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1951-02-12 第10回国会 衆議院 運輸委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月十二日(月曜日)     午後一時四十八分開議  出席委員    委員長 前田  郁君    理事 岡田 五郎君 理事 坪内 八郎君    理事 原   彪君      岡村利右衞門君    尾崎 末吉君       片岡伊三郎君    黒澤富次郎君       玉置 信一君    滿尾 君亮君       山崎 岩男君    木村 俊夫君       中西伊之助君    飯田 義茂君  出席政府委員         運輸事務官         (大臣官房会計         課長)     國安 誠一君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      足羽 則之君         海上保安官         (海上保安庁水         路部長)    須田 皖次君  委員外出席者         日本国有鉄道総         裁       加賀山之雄君         日本国有鉄道運         輸総局総支配人 天坊 裕彦君         專  門  員 岩村  勝君         專  門  員 堤  正威君     ————————————— 二月十二日  委員江崎一治君辞任につき、その補欠として中  西伊之助君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  水路業務法の一部を改正する法律案内閣提出  第一二号)(予)  昭和二十六年度運輸省関係予算に関する説明聽  取  鉄道輸送力整備計画に関する件
  2. 前田郁

    前田委員長 これより運輸委員会を開会いたします。  水路業務法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。質疑通告があります。これを許します。岡田五郎君。     〔委員長退席坪内委員長代理着席
  3. 岡田五郎

    岡田(五)委員 ちよつとお尋ねいたしたいのでありますが、四條の二において、この法律航空図誌をつけ加えられるようでありますが、こういう話をするのはどうかと思うのでありますが、海上保安庁は、海上図誌または海上路誌といいますか、そういう関係をおやりになつて、むしろ航空関係航空保安庁がおやりになるのが当然ではないか、ここでなぜこういう航空図誌をここにおつけ加えになつたのか。航空保安庁では航空路誌をおつくりになつておるようでありますが、その間の事情を御説明願いたいと思います。
  4. 須田皖次

    須田政府委員 お答え申し上げます。水路部航空図誌を出すようになりましたゆえんの第一は、水路部は実は大正三年ごろから航空図誌というものを発刊いたしたのであります。それで前からずつとやつておるという理由一つ、第二には、航海の方法航空方法というものは非常によくにている。その同一な航法によつてやるのだということで、水路部で始めたのであります。それから第三には、航空には非常に海岸線が必要なのであります。ところがこの海岸線を最も正確に描けるのは、水路部以外にはないのであります。第三番目の理由として、この海岸線航空において非常に利用し、これを目標とする、これが非常に大事です。第四番目においては、世界各国において、航空図誌というものはほとんど水路部で調製発刊しております。これが第四番目の理由であります。第五番目の理由としては、前に申し上げたようなぐあいに、水路部航空図誌を編纂発行しておりました関係上、それをつくるところの技術設備を持つておる。それから第六番目には、今申したように各国水路部航空図誌を発刊しておる。その関係から、国際水路局に加入しておる国々の間では、航空図誌の交換あるいは技術の向上をはかる、こういうことであります。第七番目には、実はこの問題の起りますときに、航空庁の方と十分な打合せをやりまして、航空庁の了解のもとにこの案を立てたのであります。なお最後につけ加えておきたいと思うことは、航空に関することは何でも航空庁でやつたらよいではないかというお考えもまことにけつこうでありますが、やはりもち屋はもちでありまして、例の航空気象中央気象台でやり、航空図誌に関することは水路部でやる。これが最も適切ではないかと考えております。
  5. 岡田五郎

    岡田(五)委員 私は何も航空関係は全部航空保安庁でやれとまでは言わない、ただ質問申し上げただけであります。私の言わんとせざることまで言われたようでありますが、この点はともかくとして、御質問申し上げますが、この航空図誌、その他航空関係のかような資料収集後における海上保安庁航空保安庁長官、その方の連絡関係はどういうようになつておりますか、御説明願いたい。
  6. 須田皖次

    須田政府委員 ただいまの御質問に対しまして、私のお答えが非常に御迷惑をかけて相済まぬことと思います。お託びいたします。実は資料収集ということにつきましては、海上保安庁水路部航空庁のその当局者との間で綿密に連絡をとつて航空保安に障害が起るようなことは絶対にやりたくない。事実やらなくて、十分国内航空の安全を期することはできると存じます。
  7. 岡田五郎

    岡田(五)委員 次にお尋ね申し上げたいことは第四條の二でございます。第四條の二には「都道府県知事は、漁業法に基く定置漁業権又は運輸省令で定める共同漁業権の免許をしたときは、左の事項を海上保安庁長官に通報しなければならない。」ということが出ておるのでありますが、手元に配布せられました漁業法あるいは運輸省令を拜見いたしますると、運輸省令共同漁業権を免許する場合はなさそうに思うのでありまして、むしろ都道府県知事は、漁業法に基いて定置漁業権または共同漁業権を免許するように思うのであります。この法文を拜見いたしますると、運輸省令に基いて都道府県知事定置漁業権を免許する場合があるかのごとく、誤解されるような文句の書き方になつておりますので、この点明快に御答弁願いたいと思います。
  8. 須田皖次

