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1951-05-25 第10回国会 衆議院 運輸委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十五日(金曜日)     午後一時二十八分開議  出席委員    委員長 前田  郁君    理事 大澤嘉平治君 理事 岡田 五郎君    理事 坪内 八郎君 理事 原   彪君    理事 山口シヅエ君      岡村利右衞門君    尾崎 末吉君       片岡伊三郎君    黒澤富次郎君       玉置 信一君    前田 正男君       山崎 岩男君    木下  榮君       門司  亮君    柄澤登志子君       飯田 義茂君    石野 久男君  委員外出席者         大蔵事務官         (管財局総務課         長)      小林 英三君         専  門  員 岩村  勝君         専  門  員 堤  正威君     ————————————— 五月二十五日  委員淺沼稻次郎君及び江崎一治君辞任につき、  その補欠として門司亮君及び柄澤登志子君が議  長の指名で委員に選任された。 同日  原彪君が理事補欠当選した。 同日  理事淺沼稻次郎君の補欠として山口シヅエ君が  理事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  連合審査会開会に関する件  港湾法の一部を改正する法律案坪内八郎君外  五名提出衆法第二一号)  戦時中政府買收した鉄道譲渡に関する法律  案(坪内八郎君外十二名提出衆法第五六号)     —————————————
  2. 岡田五郎

    岡田委員長代理 これより会議を開きます。  委員長不在でありますので、理事の私が委員長の職務を行います。  戰時中政府買收した鉄道譲渡に関する法律案議題といたします。昨日に引續き質疑々續けます。
  3. 玉置信一

    玉置(信)委員 第二条の第一号「昭和十八年又は昭和十九年に当該鉄道政府買收された会社」ということになつておりますが、戰争中ということになりますと、昭和十六年十二月八日に宣戰が布告されて戰争状態に入つたわけですから、昭和十七年も当然これに該当すると思うのですが、「十八年又は十九年」ときめられた根拠はどこにあるのでありますか。提案者お尋ねいたします。
  4. 坪内八郎

    坪内委員 お答えいたします。昭和十八年または十九年以前の、いわゆる戰争中の場合も同様に考えられるのであるけれども、どうしてそれを除外したかというようなお尋ねでございますが、それらの路線につきましては、提案理由でも申し上げております通り、その大部分が本来国が敷設をしようと予定されておつた路線買收であつたために、その線だけはそのままに相なつておる次第であります。なお政府相当数鉄道買收いたしたのでありますけれども、それらの部分は先ほどお話し申し上げました通り、もともと鉄道を敷設しようという予定になつてつた部分がおもでございまして、さらにまた今お尋ね年度におきましては、買收した路線がないのでございます。
  5. 玉置信一

    玉置(信)委員 これは少し横道に入るかもしれませんが、もしこの買收されております既設線で、さらに政府が予定して延長計画を立てておつたものも、おそらく包含されておると思うのでありますが、この法律に基いて民間払下げをした後において、延長計画を立て、これを申請する場合の何か制約等でもあるのですか。この点をお伺いいたします。
  6. 坪内八郎

    坪内委員 御承知のごとくこの法律の通過に基きまして、それぞれの会社申請を出すのでございますが、その審査にあたりましては、直接関係日本国有鉄道にもそれらの具体的な見積書を出し、さらにまた運輸審議会におきましても、愼重にそれらに検討を加えまして、最後的な決定運輸大臣がするのでありますが、そういつた関係の点につきましては、運輸審議会で十分検討されまして、その意見運輸大臣が十分参酌するということに相なつておるのであります。
  7. 玉置信一

    玉置(信)委員 この法律施行期日が、公布の日から起算して九十日を越えない期間において政令で定めるということになつておりますが、この九十日を算定した何か基準でもあるのでありますか、この点を伺いたいと思います。
  8. 坪内八郎

    坪内委員 この九十日という期間を設けましたのは、この払下げにあたりまして愼重審議をするという建前から、猶予期間を置いたわけであります。
  9. 玉置信一

    玉置(信)委員 私はこの提案理由説明を実は聞き漏らしておるので、すでに御説明済みであるかもしれませんが、次の点をお伺いいたしたいと思います。払下げをする金額の算定の基礎及び売払いに対する納金の期限等は、どういうことになつておりますか。
  10. 坪内八郎

    坪内委員 お尋ねの点は、この前の委員会におきましてもいろいろと質疑応答がかわされた点でございますが、第四条にそれぞれ規定をうたつてあります通り、その譲渡すべき価額あるいは譲渡の代価の支払い時期及び支払い方法譲渡期日というものは、運輸審議会で十分これを検討いたしまして、運輸大臣運輸審議会意見を聞いて決定いたしますので、これらの価額の点もそれぞれの会社申請に基き、いろいろな資料を参考として運輸審議会で大体の線が出る。従つて運輸大臣がその後において決定する。こういうことに相なつておる次第であります。
  11. 玉置信一

    玉置(信)委員 そうしますと、売払いといいますか、払下げ代金納入等も、審議会意見を聞いて大臣決定するということになるわけでございますか。
  12. 坪内八郎

    坪内委員 その通りであります。
  13. 玉置信一

    玉置(信)委員 もちろん私鉄経営の面で採算が立たなければ、払下げ申請もしないことであろうと思いますが、政府が買い上げたかつて私設鉄道で、今日黒字といいますか、とにかくバランスがとれている線が一体どれくらいあるでありましようか。  それからこれもおそらく質疑済みだろうと思いますが、政府で買い上げた私鉄は一体どのくらいの数に上つておりますか。これをお聞かせ願いたいと思います。
  14. 坪内八郎

    坪内委員 まずあとのお尋ねに対してお答えいたします。提案理由にも御説明申し上げております通り、当時政府買收した路線は二十二線であります。  それからもう一点の、それらの路線が二十五年度におきまして黒字であるか赤字であるかということにつきましては、お手元にその資料を差上げてございまするが、それに赤字の線と黒字の線をはつきり明記いたしておりますので、資料を、ごらん願いたい、かように考える次第でございます。
  15. 玉置信一

    玉置(信)委員 私は提案者に御質問するのでなくて、政府にお伺いすべきものであろうと思いますが、日本の現在の国鉄網の状態から見まして、まだ残つておる私鉄が若干ありはせぬかと思うのですが、将来逆にそれを政府買上げをするというようなお考えはあるのでありますか。どうですか。
  16. 坪内八郎

    坪内委員 これらの点につきましては、運輸大臣国鉄総裁十分意見お尋ねいたしまして検討されるだろうと思いますが、現在われわれのこの法案に関する点につきましては、そういう考えは持つていないのでございます。
  17. 岡田五郎

    岡田委員長代理 ちよつと速記をやめてください。     〔速記中止
  18. 岡田五郎

    岡田委員長代理 速記を始めてください。
  19. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 まず第一に提案者に伺いますのは、この法律は暫定的の、すなわち臨時立法であるのかどうかという点であります。この質問内容は、要するに第三条に、「前条に規定する会社が、鉄道譲渡を受けようとするときは、商法(明治三十二年法律第四十八号)第三百四十三条に定める決議を経た上、この法律施行の日から三箇月以内に譲渡申請書二通を日本国有鉄道提出しなければならない。」こう定めてあります。要するに三箇月以内に譲渡の希望を受けようとするものは申出をしなければならない。そうすると三箇月から何十日目に決定する、こういうことになる趣旨だと思うのでありますが、そういう意味で臨時的の暫定的の立法であるのかどうか、法律根本についてまず承つておきたいのであります。     〔岡田(五)委員長代理退席大澤   委員長代理着席
  20. 坪内八郎

    坪内委員 お答えいたします。これは暫定的な処置のための立法措置ではなくして、本格的な考え方をもつて進んでおる次第であります。
  21. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 それでは第一条から御質問を申し上げます。  第一条第一項に「もつて地方鉄道強化して地方交通利便増進し、あわせて国及び地方公共団体財政改善に寄与することを目的とする。」こうあるのでありますが、一体どういうやり方で、今まで国鉄が持つてつたときよりも地方鉄道強化して、地方交通利便増進しようとするというのであるか、具体的な内容を承つておきたいと思うのであります。
  22. 坪内八郎

