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1951-02-28 第10回国会 衆議院 外務委員会 第7号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十六年二月二十八日(水曜日) 午前十時二十九分
開議
出席委員
委員長
守島
伍郎
君
理事
北澤
直吉
君
理事
佐々木盛雄
君
理事
竹尾 弌君
理事
山本
利壽
君
植原悦二郎
君 菊池 義郎君 仲内 憲治君 中山 マサ君 福田 篤泰君
並木
芳雄君
武藤運十郎
君 砂間 一良君 高田 富之君 高倉 定助君 黒田 寿男君
出席国務大臣
法 務 総 裁 大橋 武夫君 文 部 大 臣 天野 貞祐君
出席政府委員
賠償庁次長
石黒 四郎君
外務政務次官
草葉
隆圓
君
外務事務官
(
政務局長
) 島津
久大君
外務事務官
(條約
局長
) 西村
熊雄
君
通商産業事務官
(
通商局長
)
黄田多喜夫
君
委員外
の
出席者
專 門 員 佐藤 敏人君 專 門 員 村瀬 忠夫君
—————————————
二月二十六日
委員山本利壽
君
辞任
につき、その
補欠
として北
村徳太郎
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月二十七日
委員北村徳太郎
君
辞任
につき、その
補欠
として
山本利壽
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月二十八日
山本利壽
君が
理事
に
補欠
当選した。
—————————————
二月二十四日
国際捕鯨取締條
約に
加入
することについて
承認
を求めるの件(條約第一号) 同 日
日本国民
の
活路確認運動
に関する
請願
(
宮腰喜
助君
紹介
)(第八五〇号)
阿波丸
の代
造措置促
進に関する
請願
(
岡田五郎
君
紹介
)(第八六九 号)
海外同胞救出国民運動強化
に関する
請願
(
北澤
直吉紹介
)(第八九六号) 移民問題に関する
請願
(
今澄勇
君外五名
紹介
) (第八九七号) の
審査
を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
理事
の互選
連合審査会開会
に関する件
—————————————
国際捕鯨取締條
約に
加入
することについて
承認
を求める件(條約第一号)
国際情勢等
に関する件
—————————————
守島伍郎
1
○守島
委員長
ただいまより
外務委員会
を開会いたします。 まず
理事
の
補欠選挙
を行いたいと思います。去る二十六日、
理事山本利壽
君が
委員
を
辞任
されましたので、
理事
が欠員とな
つて
おりますので、
補欠選挙
を行わなければなりませんが、これは先例によりまして
委員長
より
指名
いたしたいと思いますが、御
異議ぐざいませんか
。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
守島伍郎
2
○守島
委員長
御
異議
なしと認めます。御
異議
がなければ
山本利壽
君を
理事
に
指名
いたします。
—————————————
守島伍郎
3
○守島
委員長
次に
国際捕鯨取締條
約に
加入
することについて
承認
を求めるの件(條約第一号)を
議題
といたします。 まず
本件
について
政府当局
より
提出理由
の御
説明
を求めます。
草葉外務政務次官
。
草葉隆圓
4
○
草葉政府委員
鯨族
の保護、
増大
を目的とします
国際協定
の締結の必要につきましては、大分以前から提唱されたところであります。これに関しまする主要な條約として、一九三七年の條約を及びこれ修正する諸
議定書
がありましたが、
わが国
は
当事国
ではなかつたのであります。
わが国
は当初は準備不十分のため、
会議自体
に参加することができず、その後
留保付
で、たとえば
南氷洋
で使用された母船の
北太平洋
への
転用禁止
を留保するというような
留保付
で参加しようとするところまで来たのでありましたが、今次の
世界戦争勃発
によりまして、またさたやみと
なつ
たのであります。
捕鯨
に関しまして、戦後一九四六年十二月に、
ワシントン
で
捕鯨取締條
約が締結されました。今般
司令部
の一月十七日
付正式許可
がありましたので、
わが国
は
国際協力
の
立場
から、これに
加入
いたしたいと存ずるのであります。 この條約の
趣旨
といたしますところは、従来の
捕鯨協定
の
趣旨
を一層徹底したものでありまして、
各国
が競うて鯨を濫獲しましたために、
鯨族
が死滅に瀕しておりますることを認めて、
鯨族
の
捕獲
を過当に
制限
し、その
増大
をはかりながら、長い
期間
にわた
つて
最大の
捕獲量
を維持して行こうとするものであります。これがために
特定
の鯨の
捕獲
を
禁止
し、たとえばこく鯨だとか、
せみ鯨
というような
特定
の鯨の
捕獲
を
禁止
し、またたとえばひ
げ鯨
につきましては、
南氷洋
において十二月から四月までというように、
特定
の鯨につきまして
特定
の
期間
に、
特定
の区域についてのみ
捕獲
を
許可
しようとするものであります。これらの
禁止
なり
制限
は、この條約と不可分の一体をなしております
附表
に規定されておりまして、條約によ
つて
設定された
委員会
によ
つて
、随時変更することができることにな
つて
おるのであります。
わが国
は、現在
司令部
の
覚書
によ
つて
、特別の
許可
と、
特定
の
制限
のもとに
捕鯨
を営んでおるのであります。
司令部
の
制限
はこの條約の
制限
とほとんど同一のものでありまして、
従つて
この條約に加盟いたしましても、現在と違つたところの特別の
制限
を受けることはないのであります。 この條約の現
当事国
は、
イギリス
、
アメリカ
、
ソビエト連邦
、
フランス
、
オーストラリア
、カナダ、フインランド、ノールウエ一、
スエーデン等
十六箇国であります。この條約への
加入
は第十條の第二項によりまして、単に
アメリカ合衆国政府
に対して
加入通告
をすることによ
つて
完了するのであります。こういう
理由
によりまして
国会
の御
承認
を得ました上、ただちに
加入
の
通告
をなして、この條約の
当事国
たらんとするものであります。 何とぞ十分御審議の上すみやかに御
承認
賜わりまするようお願いを申し上げて、
提案
の
説明
といたします。
守島伍郎
5
○守島
委員長
お諮りいたします、
国際捕鯨取締條
約に
加入
することについて
承認
を求めるの件(條約第一号)につきましては、
水産委員会
より
連合審査会開会
の申出がありましたが、これを受諾するに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
守島伍郎
6
○守島
委員長
御
異議
なしと認めます。さよう決定いたします。 なお期日につきましては、
委員長
に御一任願いたいと思いますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なしと」呼ぶ者あり〕
守島伍郎
7
○守島
委員長
御
異議
なければさようとりはからいます。
本件
はこの程度にいたしまして次に……。
並木芳雄
8
○
並木委員
議事進行
。
国際捕鯨取締條
約は非常に重要な条約で、われわれとしては
外務大臣
にじきじき
質問
したいこともありますから、
水産委員会
との
合同委員会
でもけつこうです、必ず
外務大臣
が出て来るようにとりはから
つて
いただきたい。
守島伍郎
9
○守島
委員長
外務大臣
と
交渉
いたします。
—————————————
守島伍郎
10
○守島
委員長
次に
国際情勢等
に関する件を
議題
といたします。まず最近の
国際情勢
について
外務当局
より発言を求められておりますから、これを許します。
草葉政務次官
。
草葉隆圓
11
○
草葉政府委員
最近の
国際情勢
につきまして一、二の点を申し上げておきたいと存じます。 まず
スターリン
・
ソビエト首相
の
記者会見
についての
声明
の
内容
並びにこれに関する
各国
の
反響等
につきまして申し上げたいと存じます。 二月十六日、
スターリン首相
は二年
有余
の
沈黙
を破りまして、御
承知
のように
プラウダ記者
との
会見
においてその
質問
に答え、
ソ連
の
軍備増強説
、
朝鮮
の
戦局
、
国連
と
中共
、
戦争
と平和という大体四点について、その
見解
を明らかにしましたことが、
モスクワ放送
によりまして伝えられたのであります。その要旨は大体伝えられておる通りでありまするが、第一には、
イギリス
の
アトリー首相
が、
ソ連
は戦後も
軍備
を減少せずにますます増強していると述べたが、これはどうかという
質問
に対しまして、
アトリー・イギリス首相
の
言明
は
ソ連
に対する
中傷
と考えると答え、
ソ連
が戦後三回にわた
つて
復員している事実、平和建設と
軍備拡充
を同時に行うことは破産を意味するとなして、
ソ連
の
平和的建設
を強調いたした点であります。 第二は、
朝鮮
に対する
干渉
をどう考えるかという
質問
に対しまして、もし
米英
が最終的に
中共
の
平和提案
を拒否するなら、
朝鮮
の
戦局
は
干渉者たち
の
敗退
に終るのみと答えております。さらに、何
ゆえ米英
の
将校
は、
中国
・
朝鮮
の
将校
に比べて劣
つて
おるのだろうかという
質問
に対しまして、
将校
の質が劣
つて
おるというわけではなくて
米英
の兵隊が対日、対
独戦
の場合と異な
つて
、対
朝鮮中国戦
を正しくないと見ておるから、戦意がないためであると答えた。
朝鮮
や
中国
が自国の領土あるいはその
国境
の安全を守るために戦うのは当然であると強調いたしておるのであります。 第三には
中共
を
侵略者
と断じた
国連
の
決議
をどう思うかという
質問
に対しまして
台湾
を奪い、
朝鮮
に侵入して
中国国境
まで追
つたアメリカ
を
防衛者
とし、
国境
を守り、
台湾
の
回復
のために努力しておる
中共
を
侵略者
となすなどということは、
一片
の良心さえないことを示すもので、
国連
は
戦争
の道具と化し、その
侵略的仲介
をなしておるのは、
北大西洋條
約
加盟国
中の
国連加盟
十箇国と
ラテン
・
アメリカ
二十箇国であ
つて
、これらの国は
国連
で
戦争
と平和の運命を決しておると答えておるのであります。 第四には、第三次
世界大戦
は
不可避
と考えるかという
質問
に対しまして、現在のところでは少くとも
不可避
とは考えぬが、
戦争屋
が
国民
を欺満して
戦争
にかり立てることに成功すれば、
戦争
は
不可避
となるから、
平和擁護運動
は、今日
戦争誘発
の暴力をあばき立てる
手段
ととして、絶大な意義を有すると答えておるのであります。 以上の
スターリン首相
の
言明
は、過去二箇年
有余
の
沈黙
を破りまして、究然なされましただけに、
発表
の時期や
内容
につきまして、
ソ連
の意図が那辺にあるか
とい至
とについていろいろと臆測されたのであります。 なお戦後
スターリン首相
が国際問題に関しまして
意見
を
発表
いたしました
機会
をたど
つて
みますると、四六年の二月の総
選挙
のときに演壇に立つた以外は、
エリノア
・ルーズベルト、
スターリン
などの
会見
、それからウオーレスの
公開状
に対します回答、それから
外人記者
との
書面インターヴユー
の形によりまする関係で、
共産党機関紙プラウダ記者
との
会見
という形式でみずから所信を
発表
いたしましたのは四十六年の三月、
チヤーチル
の
フルトン演説
、いわゆる鉄のカーテンという
言葉
を初めて用いましたあの
フルトン演説
におきましてなしました
チヤーチル
の
演説
に対する反駁、四十八年の十月
ベルリン
の封鎖に対しまして、
アメリカ
の空輸が成功し始めましたころの
ベルリン
問題をめぐる
西欧
を非難いたしましたときになしましたのに次いで、今回が第三回目であると思います。この
声明
に対しまして
各国
に与えました
反響
を
中心
として、今回の
発表
を
検討
いたしてみますると、どうして今の時期に
発表
したかという時期に対する
検討——内容
は今申し上げました四つの点がおもだつた点と存じまするが、これらの
内容
についての
検討
という大体二つの点から、
各国
の
反響等
を
中心
にして
検討
いたしてみる必要があろうかと存じます。 第一の
発表
の時期につきましては、御
承知
のように最近の
朝鮮戦局
は、
中共
、
北鮮軍とも
にだんだん不利に傾きつつあります際でありますし、また
北大西洋
の
防衛態勢
の
具体化
は、これまただんだんと促進しつつあります際であります。また
日独
の再
軍備
の問題も相当問題にされて参りましたし、さらに東欧の
情勢
にかんがみまして、先般
アメリカ
が
ユーゴ援助
の方針を明らかにいたしましたのと、これらの点を考えて参りますと、
ソ連
の不利と見られる最近の
一般情勢
が今回の
声明発表
の重要な背景であろうと見られておりますが、
アメリカ国務省
の
スポークスマン
はこの点につきまして、この
声明
は来るべき第二回
平和擁護協議会
の
開催——
これはもう時間的に去る二十一日から二十六日まで
ベルリン
の
ソ連占領地区
で行われたのでありまするが、あの第二回
平和擁護協議会
に備えて、その
共産圏内
に最近
ソ連
に対する不満が高
まつ
たので、
世界
全部が歩調の乱れていることを示しながら、
ソ連圏
における失われた地歩の
回復
を企図したことをおもな
理由
としてあげておるわけであります。また
スフオルツア・イタリア外相
も、これは
アメリカ
なり
西欧国民
に対してなしたということよりも、
ソ連並び
に
衛星国
の
人たち
に対してなされたものであるからあまり重要視する必要はないと批判をいたしておるのであります。ことに最近四
大国会議
につきまして、その前提として
四国外相代理会議
が開かれることに進められつつありますが、この点に関連しまして
ソ連
は、この
代理会議開催
の場合、自分の有利に
会議
を導くためであろうという
観察
も行われております。また二月十一日、
イギリス
の
下院
で
アトリー首相
はイーデン前
外務大臣
の
質問
に答えまして、
イギリス
の
外交政策演説
の中で
世界
を緊張させ、
イギリス
を再
軍備
のやむなきに至らしめた真の
原因
は、
ソ連
の
帝国主義
にあることを明らかにいたしましたことを、
スターリン首相
が第一にこの点を取上げて、これを直接の契機とする形をと
つて
おると言われているのでありますその他
国連筋
では、
声明発表
の日が、
ちようど
最近採択されました
中共非難決議
に基きまして、
中共
に対する
制裁処置
を
検討
しますためにできました
集図処置委員会
が、第一回の
会合
を開く日でありますること、また同じくその
決議
に基きましてできました新あつせん
委員会
がやはり第一回
会合
を開こうといたしました日、これは実際は
メキシコ代表
の病気のために延期のやむなきに至りましたが、これらの同じ日であつたということが強く注目されるところであろうと存じます。 その
声明
の
内容
についての
反響
を見てまわりますと、
ソ連
の
軍備増強説
を英国の
中傷
として非難いたしました点につきましては、
アメリカ
、
イギリス
、
フランス
は一様にこれを強く反駁いたしまして、
ソ連
が多数の兵士を召集解除させたことは
疑い
ないが、現在
ソ連
の
兵力
は
西欧諸国
の全
兵力
を合せたよりもはるかに優秀であ
つて
、
西欧諸国
が自衛の第一歩を踏み出さざるを得なかつたのも、主として
ソ連
のこの
侵略政策
を恐れて、巨大な
兵力
の脅威を感じたからであるといたしまして、
ソ連
が
いくら曲説
を繰返しても、事実をおおい隠すことはできぬのであると言
つて
おります。
イギリス政界筋
では国防問題で
アトリー首相
が大多数の
支持
を得ましたことは、
ソ連
をひどく失望させて、
スターリン首相
は
アトリー攻撃
をいたして、直接
英国民
に呼びかけたものと観測しておる向きもあるようであります。第二に、
朝鮮動乱
に対します
見解
につきましては、特に
国際連合各国
の
代表部
におきまして、綿密な
検討
が加えられたようでありまして、
朝鮮戦局
の
現状
と照合せて、
スターリン首相
が今回特に
声明
を発したことにつきまして、
ソ連
の
極東政策
に何らかの変更が看取されないかが注目されたようであります。特にその中で注目を引きましたものは、もし
米英
が
中共
の
提案
を最終的に拒否するならば、
朝鮮動乱
は、
干渉者たち
の
敗退
に終るであろうと述べた点であります。これは
ソ連
が、
国連
が
中共非難決議
