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1951-08-09 第10回国会 衆議院 議院運営委員会 第59号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年八月九日(木曜日)     午後一時二十五分開議  出席委員    委員長 小澤佐重喜君    理事 寺本  齋君 理事 福永 健司君    理事 石田 一松君       井手 光治君    今村 忠助君       岡延右エ門君    川端 佳夫君       菅家 喜六君    佐々木秀世君       島田 末信君    田中  元君       田中不破三君    田渕 光一君       塚原 俊郎君    坪川 信三君       中川 俊思君   山口喜久一郎君       椎熊 三郎君    園田  直君       田中織之進君    松井 政吉君       今野 武雄君    竹村奈良一君       中村 寅太君  委員外出席者         議     長 林  讓治君         副  議  長 岩本 信行君         議     員 梨木作次郎君         議     員 岡田 春夫君         議     員 小林  進君         内閣官房長官  岡崎 勝男君         事 務 総 長 大池  眞君     ————————————— 六月七日  委員長谷川四郎辞任につき、その補欠として 竹山祐太郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 八月九日  委員石田博英君、岡西明貞君、川本末治君、倉  石忠雄君及び柳澤義男辞任につき、その補欠  として田中不破三君、平井義一君、川端佳夫君、  坪川信三君及び井手光治君が議長指名委員  に選任された。     ————————————— 六月五日  議長よりの諮問事項閉会審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  岡崎内閣官房長官より臨時国会召集に関して説  明聽取の件  会期に関する件  第十一回国会準備に関する件  事務局及び法制局人事承認に関する件     —————————————
  2. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではこれから本日の会議を開きます。  皆さんすでに御承知通り、本月六日政府臨時国会召集いたしました。つきましては、その国会運営につきまして御相談申し上げます。実は最初岡崎官房長官説明願つて政府意向を一応承る予定でありましたが、いま十五分ぐらい間があるそうですから、その前にきまつておるような問題を先におきめ願います。  第一に、恒例によりまして議席及び控席の件を議題に供します。
  3. 椎熊三郎

    椎熊委員 従前通りでいかがですか。
  4. 小澤佐重喜

    小澤委員長 ただいま椎熊君の発議の通り議席及び控室の件はすべて従前通りで御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小澤佐重喜

    小澤委員長 さよう決定いたします。  次に、議場内交渉係の件を議題に供します。
  6. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 議場内交渉係の件も、従来通り決定願いたい。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 小澤佐重喜

    小澤委員長 そうしますと、議場内交渉係の件も従前通りにしまして、事務総長から従来の……。
  8. 岩本信行

    岩本議長 議場内交渉係従前通りけつこうだと思いますが、従前はあまり人数が多くて、どなただかわけがわからぬことがありますので、もう少し少数に……。
  9. 大池眞

    大池事務総長 従前通りですと、二百名以上の交渉団体を持つておるものが五名、百名以上が四名、二十一名以上が三名、それ以下は正副各一名、結局二名になるわけです。
  10. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 ただいま副議長さんから御意見がありましたが、それは一応考えさせられる点もありますので、いずれ九月ないし、十月に臨時国会もありましようから、そのときに考慮することにして、この際はひとつ従前通りに願います。
  11. 椎熊三郎

    椎熊委員 主任みたいなものを届け出たらどうか。
  12. 小澤佐重喜

    小澤委員長 運営は、今椎熊君のお話よう主任みたいな人がやるということにして、責任者の人がいない場合には、適当な人がやるということでどうですか。——それでは議場内交渉係の点も一応従来通り決定いたします。なお運営については事務の方に相談して、しかるべくとりはからいます。  第三に、進行係の点でありますが、この問題はいかがですか。
  13. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 自由党でこの役をやつておりまして、大体今までの通りだと思いますが、開会までに正式にお届けいたします。
  14. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではさようにお願いいたします。  次に、議院運営小委員の員数及び選任の件、庶務小委員会設置の件であります。一応従前の例を事務総長から御報告申し上げます。
  15. 大池眞

    大池事務総長 従来は、比率によりまして自由党から六名、民主党から二名、社会党から一名共産党から一名、計十名の小委員を設けております。庶務の方の小委員は七名になつておりまして、自由党から二名、民主党から一名、社会党から一名、共産党から一名、農協から一名、それに委員長が加わつております。こういうことになつております。
  16. 小澤佐重喜