    坪内委員 お答えいたします。現在の日本国有鉄道もコーポレーシヨンになつて以来は、非常に民間企業に近い運営方法で、相当実績を上げて参つております。従つてまた地方交通利便増進することにおきましても、あるいはサービスの点におきましても、相当実績は上げて参つておりますけれども、国有鉄道よりも、さらに関連する会社は、過去において相当実績を上げておつた会社であり、また多年の経験も有する会社で、ございまして、いわゆる民間事業としてその持味を十分生かして、さらに日本国有鉄道以上にそういつた地方交通利便をはかり、あるいは地方鉄道強化をはかろうというのでありまして、民間業者の豊富な業績を生かして、大いにこれをやろうという心構えであろうと思うのであります。
  23. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 私が伺いましたところは、要するに国有鉄道相当改善されておるのではあるが、民間にこれを譲渡して、民間経営やり方によつて、またうんと利便強化をはかつて行こう、こういう御答弁のように伺うのであります。そこまで掘り下げて議論をしていいかどうかはわかりませんが、国有鉄道譲渡した後の会社地方鉄道としての比較を考えなければいけないことになるのでありますが、そのことは別といたしまして、ともかくこの払下げをすることによつて、何らかの手段でその鉄道強化し、交通利便にする、こういうことを助成する方法を別に持つているのではなくて、いわゆる民間会社が自発的にその利便増進し、鉄道強化して行く、こういうことをやらしたいということになるのですか。
  24. 坪内八郎

    坪内委員 お尋ねの点につきましては、これを譲渡するにあたりましては、運輸審議会意見を十分参酌いたしまして、最後的に決定を見るのでございまして、経営上の問題につきましても、はたして鉄道事業経営能力があるのか、あるいは採算がとれるのか、あるいはそういつた経理的な基礎が確実であつて、しかも合理的な運営ができるのかという点も、この運輸審議会なり、あるいは運輸大臣なり、あるいは国鉄などが十分審議いたしまして、そういつた決定を見るのでありますから、第一条にうたつである点につきましても、やはり運輸審議会において検討して、しかる後にそういう的確な判断がついたあかつきに、そういう能力のある会社にこれを譲渡することになりますので、この点は十分運輸審議会において検討され、心配のない方法によつてこれが譲渡され、運営されるものであろうと考えておる次第であります。     —————————————
  25. 大澤嘉平治

    大澤委員長代理 本案に対する審査を後刻に譲りまして、港湾法の一部を改正する法律案議題といたします。質疑を許します。——質疑がなければ、委員長手元本案に対する修正案岡田委員及び玉置委員より提出されておりますので、その説明を求めます。まず岡田君より修正案説明を願います。
  26. 岡田五郎

    岡田(五)委員 港湾法の一部を改正する法律案に対しまして、委員長並びに委員各位のお手元修正案提出、配付いたしておりまするが、この修正案の要旨及び内容につきまして、逐条的に簡單に御説明申し上げます。  まず第一点は、現行法第二条第五項の修正であります。現行法港湾施設たる各種の施設が掲げられておりまするが、修正案は「外かく施設」といたしまして、新たに「防潮堤、堤防、突堤、胸壁」をつけ加えまして、「けい留施設」として「船揚場」を加えようとするものであります。その理由といたしましては、これらの施設は現在掲げられておる施設に包含されるとの説もあり、また一方では包含されないとの説もありまして、その解釈がまちまちでありまして、港湾工事施行上支障を来すおそれがありまするので、これらの施設を明確に掲げることといたしたのであります。次に港湾施設の敷地は、観念的には施設とは別個のものでありますが、実体的には密接不可分のものでありますので、新たに港湾施設として港湾施設用地を加えたのであります。  第二点は、第二条第六項の新設であります。現行法によりますと、港湾施設とは港湾区域または臨港地区内にあるものに限られておりまするが、これらの区域または地区の外にある施設でも、補助対象とする必要のあるものについては、港湾管理者申請によつて運輸大臣が認定したものに限り、港湾施設とみなすことにいたしたのであります。  第三点は第四条の改正でありまするが、港務局設立手續規定する現行第四条は、その手續の時間的順序や地方公共団体の議決を要する事項範囲等が明確を欠いておりまするので、これらの諸点を明らかにしようするものでありまして、実質的には現行規定を改めようとするものではなく、従来の疑義を正すためのものであります。  第四点は、現行第三十三条の規定は、港湾管理者としての地方公共団体またはその一部事務組合設立について、第四条の手續を準用しておりますので、今回の第四条の修正に応じてこれを修正するものであります。  第五点は、1現行第三十七条は、港湾区域内における一定の行為規制しておるのでありますが、港湾区域に接續する水面や地域、たとえば水ぎわの土地における行為については何等規制されておりません。しかるにこの港湾区域に接續する海浜等で、最も多く工事が行われますので、区域外百メートルまでを区域に含めることといたしまして、かかる区域における工事に対して規制を行うことといたしました。また現行法港湾工事のみを規制対象としておりますが、港湾工事以外の、たとえば造船所がドックを築造する場合にも、港湾管理者の長の許可を受けなければならないこととして、港湾の保全をはかろうとするものであります。  第六点は、第四十二条の修正であります。従来神戸、横浜、関門のごとく、国際交通の要衝に当る港湾外国貿易施設につきましては、国は大体全額国費をもつて修築して来たのでありますが、これらの港湾港湾法施行によりまして、五割を国が負担することとなつたのでありますが、外国貿易増進が特に必要であるわが国の経済事情にかんがみまして、外国貿易増進上特に重要な港湾につきましては、水域施設または外郭施設に対しては全額を、繋留施設に対しては七割五分を、国が負担することといたしました。  第七点は、第四十二条の修正に応じまして、特定重要港湾における臨港交通施設工事に対する国の補助率を、七割五分までに引上げたのであります。  第八点は、港湾施設が他の工作物と効用を兼ねるときの工事施行方法費用負担については、管理者が協議して定める旨を第四十三条の二として設けたのであります。  第九点は、定期船業者港湾運送業者が反復して行為をした結果、施設が損粍したときは、そのものに工事費用の一部を負担させることができるようにするため、第四十三条の三を設けたのであります。  第十点は、港湾の現状を完全に把握する必要がありますので、港湾管理者港湾台帳を調製しなければならない旨を、第四十九条の二として設けたのであります。  第十一点は、第五十二条の第一項中に、避難港の重要性にかんがみまして、直轄工事対象にこれを加えたのであります。  第十二点は、第四十三条の改正に応じて、特定重要港湾臨港交通施設に対する国の負担率を定めるため、第五十二条第三項を改めたのであります。  第十三点は、市街地建築物法が廃止され、建築基準法が制定せられましたので、第五十八条第一項中の一部を改めました。  第十四点は、「都道府県災害土木費国庫負担ニ関スル法律」が廃止され、本年四月一日公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法施行せられまして、港務局に関する規定が置かれておりますので、第五十八条第五項を削つたのであります。  第十五点は、第六十条第一項の改正であります。現行法では地方港湾でも都道府県管理者設立に加わつておる場合は、運輸審議会に諮問して、港湾区域認可または不認可決定することになつておりますが、港湾実情にかんがみまして、地方港湾は諮問を要しないことといたしました。  第十六点は、附則第五項であります。従来旧軍港や福岡県の苅田港の、ごとく、国内産業開発上特に重要な港湾は、国が全額または七百分の五百五十まで高率な負担をして来たのでありますが、港湾法の制定により五割の負担にとどめられたのでありますが、これらの港湾、たとえば旧軍港市のごときは、旧軍港転換法第三条で国がその転換事業に積極的に補助するよう規定されております。よつてこれらの事情にかんがみまして、重要港湾のうち国内産業開発上特に重要な港湾で、政令で定めるものにも、当分の間特定重要港湾同様な負担補助をなすことができることといたしました。  第十七点は、附則第六項及び第七項であります。この項は会計年度の途中において港湾管理者設立せられた場合の費用負担に関する経過規定であります。港湾法第四十二条、第四十三条は港湾管理者設立せられた場合に初めて適用せられるものであります。     〔大澤委員長代理退席委員長着席〕  通常予算措置としては、年度初頭において分担額及び補助率を定めて公共団体に通知することになつておりますが、この通知の日以後において港湾管理者設立せられた場合において、年度途中で負担割合をかえることは、技術的に困難と思いますので、年度初頭において定まつた割合で、昭和二十六年度限つて負担または補助ができるようにしたものであります。  以上修正理由及び内容を御説明申し上げた次第でございます。
  27. 前田郁

