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1950-12-13 第10回国会 衆議院 外務委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十五年十二月十三日(水曜日) 午前十一時十六分
開議
出席委員
委員長
守島
伍郎
君
理事
北澤 直吉君
理事
佐々木盛雄
君
理事
小川 半次君
理事
西村
榮一君 大村 清一君
小川原政信
君 菊池 義郎君
栗山長次郎
君 仲内 憲治君
並木
芳雄君 山本
利壽
君
高田
富之
君
出席国務大臣
通商産業大臣
横尾 龍君
出席政府委員
外務政務次官
草葉
隆圓
君
外務事務次官
太田 一郎君
外務事務官
(
政務局長
) 島津
久大君
外務事務官
(
条約局長
)
西村
熊雄
君
大蔵事務官
(
主計局次長
) 東條 猛猪君
委員外
の
出席者
総理府事務官
(
特別調達庁財
務部長
)
川田
三郎君
外務事務官
(
管理局引揚課
長) 武野 義治君 専 門 員 佐藤 敏人君
—————————————
十二月六日
委員高田富之
君
辞任
につき、その
補欠
として林 百郎君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月七日
委員林
百郎君及び
中村寅太
君
辞任
につき、その
補欠
として
高田富之
君及び
中野四郎
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月十一日
委員福田篤泰
君
辞任
につき、その
補欠
として中
島守利
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員中島守利
君
辞任
につき、その
補欠
として福 田篤泰君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
国政調査承認要求
に関する件
国際情勢等
の
説明聽取
に関する件
—————————————
守島伍郎
1
○守島
委員長
ただいまより
外務委員会
を開催いたします。 まず
国政調査承認要求
の件についてお諮りいたします。本
委員会
といたしましては、前回と
同様衆議院規則
第九十四条によりまして、
国政調査承認要求書
を
議長
に提出いたしたいと存じます。 まず
調査
する事項は、 一、
国際経済
に関する
総合的調査
二、
講和会議
に関連する諸
問題
三、
国際情勢
に関する
問題
次に
調査
の目的は、 一、
国際経済
の現状及び
動向
を
調査
し、
国民外交
並びに
国策
の
樹立
に 資す 二、
講和
問題
に関連する
わが国
の内 外の
政治的経済的動向
を検討し、
基本的国策樹立
のための
準備研究
を行う 三、
朝鮮事変
の推移を注視し、その
国際情勢
並びに
わが国
の
政治経済
に及ぼす
影響等
を検討する
調査
の
方法
は、
関係
各
方面
より
意見
の
聴取
及び
資料
の
要求
調査
の期間は、
本会期
中といたしまして、ただいまの
国政調査承認要求書
を
議長
に提出いたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
守島伍郎
2
○守島
委員長
御
異議
がなければさようとりはからいます。
—————————————
守島伍郎
3
○守島
委員長
次に、
国際情勢等
に関する
説明聴取
の件を
議題
といたします。
政府
より発言を求められておりますからこれを許します。
草葉政務次官
。
草葉隆圓
4
○
草葉政府委員
先会
御
報告
申し上げましたその後におきます
国際情勢
の一般について御
報告
を申し上げます。 まず
朝鮮
の
戦局
について申し上げます。
先会
御
報告
申し上げましたように、十一月二十八日、
マツカーサー元帥
が
中共軍
二十万以上が
北鮮
の
国連軍
の正面に陣を
張つて
お
つて
、ま
つた
く新しい
戦争
に直面しておると
声明
いたしまして以来、
朝鮮
の
戦局
についての世界の関心は、まことに異常なる緊張をいたしましたことは御
承知
の
通り
であります。その後十二月二日に
マツカーサー元帥
はさらに見解を
発表
いたしまして、約六十万の
中共軍
が
国連軍
の前面にいることを
発表
いたされたのであります。
ちようど
この十二月二日には
コリンズ
・
アメリカ陸軍参謀総長
が
ワシントン
を出発して、
東京並び
に戦線を視察することになりました。 なお
戦局
といたしましては、二日の夜から
国連軍
は平壌の撤退を開始して、四日の総
司令部
の
発表
によりますと、
北鮮
で
国連軍
に対抗中の
共産軍
の兵力は二十六万四千程度である。その背後には約五十五万の
中共軍
があり、さらに多数の
中共軍
がこれらを支援するために
中国本土
を北上中であると
発表
され、これらは突然起
つた
衝突のためではなくして、
長期
にわたる計画に基くものであ
つて
、
準備
は久しい以前から行われており、
戦場投入
の
決定
は、少くとも
北鮮軍
の敗北が明らかと
なつ
たあとであるということを
発表
されておるのであります。ところがその後
戦局
もだんだん
国連軍
の
作戦等
によりまして、
国連軍
は一時はその運命を相当危ぶまれてお
つた状態
でありましたが、だんだんと
作戦等
によりまする
状態
で、
小康
を得かか
つて
参りましたように思われるのであります。
コリンズ参謀総長
が
トルーマン
、
アトリー会談最終日
の八日に
会議
に出席して、
朝鮮
の
事態
は重大ではあるが、
国連軍
は自力でこれに対処し得ると思う、という
意味
を述べたと伝えられておりまする点から
考え
ましても、やや
小康
を得た形をとられて来たと存ずるのであります。また一昨日現地を視察いたしました
マツカーサ元帥
も、
敵軍
の性格と能力が根本的に変化したことによる、大きな危険があるにもかかわらず、
国連軍
は現在のところ比較的安全だと思うという
声明
を出しておるのであります。 このようにして
戦局
の
小康
は、
事態
の
收拾
に有利に作用する一つの要素であると思われるのでありまして、
ちようど
二年前に
国際関係
を極度に緊迫緊張させましたベルリンの封鎖
問題
も、遂に破局に至らずして平和的に処理されたのでありまするが、今回の
朝鮮
問題
も、何とか平和的に
收拾
されることもまた不可能ではないと思われる見通しが、
戦局そのもの
の上からも
考え
られて来るようになりましたし、また私
ども
もかくあることを強く希望してやまないところであります。この
戦局
に
関係
いたしまして、
先会
御
報告
申し上げました
トルーマン
、
アトリー会談
か、十二月四日から八日まで
ワシントン
で行われたことは御
承知
の
通り
でございまするが、結局
朝鮮
の
事態
の
緊迫化
に促されて、ことに十一月三十日に
トルーマン大統領
が
記者団会見
におきまして、
原子爆弾
を使用する
用意
があると誤り伝えられまして、
西欧諸国
に非常な衝撃を与え、
アトリー首相
も、
原子爆弾使用
という
事態
のまことに重大な様相にかんがみまして、即日
トルーマン大統領
に
会見
を申出て、その同意を得て、この
会見
が行われることに相
なつ
た次第でありまするが、この結果につきましては、
共同コミユニケ
が
発表
されまして、詳細その
内容
が伝わ
つて
おりまするが、要するところ、その趣旨といたしましては、
国連
とそれによ
つて
立ちまする諸原則をあくまで擁護して、いわゆる
宥和政策
を排撃しながらも、
事態
の
平和的解決
を希望するという点であると存じます。 この
希望達成
の
いかん
は、今後
インド
を
中心
としております
事態
の
平和的解決
への
動き
なり、ただいま申し上げました
朝鮮戦局自体
の
動向いかん
に、かかわ
つて
いるところが大きいと
考え
るのであります。 そこでただいま申し上げました
インド
を
中心
といたしました
国々
の、いわゆる
アジア中東
の
国々
のこれに対する
動き
、これが本月の初めから強く
動き
出しておりますことは、御
承知
の
通り
でございますが、
ラウ国連インド代表
が、本月の一日に
中共伍修権代表
と
会見
いたしました後、数回
会談
が行われ、五日には
インド
その他
アジア中東
の十三箇国は共同して、
中共政府
、
北鮮政府
が三十八度線で進撃を停止して、極東の危機を
解決
する方策を検討する余裕を与えるよう
要請
いたしたのに対しまして、
中共
は
アメリカ
が
台湾水域
から撤退すること、
中共代表
を
中国正式代表
と認めて、ただちに
国連
に参加させることを条件としておると伝えられております。この
問題
につきましては、
アメリカ
は一般
問題
ではなく、
朝鮮
問題
だけに
限つた解決
の
方法
を希望しておるやに伝えられておりまするので、困難な
動き
が見られてお
つたの
でありまするが、一昨日十一日に
アジア中東
十三箇国の
代表
は三回目の
会談
を開きまして、
朝鮮
におきまする
中共軍停戦
の
要請
と、
国連調停委員会
の設置というのを
中心
の話題といたしましてこれを
決定
いたし、これをも
つて
国連総会政治委員会
に
提案
する運びに進んだようでありまするが、その中で
フイリピン
は、
朝鮮
問題
だけに限るという
主張
から、一般
問題
の取扱いには
反対
いたしまして、
従つて
十二箇国による
提案
という形をと
つて参つた
と存じます。昨日
総会
の
政治委員会
に対しまして、いわゆる
フイリピン
を除きました十二箇国の
提案
として、第一には
朝鮮
の戦闘をただちに
停戦
して、細目を定めるために三人
委員会
を設置する。三人
委員会
には
エンテザーム議長
を含める。第二には
停戦
のラインを設定する。第三にはその上で数箇国からなる
委員会
をつく
つて
、一般
問題
の討議をなす。特に数箇国と
主張
しておるようでありまするが、むしろその数は
政治委員会
できめるべきものであ
つて
、ただこの
ラウ
・
インド代表
は、
自分
の
考え
からすると、大体七箇国からなる
委員会
をつく
つて
、その七箇国は、米、英、仏がこの
問題
を
最初
に取上げておるし、
ソ連
もそうであるから、
ソ連
を加えて
インド
、
エジプト——自分
の方と
エジプト
とはこの直接の
問題
に携わ
つて
おるから、
インド
、
エジプト
、
中共
は直接の
利害関係
の国であるから
中共
。結局