    須田政府委員 ただいまの御質問はまことに御説の通りでありまして、われわれの方で立てました案には、字句の適当でなかつたものがあるかもしれませんが、実際運輸省令で規定すると申しますのは、共同漁業権指定にはあるきまつた範囲があるのでございます。その中から幾つかを拾い上げまして、これとこれとこれは免許する、こういうことにしようというのであつて、決して運輸大臣がそういうものを許可するとか免許するということはございません、字句はいろいろ修正されましてけつこうでございます。
  9. 岡田五郎

    岡田(五)委員 政府では字句書き方が間違つておるということを自認されておるようでありますが、政府の方でお書きかえになるとすれば、どういうふうにわれわれにわかりやすくお書きかえになりますか、腹案がありましたならば、この席でお示し願えればけつこうであります。
  10. 須田皖次

    須田政府委員 これは「又は運輸省令で定める」を「運輸大臣指定する」とかえたら、よくわかるのではないかと思います。
  11. 坪内八郎

  12. 玉置信一

    玉置(信)委員 私はただいまの岡田委員の御質問に関連いたしまして、具体的な事実について政府当局にお伺いしたいのであります。ここに「近時接岸航行する船舶定置又は敷設漁具により事故を起す事が多いのでその航行の安全と漁具保全とを期するため、資料入手の手段を講ずる必要があります。」と書いてありますが、この安全と保全とを期するという面について、漁船漁具の問題をもう少し具体的に御説明をお願いいたしたいと思うのであります。
  13. 須田皖次

    須田政府委員 ただいまの御質問お答えいたします。実は近時小型船舶の往来が非常に多くなりました。従つてこれは浅いところを航行するのであります。そのために定置漁業に備えつけます設備や、いわゆる共同漁業に属するところの設備、そういうものがよくぶつかるのでございます。そのために船の方はプロペラをとられる、漁業者の方では網をとられるというわけで、両方とも非常に損害を受け、いろいろ係争問題が起きるのであります。事実いろいろ調べてみますと、私どもの方へ届出があつたものが、一年間に約十五回ございます。これは届出があつたものでありまして、しかも汽船がやつたものでありますが、これに機帆船まで入れると、相当数に上ると思います。それでそういうものを免許した場合に、海上保安庁の方へ通報していただきまして、われわれの方で漁網図というものをつくりまして、そうして一般にそういうものの災害をできるだけ軽減したい。これは実は水産庁ともよく話し合つて両方とも便利だというようなことになつて、実はここまで案を立てた次第であります。
  14. 玉置信一

    玉置(信)委員 そうしますと、これは岡田委員の申されたことですが、危險を防止する主体は、漁業権に関しては、水産庁が各都道府県に漁区の指定、あるいは定置漁業区画漁業共同漁業あたりは許可しておるのでありますから、そうした府県と水産庁との連絡おいて、これこれのところには定置なりあるいは区画なり漁業権がある。この水路は注意してもらいたいというようなことにさせるのではないですか。その点もう少しはつきりお話し願いたい。
  15. 須田皖次

    須田政府委員 ただいまの御質問ごもつともでございますけれども、実は定置漁業権に関するものと共同漁業権に関するものは、その設定の場所、時期、それから水路の長さというようなもの、すべて都道府県知事が許可することになつております。それが一番よくわかるのであります。それで実は都道府県知事に御依頼いたしまして、非常に危險なものがあれば、できるだけ早くラジオでも何でもを通じまして知らせる、こういう形にしてみたい、こう考えております。
  16. 玉置信一

    玉置(信)委員 それから図誌ですが、図誌だけでは完全を期し得ないと思いますが、何か標識のようなものでも水路設置でもするようなお考えがあるかどうか。
  17. 須田皖次

    須田政府委員 実はこれは漁業者自体のお考えで、定置漁業でありますれば、その先端あたりにごく簡単な明りをつけたのでありますが、これは非常に弱いもので、少し遠くになると見えない、そういう程度のものであります。そこにそういう方面の燈台に類似した明りをつけるとかどうとかいう問題になりますと、われわれの方の管轄でなしに、海上保安庁燈台部の方の仕事になつて来はしないかと考えます。
  18. 玉置信一

    玉置(信)委員 私は漁業関係被害につきましては、実は前から水産委員をしておりましたので、よくこの問題を論議いたして参つており、相当詳しく存じておるつもりであります。そこでこうした被害をこうむることは、そうした水路の明確ならざる点と、一つは不可抗力によるところの颱風その他吹雪等によつて航行目樺を失つてあやまちを起すというようなこともずいぶん多いわけです。そうしたための被害も、統計によりますと相当多いはずでございますが、最近底びき、トロール漁船に対しては、無電設置を強制してやらしておるわけであります。そこでこれだけの法律をつくつて安全を期するとするならば、もう一歩飛躍いたしまして、汽船風速を測定するものが最近できておるというようなことも聞いておりますので、無電に並んで風速を測定するものを冬漁船につけさせるようなことにすれば、完全に目的を果し得るのではないかと思うのですが、こうしたものに対するお考えはございませんか、これをお聞きしたいと思います。
  19. 須田皖次