    前田委員長 次に玉置君より修正案説明を願います。
  28. 玉置信一

    玉置(信)委員 ただいま議題となつております港湾法の一部を改正する法律案修正する理由簡單に御説明申し上げます。  現行法第三条は、もつぱら漁業の用に供する港湾として漁港法により指定されたものは、港湾法適用を受けない旨を規定しておりますが、港湾によつては主として漁業の用に供するものであるか、あるいは従として漁業の用に供するものであるか、確然と区別いたしがたいものがありまして、その判定にすこぶる困難を来している実情であります。よつて原則的には、漁業の用に供する港で、漁港法によつて指定された港は、すべて港湾法適用から除外いたしまして、例外として、政令で定められた港湾につきましては、港湾法適用も受けることに改めようとするのが、この修正案趣旨であります。  以上簡單でありますが、わかり切つた問題でありますので、皆様御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望いたします。
  29. 前田郁

    前田委員長 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止
  30. 前田郁

    前田委員長 速記を始めてください。  それでは本案に対する審査次会に譲ります。
  31. 前田郁

    前田委員長 次に、戰時中政府買收した鉄道譲渡に関する法律案議題といたします。質疑を續けます。
  32. 岡田五郎

    岡田(五)委員 提案者にまずお尋ねいたしますが、この第一条をずつと読んでみますと、この払下げの主たる目的は、公共の利益に合致する限り、地方鉄道強化し、地方交通利便増進することが第一の目的であるか、または国及び地方公共団体財政改善に寄与することをもあわせて目的としておられるようでありますが、どちらに重点を置いておられるのでありますか。この点、簡單でけつこうでございますから御答弁をお願いいたしたいのであります。
  33. 坪内八郎

    坪内委員 お答えいたします。これは特定事項についてあげておるのでないのでございまして、総合的に、いずれの意味が重であり、いずれの意味が軽であるというようなことは考えていないのでありまして、総合的な意味でございます。
  34. 岡田五郎

    岡田(五)委員 次に譲渡申請権者でございますが、過般来いろいろと質問を重ねて参つておるのでありますけれども、この第一号、二号、三号、四号と資格者がございますが、これらが併存する場合に、これについて順位でもおつけになるお考え方があるのでありますか。簡單に申し上げますれば、第一の旧所有者が第一順位であり、また第二の残存の線路を持つておるところが第二順位だ、あるいは第四は第四順位で一番びりだ、こういうようにお考えになつておるのか、この申請権者順位について、提案者はどういうお考えを持つておられるか、御説明を願いたいのであります。
  35. 坪内八郎

    坪内委員 それらの順位につきましては、運輸審議会において決定されるもので、ございまして、いずれが優先にとりはかられるか、あるいはいずれの会社優先的に決定されるということは、提案者においてはわからないのであります。
  36. 岡田五郎

    岡田(五)委員 それでは、今の提案者の御説明によりますと、たとい買收された鉄道会社が残つておりまし七も、この鉄道関係のない他の会社であつて鉄道事業経営能力ある会社がこれを払い下げてもらいたいという場合には、競願の形で払下げを希望できる、かように解釈していいのでありますか。この点、明快に御答弁をお願い申し上げます。
  37. 坪内八郎

    坪内委員 これの最後的決定にあたりましては、運輸大臣運輸審議会意見を十分参酌して、検討を加えて決定をいたすのでございますから、今岡田委員お尋ねなつたような結果も、あるいは運輸審議会でそういつた結論が出、その結論に基いて運輸大臣がそういつた払下げ譲渡することも起り得るというようなことは考えられます。
  38. 岡田五郎

    岡田(五)委員 そういたしますと運輸大臣は、会社経営能力あるいは経理的基礎確実性というような見地から判断いたしまして、たとい旧所有者がおりましても、他の第三者を選ぶ場合があり得る、かように解釈できるのでありますが、この法律立法された根本の精神は、戰時中昭和十八年から十九年に戰争の必要のために、戰時立法ではないが平時立法適用して、戰時中なるがゆえに相当不利な買上げをされてかわいそうであるから、元の所有者に返してやろう、返してやるにあたつては、代金支払い方法についても、国有財産法三十一条を使つて、五箇年間分割払いもさせてやろうというような恩典も認められておると考えるのであります。さようにいたしますと、戰時中に全然国家の犠牲にならなかつた第三者会社が、相当の、あるいはその力によつて優先とまでは行かなくとも、同じ資格と同じスタンドポイントに立つて払下げを受けられる、しかも受付けた場合には五箇年間の延納をされる、こういうことになると第三者は、他人の犠牲の救済に便乗して、非常にうまい有利な立場になるように考えられるのでありますが、この点についての提案者のお気持をお聞かせ願いたいのであります。
  39. 坪内八郎

    坪内委員 先ほど御答弁申し上げました通り、それらの点につきましても、やはり運輸審議会愼重検討を加えて意見を出すことでありましようから、それらの懸念はないと私は信じております。
  40. 岡田五郎

    岡田(五)委員 次にお尋ね申し上げたいのは、この法文によりますと、戰時中買收せられました二十二線、たとい現在採算的に運営いたしております南部線であろうが、阪和線であろうが、交通系路上必要な加古川線であろうが、どの線であろうが、この二十二線は全部、これの譲渡権限運輸大臣にまかされてしまつておるような形が、第七条に見えるのであります。運輸大臣運輸審議会に諮問して、払下げの価格、区間及び時期、方法をきめる、国鉄総裁考え方いかんにかかわらず、運輸大臣が行政的な処分で、払い下げなければならないという命令が出せることになつておるのであります。ことに阪和線におきましては、御承知のように天王寺からすでに、紀勢西線といいますか、紀州の新宮、和歌山方面への通しの列車が出ておるのでありまして、国鉄的な性格を持つておる阪和線は、交通系絡上、当然国鉄経営すべきだと思うのでありますが、こういうような線も、たまたま戰時中買收せられたるがゆえに、生殺与奪の権は運輸大臣が握つてしまわれる、こういう条文になるのでありますが、その辺の御意見提案者からお聞かせ願いたいのであります。
  41. 坪内八郎

    坪内委員 お話の点は私もよくわかるのでございますけれども、それらの点につきましては、鉄道譲渡を受ける会社が、申請書をやはり日本国有鉄道にも提出するし、さらに運輸審議会においてもその申請書に基いて十分愼重検討を加えますので、日本国有鉄道のそういつた運輸大臣に対する重要な意見具申も、やはり運輸審議会を通じて運輸大臣に浸透するであろうと思いますので、お話の通り第七条によつて運輸大臣が絶対決定権を持つておるように相なつておりますけれども、それらの関係におきましては、日本国有鉄道意見運輸審議会において十分参酌するであろうし、そういつた御心配の点はないと私は考える次第でございます。
  42. 岡田五郎

    岡田(五)委員 次に、大蔵省から関係の係の方に御出席願つておるようでございますので、大蔵省の方に参考にお尋ね申し上げたいのであります。本法案の第八条の第二項によりますと、「譲渡の代価の支払については、国有財産法第三十一条の規定を準用することができる。」こういう規定になつておるのでありますが、国有財産法三十一条を見ますと、大体政府の国有財産を払い下げる場合には、とにかく財産の引渡しを受けたときに金を払わなければならないという原則が掲げてありまして、但書に公共団体または教育及び社会事業を営む団体に対しては、五箇年について年賦払いができるというようなことが出ておるのであります。多分この第八条は、この但書を準用して、五箇年の年賦払いにしてやろうという御精神であろうと思うのでありますが、かような地方鉄道に対して、社会事業、教育事業あるいは行政的な公共団体と同等に扱うことは、行政上の公平観念から行きまして公平性を失うのではないか、かように私は心配するのでありますが、国有財産関係を担当しておられます大蔵省のお役人は、どういうふうにお考えになつておりますか。御意見をお聞かせ願いたいのであります。
  43. 小林英三