自分
の
考え
としては英、米、仏、
ソ連
、
インド
、
エジプト
、
中共
を加えたこの七箇国の
委員会
が適当であろうと思うが、この
決定
は
政治委員会
で
決定
すべきものであるという
意味
の
提案
をいたし、これに対しまして、
英米
は
賛成
をしましたが、
国民政府
は
反対
いたしたようであります。これをまず先議として議決すべきであるという
表決
に対しましては、これを多数をも
つて
可決
をして、多分本日の
総会
の
議題
としてこれが
表決
に付せられるのではないかと
考え
られるのであります。
アメリカ
の
軍備拡張
に対しましては、
トルーマン大統領
が十二月一日に議会に
教書
を送
つて
、
アメリカ
の
国防強化
のために必要な
資金
として、
国防省関係
の費用として百六十八億四千四百余万ドル、
原子力委員会
の
関係
として十億五千万ドル、その他合計百七十九億七千八百余万ドルの
追加予算
を
要請
いたしたのであります。これで本年度の
国防省
の総
予算
は、これが
決定
になりますと、実に四百十八億余ドルということになりまして、このほかに
原子力
あるいは
対外軍事援助費関係予算
を含めますと、五百億ドル近い
軍事関係
の
予算
と相なるかと思われます。当初
予算
に対します
軍事費
の
予算
が三五%であ
つたの
に比べますと、六十数パーセントの
状態
に相なると
考え
ます。今度の
追加予算
は
朝鮮動乱
直後なされました
追加予算
をはるかに上まわ
つて
おります点から
考え
ましても、
アメリカ政府
が今回の
朝鮮戦局
の
事態
をまことに重大視しておりますことが、うかがわれると思いますが、しかし
大統領
は
教書
の中でこの
支出要請
は、決して
戦争予算
ではなく、もしや
戦争予算
であるならばこれ以上の巨額の
資金
が必要である。ただ
長期
にわたる
緊迫状態
に対処する
準備
をしておかなければならないから、この
予算
を提出したという
意味
を述べておるのでありますが、この点は
トルーマン
、
アトリー会談
の
共同コミユニケ
で
発表
されました点にも同様な線が述べられておるのであります。 次に対
日講和
のその後の状況について御
報告
申しますと、その後特に目立
つた
動き
はございませんが、ただ注目いたされます点は、今月の四日に
北京放送
をもちまして、
中共政府
の
周恩来首相
兼外相が対
日講和
につきまして、
北京政権成立
以来
最初
の
公式発表
をいたした点でございます。これによりますと、大体
先会
御
報告
申し上げましたソビエトの覚書の線に沿
つて
おる
——
関連しておると思われます
内容
でございますが、
中国人民共和国政府
は
中国代表政府
として対
日講和条約
の草案の作成なり
調印参加
の権利がある。
北京政府
の参加しない
会議
は無効である。
台湾
、澎湖島は
中国領土
である。千島、樺太は
ソ連領
としてすでに
決定
しておるのであ
つて
、いまさらあらためて討議する必要はない。琉球、小笠原諸島については、特に
アメリカ
の
管理下
に置くというとりきめはこれまでない。
日本
の再
軍備
及び
米国軍
が
日本
を
軍事基地
として使用することには
反対
である。対
日講和
はあくまで
全面講和
でなければならないというような
意味
の
内容
を
盛つた講和声明
を
発表
いたしたようでございます。 最後に
引揚げ
問題
につきまして、この
機会
に御
報告
を申し上げておきたいと思います。
日本代表
といたしまして
中山
、
齋藤
、倭島の三君が
国際連合
に参られましてから、その後の
引揚げ
問題
の
国際連合
における
動向
を注目して待望いたしてお
つたの
でございますが、今月の七日
国際連合社会人道委員会
、いわゆる第三
委員会
におきまして、第二次大戦における
ソ連
に抑留された約百五十万の
調査
に関する件が
議題
として取上げられ、ただいま申し上げました
中山
、
齋藤
、倭島三君も
オブザーバー
として出席し、ドイツからは四人、イタリアからは
国連常駐
のマシヤ、このそれぞれの国の
代表
が
オブザーバー
として出席し、それぞれの国の
資料
を配付いたしたのでございます。一昨十一日に、
アメリカ
、
イギリス
、
オーストラリア
三国の
提案
が一部修正いたされました
内容
においての
議題
が討議されたようでございますが、この第一は
捕虜
をまだ帰さぬ国に対して、
国連
は
捕虜
の
名前
、
死亡者
の
名前等
の
情報
を
国連
に
報告
させる。第二は三人からなる
委員会
を来年の五月までにつく
つて
、その
報告
が四月
一ぱい
になされないか、それが不満なときには五月以降に
会議
を開いて、
ソ連
に
実情報告
を求め、またみずから
調査
を行い、
捕虜
の
引揚げ
について適当な手段を講ずるという
意味
の
内容
を持
つた
問題
が討議され、
各国
いろいろと
論議
がされたようでございます。幸いにその
表決
の結果は、
賛成
四十三、
反対
五、棄権八、欠席が四であ
つた
ようでございますが、このような
状態
におきまして
可決
されたのであります。この
可決
されました会場の
状態
から
考え
ますと、
日本
の
抑留者引揚げ
の
問題
は、むりからぬところである。いやむしろ正当と
考え
られるという
印象
を強く与えて、
人道
上の根本に触れた
問題
として打拾てておけないという
正義感
が強く支配して、ただいま申し上げましたような多数の
賛成
によ
つて
可決
される
運びになつたようでございます
。私
ども
はこれによりまして、来年の四月
一ぱい
までに
ソ連
から
情報
が提供されるように
可決
にな
つて
おるのでありまするが、それを待つまでもなく、一日も早く
ソ連
から
情報
を受けることを希望いたす次第でございます。ことにこの第三
委員会
におきましては、また今までにおきましても、
アメリカ
の
サンプソン夫人
、
イギリス
の
マグドナルド卿
、
オーストラリア
のローレンス・マックインテー、これらの
代表
の三
国側
の強力なる活動と
努力
によりまして、
日本
の
抑留者
の
引揚げ
の
問題
がこのような
状態
において
各国
の支持を受けました点に対しまして、
日本政府
といたしまして、これらの御
努力
に対して衷心より感謝いたす次第でございます。
守島伍郎
5
○守島
委員長
それではこれより質疑を許します。
並木
君。
並木芳雄
6
○
並木委員
この間の
外務委員会
で
首相
は、
国連
による
安全保障
だけが
日本
の
安全保障
とは限らないという意向を漏らされたように記憶しております。私
ども
はすぐそれに対してどういうことかと聞き返したか
つたの
ですけれ
ども
、時間の割当上反問することができなくて今日に至
つた
わけでございます。
草葉政務次官
にそれを補足して
説明
していただきたいと思うのです。結局これは
国連依存
という心境にゆるぎが出て来たのかどうか。あるいは
国連
による
安全保障
というものが、
朝鮮動乱
によ
つて
困難にな
つて
来たことを
意味
するのか。その
国連
によらないとするならば、どういう形の
安全保障
というものが
考え
られるか。これをまずお伺いいたします。
草葉隆圓
7
○
草葉政府委員
先般
外務委員会
なり
予算委員会
で
外務大臣
がいろいろお答え申し上げましたのは、必ずしも
国連
による
安全保障
以外に、まだ他に
安全保障
の
方法
をとるのだという
意味
じやなか
つたの
であります。今お話のように、
朝鮮
問題
で
国連
の
戦局
がたいへん危ぶまれる
状態
にな
つたの
で、
日本
が
国連協力
というのをゆるめたのじやないかという御
質問
でございますけれ
ども
、そういう
考え
は毛頭ないのでありますから、この
機会
にこの点はつきりと御
了承願
つて
おきます。
並木芳雄
8
○
並木委員
そうすると
首相
の言われたのは間違いですか。
草葉隆圓
9
○
草葉政府委員
決して間違いではございません。
首相
はそういう
意味
で申されたのではないので、
速記録等
こちらも調べましたが、そういう
意味
ではなか
つた
と思います。
並木芳雄
10
○
並木委員
いやしくもあれだけのことを言われたならば、
国連
によらずとすると、どういう形の
安全保障
が
考え
られるかという私の
質問
にはお答えできると思うのです。
草葉隆圓
11
○
草葉政府委員
実は新聞でそういうふうに報道されている点が多か
つたの
ではないかと思うのですが、
速記録等
におきましては、むしろ
国連協力
はやめて、ほかの
安全保障
の道をとるのだというような
意味
をも
つて
お答え申し上げたのでは毛頭ないのであります。
並木芳雄
12
○
並木委員
草葉政務次官
、
責任
を負いますね。
首相
はときどき次官の言うことは
責任
は負わないということを言われますが、
責任
を持
つて
お答えいただけますね。
草葉隆圓
13
○
草葉政府委員
それはさよう信じております。
並木芳雄
14
○
並木委員
また
首相
は、
講和
は遅れるかもしれないと言われております。しかし一方
アメリカ方面
には、
朝鮮
の新
事態
に即応して
講和
は早くなるのじやないかという
意見
も見えておる。こういう点は、一週間ばかりしかた
つて
おりませんけれ
ども
、今日現在として
政府
はどうお
考え
にな
つて
おりますか。
草葉隆圓
15
○
草葉政府委員
実はこれも、
首相
は
講和
は遅れるということは申したことはないのであります。これはそういう
考え
なり
印象
をお持ちに
なつ
たかしれませんが、そういう態度なり
発表
なりはと
つて
おりません。私先に対
日講和
のときにつけ加えて申し上げるのを落しましたが、ただいま御
質問
にもありましたように、最近は
朝鮮
問題
を
中心
にして、むしろ早くすべきであるという
主張
も相当強くあるようでございまして、
日本政府
といたしましても、決して
朝鮮
問題
のために
講和
が遅れるということは
考え
ておらないのであります。
並木芳雄
16
○
並木委員
この
機会
にひとつお確かめしておきたいのですが、今までの
自衛権論議
におきましては、
日本
の
領土
内ということがその
限界
のように私了解してお
つたの
であります。ただ
朝鮮
の新
事態
の成行きによりましては、
朝鮮
を守ることも
日本
の
自衛権
の中に入
つて
来るのじやないかというふうな、これも私
しろうと
ですから、
政府
の皆さんがお
考え
に
なつ