    須田政府委員 ただいまたいへん広汎にわたりまして、また深い御研究の結果をお話くださいまして、ありがとうございました。実は今のような方法でもつて漁網の損失を防ぐ、あるいは漁船の衝突を防ぐということは、非常に大事なことであります。実はその方の問題は、私の方の実際の管轄の問題には触れていないと思うのでございます。確かにそれは非常に大事なものだと思つております。ぜひそういうことを水産庁の方から指定していただけば、漁業上得るところが非常に多いと思つております。
  20. 玉置信一

    玉置(信)委員 所管の違うことは、私も承知の上でお伺いしております。先ほど来の御答弁の中にも、関連性のある各機関連絡をとつておやりになつておるということでありますが、目的貫徹をするために、ただ所管が違うからといつてそれを等閑に付して、こつちはこつちだというようなやり方では、私は万全を期し得ないと思います。これは申し上げるまでもなく、そこまで政府当局において横の連絡をとつてやるべきではないかと思うのですが、そうした御連絡をとる御意思があるかどうかを重ねてお伺いします。
  21. 須田皖次

    須田政府委員 実は水産庁と私の方との関係で、最も密接なものは海の調査の問題で、これは両方ともやつておりますので、その方の関係では月一回ないし二回連絡の会を開いております。そういう席上におきまして、ぜひただいまの御質問のような要望があつたということをお伝えしまして、われわれとしても実現し得るように努力してみたいと思います。
  22. 片岡伊三郎

    片岡委員 この法案にあります航空図誌を、水路図誌関係が深いから、従前通りやるという御説明でありますが、空と陸との関係、それから空の道、言いかえれば空飛ぶ鳥の道が空にある。魚が海を泳ぐのに魚の泳ぐ道がある、こういうことがいわれておる。そういう陸と空、空と海という関係から、従来通り水路図誌と同様に航空図誌をやる、こういうようなことでありますが、こういう深い関係に対する科学的調査の上で、研究が遂げられておるのかどうか、これをお伺いいたしたい。
  23. 須田皖次

    須田政府委員 ただいまの御質問お答えいたします。実は今非常におもしろい例を引かれまして、空を飛ぶ鳥、水の中を泳ぐ魚、これは全然別ではないかと言われる、これはごもつともなお話であります。しかし実は飛行機におきましても、少し大規模なものになると海上を飛翔いたします。それから海岸におきましても、現在そうまでうまくできておらなかつたので、ここは海岸だと思つておりてみると、海岸でなしに海であつたということが、往々にして起つておるのであります。そういうような関係からと、もう一つは救難の場合ですが、飛行機が海の上に落ちたという場合に、海のことはよくわかつおつても、いろいろ水路やなんかを観察しませんと、適当な救出の方法がつかぬ。つまりそれを救難する場合に、その道がどこにあるかということを急速に知ることが不可能だ。そんなようなことで、実はアメリカ、フランス、英国あたりでも全部そうでありますが、そういう問題があるものですから、航空図誌水路部で発行して一般業者にわけております。前からやつてつたからというのは、一種の脱線的な言葉でありますが、必ずしもそれには十分根拠があるということではございません。
  24. 片岡伊三郎

    片岡委員 私の質問はそういう意味ではないのです。科学的に空と陸、空と水との関係がどういうふうになつておるか、そういうことの上に立脚して航空路の図を作所するのか。こういうことをお伺いしたのです。
  25. 須田皖次

    須田政府委員 科学的に両方の間にどういう関係があるかという御質問でございますが、これには非常に密接な関係がございます。大体海の表面のいろいろな現象というものは、気象を無視して起つていない。逆に海の状況は空の方にも影響して参ります。たとえば南洋の夕立雲、大きなスコール雲が出る、あるいは東北の冷害の問題が起つて来るのがその例であります。そういうふうに離すことのできない物理的、科学的な関係がございます。飛行機海上を飛ぶ場合、陸上を飛ぶ場合におきましても、海というものを無視しての飛行は非常にむずかしく、海流の変化、気象とか、いろいろなものに関係を持ちます、それで科学的に非常に密接な関係があると思います。
  26. 片岡伊三郎

    片岡委員 これは非常に重大な問題であつて、将来じやない。もう現実に今後の漁業が空に大きな期待を持たなければならぬ今日におきまして、航空図誌を作成する上において、最も安全なる航空路を選定しなければならぬと考えます。ともすれば機械の発展、発達、また航空施設の進歩によりまして、危險率は非常に少くなつておりますものの、これから利用度が非常に多くなるので、将来航空路設定に対しては、相当の関心を拂わなければならぬ重大な問題であります。この航空図誌の作成は最も合理的、科学的に研究されて、制定しなければならぬと私は思うのであります。それでこういう質問をしたのであります。事は非常に専門的にわたりますので、どうぞそういう意味において十分なる研究を遂げられんことを私は希望する次第であります。
  27. 坪内八郎

