運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1951-03-17 第10回国会 衆議院 経済安定委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月十七日(土曜日)     午前十一時二十六分開議  出席委員    委員長 圖司 安正君    理事 志田 義信君 理事 多田  勇君    理事 永井 英修君 理事 竹山祐太郎君    理事 勝間田清一君       岩川 與助君   小野瀬忠兵衞君       寺本  齋君    奈良 治二君       福井  勇君    渕  通義君       細田 榮藏君    有田 喜一君       笹山茂太郎君    森山 欽司君  出席国務大臣         国 務 大 臣 周東 英雄君  出席政府委員         経済安定政務次         官       小峯 柳多君         経済安定事務官         (総裁官房長) 平井富三郎君         経済安定事務官         (総裁官房次         長)      河野 通一君         経済安定事務官          (産業局次長) 前谷 重夫君         経済調査庁次長 奧村 重正君  委員外出席者         農 林 技 官         (林野庁林政部 藤本 和平君         材産課長)         專  門  員 圓地與四松君         專  門  員 菅田清治郎君     ――――――――――――― 三月十六日  臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案(  内閣提出第一一二号) の審査を本委員会に付託された。 同月十五日  労務用物資配給に関する陳情書  (第四〇六号)  事業者団体法改正に関する陳情書  (第四一二号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案(  内閣提出第一一二号)     ―――――――――――――
  2. 圖司安正

    圖司委員長 ただいまより開会いたします。  これより昨十六日本委員会に付託されました内閣提出第一一二号、臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案議題とし、政府より提案理由説明を聽取いたします。小峯政務次官
  3. 小峯柳多

    小峯政府委員 ただいま議題となりました臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案提案理由について御説明申し上げます。  この法律案は、最近における内外経済情勢推移に対処するために、臨時物資需給調整法の一部を改正せんとするものでありますが、その主要な改正点は次の通りであります。  第一に同法の有効期間を一年間延長することであります。国内生産の順調な回復と、輸入の進捗に伴いまして、最近まで多くの物資について逐次統制緩和実施して参つたのでありますが、現在なお同法に基いて、生産資材二十五品目消費物資八項目の配給統制が残存しております。政府といたしましては、今後も需給緩和した物資につきましては、極力これが統制を解除して行く方針ではありますが、これらの物資の中には、今にわかに統制の廃止を行うことの困難なものも相当ある状況であります。のみならず変転する世界経済推移から見まして、今後の物資需給事情に、かなりの変化が生ずることも予想せざるを得ないのであります。もちろん政府といたしましては、生産の増加、輸入促進等により、物資需給緩和国民生活安定確保に鋭意努力を続ける所存でありますが、かかる内外経済情勢推移に対処して、経済安定確保に遺憾なきを期するため、本年四月一日に失効する臨時物資需給調整法の効力を、なお一箇年間延長することが適当と考えるものであります。  第二に、物資需給調整審議会を設置することであります。臨時物資需給調整法運用の従来の経験にかんがみまして、本法の運用にあたつては、広く民間学識経験者意見を求める必要が痛感されますので、経済安定本部諮問機関として、物資需給調整審議会を設置し、同法の民主的な運営に資したい次第であります。  第三に、同法に基く主務大臣権限を縮小することであります。すなわち、産業振興回復に伴いまして、不必要となつ主務大臣命令権限の範囲を、この際可及的に縮小いたしまして、同法の円滑なる運用をはかりたいと考えるものであります。  本法案の主たる内容は、以上申し上げた通りでありますが、御承知のように四月一日から現行法が失効になりますので、何とぞすみやかに御審議のほどお願いする次第であります。
  4. 圖司安正

    圖司委員長 引続き質疑を行います。竹山君。
  5. 竹山祐太郎

    竹山委員 多少関連性があると思いますが、この法律の延長と、今経済調査庁の問題が出て来ておりますが、これは何らか関連があるかどうか、政府の所見について伺いたい。
  6. 小峯柳多