たら、非常におかしな
質問
になるかもしれませんけれ
ども
、そういうようなことが出て来るのではないか。
つまり自衛権
というものの
発動
には、
日本
の
領土
を守るということがあくまで
限界
にな
つて
おると思いますが、この点いかがですか。これをなぜ私お聞きするかと申しますと、前の
北鮮
と
南鮮
との
動乱
のときには、さほどでもなか
つた
かもしれませんが、いよいよ
中共軍
というものが出て参りますと、
日本
に対する脅威というものが相当違
つて
来るのじやないか。そうすると勢い
朝鮮
を守ることは、やはり
日本
の
自衛権
の
発動
になるのだというふうな議論が出て来やしないか、それをおそれておりますので、お伺いしておるのです。
草葉隆圓
17
○
草葉政府委員
そうは
考え
ておらないのでありますが、詳しい法規上、
条約
上のことはまたひとつ
条約局長
から御
答弁
を申し上げます。
西村熊雄
18
○
西村政府委員
私が学問的な御
答弁
を申し上げると、しよつちゆう
問題
を起しますので、簡單にという御注意があ
つたの
であります。(笑声)
並木委員
が、
もの国際法
の御本を
ちよ
つとお
読み
になれば、御
質問
は出ないはずだと
考え
ます。
自衛権
というものは、大学でもう御講義をお聞きになりましたと思いますが、一国の
権益
に対して急迫不正な
侵害行為
が行われて、その他の
解決
の
方法
がない場合、やむを得ず
侵害
を受けた国がとる、排除する
行為
です。それだけお
考え
になればまずおわかりになると思います。それ以上の御
説明
は差控えます。
並木芳雄
19
○
並木委員
ですから私は
しろうと
だと断
つて
おる。要するにこれは
国民
の方でもそう
専門家
ばかりはおらないわけです。やはりそれに対する
政府
の
答弁
というものが、非常に
参考
になるから私はお聞きしておるのですが、要するに
日本
の
領土
が
侵害
されざる限り、絶対に
自衛権発動
の対象とはならない、こういうふうに了解していいわけでございますね。それと、いわゆる
領海
というものは当然
領土
に入ると思いますが、いかがでしようか。
西村熊雄
20
○
西村政府委員
私は今
国際法
の定義を申し上げましたが、そのときに何も一国の
領土
に対する云々とは申しておらないのです。一国の
権益
に対して急迫にしてかつ
国際法
上不正なる
危害行為
を加えられたときに、
危害
を受けた国が他にそれを排除する
方法
がない場合に、やむを得ずとる、普通ならば
国際法
上とり得ない
排除措置
を
自衛権
というというのです。
従つて
学問的には
領土
、
領海
というものに限定されたものではないということになるわけです。要するに
侵害
を受ける一国の
権益
の所在という点になるわけです。
並木芳雄
21
○
並木委員
ですからやはりそこには相当むずかしい
問題
が実際として起
つて
来るように私は拝承したわけです。
領土
的には、地域的には絶対に起らないですか。
ちよ
つとくどいですが、
日本
の
権益
という言葉で現わされてしまいますから、私了解しにくいのですが、
権益
というものは、必ずしも
領土
内、
領海
内にのみ限らない。もう少し具体的に申しましようか、
朝鮮
というものが緊迫して来て、いよいよ
日本
の
権益
というものが侵されるおそれがある、他に
方法
がないというような場合には、
日本
から
朝鮮
に人を送るというようなことが
自衛権
の
発動
になり得るか、こういうような点なのですが……。
西村熊雄
22
○
西村政府委員
そうはならないと思います。
並木委員
にお勧めいたしますが、どうか立さんの
平時国際法
上の自門衛に関するものを御一読願いたいと思います。そうすればよくおわかりになると思います。もう少し知りたいと思われますならば
不戦条約締結
当時に、あの
関係国
は主として
不戦条約
の関連において
自衛権
の留保をいたしております。そのときの
イギリス政府
の
通告文
などをお
読み
になると非常に
参考
になると思います。
並木芳雄
23
○
並木委員
引揚げ
について
外務省情報部
の
発表
の名簿は、その住所、氏名その他詳細公表すべきであると思いますけれ
ども
、
官報
か何かに全部載せる
用意
があるかどうか。それからあの
数字
は
国連
で
発表
された
数字
と一致しておりますかどうか。それと
中共
が
国連
に加盟を許されれば、
引揚げ
は促進されるのではないかという
意見
をなす者がありますけれ
ども
、これに対して
政府
はどうお
考え
になりますか。
草葉隆圓
24
○
草葉政府委員
個別的な
名前
と三十一万
——
一昨日はつきりと
名前
はわか
つて
おると
発表
いたしましたが、これは
国連
でも同様に言われておる点だと存じます。しかし
代表
が参りまして、この点はいろいろ当時の
報告
がありますとなおはつきりすると思います。 それから
官報
に載せる意思があるかという点につきましては、現在はそこまでは
考え
ておりません。
中共
が
国連
に加盟すると
引揚げ
が促進されるかという御
質問
でございますが、
引揚げ
の
問題
は、政治的に
中共
が加盟する加盟しないの
問題
にかかわらず、
人道委員会
において取上げられましたように、それとはむしろ別個のものであ
つて
、加盟しなくても、
引揚げ
の
問題
は促進すべきものであると
考え
ます。
並木芳雄
25
○
並木委員
この際私は
調達
の
問題
について、
ちよ
つとお尋ねしたいと思います。
調達
は今まで
終戦処理費
でまかなわれてお
つた
と思いますが、最近の
事態
は、
国際連合
という
関係
で二本建にな
つて
おるのではないかと思うのです。
終戦処理費
の
関係
と
国際連合
の
関係
の
調達
とは、どういうふうに区別されておるのでしようか、そういう点をお伺いしたいと思います。
川田三郎
26
○
川田説明員
特別調達庁
の
説明員
からお答えいたします。
国際連合
の
調達
とは区別されております。現在
アメリカ自身
が
調達
しておりますものは
日本政府官庁
においては関与しておりません。また
終戦処理費
から
調達
いたしますものは、全部軍の成規の
調達
命令によ
つて
や
つて
おるものであります。二種類はありますが、全然その間に
関係
はございません。
並木芳雄
27
○
並木委員
現実の場合に、これが混同されるおそれがあるのではないかと思うのです。今まで
終戦処理費
関係
で
調達
して来てお
つた
ものは、それは割に円滑に処理されてお
つた
ようですが、
国際連合
の線で来た
調達
の場合には、
特別調達庁
あたりでも、本件についてはまだ
承知
しておらないというふうな係官の
答弁
に接したこともあるのですが、現在はその点円滑に行
つて
おりますかどうか。たとえば施設をするために農地の接收をする場合がございます。そういう場合に、従来ならば当然一つのルートがあ
つて
、十分事前に周知せしめられてから
調達
が行われてお
つたの
です。ところが最近の
状態
では、それが急ぐためでありましよう、十分現地の
日本
人に周知されないで
調達
が行われる場合がある模様なんですが、そういう場合に、ただいま申しましたように二つの流れがあると思う。
終戦処理費
の方はうまく行
つて
おるのですが、いわゆる
国際連合
関係
の場合、円滑に行
つて
おるかどうか、そうしてその費用はどういう勘定で出されるのでありますか。
川田三郎
28
○
川田説明員
国際連合
の方でや
つて
おるものかどうかということも、確然と私
ども
の方にはわかりませんが、横浜におきます軍の在日兵站部自身が
アメリカ政府
の
予算
によりまして、
アメリカ
人の
調達
官によ
つて
調達
されるものがあるということは
承知
しております。しかしそれが、不動産の接收の例をおあげになりましたが、不動産の場合でありましても、私
ども
は何ら関与いたしておりませんので、円滑に行
つて
おるかどうかということは、ここで御
答弁
申し上げかねる次第であります。
並木芳雄
29
○
並木委員
実際の場合二つがあり得るということが
考え
られるわけですね。そうすると、これが
終戦処理費
関係
であるか、
国際連合
の
関係
であるかという、その区別の一線を引く標準を
政府
はわか
つて
おるかどうか、これがなかなか現実の場合にはいろいろトラブルを起すのです。
川田三郎
30
○
川田説明員
日本政府
の
責任
においてやるべき
調達
であるかどうかの一線は、いわゆるPDといわれておりますプロキユアメント・デマンド、
日本
語にいたしまして
調達
要求
書であります。この線に沿うものであるならば、
日本政府
はただちにその
調達
に入らなければならない。同時にこれが文書をも
つて
明らかにせられていないものは、
日本政府
といたしまして
調達
をせなくてもいいというはつきりした線が引かれております。
守島伍郎
31
○守島
委員長
簡單に願います。
並木芳雄
32
○
並木委員
それではもう一点だけにいたします。 この間
首相
からも、
終戦処理費
については減らすように
努力
するという
答弁
があ
つて
満足したわけですが、大体来年度の
終戦処理費
というものは、どのくらいになるか見当がついていましようか。ぞれから
終戦処理費
に関連して終戦処理收入というものがあるそうですが、この終戦処理收入というものの明細はどうな
つて
おりますか。
東條猛猪
33
○東條
政府
委員
昭和二十六年度の
予算
につきましては、まだいろいろと話合いをいたしておりまして、
終戦処理費
につきましては、はつきりした計数を申し上げる段階にただいま至
つて
おらないのでございますが、私
ども
の想像しておりますところでは、本年度よりは増すことはなかろう、若干減るのではなかろうかというふうにただいまのところ推測をいたしております。それから終戦処理收入の
問題
でございますが、これは過般補正
予算
で御審議をいただいたのでありますが、終戦処理支出に伴いまして終戦処理收入が行われるわけでありますが、本年度の補正
予算
と合せますと、九十八億程度の追加をいたしております。大体そういう状況にな
つて
おります。
並木芳雄
34
○
並木委員
明細はどんなものがありますか。
東條猛猪
35
○東條
政府
委員
明細はいろいろございますが、これはただいま
特別調達庁
の
政府
委員
からも御
説明
申し上げました
通り
でございまして、終戦処理支出に伴います終戦処理收入の内訳は、たとえて申し上げますれば、こちらに駐在しておられますところの進駐軍