    坪内委員長代理 他に御質疑はありませんか。——御質疑がなければこの程度にいたしまして、次に移ります。     —————————————
  28. 坪内八郎

    坪内委員長代理 昭和二十六年度運輸省関係予算につきまして、前会に引続き質疑を行います。質疑通告があります。これを許します。岡田五郎君。
  29. 岡田五郎

    岡田(五)委員 予算関係につきまして一言お尋ね申し上げたいのであります。過般来委員会運輸省その他国鉄予算について、御説明をいただいたのでありますが、国鉄関係予算について一言承りたいと思います。過般の運輸委員会において、輸送力整備のために車両費にして百三十五億円を一応組んである、こういう御説明がありました。しかも天坊支配人の御説明によりますと、貨車約四千両を新製する見込みである、かように仰せられたのでありますが、百三十五億全部を新車にお向けになる予定であるのか、あるいはそのうち車両改造のようなものも含まれるのであるか、あるいはまた修繕もこの車両費の中に入るのであるか。要するに修繕改造新車の面について、多少の資料でもお持ちでございましたら、この席で御説明願いたいと思います。
  30. 足羽則之

    足羽政府委員 国鉄からちようど支配人が見えておりますので、その方から御説明申し上げます。
  31. 天坊裕彦

    天坊説明員 先ごろ申し上げました百三十五億の車両費の中には、改造の分も入つております。一部分修繕に類するようなものも含まれております。
  32. 岡田五郎

    岡田(五)委員 今の御説明は非常に抽象的でありまするが、もしわかつておりまするならば、概算でもけつこうでありますから、お教えを願いたい、かように考えるのであります。と申しまするのは、この次にお尋ね申し上げたいと思います二十六年度の鉄道輸送力整備の面について相当関連性が深いので、その点についてなお概算でもけつこうでございますから、相当数とか少しとかという抽象的な御説明でなく、具体的な概算数をお聞かせ願いたいと思います。
  33. 天坊裕彦

    天坊説明員 申し上げ方が非常に抽象的で、おしかりを受けたわけでありますが、実はただいまのところいただきました予算をもとにいたしまして、計画検討中であります。新造の分をふやしたい、あるいは改造でまかないたい、なるべくその間において、與えられた予算でできるだけ効果を大きく発揮させたいということを考えまして、やり繰りを検討中でございますので、家はその詳細を申し上げられなかつたのであります。もう暫く時間をお貸し願えますれば、だんだん固まつた数字も申し上げられるのではないかと思うわけであります。大体両数におきまして半分程度のもは、新製でこしら、えたいと考えます。今のところはこの程度で御了承願いたいと思います。
  34. 岡田五郎

    岡田(五)委員 今のお話の大体半分程度ということの中には、昨日おつしやいました貨車の四千両が入り、またその他客車、電車の整備も入つておるものと考えてよろしゆうございますか。この点再確認申し上げます。
  35. 天坊裕彦

    天坊説明員 非常に言い方がデリケートになつて参つたのでございますが、百三十五億という修理費の全部のわくは、せんだつても申し上げましたように、機関車なりあるいは客車なりというものも、貨車と一緒に含まつておるわけでありまして、機関車にしても客車にしても、これは外へある程度注文をいたすわけであります。さらに貨車はできるだけたくさんこしらえたいという考え方で、百三十五億のうちで貨車に充てられる分の、先ほど申し上げました四千両のうちの半分近いものを外へ注文して、新製車としてこしらえたいという意味であります。その車両わく数字と金額のわく数字は、先ほど申し上げたように今検討中でありまして、御了承願いたいと思います。
  36. 岡田五郎

    岡田(五)委員 これは総裁にお尋ねした方でいいかと思いますので、お尋ねいたしますが、変にあげ足をとるとお受取りにならぬように、御了承願いたいと思います。昨日の石井政府委員説明では、来年度の貨物輸送トン数は一億二千四百万トン、その後の情勢を見て多少ふえるかもしれぬという、抽象的な御説明でございます。その後におきまして天坊支配人は、大体今どきの見通しでは一億二千六百万トンから八百万トン、こういうお話がありまして、その間二百万トンないし四百万トンの相違がある。また観察によりましては一億四千万トンを越すのではないかという推測も、一部では行われておるようでありまするが、ともかくも少くとも一億二千六百万トン以上であることは確かなようでございますが、総裁はどの程度考えておられるか。この点も次の質問にも関係がありますので、念のために御答弁を願いたいと思います。
  37. 加賀山之雄

    加賀山説明員 予想でございますので、むずかしいのでございますが、予算面では一億三千四百万トン程度を予想しておつたわけでありますが、特に一月、二月の荷動き並びに生産状況からいたしまして、この状態が続くならば、さらに二百万トン程度はどうしても輸送の需要が起るのではないかということで、私どもといたしましては現在のところ一億三千六百万トン見当はぜひとも運ばなければならないものであるというふうに考えております。
  38. 坪内八郎