    小峯政府委員 御指摘のように、経済調査庁法の一部を改正する案件を、今内閣委員会にお願いいたしておりますが、二つ関係はございません。これは御承知のように、現行の残存の諸統制の根拠になつております関係で、今残存しておりますものを、どうしてもこの法律でなければ実施ができませんのと、また内外経済情勢の変転が予想されますので、一箇年間これを延ばしていただきたい、こういう考え方でありますが、経済調査庁法の問題は、別な御審議によりまして、特別調達庁の経理及び業務の経済的な調査経済調査庁で担当するということを、今年一箇年限りの期限付で御審議、御賛成いただいておるのであります。その御決定によつて仕事をやつて参りましたが、なかなか監査仕事というものは関連性も深くなりまして、事務的に一箇年ではお約束申し上げた仕事が完結できないのであります。そこでいまなお進行中でありますので、その監査仕事を事務的に完結いたしますために、いましばらくの間——一年間かからないでやれるつもりでありますが、当分の間という意味で御審議をお願いいたしておるのでありまして、特に関係はないと思います。もつとも今度物調法によつて統制を適用しておる物資のようなものは、そういう法律関係も調べてみようというつもりでありましたが、今はそういう点よりも、むしろいろいろの契約やその他の経済的な諾條件を主として調べたというように承知しておりますので、特に二つ関係が直接にあるというわけではないと思います。
  7. 竹山祐太郎

    竹山委員 私はこの間予算委員会安本長官にこの問題について質疑をしたから今の質問をしたのであります。というのは、臨時物資需給調整法統制ははずして行くけれども、物価の値上り等の変調が起れば、経済調査庁の力でこれを摘発をして押えて行くんだというようなことで、新聞を通じて政府見解が非常に大きく発表をされておる。だから私は予算委員会でそれを聞いたのでありますが、これは法律の建前からいえば、今次官のおつしやるように、経済調査庁がそんなようなところまで大きく乗り出すことを、国会は了承していないはずである。それをそういうように大きく使うなら使うように、はつきりしたらいいと思う。それをいやに権能を大きく取上げるから私は質問をしたわけです。私の伺うのは、この需給調整法をどんどんはずして行つても、価格政策その他政府の今とらんとしておる政策のいろいろな欠陷は、要するに経済調査庁検察権といいますか、調査権でもつて押えつけて行こうとする考え方が、政府にあるのかないのかということを伺つたのでありますが、それがないということであれば、私ははつきりいたしました。従つて経済調査庁の方は、今お話特別調達庁調査がこの上必要であるかどうかということの審議国会はすればいいということに、私は了承をいたしたわけであります。そういうことになりますと、角度を改めて、この臨時物資需給調整法統制をはずされる各重要な品目について、この間私は一例として硫黄の問題を取上げましたが、そのはずされるものについて、国民生活に重大な影響のないそれぞれの裏づけ、手当があるかどうかということを伺つておきませんと、これは審議がはなはだしく無責任になる感がいたします。きようは私は他の諸君の質問関係がありますので、そういう点を詳しく伺おうとはしませんが、それを別の機会に資料なり御答弁なりで伺いたいことと、それからあとどこまでのものを最後まで残すのかという点等につきましても、次の機会に伺うことにして、前の通告者が参りましたから、私はこれだけにしておきます。
  8. 志田義信

    志田委員 簡單なことでお尋ね申し上げたいと思いますが、このたびの臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案提案理由説明の中に、物資需給調整審議会を設置するということがありますが、広く民間学識経験者意見を求める必要があることは、今さら私が申すまでもありません。この方方を審議会委員に委嘱いたします場合に、これは経済安定本部諮問機関ということになつております。そうしますと、物資需給調整審議会答申案が、おそらく経済安定本部長盲あてに出るだろうと思いますが、その答申案というものは單に答申するだけであるのか、その答申従つて、これを実施に移すために何か表意要望ができるのかどうか、その点を先にお尋ねしておきます
  9. 小峯柳多

    小峯政府委員 それは先日予備審査のときにもお話を聞いていただいたのでありますが、私ども自治統制のような形で新しい統制をやつてみたいということで、先般来折衝をやつてみたのでありますが、統制というものは国家権力でやるよりほかにないのであるこ、きわめて明確に指摘されました。しからば私どもがやるとすれば、最小限度のものでやる。しかしながらやる場合は民間意見を反映してやりたいということを申して参つたのであります。従つてそのいきさつから、統制は当然主務大臣としてやります。諮問委員会でありますから、諮問委員会主務大臣を法的に拘束するようなことはうたつておらぬ。ただ人と人とのつながりで、御意見は十分尊重するような形で持つて参る。実際上はそういうことになりましようし、法律の規定の上で主務大臣を縛るというふうなことにはなつておりません。
  10. 志田義信

    志田委員 それじやこの審議会委員会との間の法律的な相違はどうなるのか、ちよつとお伺いいたします。
  11. 小峯柳多

    小峯政府委員 この構成員公務員として規定した場合には委員どいうふうなものになるが、そうではなしに、構成員民間人のままで、意見を聞かしていただくという形になると、今申しましたような形になるじやないかと思います。
  12. 志田義信