をも
つて
最終的に
中共
の
提案
を拒否したのではなくて、まだ
交渉
の門戸を開いておるものと見ておるかもしれないという意味で、今後の
中共
の出方なり
ソ連
の
態度
が注目されておるのであります。その他一部には、
干渉者
の
敗退
に終るであろうという点に着目いたしまして、
ソ連
が
中共援助
のために、あるいは本格的に
動乱
に介入いたして来るのではないかという悲観的な
観察
もあるようでありますが、これはあまり有力とは思えないようであります。 第三に、
国連
の
中共非難決議
に関する部分につきまして、まず、
中国
の
国境
に近い
朝鮮
を
侵略
した
アメリカ
、ということを言い、また、その
国境
を守り
台湾
を
回復
しようとしている
中国
、というような表現を用いまして、
国境
という字句が反復強調されていることが、たいへん注目されておるのであります。また
国連
の
侵略的核心
といたしまして、
北大西洋條
約
加盟国
中の
国連加盟
十箇国と
ラテン
・
アメリカ
二十箇国があげられているのも
関心
を引いているのであります。 第四に、
国際連台
が
戦争
の
手段
と化しつつあるという点を強非難しておりますことにつきましては、
ソ連
の
国際連合脱退
の
可能性
が一部に論ぜられているのでありまするが、
一般
にはこれは
ソ連
の
国際連合
に対する
非難罵倒
に重点があ
つて
、今ただちに
国連
を脱退するという
可能性
はないと考えられている説が多いようであります。 第五に、
最後
に、
戦争
は少くとも現在のところ
不可避
でないという点でありまするが、
ソ連自身
が
戦争
か平和かのかぎを握
つて
いると考えております
西ヨーロッパ側
では、異常な
関心
がこの点に注がれたようであります。
モスクワ
の
西欧外交官辺
は、これは一面において警告であるが、他面
世界
はまだ
戦争
を阻止する道を通り過ぎてはいないという
ソ連指導者
の
見解
の重要な宣言であると解しているのであります。デ・ガスペリ。
イタリア首相
はこの問題につきまして、われわれも同様の信念を持
つて
おる、しかし
ソ連
は平和への貢献を事実をも
つて
なすべきであり、示すべきであると信ずる、と述べまして、
自由世界
との
交渉
を断たれておる
ソ連
においてはとにかく、
西欧諸国
民にと
つて
は
スターリン
の
言葉
は
一片
の
宣伝
としか見えないだろうと語
つて
おり、
西ドイツ
の
スポークスマン
も同じように、
戦争
が
不可避
でないという点につきましてだけは満足を示しまして、その他の点につきましては、
ソ連
の融通のきかぬ
態度
がそのまま現われておるといたしまして、別にこれとして取立てていないのであります。なお四
大国会議開催
に関しまする
ソ連
の
覚書
その他で、最近
ドイツ
問題が相当重要視されておる際でございますが、この
会見
では従来の主張と異なりまして、
ドイツ
問題を全然取上げていないことが大きく注目されております。
アメリカ
の
国務省スポークスマン
は、
世界
の緊張の
原因
は
ドイツ
を
中心
としたものでないことを認めた点で、
スターリン首相
がわれわれと同じような
意見
であることは、この
会見
のたつた
一つ
の新しい特色であると述べておるのであります。四
大国会議
に関しまする
交渉
では、
イギリス
、
アメリカ
、
フランス
三
国側
は、
議題
を
ドイツ
問題だけに限定せずに、広範囲な
議題
を要求しておりましたやさきでありましたから、
ソ連
が
ドイツ
問題に言及しないことで四
大国会議
に含みのある
態度
を示したものと見られておるのであります。 大体これが
スターリン首相
の
声明
に対しまする
反響
でありまするが、この
機会
にこの
一つ
の
中心
とな
つて
おります二月十二日の
アトリー首相
の
下院
におきます
外交演説
は、その
内容
があまり伝わ
つて
おりませんので、次にこれに関係します分の二、三について申し上げておきたいと思います。第一は
イギリス
の
軍備拡充
がどういう
原因
であるかという点、第二は、
朝鮮
問題について、次は対
日講和
について、
最後
に
ドイツ
問題についての点を申し上げたいと思います。
アトリー首相
は
イギリス
の
下院
におきまして、二月十二日に
外交演説
を
行つたの
でありますが、第一には、
政府
は戦後一貫して
国際連合
の
原則
にのつと
つて対外政策
を行
つて
来たし、また今後も
イギリス
の
政策
の
基調
は
国連
の
支持
と、
加盟国
としての義務を引受けることにその
基調
を置いておるという点であります。一方
ソ連
及びその
衛星国
は、敗戦後
厖大
なる
軍備
を擁し、非
共産圏
に対して敵対的、
破壊的宣伝
を行
つて
おる。これこそわれわれが再
軍備
を必要と考えるに
至つた理由
であると申しております。 その第二は、
世界
には偽りの
平和宣伝
が行われており、あたかも全
世界
が非
武装
されていたのにかかわらず、突然一、二の国から再
武装
を始めたように言
つて
いるが、実際は
ソ連
とその
衛星国
の
厖大
なる
軍備
にわれわれは直面しておるのであ
つて
、彼らは戦後復員しないのみか、ますますその
軍備
を増強しつつあり、これが
世界
の大きな不安を結果しておる。特に
世界
の
情勢
を緊迫化したのは
朝鮮動乱
である。これは
世界
に再び
戦争
による
侵略
が現われたことを示すものであ
つて
、これこそ
国連
る対する
まつ
こうからの挑戦ともいうべきものである。 第三には、この
朝鮮動乱
に対しては、
国連
の
原則
にのつと
つて
、紛争の早期かつ
局地的解決
に努力して来た。
中共軍
の介入については、
中共
が
侵略
したことは
疑い
ないが、しかし
調停委員会
その他によ
つて解決
の見込みがつくまでは、
制裁
を加えるべきでないと考えておると申しております。 第四は、
朝鮮
の
戦局
が最近安定しておるので、
和平交渉
についてはよりよい
條件
にある。
政府
は
アメリカ国政府
と話し
合つて
、三十八度線を越えるかどうかという問題については、十分了解し
合つて
おる。
政府
は、
国連
において完全な了解に達するまでは、三十八度線を越えるべきでないという実際的な
見解
を出しておいた。さらに
政府
は、
極東問題解決
のための
交渉
が行われ、特に
台灣問題
が討議されることを期待する。極東問題の
全般的解決
のためには、問題を紛糾せしめている
根本原因
がどこにあるかということを十分に見る必要があ
つて
、そのためには
中共承認
、その
国連加盟
を希望するものである。
ダレス
氏の
日本訪問
は探求的なものであ
つて
、
政府
も、
アメリカ国
の
見解
については、若干
承知
しておる。
英連邦各国
の
意見
が十分聞き入れられることを主張したい、と申しております。 第五には、
西欧
の
防衛
については、特に
アイゼンハウアー元帥
の任命以来、
具体化
が促進されつつある。
ドイツ軍
を
欧州統一軍
の中に統合する問題は、困難な問題であるが、これは現在
各国政府
間で討議されつつある。 第六は、
ドイツ
の非
武装化
は完全に実施されたが、戦後
ソ連
が復員せず、
東独
を
衛星国
に入れて
警察軍
をつくり、これを軍隊として訓練をし、装備をしておるために、
欧州
は不安に陷れられ、
従つてドイツ
の再
軍備
問題は、
東独
の
現状
と照し合せて考える必要がある。
ソ連
と真の
合意
に達し得るならば、
ドイツ
の再
軍備
は重要でなくなるが、そうでない限り、
西ドイツ
を含む
西ヨーロツパ
の
防衛
を考慮せざるを得ない、と申しております。
最後
の第七は、
西ドイツ
の再
軍備
が許されなければ、
占領軍
がその
防衛
を受持たねばならぬが、これは実際的ではないのである。また非
武装化
で
占領軍
が撤退することも実際的ではない。残された道は、
ドイツ人
が
西欧防衛
の一翼として一体化されることであり、そのためには、第一に
ドイツ
再
軍備
に先だ
つて
、
北大西洋條
約
加盟国
の再
軍備
を急がなければならぬ。第二には、旧
ドイツ軍
の復活を許さぬように、
西欧統一軍
の中に一体化されなければならぬ。第三には、
ドイツ人自身
との
合意
の上に行われなければならないという、以上の点を二月十二日の
下院
における
外交演説
の中で強調しておるのであります。 次に対
日講和
の問題について、前会御報告後のことを申し上げたいと思います。
ダレス使節団
は、御
承知
のように十一日
日本
を立ちまして、
フイリピン
、
オーストラリア
、ニユージランドにおける
会談
を終え、二十五日
ワシントン
に帰られたのでありまするが、十二日
ダレス・キリノ会談
が行われ、この
会談
におきまして
賠償
問題、地域的安全保障問題、
台灣問題等
が詳細討議されたと
発表
されましたが、
ネリ・フイリピン外務次官
の語るところによりますると、
賠償
問題に関する限り、
アメリカ
はドアをあけておく
態度
をとり、
フイリピン
の
立場
と
日本
の
支払い能力
の点から、実行可能な
解決
を歓迎するだろう、といわれております。しかし
講和問題一般
については、双方とも何ら具体的な確約はなさず、
ダレス特使
は
フイリピン
の
見解
を考慮すると述べたにすぎなかつたと伝えられております。その後
キリ
ノ
大統領
が
国家最高会議
におきまして述べましたところでは、
キリ
ノ
大統領
は
ダレス特使
に対して、もし
日本
が
賠償
を支払えないならば、
日本
は、八十億ドルの
賠償要求
に対し、少くとも暗默の
承認
を与えるべきこと、
アメリカ
は
フイリピン
の
賠償要求
に対し、
道徳的支持
を与えるべきことを申し出たといわれております。 次に
アメリカ
、
オーストラリア
、ニユージーランド三
国会談
は、十五日から四日間キヤンベラで行われたのでありまするが、十八日
会談終了
後、
共同コミユニケ
が
発表
されたのであります。それは対
日講和
條約及び太平洋地域の安全保障問題に関する
アメリカ
、
オーストラリア
、ニユージーランド代表の、キヤンベラ
会談
共同コミユニケ
という表題のものとに
発表
され、次の諸点が強調されております 第一は、三国は問題の
解決
及び重点の置き方に相違はあるが、
日本
を力の真空状態に放置して、非友好的勢力によ
つて
容易に蹂躙されないようにすることが緊要であるという点で一致した。第二は、
日本
の軍国主義復活を防止するために、
日本
を民主主義の仲間に入れ、
国際連合
憲章の
原則
、特に国際紛争を平和的に
解決
するという
原則
を実行させるようにするという点で一致したこと。第三に、
日本
の再
軍備
の問題については、いかなる性質の
提案
も、
検討
しない考慮されなかつたこと。第四は、地域的安全保障とりきめの必要については、
オーストラリア
、ニユージランド代表によ
つて
強調され、
アメリカ
はこの
見解
に対して同情的な考慮を払つたということ。なお
日本
の再
軍備
につきましては、
ダレス特使
はキヤンベラに到着しました当日、記者団との
会見
で、私が
日本
に滯在中、日米間に
日本
再
軍備
についての討議は行われなかつたと述べております。かくて約一箇月にわたりまする太平洋諸国の旅行を終えまして、二十五日
ワシントン
に帰還いたしました
ダレス特使
は、記者団に対しまして太平洋諸国地域における平和と秩序と正義とを、積極的かつ協力的な行動によ
つて
強化する道が開かれたという確信を表明いたしましたが、
ダレス特使
は二十七日トルーマン
大統領
に対しまして、今回の旅行の成果について報告を行い、今後関係
各国
との協議をさらに続けられるものと思うのであります。特使一行が長途の旅行を無事終えられて、しかも多大の成果を收められましたことにつきましては、御同慶にたえないところでありまして、全
国民
衷心より感謝するところでありますと同時に、対
日講和
の急速なる促進に対しまして、今後の特使の活躍により、講和の締結される日の早からんことを心から期待する次第であります。
守島伍郎
12
○守島
委員長
それでは質疑に移りますが、質疑は
通告
順によ
つて
これを許します。まず竹尾君。
竹尾弌
13
○竹尾
委員
私はただいま
草葉政務次官
の
スターリン
声明
に関する
説明
に対して若干お尋ねしたいと思います。これはこの間もお尋ねしたのですけれども、
外務当局
は非常に愼重の
態度
をとられまして、ほとんど答弁らしい答弁をされなかつた。きよう前も
つて
お尋ねいたしますが、私の
質問
はきわめて常識的であります。常識的であるがゆえに、お答弁もそうむずかしい御答弁ではございません。そこで私の答弁に対して、ある程度の親切さをも
つて
お答えくださるかどうか、それをまず伺
つて
おきます。
草葉隆圓
14
○
草葉政府委員
御
質問
に対しましては十分御丁寧にお答え申上げます。
竹尾弌
15
○竹尾
委員
それでは私もひとつできるだけ親切にお伺いします。 まず第一に確かめておきたいことは、これは
質問
の
一つ
の前提でありますが、総理大臣兼外相は、今までしばしば衆参両院の本
会議
あるい
委員会
におきまして、安全保障について、外部からの
侵略
に対しては独力ではとうていこれを防ぐことができない、共産主義の侵攻に対して共同
防衛
しなければならぬ、こういうことをしばしば述べられておりました。なおこれは新聞の報道でありますが、
アメリカ
の方も長く
日本
と手を携えて共同
防衛
に当りたい、こういうことを言
つて
おります。そこで安全保障ということは
スターリン
声明
に関連いたしますが、主として共産主義の侵攻ないし脅威に対して、安全を保障するという意味でございましようかどうか、そこをひとつお尋ね申し上げます。
草葉隆圓
16
○
草葉政府委員
現在
世界
におきまする武力による攻撃あるいは
侵略
を行
つて
おりまする勢力が、いかなる政治的性格を持
つて
おりますかは、従来しばしば
国際情勢
あるいは
日本
の
立場
における総理の
演説
において申し上げた通りでありまして、周知のことであると存じます。これは御
見解
の通りであると思います。
竹尾弌
17
○竹尾
委員
それではそれで了承いたしました。 そこで第二にお尋ねいたしますが、
ソビエト連邦
はこれは一九四七年だと思いましたが、例のコミンフオルムの結成にあたりまして、それまで人民戦線の名のもとに
米英
と提携して、そうして当時のいわゆるフアツシヨ勢力と称する日、独、伊の打倒に当つた。これは打倒されたわけでありますが、ところが一九四七年のコミンフオルムの提携に際して、従来の人民共同戦線を放棄いたしまして、そうして
米英
との関係をはつきり断絶いたしました。そうしてコミンテルンの結成当時の
世界
政箇の遂行に乗り出して来た、こういうふうにと
つて
間違いないと思います。そこで今度の
スターリン
声明
は、さらにこの
世界
政策
の強行を裏づけるためになされた、こういうふうにとることもできる。
朝鮮
事件の
解決
にあたりましても、
中共
の介入はこれを
ソ連
は是認しておると見られるだろうと思います。こういう点につきまして、
外務当局
の御
見解
をひとつ確かめておきたいと思います。
草葉隆圓
18
○
草葉政府委員
全体の御
質問
の御
趣旨
は了承いたすのでありますが、ただ従来の
政策
を放棄して新しい
政策
にかわり、従来
米英
と提携しておつた
政策
、根本的な方針が新しくかわ
つて
来たということはあながち考えられない。これは本質的にやはり
世界
共産革命の一線に乗つた方法として、あるいは提携をし、あるいは強く出るといういろいろな
政策
的な転換であ
つて
、本質的なものではないと考えます。従いまして、
朝鮮動乱
に対する
中共
の介入を是認いたします点につきましては、これは同様である、御
見解
の通りだと思います。
竹尾弌
19
○竹尾
委員
私の言い方がちよつと要点を得なかつたかもしれませんが、私は人民戦線の戦術を当時のコミンテルンがとつたということ、それは暫定的な
一つ
の戦術でありまして、それを一九四七年のコミンフオルムの結成によ
つて
放棄した。従来のソビエトの
政策
は、一九一九年のコミンテルンの結成の当時、
一つ
の
世界
政策
としてこれを
最後
まで強行ずる、これはいわゆるコミンテルンの本質でありまして、それに立ち返つた。一九三五年のコミンテルンは第七回大会ですが、第八回大会ですか、ちよつと忘れましたが、その当時とられた人民戦線の戦術を一九四七年に放棄した、こういうぐあいに私はお尋ねしたわけで、政務次官が人民戦線の戦術が本質的である、こういうふうにとられることはちよつとどうかと思います。私のお尋ねはそうではない。従来のコミンテルン結成当時の
世界
政策
に立ち返りまして、そうして
米英
を
最後
に残された
帝国主義
国家であるとし、これを打倒して
世界
政策
を断行するのだ、そのために今度の
