも事業にどんどん金を出す、こういうことも私がいろいろなところで検討したのであります。何もビルを建てることには反対ではございません。ただもつと重要な方面に出す余地はないか、たとえば先ほど申し上げました冷蔵庫とか、あるいは直接生産関係のあるものにまわしたい。それからその次にビルを建てるというくらいな考え方で行くのが至当ではないか、建築を抑制するという気持はないのであります。ことに料理屋方面の復興が案外よく行くといいますか、行き過ぎておるということを私はちよいちよい聞いたり、見る場合もありますので、なるべく再生産に向くように金を使つてもらいたい、建築そのものを押えるという気持は私にはないのであります。一万田君も大体そういうような気持言つたと私は思うのでありますが、私はきのうの会合は二、三十分で、早く帰りましたので、一万田君のことは聞きませんでしたが、私の気持としては再生産に向うように金を使つてもらいたい、こういう気持言つたのであります。
  11. 内海安吉

    内海委員長代理 ほかに大蔵大臣に対する御質問はありませんか。
  12. 西村英一

    西村(英)委員 せつかくの御出席でありますから、私からひとつ伺いたいと思いますが、耐火建築助成の方法及び融資のことにつきましては、ただいま他の同僚委員から質問がありましたので、大体了解いたしたのでありますが、ただいま立案中の公営住宅法——大臣は御承知であるかどうか知りませんが、三箇年計画というものをいたしまして、その三箇年計画は、地方から原案をとりまして、建設大臣がそれを査定して閣議にかけそれを国会議決を経る、そうして住宅の三箇年計画をきめる、こうなつておるのであります。従いまして一旦この公営住宅建設三箇年計画というものをきめますと、これは議会議決を経るというところまで行つておるのでありますから、軽々しく変更できないというものになるのであります。ところがまた実際この内容は、その建設戸数市町村ごとにきめるということになつておるので、建設費問題等には触れておらないのであります。しかし一旦建設戸数を各市町村ごとで三箇年計画を立ててきめまして、それを閣議決定を経まして、あるいはそれ以上に議会決議を経ましたら、これは絶対にそれに予算が伴わなければならぬと私は思うのでありますが、その点について大蔵大臣に何か御相談がありましたかどうか、まずお聞きいたしたいのであります。
  13. 池田勇人

    池田国務大臣 公共事業費でやりまする公営住宅の点につきましては、大体公共事業費の内わくとして閣議できめるのであります。大体の公営住宅わくがきまりましてから、どういうふうに使われているかということは、事務当局の間で話をしておると思います。どこの県に、またどこの市町村にどれだけということについては、私はまだ相談に乗つたことはございません。使い方につきましてどういうふうにやつておりますか、調べてからお答えしてもよろしゆうございます。
  14. 西村英一

    西村(英)委員 今回公営住宅法として提出されるものは三箇年計画であつて、その三箇年計画閣議決定を経て、国会議決を経てやる、こういうことになつておるのであります。従いましてそれは予算が伴わなければいけない。また実際年度計画というものを別につくりまして、年度計画建設三箇年計画との間に齟齬を来しました場合でも、それは三箇年の間においてやはり国が負担しなければならぬ、支払いをしなければならぬというふうな規定になつておるのでありまするが、私はこの住宅建設三箇年計画においては、予定計画をしておくということが、非常に必要ではなかろうかと思うのであります。しかし心配するのは、その予定計画予算が伴わないということであります。戸数閣議決定を経て、さらに議会議決を経てきめる場合には、物価値上り等相当経費の面につきましてもかわつて来るのであります。それらの点につきまして、大蔵大臣はまだ建設省の方から御相談がなかつたように承りまするから、これ以上の質問はどうかと思いまするが、現在の住宅不足にかんがみまして、年々の公共事業でやりますものについても、資材が上りますと、戸数はずいぶん減つて来るのであります。本年度の四十数億円の庶民住宅につきましても、初めの計画よりも物価値上りによりまして、よほど戸数が減るのであります。しかし問題は、やはり戸数はあくまでも確保するという意味からいたしまして、それに予算が伴わなければいけない。そのために建設三箇年計画というものをつくるのであろうと思うのでありますが、その辺の見通しにつきましてお聞きしたいのであります。建設政務次官も見えておりまするので、その辺の関係がどういうふうになつておるのか、お聞きしたいのであります。
  15. 渡邊良夫