    志田委員 そこで構成員の問題でありますが、今次官お話を承りますれば、何ら拘束されるものではない。つまり答申案答申案として出るけれども、必ずしも答申案がそのまま用いられるわけのものではないとすれば、この審議会民間学識経験者をせつかく集めて、そうして諮問機関として経済安定本部が、これに物資自給調整審議を委嘱してその答申案が出ても、その答申案と別個の施策を行うことができるようになつておるならば、何も好んで審議会を必要としないのではないか、かように思うのですが、その点はいかがでしようか。
  13. 小峯柳多

    小峯政府委員 私は法律構成が、今あなたの御指摘のようになつておるということを申し上げたのでありまして、実際上といたしましては、学識経験者意見は、十分主務大臣は尊重することになると思いますから、これをつくりました意義相当私は出て参ると思つております。
  14. 志田義信

    志田委員 同法の民主的な運営というのはどういうことですか。それをひとつ。
  15. 小峯柳多

    小峯政府委員 これは非常に大上段の文字を使つておりますが、民間の御意見を反映させるというようなことを、平たく民主的といつたのだろうと思います。
  16. 志田義信

    志田委員 この前の委員会でもたしか同僚勝間田委員から、その点についての質問があつたのじやないかと思つております。その後勝間田委員ともお目にかからないので、折合せをする機会がないのですけれども、私は審議会構成については、重大な問題がひそんでおるのじやないかと思うのです。それは民間からそういう委員を委嘱した場合に、その民間人はそれぞれ民間において相当会社社長であるとか、專務であるとか、その他重要なポストにつかれておる。それが物資需給調整に必要な面にその知識を動員されるだろうと思うのでありますが、民間の人に現職のままでそういう委員を委嘱する、そうして民間学識経験者としての意見を徴することになりますと、委員としては二重の人格を持つような場合が出て来るのではないか、そこで会社社長としてのプロパー仕事と、それから委員としての自己の意見というものと必ずしも一つにならない場合がある。会社の利害から言えばこういうことをして行きたい、それから業種の世界から言えばこういうことを意見として要望したい、しかし委員としては必ずしもそういうことを要望することはできないというような矛盾した状態が出ると思う。その場合に民主的な運営がはたしてできるかどうか、それをひとつ伺いたいのであります。
  17. 小峯柳多

    小峯政府委員 御答弁いたします前に、先ほどの答弁で私思い違いしておりましたので御訂正申し上げます。審議会委員はやはり公務員としておりますが、ただし非常勤でございます。委員会審議会の違いは、委員会の方は行政機関決定権を持つ、審議会の方は諮問機関決定権を持たないという違いだということを誤りお答えしたので訂正いたします。従いましてよほど御質問の点も緩和されると思いますが、私どもの選びます学識経験者は、今御指摘のような点もありますので、十分そういう線を見きわめまして、就任していただくということにいたしますから、御指摘のような弊害は少いのじやないかと思います。
  18. 志田義信

    志田委員 たとえば貿易関係の中からこういう人たちが選ばれて委員なつたというような場合に、今燐鉱石とかそういうものに対して、政府の助成あるいはその他の方法によつて、金を出さなければならぬというようなことが論議されておる、それには価格の面においていろいろ調整しなければならぬ。そういうようなことが出た場合に、民間意見をよく聞いてやるということになりますと、その社長自分会社に帰つて来て、それぞれの部下連を集めて、そういう問題について諮問するということは当然だと思います。そうするとたとえ非常勤であつて公務員でありますから、そういう秘密事項外部に漏らしたというような責任を追究されるおそれがあるのではないか、そういうことは外部に漏らしたということにならないかどうか、そう点はどうですか。
  19. 小峯柳多

    小峯政府委員 公務員であります以上、当然仕事に関する機密を漏らしてはならぬということになると思います。
  20. 志田義信

    志田委員 そうするとこれは社長などをやめて、そして公務員としてお給金をいただいて、非常勤であろうと常勤であろうとにかかわらず、相当その人の身分を保障しない限り、この物資需給調整審議会委員をお引受にはならないという結論が出はせぬかと思いますが、その点どうですか。
  21. 小峯柳多

    小峯政府委員 関係筋折衝のときにもそういう問題が出たのですが、業界につながつている人々よりも、学識経験者を主として選んだらどうかという話合いもあつたわけであります。そこで第一線社長を起用してどうのこうのということは、なかなか困難ではないかと思います。
  22. 志田義信

