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1950-12-10 第10回国会 衆議院 議院運営委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十二月十日(日曜日)     午後三時五分開議  出席委員    委員長 小澤佐重喜君    理事 寺本  齋君 理事 福永 健司君       井手 光治君    石田 博英君       岡延右エ門君    岡西 明貞君       川本 末治君    菅家 喜六君       倉石 忠雄君    島田 末信君       田嶋 好文君    田渕 光一君       塚原 俊郎君    坪川 信三君       中川 俊思君    松本 善壽君       南  好雄君    椎熊 三郎君       園田  直君    長谷川四郎君       赤松  勇君    田中織之進君       松井 政吉君    竹村奈良一君       梨木作次郎君    中村 寅太君  委員外出席者         議     長 幣原喜重郎君         副  議  長 岩本 信行君         議     員 石野 久男君         議     員 小林  進君         議     員 佐竹 晴記君         議     員 浦口 鉄男君         事 務 総 長 大池  眞君 十二月十日  委員小川平二君、佐々木秀世君、田中元君、柳  澤義男君及び山口喜久一郎君辞任につき、その  補欠として松本善壽君、田嶋好文君、井手光治  君、南好雄君及び坪川信三君が議長指名で委  員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員会設置に関する件  国会議員歳費旅費及び手当等に関する法律  の一部を改正する法律案の起草に関する件  国政調査承認要求に関する件  法律案委員会審査省略要求取扱いに関する  件  專門員の格付に関する件  委員派遣承認申請に関する件     ―――――――――――――
  2. 小澤佐重喜

    小澤委員長 ただいまより会議を開くことにいたします。  この際議長から発言があります。
  3. 幣原喜重郎

    ○幣原議長 別にむずかしいことを申し上げるわけではありませんが、前の国会のときには、皆さんのいろいろ御協力を願いましてれどうやら曲りなりにもいろいろのことができてきたのであります。この国会におきましても、おうような精神でみなお互いにほんとうに協力する気持になれば、必ず円滑な議事の進行ができると思いますから、お互いに助け合う気持になつて、どうぞひとつよろしくお願いをいたしておきたいと思います。(拍手)
  4. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それでは御協議を申し上げますが、まず議院運営委員会の構成についてお諮りをいたします。従来も小委員会が設けてありますが、その小委員会庶務小委員会、院内の警察及び秩序に関する調査委員会特別委員会設置に関する小委員会、この三つが前国会で設けられておりましたが、本国会もこの通りの小委員会を設け、それぞれ調査してもらうことに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではさよう決定いたします。その委員は私から指名することにあらかじめ御承認を願いたいと思います。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 小澤佐重喜

    小澤委員長 御異議がなければ、さよう決定をいたします。     ―――――――――――――
  7. 小澤佐重喜

    小澤委員長 次に、常任委員会国政調査承認要求の件について議長から諮問がありますので、事務総長からその説明を願いたいと思います。
  8. 石田博英

    石田(博)委員 ちよつとその前に……。各常任委員会国政調査承認要求の件につきましては、当該委員会所管事項範囲に属するものについては議長限りでおとりはからい願い、疑問があるものについてここで御相談を願うということに、あらかじめ相談をまとめておいた方が適当じやないかと思います。その理由は、ほとんど全部といつていいほど従来は異議なしで通つてつたし、本日も実は委員会から承認要求があります。一々その内容についてこれを読み上げて行くことも煩雑でありますし、形式的に流れ過ぎるので、その内容は公報をもつて通知されることでありますから、冒頭申し上げたようにおとりはからいを願いたいと思います
  9. 佐竹晴記

    佐竹晴記君 出張とかそういうものを除外して……。
  10. 石田博英

    石田(博)委員 出張は別に要求して来ますから……。
  11. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではただいまの石田君の御発言通りとりはからつて異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 小澤佐重喜

    小澤委員長 御異議がありませんからさよう決定いたします。従つて本日の承認事項もここで諮らないで、ただいま決定通り方法で処理を願うことにいたします。     ―――――――――――――
  13. 小澤佐重喜

    小澤委員長 なお特別委員会は、御承知の通り会期ごとに設定することになつているのでありまするが、この特別委員会設置について、皆さんの御意見を承りたいと思います。
  14. 石田博英