    渡邊(良)政府委員 公営住宅法内容につきましては、私はまだ伺つていないのでございますが、本委員会でおつくりになつたその法案内容をよく検討いたしまして、事務当局をしてこれに対処いたさせたいと考えております。
  16. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 蛇足を加えるようですが、せつかく大蔵大臣の御出席ですから、一言申し上げておきたいと思います。  先ほど田中君が言つたビル建設に対するところの大蔵省の態度はよくわかりましたけれども、私は不燃性建物について一言申し上げたいと思います。これは大きな面から考えて、この東京都を見ました場合におきましても、私は東京都の北部におりますが、四月の十四日に焼けて、残りましたのはほんとうの不燃性の銀行が二、三軒残つただけです。あのときは周章狼狽、混乱その極に達し、たいがいは野宿をしたような状態なのであります。そういつたようなことがあえて戦争ばかりから起るとは考えられない、一朝有事の際、つまり火災のときを考えると、木と竹とどろでできた建物の中に、ただ一軒でも不燃性のものがふえて行くということは、実際上防火壁になり、安全になると思う。そこで私どもはビル建設計画している一人なんですが、いろいろな点から考えて、不燃性のものがなければ、万一のときに困ると思うのであります。今度私どもが考えているところの、政府当局もいろいろ考えてくれているこの法案に対しても、銀座や丸の内の鉄筋コンクリートの建物があるところばかりに、屋上屋を重ねるようなことはしたくないと、少くとも私自身は考えておる。木造家屋の櫛比している、人口の稠密なところに、不燃性のものができるべきだというお考えを持つていただきたい。それが治山治水の上においても役立つことである。木造家屋をどんどんこしらえるには、山の木を切らなければならぬ。そうすれば山が荒れるとか、河川が荒れるとかいうようなことになつて来て、うんと金がかかる。また毎年々々家を建てて行つても、焼かれる率がちようどそれと同じようなぐあいだということになると、国家の資源をただ失うような感じがする。いざというときの危険防止災害防止のためには、どうしても公平に不燃性のものを建てて行かなければならない。そうすることが一番適当であると思いますけれども、やはりその地域々々によつて、金まわりの関係とか、周囲の事情で、なかなか不燃性のものができない。また政府当局住宅政策においても、私どものひがみかもしれないけれども、つい中央にばかりその恩恵を多くするというように思われる。かえつて人口の稠密しているところには、不燃性の公営住宅をつくらないというような現在のあり方なのであります。どうか不燃性のものが、人口の稠密しているところに建てやすくなるということについて、十分にひとつお考えおき願いたいと思うのであります。
  17. 池田勇人

    池田国務大臣 ごもつともなお話でございまして、不燃性の建物の櫛比しているところに不燃性の建物を建てるよりも、木造建のものがごちやごちや建つているところに建てた方が、いろいろな点から見ていいのであります。われわれも都内を歩きまするときに、平家とか、二階建の集約しているところを五、六階建にすれば、緑地帯もできるし、道路も広くなるし、焼けることはないし、非常にいいことだと思います。先ほど鈴木さんの御質問に対しましても、こういう気持でお答えしておるのであります。まことに同感でございますので、あえて同感の意を表しておきます。
  18. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 この機会に大蔵大臣にお伺しておきたいのは、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担についてであります。昨年からこの問題については当委員会においても、ずいぶん議論を尽したのでありまするが、簡単に申しますると、昨年当委員会では事業量の関係から、また公平という関係から、災害復旧の全額国庫負担ということはよいことではあるけれども、これは実際の政治としてどうかという点を、非常に慎重に考慮したのでありまするが、政府の方におかれまして、閣議で御決定になつて、これを一年やられたわけであります。一年限りになりはしないか、一年限りになつたのでは、いろいろな面において、国民の間に不平の声を聞くのではないかということを本委員会は考えて、慎重に政府委員質問をしたのでありまするが、一年限りではないという本多国務大臣の御答弁によつて、いろいろ連合審査会を開いた末の末に、ようやくあれは通つたものであります。ところが一年限りであれはちやんとやめる。増田建設大臣に聞きますと、ちやんと法律に一年限りと書いてあるではないかと、にべもなくお答えになつたのであります。そこはともかくといたしまして、今回本年度かえられます御方針は、三分の二、四分の三、四分の四と、いわゆるその災害の起つた地方団体の災害の大きさと、地方税との関係によつて、三段階にわけられておるようであります。そしてこれは主として事業量をふやすためのやむを得ない処置だ、こう言われるのでありますが、事業量をふやすという点については、われわれは異議はありません。問題はこういう方法にして、はたして国土の再建が早く実際希望通り復旧できるかどうかという点でありますが、この点に関し原則的に大蔵大臣はどうお考えになつておるかという点が一つと、いわゆる全額国庫負担を一年限りやつて、すぐにやめて、またこういうふうに先へもどす——元とは違うけれども、三段階にする。ともかく一年限りでやめてしまうというようなことに対するお考えと、それから第二段といたしましては、一番大事なことでありますが、地方自治体において負担する工事量の約二百億というものに対しては、起債のわくをふやすということが主になるでありましようが、地方で負担に耐えるような方法を講じてやろう、こう言われるのでありますけれども、一体この災害復旧費に対して、地方自治体に総額どれくらいのものを、去年より余分におまわしになる御方針であるか。それから余分におまわしになつて、二十六年度はかつかつ何とかしてやれるにいたしましても、それはただくれたのではないのでありまして、払わなければならぬのは当然でありますが、そうすると、ますます地方自治体の財政が困難になるという点をどのようにお考えになつておるか。これは地方税の改正とも関連して来るのでありまして、二十六年度は総額において百八十一億ほどよけいとろうというようなお考えも持つておるようなのであります。これは法人税等か主ではありますけれども、そういうふうな一貫性について、災害復旧費国庫負担の将来というものをどういうふうにお考えになつておるか、この際承つておきたいと思います。
  19. 池田勇人

