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1951-02-07 第10回国会 衆議院 経済安定委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月七日(水曜日)     午前十時三十一分開議  出席委員    委員長 圖司 安正君    理事 志田 義信君 理事 多田  勇君    理事 永井 英修君 理事 竹山祐太郎君       岩川 與助君   小野瀬忠兵衞君       奈良 治二君    細田 榮藏君       森   曉君    有田 喜一君       笹山茂太郎君    森山 欽司君  出席国務大臣         国 務 大 臣 周東 英雄君  出席政府委員         経済安定政務次         官       小峯 柳多君         経済安定事務官         (総裁官房長) 平井富三郎君         経済安定事務官         (総裁官房経済         計画室長)   佐々木義武君         経済安定事務官         (財政金融局         長)      内田 常雄君  委員外出席者         経済安定事務官         (総裁官房労働         室長)     石井 通則君         経済安定事務官         (財政金融局金         融政策課長)  太田 亮一君         專  門  員 圓地與四松君         專  門  員 菅田清治郎君     —————————————  本日の会議に付した事件  自立経済計画に関する件     —————————————
  2. 圖司安正

    ○圖司委員長 これより会議を開きます。  ただいまより自立経済計画を議題に供し、自立経済達成のための基本的経済計画に関し、昨月に引続き当局に対し質疑を行います。森山君。
  3. 森山欽司

    森山委員 ダレス特使が来朝中でありまして、講和問題について政府並びに各界意見交換をなされておるが、その講和に関連して最も関心を持たれておるのは安全保障の問題であります。同時に自立経済の問題も同様なウエイトをもつて考えるべき重要な問題であると思います。これについて新聞紙上あるいは各界のいろいろな議論の結果等を拜見いたしますと、自立経済の論議というものは、添えもの的な取扱いを受けておるのではあるまいかというように考えますが、現在進行中の講和に関する意見交換と、自立経済との関係について、一般的な御所見を伺いたいと思います。
  4. 周東英雄

    周東国務大臣 講和條約の締結は、おそくとも本年内にはできる見通しのもとに、すべての会談が進められておるようでありますが、講和條約が早く結ばれて、政治的な独立ができることは国民のひとしく望んでおるところである。ぜひこれはやらなければならないのですが、しかし国の独立というものは、他国のごやつかいにならないで経済自立ができるという裏づけがなければ、実質、形式ともに国の真の自立はない、こういう建前をとつておるのであります。従つて政府におきましてはそういう意味合いにおいて、経済自立をするについての総合計画を立て、一日も早く経済自立をはかり、経済的に見ての日本の信用を高めることによつて講和締結後におけるあらゆる国際間の総合取引といいますか、そういう面においてしつかりした日本の地歩を確立することが必要であるということから考えまして、自立経済計画を進めておるわけであります。
  5. 森山欽司

    森山委員 伺いますと、講和についての意見交換に関しては、安全保障と同様な重点自立経済に向けて進められたそうでありますが、その際の自立経済基本になるものは、この計画書によるものであるかどうか伺いたい。
  6. 周東英雄

    周東国務大臣 お手元に配付されておるのは、おそらく自立経済審議会政府に対する答申書であると思います。大体の方向としてはこれが一つ基本方針であると思いますが、しかしこれはどこまでも審議会答申であります。政府としては、さらにこの内容を検討して、情勢変化によつて多少の変更はあるかもしれないが、基本方針においては大体この線で間違いないと思います。
  7. 森山欽司

    森山委員 基本方針がこの線であるといたしますと、ダレス特使との意見交換におきまして、具体的にどういうことを要望されたかおさしつかえなければ伺いたいと思います。
  8. 周東英雄

    周東国務大臣 ダレス特使との関係におきましては総理が折衝されておりますが、こまかい問題は出ておらぬと思います。しかし基本のラインにおいて講和締結後の日本経済自立し得るように、各方面援助を求めるというような大綱は話されておると想像いたします。
  9. 森山欽司

    森山委員 経済自立に関するダレス特使との会談については、先般新聞紙上によると、外務省において相当資料をとりまとめて提出し、あるいは話を進めておるという話でありますが、その話合いについては経済安定本部の方ではどの程度タツチしておられますか。
  10. 周東英雄

    周東国務大臣 こまかいことについては、経済界関係において会われる場合にどうこうということは連絡いたしておりません。しかしダレス特使が見える以前から、日本の将来における経済自立に関して、いかなる方策を、総合的にかつ調整ある形においてとらるべきかということに対しては、財界の方とよく相談してありまするし、ことに自立経済審議会における各部門別計画自立というものは、その財界におけるそれぞれの人が委員長になつていただいてできておるので、大体政府考えておること並びに財界考えておられることについての基本線は一致しておると思います。そういう線で私はいろいろな要望がなされたと思います。
  11. 森山欽司

    森山委員 重ねてお尋ねいたします。経済安定本部立場から、総合的な経済自立に対する御意見を、ダレス特使に伝達したことがなかつたかどうか。
  12. 周東英雄

    周東国務大臣 経済安定本部からとしては別に出しておりません。
  13. 森山欽司

    森山委員 経済自立に関して各種の問題があると思います。それから国際滞貨基金への加入の問題、あるいは通商航海條約等の問題もあると思いますが、さしあたり問題になりますのは、対日援助の問題であると思います。この見通しについてごく簡単に……。
  14. 周東英雄

    周東国務大臣 従来からの考え方としては、対日援助というものは二十八年度の上半期までですか、出されて、その後は打ち切られるという予定になつておるようであります。その点を想定いたしまして、それまではある程度援助が、額は減りましようが、従来通りあるという見通しで立ててあります。
  15. 森山欽司

    森山委員 先般新聞に伝えられるところによりますと、経済自立に関して援助の継続を懇請したというふうなことが出ておりますが、その具体的内容は、長官、どの程度御存じになつておられるか。
  16. 周東英雄

    周東国務大臣 私の方から、従来の形における援助というものを、特に総理が懇請したと私は思つておりません。しかしこの計画でもごらんいただけるように、やはり従来のような形で、ある程度援助がないと、急速に自立が困難であろう、こういう考え方でスタートしております。日本が、終戦後五箇年間、ほかの敗戦国に比べて、異常な姿において経済振興して来たということの裏に、毎年三億ドル近くの援助資金があつたがために、輸出入バランスがとれて、赤字をそれで埋めて立てておつたことは御承知通りであります。これをなくして、日本の力によつて輸出をし、輸出によつての受取り勘定で輸入をするという形に持つて行くことが一つ自立経済計画の柱であります。そのものが急速に打ち切られるということは、いかに努力しても困難であろうということで、この計画は来々年の上半期まで、一応従来通りあるものとして立てておりますが、今後における経済発展しかたいかんによむましては、これはあるいは早くなくなるでありましようし、あるいはまた延されるということがあろうと思います。その間に処して、たとえ従来のような形の援助がなくなるとしても、日本経済自立のためには、まだまだ大きな外的な援助がいるはずであります。一応のこの計画にいたしましたところで、国民生活水準は戦前の九〇%に見ている。それでよいとわれわれ思つていない。それ以上は進めるためにも、またもつと日本生産指数を上げるためにも、やはりそとからの援助が必要であろう。しかしその際に、今までのような形の援助のみ考えるのでなく、あるいは非常な好意ある外資導入クレジツト設定という方法もありましようし、そういう意味において、日本が将来立ち仕るように援助がほしい、こういうことを言われたと私は思うのです。今あなたの言われた狭い意味の、従来通りのガリオア資金的な援助限つて長くほしいということを言われたものとは思つておりません。
  17. 森山欽司

    森山委員 長官のおつしやる通り、形のかわつた広い意味援助ということはもとよりできるかと思いますけれども、自立経済計画によりますならば、少くとも来年度においては援助が必要なことになつております。その援助形式は違いますけれども、あると思います。そういう問題は、この計画が実際達成できるかどうかというキーポイントになります。そういうことについて、政府はどういうような意見を提出されたかということを私はお聞きしておる。
  18. 周東英雄

    周東国務大臣 それは非常な変化がない限りは、やはり来年も必要だという意味で、この案ができて、この案自体は翻訳の上政府に提出したのです。
  19. 森山欽司

    森山委員 外交的な交渉はワンマンに一任せられてあるもののごとくでありますから、これ以上伺いませんが、対外援助の問題に関連しまして、講和條約がひとたび締結されたならば、大体どういうような形にかわつて行くであろうか。要するに、今のような形が、たとえばENCAの援助に切りがえられる、あるいはその前提として、北大西洋條約というようなものがヨーロツパの方にあるわけでありますが、経済的な面から見て、その形引が従来の援助資金にかわつた形引をとるとすれば、どういう形が想定されるかということをお伺いしたい。特にイタリーの講和條約の例もあることでありますから……。
  20. 周東英雄

    周東国務大臣 講和締結後、援助がどういうふうにかわるかというお尋ねですが、それは今からこういうふうにかわると断定はできません。しかしこれは講和條約が締結され、独立国家なつた後においては、話合いでいろいろなことが進められるのじやないかと思います。日本で直接的な援助考えられる場合もあるし、あるいは日本経済を、産業復興させるためには、日本のつくるものが売れる相手方——アジア諸国一般についてのマーシヤル・プラン的なものができて、そういう方面に対する経済的な援助が、間接的に日本に対する援助になるということもありましよう。また世界的にブレトン・ウツズ等加入を許されて、日本経済振興のために、資金供與、あるいは貿易に対する便宜が供與されることもありましようし、また国際開発銀行との結びつきにおいて、東南アジア開発、その地日本関係のいろいろな施設ができることもありましよう。日本に対する長期クレジツト設定ということもありましよう。これはしかし今、何と何とはこうなるのだということを断定することはできない。と同時にもう少し私は広い希望を持つております。
  21. 森山欽司