    石田(博)委員 この件は、本運営委員会の中の特別委員会に関する小委員会で御協議願つた上で成案をお出し願いたいと思います。
  15. 小澤佐重喜

    小澤委員長 ただいまの石田君の動議の通り特別委員会に関する小委員会調査研究の結果、本委員会で正式に決定するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり。〕
  16. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではさよう決定いたします。     ―――――――――――――
  17. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それから前国会におきまして、本委員会で立案し、本院で議決になり、参議院において審議未了になりました国会議員歳費旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案を、再び本委員会から提出するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではさよう決定いたします。     ―――――――――――――
  19. 小澤佐重喜

    小澤委員長 次に委員派遣承認申請法務委員会その他からございます。この問題を御協議願います。内容につきましては、事務総長から一応御説明申し上げることにいたします。
  20. 大池眞

    大池事務総長 法務委員会から委員派遣承認をお願い申し上げるということで参りました。それは神戸その他の地区における騒擾事件の実情を調査いたしたい。それには第一班といたしまして安部俊吾君、田嶋好文君、猪俣浩三君の三名で、第二班は押谷富三君、大西正男君この二名、合計五名でございます。第一班の三名の方は京都大阪神戸、第二班の方は名古屋、大津この方面を一週間調査いたしたい、こういう申出であります。このことについては田嶋好文さんがお見えになつておりますので、特別に必要の点を御説明願いました上で、御審議願つたらどうかと思います。
  21. 石田博英

    石田(博)委員 それより前に、前国会の冒頭に、委員派遣開会中はしないという約束を一応いたしておつたのであります。本国会もいずれ自然休会に入る時期があろうと思いますから、そのときに御相談願つたらどうですか。
  22. 園田直

    園田委員 そのときでいいということにすれば……。
  23. 椎熊三郎

    椎熊委員 年末でありますから……。
  24. 田中織之進

    田中(織)委員 二班にわかれて行くというが、各班はいずれも七日の予定ですか。
  25. 大池眞

    大池事務総長 そういうことでございます。
  26. 田中織之進

    田中(織)委員 それから神戸その他の地方に起つた騒擾事件調査について、調査班員が二つにわかれて行くことがこれで明確になつたのでありますが、そういう委員派遣は検討を要すると思います。その点と、ことに二班にわけて各班とも一週間ずつというのはどうかと思います。
  27. 梨木作次郎

    梨木委員 この神戸その他の騒擾事件に関する調査のための委員派遣ですが、私は法務委員会に所属しておるわけでありますけれども、この委員の人選については協議がまとまつておらぬはずです。神戸騒擾事件は、背後共産党がおるか、いなかということがいろいろ問題になつておるわけであります。だからどうしても共産党委員も一名加えなければならぬというのが、理事会了解事項になつてつたのであります。今見ますと、全然入つておらない、この点についても相当問題があると思います。  もう一つは、今まで議院運営委員会申合せ事項としまして、当該選挙区の委員は、その地方国政調査には遠慮することになつております。ところがこれを見ますと、第一班はどこへ行くのか、法務委員会で聞いた範囲内では名古屋と聞いております。
  28. 石田博英

    石田(博)委員 京都大阪神戸です。
  29. 梨木作次郎

    梨木委員 京都大阪神戸とすると、それもまたおかしい。法務委員会では愛知と言つてつたはずです。
  30. 石田博英

    石田(博)委員 それは第二班です。
  31. 梨木作次郎

    梨木委員 だから選挙区関係の委員がその中に入つておるわけなんで、この点は従来から申合せになつておることですか……。
  32. 椎熊三郎

    椎熊委員 入つていないですね。
  33. 梨木作次郎

    梨木委員 二班はお二人で大阪じやありませんか。
  34. 石田博英

    石田(博)委員 名古屋です。
  35. 梨木作次郎

    梨木委員 それではここに来ておられる方に説明を聞きましよう。そういう理事会申合せできまつたことと違つたのを持つて来るようでは……。
  36. 石田博英

    石田(博)委員 それは委員会内部のことですから、委員会でやつてもらおうじやありませんか。どういう取扱いになるとか、だれが行くとか、何日行くとか、そういうことは委員会相談しておることですから、法務委員会でやつてもらおうじやありませんか。
  37. 梨木作次郎

    梨木委員 この点について説明のために田嶋さんが来ておられるから、ちよつと説明を聞きたいと思います。こういうことは理事会申合せ事項と違うのだ。委員派遣の問題については、各派からこういう委員を出すことになつてつた
  38. 赤松勇