    池田国務大臣 災害復旧の地方負担につきましては、昭和二十五年度限りにおきましては、全額国庫負担、すなわち災害一件ごと十五万円以上のものは、全額国庫負担にいたしたのでございます。これをなぜそういうふうにいたしたかと申しますると、地方財政の実情を見たというので、シヤウプ博士の勧告に強くこれが出たのであります。私はこの問題につきまして、そういうことは私は賛成できないと言つて、相当シヤウプ博士と議論いたしました。しかしあの際にああいうふうになりまして、予算編成の当時におきまして、関係方面と折衝の結果、とにかくそれじや一年限りにしようというので、一年限りにいたしたのであります。結果としては、私が先ほど申し上げましたように、あまり感心した制度ではないと思つたのでありますが、時間的その他の関係でああいうふうにいたしました。従いまして一年限りの負担の場合におきましても、他の委員会におきまして私ははつきり、これは二十五年度限りでございますということは申し上げておつたのであります。しこうして昭和二十六年度から、それではどういうふうな負担関係にしようかということで考えましたのが、今お話にもありました租税収入と災害の大きさによつて考えよう。たとえば大阪とか、東京あるいは愛知県等におきましては、相当租税収入が多いのであります。これを全額国庫負担にする必要はございません。しかし群馬県とかあるいは茨城県、宮崎県、鹿児島県などという県は、年々災害がございます。しかも租税収入が少い。こういうところはやはり公平の観念からも、何か実情に沿つたような負担区分にした方がいいというので、今回御審議つておりますように、こういう三段階にいたしたのであります。従いまして租税収入の非常に多い県で、しかも災害の割合少いところは、三分の一を負担するようになりましよう。しかし宮崎県のごとく租税収入が少く、災害が年々起るということになりますと、九十四、五パーセントを国が負担するという関係になります。それで行けば、将来ともかく各府県とも公平に、実際に沿つたようなことで行けると私は考えております。従いまして今後は、ただいま御審議つております税収と災害の大きさによつてスライドして行く方法で、進んで行きたいと考えております。  なおそれによりましての地方の負担でございますが、私今正確な数字を覚えておりませんが、昭和二十五年度におきましては百億足らずの経費だつたかと思います。それで三分の一負担ということになりますと、お話のように二百億程度のものになると思います。これをただいま私が申し上げましたようなスライド式で行きますと、百七十億程度の負担になると思うのであります。昨年よりも八、九十億ふえるのではないかと思います。従いましてこのふえたものをどうやつて行くかという問題になりますと、地方財政の問題でありますが、地方には節約し得る点もありますので、八十億ばかりの節約をお願いをいたしております。また租税収入も、自然増収並びに法人の住民税負担等で、百八十億の増収もございます。起債の方は少いのでありますが、四百億程度になつて参りますから、大体まかないがつくのではないかと思います。今後足りないという場合におきましては、情勢に応じて善処しなければなりません。もちろん災害復旧も焦眉の急であり、国策として当然第一主義に考えなければなりませんが、やはり国民の負担の点、財政経済状況から申しまして、一時にやるというわけには参りません。できるだけの力は注いでおりますが、財政経済事情によりまして、今の程度で精一ぱいではないかと考えております。今後は公共事業費の使い方にいたしましても、なるべく災害の起らない防砂とか植林の方面に力を注ぎますと同時に、なるべく経費を少くして復旧を多くしようという考え方で進んで行きたいと思つております。
  20. 内海安吉