    小澤委員長 これは従前通りで御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 小澤佐重喜

    小澤委員長 さよう決定いたします。  次は、特別委員会設置の件であります。この問題も一応事務総長から御報告願います。
  18. 大池眞

    大池事務総長 御承知通り特別委員会は各会期ごとに設けることになつておりまして、会期継続審査をこの前やつておりましたから、従来設けられたものはそのまま続いておるわけであります。従いまして新しい議会召集されますれば、その召集の日に一応なくなるという形になりまして、新たに設けなければ自然消滅の形になります。今設けてありますのは海外同胞引揚委員会の三十名、行政監察の三十名、公職選挙法改正特別委員会が二十五名、この三特別委員会が存続いたしておるわけであります。
  19. 椎熊三郎

    椎熊委員 この三つの特別委員会とも継続的な案件を現在持つておりますから、短かい会期であるが、中断してしまうということはどうかと思いますから、従来通り今回も設置するということに願います。
  20. 小澤佐重喜

    小澤委員長 ただいまの特別委員会設置の問題は、従前通り存置することに決定して御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 小澤佐重喜

    小澤委員長 では、さよう決定いたします。  その他の協議事項については、官房長官説明を聞いてからの方が都合がいいと思います。     —————————————
  22. 大池眞

    大池事務総長 人事の御追認の件をお願いいたしたい。  閉会各党委員の方々に御意見を承つて回答を求めておるのでありますが、衆議院事務局議案課参事として、厚生省の社会局に勤めております長倉司郎君を任命いたしたい、こういうことで御意見を承つてつたのであります。それから法制局の一部に勤めておりました三輪力君、これは大蔵省から参つてつた人ですが、今度大蔵省の方へもどります。そのあと高松の国税局におります茂串俊という事務官をこちらの参事にとりたい、こういうことで各党の御意見を承つたのでありますが、御回答は大体みな御賛成で、手続を進めておりました。その御回答のうちには、社会党の方から、向うの方の御都合でやたらに抜いて行つたり、入れかえるというようなことはおもしろくないじやないかというような御意見がありました。これは法制局関係であります。それと、今度かわりに来る人が高松におるが、そんな遠い所の人を持つて来ていいのかというような御意見もありました。この点はまことにごもつともと思いますが、一番最初法制局ができます際に、各省から専門のその係の者をとりますときに、なかなか適任者をすぐ持つて来るということは困難な事情がありまして、当時二年くらいおれば、また帰つていただくからぜひほしいということでお願いをして持つて来た関係もありますので、二年余勤めております三輪君に対して、この際人事異動関係でぜひ帰らせてもらいたいというような、やむを得ない事情があつたのであります。従いましてその後任として高松から来ていただく方については、單に向うの御推薦だけでとつたわけではありません。わざわざ三浦部長高松まで行きまして本人にも面接し、いろいろ事情を問い合せまして、これならば大丈夫ということで御相談をしたような次第であります。各党皆さん賛成で、反対の方は一名もございませんので手続を進めておつたのであります。この点は御追認方をお願いいたしたいと思います。
  23. 小澤佐重喜

    小澤委員長 ただいまお話通り人事については承認することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 小澤佐重喜

  25. 小澤佐重喜

    小澤委員長 岡崎官房長官が見えましたから、この際官房長官から臨時国会召集に関する政府の所信を伺います。
  26. 岡崎勝男

    岡崎説明員 国会召集については、かねて政府に対し要求もありましたし、講和條調印の問題が九月四日ということに一応決定して通知が参りました関係もあり、この際全権を派遣する必要が出て来ましたので、いろいろ考慮の末、国会議員のうちで全権となつて出かけられる方があると予想せられますので、国会召集することに決定いたした次第であります。そこでその目的としては、講和会議に派遣すべき全権承認を求めるの件を審議せられたい、こういうことであります。なお、この国会においては、多分講和條草案最終的決定国会開会のときまでにはできると思つておりますが、かりに最終決定がないにいたしましても、かなり確定的な案が出ておりますから、その草案がつくられるに至つた経緯については外務大臣から国会に報告し、説明をするつもりにいたしております。
  27. 小澤佐重喜