    赤松委員 問題は二つある。一つ石田君が言つたよう取扱いの問題なんだ。一つ委員指名の問題だが、これは委員会でやる性質のものだ。そこで取扱い方について、開会中は一応遠慮するという申合せ運営委員会でできておるとすれば、その申合せを一応尊重して、休会をいたす時期にあらためて相談してみたらどうか。
  39. 石田博英

    石田(博)委員 それはいい。
  40. 椎熊三郎

    椎熊委員 委員会相談して、共産党以外は満場一致できまつたことなんですよ。
  41. 石田博英

    石田(博)委員 行くことはいいが、あしたから休会になろうというときに相談をすべき性質のものですね。
  42. 椎熊三郎

    椎熊委員 そうはいかない問題だし、年末に差迫つて行くというのでも困るだろうし、大体今度の国会つていつまでもやつておることはないのだろうと思うから……。
  43. 石田博英

    石田(博)委員 いつまでやつていないかもしれないから、きようきめなくてもいいでしよう国会開会中に出張するということは、われわれとしてはとりはからえない。よほどのことであれば別だが、なるべくならば参考人の出頭を求めるというのが建前であるから……。
  44. 椎熊三郎

    椎熊委員 参考人といつても、三百人も五百人も調べることもできぬし、現地に行くよりしようがあるまい。
  45. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それでは御意見はいろいろありますが、休会まぎわになつたときに決定することにして、本日は留保することにしていかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではそのようにいたします。  なおこれと同じような問題もありますか。
  47. 大池眞

    大池事務総長 同じような問題もほかにございますが……。
  48. 赤松勇

    赤松委員 それも右へならんで、同じ取扱いでどうです。
  49. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではそのようにいたします。
  50. 竹村奈良一

    竹村委員 さつきのことで誤解があつたらいけませんから申し上げますが、さつき国会議員歳費の問題で、私どもは提出することを了解しただけで、提出したものについては反対ですから、それだけ言つておきます。     ―――――――――――――
  51. 小澤佐重喜

    小澤委員長 本日の会議について御相談申し上げます。前国会において審議未了になりました五法案政府から提案されております。これに関しましては、政府から委員会審査省略要求書がついております。内容事務総長から申し上げます。
  52. 大池眞

    大池事務総長 五つの法案が本日提案になりまして、この中で、地方公共団体議員及び長の選挙期日等臨時特例に関する法律案。これは委員会省略要求がございませんから、本日地方行政委員会に付託の手続をとりました。それ以外の外国為替特別会計資本増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案健康保険法の一部を改正する法律案特別職職員給與に関する法律の一部を改正する法律案一般職職員給與に関する法律の一部を改正する法律案。この四法案については、提出と同時に委員会審査省略要求書が出ております。
  53. 赤松勇

    赤松委員 どこから出て来たのですか。
  54. 大池眞

    大池事務総長 政府からです。これらの取扱い等について、御協議をお願いいたします。なおただいま御決定になりました国会議員歳費旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案につきましても、これが取扱いについて御相談を願いたいと思います。
  55. 椎熊三郎

    椎熊委員 第九臨時国会と本通常国会とはまつたく別な国会でありまして、政府が本日提案しておるものは、われわれは本国会においては新規提案と解釈する。しかも事は財政経済上に影響するところ甚大なものがありますから、愼重審議しなければならぬ。本国会に出した議案を、委員会の愼重なる審査省略するということは、あまりに粗漏に過ぎる。かくのごときことは悪例にもなりますから、政府要望いかんにかかわらず、あげて当該委員会にまわして、愼重審議の上決定して行きたい。しかしながら事実としてはすでに一回審査済みの問題でもあります。審査過程において不満の点はありましたが、一応形式的には審査の済んだ問題ですから、当該委員会における審査仕方等については、委員長その他委員の各位が適当に処理されて、なるべく迅速に上げるという点については、おのずから方法があろうと思います。案の取扱いとしては、こういう法律案委員会審査省略すべき問題ではないという原則論に立ちまして、私は一応全部委員会に付託することにいたしたいと思います。
  56. 石田博英