スターリン
声明
がその強行を裏づけるのではないか、こういうお尋ねなんです。
草葉隆圓
20
○
草葉政府委員
御
質問
の要旨はよく了承いたすのであります。
従つて
、さきに申し上げましたような状態の根本方針に基きまして、その
政策
、戦略戦術はそのときの社会
情勢
によ
つて
いろいろかえられる。この二月十六日の
声明
は、一方におきましては、ただいまも申し上げましたように、あるいは再
軍備
、
軍備拡充
の問題について、
イギリス
の
アトリー首相
に強くアツピールいたしますと同時に、一方におきましては、
国連
を強く非難して
戦争
の道具と化したと言い、あるいは一方におきましては、しかしこの
戦争
は避けることもできないものではないという点を強調いたしておるのでありまして、この点に対しましては、
戦争
の
不可避
という問題は、
西ヨーロツパ
諸国並びに
世界
諸国は、その主導力がソビエトにあると解釈して、この
言葉
を強く注目いたしておると存じます。従いまして私どもも第三次
世界大戦
に発展するという
可能性
につきましては、十分人類の幸福のためにも、この
スターリン首相
の
言葉
が、誠実に実行されることを望んでおるのであります。しかしただこれが
一つ
の
政策
の上に現われまするものでありまするから、今後の
情勢
の推移に十分な
関心
を持たれると存じます。
竹尾弌
21
○竹尾
委員
それでは第三のお尋ねに移ります。ただいま政務次官の御報告にもありました通り、
アトリー首相
が
ソ連
の
軍備
の増強を非難しておる。それから最近の新聞電報で見ましても、バイカル以東の
ソ連
の極東軍は非常に
厖大
にな
つて
おる。五十万といわれ、飛行機二千台といわれておる。こういう点について一衣帶水の地位に置かれておるわれわれといたしましては、特に
外務当局
としては、そういうような点について、具体的に極東の
軍備
ということについても、相当御調査をされるのではないかと思われますが、この点につきまして、できますれば
外務当局
の御
説明
をお願いいたしたいのであります。
草葉隆圓
22
○
草葉政府委員
報道ではただいまお述べになりましたように、いろいろ報道され、あるいはすでに
日本
をめぐつた包囲態勢が二月をも
つて
でき上るというような報道等もあるようでございまするが、しかし外務省といたしましては、それらの報道は報道として
承知
いたします以外に、何ら確報をつかみ得ない状態であります。
従つて
これに対する明確な
現状
をお話し申し上げる材料を持ち合せない次第であります。
竹尾弌
23
○竹尾
委員
そういたしますと、外務省としてはそういう調査にほとんど何も手をつけておらない、こういうことになりますか。
草葉隆圓
24
○
草葉政府委員
御案内のように在外公館を持ちませんので、直接
日本
の
政府
としてこれをキヤツチする、調査をする具体的な方法を持たないことを御了承願いたいと思います。
竹尾弌
25
○竹尾
委員
その調査の具体的な方法を持たれないというとこは了承いたします。しかし何か外務省として調査をされておらなければならぬはずですが、それも全然ないのですか。
草葉隆圓
26
○
草葉政府委員
それはいつかも御答弁申し上げましたように、直接の耳がないとか、手がないところにおきましても、あらゆる感覚を利用して
世界
の移推につきましては勉強いたしておる次第であります。
竹尾弌
27
○竹尾
委員
その点はそれではあまり追究いたしません。 それでは第四に、これは新聞報道でありますけれども、来月御
承知
のように米国の州兵二個師団が
日本
に来る、あるいは安全保障のためであればさらに米軍を増派する、こういうような報道があるのであります。マツカーサー元帥はこの間ニユーヨークで開かれた反共大会にメツセージを送りまして、これも新聞の報道でありますが、共産主義の脅威を警告いたしまして、アジアの戦場で共産主義を徹底的に打破しなければ、アジアは全部共産主義の支配下に置かれる、こういうようなことを言われておるのです。これらの事実は当然
日本
の再
軍備
と、それから今問題にな
つて
おりまする太平洋同盟の結成に具体的な関連を持たざるを得ないと思います。
アメリカ
と共同
防衛
に立つ
日本
の決意いかんということが、ここでもやはり問題になろうと思いますが、この点につきましてさらに
外務当局
の御
見解
、心構えをひとつお聞きいたしたいと思います。
草葉隆圓
28
○
草葉政府委員
この点に関しましては総理大臣もしばしば
演説
をいたし、あるいは御答弁を申し上げました通りに、
日本
としましては自国の
防衛
に対して
国民
全部が愛国の熱情に燃えながら、これに当るということは、これは最も本質的な問題であると存じますし、またこの本質的な
日本国民
の心構えは永続するものであると期待いたします。
竹尾弌
29
○竹尾
委員
それでは第五に、
スターリン
声明
の中で、今おつしやられた通り、全
世界
の人民が平和擁護の道を守り、これを
最後
まで守りぬくという
條件
が備われば、大体
世界大戦
は回避することができる、こういうように言
つて
おる。これは
ソ連
の得意とする、いわゆる平和攻勢の
宣伝
であるというぐあいにもとれましよう。彼らは、いわゆる平和攻勢が平和への道ではなく、われわれの見方によればこれは
戦争
への道である、そうして彼らの
世界
政策
遂行のために、反面のそうした実践を行
つて
おるというふうにとる向きが非常に多いと思います。今パリに本部を置きますいわゆる
世界
平和擁護者連盟、この連盟が全
世界
的に手を伸ばしまして、あるいはニユーヨークに、あるいはパリに、
モスクワ
に、
日本
に、そうした
世界
平和擁護者大会を開いております。この影響は特に
日本
においても見のがし得ないことであろうと私は思いますが、このいわゆる
ソ連
の平和攻勢に対して、何か、
日本
として手を打つべきではないかとも考えられますが、この点につきまして当局の御
意見
を承りたいと思います。
草葉隆圓
30
○
草葉政府委員
お説のように
世界
平和擁護連盟ないし協議会、あるいは
世界
平和
会議
等が逐次開かれて、昨年は十一月、ポーランドで行われ、第二回は、つい二十六日をも
つて
終了いたしました状態であります。この前後におきましても、あるいはストツクホルムにおきまする大会、この
決議
に現われたストツクホルム・アツピール等によりまして、
世界
平和運動が強く
世界
に行われておりますことは
承知
をいたしております。またこれが
一つ
の共産主義運動の平和運動としての一環をと
つて
おることも私自身
承知
をいたしておりますが、しかしこううい運動に対しまして、
日本
政府
がこれをかれこれ言う
立場
でもありませんし、現在
日本
政府
としてはこれに関していかような方法もとり得ないことは御
承知
と存じます。
竹尾弌
31
○竹尾
委員
これは
最後
のお尋ねになりますが、ただいまの
スターリン
声明
に関する御
説明
の中で、
ソ連
のこの
声明
が
国連
脱退の
宣伝
である、そうした説はあまり
支持
できない、こういうようなことがございましたが、対立が激化すれば、あるいは
国連
から
ソ連
が脱退しないということは、これは保証できないと思いますが、その点について当局の御
見解
はいかがなものでしようか。
草葉隆圓
32
○
草葉政府委員
これは先にも御
説明
申し上げましたように、一部の評論あるいは
見解
の中には、
国連
脱退をにおわせる伏線ではないかというように解されておる向きもあるようでございますが、これは多くの与論の協力を得ておるという程度に至
つて
いないので、
従つて
おそらくこれは今後の問題でありますので、私どももこれに対してかれこれ批評することはできないのでありますが、大体
世界
全体のこれに対する批判、輿論といたしましては、
ソ連
が
国際連合脱退
という意思の前提ではなかろうということが、多くの批判の一応の結論ではないかと存じます。
竹尾弌
33
○竹尾
委員
外務当局
としてはいかがでございますか。
草葉隆圓
34
○
草葉政府委員
外務当局
がこれを批判することはどうかと思いますが、私どもも多くの結論に大体同感し得ることではないかと考えます。
竹尾弌
35
○竹尾
委員
これで私
質問
を終りますが、外務省といたしましては最近非常に親切に御答弁くださいまして、私ども多いに満足いたします。
守島伍郎
36
○守島
委員長
仲内君。
仲内憲治
37
○仲内
委員
私は先に
通商局長
にお尋ねしたいと思うのですが、
日本
繊維協議会の当
委員会
に対する陳情によりますと、
わが国
の繊維製品の南アフリカ連邦向け輸出に対して、従価五〇%の輸入関税を課せられておる。これがため
わが国
の毛織製品及び綿製品は、ほとんど南阿向けの輸出が杜絶の状態にあるということでありますが、はたしてこれが事実であるかどうか。
黄田多喜夫
38
○黄田
政府
委員
もし現在それが事実であるかとおつしやいますと、事実ではございません。もう少し詳しく御
説明
申し上げますと、南阿連邦は八月二十五日に、ある種の商品に対して最高関税を課するという措置をとつたのであります。その適用を受けました国は、関税及び貿易に関する
一般
協定、いわゆるガツトと申しておりますが、それの非参加国、それから南阿連邦と貿易協定を結んでいない国に適用されるのであります。それらの国々はすなわち
日本
、メキシコ、ポルトガル、
西ドイツ
及び
ソ連
の
衛星国
ということになるわけであります。その結果といたしましては、
わが国
の羊毛製品の輸入関税は、ただいま仰せになりましたように、おおむね約一〇%から五〇%、綿製品は一〇%から三五%に引上げられたのであります。その結果といたしまして、
わが国
の綿製品及びなかんずく羊毛製品、これは南阿は
わが国
の一番大きな得意先でありますが、これらの輸出が非常に停頓いたしまして、羊毛製品のごときはほとんど契約ができないというふうな状況に立ち至つたのであります。
日本
政府当局
といたしましては、これが撤廃にあらゆる努力を払つたのであります。これは通じ得るあらゆるチャネルを通じましてその撤廃に努めたのであります南阿
政府
の回答は、今回の南阿
政府
の関税の引上げ措置は、
一般
的に最惠国並びに特惠国以外の国を対象としたものであ
つて
、
日本
に対する差別待遇では絶対にないということ、それからその
理由
といたしましては、国内産業保護のためにとられたものであるということ。それから
西ドイツ
はその後除外されたのでありますが、これを除外いたしたのは、一九四八年のガツトの
加盟国
の署名している
西ドイツ
に対する最惠国待遇に関する協定というのがございまして、結局
西ドイツ
をガツトの
加盟国
に招請するというふうなことがございました結果、その協定に
従つて
西ドイツ
を除外した。決して
日本
政府
そのものを単独にねら
つて
、悪い特別待遇をやつたわけでは絶対ないわけでありますという回答があつたのでありますが、その後もいろいろ努力をいたしました結果、ことしの一月二十日になりまして、南阿の
政府
はある種の
日本
品に課税したところの高い輸入関税を引下げるということを
発表
いたしました。その結果綿布のうち、あるものは最高五〇%から二五%、それから羊毛製品中のあるものは最高五〇%から二五%、それぞれ引下げられるということにな
つて
おります。
仲内憲治
39
○仲内
委員
ただいまの差別待遇でないという御
説明
はとにかくとして、要するに
日本
が南阿連邦と特惠もしくは最惠国協定がないということが一番問題であると思うのであります。今の御
説明
にもありましたように、同じ占領下にある
西ドイツ
は、すでに昨年の十月以来高率関税を除外されておるという事実があるにもかかわらず、
日本
は何ゆえにこの恩惠に均霑できないか。これは要するにガツト協定に参加しておらないということでありましようが、何ゆえにガツト協定に
日本
が
西ドイツ
と同様に参加することを認められないか、その点伺いたい。
草葉隆圓
40
○
草葉政府委員
西ドイツ
につきましては今
局長
からも御
説明
がありましたが、一九四八年の九月に十三箇国の間で
ドイツ
の輸出品に対しまして、最惠国待遇を与えるという
趣旨
の協定が成立いたしました。また
イギリス
、
フランス
、ギリシヤ、トルコ、アイルランド、イタリア、韓国、この諸国はそれぞれ米国との個別協定によりまして、最惠国待遇を与えることを約束したのであります。南阿連邦はさきに御
説明
のあつた通りであります。
わが国
につきましては米国が過去三回にわたりまして——一九四九年の第三回総会、それから五〇年の二月から四月まで行われました第四回総会、それから昨年の十一月から十二月までに行われました第五回総会、この過去三回にわたりましての各総会に対しまして、
わが国
の輸出品に対する最惠国待遇の許容を
アメリカ
が
提案
してくれましたが、実はその都度不成立に終
つて
おるのであります。
アメリカ
との個別的協定によりまして最惠国待遇を約しておりまするのは、ギリシヤ、トルコ、アイルランド、イタリア、韓国の五箇国であります。貿易協定によりまして同様の待遇を与えることを約しておりますのは、ビルマ、パキスタン、
台湾
、タイ、
フイリピン
、インドネシアの六筒国であります。ただいまお話のように、ガツトの加盟ということは、その総会に
わが国
を招請することを決定する必要がありまして、この決定がされてからこれに参加をする、こういう順序に相なるのであります。
仲内憲治
41
○仲内
委員
この問題の
解決
は、要するに
日本
がガツト協定に参加を待つのが本筋の
解決
であると思うのであります。ひとり関税の問題に限らず、講和を迎え、そして経済自立を念願する
日本
としましては、要するに国際経済協定すなわち国際貿易憲章を初めとし、このいわゆるガツト——関税並びに貿易
一般
協定に
加入
することが、一番望ましい
解決
方法であると思われますし、またいわゆる
ダレス
七
原則
の第五項にも、新しい通商條約の締結に至るまで、
日本
国は通常の例外を除いて最惠国待遇を連合国に与うるということを
提案
されておるのでありますが、これはその裏返しとして、同時に
日本
にも相互的に相互主義の
原則
に基いて、最惠国待遇が与えられるものとわれわれは了解するのであります。現に最近は総
司令部
のメモランダムによりまして、来月の半ばから連合国の多数の国々と直接
交渉
の権限が与えられるように報道せられておるのでありまするが、講和前におきましても、この新しい
覚書
に基いて、こうした協定への参加についての努力を、
政府
は続けられる方針であるかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。
草葉隆圓
42
○
草葉政府委員
御
質問
の御
趣旨
はよく了承いたすのでありますが、ただいまも申し上げましたように、ガツト総会が国際関税
会議
に
わが国
を招請する必要があるのであります。しかし今申し上げました昨年の十一月から十二月に開かれました第五回総会では、かような決定はなされておらないのであります。
従つて
第六回総会が本年の九月にジユネーヴで開かれることにな
つて
おりまするが、国際関税
会議
は今のところ近い将来開かれる見込みは少いのであります。それは実はアチソン国務長官が二月二十三日
下院
におきまして、一九五四年の六月までの間は、大規模な国際関税
会議
は行われない模様であるという
趣旨
のことを
言明
されたのであります。
従つて
第六回総会におきまして、次回の関税
会議
にあた
つて
日本
を招請することが決定いたしましても、アチソン長官などの
言葉
を
検討
いたしますと、必ずしも五四年とは申さずとも、幾分か
会議
の開催期日が遅れるのではないかと予想されるのであります。こういう意味におきまして、御
趣旨
の点は十分了承いたしまするが、事務的ないろいろな手続等の問題が以上申し上げたように起
つて
参りますので、この点御了承願いたいと思います。
仲内憲治
43
○仲内
委員
そうすると、
日本
が現在最惠国待遇を受けておる国は、どことどこでありましようか。
草葉隆圓
44
○
草葉政府委員
さつき申しましたようにギリシヤ、トルコ、アイルランド、イタリア、韓国でありまして、貿易協定によりまして同様の協定を与えておりますのは、ビルマ、パキスタン、
台湾
、タイ、フィリピン、インドネシア、以上の六箇国であります。
仲内憲治
45
○仲内
委員
主要な国でまだ
日本
に最惠国待遇を与えておらない国が非常に多いと思います。また今度の総
司令部
のメモランダムでは、直接
交渉
のできる相手のうちに、南阿連邦は入
つて
いないように思うのであります。これはおそらく英本国との折衝ということであろうと思いますが、この英本国に対して、この問題の
解決
ないしは英本国と
日本
との最惠国待遇についての話合いをする用意がありやいなや、お伺いいたしたいと思います。
草葉隆圓
46
○
草葉政府委員