    森山委員 経済安定本部としては、とにかく何らかの形における援助が、講和條約の後にも来るということを期待しておる。それは講和條約と関連して、われわれは安全保障考える。その安全保障の問題は、かなり具体化した形において、もうすでに今日われわれは考えておる。しからば今後の日本経済自立のために、いろいろな形における援助が必要であることは、これは事実であろうと思います。相当具体化した形においてすでに考えられていい段階ではないかと思いますが、いかがでありましようか。
  22. 周東英雄

    周東国務大臣 この間のダレス氏の演説においても、日本経済自立日本経済復興に対しては、積極的に援助するというようなことが言われております。私どもはそういう立場からも、講和後における問題についてはそれぞれ考えておりますが、今それを、これとこれとはこうするということを申し上げるまだ段階でないと思います。先ほど申し上げましたようなことは、日本国際社会の一員に復帰して、そうして国際経済に結びついて行くという段階ならば、当然今度は援助するという形でなくて独立国家としての要求も私はできると思う。そこに初めて民主主義国家相互連合における各国間の経済発達経済復興ということがあり得るのであります。私はそこに大きな希望をつなぎ、それぞれ具体策を立てつつあるということを申し上げます。
  23. 森山欽司

    森山委員 この問題について、最後に一つお伺いしておきたいことは、なるほど今長官のおつしやる通りの点もございますけれども、ヨーロツパの例によれば、マーシヤル・プランによつて各国アメリカからいろいろな形における資金援助を受けております。その際どうしても経済政策的に相当な制約を受けておることは事実だと思います。先般新聞にも、日本援助を受けている間はそういう制約はやむを得ないのだとような記事があつたと思います。今手元にありませんが……。従つて日本経済が、何らかの形において海外から援助を受ける場合、かりにそれが独立国なつたにいたしましても、ヨーロツパにおける例から見ましても、相当な制約ありと考えられるかどうか、お尋ねいたしたいと思います。
  24. 周東英雄

    周東国務大臣 それは私は経済援助形いかんによると思うのであります。特殊な援助を受けることに関連して、援助條件として何か制約を受けるということがあれば、それはそうかもしれない。しかし日本講和條締結後、最恵国待遇を受けて、特殊な差別待遇をせぬという條約ができれば、これは堂々と、別に制約を受けずに、いろいろな輸出入関係において利益を供與されると思う。一律に講和後に援助を受ければ、常に制限を受けるかという御質問は、これは当らないと思います。援助の形に沿うて制限のあることもあるかもしれません。しかしまた援助の形においては何らの制限を受けずに、今まで以上に日本経済復興振興に彼立つと考えられます。それは一にかかつて援助の方式によると私は考えます。
  25. 森山欽司

    森山委員 制約を受けない援助というものが得られるならば、われわれは非常に望ましいと思います。第二次大戦以後における、主としてアメリカのやり方というもの、並びにアメリカ外交方針の第一主義として、やはり経済的な面を表面に強く押し出しておるということからして、そういう援助考えられるでしようか。
  26. 周東英雄

    周東国務大臣 私は日本の置かれたる地位ということから考えまして、必ずしも常に制約のついた援助しかないものとは考えない。いろいろな形においてこれはできると思います。援助形式一つではないのです。先ほど申し上げたように、たとえばアジアマーシヤル・プランというものができるかしれません。しかし日本貿易関係を見ると、入れる方はアメリカからが多い。出す方はむしろ東南アジアというものを忘れてはならない。しかし東南アジアの方に購売力がなければどうにもならぬ。またそちらの方の開発ができなければどうにもならぬ。そういう関係で、その方面での開発計画が進められて、ある種の援助を受けることによつて日本最恵国待遇を受ける。しかしそういう点は、一に私は今後における援助形式いかんによると思います。そう私は心配はなさらぬでもよかろうと思います。
  27. 森山欽司

    森山委員 援助関係して時とともに具体化して参ると思います。本委員会においていずれ他の機会において取上げることもあるかと思いますので、一応次の質問に移ります。  自立経済計画に対する政府重点響き方についてお伺いいたします。この自立経済審議会報告書を、政府はどういうふうなお取上げ方をしておるか。吉田総理が会長となられて、政府の首班である吉田茂氏に御提出になつたのであるが、どういうふうなお取扱いをしておられるか。
  28. 周東英雄

    周東国務大臣 それは今日敗戦後の日本経済復興についておのおの産業部門別考えれば、わが田に水を引いて、その部門発展をよりよけいにしたいということはあると思います。しかしわれわれの考えとしては、今日こそ各産業間にバランスのとれた、調整ある、しかも総合的に計画的に見た日本計画が立てられなければならない。特に一つ基本線をつくつて、その線に沿いつつ、政府の施策をそれに集中するということが必要であろう。従つてそういう意味から調整ある、総合的な計画を立てるということに一つ重点が置かれたわけであります。もとより今日の事態において、この計画計画通りに進むということについては、今後における国際情勢というものに非常な影響を受けましようし、また経済自立計画というものの遂行の裏には、答申にもありますように、一番大きな問題は電力の問題と資金の問題が介在する。そして輸入が確保されるかどうかということが問題になつて来る。そういうものの変化に応じつつ、多少の変化は免れないと思いますが、それはともかくとして、一つの国の経済復興に関する向うべき指針というものを、総合的に立てたというところに重点があり、政府としてはこの答申を受けて、大体のところこの方向に同意でありましてこれをしつつあるいは情勢変化によつて直すべきは直しつつ、日本経済復興に役立たせたいと考えております。
  29. 森山欽司

    森山委員 御趣旨はよくわかります。また長官が一月三十一日の予算委員会において実行を強力に推進して参る考えである。絵に描いたむちに終らであります。しかし同日の池田大蔵大臣の言によりますと、「産業の五箇年計画とか、あるいは日本経済自立三箇年計画というものが、安本考えられておつたようであります。この点につきましては、十分閣議でも実は練つておりません。安本でああいう計画自立経済審議会でお立てになつたようでありますが、これは閣議決定をしたというところまで行つていないと私は考えます。」そういうような御発言がありました。まことに大蔵省の立場から見ると御冷淡なる発言だと思います。非常に重点を置かれるこの計画が、政府内部においてこういうようなお取扱いをされるということは私はちよつと解しかねる。この点は周東長官池田大蔵大臣との間に差があるのじやないかと思いますが、いかがでありましよう。
  30. 周東英雄

    周東国務大臣 池田君の発言を私は聞いておりませんが、それは何も差はありません。閣議によつて閣議決定を受けております。池田君はちようど広島行つてつた留守でありますから、それは知らなかつた各省はすべて出席しておりますし、この計画の樹立に対しまししも各省から次官が委員として参画して、一応審議会としての議はまとまつております。これを実行に移すについて具体的に大体総合的な各省計画がまとまつておるし、これを各省別にセクシヨナリズムになると、自分の省はもう少しふやしたいという希望はまだあるようです。しかしそれをやつておるとほかの省が短かくなるということですから、総合的に調整してあるのです。しかも現状より数歩も十歩も先に進んでおります。大体中心としてはこれを基本に置きつつ、具体的に情勢変化に即応しつつ、予算措置その他が組まれて行つてよかろうと思います。閣議におきましても、その点は方向としてこれがよかろう、しかして具体的にはそれぞれ相談をするということになつております。よく了承しておるはずであります。池田君はちよつと知らなかつたものですから……。
  31. 森山欽司

    森山委員 それでは池田大蔵大臣の、「十分閣議でも実は練つておりません」とか、あるいは閣議決定をしたというところまで行つていないものだと私は考えます。というのは、他出さんが広島知事選挙行つた留守で、認識不足の結果の御発言だ、こういうふうに考えてよろしゆうございますか。
  32. 周東英雄

    周東国務大臣 よろしゆうございます。
  33. 森山欽司

    森山委員 そういたしますと、これは閣議決定による政府経済政策に対する最高の基本方針であるというふうに私は考えて行きたいと思います。  そこで二十六年度予算と、この自立経済計画との関連についてお伺いいたします。長官から自立経済計画と二十六年度予算との関係についてちよつと御意見を伺いたいと思います。
  34. 周東英雄

    周東国務大臣 最初に申し上げておきますが、この審議会をこのまま閣議で承認しているという意味ではないのです。この考え方、この方向についてはよろしかろうが、具体的にはさらに政府がそれぞれのものによつてこれを取上げてやるというのでありますから、このままの通りという意味ではないのであります。それをはつきりしておきます。  今の二十六年度の関係でありますが、三箇年計画について二十六、二十七、二十八となつている二十六年度につきましての予算との調整は、十分とつてあるのであります。たとえば公共事業等についての三箇年間に出される資金等の面におきましては、二十六年度は予算にあげられている額と一致していると思つております。
  35. 森山欽司

    森山委員 そうしますと、この計画内容に入りますけれども、電力の確保について「特に二十六年度の資金調達については見返り資金優先充当のほか、極力早期に料金改訂を行うか、またはそれにかわるべき金融措置を講じなければ本自立計画全体の蹉跌を来すおそれがある」ということが書いてある。その中で見返り資金優先充当というのは、二十六年度予算における百五十億をもつて優先充当とされているのかどうか。
  36. 周東英雄