    小澤委員長 何かこの際お尋ねがあれば願います。
  28. 椎熊三郎

    椎熊委員 政府側にお尋ねしたい。講和條約の調印に対する全権問題ですが、こういう行動は政府行政権に属するものであつて国会調印後の批准をする国家最高機関であります。それで調印議員の資格を兼ねた者が全権として赴任することについては一つの疑いを持つておる。政府はそれにもかかわらず、あえて国会議員全権に任命したいということには、何か客観的な情勢上、あるいは相手方国家等要請にこたえてそういうことをなされるのか、それともまた、政府考え方にわれわれと違つた考え方があつて、そういうことに御決定になつたのか、その点を明らかにしてほしい。
  29. 岡崎勝男

    岡崎説明員 相手方と申しますか、外国側から特に何らかの要求があつたということはありません。ただわれわれの方から見ますと、いずれあと国会審議のときに申し上げることですが、かなり満足すべき講和條約であると考えておりますし、また日本国民全般から見てもそういえふうに考えておると想像しますので、国民の各層を代表する方面から全権が出ることが望ましいと考えて来たのであります。国会議員審議をするものであつて行政とは関係ないというお説はその通りでありますが、すでに国会議員の一部は行政各部の長なりの仕事をしておるのであつて、これらのことも、やはり制度上は表決の場合は審議をする立場でもあるのであります。いずれにしても今の日本国会運営は、双方に当り得るようなかつこうになつておると思います。外国の例は必ずしも例とならぬでしようが、アメリカのごとく非常にはつきり三権分立をやつて国会議員行政担当者にならぬという建前になつておる純然たる審議立法機関といわれる議会議員が、全権になることはアメリカでは常識であります。またその他の国にもそういう例はしばしばありますのでわれわれの考えではさしつかえないもの、むしろ望ましいものとさえ思つておるのであります。
  30. 椎熊三郎

    椎熊委員 政府見解の一端が明らかになつたようでありますが、もう一つ関連して、別な問題を伺います。それは去る七月十日、われわれ野党連合なるものが——共産党を除いた他の会派——主として民主党社会党農協党などが相談いたしまして、国家内外情勢にかんがみ、講和條約の締結近きにある。なお国内には補正予算等の重大問題があるので、早期に国会を開くべしと、正式手続をもつて要請いたした。今回の臨時国会は、この野党連合要請にこたえて開かれるものと私ども心得ておつたのですが、ただいまの官房長官説明によると、單に全権議員から出すためにその承認を得たいという狭い意味の印象を受けるのですが、われわれの要求に対してはどうお考えになりますか。
  31. 岡崎勝男

    岡崎説明員 ただいま言われました要求につきましては、現在補正予算その他の点で鋭意勉強中であります。これの準備ができ次第臨時国会を開くつもりでおります。ただその前に、全権派遣のために急を要する国会承認が必要になりましたので、予算等が間に合いませんから、それはまた別の臨時国会を開くつもりで、この際は急遽臨時国会を開きたい、こういう意向であります。今臨時国会を開くにしましても、そのときも一ぺん開くわけでありますが、野党側の御要望もあり、講和條約の草案決定に至る経緯については、この際十分御説明をして参りたい。こういうので、半分は御要求をいれたつもりであります。あとの半分は、さらに今度要求をいれる、こういう考えであります。
  32. 椎熊三郎

    椎熊委員 野党連合要求の半分をいれられて召集されたのでありますが、関連してお伺いしたいのは、政府は去る六日に国会召集をしておられる。そうして国会召集は十六日だという。講和條調印のために急いで開かなければならぬというのに、私は召集は告示から六日間だと心得えておりますが、十日も先に延ばした意味は、何か外交関係等事情があつて、そういうことになつておるのか、ただ單に十日間ぐらいおいたらいいというくらいですか。
  33. 岡崎勝男