これはお話のように貿易の進展上最も大事な問題でありますから、
政府
はできるだけの方法を講じたいと存じまするが、ただ関税等の問題は、先ほど申しましたような問題を含んでおりますので、いろいろと問題があろうと存じまするが、御
趣旨
の点をよく了承いたしまして、つとめて御希望に沿うようにはいたしたいと存じております。
仲内憲治
47
○仲内
委員
もう一点
最後
に、講和條約も近づき、また在京
各国
代表との直接折衝も認められるという段階に達し、しかも
わが国
経済自立達成のためには、
各国
との貿易、通商の関係の深い国とできるだけ早く通商協定を結ぶ、あるいはまた講和前においても、ただいまお述べに
なつ
たガツト協定、ブレトン、ウツズ協定あるいはパナマ憲章への参加を要請するというような、講和後の経済自立に備えての準備が、今日においてきわめて必要が多いと思うのであります。この点にかんがみまして、
日本
の国際通商の基本的方策を立てる必要があることはもちろん、できるだけこれが実現に努力を開始すべき段階にすでに達しておるというように思うのでありますが、そのためにはいわゆる多くの国々との通商折衝、通商協定の面に積極的に準備を整え、できるものは実現するという態勢を整える上において、現在の外務省の機構ではあまりに貧弱ではないか。できるなれば、この際従来の通商局というものを——、今日通産省に通商局はありまするが、もうすでにこれの性格とはおそらくわれわれは違つたものと了解しておるので、外務省の従来のいわゆる通商局、この通商局の設置ないしはこれらの観点かちする外務省の機構の整備の刷新について、特に政務次官から御
意見
があれば伺いたいと思います。
草葉隆圓
48
○
草葉政府委員
お話の点はよく了承いたすのでございます。また講和前に交易協定締結権を
日本
に移すというようなことは、実は問題自体がまだ
具体化
しておらないのでありますし、
従つて
機構の整備につきましても、そういう関係から現在のところ、御
趣旨
はよく了承いたしまするが、具体的な考えを持
つて
おらないであります。但し、
一般
的に講和に関連いたしましたいろいろの機構問題につきましては、現在外務省として十分これに即応する整備を整えねばならないと、目下十分
検討
を加えておる次第であります。
植原悦二郎
49
○植原
委員
ちよつと関連して……。仲内君のただいまの御
質問
に対して南阿の
日本
に対する関税ですな、ガツト協定があるとかないとかいうためのお
言葉
であつたと思いますが、形式上はその通りだと思います。ただ特に注意を要することは、南阿に対する羊毛の英国との競争は
日本
だ。そこで形式はそうだが、実質は
日本
のねらい撃ちだ、と、こう解釈すべきじやないかと思うのです。そうすればその見地から将来の問題を考えなければならないと思うのですが、形式はなるほどそれで一応弁明はできますけれども、ほかに南阿に対して羊毛品を入れる国はないのですから、今御指摘に
なつ
た国々のうちで、結局英国との競争権は
日本
が一番多いんだから、つまり繊維品に対してそういう名目のために
日本
に対して特殊扱いをしたものであると解釈して、将来の策を立てるべきではないかと私は考えます。あえてお答えはせないでも、その点は今御注意を願
つて
おきたいと思います。
草葉隆圓
50
○
草葉政府委員
十分今の点は了承いたす次第であります。
守島伍郎
51
○守島
委員長
文部大臣がお見えになりましたが、文部大臣は午後のお約束があるのでお急ぎになるそうでありますから、順序を違えまして北沢君に発言を許しますが、文部大臣に対する発言を先にして、ほかのはあとにして……。
北澤直吉
52
○
北澤
委員
私は文部大臣に対しまして日米文化の交流の問題につきまして伺いたいのであります。先般
ダレス特使
が
日本
に参られまして、吉田総理との間に講和に関連する各種の問題について、お話があつたのは御
承知
の通りでありますが、
ダレス特使
が
日本
を去るにあたりまして
声明
を出されまして、その中には、われわれは両国文化関係の発展について話し合つた、われわれが将来求める両国関係は、単なる契約上経済上の結びつきにとどまらないで、両国間には人間的な友好と相互尊重の感情が必要である、われわれは両
国民
が相互に知識、文学芸術の結晶を吸收し、創造的持続的な精神力の根源をわかち合うことによ
つて
、両
国民
が利益を与えられるような協力関係が生れることを待望しておる。これが
ダレス
さんの
声明
でございます。そこで、この
ダレス特使
と一緒に参られましたロツクフエラー氏があとに残りまして、
日本
の各方面の
人たち
とお話合いにな
つて
、その結果、ロツクフエラー氏が
日本
を去るにあたりまして、これも
一つ
のステートメントを出しておるのであります。それによりますと、
日本
で日米文化の交流について各方面の專門家とよく話し
合つて
、自分は非常に興味が深かつた、その中で特に自分が有望であると思つたのはこういうことである、とこう申しまして、第一は日米間の人の交流と申しますか、こつちから留学生を送るとか、向うから交換教授をよこすとか、こういうような日米間の人の交流、こういうことは非常に重要であるから今後ともその人をふやしたい、特に若い人々に重点を置いてやりたい、こういう点を強調しております。それから日米間の文化交流の機関として、いわゆる文化センターと申しますか、インーフオーメーションセンターを置く、こういう考えが
一つ
出ております。それから外国から
日本
に学者が来た場合に、
日本
の学者と共同して研究をするセンターをつくる、こういう点をあげております。それから両国間の美術品の交換という点をあげております。
最後
に、書物の飜訳の問題がこれまで非常に日米間の文化の交流に障害をなしておつたのだが、飜訳出版の問題についても努力したい。こういうふうに具体的に日米文化の交流について
意見
を出しております。この
意見
については自分は
アメリカ
へ帰つたあと、
ダレス特使
に勧告したい、こういうふうに述べられているわけでありますが、こういう具体的な日米間の文化の交流の方法について、文部大臣はいかにお考えにな
つて
いるか。それからまたこの具体的な案を一体今後どういうふうに
日本
側としてお進めになるお考えでありますか、伺いたい。
天野貞祐
53
○天野国務大臣 私は先ごろ衆議院の予算
委員会
でも
つて
こういう
意見
を述べました。すなわちただいま申されたこととほぼ一致することでございますが、どういうことによ
つて
文化の交流ということをやるかというならば、私が望むことの第一は留学生制度の確立である。また第二には教育、学術及び文化に関する資料の交換。第三番目には、教職員、研究者その他の文化関係者の交換である。第四番目には文化アタツシエの設置である。第五番目には著作権の問題。こういうことを述べましたが、ただいま伺います点もほぼこれと一致いたしていると思
つて
おります。こういう点は、たとえば留学生の交換というようなことも、すでに
フランス
とも、平和條約はできませんけれども、行
つて
いることでございまして、私は非常にこれが両国の文化の上にも、また
国民
相互の了解という上にも役立
つて
いると思
つて
おります。だから今後もそういうことを
アメリカ
ともや
つて
行くということ、これはそうむずかしいことでなくてできる。また教授の交換というようなことも私はそう困難なくしてできることで、現に
アメリカ
からたくさんの教授が来て、こちらの大学でみなや
つて
おるのですからして、そういう点も今後そう困難なくて行われると思
つて
おります。ただ飜訳権のことなどは、これは困難があるかもしれませんが、これもどうにか打開して、飜訳というようなものが自由になされるようにすること。また文化アタツシエの設置ということでも、そうむずかしいことではなくできることではないか。今あげられたような諸点は、規模の大小はしばらくおくとするならば、そうむずかしくなく実現できることだと私は思
つて
おります。
アメリカ
から学ぶべきことも非常にあり、同時にまたわれわれの文化の持
つて
いる特色、そういうものもこちらから向うに伝達するに値することが多々あると信じております。そういう意味で文化の交流が行われれば、両国の了解にも役立ち、非常によいことではないか。ただいま述べられたような諸点はすべて賛成でもあるし、またその実現を期することは、必ずしもそうむずかしいことではないと私は思
つて
おります。
北澤直吉
54
○
北澤
委員
ただいま文部大臣のお話にありましたように、日米文化の交流でありますからして、向うからばかりもらうのではなくて、こちらからも与えなければならぬわけでありまして、この点は現にロツクフエラー氏が立つ前に、私も一時間ほどお話する
機会
があつたのでありますが、ロツクフエラー氏もこう言
つて
おりました。科学の面においては
アメリカ
は
日本
に与えるものがあるが、哲学とか美術——アートというものにつきましては、
アメリカ
は
日本
に学ばなければならぬ点がたくさんあるから、日米文化の交流というのは相互的に行くのだ。一方からだけ与えるのではなくして、お互いに与え得る関係にあるのだからして、そういう相互的な関係において両国の文化の交流をや
つて
行きたいという話をしておりました。 そこでお伺いしたいのは、留学生の交換等の問題でありますが、現在
日本
の留学生が
アメリカ
に行く場合におきましては、大体ガリオア資金で行
つて
いると思うであります。これが講和條約ができまして、ガリオア資金等がなく
なつ
た場合におきましては、
アメリカ
へ行く
日本
の留学生は、
日本
政府
の費用でやるようにお考えでありますか。それとも米国の方からある形式の援助を受けて、あるいはロツクフエラー財団の援助とか、そういうふうな関係においてやるお考えでありますか。その点を伺いたいと思います。
天野貞祐
55
○天野国務大臣 ただいまおつしやいましたように、科学とか技術という点においては、われわれは大いに学ばなければならぬけれども、しかし同時にまたこちらから向うに伝えるに値することは多々あると私は思
つて
おります。ことに思想、芸術というような面においては多々あると思
つて
おります。そういう点はすでに申し上げた七とでございますが、留学生を出すことについて、一体それは
日本
の金であるのか、向うから何か援助を受ける考えなのかというお尋ねでございますが、私の考えとしては、向うがこちらに積極的に補助をしてくれようというならば、喜んでそれに応じたいと思います。しかしこちらから向うにそのために金を出してほしいと言うことは、国家としては言う
立場
にないと私は思
つて
おります。金持ちを見れば、すぐ何か寄付をほしいというようなこじき根性では、とうていこの
日本
国は立ち行かないと思
つて
おります。
従つて
自国の力でやれば、今までのようにたくさんの留学生は出せないでしようが、国力の及ぶ範囲で留学生を出せばいいのだ。しかし向うから好意ある提供を受けるならば、それはもちろん喜んでお受けしたいという考えでございます。
北澤直吉
56
○
北澤
委員
ただいまの大臣のお話では、向うから援助してくれるというならば喜んで歓迎するが、こちらからそういうものは要望すべき筋合いではないという点は、私は全然同感でございます。そうしますと、日米文化の交流につきましては、
日本
側としても予算をと
つて
やらなければならぬと思うのであります。もちろん向うから援助があればいいと思いますが、そういうものがない場合におきましても、両国の友好関係を増進するという意味におきまして、私は文化の交流面において相当経費が必要だと思うのであります。ところが二十六年度予算を見ましても、日米文化の交流という方面に対する費用は、予算に計上されておるのが非常に少いと思うのであります。両国の友好関係を画期的に増進しようということにな
つて
おる今日におきましては、今回衆議院を通りました二十六年度の予算ではやむを得ないのでありますが、文化の交流について、もつと画期的な予算を計上するように、特に文部大臣の御努力をお願いしたいと思いますが、その点についてお伺いいたします。
天野貞祐
57
○天野国務大臣 ただいまでも
アメリカ
から来る教授のために四千八百万円計上しております。ただ留学生の費用としては、それに対する事務費のようなものしか計上しておりませんが、しかし計上はしております。今後も十分なことは
日本
の経済状態においてできませんけれども、ある程度のことはできると私は思
つて
おります。
北澤直吉
58
○
北澤
委員
結局今後
日本
の進み方としましては、この間も総理が議会でお述べになりましたように、結局
日本
と
アメリカ
が共同して共産主義の
侵略
に対抗して行くということになるのでありまして、政治、経済あるいは文化各方面におきして、今後両国の関係をますます緊密にすることが、私は特に必要だと思うのであります。特にその中で最も必要なことは、何と申しましても、その底に流れるところの両国
国民
の精神的な結合だと思います。もちろん経済的にも政治的にも提携しなければならぬのでありますが、そのもとをなすところの両
国民
のほんとうの心からの理解、尊敬と申しますか、提携が基礎にな
つて
、初めて両国の共同
防衛
ができると私は思うのであります。そういう点から申しまして、私は文化的な提携ということに非常に大きな期待を持
つて
おるわけでありますが、どうぞ大臣におかれましても、こういう点に重点を置かれまして、予算の裏づけその他については、こり上とも御尽力をお願い申し上げまして、
質問
を終ります。
山本利壽
59
○
山本
(利)
委員
関連して簡単に文部大臣及び
外務政務次官
にお尋ねいたしたいと思います。ただいま北沢
委員
からの
質問
に対する御答弁にありますごとく、
日本
の留学生派遣あるいは両国の教授交換等によ
つて
、両国の文化交流がなされるということは、まことにけつこうなことでありますが、この際特に当
委員会
として考えなければならぬことは、それらのたくさんの人々を外交的にも有効に使うという観点からの、何らかの指導が必要ではないかと私は思うのであります。現在いまだ大公優等の派遣もないこの際、多数の
日本
の若い人にあるいは学徒の人々が
アメリカ国
民に接して、いかに
日本
が文化主義あるいは民主主義国家になりつつあるかということ、また
日本国民
の感情を
アメリカ
の
国民
に伝えさせるということが、
国民
外交の重大なる観点ではないかと思うのであります。単に知識を得るとか、あるいは
日本
の文化芸術を伝えるとかいうことも、まことにけつこうでありますが、その上に今の外交的観点に立
つて
行動せしめる。とかく
日本
人というものは非社交的でありまして、ことに学資金その他に非常に乏しい場合において、
アメリカ
においてどのような生活をしておるか。単に貧乏人の子供を金持ちが頂
つて
何か自分たちのものを与えて返すといつたような状況になることは、私は外交的には好ましくないと考えるのであります。だから文化交流という意味だけでなしに、外交的観点から、先ほど北沢
委員
の言われたように、相当の資金を組んで、この人々を活用すべきであると考えるのであります。決して悪い意味でこの学徒たちを外交的に使おうというのではありませんが、よい意味においてほんとうに
国民
外交の第一線たらしめなければならぬと考えますが、すでに文部大臣及び外務省方面においては、
日本
のこういう点を
アメリカ
の
国民
によく伝えようというような資料を次々にお与えにな
つて
おるのかどうか。今日まではただめいめいか
つて
なことを言
つて
、戦災にあつたみじめさであるとか、あるいは
戦争
に反対の空気だとかいうようなことを、学生、学徒が単にめいめいに伝えておるのか。そこのところがいかに指導されておるか。もし指導されていなければ、今後どういうようなお考えを持
つて
おられるか。この点を文部省及び
外務当局
にお伺いいたしたいのであります。
天野貞祐
60
○天野国務大臣 私は留学生などについて一番必要なことは、結局において両国がよく理解し合うということだと思います。それについては、私どもとしては留学生がほんとうに
日本
人としての自覚を持つ——一方においては、こういう非常に間違つた
戦争
をしたことについでの決定的な敗戦意識を持
つて
いると同時に、他方においては、
日本
人というものの持
つて
おる長所というか、特質というか、そういうものに対する自覚を持
つて
、傲慢でもなければ卑下もせぬというほんとうの意味のプライドを持
つて
、よき
日本
人として彼らの間に接触して行くということが、一番大きな外交であると思います。そういう観点から、ほんとうに
日本
人としての自覚を持つと同時に、プライドを持
つて
、卑下することもなく、真実に向うの知識を吸收することに力を注ぐということを、今まではや
つて
来ておりまして、特に外交的なことは考えておりませんが、私はただいまも申されましたように、作意的なことは非常にむずかしい点があ
つて
、よき
日本