    周東国務大臣 一応百五十億が予定されております。
  37. 森山欽司

    森山委員 電力に対する二十六年度の資金調達の総所要額は、幾らでありますか。
  38. 平井富三郎

    平井政府委員 電力資金につきましては、総額四百億ないし五百億程度資金需要があるわけであります。そのうち百五十億は二十六年度の見返り資金から充当するということが決定いたしているわけでありますが、その残余の資金の捻出につきまして、電力料金改訂による自己蓄積からの充当、あるいは見返り資金増額等資金措置を必要とするであろう、こういう意味であります。これは今後の資産の再評価、あるいはその他の措置に伴いまして電力料金の問題も起つて参りますし、全部見返り資金からのみ必要な設備資金を捻出するということも考うべき点が多いので、電力料金改訂の際には、一応の設備資金といたしまして、妥当な自己蓄積分に繰込んで行くべきであろうというように考えております。
  39. 森山欽司

    森山委員 見返り資金優先充当しいうこの文章が、百五十億の支出という形において二十六年度予算とマツチされている、こういうふうに了承いたしますが、私は二十六年度の電力に関する資金需要という調達の面から見て、はなはだ危惧の念を抱いておりますし、あるいは本計画全体の蹉跌ということになりはしないかと心配しているのであります。その意味において、はたして本計画に対して二十六年度予算が十分マツチしているかどうかということは、再検討を要するのではないかと考えます。そればかりでなく、きよう手元にいただきました、けさ新聞にも出ておりましたが、二十六年度の総合資金需要見込みについては、先般いただきましたこの付表と大分数が食い違つて来ている。この数が食い違つて来たということは、この計画全体に対して相当な影響を與えているのではないかと思いますが、いかがでありましようか。  次に二十六年度総合資金需要見込という表でございますが、これとこの計画との関係についてであります。これは日付によりますと、昭和二十六年二月三日でございます。この自立経済審議会報告書は一月二十日であります。その間まだ一月もたつておらない。一月もたたないのにこれだけの変化が出たということは、計画の方は愼重におやりになつたと思いますが、時勢がかわつて来たのではないかという印象も受けます。しかしともかくこういう資金需要見込み等についてもかわつて来たということは、この計画自体について、もうすでに相当な改訂を要求されている段階にあるのではないかというような感じもいたしますが、いかがでございますか。
  40. 周東英雄

    周東国務大臣 印刷は一月の二十日にできております。しかし御承知通りすべての計画に関する物価その他の関係は、十月末であつたと思います。きようお手元に出した二十六年度の資金計画については、最近の輸出入の状況とか、あるいは物価の一部をいろいろと見取りまして、多少の変更というものを今考えております。その点でむしろ収入の面におきましても、預金の増の関係なんか相当にかわつております。しかし今出しました資金需要見込からいたしましても、従来の計画内容に関する資金の供給は確保し得る見込みであります。私どもは電力等の関係におきましては、一応今までの関係から百五十億というものを見ておりますが、できたらもう少し出したいと思つて努力はいたしております。
  41. 森山欽司

    森山委員 百五十億というものにいたしましても、このベースになつている物価というものは相当にかえなければならぬと思う。予算は百五十億でそのままだが、こちらの方は大分物価もかわつておると思います。従つてどうもその辺が時期的なちぐはぐが大分あるのではないか。
  42. 周東英雄

    周東国務大臣 自立経済審議会答申は、冒頭において、基本ラインでの変化はあまり起らないが、資金等関係において増減がその後の状況によつてかわるということは、あらかじめ予測して書いてありますので、これは御承知おきを願いたいと思います。
  43. 森山欽司

    森山委員 それでは次の質疑に入ります。自立経済計画は、閣議において十分閣僚が検討され、この基本的な線で行こうということをおきめになつたそうでありますが、私はこの計画を推進して行くところの母体がいるのではないかおもう。各省ばらばらでやるということでは、その調整の上においても困難な問題が起きて参ると思うが、この自立経済計画の推進母体は一体どこなのか。もとより政府でありましようけれども、政府の機関としてどこがおやりになるのかを御説明願いたいと思います。
  44. 周東英雄

    周東国務大臣 自立経済審議会を主宰している経済安定本部において、総合計画を立てたのでありまして、これをペーパー・プランに終らせないように推進するものは、またやはり経済安定本部であります。しかし総合調整でやられた計画の具体的な実行者は、各省であります。
  45. 森山欽司

    森山委員 昨年大分行政機構の改革等についていろいろな案が出ておつたようでありますが、今日の時勢、すなわち経済情勢が相当かわつてつて、従来の自由経済法規に何らかの修正を加える必要があるというがごとく一部に伝えられているような情勢、並びに講和條約を迎えるに当つて経済自立の必要のために総合計画を必要とするというこの点から、経済安定本部の行政機構の改革問題としては、長官はどうお考えになつておりますか、今までの経過に対して、今後どういう方向にあるべきかということをひとつ伺いたい。
  46. 周東英雄

    周東国務大臣 行政機構の点についてのお尋ねでありますが、いろいろ巷間に伝えられる案というものがあつたようであります。そのいずれを見ましても、経済安定本部総合計画性をもつと伸ばしてしつかりやるべきだという理論については、どこも異論がなかつたようであります。今日そういう意味合いにおいて反対をせられるという考え方はないのであります。
  47. 森山欽司

    森山委員 経済安定本部が設置せられました当時に比べますと、今日多少ウエートもあるいは力も、多少失せたかの感を持たれておるような感じがいたします。これは今後の経済情勢変化並びに自立経済計画の達成上、現在のような機構でいいのかどうか、これをもつと強化拡充して行く必要がないかどうか。特にもし経済情勢がかわりまして、好むと好まざるとにかかわらず、統制必至の段階に入つてつた場合を予想いたしまして、現在のような機構、人員、権限のもとにおいていいのかということでございます。
  48. 周東英雄

    周東国務大臣 今日のような大切なときでありますから、いたずらに機構いじりをしているばかりが能じやなかろうと私は思います。名より実をとるべきであると思います。ほんとうに今までの機構で足らなければ、拡充も必要でありましよう、またいらなくなればやめることも、これはけつこうであります。しかし現状におきましては、今の機構において、国家の総合施策遂行に関しては、遺漏なきを期し得ると考えております。
  49. 森山欽司

    森山委員 一部には従来の経済安定本部の実績を批判して、立案並びに実行のための単一機関として安本が設置されたのであるけれども、これを実行するに十分な権限と人員を持つたことがないのだという批判があります。かつて司令部の価格統制配給課長をしておつたアルバー氏あたりは、一月二十七日の日経紙上にもそういうような批判を載せておる。時代の推移は好むと好まざるとにかかわらず、相当な変転を遂げるのじやないか、ましてここに自立経済を強力に推進して行くということになりますと、かつて安本の陣容に比べれば、質量ともに弱体化している今日の安本が、この体制をもつてかかる重大な時期を乗り切つて行くということは、私は必ずしも賛成できないのでございます。そういう見解に対してもう一度お尋ねしておきたいと思います。
  50. 周東英雄

    周東国務大臣 いろいろ御心配をいただいてありがとうございます。多士済々雲のごとくおりますから、今のところ機構をそう変更させなければできないとお考えになることは、あまり一喜一憂するものである。このような重大な変化の場合においてこそ、もう少し腹をすえて将来を見きわめつつ、いかにするかということを考えるのが先である。そういうことを考えるより前に機構をいじるということは、決して得な考えではないと私は考えております。少数精鋭主義でやつて行けると考えております。
  51. 森山欽司

    森山委員 少数精鋭なる方々の御健闘を折りまして次の質問に移ります。  この自立経済計画に関連しまして、この計画の結論に書いてありますが、「今後の情勢変化によつては、緊急物資の貯蔵、国内資源の緊急開発、船舶の急速な増強などの諸対策に重点を指向し、それに必要な財政金融対策はじめ経済各面の対策を一段と強化しなければならないであろう」この強化の内容はどういうことであるか、伺いたい。
  52. 周東英雄

    周東国務大臣 今の点でありますが、結論の次に書いてあるのがそれでありまして、結局必要の総合施策が立てられておりますが、いろいろ今後の情勢変化によつて、あるいはその間に処して重点的にやらなければならぬ部面ができましようし、事の軽重、順位というものをただしつつ果敢敏速にやる、そのやる部面をどこにするかということは、そのときどきに応じつつ軌道的処置を政府もとり、かつ民間の意見を聞くために、自立経済審議会等も別の意味を持つて残してあるわけであります。要は一応の案ができたからといつて、事情の変更に無関心に株を守るの愚はやめるべきであつて、軌道的にそのときどきに処する道を考えることであります。
  53. 森山欽司

    森山委員 抽象的な御返事でありますが、これに関連して一月二十六日、工業倶楽部におけるドクター・フアインの演説をどうお考えでありますか。
  54. 周東英雄

    周東国務大臣 ドクター・フアインの演説はそのままよく読みました。あなた方は、あれが出たからさつそく日本はすべてを統制強化して戦争中のごとき形に持つて行くことのみが、日本の今後に処する道であるようにお考えになるかもしれませんが、私どもはそうは考えないのであります。経済の運用はその国々の事情と、その国々における経済政治情勢によつてつた手を打つことが真の政治であると思います。従つてよく巷間においては、アリメカが非常時宣言をした、あるいはいろいろな統制施策を宣言された、日本もその日から同じように元に返せという意向があるようであります。私どもはそういう意見にも耳は傾けて、どこにその真意があるかということについては研究いたしております。しかしいつかも本会議でも申しましたように、今の状態においてただちに生鮮食糧品——野菜、魚、果物等を再統制し、配給統制、価格統制をする必要のないことは、森山君もよくお認めになつておると思います。そういう内容を含んだ、戦争前のような再統制に一足飛びにしたいということを言えば、国民はただ心配し、不安にかられるだけであります。私どもには、日本の今後における状態の推移によつては、重要な物資等の輸入については、世界的な割当関係が起り得ることも予想されます。そういう場合において、そういう物資については必ず日本には割当てられるときが来ると思います。しかしそういう貴重な物資に対して、用途の指定なり割当指定をするということは、当然やらなければならぬのであつて、いわゆる自由な形における制限の形が漸次起つて来ることは予想しつつ、それに対処するということであります。フアイン演説があつたから、今当然統制をするかせぬかというような抽象的な御質問だろうと思いますれども、そうあわてて考えて行くことではなく、しつかりと事態の推移を眺めつつ、処置に誤りなきを期するよう考えておるということだけを私どもは申し上げておきます。
  55. 森山欽司