    岡崎説明員 私の知つておる範囲では、何日という期限はないと思つております。できるだけ間広召集をした方がいい。但しそれができない場合には、最小限度日本のいずれの土地からも議員通知を受けて来られる時間の余裕は必要である、こう考えております。ただ私どもの知るところでは、講和條草案が八月十三日に最終決定をいたすと聞いております。かりにそうなりますと、時差の関係で、日本時間では十四日であります。そうすると、場合によつては新聞に出るのは十五日であります。こう思いましたので、一両日延びることもあるのであろうという予想もつけまして、できるだけ近い期間で、なるべくならば講和條最終草案が出たときの方が、草案決定に至る経緯説明するにもぐあいがよかろうと思いまして、そういう日取りを選んだのであります。
  34. 松井政吉

    松井(政)委員 ただいまの椎熊さんの質問に関連するのでありますが、公報にも、明確に成規手続要求した臨時国会を開くのだというようなことが書いてあります。またただいま官房長官要求に基いてということをおつしやつた。そこで要求者の側としては、もう一ぺん繰返すようですが、お伺いしておきたいと思うのであります。それは半分要求をいれてあとの半分はまた別の臨時国会をお開きになる、こういう御答弁つたと思うのであります。われわれの要求は、椎熊さんのおつしやつた通り講和会議の問題で、議会を通じて各党考え方等を明らかにするということと、国内問題に対する補正予算の問題、前国会からそのままになつております地域給、べースアツプ等立法化の問題、こういう問題を中心にして臨時国会を開いてほしいというのが大体の要求内容であります。ところがただいま官房長官は、全権承認するための国会だということであります。そうなりますと、半分要求をいれたということにならない。また要求に基いてというよう考え方はちよつと当らないと思います。少くとも成規手続要求した場合に、こういうことで要求に基いたということは、国会のルール上正しいとお考えであるかどうか伺いたい。
  35. 岡崎勝男

    岡崎説明員 要求に基く臨時国会というのは、原則的に申しますと、今補正予算等の編成に当つておりますし、ベース改訂等も考慮しておりますので、その準備のでき次第やるつもりでおります。その前に九月四日という特定の日がきめられて、講和條調印ということが確定いたしましたので、全権をそれに派遣しなければならぬ。そこで全権承認を求める国会を急遽開きたい、こういう意向であります。それに、かねての御要求がありますから、そこで講和條草案経緯をできるだけ御説明いたしたい、こういうつもりであります。
  36. 松井政吉

    松井(政)委員 講和條約の経緯政府説明するということになりますと、それはどういう範囲で解釈したらよろしいか。たとえば日本政府立場において、かりに最後の発表があるかどうかわかりませんけれども、少くともただいま発表されている内容についての政府見解等は、具体的に今度の国会でお述べになる御意思があるかどうか、これをお伺いしておきたいと思う。
  37. 岡崎勝男

    岡崎説明員 講和條約につきましては、調印いたしますと、当然国会提出すべき原案ができるわけであります。そこで将来この原案審議を求めるために国会提出することになります。講和條約の内容等につきましては、そのときに国会に付議いたしますから、十分御検討願いたい。ただいまはまだ国会に付議する段階に至つておりませんので、條約草案の作成に至つた経緯だけを御説明よう、こういうつもりでおります。
  38. 田中織之進

    田中(織)委員 重ねて官房長官に伺つておきます。今度の臨時国会は、成規手続による要求に基いて行うという点は、原則としてはそうでしようが、直接的に問題になつておるのは、講和全権承認を求める問題であります。官房長官の今の御説明によりますと、われわれが成規手続臨時国会開会要求した。その案件は具体的には補正予算だが、まだ政府として成案を得ていないので、今度の国会に付議することは困難であるとすでに確定的に見通されておるようなただいまの発言は、ちよつと理解できないと思う。問題は、やはり臨時国会がわれわれの正式な要求に基いて開かれるという国会運営の、また憲法上の規定を貫くことが、形式論といわれるかもしれませんけれども、きわめて重要なことだと思う。その国会開会中に、われわれの要求した案件で、政府準備が整わない場合には、あるいは休会してそれが整うまで待つ、あるいはあらためて臨時国会を開くとかいうように、今度の国会要求に基いて開かれるということである以上は、国会に臨んでから、爾後の政府態度決定でなければならぬと思う。そういう意味合いだとは理解できるのでありますけれども、われわれが臨時国会要求して、政府国会提出要求しておる補正予算等の問題が、今ここで提出が困難であることを確定的に申され、従つてそれらは今度の臨時国会あとまわしになるのだというような形では、憲法規定による臨時国会召集要求に基いてやるという政府側の御答弁とは食い違つておる。その点を重ねて明確にしてもらいたい。
  39. 岡崎勝男