人としてほんとうの意味の勉強をするということが、最もよい外交であるということを考えていました。しかしただいまおつしやるようなことも、今後は私どもの方でも研究し、考えて行かなければならないと思います。ただいままでは以上述べましたような観点から、留学生を出しておつたということを申し上げたいと思います。
草葉隆圓
61
○
草葉政府委員
御
質問
の点はまことに適切な御
質問
であり、よく了承いたします。また私個人といたしましても、結局現在の留学生その他
一般
の
人たち
が向うに行
つて
日本
人の美しさを示すなら、これが無言の外交にな
つて
来るという点におきましては、
まつ
たく同感であります。
従つて
そのような状態の人が多く行
つて
くれるということが、百の文章よりもいい場合が多かろうと思います。また具体的にこれを事務的にやります上に、いろいろな関係が生ずる場合もありましようが、よくこの点につきましては御
趣旨
を尊重いたしまして、また文部省等とも相談いたしまして、今申し上げたように、りつぱな美しい
日本
人が行
つて
、そのありままの姿において勉強をするということ自体が、無言の外交になるようなやり方がとられることを望んでおる次第であります。
山本利壽
62
○
山本
(利)
委員
もう
一つ
申し上げますが、ただいまの点に関して外国へ留学した場合に、
日本
の資料を持
つて
来なかつたということをほとんどの学生が痛感しておると思うのであります。場合によりましては、留学生そのものの採用試験というものは、語学本位でやられがちであろうと思いますから、出発します前に、少くとも一箇月とか二箇月というものをどこかに收容して、先ほど申し述べましたように、どこの国へ出してもはずかしくないような
一つ
の常識、及び
日本
人として伝えさせなければならないことを教育してから派遣されるということも、非常にけつこうなことだと思います。いろいろの点については、なお御研究の上おやり願うことにいたしまして、私の関連
質問
を終ります。
守島伍郎
63
○守島
委員長
菊池君。
菊池義郎
64
○菊池
委員
日本
の漁船が東支那海におきまして、しかもマツカーサー・ラインの圏内において
中共
の軍隊につかま
つて
いるということが、二十七日の
水産委員会
でも大分問題にな
つて
おるのでありますが、沿岸三海里以内に乗り込んだというならば拿捕する権利もありましようが、明らかに彼らのやり方は国際法を侵犯するものであると思うのであります。それで
日本
政府
といたしまして、今日こういう問題について、
加盟国
ではありませんから
国連
に提訴する資格はないわけでありますが、
司令部
に対して何か陳情とか折衝とかをや
つて
おられますか、どうですか、これをお伺いいたしたいと思います。
草葉隆圓
65
○
草葉政府委員
ただいまお話のような具体的な問題が、最近ひんぴんと起りつつあるようであります。まことに遺憾に存ずる次第でございますが、この問題につきましては、それぞれ関係方面ともよく連絡をいたしながら、現在も進んでおる次第であります。かような事件がなるべく起らないように、また起つた場合の処置につきましては、ひとつ善処したいと存じます。
菊池義郎
66
○菊池
委員
ワシントン
のニユヨーク・タイムズからの電報を見ますと、
ダレス
さんが向うの国務省に対して出した報告の中に、
アメリカ
の兵隊を駐在させる場合に、その反対給付としてのいかなる要求も
日本
にはしないであろうと言つたということがあるのでありますが、これまで私はたびたびこれを
質問
しても答えられなかつた。この間総理もまた、この経費は向うで持つということを、自分がもし前に言つたとすればそれは取消すということを言われたのであります。
ダレス
さんが向うでこういうことを
発表
しておる以上は、
日本
政府
といたしましても、これを
国民
の前に
発表
して、安心を与えた方がいいと思うのでありますが、これは事実でありましようか。総理と
ダレス
氏との
会談
の
内容
は、みんな筒抜けにわか
つて
おるとこの前おつしやつたのでありますが……。
草葉隆圓
67
○
草葉政府委員
新聞の報道で、さようなことがあるという報道そのものは
承知
しておりますが、今のお話のように、総理大臣が取消す取消さぬという問題は、別にあらためてここで御答弁申し上げる性質のものではないと存じます。
菊池義郎
68
○菊池
委員
私は向うの
発表
と歩調を合せて、
日本
の方でも
発表
すべきものであると考えるのでありますが、それはどうお考えになりますか。
草葉隆圓
69
○
草葉政府委員
これは必ずしも向うが
発表
したという形のものではないと存じます。いずれさような状態になりますならば、お話のような
内容
その他も含めた
発表
等もある時期があろうかと存じます。今のお話は
アメリカ
の報道として伝わ
つて
おるのでありますから、さようお答えを申し上げます。
菊池義郎
70
○菊池
委員
二十六日に
ダレス
氏が国務省に報告したその報告書の中に書いてあるというわけでありますから、これは決してうそではないと思います。また
日本
の外務省当局も知
つて
おられるはずなのでありますが、こういうことは皆さんも御存じありませんですか。ちつともさしつかえない。隠す必要のないことを何も隠すには及ばないと思います。こういうことはどしどし
発表
して、
国民
に安心させたらよろしいと思う。これは
国民
の喜ぶことです。
草葉隆圓
71
○
草葉政府委員
御
意見
のような点も多々あると存じます。しかし今
アメリカ
での報道は、さような一種の推測があるいは正しいとも考えられますし、また正しくないと言える場合もありましようが、これは一種の報道であります。
従つて
これから講和の
内容
がだんだん固まろうといたしております際に、先般総理はその問題でもしそういうことを言つたとするならば、それは取消すというような意味のことを言われておりますので、これはあらためてここで申し上げることはどうかと思う次第であります。
菊池義郎
72
○菊池
委員
それではその
発表
はかんべんして差上げます。 またこれも報道にすぎないとおつしやるかもしれませんが、同じ通信の中に、
日本
の領土保全については、
アメリカ
は義務を引受けないということを、
ダレス
さんが吉田総理に強調したということが書いてありました。それは事実でありますか。こういうことは何も秘密にする必要は毛頭ない。
草葉隆圓
73
○
草葉政府委員
それも、なるほど新聞にはそういう
言葉
の訳し方で出ておりまするが、原文等を見ませんと、今はつきりこの訳が妥当であるかどうかということも、実はお答えしにくいと存じます。
菊池義郎
74
○菊池
委員
さつき島津さんにその原文の話をしましたが、新聞社にも英語のできる人は多々あります。まさか間違えるようなことはありはしませんよ、そんなばかなことは。これは答弁にならぬ。もしそういうことがあつたといたしますと、実に私らは心配でならない。いくら
日本
に
アメリカ
で軍隊をとどめてくれたとしても、それはほんの形式だけの、申訳の駐兵にすぎないということになりますので、たいへんなことです。北鮮が南鮮になぐり込みをかけましても、
国連
が奮起いたしましたが、
日本
の場合、ああいうふうにもし共産軍が侵入した場合に、
日本
の領土保全について引受けないということを強調しておりますので、これは実に心配な話である。結局
アメリカ
の駐兵はほんの形式にすぎないというようなことも判断できるわけで、実に心配でたまらぬのであります。御答弁ができなければ、これもかんべんしておきます。
草葉隆圓
75
○
草葉政府委員
実はこのことをも
つて
強く答弁を求められるのは困難かと存じます。この報告書の中にも、次のように強調したと解せらるるというので、その解せらるるということが必ずしも妥当なことかどうかは今後の問題でございまして、一応レストン記者はその感覚においてかように打電しておりますので、これをただちに国際的な問題として
解決
することはいかがと存ずるのであります。
菊池義郎
76
○菊池
委員
朝日新聞には、強調したとはつきり言い切
つて
おりますが、これはどうでもいい。 先ほど仲内
委員
からも触れたことでありまするが、総
司令部
の
許可
によりまして、
日本
は二十何箇国と直接に外交の折衝ができるような
立場
に立たされたのであります。これについて
外務当局
といたしましては、今後のわが対外国策に関しまして、必ずや抱負経論が山積することと思うのでありますが、今後の直接
交渉
に関して、何らか具体的の計画がありましたら、お示し願いたいと思います。
草葉隆圓
77
○
草葉政府委員
実は先般
許可
を得ましたのは、まだ直接の関係国との外交折衝までは参
つて
おりませんので、東京にありまするミツシヨンとの事務的な連絡も、従来は総
司令部
を通じていたしておりましたのを、直接にいたすことができるように
なつ
たのでありまするが、しかしお話のように、対
日講和
を目睫に控えたような状態におきまして、外務省は事務的にもあるいは
政策
的にも、いろいろと
解決
すべき問題が多いと存じております。しかしここで具体的に御相談申し上げ、御
発表
申し上げる段取りにはまだ至
つて
おりませんが、さような状態になりますると、もちろん御相談申し上げたいと思
つて
おります。
守島伍郎
78
○守島
委員長
並木
君。
並木芳雄
79
○
並木委員
私は
賠償
問題について
質問
したいと思います。
賠償
問題はだんだん好転しておると考えておつたのですけれども、さつきの
草葉政務次官
の御報告にもありました通り、フィリピンなどではやはり相当の要求をされるように報ぜられております。そこでこの問題は、今度の講和
会議
を迎えるについて
日本
としては重大問題の
一つ
であろうと思います。先般吉田総理大臣が、予算
委員会
で八十億ドルなどというものを要求されても
支払い能力
がない—私は聞いておつたわけではありませんから、はつきりは知りませんけれども、あれだけの答弁を見た感じでは、非常にすげない感じがする。
賠償
問題などというものに対して、
日本
がそういう
態度
や気持でいいのかどうか、相当重要な問題であろうと思いますので、こういう点から二、三お聞きしたいと思います。まず、この間
ダレス
氏がおいでに
なつ
たときに、吉田総理からこの問題について相当話があつたと思うのですが、
政府
としてはどういうようなことを
ダレス
氏に申入れをし、また
ダレス
氏からどういうような話があつだか。吉田総理大臣が八十億ドルなんかとても払えないと言い切ることそれ自体、私はやはり相当の根拠がなければできないことであろうと思う。そういう点からひとつ答弁をお願いいたします。
草葉隆圓
80
○
草葉政府委員
ダレス
・吉田
会談
と一口に申しますものの
内容
、ことに
賠償
等の問題の
内容
につきましては、実は総理が御報告申し上げ、あるいは予算
委員会
、本
委員会
等で申し上げました範囲でありまして、それ以上は実は申し上げる材料はないのでありますから、その点よろしく御了承願います。
並木芳雄
81
○
並木委員
ダレス
氏が訪問されて、
賠償
に関する問題は、今までよりも
日本
に有利に
なつ
たと思われる節があるかどうか。
草葉隆圓
82
○
草葉政府委員
その点については、ここでお答えするのは差控えたいと思います。
並木芳雄
83
○
並木委員
フイリツピンで八十億ドルという要求が
ダレス
氏に出されたという報道を聞いて、今日政務次官としては、これに対してどういうふうにお感じになりますか。
草葉隆圓
84
○
草葉政府委員
これは前々から
フイリピン
にはさような報道が伝わ
つて
おりまするし、それとにらみ合せまして、
ダレス
氏が行かれました際にも、話題の
一つ
として、先に申し上げましたように大きい話題の
中心
にな
つて
現われて来たと存じます。
中山マサ
85
○中山
委員
関連して、これも新聞の報道でございますけれども、
フイリピン
からある視察団とでも申しますか。それが
日本
へ来て、第一の報道は、この
賠償
金について、どこまで取立てることができるかということを調査に来るという
一つ
の報道がありましたが、第二の報道では、それは調査ではない、
日本
のいろいろな機械が
アメリカ
物よりも向うに使用上便利な点があるので、それを買いつけるために見に来るのだというような
一つ
の報道がございましたが、外務省としてはどちらが真相であるとお考えになるのでございますか。
草葉隆圓
86
○
草葉政府委員
実は私どもも、ただいまお話にありましたように、報道としてはよく聞いておりまするが、まだ具体的にこちらの方には入
つて
おりません。
従つて
具体的に入りましてから、またいろいろ御相談いたしたいと思います。
並木芳雄
87
○
並木委員
その点、現在経済調査団が見えておるそうですけれども、それは
賠償
の調査とは全然関係がないのですか。
石黒四郎
88
○石黒
政府
委員
お答えいたします。われわれの関係しております範囲においては関係はございませんように
承知
しております。
並木芳雄
89
○
並木委員
フイリピン
では電気の機械あるいは生糸などというものを現物で取立てようという考えもあるようです。また
ダレス
氏が
アメリカ
へ帰られての報道によりますと、砲の照準器ですか、きようの新聞でちよつと見たのですけれども、何かそういう要するに
戦争
の役に立つようなものを
日本
でつくらせるようにしたいというようなことが出ておるのです。そうすると、こういうようなものがだんだんと現物の
賠償
物資に振りかえられて行く
可能性
があるのではないか。そこで
フイリピン
の現物
賠償
に対する要求の
態度
というものを、どういうふうに
政府
は考えておられるか、お聞きしたい。
草葉隆圓
90
○
草葉政府委員
お話のような新聞の記事はありましたが、それは私の見ましたところでは、
アメリカ
が
日本
の工業力の向上のために、あるいはパラシユートとかあるいは絹製品とか、望遠鏡というようなことで直接
フイリピン
関係ではなかつたのではないかと記憶しておりますが、これは記憶違いかもしれません。将来の
フイリピン
の
賠償
にそういう傾向があるかどうかという問題が
中心
の御
質問
の点であつたと存じますが、これは何ともお答えいたす限りではないと存じます。
並木芳雄
91
○
並木委員
フイリピン
、濠州をまわられて、太平洋地域協定とかなんとかでいろいろ相談された結果の報道でございますから、やはり私どもはそれに対して相当注目をするわけです。そういうところから、将来太平洋同盟というようなものができたときに、その一環として
日本
から取立て得るものとして、こういうようなものが話題に上つたのではないかと思うのです。
日本
として吉田総理のように、八十億ドルなどというものを支払う能力は全然ないのだ、というような
態度
で臨んでいいんですかどうですか、そういう点をあわせて
質問
いたします。
草葉隆圓
92
○
草葉政府委員
今の報道は、
日本
の工業力を向上するためには、どういう品物がさしあた
つて
いいかという問題の第一として、あるいは照準器とか、あるいはパラシユートであるとか、あるいは絹製品とかいうよ6なものが取上げられているという報道であろうと思うのであります。
従つて
直接
賠償
関係ではないという気がいたします。
中山マサ
93
○中山
委員
先ほど政務次官のお話の中に、この八十億ドルを默認するならば、というお
言葉
がございましたが、その默認という意味はどういうことでございましようか。今は払わないが、いつの日にかは払うという意味でございましようか。こういういわゆる精神的責任があるという意味なのか、そのデリケートなところを御
説明
願いたいと思います。
草葉隆圓
94
○
草葉政府委員
実は私も御報告なり御
説明
で申し上げております
言葉
をそのまま申し上げたので、その默認の
内容
、あるいは
アメリカ
が持つ道徳的な
内容
が、いかなる
内容
であるかはちよつと御返答いたしかねると存じます。
黒田寿男
95
○黒田
委員
関連してさて。
賠償
問題で私どもが一番ただいまのところ
関心
の的としておりますのは、根本方針だと思います。従来
日本
に対する
賠償
は、既存の施設等につきまして一回
賠償
の方針で行くというように考えられておつたのでありますけれども、しかし私は必ずしもそういう方針ではないと信ぜられる報道もあると思うのであります。そこで一回
賠償
で、今
日本
の持
つて
おりますあるいは過去において持
つて
おつたものを取運びをされておりますが、そういう既存の経済的な価値を一回限り
賠償
として持ち去るのだということにな
つて
参りますならば、吉田総理のように、とてもそんな八十億ドル——私はほかの国はまだその他の
賠償
の要求を持
つて
おると思いますが、ないから結局どうもそういうことはできないというようなことで、ないものをどうしてくれるのかということでも、あるいは問題の
解決