    志田委員 そうすると学識経験者というのはどういうことなんですか。学識まではわかるのですが、経験者というのはどういうのですか、そういう第一線人たちを起用しないで、はたして経済安定本部諮問機関としての物資需給調整審議会の万全なる人選をして行くことができるかどうか、学者だけを集めるのかどうか、学者だけ集めてそういうことができるかどうか、そういうようなことについて、もう少し詳しくお尋ね申し上げたいと思います。
  23. 小峯柳多

    小峯政府委員 現役の第一線社長でありませんでも、長くその業界でいろいろ御苦労なさつたような方も、相当あるように私ども見ておりますし、あるいは消費者代表としての労組などの代表のことも考えたいと思つております。
  24. 志田義信

    志田委員 そうすると、これはどうですか。組合関係の方面から、そういう学識経験者を求めるというような考えがあるかどうか。
  25. 小峯柳多

    小峯政府委員 それは消費者代表として考えたいと思つております。
  26. 志田義信

    志田委員 そういう場合に、消費者代表として、自分の所属している団体意見十分知つて、それと懇談してコンクリートなものにして、答申案をつくる場合においての基礎材料にするというような場合に、公の秘密がそういう団体に漏れた場合におきましては、公務員としてこれらの人たちは、やはり懲罰を受けなければならぬような状態になるのでありますか。
  27. 小峯柳多

    小峯政府委員 私の方からお願いしまず人は、おそらくそういう点も御承知くださつて御協力願える人に限る予定でありますので、実際上の支障はなかろうと思います。
  28. 志田義信

    志田委員 もうそろそろ審議会メンバーはきまつておるのですか。
  29. 小峯柳多

    小峯政府委員 御審議いただきましてから選考にかかるつもりでまだそれまでは行つておりません。
  30. 志田義信

    志田委員 これは次官はどういうふうにお考えになつておるか、よくまだ次官ほんとうの話を聞いておらぬからわかりませんけれども、かなり問題になつておると思うのであります。たとえば会社重役は入れない。第一線をしりぞいている人たちにお願いする。学者にお願いするということになると、老齢人たちばかりが集まつて、結局は第一線人たちに一々聞きに行かなければならぬ。こういう話だが、今はどうなつておるかということを聞きに行かなければならぬ。この前安本では参與という制度をつくつて民間から相当有力な人たちをつのつた。あれは相当効果を上げた。これは現職人たちにお願いして、第一流の会社の有力な、しかも若手のメンバーを取入れて、そうして過去の安本の諸制度審議及び政策の樹立に対しては、相当な成績をあげたと思うのです。しかし今度は第一線をしりぞいたような人たちに多ぐ期待して諮問機関をつくらせて、そして答申案をつくる。中には消費者代表として、これも第一線をしりぞいた労働組合の大家にお願いするのではないかと私は思うのであります。一体そんなことを考えておつてほんとうに民主的な運営ができるようなメンバーを集めることに自信があるかどうか、それをひとつお尋ねいたします。
  31. 小峯柳多

    小峯政府委員 だんだんお知惠を拜借いたしまして、りつぱな人を選びたいと思います。なお先ほど御老齢な方ばかりというお話が出ましたが、必ずしも御老齢な方ばかりでなしに、そういう人も選べると思いますし、非常動でありますので、非常にフエアーな現業の方なども考えていいのではないかと考えております。
  32. 志田義信

    志田委員 これはあまり深くやると何でありますが、ひとつ人選にはほんとうに慎重を期していただきたい。それからあまりいいかげんなところを集めないようにしていただきたい。これは民間要望です。今民間では皆さんの人選を非常に注意をもつて見ている。どういうことを注意して選んでくれるだろうか、小峯次官に期待するところきわめて大なるものがあると思つております。きわめて愼重にひとつ人選をやつていただきたい。  それから今公務員として非常勤であると言われましたが、公務亘としてのいろいろなあれを受けることになろうかと思いますが、そうしますと、審議会でできた答申案というものは、單に経済安定本部長官参考意見であるということよりも、さらに進んで、経済安定本部長官施策の上に、相当拘束力を持つものと解釈していいかどうか、その点をひとつ伺いたい。
  33. 小峯柳多

    小峯政府委員 形の上では先ほど私が申し上げた通りでありますが、実際上の運営では、相当拘束力を持つような顔ぶれが選ばれませんと、御指摘のように意義が薄いと思います。その辺のところは調整して参るつもりであります。
  34. 志田義信