    岡崎説明員 私の考えでは、憲法五十三條の「内閣は、国会臨時会召集決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集決定しなければならない。」この両方でありまして、内閣全権承認を求める件を審議してもらうのが必要であると考えまして、国会召集することにした。そこでかねての御要求もありますので、その方もやつておりますが、今言つたように、これには十五箇月予算とかいろいろな関係がありまして、準備としては今一生懸命やつておりますが、われわれ内部の状況はよく知つております。結局これはとうてい間に会わない、こう思いまして、準備ができたらばできるだけ早くさらに臨時国会を開く、こういうつもりでおります。
  40. 田中織之進

    田中(織)委員 そう言われますと、憲法五十三條の二項による要求に基いて開く議会だという原則的な立場が貫かれないことになると思う。実際問題として、憲法五十三條の二項によつて要求しておるその臨時国会が、今度の国会ではたして目的を達せられるかどうかという問題は、国会が開かれてから初めて問題になるのであります。その意味で、どちらかといえば、むしろ二項によつてわれわれが正式に要求しておる臨時国会政府が今度開かれるこの機会に、全権承認に関する件をその国会に付議するという形にならなければ、私は憲法五十三條の二項による臨時国会開会要求——これはいつ開かねばならぬという規定はありませんけれども、少くとも政府召集する以前に、この要求に基く国会が開かれなければならない建前だと理解しておる。その点官房長官の先ほどの説明臨時国会開会要求に基いて開くことを原則とする、しかし実際問題として、その国会に付議する案件が、今きめておる臨時国会には間に合わないであろうということは、われわれも了解できます。そこでこれを今官房長官の私の質問に対するお答えような形で出されますと、臨時国会開会要求権という憲法で認められたものに対し、政府はほおかむりをしておるということになつて、大きな政治問題になると思う。官房長官のただいまの御答弁では、要求に基く臨時国会というものは今度の国会でない。私はあくまで要求に基く臨時国会だと思う。その国会にたまたま政府が意図しておる講和全権承認の件を……。
  41. 小澤佐重喜

    小澤委員長 君の議論は、今まで毎年々々相当議論しておる。私らもよくやつた議論だが、岡崎君の言うのは、要求のうちのある一部、たとえば講和條約に対する要求の問題についてはこたえておるが、補正予算の問題についてはまだこたえる国会ではないという趣旨で召集したのだ。そういうことがいけないという議論ならば、また別の問題です。
  42. 田中織之進

    田中(織)委員 その意味合いは私も了解できるのでありますが、官房長官お答えような形で、五十三條の一項の政府が必要と認めたときの国会召集だという建前臨時国会にされると、五十三條の二項による要求に基く国会開会というものは、われわれの解釈から行きますならば、それが先なんだ。成規要求が出ておる。たまたま時期として、むしろ先に持つべき臨時国会案件が、準備都合あとまわしになつてあとからの要素が出て来たという形になつておるのであります。やはり憲法五十三條の成規による要求がある以上、それを先に出して、一部講和條約の経過説明というよう——われわれの要求が見出されることはよくわかるのでありますが、それをむしろ主体として、あとで起つたところの政府の企図する案件を付議するのだ、これは現実の問題としてやることで、そこのところの順序をとり違えては、憲法五十三條の二項の実際運用の点から見てよくないじやないかというのです。
  43. 小澤佐重喜

    小澤委員長 大いに議論のあるところですが、それはこの前私らもさんざんやつたこともあるし、大体その辺で……。
  44. 石田一松

    石田(一)委員 さきの椎熊君、松井君の質問に対する官房長官の答えの中に、條約案の内容等については、調印後の批准国会のときにこれを十分審議してもらうのであつて、今度の国会では、條約案の内容等については審議をしないというような御答弁でした。この際お尋ねしておかねばならぬことは、政府は、常にこの條約案なるものは、日本国家がどうしようにもどうにもならぬものである。ただ行つて判を押すのだとおつしやる。そうすると、日本にとつてはそれは最終案です。その最終案に対して、こういう條項が入つておるけれども、これに対して政府はどういうふうに考えるかという内容にわたる議員質問があつたときにも、政府は、それは批准国会において答弁することであつて、この際調印前には答弁できない、こういう御答弁をなさるつもりですか。質問があつて答弁なさらないという意味か、政府みずからは内容にわたつて報告をしない、説明をしないというのか。
  45. 岡崎勝男