がつけられるかもしれない点があるかと思われますけれども、なかなかそう簡単に行かないので、私ども聞いておりますところは、ちよつと日にちははつきり記憶しておりませんが、極東
委員会
における
賠償
方針は、従来
日本
人が考えておりましたような一回
賠償
ではなくて、将来において生産される物資に対する継続的な
賠償
、将来
日本
において創造せられます経済的な価値を将来にわた
つて
引続き
賠償
させる、極東
委員会
におきまする一番新しい決定としての極東
委員会
の
賠償
方針はむしろこう私は思う。こういうようにな
つて
いるとすれば、その極東
委員会
の方針が、今後の講和問題におきまして、必ずしも
日本
の
賠償
面に適用せられるかどうかわかりませんけれども、現在払うべきものがないから、というだけで
賠償
問題は簡単に片づかないと私は思います。一体
政府
は一回
賠償
で済むというお見通しを持
つて
おられますか。それとも極東
委員会
がきめておりますように、将来
日本
が創造いたします価値に向
つて
、引続いて
賠償
に充てるというような方針で
賠償
をさせようとしているか。外務省の方はこの点につきましては一体どういう御
見解
を持
つて
おられるか。これが一番大切な問題であろうと私は思います。一回で済めば、吉田総理大臣のように、ないからとい
つて
払わないで済むと思いますが、将来のものをと
つて
行くということになると、そう簡単に済まないと思います。そして極東
委員会
の方針は、先ほど申しましたように、私は日にちは記憶しておりませんが、極東
委員会
の
賠償
に関する最も新しい方針——少くとも今まで決定しておりますうちでの一番新しい方針は、現物による一回
賠償
でなくして、将来の生産物に対する
賠償
、こうな
つて
おりはせぬかと思います。そこで私どもは
賠償
問題については楽観していないので、これをちよつとお聞きしておきます。
石黒四郎
96
○石黒
政府
委員
事務的な方面だけお答えいたします。 極東
委員会
のきめました方針の中には、今一回
賠償
とおつしやいましたが、機械施設を持ち去る意味における
賠償
のほかに、将来の生産物の
賠償
ということも入
つて
おり、また在外資産を
賠償
に充てることも書いてございます。それは新しいとおつしやいましたが、新しくございませんので、終戦後占領直後きめられました向うの
賠償
方針の中に、そのことが入
つて
おる次第であります。ただ実際にそれを現在までとりましたのは、機械施設その他を持
つて
行つただけで、ほかのは問題にしていなかつたというだけでございます。講和條約に関連しまして
賠償
といいます際、われわれといたしましては、そういうものを全部含んだ意味で申し上げておるのであります。
黒田寿男
97
○黒田
委員
それは
賠償庁次長
と私と考えておりますところがちよつと違いますが、私が新しいと申しましたのは、最新という意味ではなくて、先ほども繰返して言いましたように、極東
委員会
のきめた方針のうちでの一番新しい、今の時期等を振り返
つて
見まして一番接着しておる時期、こういう意味でありまして、そこでその日にちは先ほども言いましたように、きようはちよつと資料を持
つて
来ておりませんので、記憶いたしておりませんが、
日本
は一定の程度の現物
賠償
をすでに相当や
つて
おりますが、あの現物
賠償
が実行せられておりますあの過程の中で、私は極東
委員会
がそういうわれわれから見れば新しい、すなわち一回
賠償
で済むと思
つて
お
つて
われわれに対しまして、新しい決定としての生産物
賠償
ということを、私は決定したように思う。それがわれわれにも相当大きな問題の提供として受取られたように私は思
つて
おるのであります。私が言うのは、初めから極東
委員会
がそうきめておるのじやないのであります。
日本
人の
賠償
について考えておりました既存の方針をくつがえすような生産物
賠償
というのが、その後にな
つて
決定された。そうして極東
委員会
としては、私はそれが一番新しい決定にな
つて
おると思う。私の最新というのはそういう意味であります。私は自分の研究した資料でそういうようにな
つて
おりますので、吉田総理大臣のように簡単に考えられない、こう思
つて
おるのであります。ひとつ御調査をお願いいたします。
石黒四郎
98
○石黒
政府
委員
私もこまかいものを持
つて
おりませんので、いついつかに何の決定があり、いついつかに何の決定があつたということは今ちよつと申しかねますけれども、少くとも一、二年の間に新しい決定があつたとは存じませんので、その以前にございましたものに書いてあることと存じます。その当時からそういうものはあるかもしれぬということは、われわれも
承知
しておりました次第であります。
佐々木盛雄
99
○佐々木(盛)
委員
関連してきわめて簡単に石黒さんに二点くらい伺
つて
おきます。第一は先ほどの黒田君のような御主張もあるわけでありまするが、われわれの考えておりますところによりますと、
賠償
問題はその後いろいろな
賠償
使節団が参りまして、一番最終的には、われわれが記憶いたしますところによりますと、マツコイの
声明
によりまして、これ以上のものは
日本
から撤去しないという方針が決定され、しかもすでに持ち去られた分は、主として従来
日本
の軍工廠等の関係のものだけが持ち去られたのでありまして、総額から申しますと、最初に
賠償
に指定されたもののわずか三%、四%くらいなものにしか当
つて
いなかつたように記憶しておるのであります。
従つて
平和産業に関する限りは、一切のものを撤去しないというようなマツコイの
声明
が行われていまして、
従つて
その後の
賠償
問題というのは、マツコイの
声明
のラインに沿
つて
交渉
が進められておるものとわれわれは想像いたしておるわけであります。ただいまの黒田君の説によりますと、これはわれわれの考えとは根本から
まつ
たく違うのであります。非常に大問題であるわけであります。私が先ほど申しましたわれわれの考え方が、大体
政府
のと
つて
おる
態度
ではなかろうかと思いますが、この点に対する
政府
の
見解
を承りますと同時に、もう一点は
賠償
を要求いたしておりますものは
フイリピン
ばかりではなく、たとえば
ソ連
のごときも要求いたしており、極東
委員会
におきましても、額は忘れましたけれども、相当莫大な対日
賠償
を要求しているかのごとくに記憶いたしておるわけでありまするが、いずれにしても
ソ連
が要求しておることは確かであります。ところが
ソ連
が終戦以来いわゆる満蒙地区に入りまして、
朝鮮
等にも入りましてこれらの地区から、
日本
が長い間持
つて
おりました一切の権益をことごとく撤去いたしたわけであります。撤去するにあた
つて
ソ連
側の
声明
いたしておるところによりますと、これは戦利品だというわけで、実は持ち去つたわけでありまするが、これらの
ソ連
が持ち去つた額は、ポーレーの
賠償
使節団の報告書等においても、額は忘れましたが、相当莫大なものであります。この
ソ連
側の申しております戦利品だというのは、当然
賠償
の対象になるべきものでありまして、単なる戦利品としての取扱いを受けるべきものではないとわれわれは考えておるわけでありまするが、
賠償
庁の当局におきましては、この問題をどんなふうにお考えにな
つて
おるか、この二点を承
つて
おきたいのであります。
石黒四郎
100
○石黒
政府
委員
われわれも大体御
意見
に
まつ
たく同感であります。先ほどお話が出ましたのは、極東
委員会
の決定した方針がどうであるかということで、それに議論が
行つたの
であります。もちろん対日
賠償
の動き全体としましては、極東
委員会
の決定以後、お話のごとく連合国のうちの有力なる
アメリカ
が、これ以上の
賠償
をとらないという方針を明らかにいたしましたし、また近くは対
日講和
條約七項目の案の中におきましても、とらないということを再び強調いたしておるのであります。
日本
政府
といたしましても、ぜひさように連合国間に決定あらんことを熱望しておるところであります。 満州にありました
日本
の在外資産を、
ソ連
は戦利品として持ち去つたということを主張いたしておるということは聞いておるところでありますが、おつしやいました通り、戦利品としてはもらいたくないという考えをわれわれは持
つて
おるのであります。
黒田寿男
101
○黒田
委員
やはり今の問題ですが、ちよつと誤解が佐々木君にあると思います。私は自分が主張したのではない。主張から言えば私も
日本
人の一人としまして、できるだけ
賠償
は軽くて済む方がよろしい。これは佐々木君の御
意見
に全然異なるところはない。私が言うのは、
意見
を主張したのではない。私はマツコイ
声明
もむろん読んでおりますが、マツコイ
声明
は、
アメリカ
の代表といたしまして
アメリカ
の
態度
を表明したというものにすぎないと思います。私の記憶違いであるかわかりませんが、こういうマツコイの
声明
のありました後に、極東
委員会
といたしましては、新しいそういう生産物
賠償
というようなことを決定したのではないかと思います。それで宿題としておいてもよろしいが、ただ私がきよう指摘したいと思いますことは、そういうことがあると思いまして、あまり
日本
人が
賠償
に対して安易に考え過ぎておるということだけ、私はお互いに
日本
人として、また
政府当局
としても、もう少しく私は厳粛に考えなければなるまいと思います。そう
賠償
問題を簡単に、ないからよろしい。結局払えないものは払えないのだというように、簡単に行くものじやない。少くともそのくらいの心構えを持ちながら、しかもできるだけ少くて済むような方向に向
つて
努力するというのが、今われわれのとるべき
態度
だと思うから言うのである。それで私は、マツコイ
声明
のあとに、極東
委員会
がそういう
態度
を決定したのだと思う。ただこの
賠償庁次長
が言われたように、極東
委員会
がきめたことが、ただちに
日本
の講和條約の際における方針とな
つて
現われるものではありません。しかしまた
アメリカ
が言う通りのものが、講和における
賠償
方針としてそのまま現われるものでもないのであります。だから私どもの今申しますように、根本の心構えというものは、
政府
は安易に過ぎる。今こそ直接に講和の問題にはな
つて
いないように思いますけれども、たとえば
中国
に対しても、私ども
日本
のためにはモきるだけ
賠償
は少い方がよろしいと思います。けれども
日本
の軍隊があれだけ荒しまわつた
中国
から、将来
賠償
を要求せられた場合に、ないから払えないとい
つて
、済むということは、国際道義が許さない、そういう安易なことを考えはいかぬ。そこを私は
日本
人はもつと敗戦というものに対して厳粛に考えなければならぬ、それを私はここに指摘しておく。あまり私は
政府
は安易に考え過ぎていると思う。私は将来
賠償
問題は大きな問題として
日本
に起ると思う。そのくらいの覚悟を持ちながら、しかもできるだけ負担を軽減するように努力するという、私は心構えを持
つて
おるのであります。あまり安易な問答が行われておりますから、ちよつとこれだけ申し上げておきます。なお私が申し上げた問題については、私自身もなお研究してみます。
賠償
庁においてもひとつ御研究願いたいと思います。
石黒四郎
102
○石黒
政府
委員
ただいま
一つ
の御
意見
の
発表
がありましたが、その前提といたしまして、極東
委員会
においてマツコイ
声明
以後に新しい決定があつたのではないかというお尋ねがございました。それに対して事実をお答えいたします。マツコイ
声明
は一九四九年五月に
発表
いたされたのであります。極東
委員会
の最初にして
最後
の
賠償
に関する根本方針は、一九四七年六月の決定であります。その中に、御参考までに申し上げますれば「
賠償
は、現存の
日本
国の資本設備及び施設または現存のもしくは将来生産されることのある
日本
国の貨物であ
つて
、極東
委員会
……の條項に
従つて
……
日本
国から取り立てられなければならない。」ということが書いてございます。お話のごとく将来の生産物もここに並行して書かれております。
並木芳雄
103
○
並木委員
私の
質問
から討論に発展したようですけれども、これは私の当初の志ではないのです。私はやはり八十億ドルというような数字を聞かされますと、
日本
人としてびつくりするのです。こんなにはとうてい
支払い能力
はないし、これに対して当然そういう御要求の意思はあ
つて
も、請求権を放棄してもらいたい、われわれの負担を少しでも軽くしてもらいたいという気持から、そこで吉田総理大臣も、ああいうことの答弁をさらりとや
つて
のけているように思われるから、これには
ダレス
氏との間の話合いで何か根拠があるのではないかという
質問
にな
つて
来たわけです。今日も吉田総理自身が
外務大臣
としてここへ出て来るならば、私たちは
質問
ができて、そういう疑点も氷解するのだろうと思います。政務次官ばかりですから、つい
委員
の間で討論なんかも起
つて
しまうわけです。そういう点で、この間もわれわれが受けた感じは、もうすでにある程度の
賠償
を送
つて
いるのだから、あれで済んだのだという印象を与えるのです。こういうことに対してわれわれが一方的な
意見
だけ、とりきめだけに耳をかして、他方でまじめな要求があつた場合にも、それに対してもう払わないでいいのだどいう気持は、これは公平な見地から見ても、やはり愼重に行かなければならぬと思います。そこで今まで
賠償
として送り出した金額は幾らぐらいになりますか。
石黒四郎
104
○石黒
政府
委員
送り出しました品物の価格は、われわれ事務的に一九三九年度の円の価格をも
つて
現わしておりますが、その円によりまして一億七千万円程度でございます。
並木芳雄
105
○
並木委員
さつき佐々木
委員
からちよつと
質問
が出ましたが、満州国にあつた
日本
の財産について、金額にしてどのくらいだというような、何か見積りができていますか。
石黒四郎
106
○石黒
政府
委員
私が
承知
しております数字は二十億ドルということがいわれております。ポーレー報告書にもそう出ております。
並木芳雄
107
○
並木委員
現段階においては、在外資産はどういうふうに処理される見通しであるか、その点をお伺いしたい。
草葉隆圓
108
○
草葉政府委員
これは先ほどからいろいろお話のありました、一九四七年六月の極東
委員会
の決定の基本方策におきましては、御
承知
のように在外資産の処分は、各所在国の自由なる
見解
にまかすというのでありますが、しかし対
日講和
に対します
アメリカ
の七項目の
一つ
としてあが
つて
おります中には、連合国は
原則
としてその地域内の
日本
人財産を保有する、こういうことがいわれておるのでありますることは御
承知
の通りであります。それによりまして推測して参りますると、平和條約におきましては、在外資産については多くを望むことはできないと存じます。この
アメリカ
の七項目の
一つ
にあります方針によ
つて
進められるのではないかと存じます。
並木芳雄
109
○
並木委員
この際先般来問題になりました呉工廠のことについてお伺いしておきたいと思います。あれは近く
賠償
指定が解ける見込みがあるのですか、どうですか。まずその点をお伺いいたします。
石黒四郎
110
○石黒
政府
委員
あれだけが解けるような見込みはありません。
並木芳雄
111
○
並木委員
ああいう話が、起つたのを見ますと、たとえば十年も十五年も貸すということは、講和條約を突き抜けて先へ行
つて
しまうことになるのです。当然これは、
賠償
は、一応も二応も、講和條約で
解決
がつくという前提にはかわりないと思うのですけれども、この点どうですか。
石黒四郎
112
○石黒
政府
委員
もちろんお説の通りであります。
並木芳雄
113
○
並木委員
そうすると十年も十五年先まで貸すという話は、講和條約が目の前にぶらさが
つて
おるのにちよつとおかしいじやないですか。その点
説明
していただきたい。
石黒四郎
114
○石黒
政府
委員
その話はまだき
まつ
たわけではありませんことは御
承知
の通りであります。かりに何か契約でもできたとすれば、講和條約までは
賠償
施設として貸すし、その後は
賠償
施設でないものとして貸すということになります。
並木芳雄
115
○
並木委員
もしこれが外国人に貸すことができるという状態であるならば、
日本
人にも貸せるのではないか、だから外国人に貸す前に
日本
の産業でこれを利用する方法を考うべきだと思うのです。先ほどもちよつとお話に出ましたように、いろいろ新しい品物などをつくる必要もありましようし、造船の方の関係を見ましても、ついこの間までは造船所は飽和状態で困
つて
おつたように考えておつたのが、急激に今度は船をつくらなければならぬという状態にな
つて
来ておるのでありますから、これはよほど
政府
が愼重に、造船のために利用できるというような場合には、まず
日本
のために