    石田(博)委員 これらの法律案は、本院におきましては委員会審査を終了し、本会議議決して、参議院に送付し、参議院においても委員会審査を経ておる議案であります。もとより愼重審議する必要も私は承知しておりますし、さらに本国会が前国会とはまつたく別個のものであることは、私どもも十分承知しております。しかしすべて急を要する問題であります。特に官公吏諸君給與に関する法律案は、できるだけすみやかに制定を見て、官公吏諸君に対して安心を與える必要もあるし、給與の増額もはからなければなりません。そのためには相当の準備期間も必要であります。従つて国会において愼重審議を遂げたことを、さらに愼重審議を加えなければならぬということは、逆に申しますれば、前国会審議愼重審議でなかつたという……。(「その通り」と呼ぶ者あり)われわれはそういう見解に賛同いたすわけに参りません。従つてども政府希望をいれて、委員会審査省略し、ただちに本日の本会議に上程されて、一日もすみやかに本議案成立希望する次第であります。
  57. 赤松勇

    赤松委員 さすがに審議権尊重決議案反対された自由党の御意見といたしまして、まことに価値のある貴重な御意見を拜聽しまして、驚いておるのでございます。これは先ほど椎熊君がおつしやつたように、臨時国会とこの通常国会とは違うのでございまして、第十国会におきましては、その手続を経て、委員会審議し、本会議で討議して議決するということが建前なんです。ことに国会法五十六條の條文から申しましても、「特に緊急を要するもの」となつております。石田君の言うところを聞くと、ベース・アツプの問題だから、緊急を要する問題だと言われます。それなら政府はなぜもつと早く出さないのか。せつぱ詰まつて、ろくろく人事委員会審議もさせないで、しかも参議院においては昨晩人事委員会諸君が、GHQの公務員制度課の課長であるシヤーヴアン氏とウイリアムズ氏に会いに行つたが、シヤーヴアン氏は昨夜旅行に立つたので、帰つて来てから、この点の修正余地があれば、これが審議未了になれば、その修正については十分に相談する。こういうことを言つておるのであつて社会党は今その手続をとつております。衆議院に対しましても修正を出そう、参議院においても同様に修正を出そうということになつております。案そのもの内容は、私が聞くところによれば、大蔵省が一方的にきめ、閣議で一瀉千里にきめて、あとで次官会議を開いたので、各省においても号俸調整その他の問題で非常な不満があつたということを聞いておる。これは人事院勧告上下差の問題、あるいは政府原案上下差の問題のほかに、号俸調整附則第二号というものが大きな問題を持つておる。單に金額の問題だけでなく、そういう重大な意味を持つておるから、この際はひとつ野党から――あるいは與党の側からも修正案が出るかもわからぬが、社会党の方で修正案準備をしており、おそらく民主党の方でも準備をされておると思うので、これを一応委員会に出させて審議をして、しかる後に正常な討議の状態でもつて会議議決を経るということにやらなければ、議会政治ルールがこわれて来る。きのう審議未了なつたものを、さよういきなり出して来て、委員会審議省略して、ただちに本会議に上程してくれというよう政府要求は、政府責任を感じていないことになる。審議未了になつたの政府責任なんだ。これは自由党自身も十分反省しなければならなぬ。(発言する者あり)それを本日突如として出して委員会審査省略して本会議に上程して、審議権を尊重しないということは、議会政治ルールを根本的に破壊するやり方であつて、われわれとしては絶対に反対だ。
  58. 石田博英

    石田(博)委員 非常に自分の方のことがおつしやりにくいことは、よくわかるから私の方で申し上げますが、参議院人事委員長社会党木下君です。(発言する者あり)本院において議了いたした給與法参議院に送付いたしたのは、二日のことであります。それが三日、四日、五日、六日、七日、八日、九日の午後に至るまで、ほとんど人事委員会を開かない。人事委員会を開かなかつたことは、実は社会党木下委員長がどこかへ逃げて、委員会を開かなかつたのだ。これは明らかにみずから審議権を放棄して、官公吏諸君給與を改善することに対して誠意がない証拠なんです。この責任は、あげて社会党諸君及び委員長――それの背後をとりまく所属政党諸君責任である。従つて責任は明らかに木下君及びその背後社会党にある。従つてわれわれはその責任論に応ずるわけに行かない。まつた違つた見解をとつております。従つてどもは一日も早くこの法律案成立を望むのであつて、そのためには、私どもとしてはやはり政府希望をいれて、委員会審査省略し、本日の本会議に上程されることを希望いたします。
  59. 椎熊三郎

    椎熊委員 どうも悪例になるようなことはやめたい。委員会の方は一瀉千里にやるにしても、とにかくひとまず委員会にまわして、正常なやり方をやつて、本会議審議するのが筋道であつて参議院の方のことをいろいろここで取上げることは筋違いです。参議院の方に言わせれば、多数党たる自由党が全部出席しないために、正式に委員会が開けなかつたと言う。責めは両方にある。他院のことをわれわれ干渉する余地はない。われわれ衆議院だけは正常な道をとろうじやないですか。
  60. 石田博英