    志田委員 そうしますと、これは主務大臣としての安本長官権限を、ときによつては縮小させるような審議会の活動になることもあろうかと思いますが、これに対する調整についてはどういうことをお考えになつておりますか。
  35. 小峯柳多

    小峯政府委員 この法規にのつとつてやるのでありまして、実際上経験の上から、あるいは識見の上から、大臣に対する御意見で実質上の拘束をすることはあろうと思いますが、御指摘のような意味で、権限を縮小するというようなことはないと私は思います。
  36. 志田義信

    志田委員 権限を縮小することはないけれども、必ずしも権限通りにはやれないことが出て来るということはあるだろうと思いますが、その点はどうですか。
  37. 小峯柳多

    小峯政府委員 権限行使について、その行使の万全を期するために諮問するのでありますから、権限がそのために損なわれるというようなことはあり得ないと考えます。
  38. 志田義信

    志田委員 そこが大事なことなのですからぜひお尋ねしておきたいのだが、権限行使について答申するのだから、決して権限を損なわれることはないと言うけれども、もし答申案経済安定本部長官との意見が一致しない場合においては、その答申案やみからやみに葬むられるのか、もう一度再答申要望して、その間の調整をはかるのかということを御質問いたします。
  39. 小峯柳多

    小峯政府委員 これは形の上から言いますれば、意見が対立した場合には、安定本部長官が決裁すべきものである。しかし運用からいたしますと、たとえば意見の食い違いがありますときには、なお両三度折衝いたしまして運営には十全を期するつもりであります。
  40. 志田義信

    志田委員 けつこうです。ありがとうございました。
  41. 圖司安正

  42. 森山欽司

    森山委員 各委員からいろいろ御質問がありましたので、私の聞きたいことも相当それによつて盡されておるので、できるだけ簡單に御質問いたしたいと思います。  現在の政府は、統制解除方向をたどつておるわけでございますが、世界の大勢、特に日本に最も関係の深いアメリカは、再統制方向をたどつておると見てさしつかえない。まあこういう現在の政府の行き方がいいか悪いかということは、今後の経済の流れがこれを実証するであろうと思うのであります。この点について小峯次官の在来からの御発言の中で、特にお伺いいたしたいことは、政府としては現在統制する必要がないというお考えであるのか、かりに統制する必要はあるけれども統制をするために必要な、日本における現実経済的基盤とか、統制技術等のために、思うように行かない面があるから、かえつて統制を解除したらいいという御見解を持つておるのか、どちらの御見解であるのか、承りたいと思います。
  43. 小峯柳多

    小峯政府委員 非常にデリケートな御質問でありますが、私は近代政治というものは、国民の民生の安定を確保するということにあると思いますので、経済に関して効果的な方法で、政治の意図に沿うような計画というものは必要だと考えております。従つて根本的に経済を放任しておいていいとは絶対に考えておりません。ただ、今御指摘のことに触れると思いますが、日本国民の民度といい、あるいは行政機構からする国民負担の問題といい、またその統制実施します場合の役所の知識経験といい、そういつたふうな意味統制を、すなわち経済計画化を、万全に行い得るような形の統制というのは行い得ない、そういうことも加わりまして、私は今日統制をやらない方が、国民経済の能率を上げるために必要なのだというふうに考えております。従つて、理念として絶対に不必要だというのでなく、統制そのものの言葉について御指摘になりますと、これは答え方がむずかしくなるのでありますが、経済計画的に持つて行くということの必要性は私は痛感しております。ただその経済計画性を、統制経済という形でやるのには、いろいろな諸條件がそれに沿いかねる。従つて効果のないものを経済政策でやるというようなことは、これは非常に価値が薄いという意味もあわせ考えまして、統制考えていないのであります。
  44. 森山欽司

    森山委員 小峯次官の御見解によりますと、計画と申しますか、統制と申しますか、あるいは調整と申しますか、そういうような一種の規制は必要な現状であり、またより必要な動向にあるということはお認めになつたわけであります。ただ現実日本経済基盤、あるいは統制技術の問題について、これがなかなか行いがたい面があるので、現在のような方向をとりつつあるというお話でございます。ちようど経済調査庁次長さんも来ておられます。次長さんにひとつお伺いしたいのでありますが、従来の戰後の経済統制において、これが円滑に行かなかつた理由、これが日本経済基盤の上において、かつまた統制の技術的な面において、なぜ、ではそういう面がうまく行かなかつたのであるか、うまく行かない点があるならば、それを克服するために、どういう手を打つべきかというようなことについて、経済調査庁としてお調べになられたことがあるかどうかをお伺いいたしたいと思います。
  45. 小峯柳多