    ○小林説明員 ただいまの御質問でございますが、国有財産法の一般の規定におきましては、ただいま御指摘のありましたように、第三十一条の但書の規定によりまして、五年以内の延納を認めることになつておりますが、なお別に特例法が一つございまして、旧軍用財産の貸付及び譲渡の特例等に関する法律というのがあるわけであります。この法律に基きまして、旧軍用財産とそれから物納財産、この中には財産税法に基くものと戰時補償特別措置法に基くものがありますが、この場合におきましても、五年以内の延納の特約をすることができることになつておるのであります。これは考え方によりましては、そういう特別の場合ではないかというようなお説もございますが、やはり私の方といたしましては、できるだけ公共的なものに延納を認めるという立場ではございますが、この法律案趣旨から言いまして、地方鉄道におきましても、公共性が非常に強いではないかというように考えますので、もし意見を求められるならば、私どもの方としてはさしつかえなかろうかと考えております。
  44. 岡田五郎

    岡田(五)委員 地方鉄道交通機関が、その事業の本質上、公共性、公益性が多分にあるということは、大蔵省のお役人もよく御承知通りであると考えるのでありますが、これらの事業につきまして、かような公共性、公益性なるがゆえに、現在国家から何ら保護、補助を受けていないのであります。たとえば税金の問題にいたしましても、他の営業会社、営業団体と同じような税を課せられておるのであります。その他の場合におきましてもしかり、ただ交通機関であるという、その輸送業務の本質から来る公共性でありまして、事業自身は相かわらず、課税その他国家的な態度から見ますと、一つの営業団体、企業団体として考えられておるのであります。かように各種の法律で取扱われており、ただ新線を敷設する場合に公共性を利用して、土地收用法を利用するとかいうようなことがございますが、それ以外に、立法的に特別な保護を受けていないのであります。かような鉄道事業に対して、社会事業あるいは教育事業、ほんとうの社会事業的な事業と同じように五年の延納を許すということは、私が先ほどお尋ね申し上げておりますように、行政の公平性から行きまして、はたしてさしつかえないかどうか、この点、重ねてお尋ねいたします、行政は公平でなければならないと思うのであります。かような面につきまして、大蔵省の考え方を再度、確認いたす意味においてお尋ね申し上げたいのであります。
  45. 小林英三

    ○小林説明員 公共性の範囲の問題については、なかなかむずかしいと思います。ただいま御指摘のあつたような点もあるいは考えられるのではないかと見られますが、国有財産法の建前からいたしますと、できるだけ公平に国有財産を売り払う、そうしてもしどうしても一時に金が納められないような場合におきましては、確実な担保をとりまして、またその延納期間に対しては利息をつけて、この金を払つてもらうという立場をとつておるのでございます。たとえば鉄道を払い下げるような場合におきましても、相当一時的に資金がいるというように私も考えているのでありますが、この場合に今御指摘になりました地方鉄道に対しては、国家的な援助あるいは保護が非常に少い、むしろ公共性が非常に少いのではないか、こういうものに対して延納はどうかというお話でありますが、これはいろいろな見方もあるかと思いますが、大体われわれが国有財産法規定を動かして行くという建前からすれば、非常に公共性が強いという観点において、全部がこの条文にすべて合致するというようには見られませんけれども、大体その趣旨には反していないのではないかというように考えている次第であります
  46. 岡田五郎

    岡田(五)委員 それでは次に移りまして、この買收線に関する職員の引継ぎの問題でありますが、この法案を見ますと、この譲り受けた線に勤務している職員が希望すれば、その譲り受けた会社に勤められる、希望しない者は国有鉄道に帰る、こういうような規定のように私は拝見するのであります。私が考えますると、線路も車両も払下げをするならば、そこに勤務する職員も一緒について行くべきではないか、いわゆる施設、物、人というものが、そろつて一つの営業体系ができるものであつて、私は原則として一緒にその線区に勤めている国有鉄道職員は、引継がれるべきではないかど考えるのでありますが、この点につきましての提案者のお気持を御説明願いたいと思うのであります。
  47. 坪内八郎

    坪内委員 御質問はごもつともな点でありますが、私どもは実際問題といたしましては、あるいはそういう行き方がよいのではないかということも考えてはおりますけれども、基本的な人権の尊重というような建前から、こういつた関係に相なつているのであります。
  48. 岡田五郎

    岡田(五)委員 そういたしますと、私はこれはおそらく懸念に終るかもしれぬと思いますが、おそらく会社から引継がれて現在国有鉄道職員になつてその線に勤めておられる方は、多分大部分お残りになるだろうと思いますが、国有鉄道職員でそこに勤務をした人は、おそらくみんな国有鉄道の方に引揚げたいということになるだろうと思うのであります。これを全部さような結果になるとすると、おそらく数千人を擁する職員のうち千数百人しか残らないで、三千なり四、五千の人が、国有鉄道に帰つて来なければならないということになると思うのでありますが、国有鉄道に、おそらくこの四、五千人が働いておつた職場がなくなつて、職場なくしてその職員が帰つて来られるのでありまして、おそらくこれらの職員がまた整理の対象になるのではないかと私は心配するのでありますが、この点につきまして、先ほど申し上げますように私は杞憂というか、非常な懸念というか、将来を見ざる懸念に終るかもしれませんが、提案者のその辺に対するお感じは、どういうお感じを持つてこの職員引継ぎに関する法律をおきめになつたのか、提案者のお気持をお聞かせ願いたいと思います。
  49. 坪内八郎

    坪内委員 そういつた職員の関係者に対しましては、私どもといたしましても万全の措置を講じまして、十分保護して行きたいという気持でいるのでありますが、実際問題といたしましては、岡田委員の御心配になつた点も生じて来るかと思いますが、ほとんど当時会社から引継がれて国鉄に行つた者がまた会社にもどられた、あるいはまた新たに国鉄から会社に行つた者が、やはり会社に行かないで国鉄にもどるであろうというようなお話であります。それは実際問題としてなかなかむずかしいのでありまして、その職員のそのときの実際の状況にまかした上で、その後の善後処置を講ずるというようなこと以外には、方法はないと考えております。さらにまたそういつた職員が、定員外あるいは整理の対象になるおそれはないかということにつきましては、そういつた整理の対象にならないと考えているのであります。
  50. 岡田五郎

    岡田(五)委員 私は非常に浅い経験でありますが、国有鉄道に勤めました経験、またかような買收路線経営監督いたしました浅い経験から徴しましての私の見通しからいたしますと、おそらく会社のこの譲り受け線にお残りになる国鉄職員は、元のこの会社線にお勤めになつた方だけであつて国有鉄道から勤められた方は、全部国有鉄道にお帰りになることが、現実の姿として現われることを私は確信するのであります。従いましてかような法律をつくられるにあたつて、十分この現実の見通しをつけて、十分職員の措置について提案者がお考えくださつているならばと私は希望いたすのでありまして、これも将来のことでありまして、神ならぬわれわれ人間のいたずら議論するところではなく、また提案者と見解の相違に終ることと思いますので、私の質問はこの程度で打切ります。いろいろと提案者から御懇篤なる、詳細なる御説明をいただきまして、ここに深く感謝を申し上げまして、私は終ります。
  51. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 私の質問途上に、岡田委員に発言をお譲りいたしたのであります。従いまして私が質問しようと思う四項目ほどが、岡田委員質問になつて現われて参りましたので、それらの重複を避けまして、先ほどの質問を継續いたします。  先ほど提案者の方の御説明によりまして、この第一条の後段にある地方鉄道強化して地方交通利便増進する、こういうことについては、こういうことをやらせるために特殊な助成方法等を講ずるのではなくて、いわゆる会社の特別の手腕とそのやり方とにまつて、この目的を達成したいという御答弁でありましたが、これと関連いたしまして、御質問申し上げたいと思います。第四条の「日本国有鉄道は、前条の規定による譲渡申請書提出を受けたときは、遅滞なく、その一通を運輸大臣に送付しなければならない。」。その二項、「運輸大臣は、前項の規定による譲渡申請書の送付を受けたときは、遅滞なく、譲渡申請のあつた鉄道について左に掲げる事項を、運輸審議会意見を聞いて、決定しなければならない。」その左の事項というのが「一、譲渡すべきかどうか、二、譲渡すべき鉄道の区間、三、譲渡すべき車両その他の物件の範囲、四、譲渡価額、五、譲渡の代価の支払時期及び支払方法、六、譲渡期日、七、権利義務の承継に関する事項、八、その他譲渡に関する事項で事案の重要なもの」こうあげまして、これからが質問の要旨であります。「前項に掲げる事項特に同項第一号に掲げる事項は、当該鉄道の位置、利用状況、收支の状態その他諸般の事情を考慮し、当該鉄道譲渡することが公共の利益に合致し、且つ、第一条第一項の目的を達成するかどうかを判断して、決定しなければならない。」となつているのでありますが、まことにこの基本目的理由というのが薄弱であるように思うのであります。その一つとして御質問申し上げますのは、この第一条第一項の目的を達成するかどうかを判断する材料、もう一つは、当該鉄道譲渡することが公共の利益に合致するかどうか、これを判断するために何か基準となる判断の基礎がなければ、運輸審議会であつてもとうていこれは判断することは困難だろうと思います。公共の利益に合致するかいなかということを、たとえば例にとつて申してみますならば、元会社を所有いたしておつた側の人々からは、公共の利益に合致するから払い下げてもらいたいという陳情が来るでありましよう。ところが昨年あたりのあの審議をいたします途上において参つた鉄道沿線の人々の多くの陳情は、これは国有鉄道であつて初めてこの交通目的を達成し得るのだから、払い下げてもらつては困るという陳情で、こういうものがたくさん両方から累積して参つた経験から申しますと、一方は公共の利益に合致するから払い下げてもらいたい、一方は譲渡されれば公共の利益に反するということで、こういう陳情その他の争いになつた場合に、一体何によつてこの第一条の目的に沿うか、今申しました第四条三項のこの判断の資料になるか、こういうことは非常に困難だと思います。従つてそういう場合において、何を基準としてこの公共の利益に合致するかどうかを判断されようとするか、重大な点でありますからお伺いいたします。
  52. 坪内八郎