    森山委員 私はフアイン博士の演説があつたから、それによつてすぐ戦前のような統制経済をやれという質問であるかのようにおとりになつたようでありますが、そういうことは私毛頭考えておりません。しかしともかくフアイン博士が——これは日本経済にとつて相当な影響力のある方でありますが、その方がああいうことを、あの時期にあえて警告せざるを得ないような事態、そういう空気は一体だれがかもし出したかということに対する認識が根本問題だと私は思う。これはもとよりいろいろな見方があると思いますけれども、私ども国会に席を置く者から見ますならば、やはり各政党の動きというものに、さしあたり注目をしなければならぬ。またその政党に基盤を持つ内閣の行動が、相当こういう警告論の基本になつておるのではないかという気がいたします。もとより周東長官、あるいは小峰次官は、自由党内でも進歩的な方々であろうと思われるのでありますけれども、とかく一般の耳に入るところの現政府並びに與党の考えは、自由主義経済ということを、現在の時期にあまりにも強調し過ぎるのではないかという感じがします。またそういうことがフアイン博士の演説の一つの動機にもなつておるのではあるまいか、こういう印象を私どもは持つておるのであります。そこでフアイン博士と長官が先般お会いになつたそうでありますが、その際どういうお話合いがあつたか伺いたいと思います。
  56. 周東英雄

    周東国務大臣 フアイン博士の演説の動機は、自由党員に現われておる自由主義経済論がよつて来らしめたのではないかという、ただいまのご意見でありましたが、それは御意見として承つておきますが、私はそう考えないのであります。私どものとつておる経済施策に対しては、党内も政府も一致した方向に向つておるのであつて、その間に何らの間隙もなく、しかもあなたのお話のような、またどなたか野党の方のお話のような、いわゆる放任的自由主義とか、発展的自由主義というような言葉で使われるような内容を持つた形で動いてはおりませんから、それは御安心を願つてけつこうであります。フアイン博士と会つたときの内容を話せということですが、これは今申し上げるわけには行きません。しかし決して無理な活があつたのではなく、今起つておるあらゆる問題についていろいろ意見交換をし、日本における経済の状態各般にわたつて話合いをいたしたのでありまして、今後ともたびたび私どもの方とは連絡をし、話合いをするということになつております。
  57. 森山欽司

    森山委員 話合いの具体論というようなことは、さしさわりがありましようが、一般の空気はどういうものかお伺いしたいと思います。
  58. 周東英雄

    周東国務大臣 別に空気はむずかしいのではなくて、われわれの考え方について特別にどうこうというお話はありません。
  59. 森山欽司

    森山委員 先般の新聞に伝えるところによりますと、ちよつと今手元にありませんが、工業倶楽部における演説を読むようにというようなことを言われたことはございませんか。
  60. 周東英雄

    周東国務大臣 そういうことは別におつしやいません。
  61. 森山欽司

    森山委員 私の質疑はこれで打切ります。
  62. 圖司安正

    ○圖司委員長 志田義信君。
  63. 志田義信

    ○志田委員 いろいろと今、日本自立態勢に関連しまして、日本経済の今後のあり方についての質問もあつたようでありますから、大臣もお忙しいでありましようし、それを先にかいつまんで御質問申し上げます。  自立経済計画の中で、特に輸入計画については、ここにも「見通しと期待量との双方を勘案しつつ策定し」と書いてありまして、「その実現には強力な対策が講ぜられることが必要であり、」といわれておるのであります。その強力なる対策というものは、先ほど来森山委員から質問された統制と、何らかの関連があるかどうか、その点をお尋ね申し上げたい。
  64. 周東英雄

    周東国務大臣 強力に推進するということは、別に統制ということだけに限つておることではありません。統制に関しては先ほど森山委員にお答え申し上げた通りでありますが、問題は輸入であつて、この輸入というものが、今後の経済自立に関して大きな問題になると思います。そういう場合において最も障害となるのは船舶であるが、自国船を保有するというような問題については、多少他との関連において、優先してでもぜひとも船を早くつくらなければならぬ。それがために資金をある程度そこに持つて行くというような事柄は、もちろん今の強力に推進するということの一つの例であります。強力にというとすぐ縛りつけて統制でもやるようなことかというようなお考えはいかがかと思います。そういう空気が民間にも人りますと、ついよけいな心配を與えますから、私どもはこの計画の推進にあたつて、時に応じ、事の軽重、順の前後善悪というものを考えて、機動的に思い切つて案を進める、こういうことを申しておるわけであります
  65. 志田義信

    ○志田委員 それを聞いて安心しました。そこでひとつお尋ね申し上げますが、そういう自立経済計画のもとに輸入計画を立てて、そうしてそれに応じて、諸種の臨機応変の処置を講ぜられるというお話のようでありますが、輸出入計画というものは、今後ますます計画性を強く持たなければならぬことは、自由主義経済のもとにおいても当然であります。そこで貿易の面で、安本当局としては、今後の貿易について、管理貿易の点を強くして行く考えであるかどうか、その点をお尋ね申し上げます。
  66. 周東英雄

    周東国務大臣 今後の計画遂行にあたつて貿易の形でありますが、これはあくまでも民間貿易を中心原則に置きつつ、必要なものにつきましては、予算にも計上してありますように、特別会計によつて輸入するという部面も起つて参るかと思うのでありますが、原則はあくまで民間貿易を中心にして進めるつもりであります。
  67. 志田義信

    ○志田委員 民間貿易を中心にしてやられて、管理貿易の面を強く出さないというお考えのようでありますが、そういう場合、輸入計画量がどの程度に入るかわかりませんが、国内物価の調整をとります場合に、調整の方式をどういうふうに考えておるか。たとえば、需給のバランスをとるために自治的な何かの調整を必要とするかどうか。一般には官僚統制はやらないけれども、自治統制によるのではないかという考えを持つておられる向きもありますので、これに対する明確な御答弁をいただきますれば、国民が安心するかと存じてお尋ね申し上げます。
  68. 周東英雄

    周東国務大臣 必要の起つた場合の、物資の調整、価格の調整に関する措置考えておるのでありますが、今お話のように、でき得べくんば、戦争中に行われたような非能率な、官僚的の統制という形のものは、なるたけ避けて、そこに何らか民間の意思の反映し得るような形をとり得るならばということを考えまして、目下そういう点については、いろいろ関係方面とも相談している最中であります。もう少し具体的に話進めて行きますまで、一応御猶予を願いたいと思います。
  69. 志田義信

    ○志田委員 私たちは統制という文字自身にすでに嫌悪を感じておるのでありまして、この点におきましても自治的な調整をとるというふうに考えて行きたいと思いますが、もしこの輸入計画政府考えているように実現しないという場合におきましては、自立計画は根本からくつがえざるを得ない、こういう場合も想定しなければならぬのでありますが、そういう点いかがお考えになつておりますか。
  70. 周東英雄

    周東国務大臣 最初のお話の統制の字の問題でありますが、私は本国会においても、いかなる場合においても、特にあなたと同じ意味で統制という字を使つておらぬのです。調整という言葉を使つていますが、ニユアンスが非常にぼやけております。ただ私が心配しているのは、先ほどの森山さんのお話に同感でありますが、一口に統制を復活する、せぬということになれば、戦争中の統制ばかりが国民の頭にぴんと来る。こういうことも避けて、今後の日本は孤立経済ではなくて、アメリカその他の民主主義国家が、積極的に物資の調整に協力される今日と、よほど違つていることを認識の上で——必要な限度においての需要の制限、調整をする、こういうことをいつておりますのは、そこに意を用いているということだけ申し上げておきます。  それから輸入関係でありますが、今私どもが計画している輸入計画については、来年度の見通しも、手放しの楽観ではございませんが、一々物を拾つてみると、相当に期待を持ち得ると思うのです。先ほども申しましたように、今後の事態に即しまして、非鉄金属等の消費物資については、最も早く世界的な割当というようなことが起るかもしれません。そのときにおいても、日本にある程度の量が必ず入ると見込んでいるくらいであります。食糧あるいは綿、羊毛というようなものについては、相当に重きを置いて輸入の手続を進めております。従つて今のところは輸入は相当量確保できるものと思つております。それらに対して、この間も申したのですが、今日一番大きな問題は、やはり船の問題にかかつて来る。綿、羊毛のごときは、各地で買付がもう終つている。どうも今日一部政府の方で文句があつたそうですが、綿等の値上りについては、この間の朝鮮事変の始まつたころ以上の思惑をかけている。どうしてこんなに上つているかわからない。綿は相当たくさん入つて来ております。従つて国民の内需の供給を確保するということで、相当量確保し得ると考えております。羊毛についても去年同様に、それ以上のものが確保されている。船で早く持つて来るということができれば心配ないと思うのですが、しかし中にはいろいろ大事な物で、多少遅れている物もあります。しかしこれも船が確保されて行けば、多少値は上りますが、相当に確保し得ると考えているのであります。ただ中に非常に値が高く、しかも国としてはぜひ日本産業復興のために必要だが、高くて個人々々の輸入業者がやつているということは不つり合だというようなときに、特別会計を発動して国が入れるということは当然起つて参ると思います。大体その他の物については、確保できるのではないかと考えているのであります。
  71. 志田義信