    小峯政府委員 お答えする前に、誤解していただきますと困りますので、一言つけ加えておきますが、私が申しました技術的という意味は、單に調査庁でつかみ出して改正ができるような、そういう小さい意味の技術でなしに、国全体の民度といいますか、そういうふうなものまで含めての問題なのでありまして、あるいは次長からの答弁で、そういう点にまで触れることはむずかしかろうと思いますので、予防線ではありませんが、附言して申し上げておきたいと思います。
  46. 奧村重正

    ○奧村(重)政府委員 私どもの方で経済統制仕事をやり始めてから二年以上になつたわけであります。その間いろいろ具体的な事象に接触する機会相当ございましたので、その都度われわれとしても反省を加え、いろいろまた仕事の面でのくふう研究を重ねて参つたのであります。最近過去において、私どもとしてはこういう仕事のやり方をすれば、もう少し効果があつたかもしれないという面について、反省事項と申しますか、そういうものをいろいろ時間のありまするときに、寄り寄り討論的に内部でやつております。しかしこれは大きな問題と申しまするよりは、いろいろ具体的な小さな問題、技術的な仕事、そういう問題について、過去の経験を忘れませんように、今お示しのようなことを実はやつております。しかしこれは事務的な問題でございます。
  47. 森山欽司

    森山委員 この席ではこれ以上深く入ることは不適当だと思いますから、この程度でとどめますけれども、とにかく現在の世界経済の流れのみならず、日本の現状を静かにわれわれ考えてみましても、何らかの意味における施政が必要な段階に到達しておる。しかしながらそれを勇断をもつて行うには躊躇する幾つかの事例があると思います。そういうようなことについて、どうか経済調査庁はインフオースメントの面において、過去において最も痛感された面を、今後起るべき新事態に対して十分お備え願いたいと思う次第でございます、  次に御質問申し上げたい点は、今度の改正法によりますと「供給の特に不足する物資の割当又は配給」ということになつて、「特に不足する」ということが入つております。それは臨時物資需給調整法の第一條の第一項第二号あるいは第三号と同じく「特に」という言葉が使われておるわけでございます。この「特に」ということを使われたことは、従来もこういうようなやり方でやつてつたのだ。しかしそれを現状に合うように宣言的な意味で補つたのでありますか。
  48. 小峯柳多

    小峯政府委員 御指摘通りであります。
  49. 森山欽司

    森山委員 「特に」というのは、これを認定するのはやはり経済安定本部長官と思いますので、「特に」ということを抽象的にはもちろん言えますが、具体的に何かの標識がないか、たとえば国際割当のある物資あるいはその他そういうような何か具体的な標識をお考えになつておられるかどうか。
  50. 小峯柳多

    小峯政府委員 これはなかなかむずかしい内容になりまして、今までやつて来ました方法で大体御類推願う以外にないと思います。なおそれについて十分御意見も承りたいという意味で、この審議会のようなものも付設いたしておるわけであります。
  51. 森山欽司

    森山委員 今度の改正案では審議会を設けるということになつておるわけでありますが、この点については非常な弊害が起るのではないかということを、私どものみならず社会党も、自由党の諸君も心配しておられます。現にかつて物価統制令上物価審議会が設けられたわけであります。その際も非常に好ましからざる事例が起きたのです。会議中にある委員が便所へ行つた。そしてその便所からいわゆる早耳を関係業界に伝えたという事例が一つ残つておる。このような審議会を設ければ、再び同じような事例が起ることは必至ではないかと私は考えるのであります。本委員人選に愼重を期せられるといいましても、いわゆる経験者の中からそれを求めるということになるならば、各党の各委員指摘されたと同じように、必ずそういう結果を私は招来すると思う。審議会がこのような弊害をはらんでおつたという法律の建前から、臨時物資需給調整法とか、物価統制令というものについては、よほど愼重に考えなければならぬ。ほかの審議会とわけが違うというふうに考えざるを得ないのでありますが、提案理由によりますと、従来の経験に徴して広く民間学識経験者意見を求める必要が痛感されたというのでありますが、一体広く民間学識経験者意見を求める必要が痛感された従来の経験は、たとえばどういうことがあつたか、お伺いいたしたいと思います。
  52. 小峯柳多