    石田(博)委員 責任論のことはこのくらいでたくさんだと思いますから、これ以上は言わないことにする。
  61. 椎熊三郎

    椎熊委員 野党責任はない。ただ今後悪例を残すと責任ができるから、いい前例をつくる意味でわれわれは責任を負おうじやありませんか。
  62. 田中織之進

    田中(織)委員 この問題はきのうのきようということで、何らその間に隔たりがないように考えますけれども、きのうときようとは、大きな変化があることは事実なんです。まつたく新たなる情勢のもとに、内容は同じであろうと、政府提案して来ておる。特にこの問題については、大蔵大臣予算に関連して、給與法改訂について考慮するということも、参議院予算委員会かで政府を代表して言明しておる事実があるのです。そういう意味において、案そのもの内容に関する問題でありますから、私はこれ以上を多く申しませんけれども政府自身としてもこの案については重大な考慮を拂わなければならない責任を持つておる。特に一般職給與に対する法律案については、すでに生じておる新たなる情勢のもとに提出された案件であります。そこで先ほど椎熊さんからも言われましたところの、委員会審議を経て本会議に上程するようにということについては、新たなる情勢が生じておるということと考えて、本院においては新たなる角度において慎重審議する。ただ委員会審議やり方については、椎熊さんの言われましたように、委員長並びに委員諸君の努力によりまして、すみやかなる議了を期するということも、われわれ双事あげて賛成するのであります。その意味において、われわれはルールにのつとつてお考え願いたいと思います。
  63. 小澤佐重喜

    小澤委員長 各党のお考えも大体わかりましたから、この際暫時懇談していただきます。     〔速記中止
  64. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それでは速記を始めて……。
  65. 椎熊三郎

    椎熊委員 本日は第十国会召集日であります。第一回運営委員会におきまして、劈頭議長から懇切丁寧なるであいさつを頂戴しまして、むしろわれわれどもは恐縮にたえないところであります。国家内外情勢を見まするに、まことに緊迫した状況にあります。民主主義国家最高機関たる国会態度も、おのずからこの情勢に対応して、真摯なる態度をもつて国政運用の面に貢献しなければならぬことは当然でございます。従つて国会におきましては、われわれは党利党略に墮することなく、真に祖国日本再建のために、そのおのおのの立場を堅持しつつも、まじめなる態度をもつて終始したいと念願する次第でございます。従いまして本日劈頭政府から提案されました法律案につきましても、国会の権威を保持しつつ、なお審議過程における軌道を守つて、そうして正常な運営をして行きたい。その見地から、劈頭からどうも数の多数をもつて常道を乱すがごとき行動は、愼んでもらいたい。こういう見地野党連合相談の結果、本日政府より、委員会審査省略要求のある左の四件は、いかなる事情があろうとも、明十一日正午限り、当該委員会審査を終了し、午後一時より開会の本会議において討論省略の上採決する。  一、健康保險法の一部を改正する法律案  一、外国為替特別会計資本増加に充てるための一般会計からする   繰入金に関する法律案  一、一般職職員給與に関する法律の一部を改正する法律案  一、特別職職員給與に関する法律の一部を改正する法律案  以上四法律案は、ただいま申し上げた通りの決意をもつて臨みたい。従つてただいまの私の発言は、野党各派を代表して、誓約をするものでございます。
  66. 石田博英

    石田(博)委員 ただいま椎熊君からの御発言は、與党が数をもつて云々ということを除き、他は全部賛成でございます。
  67. 赤松勇

    赤松委員 実は召集日のきよう、突然政府の方から委員会審査省略要求がございましたことは、われわれ国会通常ルールの上から申しまして、その常識の欠けておる態度に対して非常に遺憾であつたのであります。ただいま椎熊さんが野党を代表されまして提案されましたが、法律案そのものについては、いろいろ社会党といたしましてはなお議論をしなければならぬ、あるいは修正案を出さなければならぬ点もあるのでございます。この国会運営ルールを明確にしかつそれを確立するという意味におきまして、政府要求に対し、本委員会が独自の立場から、先ほど椎熊さん御提案の趣旨非御賛成くださいますならば、日本社会党はこれに対して全力を上げて協力したいと思います。
  68. 小澤佐重喜