関係
の方々が、規定以上の女中とか、あるいは家事使用人をお使いに
なつ
た場合、正規の割当以上にそういう使用人をお使いになりました場合、いわば雇用料に当りますものであるとか、あるいは通常の場合以上のいろいろ運輸
関係
の費用がかか
つて
おるとか、あるいはサービス等を提供しておるという場合におきましては、それに伴いますところの收入の提供を受けております。これはいろいろ
関係
がございまして、
特別調達庁
にいたしましても、大蔵省にいたしましても、十分にその明細を申し上げるだけの
準備
をただいまいたしておりません。
守島伍郎
36
○守島
委員長
北澤君。 1
北澤直吉
37
○北澤
委員
朝鮮
の
動乱
については、あとで外務省の
政府
委員
にお尋ねいたしますが、その前に通産大臣がお見えにな
つて
おりますから、この
朝鮮動乱
と
日本
の特需の
関係
、あるいは一般貿易
関係
につきましてお尋ねいたします。
朝鮮
の
動乱
が非常に重大な段階に達したことは申すまでもないのでありますが、これによりまして
日本
の特需の将来につきましても、重大な影響があると思うのであります。どうも従来
日本
側は、ややもすれば特需の
問題
につきまして、甘く見過ぎてお
つた
ようであります。過般ドツジ公使が来ましたときにも、特需の
問題
をそう楽観してはいかぬというようなことを言
つて
おりますが、今日の段階を見ますと、まさにその
通り
でありまして、特需の将来ということにつきましては、
朝鮮
の
動乱
が重大な段階に入れば入るほど、おもしろくない影響が来ておりまして、最近では特需のために発送したものが途中でとま
つて
おるというような状況でありまして、特需の将来についてはわれわれは必ずしも楽観してはいけないと思うのであります。この点について御
意見
を伺いたいと思います。
横尾龍
38
○横尾国務大臣 特需の
問題
について御
質問
でありますが、特需のために内地の市場を圧迫しはせぬかというおそれがありますので、これに対しましてはなるたけ早く、なるたけ多く原料を輸入することに今
努力
中であります。
朝鮮動乱
が漸次進行し、または長引くにつれましてその傾向は顯著になると思います。最近途中で停滯しておるという話でありますが、この点についての原因はよく調べておりませんから、調べましてお答え申し上げたいと思います。
北澤直吉
39
○北澤
委員
先ほど
外務政務次官
からいろいろお話があ
つたの
でありますが、もし
中共軍
が三十八度線でとまるということになりますと、当然特需の
問題
についてもある程度、何と申しますか、望みがあるのでありますが、もし万が一、
中共軍
がもつと南の方に来るということになりますと、この特需というものは相当減
つて
来はしないか。むしろ最悪の
事態
においては、
国連軍
が
朝鮮
半島から撤退するということになりますと、
朝鮮
向けの特需はゼロになるというところまで
——
われわれはそれを希望しませんが、おそれるのであります。それについて御
意見
を伺いたいと思います。
横尾龍
40
○横尾国務大臣 今の、
中共軍
が三十八度線から越して来る、または
国連軍
が撤退するということにつきましては、私としてはそうまでならぬのじやないかというような
考え
を持
つて
おります。もしもそう
なつ
たと仮定してのお話と思いますが、私は特需に対しましては、これは一時的の変態的なものであるので、これをも
つて
産業を
考え
ることは多少、あまり特需により過ぎるという傾向を起しはしないか。従いまして私
ども
通産省といたしましては、特需は一時的のものとして、これを除外して通産行政を
考え
たい、それに特需がプラスである、こういうことで行くのが道ではないかと
考え
ます。従いまして特需のためにある特殊の工場を、非常に増大するというようなことはなるべく避けて、現在をも
つて
能力を上げて、また他の利益のあるものと相呼応してや
つて
行くことが、この変態の事情に対する道ではなかろうか、こう
考え
ます。
北澤直吉
41
○北澤
委員
次に伺いたいのは、
中共
との貿易の
問題
であります。最近
政府
は、香港を含めて
中共
向けの輸出品の船積みを一時停止したわけでございますが、最近の新聞によりますと、
アメリカ
では、全商品にわた
つて
中共
向けの船積みをとめたというふうな報道があるのであります。そこでお聞きしたいのは、今回の
日本
側の
中共
向け船積み停止の措置は、これは
日本
側だけでや
つたの
が、
アメリカ
の
要求
によ
つて
や
つたの
か。もし
アメリカ
の
要求
によ
つて
や
つた
とすれば、
アメリカ
が全部の商品について船積みを停止したということになると、
日本
に対してもそういうことを要望して来はせぬか、実はこう思うのでありますが、今回の通産省のと
つた
中共
向け商品の船積み禁止の措置は、
アメリカ
の
要求
によ
つて
や
つたの
かどうか、その点を伺います。
横尾龍
42
○横尾国務大臣 本月の六日に中止いたしました中国向け、満州向け並びに
北鮮
、香港、マカオ向けの在来ありました要許可品目、いわゆる外国為替並びに外国輸出管理令によります処置、それを
朝鮮動乱
の現段階におきまして、もう一度再検討する必要があると
考え
るので、一度許可したものでも再検討して、許可を与えるものは与え、また与うべからざるものは与えないということにしたい、こういう
考え
であります。しかし御了解をいただきたいのは、全部のものでないのであります。おもに鉄鋼品あるいは機械類でありまして、繊維類はそのままにな
つて
おります。いわゆる要許可輸出品目という
考え
であります。
北澤直吉
43
○北澤
委員
今後輸出禁止の品目はさらに増加する見込みがありますか。
横尾龍
44
○横尾国務大臣 現在の段階におきましては、そういう
考え
はしておりません。ただし今後の
朝鮮動乱
の推移によ
つて
、再び
考え
るべきものじやないかと
考え
ます。
北澤直吉
45
○北澤
委員
中共
に対する輸出の措置でありますが、従来
日本政府
におきましては、
中共
に対する貿易は、政治と経済は別である、
従つて
戦争
をしてお
つて
も貿易はできるのだというような
考え
を持
つて
お
つたの
でありますが、これはどうしても政治と経済とは密接不可分なものでありまして、今回のように
朝鮮
の
動乱
がああいう段階になりますれば、どうしても
中共
との経済
関係
というものは、ある場合に杜絶しなければならぬというふうにわれわれは見てお
つたの
であります。現に
日本
軍が中国を占領した場合におきましても、
日本
軍は
中共
地区に対して経済封鎖をしてお
つた
。でありますので、私
ども
はこの
朝鮮動乱
の今後の成行きから見ますと、
中共
との貿易についてはあまり期待は持てない。
従つて
日本
の貿易は、結局
中共
以外の地域、南方、東南アジアという
方面
に
日本
の市場を開拓するほか道がないわけであります。そこで
問題
は、中国への輸出をとめましても、輸出品の主要な部分は鉄鋼品というのでありまして、これはほかのところに向けられるのでありますが、
問題
は
中共
からの輸入のものです。開らん炭とかあるいは満州大豆あるいは塩あるいは鉄鉱石、こういうものが従来入
つて
来てお
つた
わけであります。特に輸出計画によ
つて
、バーターでやるものは、
日本
から輸出禁止をすれば、当然向うから報復的にとめられるという心配があるのであります。
問題
は、オープン・アカウントでや
つて
いるものです。一体
中共
の方はオープン・アカウントで
日本
に輸出するものまでも報復的にこれを阻止するような風がありますかどうか、その点も伺いたい。
横尾龍
46
○横尾国務大臣 ただいまのところでは私まだ聞いておりません。今の政治と経済と結びついて行くということはお説の
通り
であります。そのことにつきましては、通産省といたしましては慎重に
考え
まして、輸入の面に関しましても、いろいろ考慮する必要があると
考え
ております。
北澤直吉
47
○北澤
委員
結局
中共
から来たそういう石炭とか、塩とか、大豆とか、そういうものはもし万が一来なくなると、よそから持
つて
来なければいかぬ。
政府
の方では粘結炭というようなものは
アメリカ
から輸入するというようなことを言
つて
おるようでありますが、世界的に
軍備拡張
の気構えであ
つて
、
各国
とも輸出の統制を相当強化しておる。結局そうなりますれば、
日本
で原材料の輸入の確保ということは非常にむずかしい
問題
であります。特に西ヨーロツパの
軍備拡張
となれば、
各国
ともそういう戦略資材は、西ヨーロツパの方に統制的に持
つて
行くというふうな空気になりはせぬかと思うのであります。そういう
日本
の今後の輸入の確保の点につきまして、
政府
はどういう
考え
を持
つて
おられるか。それからまたそういう輸入の確保という点から見ますと、私はある程度
政府
の貿易
——
これまで
政府
は民間貿易をふやすということでありますが、そういう現在の段階におきまして、
日本
の必要資材の輸入を確保するという見地から申しますれば、どうしてもある程度
政府
貿易というものを残さなければならぬ。あるいはまたこういう段階でありますから、必要な資材を、ある程度備蓄という点から申しますと、どうしても
政府
の特別会計か何かつく
つて
、そうしてやることがいいのではないか、こう思うのでありますが、その点のお
考え
を伺いたい。
横尾龍
48
○横尾国務大臣
政府
貿易のことでありますが、
政府
といたしましても、これについてはある程度の
政府
貿易は残す必要ありと、こう
考え
ております。また備蓄その他のことに関しましては、ただいま考究中であります。それから先刻のお話の鉄、石炭その他のものについては、大体の見当をつけて今促進をしつつあるのでございます。あるものについてはもはや
中共
あるいは満州あたりから来るものを、ほかに転換して買うようにいたしつつあるのでございます。詳細については、たとえば塩のごときは、これはもう御
承知
のように分散的にや
つて
おりますから、大してこれに対する心配はいらないのじやなかろうかと
考え
ます。大豆のごときに関しましては、これは量もあまり多くないので、
アメリカ
から輸入できはせぬかと思
つて
おります。それから鉄鉱石に関しましても、これは
アメリカ
にも
要請
しておるし、また幸いに
——
というと何ですが、この鉄鉱石は、御
承知
のように中国からあまり入
つて
いなか
つた
、非常に少か
つたの