日本
人の利用者があるかないかということを調べるのが先決ではないかと思うのですけれども、この点はどうか。
石黒四郎
116
○石黒
政府
委員
お説の通りであります。それから外国人に貸すとおつしやいましたが、この点もまだきま
つて
おるわけではありません。外国法人であるか、
日本
法人であるかわかりません。ただ今の御
質問
はわれわれの所管でございません。おそらく運輸省の関係になるか思いますが、われわれの聞き及んでおります範囲では、大きなドツクでありまして、現在の
情勢
のもとにおきまして、
日本
側であのドツクを経済的に活用するということは、考えられぬというふうに聞いてあります。
並木芳雄
117
○
並木委員
この前大蔵省の
政府
委員
の
説明
によりますと、呉工廠はどうせ破壊される運命にあるのだということを、
賠償
庁の方から言われたと、ここで答弁しているのです。そういうことはあるのですか。
石黒四郎
118
○石黒
政府
委員
それは少し
言葉
がきつ過ぎるのであります。こわされる
可能性
の問題であるかと存じます。御
承知
のように、
賠償
施設は今指定されておりますのは、動かし得るものもありますし、動かし得ないものもございます。
賠償
の関係等で撤去できないものは、破壊することもあり得るかもしれぬという程度のものであります。
並木芳雄
119
○
並木委員
呉工廠と同じような状態にあるものがほかにどこかありますか。今申した破壊される
可能性
があるというもの、あるいはこの讓渡または貸与の話題に上
つて
おるもの、また上る
可能性
のあるものです。
石黒四郎
120
○石黒
政府
委員
今のは多分造船関係あるいはドツクに関してと思いますが、似たようなものと申し上げますれば、要するに元海軍の造船所であります佐世保、呉、舞鶴、規模の小さいのでありますれば大湊等のドツクがございます。そして造船活動にはあまり使わないように、
司令部
から命ぜられております。別に破壊その他具体的問題としては、現在のところ申し上げるようなものはございません。
並木芳雄
121
○
並木委員
それでは法務総裁に……。これはほんとうの私お尋ねなんです。ということは、私陳情を受けまして、非常にむずかしい問題で、もしこういうことが事実だとしたら、これはまじめな意味において、総裁にお伝えし、そうして調査もしてもらわなければならぬのじやないか。この陳情の趣は、検察取締りに関連して、人権蹂躪、人種的差別の行われた
疑い
がございますので、その点を取上げてみたいと思います。それは去る二月一日、東京都の北多摩郡昭和町というところで麻薬取締りがあつたのだそうです。それに関連して、非合法的な、あるいは人権蹂躪的な、あるいは人種的差別をしたような行為がなされた、こういう申出がございました。この申出は昭和町の華僑の悦来自治会の会長である陳庭新という名前で、要請書として私のところにもたらされたのです。この要請書を読んで見ますと、もしこれが事実だとすれば、国際的な問題も起り得るのではないか。ひいては憲法違反の
疑い
も起るのではないかと思いますので、お尋ねするのですが、何よりもこの陳情の
趣旨
を把握していただくために、これを読んだ方が私はむしろよいと思います。簡単ですから……。
守島伍郎
122
○守島
委員長
ちよつと
並木
君に申し上げますが、あまり外交に関係のないことのようですから、簡単にお願いいたします。
並木芳雄
123
○
並木委員
いや、ある
可能性
があるものですから、お聞きするのです。
守島伍郎
124
○守島
委員長
時間もございませんから……。
並木芳雄
125
○
並木委員
それでは
内容
の点は、この前法務府の方へ私お伝えしておきましたから、よく御当局は御
承知
だと思いますので……。もちろんこれは一方的な陳情を受けたにとどま
つて
おりまして、現地に行
つて
私調べたわけではございません。また確証に基いて糾彈的な
質問
をするものでもないのです。またこの中にあげられた箇條でも、專門的な
立場
からいたしますれば、問題にならないような箇所もあるかと思います。しかし要請書の提出者は、取締りそれ自体にはわれわれとしては何ら
異議
はない、とはつきり断
つて
おりますし、また右の行為は
日本
警察官及び
日本
官吏のみの行為であるということを、要請書の中に明言をしてあります。そういう点から考えて、特に悪意があつたわけでもないと思われる節がありますので、非常に謙虚な、まじめな
立場
から、この点についての当局の調査あるいは取締りの状態における全貌というようなものを、この際承
つて
おきたいと思います。
大橋武夫
126
○大橋国務大臣 お答えを申し上げます。二月一日、昭和町のアパート悦来莊居住の
中国
人に対しまして、押収捜索が行われまして、十二名を逮捕いたしております。これは主として進駐軍が軍事裁判所の令状に基いてする捜索に対しまして、
日本
警察が協力をいたしたものでございます。一名に対しまして、同時に並行して
日本
の刑事訴訟法による手続も行われたのでございまするが、
日本
側の捜査は、すべて刑事訴訟法にのつと
つて
、あらかじめ夜間捜索の令状を得ております。また女子の身体検査のために、東京麻薬取締官事務所の婦人職員二名を同行する等の用意をも
つて
臨んだのでございまして、違法の点はないと考えております。進駐軍側の捜査は、進駐軍の手続規則に準拠するのでありますから、必ずしも刑事訴訟法と同様ではありませんが、この捜査の結果、若干の麻薬が発見せられまして、
日本
側において一名、進駐軍側において十一名を逮捕いたしております。後、この十一名も
日本
側が引継ぐことに相なりまして、東京地方検察庁が送致を受け、すでにこのうち四名は麻薬取締法違反、ドル不法所持等によ
つて
、起訴済みの次第であります。御
承知
のごとく、麻薬は何分分量の目立たないものであり、かつ麻薬常習犯人はきわめて巧妙にこれを隠匿しておるのが通常でございますから、この種の捜索は厳格に執行されたであろうということは、推測されるのでありまするが、これは決して相手が
中国
人であるというゆえに、特に苛酷な取扱いをしたものでは断じてございません。
本件
の捜査に関しましては、
中国
使節団から東京地方検察庁に対しましても、今お話のような点について調査の依頼がございます。しかしこれは現場におきまする金銭の紛失、及び女子を不当に裸体にして身体検査をしたという二点を除きまして、他の点につきましては、ことごとく根拠が不確かであつたという
理由
で、使節団でこの調査申入れを撤回せられておる事実があるのでございます。この二点につきましては、ただいま地検で調査をいたしておりまするので、この結果を待ちまして、適当に処置しなければならぬと考えております。
並木芳雄
127
○
並木委員
それでは法務総裁にほかのことで二つだけ
質問
しておきます。実は治安省とか保安省とかいうものの新設に対して、私の方ではかねてから党としても主張し、賛意を表しておるのです。昨今ようやくこの治安取締りの機関というものを一本にして、治安省というようなものを設けるという報道もありますけれども、むろん法務総裁として相談にあずか
つて
おると思いますから、その点をお伺いしたいと思います。
大橋武夫
128
○大橋国務大臣 治安省ということにつきましては、私まだ何ら知
つて
おりません。
並木芳雄
129
○
並木委員
もう
一つ
お尋ねしておきたいのですが、憲法第六十六條の第二項に使われております
言葉
に「文民」というのがあるのです。ところが最近警察予備隊関係で、おれは文官ではないのだというようなことを言つたのを私聞いたのです。これはどういう意味だか私にもよくわからないのですが、思いあわせてみると、憲法に文民という
言葉
が使
つて
あるのに対して、あるいはここに言う文民ではないという意味なのかどうか。事実警察予備隊の中では文民ないし文官とは違うのだというような取扱いをなされておるのですかどうか。文民の憲法上における意義——こんなものは必要ないとばかり思
つて
いたわけなんです。軍隊を放棄し、軍人というものはいなく
なつ
た
日本
としては必要ないと思つたけれども、文民が存在しておる
理由
と、そして今考えてみると、警察予備隊などでそういう
言葉
が使われる余地があるのかどうか、こういう点について
説明
をしていただきたい。
大橋武夫
130
○大橋国務大臣 文民は英語のシヴイリアンに相当いたすのでありまして、武人に対する
言葉
として観念されておるのであります。ところで
わが国
の現行憲法の上で申しますと、戦力を保持しないという建前にな
つて
おりまするから、現在武人である者は存在しないわけであります。もつとも憲法第六十六條第二項は、平和主義的な憲法の
基調
から申しまして、軍国主義者等が国の重要な地位に立つことを防止するという
趣旨
であると考えられるのでありまして、このような
趣旨
から現実的に考えますと、過去において職業軍人としての経歴を有した者のごときは、これは第六十六條第二項のいわゆる文民には当らないということも言い得るわけであります。これは憲法改正の際以来、
政府
としてさような解釈をと
つて
おる次第であります。なお警察予備隊についてはどうかという御
質問
でございますが、警察予備隊はそれ自体何ら武力に関係ないものでございますから、この隊員は文民であるわけであります。ただ今何かこの間において隊員間に誤解があるのではないかと思われるような節について御
質問
があつたのでございますが、現在の建前といたしまして、予備隊の機構は、その定員七万五千百人のうち、七万五千名は制服を来た隊員、そして残りの百人は予備隊本部の制服を着ない職員であります。これが憲法上はどちらも文民であるわけでございますが、便宜制服勤務者あるいは非制服勤務者というふうに区分をいたしている場合もありますので、それらの点が誤解を生じまして、制服勤務者は文民にあらずというようなことを、数の多いうちでございますから、誤
つて
考えている者もあつたのではないかと存ずるのであります。
政府
の解釈をいたしましては、ただいま申し述べた通り、文民である、こう解釈しております。
菊池義郎
131
○菊池
委員
関連して法務総裁にお伺いておきたいのであります。最近しきりに警察予備隊を増強するという声がありますし、またわれわれもそれを希望してやまないのですが、これに対する御所見を伺いたい。
大橋武夫
132
○大橋国務大臣 警察予備隊の増強の措置といたしまして、七万五千の定員を増加するという点につきましては、ただいま何ら考えておらないところであります。但しその装備につきましては、あるいは武器の点におきましても、また車両その他機動力の点におきましても、できる限りこれを改善いたして、能率的にいたしたい、かように考えております。
菊池義郎
133
○菊池
委員
きようの新聞の
ダレス
さんの
アメリカ
における国務省に対する報告の
内容
について、われわれは驚いておるのですですが、それを見ますと、
日本
の領土の保全に関しては、
アメリカ
は全然責任を負わない、義務を負わないということを強調しておる。そういうところを考え、警察予備隊をどうしても増強しなければならぬと考えておりますが、横田喜三郎さんでしたか、われわれと同じことを言
つて
おられました。それはどういうことかと申しますと、
日本
の憲法をちよつぴり改正して、警察予備隊を義務制度にして、これを三十万とか五十万とかに増強したらどうかとわれわれは考えでおるのですが、それに対する法務総裁はどういうお考えを持
つて
おりますか。
大橋武夫
134
○大橋国務大臣
ダレス
さんのお話については私まだよく
承知
いたしておりません。この際これに関連してお答えを申し上げることはむずかしいと思います。
守島伍郎
135
○守島
委員長
佐々木君。
佐々木盛雄
136
○佐々木(盛)
委員
私は
日本
共産党の非合法活動の中で、国際な関連性を持つものについてのみ比較的簡単に承りたい。 まず第一にここに私持
つて
参りましたのは「
国会
情報」という
日本
共産党
国会
事務局水谷新平を編集発行人として発行された新聞であります。これを先般来街頭において配布しておりますのを、私のある友人が受取りまして、私のところへ持
つて
参つたわけであります。
内容
はすでに御
承知
かとも考えますが、先般川上貫一君が衆議院の本
会議
において
質問
演説
の形式をも
つて
行いまして、その
内容
がきわめて
占領軍
に対する反抗に満ちたものである。またそこに引用されるものが、非常に虚構捏造の事実の累積であるという点を指摘いたしまして、私自身が衆議院の本
会議
において懲罰動議の
提案
理由
を
説明
したものであります。これに盛れております全文は、川上貫一君が本
会議
において行いました五十分間にわたる
演説
の全文であります。しかも川上君の院内における発言は速記録の上には記録されるでありましようけれども、これは早い話が、官報あるいは公報等によりまして外部に配付されます場合におきましては、当然院外でありまするから、プレス・コードの適用を受けまして、川上君の
演説
内容
も、紙面の上ではさらに削除をされるという点がなければならぬのであります。現に官報等におきましては、私が川上君の
演説
内容
を引用したことすらが、プレス・コードに抵触するという
理由
をもちまして削られておるようなわけであります。ところがここに共産党の名において出しておりまするものは、一言半句もこれは削
つて
ありません。原文そのままのものであります。
国会
内における機密がそのまま外部に出ておるわけであります。そこでまず第一に大橋法務総裁に承
つて
おきたいでありまするが、先般の川上貫一君の本
会議
における
演説
内容
が外部に出たときにおきましては、当然私はプレス・コードの適用を受けるべきものである、かように考えまするけれども、その点についてどういうふうにお考えにな
つて
おりますか、承りたい。
大橋武夫
137
○大橋国務大臣 先般の川上君の
演説
内容
が、印刷によりまして外部に配布される場合におきましては、当然御
質問
の通り、現行の諸法令に抵触する点があると存じます。
佐々木盛雄
138
○佐々木(盛)
委員
次に、連合国
占領軍
目的に有害な行為に対する処罰令、これはその後改訂を加えられて、占領目的阻害行為処罰令とかいうふうに
なつ
たのじやないかと思いますが、これの第二條でありましたかに、「この勅令において、占領目的に有害な行為といふのは、連合国最高司令官の
日本
帝国
政府
に対する指令の
趣旨
に反する行為、」それからいろいろなのがありまして、「その指令を履行するために、
日本
帝国
政府
の発する法令に違反する行為」と規定されております。またプレス・コードというのは、これは昭和二十年九月十九日連合国最高
司令部
発表
のものでありますが、進駐軍に対し破壊的な批判を加えたり、また進駐軍に対して怨恨を招くような事項を掲載してはならぬということが規定されておりまして、これがプレス・コードに抵触することも先ほど総裁が指摘された通りであります。
従つて
外部に
宣伝
されておりまするこの「
国会
情報」なる新聞は、当然これは占領目的阻害行為処罰令にも抵触し、その適用を受けるべきものであると私は考えるわけであります。この処罰令の罰則におきましては、「この勅令に違反した者及び占領目的に有害な行為をした者は、これを十年以下の懲役若しくは七万五千円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」ということも規定されておるわけでありまして、私はこれは明らかに占領目的阻害行為処罰令に違反するものであると考えまするが、これに対する法務総裁の
見解
を承りたいと思います。
大橋武夫
139
○大橋国務大臣 大体同様に考えております。
佐々木盛雄
140
○佐々木(盛)
委員
次に団体等規正令の第二條におきまして、政党その他の団体は、「その目的又は行為が左の各号の一に該当する」ものはこれを結成することができないと規定し、さらにその第一号におきまして、「
占領軍
に対して反抗し、若しくは反対し、又は
日本
国
政府
が連合国最高司令官の要求に基いて発した命令に対して反抗し、若しくは反対」ということを明らかに規定いたしておりますることから考えまして、今回の共産党のこの印刷物は、当然団体等規正令の第二條に抵触するものと考えるわけでありまするが、法務当局はこれに対してどのようなお考えを持
つて
おられるか伺いたい。
大橋武夫
141
○大橋国務大臣 団体等規正令は、これは
司令部
の指令によ
つて
できたものでございまして、この運用につきましては、常に
司令部
当局と緊密な連絡の上でいたしておる、かような実情に相な
つて
おるわけであります。これに抵触するかどうか、また抵触する場合においていかなる措置をとるべきであるかということにつきましては、さような事情もございまするので、十分に研究をいたしたいと考えております。
佐々木盛雄
142
○佐々木(盛)
委員
連合国当局と
日本
政府