    ○志田委員 大体その他のものは確保できるというお話でありましたが、御承知通り日本は、貿易国としてこれから加工原料を必要とするのでありますが、従事米州であるとか、東南アジアあるいは支那大陸などから仰いでおつたところが、米州、東南アジア輸入というものは、アメリカ自体の今日の情勢から見ますと、軍需生産の戦略物資の買付と競合するというような点が出て来ないか。それから支那からの輸入というものが御承知通り困難であると、一体どこから入れるお見通しをつけておられるか、それをひとつ承りたい。
  72. 周東英雄

    周東国務大臣 東南アジア等の関係においても、これはスターリン地域あるいはアメリカ等の関係もありましようが、そういう地域における関係の特殊な物資については、世界的な割当が起ると思う。そういう場合に、その間に入つて日本にもある程度割当が来る、こう感じているのであります。東南アジアの物資が全部アメリカに流れるわけではありません。それは今日輸入計画を立てて、二十五年度、現に入りつつある物品にいたしましても東南アジア等から入つているわけであります。その点は御心配はないと思います。物資ごとにいろいろ違つたことが出て来ると思いますが、私どもは今物資別にいろいろ処置を考えております。
  73. 志田義信

    ○志田委員 入つて来ることには間違いがない、何とか方法があるというお話でありますから、それを信頼いたしましてその入れ方の促進方策につきましてちよつとお尋ね申しておきたいと思います。先ほど長官もおつしやいましたように、緊急物資の輸入基金等の特別会計を拡大するということは、大体伝えられていることであります。あるいは輸入金融の優先などもやるようなお話も聞いておりますが、従来これらのことはたびたび本委員会におきましてもお話を承りました。あるいは日銀の期限つきの輸入手形、いわゆるユーザンスというようなものの問題も、自動承認性の範囲の拡張というようなことも、従来たびたび拜聴いたしているのでありますけれども、そういうことは拜聽するだけであつて、大して拡大されたようなお話も、あるいは実行しているというようなことも聞いておりません。そうしますと今後の輸入にあたりまして政府は、ことに安本は、促進策についてこういうものを持つているのだ、こういうものを実行しているのだから心配するな、たとえば輸入の阻害の一原因といたしましては、先ほど民間貿易で行けるというお話で実は安心したのでありますけれども、実態はややもすると管理貿易の面が強く出て行つている。その証拠には、貿易協定や外貨予算制度の運用方式というものが、必ずしも今日の輸出入計画と私はマツチしていないと思う。そういう点などを考えます場合に、もちろん長官のおつしやいました船腹の不足という問題も十分考えられるのでありますけれども、一体ドルばかりを持つてつて——最近の情勢は非常にドル価の手持ちが多くなつていると聞いているのでありますが、ドルを持つているということだけで——今後の貿易の制度というものが、ドルだけでは無理なのだというような実態を認識することに非常に欠けているのではないか、ドルの貿易性を考えているだけではいけない、物に切りかえなければならないという実態が、目の前に来ているときに、なおかつ輸入策につきましては、いろいろな阻害原因が出ているのであります。貿易の手続が非常に複雑である、貿易業者がこれを簡素にしてもらいたいということを、輿論として望んでも、それがなかなか今日ではできておらない。業者の活発な活動を阻害している、こういう点について、特に長官輸入の促進策についてお考えがあれば、この機会に御返事を願いたいと思います。
  74. 周東英雄

    周東国務大臣 お話の点はごもつともであります。私就任以後その点特に集中的に関係方面とも交渉いたし、言われたような点については、大部分改善をされて来ておる。七月以降におきましてお話のような点、たとえば一々の国から何をどれだけの金額の範囲において買うというような割当をやつてつた。また資金計画にいたしましても一・四半期ごとに輸出されて受取らるべき金額の範囲内において輸入しなければならぬというようなことが、非常に貿易の促進を阻害して来た。そこで私どもは七——九月の第二・四半期の輸入外貨資金設定をする場合に、その点を主として交渉いたしました。それで外貨資金の許可につきましても、一・四半期ごとによらないで先物契約ができる道を開いた。しかも資金計画については、その四半期ごとの輸出によつての受取り勘定だけによらないで、相当先々に受取り契約で入つて来るのですから、その長期先物契約をされたと同時に、金額も相当に増加した。従つて七月から今日、——一—三月までの第四・四半期までの外貨予算のごときは約十五億に上つておる。今まで一・四半期、四—六は一億六千万でありました。それが十五億程度、こういうことになつた。そうして長期先物の契約をした。しかもどの国からどのぐらいという割当計画をやめて、今日では百六十九品目ぐらいは、自動許可制といつて、早いもの勝ちというか、どこの国からでもいい、買えるところから早く買うというようなやり方をしておるのであります。そういう事柄のほかに、またポンド地域におけるドルとの差とか、ポンド地域においての、一定の輸出入関係の協定の範囲がありますが、ポンドのない場合があります。そういう場合に、ドルで一々立かえて契約をさせるというような方法もとりましたし、また最近におきましては、バーター制のある国では、何か物を持つて行かなければ買えないので、そういうところをやめて、大体ドルの現金でもつて買えるという道を開いた。従来バーター制によりて入つていたものは、輸入関係の六〇%ぐらいでしたが、今日ではバーターで残つているのは一%だけで、全部ドルで決算をするというような形をとつておる、こういうふうな手続上の簡素化に努力して来ました結果、それが響いて来て、十一月から輸入の額が非常に上つておる。十一月は一億一千万ドル、これも最終決定が今のところ済んでおらない。一月はそれよりもつと多いのではないかという形で今あるわけです。これに船の問題が片づけば、今買付けておいたもので持つて来れるものもあるわけです。まあそういう状態にあるのであります。  それからちよつと申し上げておきますが、予算委員会において大蔵大臣からお話がありましたが、ドル金をたくさんためておるようにおつしやいますけれども、これは向うとの話合いで発表することになつております。現在総額五億一千九百万ドル分があります。しかし別に勘定だけあるように見えておるが、まだ輸入手形、輸入信用状、輸出信用状の未決済の分がありまして、かれこれ差引くと支拂いしなければならぬものがまだ一億八千万ドル、そういうものを差引くと、三億ドルあまりがあることになつておる。これは運転基金としているのであります。毎四半期五億ドルの輸入許可をやるのですが、多少手元に持つておらないと動けないということで、よく外貨がたくさんあるが、ドルだけためて何をするかと言われますが、それは商売をおやりになつておる方にはわかることです。私も初めそう思つたのですが、これがあるために、毎四半期に五億ドルぐらいの輸入許可ができる。決してむだに遊ばしていないことは御承知願いたい。
  75. 志田義信

    ○志田委員 貿易というものは御承知通りどうしてもデフレ・ギヤツプになりますから……。きのうあたりの日経新聞等に通貨の量の問題が出ておりましたが、名目的な適正通貨量だけにこだわつて貿易の問題を考えてはならぬと思つております。これは日銀総裁あたりに強く要望していただきたいのでありますけれども、一体工業手形の日銀の再割引というようなことを考えて施策をとつておるかどうか。それから倉荷証券による金融などということも考えておるかどうか、その点もひとつお尋ね申し上げておきたいと思います。
  76. 内田常雄

    ○内田(常)政府委員 工業手形の再割引でありますけれども、先ほどお話がありましたユーザンスの延長、ユーザンスの切れた場合に、政府輸入金融の手当をしておらぬというお話がありましたが、大体日銀といたしましては、そういうような形で輸入金融のあと始末は考えております。それは大蔵大臣も言われているように、ユーザンスを延ばすものは延ばす、また短かくしてもいいものは短かくするというようなことで、今までのような一律のユーザンス制で行かないで、ユーザンスの制度に弾力性を與えつつ、ユーザンスの切れた場合の金融を扱う。その場合にお話のように工業手形というかつこうをとりますと、非常に債権債務の関係が複雑になりまして、かえつて業者が好まない面があり、むしろスタンプ制度の扱いにした方が、業者からも喜ばれるという事情がありますために、詳しいことは省略しますけれども、工業手形の再割引よりも、スタンプ手形の制度の拡充、援用、これの優遇取扱いというような形でやつております。現にまた最近スタンプ制度の適用を拡張しましたものに、製鉄原料及び皮革などがあります。今後さらにまたゴムその他の物資についても考えなければならぬ問題があるようであります。工業手形の形をかえてスタンプ手形の形で行つております。  それから通貨の量については、安定本部としては理論通貨量をはじいておりますが、私どもとしてはもちろんこれにこだわる必要はございません。一応の目安でありまして、二十五年度末、言いかえますと、二十六年三月末の通貨も、われわれの理論数字としては、前議会でここにおいでになる周東長官も大体三百千七百億ぐらいであろうという御説明をしたのを私ども記憶しておるのでありますが、実際には四千億程度にはなる。従つて来年度におきましても、われわれの理論数字で四千二百億というように押えておりますけれども、これも生産がわれわれの自立計画以上にふえ、また輸出入もそれ以上にふえ、物価も騰貴いたしました場合には、それでしばる意思もございませんから、実情に応じて通貨の量は調整して参るべきだと思います。また安本に通貨発行審議会等もございまして、役人や日本銀行のみの意思ではなしに、民間の業者の意見も聞いて、随時調整して参りたいと考えております。
  77. 志田義信