であります。おもなものは粘結炭だと思います。これに対しましても最近十
——
十二で約三十万トンぐらいの許可を得られそうな段階にある。その次に対しましても、極力その方向で交渉する余地ができつつありまして、さしあたりしのげるのじやないか。しかしながらさしあたりということだけではいかぬので、通産省といたしましては、せつかく通商官を向うにや
つて
事情等も見て参りまして、また
報告
も順次来ると思うのであります。これらに対応いたしまして、いろいろの手を打
つて
行きたい、こういうふうに
考え
ております。
守島伍郎
49
○守島
委員長
北澤君、簡單にお願いします。
北澤直吉
50
○北澤
委員
もう二点であります。大臣の仰せのように、輸入の確保については非常に御
努力
にな
つて
おるようでありますが、この点特に御尽力をお願いしたいのは、幸いに
日本
は最近特需
関係
と輸出貿易の増進のために、外貨が非常に多く
なつ
た、四億ドルある。しかしこれはもちろん輸出貿易のよく
なつ
た点もありますけれ
ども
、それに伴
つて
輸入がよくできないというところに外貨がたま
つた
。しかしこういう実情でございますと、それだけ
日本
に外貨がたま
つたの
だから、そんなら来年の中ごろまでに
日本
の経済は自立できるかということでありますが、この
日本
の外貨がたま
つたの
は、
日本
の輸入がなかなか思うように行かぬというところに大きな原因がある。もし輸入ができればそう外貨はたまらぬのであります。従いまして、私は
アメリカ
あたりがあまり
日本
の経済というものを楽観し過ぎないようにするためにも、私は輸入というものを非常に促進してその面から、あまり外貨がたまらないように、やはり
日本
の経済の実態が、
日本
の国際貸借上に現われるようにする必要があると思うのでありますが、その点に対する大臣の御所見を伺いたい。
横尾龍
51
○横尾国務大臣 ただいまの御
質問
ごもつともであります。外貨が相当量たま
つて
おりますので、これの大半を輸入促進に、向けるということに、大体閣議におきましては申合せまして、その
方面
において
努力
することにいたしております。さよう御
了承願
いたいのであります。
北澤直吉
52
○北澤
委員
次に、最近私聞いたのですが、南阿連邦におきまして、
日本
に対して高い差別関税をかけるようなけはいがある、またパキスタン等においても高い関税をかけるけはいがあるというようなことを聞きまして、こういう
方面
に対する
日本
の輸出についても、必ずしも楽観を許さないということのために、結局
問題
は、こういう国との貿易において、
日本
が最恵国の待遇を受けるということになればいいのでありますが、現在
イギリス
で行われている国際一般関税協定の
会議
でありますか、
日本
がその国際一般関税協定
会議
に参加ができれば、これは
日本
に最恵国待遇ができて、そういう関税上の差別待遇を置かれないだろうと思いますが、その国際一般関税協定
会議
に対する
日本
の参加の
問題
について、
政府
はどういうふうな手段をとられるか、これを伺
つて
おきたいと思います。
横尾龍
53
○横尾国務大臣 ただいまの南阿の関税、そしてまたパキスタンのごときも関税を上げはせぬかというようなうわさがあるので、非常に心配しておるのであります。パキスタンにつきましては、これは通商官が帰りに寄
つて
、そうして事情を考究し、またこちらからの
意見
も申し述べることにいたしております。 今のお話の関税のことに関しまして、
会議
に参加したい希望はやまやまでございます。しかし現在のような占領下にありましては、その要望がいれられるかどうかということは、はなはだ私としては疑わしい次第ではないか、これはむしろ外務省あたりからの御
意見
が私も承りたいというふうな気がしておるのであります。何を申しましても、関税政策でシヤツト・アウトされるということに対しましては、よくわれわれは時の趨勢を見まして善処すべき必要がある、また国としてこれにある程度の手を打つべき必要がある、こういうふうに
考え
ております。さよう御
了承願
いたいと思います。
守島伍郎
54
○守島
委員長
佐々木君。
佐々木盛雄
55
○佐々木(盛)
委員
私は外務省に大体三つの
問題
につきまして、簡單に承ります。 ます第一は先ほ
ども
政務次官から御
説明
のありました
日本
人の
捕虜
引揚げ
の
問題
……。
高田富之
56
○
高田
(富)
委員
委員長
。通産大臣に対する発言の通告がしてあります。
守島伍郎
57
○守島
委員長
それでは順序が違いまして、また時間がこんがらかりますから、ごく簡單にお願いします。
高田
君。
高田富之
58
○
高田
(富)
委員
さつき、ほかの
委員
の方からも御
質問
がありましたが、今回の
中共
貿易に対する制限措置は、通産省で独自に自主的におやりに
なつ
たものであるか、それとも何らかの命令によ
つて
、おやりに
なつ
たものであるか。
横尾龍
59
○横尾国務大臣 それは自主的にや
つたの
であります。
高田富之
60
○
高田
(富)
委員
私は従来通産当局それから安本その他におきましては、
中共
貿易には相当力をお入れにな
つて
、最近幸いにして逐次これが増加の傾向にあるという御
報告
をいただいて、産業経済界におきましても、当局の御
努力
に対して相当感謝するとともに、一層の促進方を懇請して来てお
つた
というふうに
承知
しておるのであります。ところがそういうふうに自主的にこれを大幅の制限をされたということになりますと、今までの当局の御
努力
というものは、かえ
つて
ここで水泡に帰するばかりでなく、当局に対する業界の信頼も相当沮喪しまして、今後の通産行政の上にかなり大きな障害になるおそれがある。最近は相当この
問題
につきましては各
方面
から遺憾の意を表明しております。おそらく大臣のところにもたくさんの陳情、請願等が続統来る形勢にあると思うのであります。どういう理由で、このような不可解な措置を自主的におとりに
なつ
たか、ひとつ明快にその間の事情をお知らせ願いたいと思うのであります。
横尾龍
61
○横尾国務大臣 先刻他の
委員
の方にお答えいたしましたように、
朝鮮動乱
の現段階におきまして、私は要許可品目を再検討する必要あり、こういう
考え
でや
つたの
であります。もちろん
中共
に対する貿易は、平時におきましてはあなたのお話の
通り
であります。しかし
朝鮮事変
の推移がそうした方がいいというような私の
考え
でや
つたの
でありますから、さよう御
了承願
いたいのであります。
高田富之
62
○
高田
(富)
委員
しかしこれは非常におかしいと思うのです。
中共
と
日本
は別に
戦争
をしておるわけではございませんし、なお向うはこちらに対して積極的に貿易を拡大しようと望んでおると思うのであります。それを何もこちらから
戦争
状態
における経済封鎖のような手段をとるということは、
自分
の損失であるばかりでなく、将来も今後お互いに貿易を拡張して行こうと
考え
ておるやさきに、そういう措置をおとりになるということは、はなはだ理能に苦しむのです。おそらくこういうことは私ばかりではなく、全産業経済界の声だと思うので、この際すみやかにこの措置を解除するように
努力
する
考え
でありますか、どうかということを、ひとつ言明していただきたい。
横尾龍
63
○横尾国務大臣
努力
するかどうかというお話でありますが、それでありまするので、一箇月を限
つて
や
つて
、そして事情を見ましてから、再びそのまま継続するか、あるいは元の
状態
にもどすか、そのときに
考え
たいと思います。その他のことにつきましては、私
ども
のところにはそう大して嘆願も来ておりません。これはあなたは共産党であるかないか、私は存じませんが……(「そんなことはないだろう」と呼ぶ者あり)いや、初めてですから、存じませんです。それですからあなたの
考え
と私の
考え
は見解が相違しますので、この点はあしからず御了承を願います。
守島伍郎
64
○守島
委員長
もうおやめ願います。あなたはもう最後です。それを特に関連して許しておるのですから、また次の
機会
に通産大臣においでを願
つて
、時間を与えるかもしれませんが、もうやめてください。佐々木君。
佐々木盛雄
65
○佐々木(盛)
委員
私は外務省の
引揚げ
を担当しておられる事務当局の方に、もつぱら事務の
問題
で承りたいと思います。未帰還者三十七万名のうち、三十一万六千三百三十九名までの
調査
が
政府
当局の手によ
つて
完成されたということにつきましては、私は心からの敬意と感謝をささげるわけであります。そこで私はこの際承
つて
おきたいのでありますが、この
調査
の基礎
資料
というものが、留守家族からの届出であるとか、
捕虜
の通信であるとか、その他現地の通信、ないし未帰還者に関する帰還者の
報告
、及び各種の名簿などによ
つて
、確実に
名前
や消息がわか
つて
いるものだけが三十一万六千三百三十九名であるということが、
外務省情報部
の
発表
とな
つて
おります。そこで私は一
通り
この分類を知りたいのであります。留守家族からの届による者が何ぼか、
捕虜
の通信による者が一体何ぼか。そういう具体的な
数字
をひとつこの際
——
資料
の提出を私求めておいたつもりでありますから、本日は御
用意
なさ
つて
おると
考え
ますので、その
資料
を明らかに示していただきたいと思います。 さらにまた、これを
中共
地区あるいは
ソ連
地区の地区別による区別も、
数字
の分類ができておりますならば、それをも明らかにしていただきたいと思うわけであります。
武野義治
66
○武野
説明員
せつかく佐々木
委員
の御
質問
でございますが、第一の分類の点は、差控えさせていただきたいと思います。 第二の点も、今申し上げかねる次第であります。
佐々木盛雄
67
○佐々木(盛)
委員
差控えるということは、理由がわかれば私は喜んで了承しますが、どういう理由ですか、それをはつきり
説明
していただきたい。
太田一郎
68
○太田
政府
委員
私から御
説明
いたします。先ほど政務次官から御
答弁
があ
つた
と思いますが、三人の
代表
が
国連
の方におきまして、第三
委員会
でこの
問題
を提出していただきますところの濠州、英国、
アメリカ
の各
委員
並びに
日本
に同情のある
関係国
に対しましては、いろいろ詳細な
資料
を
用意
いたして持
つて参つた
のでありますが、
サンプソン夫人
が三十一万六千という
数字
を
発表
せられたのでありますが、どの程度の
数字
を
国連
第三
委員会