    岡崎説明員 それは常識的に御判断願いたい。草案決定経緯について説明するということになりますと、実際には、いずれ草案内容にも一部触れなければ御説明はできない。
  46. 石田一松

    石田(一)委員 まことにけつこうな御答弁であります。もう一つは、この條約案に対しては、国民もほとんどこれを満足しておると想像するので、全権各党各派から選んで出す方がいいと思つて、そういうふうにする、こういうことをおつしやつたのですが、そういたしますと、條約案文に対して満足してない党とか各派があつたときには、全権は出せないわけですか。満足しておると思うから全権各党各派から出す。その條約案の一部分でも満足してないところがあるとなると、満足してないのに全権を出すということはちよつとおかしいことになる。これは大事な問題です。そういう意味での全権なら——ただいま官房長官のおつしやつた通りのものなら、ある党から一人の全権が出た場合、批准国会では、その全権を出した党派は満足しておつたのだからということになつて審議の権利がなくなつてしまう。それが大きな問題になると思うのでお尋ねしておきたい。
  47. 岡崎勝男

    岡崎説明員 私の言うのは、條約というものはいろんな條項がありまして、十分でないと思うところもありましようし、これはいいと思うところもありましようが、條約全体を一つのものとして判断した場合のことを言つておるのであります。またそれはわれわれの解釈であつて各党が違う場合もありましよう
  48. 松井政吉

    松井(政)委員 この点は簡單にはつきりしてもらえばいいじやないかと思う。たとえば、今の石田君の質問内容についても、官房長官のおつしやつたことは、政府としてはこう思う、政府の希望的な考え方だという立場なら、各党はその意見に拘束されないことになる。この点は明確にしておいてもらわぬと困る。
  49. 小澤佐重喜

    小澤委員長 松井君の言う通り…。
  50. 竹村奈良一

    ○竹村委員 官房長官説明を聞いておりますと、今度は全権委員を任命するについて国会の議決を求める、そのために今までの経過を報告する、それについては必然的にある程度内容に触れる。こういうように承つたのであります。そこでお伺いいたしたいのは、少くとも今度派遣される全権委員というものは、結局において議会において議決をして、全権として行つてもらう場合には、大体委任状を渡すわけだ。ところが内容も検討しないで、その点が論議されないで、ただ経過だけ聞いて行つてもらう。ひとつあんた行つてくださいということになると、白紙委任状であつて、結局においては盲判を押して来るということになる。そういうことでは、政府の意図するところの全権を派遣するため国会の議決を求めるということと矛盾するので、少くともその内容を十分国民の前に知らして、その内容が明らかになつた場合において全権委員をわれわれが出すか出さないかということが問題になると思う。少くとも政府は、この際国会が開かれたならば親切に、わかつておる範囲内容、つまり今度決定されたものが出て来たならば、それに対して十分納得の行くだけの説明をするのが当然だと思うが、それに対してどういう考えを持つておるか。
  51. 岡崎勝男

    岡崎説明員 できるだけ国会の納得の行くよう説明をいたすつもりであります。
  52. 梨木作次郎

    梨木作次郎君 今われわれの手元に来ております外務省情報部から発表されておる草案を見ると、日米軍事協定と申しますか、そういう名前で呼ばれておるところの駐兵協定というものが大体予定されておるわけです。そこでこの駐兵問題についても詳細な御説明があると思うのですが、この点いかがですか。
  53. 岡崎勝男

    岡崎説明員 それはひとつ御説明をするときの内容で御検討を願いたい。
  54. 梨木作次郎

    梨木作次郎君 その点について説明をする用意を持つておるということについてお答えを願いたい。
  55. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それは内容に入り過ぎで、運営委員会としては……。
  56. 梨木作次郎