    坪内委員 御聰明な尾崎委員に詳しく御答弁申し上げる必要もないかと思いますので、簡單に申し上げたいと思います。この払下げをするにあたつてのいろいろな基本的な資料と申しましようか、そういうものについて何を参考にするのかという点のお尋ねであるようでございますが、第三条第二項に規定してありますように、これの譲渡を受ける申請者は、その譲渡申請書に、一、資金調達の計画、二、運輸計画、三、運送営業上の收支概算、四、改良計画の有無及びその内容、五、その他参考となる事項、こういつた資料をそれぞれ添えて提出いたしまして、この資料に基いて運輸審議会がよく検討をいたす、かように考えるのであります。
  53. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 公共の利益に合致するかどうか、地方交通利便増進し得るかどうか、こういうことに対しましては、ただいま御説明の第三条二項の資金調達の計画、運輸計画、運送営業上の收支概算、改良計画の有無及びその内容、その他参考となる事項、これだけでは判断の基礎とはならないと思う。これだけによつてなさろうとするならば、実際問題に当面いたした際に、非常に紛糾した事柄が出て来るのではないか、こういうことを考えるのでありますが、それらについて何らかの御用意があるかどうか、それを伺つておきたいのであります。     〔委員長退席、大澤委員長代理着席
  54. 坪内八郎

    坪内委員 お説ごもつともであります。先ほど私が御答弁申し上げました件につきましては、譲渡申請者が譲渡申請するにあたつての参考資料として、これらの第三条第二項以下第五号まである申請書を提出するのでありまして、この申請書に基く項目だけで、譲渡その他の判断をするのではございません。私が申すまでもなく、運輸審議会はあらゆる各界のエキスパートが委員になりまして、そうしてそれらの委員は、国会において承認を受けて委員なつたというような、その道の大家でございますので、その運輸審議会が、これらの資料を参考資料として、あらゆる国鉄側の意見あるいはその他あらゆる関係資料を持ち寄つて最後的な意見を出す、かように考えている次第であります。
  55. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 そういうことになりますれば、さつき岡田委員がその質問の中において、私が質問しようと思つたところの一項目を述べられたのでありますが、第一条の趣意というものがはつきり出ていない。私は主として今まで「地方鉄道強化して地方交通利便増進上、」という第一条の目的のことを質問いたしたのでありますが、「あわせて国及び地方公共団体財政改善に寄与することを目的とする。」ということについて、さつき岡田委員から質問があつたのであります。どちらを主とするのかということに対しまして、両方ともにらみ合せて考えるのだという御答弁があつた。そこでその点はわかつたのでありますが、これだけではこの法律目的ははつきりしていない。というのは、この一条の冒頭の方におきまして、「この法律は、日本国有鉄道をして、政府昭和十八年及び昭和十九年に今次の戰争の必要に基いて地方鉄道会社から買收した鉄道」、こういう文句がある。この文句の第一条の前段の趣意というものが、目的の中に全然織り込まれていない。従つて答弁のような地方鉄道強化して地方交通利便増進するということや、国及び地方公共団体財政改善に寄与するという、この二つの目的をもつてこの法律を実施しようとするならば、ここに大きな混乱を来して来るおそれがある。でありますから、もしこの第一条の前段に掲げてありますが、ごとき、戰時中その戰争目的のために地方鉄道会社が好むと好まざるとにかかわらず強制的に、政府がこれを買收といえばよい言葉でありますが、公債を与えておいて半ば強制的に取上げた事実を、われわれはよく承知をいたしておりますから、この項を生かして、目的の中にさつき申しました二つの事柄以外に——もともとほんとうに賛成するのではないのを、取上げられた形になつているものが多いのでありますから、この点を考慮に入れた何らかの趣旨の条文をここに織り込んだものでなければ、実施をする際におきまして大きな紛乱を来すおそれがあると考えるのでありますが、提案者はどういうふうにお考えになりますか。
  56. 坪内八郎

    坪内委員 お言葉でございますけれども、われわれ提案者といたしましては、尾崎委員と違つた考え方でございます。先ほどからの御質問の関連した点でございますが、この譲渡にあたつての基本的な態度をきめるのは、第三条第二項にうたわれている点も参考上の資料として、さらにまた第一条の目的を達するために、こういつた第一条の中にうたつてある目的が完全に達成されるかという点も、あらゆる角度から検討を加えまして、運輸審議会がそれぞれの意見を出すのでございまして、われわれの法案の趣旨に十分沿うのではないか、かように私は考えております。  さらにまたこの買收された鉄道につきましては、「公共の利益に合致する限り、」ということに相なつておるのでございまして、公共の利益に合致しない路線は、買收した路線でもこれは払下げ譲渡をするということにならないと思うのであります。少くともこの買收された路線が、公共の利益に合致する限りこの譲渡ということを考えるのだ、こういうことに相なつておるのであります。さらにまた第一条の末文に「あわせて国及び地方公共団体財政改善に寄与することを目的とする。」とありますが、第五国会にこの法律案を提案した当時は、この項目はなかつたのであります。今度初めてこの点が前の法律案と違つた点であることも、御参考までにあわせて御答弁いたしておきます。
  57. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 提案者の方で見解の相違とおつしやればそれまででありますが、戰時中に、好まざるものであつたにもかかわらず、強制的に買收したという実情も、われわれよく承知しておる。従いまして払下げをすることの目的の中に、何らかの字句その他をもつてこういう意味のことを織り込んでおかなければ、あとになつて必ず混乱を来すものであると私は信じておりますので、第一条につきましては結論的の質問を保留いたしまして、次に移ることといたします。  次に、先ほどもちよつと玉置委員から御質問があつたようでありましたが、第三条に「前条に規定する会社が、鉄道譲渡を受けようとするときは、商法(明治三十二年法律第四十八号)第三百四十三条に定める決議を経た上、この法律施行の日から三箇月以内に譲渡申請書二通を日本国有鉄道提出しなければならない。」とあるのでありますが、三箇月以内ということに限られた理由はどこにあるかを伺いたいと思います。
  58. 坪内八郎