  39. 滿尾君亮

    滿尾委員 運輸省予算についてお尋ねいたしたいのでありますが、自動車局予算を拜見いたしますと、石油割当に関する経費が今年度は相当大幅に削減されておる。約四分の一ぐらい減つておるのでありますが、これはどういうわけで削減になつたかということ、それから地方の陸運局関係道路運送審議会費用が約二分の一くらい減つておるのでありますが、この事情についてお尋ねいたします。
  40. 國安誠一

    國安政府委員 第一の自動車局関係石油製品類割当事務に関する予算減少理由でありますが、これは先般もちよつと申し上げましたが、油関係以外の物資の配給統制事務が来年度は大分落ちておりますので、その関係伴つた費用が全部落ちたわけであります。たとえば鋼材関係、それから、塗料、ベルト、麻の帆布、綿の帆布その他いろいろありますが、そういうものの割当事務が非常に落ちておりますので、それに伴つた費用は全部落ちたわけであります。それから道路運送審議会関係でありますが、これはいろいろ実績その他のかみ合せもございまして、その関係から委員の手当、旅費が若干落ちておりますが、この詳細は自動車局長から御説明願つた方がよかろうかと思います。
  41. 滿尾君亮

    滿尾委員 道路運送審議会のことにつきましては、私たびたびこの委員会におきまして、現在の委員に対する給與あるいは旅費等の支給がはなはだ不当である、これは絶対に増額しなければいけないということを申し上げておるのであります。しかるに今伺つておると、実績その他では金が余つたらしいというようなお答えでありますが、この実情につきまして詳細なる資料をいただいて、次の機会に自動車局長出席を求め御説明を伺いたい。この点に関する質問を保留して、本日の私の質問を終ります。
  42. 坪内八郎

  43. 黒澤富次郎

    黒澤委員 二十六年度の損益計算書予定書を見ますと、鉄道関係船舶関係自動車関係と出ておりますが、これは二十五年度の実績を土台としてこの予定書を出したのか、それをお聞きしたいと思います。
  44. 足羽則之

    足羽政府委員 お手元に差上げてあります参考資料の中の第三表、二十六年度損益計算書説明についての御質問と思いますが、これは二十五年度の実績を基礎にして計算したわけであります。
  45. 黒澤富次郎

    黒澤委員 二十五年度の実績ということでございますが、鉄道船舶自動車おのおの経費、あるいは収入がプラスあり、マイナスありのようでありますが、そのほかに関連経費関係がありますが、二十五年度の関連経費はどんなものがございますか。
  46. 足羽則之

    足羽政府委員 二十五年度につきましては、表がお手元に差上げてあるはずでございますから、それをごらんいただきたいと思います。
  47. 黒澤富次郎

    黒澤委員 鉄道船舶自動車というようなものの収入、あるいは経費の方ですが、もしすぐわからぬようでしたら、いろいろ鉄道関係船舶関係自動車関係でマイナスあり、プラスありで、非常にでこぼこがあると思いますが、大体の関係について、あとで資料をいただいてもけつこうです。
  48. 足羽則之

    足羽政府委員 関連経費の内容を御説明申しますと、管理費といたしまして、約六十五億三千六百万円余、厚生保健費、教習所費、技術研究所費、減価償却費、特別補充取替費、利子及債務取扱諸費、予備費、大体それらの項目を合せまして、三百四十一億三千九百万円余でございますが、以上を合せて関連費の中に入つております。
  49. 黒澤富次郎

    黒澤委員 わかりました。     —————————————
  50. 坪内八郎

    坪内委員長代理 次に、鉄道輸送力整備計画に関する件を議題とし、前会に引続いて質疑を許します。岡田五郎君。
  51. 岡田五郎

    岡田(五)委員 過般来の委員会から、鉄血輸送力整備につきましていろいろ質疑を重ねておりまして、私の意見のほども十分開陳いたしたのでありますが、本日加賀山総裁の御出席の機会に、結論的に御質問申し上げたいと思うのであります。  過般来の政府委員なり、また国鉄支配人その他の方々の御説明によりますと、大体来年度貨車四千両を整備して、しかも現在貨車の運用効率二八%でございますが、この程度をずつと持続して行けば、大体一億三千六百万トン近くは輸送し得るであろうというお話でございましたが、現に百六十万トン以上の滞貨を持つておりまして、この滞貨一掃のために百三十五億のうちの半分、すなわち貨車四千両を整備し、年間約二千両の廃車をし、しかも貨車効率二七%なり二八%を持続して、今後上向いているところの日本経済の復興に伴う国鉄の貨物事情の激増に対応できるかどうか。この点についての総裁の自信のほど、また確信のほどをお聞かせ願いたいと思うのであります。
  52. 加賀山之雄