の許可を得まして
関係国
にまわしたかどうか。またどの程度の
数字
を話したかどうかということにつきましては、非常にいろいろな角度から見ました
資料
をたくさん持
つて
行
つて
おるのであります。まだその
問題
については連絡がございませんので、今日
発表
することを差控えたい、かように
考え
ます。
佐々木盛雄
69
○佐々木(盛)
委員
私は先ほどから申したように、この
調査
をなさ
つた
当局に対して、心からの敬意と感謝をささげながら聞いておるわけでありますが、この
発表
に文によりますと、留守家族からの届出や
捕虜
の通信その他現地の通信の累計が三十一万六千三百三十九名ということが明記してある。
従つて
その分類ができないというわけはないと思う。またそれを特にこの際秘密にしておかなければならぬという理由も、私にはあまり納得しかねるわけなのですが、それほどこれには深い含みがあるのかどうかということを、もう一度重ねて承
つて
おきたいと思います。 さらに
ソ連
政府
側ではタス通信が先般
発表
いたしました、戦犯が二千四百五十八名、重病人が九名、これ以外に生存者はないというのを確認しておるようであります。従いまして
ソ連
側の
発表
と
日本
の
調査
によるこれとは、相当の
数字
の開きも出て来るように
考え
られるわけでありますが、外務当局におかれましても、この生存者の数等については、どのようにお
考え
にな
つて
おるかということも、あわせて承
つて
おきたいと思います。
草葉隆圓
70
○
草葉政府委員
留守家族からの
調査
あるいは
情報
あるいは引揚者のそれを分類して
発表
したらどうか。これは一件について幾つも重な
つて
おるのもあります。家族からも届出があり、本人からの通報もあるというのもあります。この三十一万をきちつとわけるということは第一困難です。一つのカードに幾つも重な
つて
おる場合、そういう
意味
では一つであります。ただこれは家族の届出だけという
問題
であ
つて
、三十一万の
内容
、むしろ御
質問
はそういう厳格な
意味
ではなしに、
内容
をもう少し詳しく
発表
してほしい。そういう
意味
におきまして、あるいは府県別、地域別という分類というのが当然
考え
られると思いますけれ
ども
、これは太田次官の
答弁
しました点で御
了承願
いたいと思います。それから数が食い違
つて
おりまするので、結局
引揚げ
の
問題
の
調査
という
国連
で取上げた
問題
にな
つて
来ておるのであります。
佐々木盛雄
71
○佐々木(盛)
委員
私たちは共産党の諸君とはおのずから異
なつ
た立場から、特に私自身が
引揚げ
問題
を担当しております立場から、まじめに私はこれを承
つて
おる。これは
国民
の声であることをまず御
承知
願いたい。今回の
日本
人の
捕虜
をも含む
捕虜
引揚げ
の決議案が、
国連
総会
の社会
人道委員会
において幸いにして
可決
されたことに、われわれ非常な感謝をささげるものであります。結局この三人
委員会
等の特別
委員会
の設置によりまして、おそらくは現地への
調査
団の派遣等の
問題
が日程に上
つて
来るのじやなかろうかと私は
考え
る。こういうときにおきましては、今日まだ帰らないところの未帰還者を持
つて
おる留守家族の人々の気持の上からも、また
国民
全般の
国民
感情の上から申しましても、できるならば今度の
国連
の
総会
に
日本
の
オブザーバー
が派遣されたことく、この
調査
団の派遣にあた
つて
も
日本代表
を、また
オブザーバー
としてでも派遣をするようにひとつ懇請をしてくれということが、
国民
の偽らない気持であると
考え
るのであります。そういう
意味
におきまして、これらのそういう現地
調査
派遣団に対する
日本代表
もまた
オブザーバー
や何かの形において派遣する、そういうことを懇請してみるというようなことに対しても、この際何らかお
考え
にな
つて
いないかどうかということも、
ちよ
つと承
つて
おきたいと思います。
草葉隆圓
72
○
草葉政府委員
御
質問
の点はよく研究いたしまして、今後進めて参りたいと思います。現在の昨日の決議の
状態
がもう一つはつきりいたしませんが、結局四月
一ぱい
に
ソ連
からの詳細な満足すべき
報告
がない場合に、それぞれの
関係
地域の
調査
団が出るという
状態
にな
つて
来るかとも存じます。その場合にあるいは
ソ連
にそういうものが行けるように
なつ
た場合には、
日本
からも
調査
団に加わ
つた
らどうだという
意味
だと存じます。この点につきましてはよく研究いたしまして、御希望に沿うように
努力
いたしたいと思います。
佐々木盛雄
73
○佐々木(盛)
委員
あと二つの
問題
について簡單に
質問
いたしたいと思います。
最初
に、先ほどの
並木
君の
質問
に関連しておる
問題
でありますが、先ほどの
草葉政務次官
の
答弁
を聞いておりますと、
質問
もそうでありますが、非常にこんがらが
つて
おります。それは
国連
に協力する
政府
の態度というものと、
国連
によ
つて
日本
の永久的の
安全保障
を求めるという
問題
はおのずから別なのであります。今度勃発いたしました
朝鮮動乱
に対して、
国連
に協力するかどうかという
問題
と、
日本
の完全保障を
国連
によ
つて
求めるということは、根本的に私は別個の
問題
であると
考え
るのであります。そこで私はその後者の
日本
の
安全保障
を、いかなる態勢に求めるかという点についての吉田総理大臣の発言に関連して、この際承
つて
おくわけでありますが、
首相
の議会におきまする
答弁
によりますと、あるいは政務次官もおつしや
つた
ことく、新聞の誤伝であ
つた
かは存じませんけれ
ども
、われわれの知るところによりますと、
国連
による
安全保障
ばかりを
考え
ておるわけではないという
意味
のことをおつしや
つた
と伝えられております。この際私承
つて
おきたいことは、
国連
による
安全保障
の根本方針というものは、
日本政府
の一貫してかわらざるところの基本方針であ
つた
と今まで
承知
しておりますし、またここにおられる
政府
委員
の方々も、しばしばこの
委員会
を通じて言明されたことと記憶しております。先ほどの御
答弁
によりますと、いささかこの点があいまいでありましたから、あらためて承
つて
おくわでありますが、
国連
による
日本
の
安全保障
という根本方針に、何らかの変更があるのかどうか、今日専任
外務大臣
のないもとにおきまして、外交
問題
を担当しておられますところの
草葉政務次官
は、十分これについては御存じであると思いますので、この点の御
答弁
を求めます。
草葉隆圓
74
○
草葉政府委員
従来の方針とかわ
つて
おりません。その点御
了承願
います。
佐々木盛雄
75
○佐々木(盛)
委員
次はもう一点最後に承
つて
おきますが、それは
アメリカ
ではいよいよ
朝鮮動乱
と世界の危機に対処するために、
トルーマン大統領
は非常
事態
の宣言を行うのではなかろうかと、今日の新聞は伝えております。そこで
日本
も、
国連
に心からの協力をするという根本方針に立却いたしまして、この空前の世界危局に対しまして、
日本
国内の政治、経済、社会その他万般にわた
つて
の非常時の体制を整備する必要があるのではなかろうかと、私は
考え
るわけであります。先ほどの政務次官の
国際情勢
の御
説明
を承
つて
おりましても、きわめて楽観論に終始しておるようでありますが、
政府
はいつまでも
朝鮮戦局
や世界政局に対する楽観論に終始することなく、今日の世界危局に直面しておりまする
日本
の置かれております立場、
従つて
それに処さなければならないところの
日本
の決意というものを率直に表明して、
国民
の進むべき道を明らかにするということが、むしろこの際必要ではなかろうかと、私は
考え
るわけであります。そこで今申しました
朝鮮
の
戦局
をめぐる世界危局に対して、外務当局はあくまでも楽観論に終始されておるのかどうか。またこの非常時に臨むところの国内体制の強化について、何か
考え
ていないかという点を、明らかにお願いいたしたいと思います。
草葉隆圓
76
○
草葉政府委員
アメリカ
が近く非常
事態
宣言をするのではないかという報道が、最近ひんぴんとして伝わ
つて
おるようであります。しかしこの非常
事態
宣言につきましての
内容
等も、一応は
承知
いたしておりまするが、まだ十分に
承知
はいたしておりません。しかしいずれにいたしましても、世界の情勢は先ほど一応御
報告
申し上げましたような
状態
で進んでおりまするが、決して今の
政府
は
朝鮮
問題
をはなはだしく簡單に楽観しておるというのではないのでありまして、よくその推移を見ておる次第でございます。しかし
アメリカ
と即応して
日本
にもさような非常
事態
宣言のような体制をとる必要がありはしないか、あるいは
国民
に対して十分世界の情勢を知らせる態度をとる必要はないかという点につきましては、国内の非常時体制というのは、これはよほど将来研究をすべきものであり、また現段階でただちにこれが完全にとらるべきものでもないと存じます。ただ世界の情勢をよく
国民
に知らせるという
方法
は、先般総理もお答え申し上げましたように、今後
情報
部等から、つとめて世界情勢の正しい判断の
資料
にするような
報告
はと
つて
行くべきものだと
考え
ております。
佐々木盛雄
77
○佐々木(盛)
委員
最後に私はもう一点だけきわめて簡單に伺いたいと思います。
講和会議
の
問題
に関しましては、先般のいわゆる外交白書なる形におきまして、
政府
の所信を明らかにされたわけでありますが、私はこういう際に、常に外務省の申しておりますような安易な
戦局
の楽観論というものが、かえ
つて
国民
に非常な不安感を与えておると
考え
ます。私は今日の世界の危局は空前の危局であろうと
考え
ます。従いまして、こういうときにおきまして、この
事態
の重大性というものを、もう少し徹底的に認識させていただく必要がありはせぬかと思う。そういう
意味
におきまして、先般の
朝鮮動乱
に処する
日本
の立場とい
つた
ようなものを、今後も
外務省情報部
等におきましてどんどんおやりになることを、むしろ私は歓迎したい。 最後に重ねて伺
つて
おきますが、今日
政府
は、世界が非常な危局に直面しておるということについては、世界危機の存在しておることについては、十分お認めであろうと
考え
ますが、この点に対する御見解を伺
つて
おきます。