    坪内委員 この三箇月以内ということは、猶予期間であります。
  59. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 猶予期間という御答弁では、ちよつと私が質問いたしました趣意にかなわないのであります。もつと具体的に申しますならば、この第三条の二項に規定してありますような一号、二号、三号、四号、五号と、五号までの間に規定してあるようなこういう条件をそろえることが、三箇月以内にできる会社もありましようが、できない会社のあることも予想しなければならない。そこで私が言うのは、なぜ三箇月以内ということにきめたのかということなんです。五箇月たてば、この後段の二項に規定したような条件をそろえることができる会社もある。一年たてば、こういう条件をそろえられる会社もある。三箇月以内にはそういうことはできない、しかし譲渡してもらいたい。こういうものも相当出て来ると思う。でありますから、なぜこれを初めから法律事項で、三箇月以内に譲渡申請書を出さなければならないという規定をつくられたのか、その点を伺つておきます。
  60. 坪内八郎

    坪内委員 私も御答弁申し上げますけれども、その点をはつきりいたしかねますので、堤專門員に答弁いたさせます。
  61. 堤正威

    ○堤專門員 ただいま御指摘になりました三箇月の猶予期間でありますが、法律にもありますように、法律が公布されてから施行までやはり三箇月あります。それと合せまして、都合六箇月の間は出願する権利を持つておるわけであります。しかしこの期間を無期限にしておくということは、結局特に戰時中買收された鉄道というふうに限定せられております関係上、こういう不明な状態がいつまでも存續することは、国鉄にとりましてもその他のいろいろな弊害も生じはしないかというような懸念から、特に期間を三箇月、公布後三箇月、都合六箇月という間を猶予期間といたした次第であります。
  62. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 三箇月と限定せられた理由の半分はわかつたのでありますが、ただいま御説明通りの趣意でありますならば、つまり公布後三箇月、そのあとから今申しました申請書を出す期間が三箇月、合せて六箇月あるといたしますならば、その三箇月内に申請ができない会社、もう一箇月か三箇月たてば申請ができるという事情のものが、当然出て来ることも予想せられるのでありますから、それらについての但書か何かを入れておく必要はあると思うのですが、この点についての御意見を伺いたい。
  63. 堤正威

    ○堤專門員 ただいま御説明申し上げましたように、その後もそういう特殊な事情がある場合には、一箇月とか二箇月というようなことを考えておりますと、結局期限をつけることができませんので、やはりこういう点ははつきりしておいた方がよろしい、かように考えまして、特にそういう規定は書かなかつたのであります。しかしここに掲げておりますような事柄を準備いたしますためには、これが公布されましてから六箇月もありますれば、実際上の問題として十分可能であるというふうに思われますので、御懸念の点はないのではないか、さように承知しております。
  64. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 私はこれは事務的に御質問申し上げておるのではないのであります。事務的に第三条の二項の一号から五号までの間の条件を用意することは三箇月もかからないが、はたして譲渡を受けることができるかどうかという力、そういう点についていろいろあちこちと相談したり、くめんしたりすればそういう力が出て来るのだが、その点がどうかということでありまして、事務的の期間をさしておるのではないのですから、その点についてのお考えを伺いたい。
  65. 堤正威

    ○堤專門員 こういうことを私が申し上げてはいかがかと存じますが、すでにこの問題は数年来の懸案の問題でありまして、おそらくこれに幾分でも関係のあるところは、非常な関心を持つて、この問題に対処しておると存じます。従つておそらくもしそういう希望のあるようなところでありますれば、ただいまでもあるいはそういう方面とタツチして、何らかの工作をしておることと存ぜられますので、そういつた政治的な含みが裏に隠れておるような問題につきましては、六箇月たちましてもそう支障はないのではないかと存ずる次第であります。
  66. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 その点は一応保留いたしておきまして、先に進みます。  大蔵省の方がお見えになつておるようでありますから伺いますが、第七条の第三項に、「国有財産法昭和二十三年法律第七十三号)の規定は、日本国有鉄道が前二項の規定によつて鉄道譲渡する場合には、適用しない。」とありますが、適用しないということの理由について御説明を願います。
  67. 小林英三

    ○小林説明員 これは国会の方の御提案なので、どういう趣旨か私の方としてははつきりわからないのでありますが、国有財産法は、日本国有鉄道に対しては現在においても適用になつておらないのであります。従つて私どもとしましては、この条文があろうとなかろうと、適用のないということにはかかわりないのだと思つております。
  68. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 大蔵省の御意見では、あつてもなくても同じことだという御意見でありますが、今の点について、国会の專門員の方に伺います。
  69. 堤正威

    ○堤專門員 この点はまことに申訳ない点でありまして、その後いろいろ研究いたしました結果、ただいま大蔵省の方から御説明になりましたように、国有財産法規定日本国有鉄道には適用がないということになつておりますので、この点は削除してもさしつかえないものと思います。
  70. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 今の点はつきりいたしました。この点は削除してもよいということでありますから、結論は保留いたしまして次に移ります。  第八条に、「譲渡の代価の支払は、会社買收を受けたときにその代価として政府から交付を受け、支払の日において現に所有している国債証券で、することができる。この場合における国債証券の引渡価格は、時価及びその交付価格を参しやくして、大蔵大臣が定める。」とあるのでありますが、大体この地方鉄道戰時中に強制的に買い上げられたときに、支払いされた国債、これは元の地方鉄道管理者が全部そのまま保有しているかどうか。こういうことについて御調査をなさつたことがあるかどうか。
  71. 坪内八郎

    坪内委員 お答えいたします。当時買收金の支払いは五千万円が非登録公債であり、二億八千百円が登録公債になつております。すなわち合計三億三千万円で、その登録公債が昭和二十二年九月に解除になりまして、当時の市場価格は百円に対して六十三円であり、現在の手持ちは五千六百万円だというふうに承つておるのであります。
  72. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 そういたしますと、この問題も非常に重大な問題となつて来るのでありまして、政府から国債での交付を受けた元の会社がそのまま保有いたしておるといたしますれば、代金支払いにつきましてまことに簡單に行くのでありますが、今御説明のごとく、すでに大部分が元交付を受けたものの手から他に分散いたしておるということを聞いております。といたしますれば、この第八条の取扱いは非常に重大となつて来るのでありますが、そういうものについてはどういうふうなやり方をしようというお考えであるのか伺いたい。
  73. 堤正威

    ○堤專門員 第八条に掲げております公債は、ただいま坪内委員から御説明申し上げましたように、現在会社が所有しておるものでありまして、それに関する規定であります。その他のものにつきましては、全然これに関与しないというふうに解釈しておる次第であります。
  74. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 そうなりますと、これは非常に大きな問題であります。かりに当時政府から交付を受けた国債百円のものが、八十円の時価しかしなかつた場合に、これを分散してしまつたものが、実際問題といたしまして、今度この鉄道払下げを受けようという場合において、当時の百円が今日二万円にも三万円にもなつておるのでありますから、その国債を持たなかつたのでは、それだけの非常に厖大な金額をそろえなければいかぬということになるが、そういうものの取扱いはどういうふうにするのであるか。これは非常に重大な問題であると思いますので、特に提案者の御説明を伺いたい。
  75. 坪内八郎

    坪内委員 お答えいたします。その点は非常に愼重を要する点であることは、まつたく同感であります。しかしながら公債の価格につきましては、大蔵大臣が最後的に決定をいたすことは申すまでもございません。さらにまたその御懸念の点につきましては、運輸審議会決定をいたします。決定というよりも意見を出しますので、私どもといたしましては、その点につきましては運輸審議会にゆだねるよりほかに、今のところ考えていないのであります。
  76. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 提案者の御説明がやりにくい点はよく推察がつくのでありますけれども、御説明を伺つておりますと、この法律よりも、運輸審議会にこの権限をまかせることの方が多いように思うのでありまして、この法律は非常に軽いものになつてしまう。そういうことではいけませんので、いわゆる事、ことに運輸審議会にまかせるというような構想ではなくて、第八条は非常に重大でありますので、本日はこれをお預けといたしておきますが、提案者の各位で相談をせられまして、もつとはつきりしておかないと、あとになつてから非常に大きな関連を生じて来ることを憂えるのでありますから、私は好意ある注文を申し上げておきまして次に移ります。
  77. 大澤嘉平治

    大澤委員長代理 実は提案者はあと二十分くらいたつたちよつと用があるそうでありますが、他の野党側委員からもぜひきよう質問したいという方があるものですから、あなたのものはあとまわしていただけませんか。
  78. 尾崎末吉