    加賀山説明員 一億三千六百万トン程度のものは、今岡田さんの言われましたようなやり方でこなせるという確信は持つておりますが、なお情勢いかんによりましては、先ほども質問にありましたように、あるいは一億四千万トンといつたような輸送需要を負わされなければならぬということも、考えなければならないと思うのであります。これは一に生産事情、経済事情並びに船舶等による運送事情というものも関連して参りますので、單に国鉄の中だけで考えるわけには参りませんために、非常にそこに輸送の困難なところがございますが、そういう場合の起きないということは保しがたいし、またわれわれといたしましては、そういうふうに生産が増強されて、貨物輸送がさらにふえるということは望ましいことと考えておりますので、その場合にどうするかということは、当然考えておかなければならないわけであります。しかしながらそうかと申しまして、貨車ばかりをつくつていていいかということにも相なるのでありますが、われわれといたしましては、何とかして貨車の新造並びに現在のままでは使えない貨車改造という点に重点を置きまして、特にこれに予算を注ぎ込んで参りたい。しかしながらこれだけやつていればいいかというと、そうも参りませんで、たとえば電化のごときも昨年あたりからずつと中止の運命になつていたのでありますが、事情が許せばまたこれに着手いたしたい。あるいは発電工事もいよいよ二十六年度において整備いたさなければならぬ。その他通信のケーブルの施設にしても、変電用の施設にしても、さらに駅舎の新築、改築、あるいは都市計画に伴う移転といつたような各種の問題が出て参りまして、遺憾ながら貨車新造にばかり、この予算を振り向けることができないような状態にあるわけであります。もちろんその中でさらに自立経済の建前から、新しい路線の建設ということを国策として取上げるならば、これもまた国鉄としてはこれに向つて進まねばならぬという状態に置かれている。ところが一方資材の値上りは御承知のように、これはたびたび政府委員なり、国鉄の者から申し上げているのですが、最近の実情から申しまして非常な勢いを示しておりまして、この点からいたしまして来年度の工事費の運用ということにつきましては悩み抜いておるのでありまして、ただいまどうしたらいいかということの具体策、実施策について鋭意検討中なのでございます。そこで私どもとしてさらにこの値上りを理由として、予算がほしいという問題が出て来ることは、今から予想し得ることでありますけれども、今ここに突如としてわれわれが御審議を願つている予算にすぐ補正というようなことは、われわれとして今すぐに申し上げることはできかねる。従いましてわれわれといたしましては、今御審議を願つている予算の中で、どうしたら一番二十六年度の当初の目的に合うかという見地のもとに、先ほど申しました検討をいたしているという状態であります。その中で先ほど申しましたように、できるだけ貨車の新造、改造——改造と申しましても、これは使いにくい古びた貨車でございますので、直せばほとんど新しい貨車をつくるのと同じ費用がかかるわけであります。なお新しい車をつくり、改造ができれば廃車をどんどんいたして、古い車を整理いたして参ります。しかしながらそれが不可能であるということであつて、何とか多少病人のような車でも貨車として使えるならば、廃車の数を減らして、一車でも多く運ぶようにしたい。車両不足のために重大事故を起すようなことになつては何にもならぬのでありますが、しかし何とか足腰の立つ貨車であれば、無理にこの際廃車をしない。あるいは戦時中われわれが行つたのでございますが、いわゆる増積み、十五トンの貨車に十七トン積むというような緊急方策でありますが、これも運転士、あるいは貨車の壽命などを考えた場合には、いつでもやつていいかというと、そういうことではないのであります。めつたにやつてはならないことでありますが、しかしそういつた万やむを得ないときには、こういう非常の方策も考えておかなければならない。なお貨車の運用効率にしても、ただいまようやく二十七、八パーセントという段階に参りまして、これは貨物の足が伸びておりますので、元の率で換算をいたしておりますと、三十二、三パーセントという運用効率に相なるかと思います。その後実は労働基準法の関係等によりまして、夜間の作業が制約されるというようなことから、自然に貨車の運用効率が減つて来ておりまして、これは御承知だと思いますが、最も能率を上げた当時におきましては、三八%程度実績を持つてつた。それが今、そのときの数字に換算しますと三十二・三パーセントにまでなつております。それにさらに労働基準法との関係考えましても三十五・六パーセントに相なりましようか。従つて貨車の運用効率はほぼ最盛時に近づいたのでありますが、まだそこに努力とくふうとによつて、一%でも二%でも運用効率を上げるということは、全然不可能とは言い切れないのでありまして、ここらにまだわれわれのなすべき仕事が残つておる。従つて二八%の効率を、さらに私どもが目標としておる三〇%程度までは、何とかひとつ画策を立ててやるというように、努力目標をそこに置いておる次第であります。これらの施策をあわせて行いますと、先ほど申し上げました一億三千六百万トンという数字に対して多少の弾力性を持つ。なるほど最盛期には、一時的に貨物を滞貨させるというようなことが、全然起きないということは申し上げ切らないのでありますが、かつて終戦後三百万トン以上に滞貨が上つた事態が起きたのでありますが、ああいうような事態にはならないで、とにかく多少のずれはあつても、最盛時の山をそれ以外の時期でくずして行くというような方法によつて、一年間の総輸送量をさらに上げるということがなし得ることである、かように考えております。しかしながら根本的に申せば、何としてもやはり鉄道の貨物輸送でございますならば、貨車の数ということが一番重要な要素になるもので、これはもうだれが考えても、常識的にも当然のことであります。従つて貨車の保有量をふやすということに向かつて、われわれ最善の努力をいたしたい、かように考えている次第であります。
  53. 岡田五郎