草葉隆圓
78
○
草葉政府委員
御
質問
と御見解にありまするように、
朝鮮動乱
以後の世界の情勢はまことに重大であり、好ましからざる
事態
である。世界はこの推移をたいへん心配いたしておる
状態
にありますることは、あらゆる方向から現われておるのであります。この点に対しましては、われわれ
政府
におきましても、十分世界の情勢を把握することに努め、かつまた御
意見
のように感じておる次第であります。
守島伍郎
79
○守島
委員長
菊池君。
菊池義郎
80
○菊池
委員
西村
局長にお尋ねいたします。
台湾
の
問題
につきまして、私が数箇月前に、
台湾
を
国連
の信託統治にすべく、
領土
権の現在の保有国たる
日本
が、
イギリス
か
アメリカ
に折衝、陳情してもいいのではないかということを申しまして、「アカハタ」に大分たたかれたのでありますが、
中共軍
が三十八度線で兵をとどめるという代償といたしまして、
中共
は、
台湾
は当然カイロ宣言によ
つて
中共
のものであるべきである
——
つまり戦わずして
台湾
をとろうとしております。ところが
アメリカ
の
大統領
も、最近は私の
意見
と同じことを言い出しまして、私もなるほどと思
つて
おりますが、
台湾
の将来の地位は
国連
の統治にまかせるということを言
つて
おります。
アメリカ
にもわれわれと志を同じくする人がおると思
つて
まことに愉快にたえないのであります。それでお伺いいたしたいのは、結局カイロ宣言なるものの効果がなく
なつ
たから、
アメリカ
がそういうことを言い出したのではないかということも
考え
られる。つまり革命の手段によ
つて
政権がかわりましたる国に対しましては、列国の権利義務なり、あるいは宣言なりは帳消しになるということは、
国際法
の原則にな
つて
おりまして、ロシヤの革命当時においてもそういうことが見られたのであります。その結果
アメリカ
はそういうことを言い出しているのか。それでなければ、
中共
が言
つて
おりますように、カイロ宣言というものは現在でも効果があるものでありまするか。
国際法
の権威でありまするところの
西村
局長に教えを受けたいと思うのであります。
西村熊雄
81
○
西村政府委員
菊池
委員
の御
質問
に対しては、私が御
答弁
申し上げるよりも、
アメリカ
の方にお尋ねくださ
つた
方がよろしかろうと思います。私としては御返答申し上げる立場にないということを御
了承願
います。
菊池義郎
82
○菊池
委員
立場でなくても、学者としての見解をお述べになることはちつともさしつかえない。何ら
アメリカ
にもどこにも遠慮なさる必要がないと思います。それでなければ学者としての信念はどこにあるのですか。
西村熊雄
83
○
西村政府委員
カイロ宣言がどうなるか、どういう効力を今持
つて
いるかということは、カイロ宣言締結当事者の
問題
でございまして、
日本政府
事務当局としては、あれこれ申し上ぐべき筋合いの
問題
ではございません。
菊池義郎
84
○菊池
委員
それではお伺いしませんが、第二の
問題
は、
中共
が
朝鮮
に侵入し、しかしこれがさらに交渉の
いかん
によ
つて
は
南鮮
に侵入するかもしれぬ。もし
アメリカ
その他
国連
の意向が西欧防衛第一主義に移行いたしまして、極東特にこの
日本
を軽視するようなことがあるといたしますならば、しかして
国連軍
が
朝鮮
から撤退するというようなことになりますと、全線にわた
つて
至るところにゲリラ戦が起ることは必至であると思うのであります。しかして
朝鮮
におけるところのゲリラ戦は、ひいて
日本
においても必ずその延長としての共産党の蠢動が頻発するとを、われわれは予想せざるを得なのであります。ところで総理もこの前、
日本
の
安全保障
は
国連
にのみたよることは
考え
ておらぬということを言明しておられます。しからばそのたよるべきもう一つの
安全保障
は何であるかというと、結局自衛以外にないということが想像されるのでありますが、しからば軍隊を持つかと聞きますと、軍隊を持たぬ。何によるか、結局警察予備隊以外にないと思うのでありますが、
中共
にはすでに一千万の軍隊があるという。
ソ連
は精巧なるところの武器を持
つて
おる。両方から何かのきつかけに侵入して参りましたならば、どうにもしようがない。鎧袖一触どころの騒ぎではない。それでわれわれは警察予備隊でもさらに増強して、これを五倍なり十倍なり、あるいは
日本
は財政の点においてたよることができなければ、今まで軍隊を使
つた
ように徴用制度にでもして、もつと増強する必要があると思うのでありますが、そういうことについて
関係
方面
と折衝せられたようなことはないのですか、どうですか。これは重大
問題
であると思う。
草葉隆圓
85
○
草葉政府委員
今までまださようなる折衝をしたことはありません。
菊池義郎
86
○菊池
委員
向うからは
日本
のそうい
つた
ようなことについて何らの話もないのでありますか。
草葉隆圓
87
○
草葉政府委員
まだ存じておりません。
菊池義郎
88
○菊池
委員
簡單にもう一つ。これは話が違いますが、私は映画が好きで一週間に三回くらい映画を見る。ところで青年男女のはらわたを腐らすような淫奔きわまる外国の映画が多いと思います。外務省といたしましてこれに対して何とか手を打
つて
もらいたいと思うのでありますが、これに対する外務省当局の御
意見
を承りたいと思うのであります。
草葉隆圓
89
○
草葉政府委員
外務省におきましても、文化の交流で、文化課を置いて、今後の国際間の文化について、前会にも申し上げましたように、大いに意を注いでおる次第でございます。ただ、ただいまのは多分、映画であまりよくないのがあるから、こういうものに対して、将来そういうものはむしろ上映しないような手を打
つた
方が、いいのじやないかというような含みじやなか
つた
かと思いますが、ただこれを輸入する、せぬ、あるいは上映する、せぬということよりも、今後のこれに対する
国民
の民主主義的な訓練ということが、むしろその重点にな
つて
来るのではないかと思います。そういう点を
考え
ながら進んで行くことが必要ではないかと存じます。
菊池義郎
90
○菊池
委員
国民
の認識と申しましても、青年男女にそういうものを識別する力があ
つた
ものじやない。それを求める方がむしろむりです。
日本
なんというものは未開国でありますから……(笑声)何とい
つて
も情ない話であります。文化の点においては、はるかに先進国に劣
つて
おると
考え
ます。どうしても外務省といたしましては、文化課を十二分に督励いたしまして、青年男女に害のあるような映画は輸入しないような手を打
つて
いただきたいと思うのであります。これに対する政務次官の御
答弁
を願います。
草葉隆圓
91
○
草葉政府委員
これは取締りという言葉は今は当てはまらぬと存じますが、そういう
意味
における一種の映画指導という
意味
のことは、またほかの省の部局でやることと存じますけれ
ども
、お話のように最も優秀な、また世界の文化を紹介するに最もよいというものにつきましては、今後大いに外務省も
努力
して行く
考え
であります。
太田一郎
92
○太田
政府
委員
先ほど佐々木
委員
の
引揚げ
問題
についての御
質問
に補足いたしておきます。三十一万六千という
数字
について、これはいろいろな形で
発表
したらどうかというお話がありました。佐々木
委員
がごの
引揚げ
問題
について非常に御熱心なことは私もよく存じておりますし、実は私も非常に一生懸命にや
つて
おるつもりでありまして、とにかく三十七万のうち、この五年間にあらゆる
努力
をいたしまして、外務省で三十一万六千何百というカードをつくりまして、この人はだれがどこで見た、どういう通信があ
つた
、留守宅からどういう
報告
があ
つた
というようなことを一々カードにつくりますことは、これはや
つて
おります者から申しますと非常な
努力
でございまして、今日やつと三十一万六千何百という
数字
を
発表
することができたことは、私
ども
としても非常に喜んでおるわけであります。佐々木
委員
の御希望はまことにごもつともでありますから、なるべくそういうことにしたいと思
つて
おります。 なお三十一万六千のうち、約三十万というものは留守宅からの届出があるものであります。そのほかに本人から通信があ
つた
とか、何とかいうものも加わ
つて
おりますが、要するに留守宅から通知のあ
つた
ものが約三十万あるということを御
了承願
いたいのであります。ただ御
承知
の
通り
、千島でありますとか、樺太でありますとか、あるいは満州などにおきましては、長い間そこに定着いたしまして、一家族そろ
つて
そつちへ移
つて
いるというような人があるために、留守宅がないという
問題
もありますし、そのほか広島とか、長崎というようなところのように、留守宅が全部焼けてしま
つた
というような
問題
もありますので、これはそのほかにもダブ
つて
いるわけですが、留守宅の届出ができないというものもあるということは、佐々木
委員
も御推測願いたいと思います。
ちよ
つと補足いたしておきます。
守島伍郎
93
○守島
委員長
高田
君。
高田富之
94
○
高田
(富)
委員
今の引絡げ
問題
について簡單にお伺いいたしたいのですが、今の御
説明
によりますと、三十一万六千は留守宅からの
報告
によるものであるということでありますが、そうすると、その留守宅なるものの中で、未帰還者給与法、特別未帰還者給与法等によ
つて
給与の支給を受けている者は、現在両方合せて三万ぐらいだ
つた
と思うのですが、そうするとそれ以外の者は、留守宅からの通知があ
つて
というくらいはつきりしておりながら、そのほとんど全部の者が未帰還者給与法による給与を受ける資格がないということは明らかにな
つて
いるのですか。
武野義治
95
○武野
説明員
ただいまの未帰還者あるいは特別未帰還者給与法の該当者の
問題
につきましては、厚生省の方からお聞き願いたいと思います。
高田富之
96
○
高田
(富)
委員
はなはだ不誠意な話ですね。これは非常に
問題
になるわけです。現在給与を受けるために、もらいに行
つて
も、もらえなか
つた
という例もあるということを、ある
委員
が引揚
委員会
で言
つて
いる。それにはどうしても留守家族の実態をつかんでいる外務省が、
報告
があ
つて
ちやんとわか
つて
いるはずですから、そうすればこれこれの者は給与を受ける資格がある者であるということを、ちやんと通知をして、そうして給与を受ける資格のある者にはどんどん払わせるということをしなければ、厚生省で