との間におけるいろいろ微妙ないし複雑な事情もあるでありましようが、少くとも條文の解釈から申しまして、団体等規正令の明示しておりますことに明らかに抵触する——法理論上の解釈を申しておるわけでありまして、そのように私は考えるわけでありますが、はたしてこれに抵触するかどうかわからぬというようなあいまいな解釈は、この條文のどこを押して見ましても出て来ないと考えるわけであります。そこで政治の問題はしばらく抜きにいたしまして、法理論上の
立場
から、法務総裁の御
意見
を承りたいのであります。
大橋武夫
143
○大橋国務大臣 現実にこの団体等規正令に抵触するかどうかということは、これは法理論上の問題ばかりでなく、実際上の問題と離すことができないと考えまするので、なお研究をいたしたいと思います。
佐々木盛雄
144
○佐々木(盛)
委員
法務総裁と私とは同じ自由党の中にあり、特に反共的な
立場
と理論を同じくしておるわけでありますが、微妙な国際関係等もあるわけでありまするが、理論上におきましては、首尾一貫しないものもたくさん持
つて
おられるようでありまして、この点私はまことに遺憾でありますが、政治上の
立場
からやむを得ないかとも考えるわけであります。ただ私たちが今日各種の法律や法規に照して考えましたときに、これは団体等規正令の第二條に抵触することは明々白々であります。従いまして、もし第二條に抵触するといたしまするならば、第四條において規定をいたしておりまするような団体の解散條項があります。第四條におきましては、今申しました第二條の規定に該当する団体として主務大臣の指定するものは解散するということも規定をされているわけであります。法理論上団体等規正令に抵触するということが明らかになりますれば、
日本
は国敗れたりといえども、共産党と違
つて
法治国でありますから、法の命ずるところに従い、解散等の措置を主務大臣の責任においてとられんことを特に私は望んでおく次第であります。法理論上の問題はその程度にいたしまして、私は
国会
の権威とそれから
国会
の威信、特に今後の講和
会議
というものを前に控えまして、非常に微妙な困難な
立場
に置かれておりまするわれわれ
国会
の
立場
から考えましても、院内におけるところの機密を要することあるべき事項が、ことごとくきわめて悪意に満ちたところのデマ
宣伝
によりまして、外部へ逆
宣伝
されるというようなことになりますと、とうてい
国会
の威信や
国会
の必要なる機密を保持することはできないと考えます。従いまして私はこれらに対しては、当然当局の必要なる措置をと
つて
もらわなければならないわけであります。この
国会
事務局内に
日本
共産党のフラクシヨンがあ
つて
、現に水谷新平という発行人が、内部から非合法活動をしておるということが明らかであります以上、
国会
内部における共産党分子のかかる行為に対しましては必要なる措置をと
つて
もらわなければならぬということを、国
会議
員の責任において私は痛感するわけでありますが、それらの点につきまして、法務総裁の所見を伺いたいと思います。
大橋武夫
145
○大橋国務大臣
国会
におきまする論議は
国会
内の問題でございまするが、この論議が外部に
発表
せられましたる場合において、その
内容
が諸法令に抵触するということに相なりまするならば、当然これに対しましては必要な取締りをやるべきものであると考えます。また
国会
の職員のうちで、法に抵触するような行為があつたという場合におきましても、これまた法による取締りに出なければならぬということは当然のことでございます。この点は
国会
の職員たると
一般
の者たると区別をいたして考えておるところではございません。
佐々木盛雄
146
○佐々木(盛)
委員
さらに一点だけ要望かたがた伺
つて
おきますが、共産主義の理論につきましては、すでに千万御
承知
の大橋法務総裁でもありまするし、今日
世界
の共産党のと
つて
おりまする戦術というものが、たとい表面どのような仮面をかぶり、どのようなカムフラージュを時にとりましようとも、その実体につきましては明らかに御
承知
であろうと思います。特に先般も野坂君自身が、
日本
共産党中央
委員会
の議決をも
つて
発表
いたしました自己批判等においても、議会政治を否認するのだ、憲法を蹂躙するのだ、暴力革命をやるのだということを明らかにいたしておるわけでありまして、この非合法活動をする目的を持
つて
団体結社をするということは、決して憲法に規定いたしますところの団体結社の自由の適用を受けないものである。ちよつと例が違うかもしれませんが、たとえばここに殺人強盗をやる目的を持
つて
殺人団をつくるという場合においては、その殺人団の組織は当然法の拘束を受けるはずであると私は考える。共産党の性格というものが憲法を蹂躪し、
国会
を蹂躪し、国法を蹂躪するのだという目的を持
つて
、今日共産党を組織いたしておるわけでありますから、そのような憲法を無視せんとするものの言論、結社の自由というものは、憲法によ
つて
保障されたものではないと私は考えるものでありますが、これに対する大橋法務総裁の御所見を伺
つて
おきたい。
大橋武夫
147
○大橋国務大臣 憲法を破壊するがごとき活動が、憲法によ
つて
保障されるはずはないという御
趣旨
のお尋ねでございましたが、これは確かに理論上さようあるべきものであると思いますが憲法上の諸権利の
制限
につきましては現在の憲法の建前といたしまして、これを
制限
いたすについての法的な根拠がいることは明らかでございまして、さような憲法を破壊するがごとき行為につきましては、それぞれ法的な根拠に基いて必要な取締りをいたす、こういうことに相なるわけでございます。
佐々木盛雄
148
○佐々木(盛)
委員
最後
に一点、これで打切ります。 野坂自己批判以来の
日本
共産党のいろいろな
決議
やあるいは動向、その指令や、いろいろなものを総合いたしまして、ここに
日本
の共産党が非常に非合法の性格を現わしておるということは、もう申すまでもないと思います。現に
日本
共産党が合法政党として存在したいという希望があるなれば、徳田球一君や野坂參三君が地下にもぐるということもあり得ない、当然法の命ずるところに
従つて
出頭しなければならないわけであります。共産党というものが非常な非合法的なものであるということは、これは憲法を蹂躪することが明らかである。そこで私はもう論議は避けますが、
日本
政府
ももうそろそろ共産党そのものの本質をよく見きわめて、共産党そのものの合法性に対して真劍に考えるべきときではなかろうかと私は考えます。一昨年の
アメリカ
の独立記念日であつたかとも思いますが、マツカーサー司令官が
日本国民
に告ぐると言
つて
発表
いたしましたメツセージの中におきましても、
日本
共産党の暴力的性格というようなものを指摘いたしまして、
日本国民
が共産党の活動に対して、合法性を認めるべきかどうかという疑問の問題をわれわれ
国民
に投げかけておるわけであります。われわれ
国会
も、また特に
政府
も、今こそ良識と善意を持ちまして、この共産党の合法性そのものに対して、マツカーサー司令官の投げかけた
言葉
にこたえるときが来ておるのではなかろうかと私は考えておるわけであります。 そこで
政府当局
はその共産党の合法性そのものに対する
態度
を決定することについて、最近お考えに
なつ
たことがあるかどうかということを承りますと同時に、私は
最後
に
政府
のもう少し理論と実際の一致した対策をと
つて
いただきたいと考えます。共産主義そのものの非合法性ということが明らかであるなれば、これに対して当然法治国であるから、法の適用によ
つて
対処すべきがあたりまえだ。にもかかわらず、共産党の非合法性の性格を一方において認めておきながら、その共産党の活動を自由に放任するというがごときは、まさにこれは理論的には自殺行為であります。
従つて
最近
政府
におかれまして、共産党の存在そのもの、合法性そのものについてお考えに
なつ
たことがあるかどうかということをお尋ねし、私の所見の一端を申し述べて強く要望しておく次第であります。
大橋武夫
149
○大橋国務大臣 共産党の、特に
日本
における共産党の非合法化の時期が来ておるのではないかという御
趣旨
の御
質問
でございますが、この問題につきましては、
政府
といたしまして目下愼重に考究をいたしておるわけでございます。
高田富之
150
○高田(富)
委員
ただいまの御答弁に関連いたしまして、簡単に二、三の御
質問
をしたいと思います。 第一は川上議員の
演説
並びにこの
国際情勢
の問題でありますが、この問題につきまして、ただいま懲罰
委員会
等におきまして、
演説
の
内容
について詳細な
検討
が行われて参つたのであります。大体これは終つたそうでありますが、結局
最後
に懲罰
委員会
の
委員長
自身も、この
演説
の
内容
、思想、そういうことを問題にするのでない、ただ若干
言葉
の上で非常にまずい
言葉
がありはせぬか、それをお取消しになる意思がないかというようなことを言
つて
おられたようであります。事実これは相当練られておるので、無責任に
演説
したわけではない。相当考究し、
検討
されまして、責任を持
つて
述べた
演説
でありますから、さような佐々木が御懸念くださるようなことはないというように確信しておるし、事実
委員会
の経過においてもそのことが明らかに
なつ
たと思うのであります。そのためになかなか懲罰できない。(「違う」と呼ぶ者あり)そこへ持
つて
参りまして、大橋法務総裁の今の御答弁によりますと、これが外部に
発表
されると現行法規に抵触するというようなことを言われるのは、はなはだ奇怪であります。
国会
においてはそういうところはほとんどないことが明瞭にな
つて
おるとわれわれは確しております。そういう結論がまだ
最後
的に出ませんが、そのやさきに、この席上で、これが
国会
外であれば現行法規に抵触するというように先ほど断言されたようでありますが、これは非常にむずかしい問題であります。
国会
審議に影響を及ぼさないとは限りません。そこでもし実際に抵触するというならば、どこの箇所のどこが何の法令に違反するかということをここで明らかにしていただくことがぜひ必要だと思うのです。これをまずひとつお聞きします。
大橋武夫
151
○大橋国務大臣 この
演説
につきましては、私どもの役所といたしましても十分研究をいたしてあるわけでございまして、その研究の結果の結論を申し上げた次第でありますが、どこの箇所がどういうことかということになりまするならば、後ほどまたあらためてお答えさせていただきたいと思います。
高田富之
152
○高田(富)
委員
しかしこれは
演説
をしておりましたときにも、そういう著しい問題があれば、あるいは
議長
が職権をも
つて
途中でとめるというようなこともあるのでしようが、そういうこともなく、非常に
国会
の権威を重んぜられて、
議長
の職責を全うされて、
最後
まで千何百名の傍聴者の前で
演説
も無事に完了しておるようなものでありますから、すでに
一般
にこれは公表されておるのであります。こういうふうに公開の席上におきまして、権威ある
議長
のもとにおいて堂々と合法的に
最後
まで述べられました
演説
を、あとになりましていろいろな難くせをつけ、さらにいろいろ研究してみたらどうも法律的にも違反しておるということを言われることになりますと、これは実際最も大事な、法律の中の基本である憲法の権威を擁護しておる
国会
の本
会議
場における
議長
の正しい職権の行使に対しても、いろいろと司法部の方から事実上
干渉
をや
つて
来るという結果にもなりまして、これは
国会
としてはなはだおもしろくないところであります。
従つて
この件につきましては、そういう刑事上の問題として、あとからいろいろな難くせをつけるような
態度
をとられないように、先ほどのお答えがありましたので、私は特に御注意を喚起しておきたいと思うのです。 それから共産党のや
つて
おることは非合法であるとか暴力であるとか、同じようなことをいつも繰返されるのでありますが、これらの点についても、やはり自由党内部からもいろいろと今のような御批判が出るように、
政府
は非常にあいまいであります。もう少しこれは明確にする必要がある。われわれ自身が、
日本
共産党が
国会
に出て参りまして、そうしてわれわれの主張を堂々と闘い、特にわれわれの基本的な点は、
日本
の法律の中の最も基本にな
つて
おる、占領下の
日本
における基本にな
つて
おるポツダム宣言、極東
委員会
の対日基本
政策
並びに憲法、こういうふうな法の根本に対しまして、私どもは断固としてこれを擁護するということを終始一貫、貫いておるわけであります。しかるに最近におきましては種々の点におきまして、これらの敗戦後の
日本
が国際的な規範のもとにあ
つて
着々再建されなければならぬ
立場
にありながら、この規範を犯しつつあるというところから種々の問題が派生的に起
つて
参
つて
おります。たとえばさつきも佐々木君が言うように、合法的にや
つて
おるならここでやつたらいいじやないか、何もいなくならぬでいいじやないかというようなことを盛んに言いますけれども、追放令の問題にいたしましても、これはポ宣言あるいは極東
委員会
の対日基本
政策
に明らかな通り、か
つて
の
侵略
勢力を復活するおそれあるものを追放する、こういう民主化の方向へ進むべき障害物の排除のために設けられた法律が、あべこべに、平和を死守し、このポ宣言を厳守する
立場
に立つものに対してややもすれば向けられんとする傾向がきわめて濃厚にな
つて
来た。つまり大きな非合法行為を犯しつつある
疑い
のある
政府
に対しまして、これに反省を促し、そうして真にわれわれ国際的に通用する合法的な
日本
の再建を主張するものに対して、これを非合法化呼ばわりをするという事態に現在は立ち至
つて
おるのであります。
従つて
政府
としましても、そうした派生的な問題のりくつで
解決
のつかないものが、
日本
共産党に対する処理の中にあるのはけだし当然であります。あたりまえであります。もしそういうことで共産党を非合法扱いにしようということになれば、
世界
の法律がこれを許しません。国際的な法規、規範がこれを許しません。
従つて
われわれは今目を小さくせず、国内の
一つ
一つ
の法律自体が、大きな国際的な規範に違反しておるのではないかということこそが、講和を前に
日本
の
国会
の論議すべき第一の重要な問題であります。こういうときにあ
つて
法務総裁はよろしく、個々の国内法自体が今や合法的であるかどうかが問題にされなければならぬ重要なときに大局的な対
日講和
を前にする
日本
の国際條約に対する信義いかんということが問題にな
つて
おるときに、
日本
共産党が
世界
の正義、
世界
の法的な正しい
立場
に立
つて
いる主張に対しまして、いささかこれに耳を傾けざるを得ない
情勢
が非常に濃厚にな
つて
来ておるということから、もう一段と反省せられ、もう一段とお考えを大局的の見地に置いて、そうしていやしくも共産党のや
つて
おることが暴力だとか、非合法だとかいうような、
世界
の半数が認めないような暴論を軽々にお述べにならぬように、私は特に御注意をしておきたい。
最後
に
一つ
この点で御
質問
したい。それは先般
ダレス特使
が参りましたときに、相当詳細にわたりまして対
日講和
を
中心
とした講演をされました、この講演の中の
最後
の方でありましたか、今ここに文章は持
つて
来ておりませんが、従来の国際諸條約、諸文書というようなものは、美しいりつぱな
言葉
で飾られてはいるが、過去の歩んで来た社会の道に踏みにじられた紙くずのようなものである云々という
言葉
があるのであります。これにつきましては国内の有力な新聞等においてもこれを社説に取上げまして、今共産党や社会党はポツダム宣言をたてにと
つて
講和論議をしておるが、はなはだこれはおかしい、
ダレス
さんでさえも諸條約、諸文書というものは紙くずである。美しい
言葉
で、飾られているが、踏みにじられた紙くずであると言
つて
おる時代に、何をポツダム宣言を云々するのであろうかというような社説さえも掲げられておる状態であります。これは私は法を守護する
立場
にある法務総裁とせられまして、軽々にこれを看過すべき傾向でないと思う。いやしくも今日私どもが講和を前にして第一に考えらなければならぬことは、国際的な信義を重んじ、国際諸條約に対する確固たる、これを死守するというこの誠意と熱意を
世界
に披瀝することこそが、これこそが当面私どもの第一に果すべきことでなければならぬと思うのです。
従つて
この種の言論に対しまして、法務総裁はいかようなお考えを持
つて
おられるか、この点をひとつ明快に御答弁を願いたいと思います。
大橋武夫
153
○大橋国務大臣 高田君の
宣伝
演説
をつつしんで拝聴いたしました。
守島伍郎
154
○守島
委員長
それでは本日はこれで散会いたします。 次会は公報をも
つて
お知らせいたします。 午後一時五十分散会