    岡田(五)委員 私の言わんとするところは、前二回におきまして言い盡しておるのでありますが、加賀山総裁も、一応補正予算といいまするか、追加予算の情勢もあるいは近きにありといいますか、やむを得ない事態が出て来るであろうということも予想しておられるようであります。ただ私は多少ふに落ちない点、言葉は悪いのでありますが、気に食わない点は、いつも終戦後の滞貨三百万トンを持つたこともあるというようなことを、例にあげられること自体であります。私は過般来この百六十万トンの滞貨の、日本の経済復興上、また民生安定上及ぼしておる悪影響の重大性についての認識について、私たちの考え方と国鉄総裁考え方と、多少違つているかのように感ずるのであります。この二百万トンなり三百万トンの滞貨は異常の異でありまして、かようなことを前例にすること自体が、私はおかしいと思うのであります。従つて私は、この百六十万トンの滞貨をいかにして一日も早く解消するかということが、国鉄に與えられたる大きな使命ではないか、かように考えるのであります。もちろん貨車ばかりふやしても鉄道輸送力はふえないということは、私は不肖でございますが存じ上げておるのであります。また本年度組まれました予算も、国鉄の必要最小限度の仕事量をといいまするか、工事量を組まれたということもよく存じておるのであります。また現在の日本政府は、とにかく二十六年度の生産は二十五年度よりもどんどん上げて行こう、要するに日本の自立経済を一日も早く確立して行こうということで、あらゆる施策を講じておられるのでありまして、おそらく私は二十六年度の生産指数は、二十五年度に対しまして一割以上は必ずや上昇し、することを期待いたしておるのであります。かような今後の見通し、かような今後の施策の実行から勘案いたしますると、私はおそらく二十六年度の貨物輸送量といいまするか、輸送要請量は、必ずや相当の量に達すると思うのであります。これに応ずるためには、要するに貨車運用効率を上げる施設の増備、整備が非常に急を要するものではないか、かように考えるのであります。ことに鉄道事業のごときことは、作文で、作文が実行できなかつたからやむを得なということでは済まし得ない、重大な経済機関であると私は考えるのでありまして、必ずやかような見通しのある経済情勢に対応した輸送の実力を整備することこそ、私は重大な経済機関としての国鉄の使命であると考えるのであります。もちろん国鉄は独立採算制で、いろいろわくもあると考えるのでありますが、現在起つておる鉄道輸送隘路というのは、朝鮮動乱後に起りました、われわれの予測しなかつた客観的情勢によつて引起つた事態でありますので、これに応ずるがために、過般も申し上げたのでありますが、一時国鉄の資金のわくというものを一応はずしてみてできるだけ一時的に外部資金を利用いたしまして、一時的に鉄道輸送力を完備いたしまして輸送に応ずることこそ、私は国家機関としての、また独占事業としての、陸上の大部分の輸送を掌握している国鉄の使命であると考えるのであります。かような意味もちまして、本日国鉄総裁出席していただきました意図は、国鉄総裁において、はたして現在の事態を異常の異の状態であると御認識になつておるかどうか。またこの異常の異に処してなすべき仕事はし、足らざるところはさらに外部資金によつてまかなつて行こう、貨車輸送力を整備して行こうという確固たる、かたい意図というか、決意のほどが腹中にありやいなや、その方法はあるいは追加予算方法もありましよう。あるいは補正予算方法、いろいろ行政的な手続は経なくてはならぬと思いますが、その決意があるかどうかということを承りたいのであります。ことに先ほど四千両貨車をこしらえるというようなことをおつしやいましたが、またこの前に国鉄予算の物価ベースは七月か八月かという説もあつたり、十月だか十一月だか、私自身はよくわからないのでありますが、おそらく私は、本国会に出されておる国鉄予算の物価ベースは、八月か九月ごろのベースではないかと思うのであります。しかるに最近の物価ベースをもつていたしまするならば、おそらく四千両の貨車はおろか、千両の貨車もできるかできないかという状態ではないかと、私自身は懸念をいたしておるのであります。もし四千両の貨車が千両の貨車で終つたならば、私は駅頭滞貨は——一億四千万トンも出ましたならば、数百万トンの滞貨が駅頭に残される事態の発生することを、非常に懸念いたしておるのであります。かような私個人の推測ではございまするが、この辺の総裁の御決意のほどをお聞かせ願えれば、非常にけつこうだと存ずるのであります。
  54. 加賀山之雄