調査
をする、外務省で
調査
をする、外務省は外務省で
調査
をする、まるでその間に連絡もないし、食い違いがあるというのでは、ま
つた
くお話にならない。この三万と三十万はばかに開きがあり過ぎる。その三十何万という留守家族は、おそらくこれはないのだろうというふうに
引揚げ
関係
では理解しておるわけです。これは常識的に
考え
られぬ。しかし留守家族があるということに外務省ではな
つて
おる。これはちやんと明確にして連絡をしなければいかぬと私は思う。どうしてそれをはつきりさせられないのですか。
武野義治
97
○武野
説明員
ただいまの引揚援護庁
関係
からお答え願いたいと申し上げたのは、支給の該当者の数でございます。私
ども
は引揚援護庁との間に十分連絡をと
つて
おりまして、そうした給与を受ける該当者につきましては、誠意をも
つて
調査
に当り、また連絡上遺憾のないようにや
つて
おります。御
承知
のように、外務省では特別未帰還者給与法の
関係
で、いろいろ
調査
をや
つて
おるわけですが、あの法律では現実に生存というものが確認され、留用
状態
にあるという制約がございまして、だれでも彼でもがそれに該当するというものではないのであります。従いまして、確実なそうい
つた
現地からの
情報
に基いてや
つて
おります。
従つて
該当者は相当少いということは
考え
られます。実際に支給の対象にな
つて
いる数につきましては、
関係
の援護庁あたりからお聞き願いたい、こういうわけです。
高田富之
98
○
高田
(富)
委員
これはさつきも
質問
があ
つた
かと思いますが、樺太には幾ら、どこには幾らというように、残留している地域別に人数を明らかにする。それから留守家族はちやんとわか
つて
おるから、府県別にどの府県には幾ら、どの市町村には幾人ということを、はつきり
発表
していただく必要があると思うのです。それらの留守家族がわかれば、われわれも
自分
の地元のところへはちやんとあいさつにも行かなくちやならない。それはどうしても援護運動の先頭に立たなければならぬのでありますから、それをひとつ明確にや
つて
いただく必要があるのです。それが不明確で、とかく
数字
論議
ばかりや
つて
お
つたの
では、家族の人たちに対してもはなはだ申訳ない。至急に府県、市町村別の
数字
をお示し願いたいと思うのです。さつそくこれはや
つて
いただきたいのです。
草葉隆圓
99
○
草葉政府委員
先ほど佐々木
委員
の御
質問
の
内容
も同様でございまして、今
高田
君のお話の点も、先ほどお答え申し上げましたように、なるべ御希望に沿うようにいたしたいと思います。ただ数が多いのでございますから、ここ近々というわけには参りません。なるべく早い
機会
にするようにいたしたいと思います。
高田富之
100
○
高田
(富)
委員
正式に
発表
しているのだから、さしつかえのあるはずは全然ないと思うのです。ぜひ至急にひとつや
つて
いただきたい。
草葉隆圓
101
○
草葉政府委員
なるべく至急にいたします。家族は通報もございますし、こちらも連絡しておりますから、よく家族自身は
承知
しておられるはずだと存じます。
高田富之
102
○
高田
(富)
委員
それは至急にお願いすることにしまして、時間がなくなりますから、もう一つだけ外務次官にお伺いしておきたいと思います。これは総理大臣もしばしば言明しておりますように、何も單独
講和
でなければならぬと言
つて
おるわけではない。
全面講和
、けつこうでございます、これが理想的でありますということは、常に言
つて
おると思う。ところが最近の情勢を見ますと、
朝鮮
におきましても
事態
がああいうふうに発展して参りまして、
イギリス
、
インド
その他の国、特に
イギリス
あたりでは中華人民共和国
政府
を承認し、これを
国連
に加入せしめるという立場をと
つて
おる。この間の
アトリー首相
とトル—マンの
会談
におきましても、この辺の
イギリス
の
主張
が非常に明確に出ております。同時にこの
問題
について、
関係
各国
の
会議
が持たれようという形勢にもな
つて
おる。またヨーロツパにおきましても、ソビエトの
提案
による四大国
会議
の可能性も出て来ておる。こういう
事態
でありますから、むしろ單独
講和
をこの
事態
の中でやろうと
考え
る国がありましても、これを押し切ることは、現在の情勢においては、はなはだ困難にな
つて
来ておる。あべこべに、
全面講和
によ
つて
事態
を
收拾
しようとする方向へ
動き
つつあるというのが、今の
動き
ではないかと思うのです。そうしますと、最近の周恩來外相の対
日講和
に関する原則を公式に
発表
されましたことは、これは
わが国
にとりましても、すごぶる重大な関心事でなければならないと思うのであります。今まで單なる理想として総理が常に
考え
ており、はなはだ実現性の困難と思
つて
おりましたことが実はきわめて実現の可能性が出つつあるという
状態
にあると思うのです。ここで
政府
を
代表
されまして、次官からこの
状態
に対しまして、特に周恩來外相の対
日講和
に関する
公式発表
につきまして、
政府
の日ごろの
全面講和
けつこうであるという立場から、これに対する見解を
発表
していただきたいと思う。 〔「
内容
による」と呼び、その他発言する者あり〕
守島伍郎
103
○守島
委員長
お静かに願います。
草葉隆圓
104
○
草葉政府委員
周恩來
中共政府
首相
兼外相の十二月四日の
声明
に対する見解を
日本政府
が
発表
することは、私は妥当ではないと存じます。ただ
高田
君の今のお話は、こういう世界情勢に
なつ
たから、
政府
は單独
講和
を今まで
主張
してお
つたの
が、
全面講和
でなくてはならないじやないかということに、ここで切りかえて
意見
を述べたらどうかという
意味
が多く含まれておるように感じましたが、
政府
は今回の第九臨時国会の初頭に総理が施政方針で申しましたように、一日も早く、一国も多く
講和
を結ぶという線にかわりはないのであります。この点、あらためてここで申し上げます。
高田富之
105
○
高田
(富)
委員
実はそれは私が聞こうとしておる
答弁
ではないのです。というのは、あなたの方から先に、
政府
は今まで單独
講和
を
主張
してお
つた
が、
全面講和
に切りかえられる意思はないかという
質問
ではないかというふうにとられるところに、まことに心外な点があるので、私はそう言
つて
おらない。理想はぜひ
全面講和
がいいのだけれ
ども
、今の情勢ではやむを得ず一国とも多く、早くやるというのが
政府
の立場である、こう私は理解しておりますからこそ、今回
国際情勢
が、
政府
の
考え
ておる理想が実現できそうな方向へ動いておるのではないか。だから
中共
でああいうふうな
発表
をされましたことについては、これはほんとうにけつこうなことである。われわれの理想とするところが、次第に実現される傾向にな
つて
来たというふうな御見解の
発表
が期待できる、こう私は思
つて
御
質問
をしたのであります。ですからその点をもう一度はつきりと言明していただきたいと思う。
草葉隆圓
106
○
草葉政府委員
これは
戦争
状態
にありました全体の
国々
と
講和
を結ぶというのは、いつも総理も申しますように、最も好ましいことであります。また希望しておる点でありますが、現実がそう行かない場合には、一日も早く、一国とも多く
講和
を結ぶという線には、かわりはないと申し上げたのであります。
高田富之
107
○
高田
(富)
委員
そうしますと、結局理想は
全面講和
だというふうなことを言
つて
おるのは、これは單なる遁辞にすぎなくて、あくまでも單独
講和
あるいはいわゆる多数
講和
で押し切
つて
行くのだ、情勢はどうなろうとも、この方針にかわりはないというのが
政府
の立場である、かように了解していいわけですね。
草葉隆圓
108
○
草葉政府委員
政府
は受身でありますから、向うからずつと
日本
との
講和
を希望されて来る
国々
に対しましては、もちろん喜んでいたす次第であります。
従つて
こちらから、おい来いという立場じやないので、
日本
としては従来から申しておりましたことと同様であろうと存じます。こちらが主催をして、そうしてこちらが対等の地位における
講和
という立場になりますと、
全面講和
でなければならないという
主張
が、成立つ場合もあり得ると存じまするが、そうじやない立場でございまするから、ただいま申し上げたようなことを
考え
ている次第であります。
高田富之
109
○
高田
(富)
委員
そこでこの間もしばしば
問題
になりました外交白書ですか、ああいう立場で行きますと、結局二つの世界にな
つて
しま
つて
いるので、この両方の世界が一致して
日本
に対
日講和
をやるということは、とうていあり得べからざることだ、どつちかへくつつかなければいけないのだというようなことで、初めからきめてかか
つて
しまうような立場は、今のあなたの言明によりますと、これは間違いである、あくまで受身なんだから……。そういうことであれば中国からああいう呼びかけもあり、情勢はさつき申し上げたように動いておるのでありますから、ああいうような白書を
発表
するという態度は、この際捨てなければならない。あれは非常な間違いである。非常に積極的にこちらが出てしま
つて
おる。ですからああいう外交白書のようなものは、すみやかに訂正するか、あるいは撤回することがこの際最も時宜に適しておると
考え
るのでありますが、そういう意思はありませんか。
草葉隆圓
110
○
草葉政府委員
これはこの前実は外交白書という
意味
ではなか
つたの
でありますが、そういう形で皆様方の御
意見
なり御
質問
を受けたのであります。「
朝鮮動乱
とわれらの立場」という、あの八月、九月の出版物のことと存じますが、あのときもるる御
答弁
申し上げましたように、あれは世界の情勢のありのままの姿を率直に伝えたのであ
つて
、決して
政府
が政策をも
つて
外交方針を示した白書という
意味
ではないとお答え申し上げた
通り
、そういう
意味
の世界情勢を率直にありのまま訴えたのが、あの「
朝鮮動乱
とわれらの立場」でございますから、
従つて
ここで今その
問題
を取消すとか、取消さぬとかいう
問題
とは、おのずから違うと思
つて
おります。さよう御
了承願
います。
守島伍郎
111
○守島
委員長
本日はこれで散会いたします。 午後一時十四分散会