    小峯政府委員 私は統制の問題も、全面的にこれをやつているというときには、そうむずかしい問題ではなしに、むしろ役所だけのワン・サイドの考え方できめていいと思いますが、今日はなるべくはずして行く方向にあり、しかも統制というものの建前としましては、ごく限られた、非常に供給の逼迫したというような特殊な例になりますので、そういうふうなことは、今までの全面的にやつたときと比べまして、当然むずかしい問題になるというふうにも考えますし、また統制は御承知のように役所だけでやりましても完全に行い得られるものではありません。民間側の協力いかんで効果がきまつて来ると思います。民間からの選ばれた方が委員として参画したのだという形をとりますと、今まで統制が形の上で整備いたしておりましても、どうも統制外のことでいろいろ起る弊害が少くて済むだろう、今まで一方的にやりました統制というものが、今までの統制からはみ出したいろいろな弊害の一番大きな原因だつたというふうに考えて、こういうふうな仕組に考えた次第でございます。
  53. 森山欽司

    森山委員 こういうような審議会は非常に弊害が伴うというばかりでなく、それでは今までの統制あるいは最近の統制においても、それぞれの業界団体等が、いわば一種のプレッシャー・グループとして官庁等に接触しておる、また国会等にも接触しておるわけです。今まで全然民間意見を聞かないで、天くだり的にこういう方針をきめたからこれをのめというふうなきめ方は、従来の官庁といえどもつておらないと私は思うのであります。今さらこういうような審議会をあらためて設けて、しかも設けることによつて、かえつて経済施策の機密の漏洩というようなことによつて、非常に忌むべき事態が招集するということが、各委員から口をそろえて言われるといたしますならば、これは従来通りのやり方でも何らさしつかえないのではないかと思いますが、いかがでありますか。
  54. 小峯柳多

    小峯政府委員 一つの制度には、長所も欠点も嚴密に言えばやはりあるものと思いますが、そういう欠点を両方比較いたしまして、なおかつこれから全面的にやる統制でなしに、ごく限られた特殊な面だけやつて行くという事態になりますと、そういう欠点は、一方に愼重な考慮で排除しながら、長所だけ生かす方法考えて行きたいという趣旨で御審議をお願いしておる次第であります。
  55. 森山欽司

    森山委員 御趣旨のようでありますならば、むしろ経済安定本部が、民間から局長あるいは副長官等を採用した従来)やり方をやつて十分事足りるのじやないでしようか。
  56. 小峯柳多

    小峯政府委員 大体私どもの役所は、そういう性格に自然になつてつて来ておりますが、やはり民間人として日常民間の消費生活なり、生産生活の空気を吸つているような雰囲気の反映というものが、よりよい統制の万全を期するやり方になるだろうと考えまして、安定本部のできましたときの精神もあわせ考えまして、その雰囲気を強く反映させたいという考え方で、お願いしておるわけであります。
  57. 森山欽司

    森山委員 次に臨時物資需給調整法によりまして、従来木材及び薪炭の需給調整をはかるために、木材薪炭生産規則というものがあつたわけでございます。ところで現在森林法の改正を行つて、伐採制限を行い得るよう検討中であるので、同法案が通過すれば、この木材薪炭生産規則というものは廃止する予定だそうでございますが、現在のこれに対する進行状態について林野庁にお伺いしたい。
  58. 藤本和平

    ○藤本説明員 私、林産課長でございますが、森林法の担当は経済課長がやつておりますので、現在の進行状況をはつきり申し上げかねるのであります。
  59. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 農林省から参つておりませんので、私、大体承つております点を補足的に申し上げます。  御承知のように森林資源の問題からいたしまして、今国会の方におかれまして、森林資源の計画伐採と申しますか、基本法といたしましての森林法の改正が検討されておるように承つております。政府といたしましても、それと御協力いたしまして、いろいろこまかい点について折衝しておりますが、おそらく今議会にそれが成案を得まして提出されることになるだろうというふうに承つております。
  60. 森山欽司

    森山委員 まだ提案されないのですか。
  61. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 まだ提案の運びになつておりません。
  62. 森山欽司

    森山委員 その内容はどういうような内容か、お伺いできないでしようか。
  63. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 私仄聞いたしておりますが、大体基本的な森林計画を定めまして、その基本的な森林計画に基きまして、今度は地区の計画というようなものを定めます。さらにそれから実施計画ということを定めて参る。そうして補足の原則によりまして、その実施計画におきまして、施業案にのつとりまして伐採を行う、植林を行う、こういう計画でやつて行く。責任は、中央の基本計画につきましては、農林大臣計画を立てまするし、実施計画につきましては地方長官計画を立てる。法案の内容としては、大筋はそのようになるだろう、こういうふうに仄聞いたしております。
  64. 森山欽司