    内海委員長代理 村瀬君にちよつと申し上げますが、大蔵大臣は午後一時から参議院の予算総会の方に臨まなければならなくなつておるそうですから、そのおつもりで質問を願います。
  21. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 それではもう一点だけお尋ねしておきます。全額国庫負担は二十五年度限りという文句は、ちやんと法律に出ておつたのでありますが、一年限りということにすると、いろいろな支障が起るであろうという想定のもとに、特に本委員会で慎重な審議を遂げたのであります。一年限りならばむしろこんなことはやめて、工事量を二十五年もふやしたらいいではないかという議論に、ほとんど終始しておつたのであります。ところが実際やつてみると、はたせるかな、たとえばこういうことが起つております。去年の非常な災害に対しまして、ともかくも全額国庫でもらえるのだ、割当はないにしても、ここは供出道路だから、供出するためにはこれを直しておかなかつたら、米の供出もできないではないかということで、各町村では、あるいは農業協同組合の金を一時使うなりなんなりしてやつた工事が相当あるのであります。これに対しましては、今年からは全額は出ないということになりまして、非常にこの問題のために、つまりこの法律のために、町村ではいろいろな問題が今起つておるのでありますが、それに対しまして特別な何らかの御配慮を考えられるお考えがあるかどうか。それは建設省の仕事だというふうに、セクシヨナリズムからはお考えになるかもしれませんが、日本全体として大きな問題でありまして、これがために、そうでなくてさえ今の農業協同組合は、閉鎖に閉鎖を次ぐ状態にありますが、つまりやつてしまつた工事というものが相当多いのであります。というのは「全額国庫負担だからというので、たまたま隣の村にはその割当が来たんだが、うちの村には来ないんだから、いつかは来るだろうという想定のもとにやつたわけなんでありますが、こういう全額国庫負担の法律が出たために、地方の特に農村において、その全額国庫負担の法律を当てにしてやつた工事のしり始末というものに対しましては、温情ある何らかの御処置を、これは災害の国庫負担としてでなしに、他の意味の名称をつけてでもいいのでありますが、いわゆる災害全額国庫負担に伴う農村振興策というようなものを何かお考えでありますか、承つておきたいと思います。
  22. 池田勇人

    池田国務大臣 結論から申し上げますと、私の仕事の範囲内で、今特別にそういうことを考えておりません。お話通りに一年限りの国庫負担ということになりますと、なかなかいろいろなやつかいな問題が起るということを予想いたしましたから、さきの国会でもこれは一年限りでございますからそのおつもりで、こう言つてつたのであります。幸いに法律にもそう書いてあつたのでありますが、今お話のような点につきましては、公共事業費の使い方によりまして、建設省並びに関係府県、市町村お話合い願うよりほかに、大蔵省で特にこのためにどうこうという予算は、ただいまのところ考えておりません。
  23. 田中角榮

    田中(角)委員 時間もありませんから、簡単に日時だけただしておきたいのですが、先ほども申し上げましたように、本委員会といたしましては、耐火建築助成法及び公営住宅法を現在提案する運びになつております。ところが大蔵省意見がまとまらないうちは、提案に至らないわけでありますが、すでに審議期間も三月も半ばでありますので、今にして提案しないと、本国会で成立の見込みが立たないということがありますので、先日も高橋さんにもよくお願いしておいたのでありますが、できるだけ早く結論を出していただきたい。できれば私たちは二十日前くらいに、何とか色よい御返事を頂戴できれば、二十日過ぎには早急に提案いたしたい。最後の、本法律案を提案するかしないかは、一にかかつて大蔵大臣の発表の日時と決意いかんにかかつているのでありますから、早急にこれは御決定いただきたいということをお願いしておきます。
  24. 池田勇人

    池田国務大臣 できるだけ早い機会になるたけしようと思いますが、何分前提が、預金部の四百億円を動かさない場合におきましては、これは地方自治庁の地方起債のわく影響いたしますので、相談する点が関係各省に相当あると思いますが、早急に相談いたしまして、御返事をいたします。
  25. 内海安吉

    内海委員長代理 大蔵大臣に対する本日の質疑はこの程度にいたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時五十四分散会