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梨木作次郎君 これは今のところ
外務大臣は
総理の兼任ということにな
つているのでありますが、しかし少くとも
講和に関しての今の
段階では、
吉田氏の
言葉をかりて言えば、
意見の交換ということにな
つているわけでございます。そこで今までの経過を見ておりますと、これは
外交の衝に当るべき
外務大臣が、
講和の問題についてとにもかくにも
ダレス特使といろいろな折衝を持つたその
過程において、われわれとしてはどうしても承服できないような工作がいろいろ進められておるということは、
国会の中の言論や、それから
国会外においてもいろいろ発表された
方針によ
つて察知することができるのであります。そうして単に
秘密外交というような
言葉の端にとらわれて、われわれはこれを取上げるというような問題ではなくて、
吉田外務大臣がすでに早くからと
つて来た
講和に対するあらゆる
態度、またその
扱い方これらが積み重な
つて、われわれは今特に重要な
講和を控えて、こういう
外務大臣は適任でないというように
考えるに至つたわけなのであります。特に切迫しておる
講和を前にいたしまして、
外交委員会などにも非常に
出席が悪い。こういう点もあります。いろいろの点を総合いたしますと、
外務大臣の
不信任の
意思を明確に
国会においてはつきりさせるということは、非常に緊急な問題にな
つて来ていると思います。そういう点からわれわれといたしましては、とにかく
椎熊さんや
田中さんから御申出がありましたが、これを留保するということはすべきでないと
考えますので、緊急にこれを取上げてもらいたいということをお願いいたします。