    尾崎(末)委員 それでは私は今までずつと質問したことを総合して、また第一条にもどつて質問申し上げてみたいと計画いたしておりますので、一応私の質問は保留いたしておきまして、二十分か三十分という原委員に限つて質問をしばらくお譲りいたします。
  79. 原彪

    ○原(彪)委員 第一条に、「旧所有会社又はこれと密接な関係のある会社等に」と、等という文字が入つておるのであります。「旧所有会社又はこれと密接な関係のある会社」というのは大体想像がつくのでありますが、等という字を入れたということは、旧所有会社がなくなつてしまつて、その沿線の住民が新しく株式会社でもつくつて、元ここに私鉄があつたのを払い下げてほしいというような場合をさすのですか。この等という字はその意味ですか。
  80. 坪内八郎

    坪内委員 私の答弁の足りない点は、堤君にさらに補足させたいと思いますが、その等というのは、第二条の第四号に関連があります。すなわち第二条の第四号に、「その他の会社であつて鉄道事業経営能力があり、且つ、その経理的基礎が確実なもの」となつておりまして、直接の旧所有会社のみならず、いわゆる公共の利益に合致する限りにおいて、第二条第四号の適用もありますので、こういう等という字をうたつておる、かように考えておる次第であります。
  81. 原彪

    ○原(彪)委員 そうすると、戰時中に強制買收された鉄道関係のある地区及び関係会社、及び元の会社ということだけにこの法律は限定されておるのですが、そうすると、たとえば一つの鉄道が輸送能力がほとんどなくなつてしまつて、運輸省がこれを民間払下げをしようという場合には、この法律適用しないわけですね。
  82. 坪内八郎

    坪内委員 この法律案は、昭和十八年及昭和十九年に政府買收した二十二線の路線に限るのであります。
  83. 原彪

    ○原(彪)委員 ただいまの質問は、その点を明確にしておきたいためにしたわけであります。  それからこの法律によると、運輸大臣の権限が非常に強くなつて運輸大臣運輸審議会意見を聞いて決定する。決定権は運輸大臣にあつて支払いの場合の権限が大蔵大臣にあるのですが、この点について国有財産法に法規上抵触する点はありはしないかと多少疑問を持つておるのですが、大蔵省の方の御意見を伺いたい。
  84. 小林英三

    ○小林説明員 国有財産法関係からと申しますると、実は先ほどほかの委員の方からの御質問にお答え申し上げた通りでありまして、国有財産法規定は、日本国有鉄道には全然縁のないと申しますか、適用のないものでありまして、鉄道自体としての財産としましては、おそらく、私もはつきりわかりませんが、鉄道自体においてつくつております規定によつてつておるのだろう、こう思つております。
  85. 原彪

    ○原(彪)委員 そうすると、運輸大臣払下げ決定をし、その権限を持つてつても、国有財産法には抵触しないということですか。
  86. 小林英三

    ○小林説明員 その通りであります。
  87. 原彪

    ○原(彪)委員 それからもう一点御質問申し上げたいのは戰時中強制買收されて公債を与えられ、その公債を全部売り払つてしまつて、その会社が解散してしまつたものが、たまたまその会社の縁故の人が寄り集まつて新しく会社をつくつて、元強制買收をされたのだから、払下げを受けようといつて申請した場合、その払下げ価格は、今は公債がなくなつてしまつても、もとあつた公債を基準にして算定されるかどうか。
  88. 堤正威

    ○堤專門員 先ほどから価格の決定につきましては、るる提案者の方から御説明を申し上げておりますが、結局これは運輸審議会意見を聞いて運輸大臣決定するのでありますが、そのときにおそらくそういつた公債の手持ちの問題であるとか、いろいろな問題も考慮に入れられるというふうに考える次第であります。
  89. 原彪

    ○原(彪)委員 先ほどもどなたかの御質問がありましたが、ただいま公債を持つてない会社が多く、ほとんど大半以上でありましよう。この法律が通れば、その問題が必然的に運輸審議会の大きな問題になつて来ると思うのでありますが、大体法案の作成者もそういう間の見通しをつけてつくられるのが適当であろうと思いますので、これは速記録に残しておく必要があると思いまして、質問した次第であります。法案作成者はどういうお気持であるが、伺いたいと思います。
  90. 坪内八郎

    坪内委員 御説明通り、なかなか問題になろうと思われる点でございますが、この公債の点につきましても、あるいは譲渡価額につきましても、運輸審議会におきまして、当時の客観的な経済状勢、あるいは今日における物価指数、あるいは貨幣価値、そういつた面なども十分考慮し、さらにまた日本国有鉄道の方のあらゆる意見も参酌いたしまして、運輸審議会決定する。それらの譲渡価額につきましては、まつたく運輸審蔵会の意見運輸大臣が十分尊重するであろうというような建前のもとに、この法案を立案いたしておる次第であります。
  91. 原彪

    ○原(彪)委員 私の賛同の論旨をそれておるように思うのであります。私の言うのは、公債を持つてつたのを売却してしまつて、そのなくなつた会社側の縁故の人が払下げを受ける場合に、本規定によれば、公債を持つておる人には、公債の価格、その他その後に国有鉄道施設した費用を時価で加算するという条項がありますが、ないけれども、元あつた会社について、その公債の時価——現在の時価ということではなくて、それを加算するかどうかという問題なんです。その点をお聞きしておるのです。
  92. 坪内八郎

    坪内委員 御質問に納得の行く答弁でないかと思うのでありますが、その点はまつた運輸審議会の権限にゆだねてある関係にありますので、われわれ提案者といたしましては、そういつた決定的な価額の面は今申し上げられない、かように考える次第であります。
  93. 原彪

    ○原(彪)委員 そうすると、元あつたその公債を、払下げ価額の中に算入すると解釈してよろしゆうございますか。
  94. 坪内八郎

    坪内委員 それらの点を算入すると解釈するかしないかという点につきましては、あくまでも運輸審議会が自主的にこれを決定するのでありましで、今ここで申し上げることはできないと思うのであります。
  95. 原彪

    ○原(彪)委員 持つておるものだけが得をして、実際元あつた会社でありながら、その後公債の処分権は認められ認められておつて、手放したものが損をするということになるのです。持つておる会社もありましようが、それはわずかです。かつては持つてつたけれども、苦しいから放してしまつたという会社が多いと思います。そういう会社は損をすると思うのですが、その点をはつきりさしていただきたい。
  96. 坪内八郎

    坪内委員 その点につきましては、われわれは権威ある運輸審議会を信頼しておりますので、そういうアンバランスはないように、運輸審議会意見がかわされるものであろうと考えております。
  97. 玉置信一

    玉置(信)委員 今の原委員の御質問に関連して、明確にしておきたいと思うことは、公債に、よつて政府が強制的に買上げをしたという当時の実情から申しますと、売方の私鉄会社は、おそらく満足し得る価格で買い上げられてないと思うのです。強制的でありますから、相当無理な評価をして買い上げられた。従つてその公債を売つて処分したものは、当然あまり分のいいものではなかつたと思うのです。しかし今日になつて考えてみると、その分の悪かつたものを、その当時と今日と比例換算して、その差額だけを見るという程度であるならば、すこぶる公平でありますが、ただ公債を持つてつたと同じ標準で、持たないものにも当時の公債価格の標準をもつて売払いをするということになりますと、他の企業状態から見ると、おそらくそれほどうまみのある企業はないと思う。その当時の私鉄を買う人は、私は非常な利益を得ると思うのです。おそらく独占的な利益になるのではないかとまで考えられるのですが、私はやはりそうしたことを勘案して、審議会がよく検討して、そうして価格をきめるということに行くものではないかと思うのです。この点もう少し明確にひとつ提案者の御説明を承つておきたいと思います。
  98. 堤正威