    梨木作次郎君 今官房長官は、草案決定経緯について詳細説明するとおつしやつた。ところがその草案を見ると、新聞にも報道されておるように、この内容の中には、日米軍事協定が重要な要素として一応予定されておる。この点についてやはり詳細な説明を期待しておるし、どうしてもしなければならぬ問題だと思う。この点についても御説明があるとわれわれは確信しておるが、この点をあらかじめお伺いしておきたい。
  57. 小澤佐重喜

    小澤委員長 運営委員会としては、そこまで入らない方がいいでしよう
  58. 梨木作次郎

    梨木作次郎君 それでは希望しておきます。     —————————————
  59. 小澤佐重喜

    小澤委員長 次の議題に移ります。  まず本臨時国会会期を幾日間とするかということについて、各党の御意見を承りたい。
  60. 椎熊三郎

    椎熊委員 事すこぶる重大な問題ですから、会期はなるべく十分とつて審議を盡したいと思う。しかしながらすでに調印の日取りもきまつておりますし、時日もないことでありますから、やたらに長期の会期要求することも常識上どうかと思う。わが党といたしましては、少くとも実質上四日間くらい質疑を重ねる時間がほしい。こういうことを党の方針として考えておるわけです。従つて開会式を除き、実質的に四日間ぐらいやつてもらいたいという希望です。
  61. 田中織之進

    田中(織)委員 社会党としては、先ほどの官房長官の御答弁では、われわれが要求しておる臨時国会における重要な国内問題である補正予算等準備も目下進行中の段階であるということであります。これは講和とも関連してきわめて重要な問題でありますので、幸い臨時国会が他の案件目的を含めて開かれるこの機会にぜひ間に合してもらいたい。また間に合さなければならない現実の情勢が進展しておると考えますので、その意味から実質的な審議期間を少くとも一週間ほしい。
  62. 竹村奈良一

    ○竹村委員 先ほど官房長官の答えで明らかになつたわけでありますが、経緯を報告する中に、その内容を懇切丁寧に説明するとはつきり言われておる。従つてこれに対して国民の、国会考え方を明らかにしておかなければならぬ。もちろん賛成する人もあるだろうし、反対する人もあると思う。その場合においては、質問を十分にさして議論を盡すべきである。こういう考えから、私の方は二週間を要求する。
  63. 岡田春夫

    ○岡田春夫君 労農党は十日間。
  64. 小林進

    ○小林進君 社会民主党でありますが、政府説明を一日ゆつくりお聞きしてあと各党で細部の仕上げの結論をつくつて、それからわれわれ小会派までも十分質問をさしていただく。質問の期間を四日、計やはり一週間はぜひとつていただきたいと思う。
  65. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 自由党としては、御承知ように與党でもありますので、各野党の方々から四日間ないしは一週間、あるいは二週間という御意見もありましたが、いずれ国会を開くまでにはもう一ぺんこの運営委員会があると思いますから、諸般の実情を勘案いたしまして、自由党としてはつきりした日にちを出したい。
  66. 椎熊三郎

    椎熊委員 官房長官が言われたように、各派から全権を出したいという政府考え方だろうと思う。そうすると、與党が多数だからといつて與党だけで何でもきめてしまうといつた従来の悪癖をやめて、あまり無理でない注文ならいれることが、円滑に運営する意味においていいと思う。ただこの際注意したいのは、人数の少い会派ほど会期の長きを要求するのは逆だと思う。労農党が三人か四人で十日、われわれは七十人もいても四日といつて遠慮しているんだから、わずかな党なんかは遠慮してしかるべきだと思う。
  67. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 ただいま椎熊さんから希望もありましたが、従来の多数党の悪弊でもないでしようが、もしそういう幾分御満足の行かない点がありましたら、十分考えまして皆さんの御満足の行くように努力したいと思つております。どうぞよろしく願います。
  68. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それでは会期は本日は決定を留保いたしまして、次会に決定をすることといたします。     —————————————
  69. 小澤佐重喜