    ○志田委員 今金融局長からのお話でよくわかりましたが、それではユーザンスの期限が切れたあと、輸入資金について日銀では二百億円前後の手当をする見込みであるということが、経済月報の二十六年一月号に載つておりますが、これは財政資金のいかんにかかわらず二百億円の手当をするのか、その点をお尋ねしておきたいと思います。
  78. 内田常雄

    ○内田(常)政府委員 御承知通りに、今言われるユーザンスとして日銀の外貨貸付になつておりますものが、二千億を越えておるはずであります。それが二月か三月ぐらいから、いわゆるユーザンスあけになつて参ります。これはユーザンスを設けましたのが昨年の九月でありまして、それ以後信用状の開設せられましたもので、船積みの書類の到着後、原則として三箇月、さらに物によりましては昨年一箇月延ばしまして四箇月というものもあります。従つて二月、三月ぐらいから、ユーザンスがあけるものが出て来る。その期限においてあらためて資金の手当をしてやらなければならぬものが、二百億円になりますかどうか、ともかくあるだろうと思います。これに対しては日銀としても、政府といたしましても、むろん手当をいたすつもりであります。その手当の一つの方法として、先ほど申し上げましたように、スタンプ手形制度を新しく適用するものもあれば、また今まで原綿とか羊毛というように、スタンプ手形の対象になつておるものについては、スタンプ手形が一時に日本銀行にまつすぐに飛び込んで来るわけではなしに、原綿等非常に数量の大きい、金額の大きいものについては、その割引のために市中銀行の協調融資団があつて、その協調融資団がスタンプ手形を一応買い取つて、銀行の資金繰りに応じてそれを日銀に持つて来るということになりますから、その協調融資団の融資に対する日銀のあつせん限度を、必要に従つて引上げるというような手配もいたしております。要するにユーザンスの引上げるものについては、具体的に手当をして参る。そうして参れば、ただいま御心配のように、必ずしも一般的な心配はない、こういう見解で、日銀でも具体的に当つておるようです。そのことを書いたものだろうと思います。
  79. 志田義信

    ○志田委員 大臣にお尋ね申し上げますが、かりに——かりにといつてはまたかりには答えられないと言われるかもしれませんが、現状から推測いたしまして、輸入が思つたように増大しない、加工原材料が思うほど入つて来ない場合には、飢餓輸出でもやらなければならぬということになりますると、経済安定を強く推進するという立場におかれまして、レートの切上げ等の問題も、今から考えておかなければならないと思つておられるかどうか。  いま一つは、統制はやらないという明確なお答えがありましたので、これは安心しておりますが、統制はやらんでも、場合によつては調整を必要とする——コントロールはしないが、ハーモニーを必要とするという時期が来る場合も考慮しなければならぬということは私も同感であります。そういう経済的なハーモニーをとらなければならぬ場合には、この調整の時期というものは非常に重大ではないかと思いますが、その時期をいつごろに見込んで、自立計画をお立てになつておるかどうか、その点をお尋ね申し上げます。
  80. 周東英雄

    周東国務大臣 今のところ為替レートの変更をすることは考えておりません。このことは非常に愼重を要することであり、一時的な関係において、上げたり下げたりするということは、これはまた輸出入にも響くことである。日本経済をほんとうに安定しておいて、外国における、物価がめちやめちやに上る、これが必ず将来続くということはない。常にいい面ばかりを考えて、為替レートを簡単に動かすことはいかがや。今のような激動する世界経済のまん中に立つておるとき、相当研究の結果設定されたただいまの為替レートは、容易に動かすべきものでないと私は考えております。  それから調整の時期ということでありますが、これは今いつどうするということはお話することはできません。すべて国際情勢に関連を持つことでありますので、必要な原材料物資が輸入できなくなつたとき、あるいは非常に数量が少いとき、その物資そのものについていかなる形をとるかということを具体的に考うべきものでありまして、今からいつごろになつたらするとかせぬとかいうほど、はつきりと物が少くなるということができないので、見通をまだ立てておりません。
  81. 志田義信

    ○志田委員 国際情勢のこれからの推移によりましては、私は日本輸出入計画において、特に輸入の面におきましては、輸入価格の高騰ないしはそれが国内価格に影響するというようなことを考えると、ある時期においては為替の調整をやることも考えなければなりませんし、あるいは輸入された原料であつても、その効果的な使用を考える点においては、消費の規正もやらなければならぬという、いわゆる調整の方途が講ぜられる時期が来なければならぬと思うのであります。そういう場合における時期を相当私たちも検討いたしまして、国民生活に與える影響を考慮しなければならぬと思うのであります。そういう調整をやる場合に、きわめて必要にして的確な時期を探し出しておかなければならぬと思うのでありまするが、その点は明敏な安本長官に深く信頼いたしましておまかせ申し上げてもさしつかえございません。しかしややもすると、日本の官僚諸君は、調整を統制と間違えて、自動的に官僚統制に持つてつたり、あるいは戦時統制に持つてつたりする傾向がないとも限らないのでありまして、その点につきましてはこの機会に安本長官から、自動的に官僚統制になるようなことはさせない、自分の目の黒いうちはさせない、そういう官僚は少くとも現内閣のもとでは養つてはおかぬという、強い発言をお願い申し上げたい。
  82. 周東英雄

    周東国務大臣 たいへんきついお達しですが、今安定本部におる役人は、よく時代を認識しておりまして、統制とか調整とかいう事柄は、日本の国の現在の状態においてどうしたらいいかということをよく認識しておるようでありますから、御心配のような点は起らぬと私は思います。
  83. 志田義信

    ○志田委員 それを聞いて安心いたしました。経済調整をやる場合におきましても、統制の場合と同様に、調整権力というものが、ややもしますとできるのであります。そういう調整権力に対して国民が納得しなければ、腹の中からこれについて行くことはできないのでありまするから、調整権力を発生した場合におきましても、それに国民が納得して追従できるような調整権力にしていただいて、従来のごとき統制上の権力、たとえば先日広島の帰りに聞いた話でありますけれども、ある公団の副総裁が、昔自分が副総裁をやつてつたときには、駅長さんや助役が迎えに来たのだけれども、このごろは迎えにも来てくれない、昔の商人になりましたというようなことを言つておりました。日本人はややもしますると、服装を着せると、魚屋でも八百屋でも、権力を握つたような誤解を持つのであります。安本における調整機関に携わる官僚諸君は、そういうことは万々ないでありましようけれども、やはり切符切りした人は最後まで切符を切つてやらなければ承知しない、割当をしなければ承知しないというような考え方も、従来往々にして見た例でありますから、どうか今後における経済調整にあたりましては、自動的に官僚統制にならないようにということを、この機会に特にお願い申し上げるのであります。安本長官のこれに対する十分な監督をお願いしておきたいと思います。  この自立経済審議会報告書というものを拜見いたしました私たちは、日本自立経済を三箇年で達成するという立場におきまして、今後国民所得を増大せしめ、さらに資本蓄積を増大せしめて、日本が一人立ちできる経済を確立しなければいけないことは同様でございます。そこで日本の今日の段階におきましては、講和会議を控えまして、今後日本自立するための自衛の方策として、再軍備の問題がいろいろと問題になつております。先日大蔵大臣は、大阪における記者団会見におきまして、日本の再軍備費は国民所得の四%程度で十分だと考えると述べておりまして、財政経済方面から見た再軍備の限度について、政府は何らかこれに必要な作業を行つておるということを発表いたしておりますが、この作業に経済安定本部長官としては関知しておるかどうか、ひとつお尋ね申し上げたい。
  84. 周東英雄

    周東国務大臣 先日予算委員会におきまして、大蔵大臣は発言をしておりますが、まだ再軍備のために必要な経費を日本で研究し、調査をさせておることはない、こう言つておりましたから、私もその通りであろうと思います。
  85. 志田義信

    ○志田委員 さようなことがないとしますと、これは新聞の誤報だということになるのでありますが、それはそれでけつこうであります。そこでもしこういう再軍備の費用、はあるいは自衛に必要な費用というものを、国民のふところの中から出すといたしますと、二十四、二十五の両年度にわたる均衡財政によつて、多少でも蓄積した資金をこつちの方に持つて行く、あるいは自立経済三箇年計画の中で蓄積された資金をもつてこれをやるよりほかないのでありますが、一体経済安定本部としては、そういう場合に負担の限界について、調査ないしは研究せられておる事実があるかどうかお尋ね申し上げます。
  86. 周東英雄

    周東国務大臣 再軍備の関係においての問題は、ただいまのところ政府としては考えておりませんから、そういうことに対する国民負担のことはあらかじめ考えてはおりません。しかしお話のように自衛の関係で申しますと、警察予備隊とか、海上保安隊というものがあります。こういうものに関する費用は、二十六年度にもそれぞれ計上してあります。大体この計画を推進する上におきましても、そう国民所得の中からよりよけいとるということの必要はないように考えております。そういう関係においての税というようなこともふやさないようにして、できるだけ資本蓄積に充てさせるようにして、早く復興に要する資金を、みずからの力でも相当分はやり得るようにしたいというのが念願であります。しかし将来講和ができてしまえば、おのずから終戦処理費がどういうふうになるか、これはやはり問題だろうと思います。そういうところにまた講和成立後余りが出て参りますれば、おのずから今の海上保安隊とか、警察予備隊の増員が必要であるならば、そういう事柄も考えられるのじやないかと思つております。今のところその点については、二十六年度において従来通りの警察予備隊及び海上保安隊に要する費用が含まれておるだけであります。
  87. 志田義信