    ○堤專門員 価格の決定につきましては、第五条に掲げてありますように「鉄道譲渡価額は、当該鉄道買收価額買收当該鉄道に関し支出された建設改良費、時価及び当該鉄道の企業收益力を参しやくして、公正妥当に定めるものとする。」大体鉄道買收にあたりましては、従来地方鉄道法に掲げてありますように、收益力を基準として、大体その五分で還元した形になつております。従つてもしもこのたび従来の買收方法と同じ方法で、これを参酌するということになりますと、鉄道の方から出されております表でもおわかりになりますように、ほとんどすべての路線がみなマイナスになつておるといつたような関係から、おそらくその帳簿価額ということにきまると思います。それでは鉄道の方も非常に損である。国としても損であるというような建前から、この価格の算定につきましては、企業收益上損ではあるけれども、なおそれを参酌し、その後加えられた建設改良費も参酌してきめなければならぬということになつておりますので、原則として価格を決定されますのは、公債をどのくらい持つておるか、あるいは持つていないかというようなことではなくて、この第五条によりまして、大体の価格が決定される、かように御承知おきを願いたいと思います。
  99. 石野久男

    ○石野委員 いろいろとお尋ねしたいことがたくさんあるのですが、時間の関係もありますので、二、三要点だけをお聞きいたします。  第一点は第一条の中に言われております「公共の利益に合致する限り、」という説明をしばしば聞いておるのですが、実際提案者はこの「公共の利益に合致する限り、」という考え方の中に、払下げをした場合と、現在の国鉄が持つておる場合との経営上の考え方、比較検討というものが、入れられておるかどうかということでございます。すなわち国鉄が持つている場合の方が、より公共の利益に合致するのか、あるいは払い下げた方が合致するのかということを、審議会審議すべき点に含ましておるのであるか。
  100. 坪内八郎

    坪内委員 御説の通りであります。
  101. 石野久男

    ○石野委員 提案者がそのような趣旨を持つておることはよくわかるのであります。しかし提案者はここで第一条の説明をするときに、特に立法目的としては、買收目的が消滅したということを言つておるのであります。しかし先ほど来政府委員説明によりますと。買上げ平時立法である地方鉄道法第三十条により買上げをなされておつたということを、しばしば言われておりますが、この買收目的が消滅しているということには疑問がある。本法ができますると、国有鉄道法の第四十六条にございまするいわゆる財産処分の制限についての問題でありますが、  「日本国有鉄道は、法律に定める場合の外、営業線及びこれに準ずる重要な財産を譲渡し、交換し、又は担保に供することができない。」というこの「法律に定める場合」これがこの法律によつて決定的に法的根拠を持つことになるだろうと思います。それだけにわれわれはこの法律は非常に重大な問題になつて来るだろうと思います。財産処分をする場合、特に債務関係の問題につきまして、債務の負担が生ずる場合においては、「日本国有鉄道は、歳出予算の金額の範囲内におけるの外、債務を負担する行為をするには、予め予算をもつて、国会の議決を経なければならない。」ということが、すでに三十九条の二によつて規定されておるので、ございまして、私は契約即債務の負担になるとは考えませんけれども、譲渡価額の設定のいかんによりましては、実質的には債務を負うことになるのではないかと危険視しますので、それだけにこの法律は非常に重要であると考えます。従つてこの譲渡価額決定するについて「公正妥当に定める」という法律規定については、非常に疑義があるのであります。先般来の説明によりますると、その価額運輸審議会が第三条の二項によつて提出されたところの資料をもつて決定する、こういうふうに言つております。この場合譲渡価額はいわゆる国鉄の帳簿価額、時価との関係において、はたして運輸大臣はその時価以下に決定することをも許するのであるか、またそういうことをあらかじめ予想してこの法律ができておるのであるかどうかという点について、十分な説明をしていただきたい。
  102. 坪内八郎

    坪内委員 十分な答弁をしろということでございますが、私の時間がないので、簡單に要点だけを答弁いたしたいと思います。運輸大臣決定は、あくまでも運輸審議会意見を尊重いたして、決定を見るということになりますので、ただいま石野委員の御質問通り決定が出るやら出ないやら、その点はわれわれはわからないのであります。
  103. 石野久男

    ○石野委員 先ほど尾崎委員が第四冬の問題を提起いたしまして、いわゆる判断の基準というものを明確化されたければならないということを言つたのは同感であります。そこで坪内氏は繰返して、運輸審議会は国会の議決に上つて任命したのであるから、決して悪いことはしないであろう、われわれは信頼してもいいだろうという考え方々持たれるわけですが、私は立法の態度といたしまして重大なことですから、ここで坪内氏にお尋ねいたします。  今回の法律をつくる場合、従来の説明からいたしますると、坪内氏はすべて善意に解する内容をもつて、この法律を構成している。立法の大体の建前というものは、おそらく常に最悪の場合を予想してできておるように、われわれは今の法律考えるわけです。少くとも労働法なんかの問題等におきましては、かつて第一条の第二項の問題等が出ましたときにおいて、われわれが危惧する以上のシーリアスな内容規定されている。今回の場合はそうでない。坪内氏は今度の法律をつくるにあたりまして、その最悪の場合は考慮しなかつたのであるかどうか、この点立法の建前の心構えの問題として聞いておきたい。
  104. 坪内八郎

    坪内委員 私の答弁をとりようによつて、いかように解釈することも自由でございますが、私はこの法案はあくまでも最善の場合、最悪の場合を予想いたしまして、あらゆる角度から愼重検討いたしました理想的な法案だと考えておるのでございます。
  105. 石野久男

    ○石野委員 第一条によりますると、先ほど来問題になつておりまするが、法の名称は「戰時中政府買收した鉄道譲渡」ということになつておるので、常識的に考えれば、戰時中買收されたところの事業会社にのみこれを譲渡するという建前が、一応法律の名称からいたしましても、妥当ではないか。ところがこれに対しては、新たにいわゆるその経営能力を持つものに対してもこれを与えるということが、第二条第四号によつて規定されておるわけであります。この場合に、すでに岡田氏その他から真剣な質疑が行われておりまするように、なぜこの戰時中買收した鉄道譲渡するにあたつて、今日能力のあるものに対してもそれを与えることを考えているかということが第一点。第二点としては、法の趣旨になつておりまする「地方公共団体財政改善に寄与する」ということですが、はたしてこの財政改善に寄与することについての明るい見通しを持つている、こういうことを考えているのであるかどうかということを、時間がないので漠然としておりますが、お尋ねいたします。
  106. 坪内八郎

    坪内委員 第一の点についてお答えいたします。第一点につきましては、公共の利益に合致する限り、旧所有者、あるいは第一条の目的を完全に果すために、これと密接な関係のある会社等にも、これを譲渡することができるように規定してあるのであります。  第二点におきましては、国及び地方公共団体としてどのような税の收入があるのかというお尋ねでありますが、私が申し上げるまでもなく、この法律案の通過によりまして、国には法人税、地方公共団体には固定資産税というもので、税收が得られるようになるので、そういうような地方公共団体に対する財政收入によつて財政改善に寄与することができる、こういうことを簡單にお答えいたします。
  107. 石野久男

    ○石野委員 私はただいまの説明に対しては非常に疑義を持つておりまして、むしろ見解は逆なのでありますが、時間の関係がありますので、また明日に質問を保留させていただきます。
  108. 大澤嘉平治

    大澤委員長代理 この際お諮りいたします。本案に対し大蔵委員会より連合審査会開会の申入れがありましたが、これを認めるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 大澤嘉平治

    大澤委員長代理 それではさよう決します。明日午後一時より連合審査会を開きます。本案に対する審査次会に譲ります。     —————————————
  110. 大澤嘉平治

    大澤委員長代理 なお本委員会理事が欠けておりますので、この際理事補欠選任を行いたいと存じますが、これを委員長より指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 大澤嘉平治

    大澤委員長代理 御異議なしと認めます。それでは原彪君、山口シヅエ君を理事に指名いたします。
  112. 門司亮

    門司委員 この法案は重要な法案でありまして、今提案者との間に各条にわたつて質疑応答が行われたようでありますが、私にはこれの総括的の意思が十分にわかりませんので、これらを十分に聞きただす意味におきましても、運輸当局に御出席を願つて、そうしてこの鉄道払下げ全体に対する運輸当局の意見も十分に聞かないと、私どもには判断がいたしかねるのであります。従つて明日はぜひひとつ運輸当局の御出席を願うよう、このことだけを委員長にお願いいたしておきます。
  113. 大澤嘉平治

    大澤委員長代理 承知いたしました。  それでは本日はこれにて散会いたします。明日は午前十時より開会いたします。     午後三時四十四分散会