    小澤委員長 次に、開会式に関する件を議題といたします。
  70. 椎熊三郎

    椎熊委員 従来の慣例はどうなつておるかわかりませんけれども、短期の国会だから、実質審議の時間をとりたい。そのためには召集日に一日つぶれて、開会式に一日つぶれるというむだをしないで、できるならば召集日に国会が成立したら、その日の午後にでも開会式をやつてもらう。そういうことは可能であるかどうか、事務総長意見はどうなんですか。
  71. 大池眞

    大池事務総長 それは簡單にできると思います。召集日には、御存じの通り十時に御参集になりまして、十時以後で三分の一以上お集まりになれば、いつでも開けます。それから議席をきめて、会期もきめていただく。そうしてただいま御決定になりました特別委員会の設置等をきめていただく。これは午前中に簡單にできます。そこで午後に開会式をあげるということになれば、参議院の方もその手続をとつたあと、席をちよつと直すだけですから、一時間か二時間待てばできることです。もしそういう御意向ならば、陛下の御臨幸をお願い申し出るについても、あらかじめこういう意向があるからということで準備を進めなければなりません。
  72. 小澤佐重喜

    小澤委員長 開会式はできるだけ早くという趣旨から、十六日中に開会式をやるということにして、但し開会式の終了後にさらに議事に入るかどうかということについては、この次の運営委員会にはかる。  では開会式の件はさよう決定いたしました。
  73. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 ただいま委員長のおつしやつた通りけつこうですが、次のこの委員会は、召集日が切迫してからだと思いますので、服装くらいは今すぐきまりますから、その点を……。
  74. 大池眞

    大池事務総長 ただいま召集日の十六日に開会式をあげるということに御決定になりましたから、時刻等は打合せの都合もありますが、午後になることだけはひとつ御了承願います。
  75. 小澤佐重喜

    小澤委員長 服装の件を議題に供します。
  76. 大池眞

    大池事務総長 国会の服装は、真夏で非常に暑いことでもありますので、議場で上着を着用するかしないかということが、今まで夏の議会には常に御議論になつたのであります。冷房の装置が遺憾ながら十分できておりませんので、できるだけの措置をとりまして涼しいように心がけるのでありますが、従来は開衿シヤツはさしつかえない、上着だけは議場では着用しようということに今日まではなつておりました、今回もやはり体裁ということがある程度ございますので、非常にお苦しいと思いますが、上着だけは御着用願つて、開衿はさしつかえない、扇子等は御自由にお使い願う、こういうことで御了承願いたい。開会式はいつもモーニングというのが先例でありますけれども、モーニングでなくとも支障はありません。不行跡にならぬ程度にしていただきたい。そのときはもちろん開衿は御遠慮願いたい。
  77. 田中織之進

    田中(織)委員 希望を述べておきたい。一つは前国会から継続審議中になつておる法律案が数件あります。今度の臨時国会で、はたしてあがるかどうかという点も、国会召集経緯等にかんがみむずかしいと思う。中にはこの国会で、次の国会までの継続審議の措置を講じておかないとお流れになつてしまう案件がある。この点の事務的な運びを会期中に講じていただくように願いたい。
  78. 大池眞

    大池事務総長 これはどうせ大部分のものが未了になつておりますので、最終日のときに、中断されたような形でそつくり橋渡しをして行けるように御協力願いたい。一言で済むことです一から、御了承願います。
  79. 田中織之進

    田中(織)委員 もう一つは、会期を、わが党の希望しておるように大体二週間いただけますならば、勢い相当各委員会が持たれると思うのであります。特に講和に関連して、各委員会においていろいろな審議を進めなければならぬものがありますから、委員会会期中努めて頻繁に持つようにお願いしておきます。
  80. 小澤佐重喜

    小澤委員長 一応田中君の希望として聞いておきます。
  81. 大池眞

    大池事務総長 臨時国会といつても長い国会がありますが、このような特殊な目的考えた短かい国会においては、請願とか質問主意書等は臨時国会の開かれた目的に直接関係の分だけにおとどめを願つて、一般のものは差控えていただいております。結局審議未了になつて、もう一ぺん出しかえなければならぬので、どの程度に出まするか、出た分量によつて、場合によれば次の国会に持ち込むように便宜はとりはからいたいと思いますが……。
  82. 小澤佐重喜

    小澤委員長 本日はこれにて散会いたします。次会の運営委員会は十四日午後一時に開きます。     午後二時二十分散会