    ○志田委員 それでは安本長官に再度お尋ね申し上げますが、国民の今日の状況を考えまして、自立三箇年計画を立てて行く上において、国民生活水準の維持が、先決だという立場自立計画を立てられるか、あるいは今後の情勢いかんによつて——講和会議が年内にも開かれるだろうという先ほどのお話もありましたので、さような客観情勢によつては、そうした自衛の費用というものに対しましても、やはり国民生活水準の維持と同様、異常の関心を持つて今後考えなければならぬと思つておられるかどうか、その点をお尋ねしたいと思います。
  88. 周東英雄

    周東国務大臣 自立経済を立てた方針といたしましては、でき得る限り国民生活水準の向上維持ということを眼目においているわけであります。今後における日本の精神的団結ということを考えるときにおきましても、国民生活の経済安定、国民生活水準の向上を、少しでもよけいさせるというところに本則が置かれなければならぬと考えております。
  89. 志田義信

    ○志田委員 安本長官としては、この自立経済を立てるにあたりまして、国民生活水準の向上及び維持に向つて目標を置かれるというお話でありましたが、今後の日本の自衛上の正当防衛というような立場から、何らか予算的な措置が必要だとする場合には、今後三年後の一九五三年の自立経済達成の年度におきましては、自衛の立場において、相当国民をして負担せしめられ得るお考えをお持ちになるかどうか、その点をお尋ね申し上げます。
  90. 周東英雄

    周東国務大臣 三年後のことでありますから、大体今の計画を推進して行くならば、国民生活の水準を約九〇%に持つて行ける考えで、その当時において計画以上に各産業復興計画が進み、国民所得が計画以上に上るという場合において、いろいろな国際情勢の変転から、処置すべき事項ができれば、そのときに処置をいたしたいと考えますが、今後の国際情勢変化でいろいろとかわると思います。そういうことが起れば、場合によつてはこの計画は一年先に延ばさなければならぬ場合もありましようし、早くできれば一年短かくすることも起るでありましようし、その場合に考えなければならぬと思います。
  91. 志田義信

    ○志田委員 日本の国連に協力する建前は、現政府はすでにとつておりますけれども、世界の軍拡体制の一環として、あるいは一部として、今日の朝鮮動乱が長期化するような見通しのもとに、日本の鉱工業における雇用の伸長とにらみ合せまして、どんなふうにお考えになつているか承りたい。
  92. 周東英雄

    周東国務大臣 今度の朝鮮動乱の影響というものは、いい面としては特需関係における鉱工業におきましては、かなり臨時的な雇用が増大されております。そういう点ではいい影響を與えております。今後の問題については、朝鮮動乱の関係でどこまで続くかということは、神ならぬ身でわかりません。しかしおそらく今世界各国あげて平和な形に追い込もうとしております。かりにこれがある線で平和的な形で朝鮮がとまつたとしても、おそらく動乱の形における特需ということと別に、朝鮮の荒らされたあとの始末のために、ある程度日本は協力してやらなければならぬことが起るのではないか。そういう場合にやはり朝鮮の復興とかいう関係において、名前がかわつて、従来のような形で朝鮮へ輸出されるものが相当あるのではないか。特需というようなものが、あるいはそういう場合にはかわつて、朝鮮に対する輸出考えられるということになれば、そういう面における雇用の関係は、よい影響を持つものではないか、かように考えております。従つて動乱の形で続いても、また続かなくても、そういう方面にはよい影響があるのではなかろうか、かように考えております。
  93. 志田義信

    ○志田委員 そうしますと、国際情勢の緊迫化によりましては、わが国の労働経済に対する影響も非常に多いということを、今長官はお見込みになつておるようでありますが、鉄鋼や紡績に対しましては、常用の雇用あるいは臨時の雇用の増員というようなことについて、どのような計画を持つておられるか。もし見通しあるいは計画がありましたならば、この機会に承つておきたい。
  94. 石井通則

    ○石井説明員 ただいまの労働経済に対する影響でございますが、私ども自立経済計画を立てる場合におきまして、雇用の問題は生産目標全体の量ということから判断いたしまして——輸出になるものもありましようし、また国内の需要になるものもありましようし、またあるいは特需関係になるものもありましよう。そういう全体の生産というところに目標を置きまして、雇用の見込みを立てておりますので、特需の分がどのくらいになつて行き、あるいは輸出の分がどのくらいになつて行くというような、個々の需要の関係の面におきまする見込みというものは、はつきり区別はできないのであります。全体の量といたしまして、人口の増加がありまする関係と、労働生産性が相当高くなつて行く関係から、昭和二十七年までは現在の雇用水準というか、あるいは失業の状態がそう大きく緩和できませんが、二十八年ごろからだんだん雇用状態がよくなつて行く、特に特需の方におきましては、進駐軍関係とか、あるいはまたその発注される諸種の事項につきまして、雇用はだんだん増加いたしつつあります。ただその人口の増加の面と、それから労働生産性の面から考えまして、現在のところ大きく失業者が減少することは期待できない。ただ申し添えておきますけれども、従来推計しておりました人口の推計が、昨二十五年の国勢調査によりまして相当変更しなければならぬというような情勢になつております。現在その推計表を検討中でございまして、これが総数におきまして約百万程度減少いたすような見込みでございます。こうなれば、その雇用関係あるいはその他におきましても、現在立てておりますところよりも、もつと好影響が起つて来るだろう。鉄鋼その他の部面におきましては、やはり今後雇用の増加になつて行くことと思つております。
  95. 志田義信

    ○志田委員 それでは最後に一つ、お伺いになるか、御忠告になるかわかりませんけれども、ちよつと申し上げておきたいと思います。実は先日東京の日雇い労務者の人が、経済安定委員である私をたずねて参りました。これは日雇い労務者ではありますが、中央大学を出た人だそうでありまして、相当教育もある人のようですが、経済安定本部が監修しておる経済月報一月号を拜見した。それによると、経済安定本部官房調査課の高橋繁さんが、慈雨訪れるか、実態的分析と展望という論文を載せておられる。その中に、自由党の政府の官僚の言いそうなことを言つてつて、自由党をして、勤労大衆から離さしめるような言葉が使われておるから注意してもらいたいという要望がありました。それで特に申し上げて、今後はそういうことのないように、ひとつ官房長からも御注意を願いたい。その中の指摘された文面を見ますと、「求人の側がふえればふえるほど、まうます求職労務者も増加するという日雇いの雑草的性格を発揮している。」こういうのであります。われわれは雑草ではない。現内閣はわれわれ労務者を雑草として考えておるというところに非常に問題があると言つてお叱りをいただきました。私は、この雑草的性格というような表現をしたことは、必ずしもそういう侮蔑的な意味ではないと思いますけれども、やはりこういう論文をお書きくださる場合におきましては、一応御注意をお願い申し上げたい。これを私の質問の最後につけ加えて、民の声を長官に伝達いたします。
  96. 圖司安正

    ○圖司委員長 多田勇君。
  97. 多田勇

    ○多田委員 大分約束の時間がずれたようでありますし、森山、志田両委員から詳細に御質疑があつたようでございますので、私は簡単に三点だけお尋ねしたいと思います。  第一に、この自立計画を立てるための基本的な考え方について、第二に、産業構造をどういうふうに考えるか、さらに経済法規に対してどういうような具体的な考えを持つておられるかという、この三点についてお尋ねしたいと思います。  第一に、自立計画を立てられました基本的な考え方の前提となつております中の最も重要な問題は、輸入の確保ということだろうと思いますが、その輸入の確保の前提條件としてここにあげられておりますように、計画の期間中には、第三次世界大戦は勃発しない。しかし米ソ両勢力間の緊張は今後も継続し、世界的な軍拡傾向をますます発展する、国内のインフレ資本政策を回避し、一ドル三百六十円の為替相場は変更しないという、この前提條件でございますが、この前提條件国際的な情勢の判断は、すでにこの計画を立てられました当時よりも相当大きな変化を生じておるのではないか。すなわち中共の朝鮮動乱への本格的な介入、さらに中共に対する輸出禁止の措置、あるいは米国の非常事態宣言等によりまして、一両から見ますと、日本経済の活動量は非常に増大したというような見方はありましよう。またその半面、生産の原動力であるところの原料を輸入することが、非常に悲観的な見通しになつて来ておるのではないかというようなことが、一応考えられます。新聞その他でもそういつた報道があるのでありますが、この自立計画国際情勢変化に伴つて今後修正して行く場合に、この計画書にありますような計画基本的構想はかえずに、ほんの一部の修正でこの計画を達成することが可能だというような考え方を、現在でも持つておられるかどうか。あるいはまたこの計画をどういうような形に修正し、あるいはさらに進んで参りますと、もつと根本的に再検討しなければならないような情勢になるおそれがないかどうか、そういう点について長官の御見解をお伺いしたいと思います
  98. 周東英雄