    森山委員 奧地林開発が必要であるということを言われる半面、平地林あるいは山に入つたばかりのところの木材というものは、今度切れなくなるというような内容を持つておるのでありますか。
  65. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 御承知のように、木材の需給の状況から申しますると、奧地林が、林道関係等におきまして、相当余分はある。しかも外山において、その伐採の余力が少い、こういう点を調整いたしますために、奧地林等におきましては、公共事業費その他におきまして、林道をつけるとかいう方法によつて伐採を進めて行く。同時にそれと見合せまして、外山の伐採も計画的にやつて参る。半面におきまして、伐採跡地の造林ということも計画的に進めて行く、こういうことが大筋になるわけであります。
  66. 森山欽司

    森山委員 現状以上に伐採の制限を行うわけですか。
  67. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 この点はまだ具体的に森林法の改正が決定いたしておりませんが、結局問題は、現在の森林の荒廃を、造林その他でまかなつて参りまして、補足の原則に従つてこれを計画的にやつて行く。そうしますと、その施業案の計画によりまして、現状におきまして、ある地域は伐採がはなはだしい、ある地域は非常に材採されていない、こういう点は全体的に調整されなければならないかと思います。ただ現状を全国的に見まして、どの程度に伐採量をきめるかということは、木材の需要の面と関連いたしまして、これは国民経済全体として、今後基本計画を立てられまする場合にきめられる問題かと思います。
  68. 森山欽司

    森山委員 自立経済三箇年計画によりますと、私が記憶するところでは、年々三千万石程度が過伐になつているという話であります。もしその過伐をこの際押えるということになりますと、相当強い伐採制限が行われざるを得ない。森林法の改正はそういう線に沿つて行つておるものであるかどうか、あるいは木材薪炭生産規則程度の代採制限にとどまるのか、どちらか伺いたい。
  69. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 具体的に現状程度にとどめるか、あるいは完全な成長量を基礎にいたしました伐採量にとどめるかということは、今後の森林法が通過いたしました場合の基本計画決定の際の問題かと思いますが、結局補足の原則の面から見た点と、それから国民経済から見ました木材の需要という面と、両者を調整と申しますか、勘案いたしまして、総合的に国民経済の立場から、その数量その他の点は、基本計画としてきめられることになるだろうと思います。
  70. 森山欽司

    森山委員 その総合的な基本計画景というのは、どういう御認識の上に立つておられるかということを伺います。
  71. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 その点は具体的に施業計画が進められ、施業計画による適正伐採量がどの程度になるかということが、今後進められる問題でありまして、今具体的にどの程度になるかということはちよつと申し上げにくいかと思います。
  72. 森山欽司

    森山委員 くどくなりますが、自立経済計画によると二千万石程度過伐になる、こういう過伐をお認めになるという御方針かどうか。
  73. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 御承知のように戰時中から相当過伐になつております。ただ森林の問題は今後の造林と、それから今後数年間と申しますか、今後の伐採量でございまして、ただちにその年から適正伐採量に持つて行かなければならないということもなかろうかと思うのであります。結局その間に次の長期計画といたしまして、過伐を何年間に回復して行くか、また荒蕪地の遭林を何年間に完成して行くかということの問題かと思うのであります。そういう点が、具体的にはいろいろの面から、何年間それをずらして行くかという点につきまして、国民経済の立場からもありまするし、また森林資源の補足といつの時期において一致するか、こういう慮については愼重な検討を要するわけであります。
  74. 森山欽司

    森山委員 経済安定本部では、木材資源の需給について、かつてそういう点から御検討になつたことはございませんか。
  75. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 御承知のように自立経済審議会におきましては、木材の需要の面から見まして、今後の造林等につきまして計画を立てたわけでございます。従来木材の統制がございましたときにおきましては、木材の需給につきまして計画を立てて、割当をいたしたわけでございますが、現状におきましては木材の統制をやつておりませんから、実施計画としての需給計画は立てておりませんけれども、大体推定として、こういうふうに動くだろうということは計画を立てております。ただ御承知のように森林法が現在まだ改正されていない現状におきましては、これを具体的にその計画実施に移すということの手段はないわけであります。
  76. 圖司安正

    圖司委員長 他に御質疑はありませんか。なければ本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。  本案に対する討論採決は十九日午前十時より、本委員会において行う予定でございますから、委員各位は必ず御出席くださるようお願いいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時十八分散会