    小澤委員長 共産党、何かございますか。これは野党全部ですね。
  69. 石田博英

    石田(博)委員 こんなことは紳士協約で言うべきことじやないですが、これについては、本委員会は他の委員会を拘束しないなどというお話がないようにお願いいたします。
  70. 小澤佐重喜

    小澤委員長 各党代表という意味で伺つたわけです。それではお諮りいたしますが、ただいま椎熊君の御意見通り決定して御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではさよう決定いたします。     ―――――――――――――
  72. 小澤佐重喜

    小澤委員長 事務総長から協議したいことがあるそうですから……。
  73. 大池眞

    大池事務総長 実は今まで機会を失しておつたのでありますが、皆さんの御意見を承つて、最終的に決定をしたいと思います。それは專門員の格付の点でございます。御承知の通り本院並びに参議院の專門員を十五級職に変更いたしました際に、当時の規定によりまして審査の結果、十五級職の專門員になることに不合格な者が、参議院において十一名、本院において十二名ありました。その後参議院の方では三名が退職され八名残つてつたのでございます。本院では二名退職して十名残つてつたのであります。その後参議院の方では残つた八名について選考し、一名だけは選考漏れで調査員に発令がえになり、他は全部專門員に昇格しております。本院の方は、残つた十名は従来通り十五級職以下の專門員となつて取扱つておるわけでございます。ただいまでは十三級の專門員が二名、十四級の專門員が七名、その他非常勤扱いの者が一名という扱いになつております。参議院と本院が取扱いが違つておしりまして、参議院の專門員は全部十五級職、その十五級職も一号、二号、三号という規定上三つのクラスにわかれておりましたのを、十五の二ということにきめまして、その後上つた人も全部十五の二ということになつております。ところが本院の方はすでに十五級職に指定された方でも、十五の一の方が相当あるわけであります。そこで本院の專門員といたしまして、落ちました者の昇格の問題は別として、すでに十五の一にあります專門員については、参議院並に十五の二にしていただきたい。そうでないと、同じ專門員であつても、参議院衆議院に開きがあつて、低いような感じが持たれても困りますので、こういう要求があるわけです。これについては根本的な御議論もありましたが、前国会の召集の際に、常任委員長さんの御意見を伺つたところいろいろ議論はあるけれども、すでに参議院で十五の二に指定されておるのに、こちらだけそのままに置くわけにいかぬから、将来專門員になる者についての選考は、十分その格付に該当するように、取扱いについても御努力願うことにし、従来おる者は、やはり参議院並に取扱う方がよくはないかというのが多数の御意見でありました。そこで最終の決定としては、本運営委員会にお諮りを申し上げ、現在十五の一、二という区別がありますのを、一応参議院通り專門員は十五の二とするのが穏当であるから、同様に御決定願いたい。これは一月のべース改訂によりましてスライドして行く際に、十五の一のままで上るのと、二になつて上るのとでは、よほどそこに違いが出て参りますので、この際御決定つておきたいと思うのでございます。すでに專門員の資格がある者については、参議院並の取扱いを受ける、將来の問題についてはあらためて選考委員会で御決定を願う、こういうことです。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 田中織之進

    田中(織)委員 その点、私ども異議はありませんが、先ほど事務総長の御報告を承つておると、従来十五級職の專門員になれなかつた者の中で、参議院の方は相当昇格された人があるようであります。参議院と歩調を合すことも従来考慮されたと思いますが、その点についてはどうですか。
  75. 大池眞

    大池事務総長 その点を考慮するということも……。
  76. 田中織之進

    田中(織)委員 それを考慮されたいという希望を述べまして、ただいまのことに賛成いたします。
  77. 石野久男

    ○石野久男君 私の方も趣旨には賛成であります。あと十三級職、十四級職におられる諸君、非常勤の人が一名おるということですが、これに対してもそのまま放置することなしに、やはり考慮していただくよう希望しまして、賛成いたします。
  78. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではただいまの御報告のよう決定して御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 小澤佐重喜

    小澤委員長 御異議ありませんから、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  80. 大池眞

    大池事務総長 先ほどの政府提出四法律案につきましては、委員会審査省略要求が出ておつたのでありますが、これは都合によりまして撤回するという申出がありましたので、御了承願います。
  81. 小澤佐重喜

    小澤委員長 その問題は円満に片づきましたから……。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時三十五分散会