    周東国務大臣 まず最初に、前提條件については、ただいまもそこに書いたと同じ前提のもとに立つております。第三次世界大戦は起らない。しかし米ソ両国に属するおのおのの国の対立関係は激化する、レートはかえないという式のもとに立つておることは今もかわりありません。もしいろいろな事態がかわつたときに、これを根本的にかえるかという御質問でありますが、計画の構想としては私はこれでよいのじやないかと思います。結局時期のズレが生ずるのじやないかと思います。日本経済復興について、この計画書にあるがごとく、各産業部門をして、総合調整的な形において、計画書にあるような形にまで、生産水準を上げるということでなければ、国際収支の均衡はとれないということについては同じじやないかと思う。大きな変化考えられない。ただ思うように鉄鋼石が入らないとか、あるいは粘結炭が入らぬ、塩が入らぬということになれば、その塩を使う部門産業についての影響が来る。従つてまたそれに関連する産業についての影響が来るというようなことで、計画を縮小しなければならぬということは起るかもしれない。そうすると関連的な産業についての多少の修正が行われる。そうすると時間が延びるということは起ることが予想されると思います。しかし日本の将来の産業復興に対して、こういう線で総合的に計画は進められなくちやならぬという基本構想には、何らかわりはないのじやないかと考えております。しかし今非常な心配はありますけれども、鉄鋼石にしたところで、石炭にしたところで、日本でつくる鋼材の、銑鉄の原料は、アメリカの二十分の一くらいにもあたらない非常に少いものであります。これは各国の協力のいかんということと、船の問題で、昔のようなほど心配はない。ある程度確保できるのじやないかと思います。先ほども志田さんにもお答えしたのですけれども、私ども早く発表したいのですが、もう少しはつきりしないから言えませんが、たとえば綿のごとき、入らぬ入らぬと言うておつて、思惑で上つておる。綿ほどはつきりしているものはない。来年の計画では六月まではもちろん、七月以降においても、これは綿の新年度に入るから別といたしましても、非常に予想以上に上つている。それが思惑等の関係で、入らぬ入らぬと言われるから、また買いだめというようなことまで起つて来る。こういう点は私は嚴に戒めなければならないと思う。政府といたしましても早くはつきりさせたい。一部は昨日通産省の係官から話しておりますが、あの通りです。こういつた事態は、心配はしなくちやいけませんが、あまり悲観的にばかりものを見てもいけないのじやないかと私は思つております。
  99. 多田勇

    ○多田委員 長官の御説明はわかりますが、そこで前提條件がかわらないという建前で、今後の日本経済のあり方は、このようなあり方であるという一つの目標のもとに、この計画が進められるというお話でございましたが、昭和二十六年の予算の中に、この計画基本にしたものが織込まれておるという、先ほどの御説明があつたように聞いております。二十六年の予算は相当巨額な政府資金を集中動員して国際経済にいつでも即応し得るような性格を持つた予算のような感じがいたすのでありますが、一方ではこういつた自立計画をつくられてはつきりした計画を立てられ、一方予算では相当機動九のある政府資金の巨額な集中動員を玉れておるという点について、この計画と重要な関連性を持つておるか。先ほど長官が言われましたように、中共地区からの鉄鉱石あるいは粘結炭等の輸入が、アメリカに振りかえられなければならないといつたような場合に、こういつた政府資金を活用されるために、これらの集中動員を一応二十六年度の予算考えられるかどうか。この予算の性格と自立計画の性格とが、どういう形で関連性を持ち、あるいはマツチしておるか、その関係について御説明願います。
  100. 周東英雄

    周東国務大臣 大体は先ほど申しましたように、自立経済計画の初年度としての二十六年度の計画は、二十六年度予算とマツチしております。今お話のように、政府に巨額な資金を集中動員してあるというお言葉でしたが、その意味ちよつとわからぬのですが、おそらく見返り資金なり、預金部資金を、ある程度政府の方にためておるということの御指摘であろうと思います。また貿易会計に繰入れてあるところの五百億円の金等を指しておられると思いますが、これは一面におきましてはあまり多くの金を一度に撒布するということが、大事なときにインフレを再発してはならぬというおもんばかりと、もう一つはやはり将来における国際情勢の変転に処しつり、機動的処置をとる場合における必要性というようなことが考えられておると私は考えます。その結果最近における状況といたしましても、輸入は相当に伸びて来た、しかし輸入についてはユーザンスの関係で、決済が四箇月先に延びておる関係上、輸入はどんどん入つておるが、支拂い勘定において先に受取らなくてはならぬという意味で、ずいぶん金が出ておる。また輸出の方はどんどん先に出てしまつた。そういう関係から、かなり今外為特別会計における円資金関係、二千八百億の金が出ておる、こういうものが日本銀行から出ておるが、一面政府の方においては、そのにらみ合いの意味において、見返り資金なり預金部資金を持つておることは、非常に金融上健全な形をとつておると私は思う。相当にこれは役に立つておる、こう考えておる。これは一例であります。
  101. 多田勇

    ○多田委員 その次に経済法規の問題についてお伺いしたい。これはエコノミストに書いてあるのですが、安本長官は昨年の末に中国地方に参られましたときに、長官の談話といたしまして新聞に報道された内容の中に、経済面での国連協力という線が強くなつて来るけれども、経済政策の立案に当つては、できるだけ自主性を回復し、少くとも国内経済問題については、日本の意思で決定するような態勢に持つて行く考えである。たとえば戦後施行された独禁法、事業者団体法など経済誌法規は、日本の実情にそぐわない点もあるので、これらの経済諸法規の矛盾を早急に改正し、日本経済の実情に即した経済法規を確立するよう、思い切つた措置を講ずる考えであるというようなことを言われたというように書いてございますが、私も独禁法、あるいは事業者団体法が、日本経済の実態に沿わない点が相当あるという点については同感でございますけれども、長官の御見解といたしまして、どのような点が日本経済にそぐわない点か。さらにまた独禁法、団体法等の経済誌法規を、どの程度に改正し、いつごろそういつた時期が到来するというお考えを持つておられるか。この点についてお伺いいたします。
  102. 周東英雄

    周東国務大臣 新聞のお話でありますが、これははつきり申し上げておきますが、私はそういう内容は話しておりません。しかし日本経済の民主化をはかるために、終戦後日本経済から見ますると、少しどうかと思うような思い切つた改正が行われて、今お話のような関係法規の示すようなことが出て来た。これはかなり経済の民主化に役立つたことは事実でありますけれども、今日再び資本の集中的な、独占的な形態はなくなるであろう、民主化された今日、私にある程度経済社会における自主的な協定によつて、何もかも政府が強権力をもつてやらなくても、やり得るような事柄がずいぶんあるのではないか、根本は破壊されて資本の独占的な形態はなくなつているのだ、民主化された形においての各業界において、協定等によつて話合いが進められれば、非常に事柄は簡單であり、しかも行政費を節約し得ることがあるのではないか、こういうふうなことを考えているわけであります。そういう面におきまして今研究はしておりますが、まだどういう点をどういうふうにするということを申し上げる時期でありませんから、御了承願います。
  103. 多田勇

    ○多田委員 ただいま長官が言われましたように、いろいろな面で、むしろ現在の日本経済発展を阻害せしめるというようなおそれのあるものが、相当含まれているのではないかというような感じがいたします。自立経済計画を真剣に遂行するためには、どうしてもやはり経済関係法規、つまり一番問題の点は、独禁法あるいは団体法でございますが、これらの法律を相当程度改正することが、自立経済を達成する上にどうしても必要であるというような感じがいたすのでありますが、自立経済計画を立てられました考え方からしまして、現在のこれらの制約的な経済法規に対して、どういうふうな考え方でこの計画を立てられたのでありますか。
  104. 周東英雄

    周東国務大臣 自立経済計画の樹立にあたつては、別に法制とにらみ合せて立てたわけではないのであります。日本としての復興に関連して、必要な産業というものはどの点まで、どういうふうに発展さすべきかということが中心になつて計画は進められたわけであります。今後におきましては、この運用の問題について、いろいろ今のような法制の問題も起るかもしれませんが、直接的には私は計画とは関係ないと思います。しかしお話の点については、十分政府においても研究を進めておりますが、まだお話し申し上げる時期ではないのでございます。
  105. 多田勇

    ○多田委員 主食の卸売機関の運賃プールの問題ですが、これは今後の団体法あるいは独占禁止法の改正の面に、相当大きな影響があると思います。新聞の報道するところによりますと、これもまた先ほどのように否定されるかもしれませんが、この問題について、いろいろ御計画され、お話合いを進められたように聞いております。先ほど大臣が言われましたような、こういつた民間における自主的な協定、あるいは契約等に対する現在の政府見通しについてお話しいただけましたら、お話しいただきたいと思います。
  106. 周東英雄

    周東国務大臣 卸売の関係における運賃プールの問題でありますが、これは農林大臣が今いろいろ研究し相談されておりますが、まだ最終のところまで行つておりません。いずれ農林大臣等から、どういうことになりますか、最終の決定がついたときに、お話を申し上げたいと思います。
  107. 森山欽司

    森山委員 大臣にお伺いいたしますが、今多田委員の御質疑に関連いたしまして、物価統制令と臨時物資需給調整法の改正案が出るように新聞に出ておりますが、その御提出はいつごろになりますか。
  108. 周東英雄

    周東国務大臣 三月三十一日で一応ただいまお話の法令は消滅するのであります。従つて今日の状態からしてぜひ延長したい。その際一部改正というようなことを考えておりまから、二月の末ごろになるのではないかと思つておりますが、できるだけ急ぎたいと思つております。
  109. 森山欽司

    森山委員 先ほど来大臣の御答弁を興味深くお伺いしたのでありますが、いずれにいたしましも、具体案をできるだけ早く本委員会に御提出願いたいと思います。
  110. 圖司安正

    ○圖司委員長 他に御質疑がなければ、本日はこの程度にて散会いたします。  次会は外資導入とタバコ専売に関する件を議題にいたしまして、明後九日午前十時より開会いたします。     午後零時三十九分散会