    加賀山説明員 まことにごもつともしごくで、また国鉄の仕事ぶりについての御注意もありがたく頂戴いたしますが、ただその中で、いかにもわれわれが任意に借金ができるのに、借金もしないで、貨車もつくらないのだというふうにおとりになつているように見える節がございまして、この点は私どもといたしましては、ぜひとも釈明申し上げなければならぬと考えます。なるほど国有鉄道法には、鉄道債券を発行できるという規定がございますが、これはまだ実際において政令が出ておりませんし、生きておらない。従つて国鉄予算上必要となつて参ります資金といたしまして、政府の認めてくれる範囲——これはその財源としてどこからということになりますが、それ以外には、われわれとしてかつてに借入れることはできない。これはいまさら私から岡田さんに申し上げるまでもないところでありますが、先ほど言われましたただいま御審議をいただいておる予算は、確かにドツジ氏が来朝するので、早く予算を編成しておく必要がありましたために、八月ごろの価格をベースといたしております。従つてその後の十月、十二月までの値上りも見ておらない。いわんや二十六年度中にさらにこれが上ることが予想されますが、これも見込んであります。従つて新しい価格をベースとして換算をして参らなければならぬ。その場合に、たとえば四千両の貨車分を見込んでおつて、これが千両の費用にもならぬであろうというふうに言われましたが、私どもとしてはそんなふうには考えておりません。鋼材の値上りにいたしましても、木材にいたしましても、今のところ予想されておりますのは、そんなにはなつておりませんし、従つて半分以下に落ちる、いわんや四分の一になつてしまうというふうには、われわれは考えておりません。先ほど天坊支配人から申し上げましたように、四千両ということであるならば、その半分を新製し、あるいは改造——われわれの方では更新修繕といつておりますが、新しいものと全然同じように大修繕をやる、こういうのを合せて四千両ということで、いわゆる新車相当するものをできるだけ多く保有して参りたい。その面の予算に手をつけないように、少くとも値上りによる両数の減少はいたし方がないとしても、その費用をほかへ持つて行くことは、大いに考えものであるというふうに考えておるのであります。そのほかの施策といたしましては、先ほども申しましたように、いよいよということであるならば、新しい財源をお願いいたしまして——これは当然財産ともなり、また国鉄収入をふやすもとともなりますから、借金ができるならば、借金をしてもさしつかえない性質のものであると考えるし、さらにこれは政府にも相談に乗つていただいて、これがさらに国会でお許しが願えるならば、そういうことも考えておかなければならぬと考えておりますが、ただ今それをこの席からすぐこうするのだということを申し上げることは、多少不謹愼にもなるように私は考えます。従つて国鉄といたしましては、今言われました予算わくの中で、極力貨車に、たとえば客車を削つて貨車を削らないという方策をとる、貨車に重点を置くという方策と、その貨車をできるだけ——ただ新しくつくることももちろん必要だが、古い貨車の整理をいたします場合も、一両々々気をつけて、まだ多少でも足腰が立つ車であるならば、これをさらに一年使うというような方策、あるいは運用効率をさらに高めるというような仕事、それから貨車の運用効率を高めるには、やはり有効長を延伸いたしますとか、操車場の施設を改良いたしますとか、貨車の運用効率を高め、輸送力をふやすための施設に金をつぎ込む、これはまた一面において貨車を新しくつくる場合と同じような効果をなすものでありますから、そういつた各種の施策をとる。さらにこれでもということならば、非常手段としては増積みといつたような極端な方策も考えておる。かような建前で、決して貨物輸送について楽観をしたり、これを甘く見たりしているつもりはないのであります。ただ百六十万トンと言われましたが、鉄道輸送の滞貨というものは、普通の滞貨とは違うのでありまして、ここにどうしても三日分、四日分程度輸送の種は、いつでもあるはずなのであります。これがなければ駅頭が全部からになつてしまう。在貨ゼロというようなことは今までなかつたし、さらにこれが一日分、二日分の在貨では、私ども輸送しておる場合に心配でならない。これがはたして続くかどうか、昨年の上半期には一時四十万トン台にまで在貨が落ちてしまつて、私どもは、そのときほど鉄道貨物輸送について、ことに日本の生産事情について、心配した時期はなかつた。そのときは貨車を何両も封鎖いたしまして使わない、たな上げにして、心細い輸送をしておつた。なるほど三百万トンというのは異例であると同時に変態でありまして、こういうような事態は避けなければならない。ただいまの私どもの見通しとしては、今申しましたような施策をあわせてやつて行きますならば、そういつた事態を招かないで行けるという考え方をいたしておりますかように御説明申し上げる次第であります。
  55. 岡田五郎

    岡田(五)委員 どうも総裁のお言葉のあげ足をとるようになつて、まことに申訳ないのでありますが、今最後におつしやいました大体二日分なり三日分の駅頭滞貨を持つていないと、国鉄貨車の運用上非常に心配だ——言葉が違うかもしれませんが、この観念は、私たちも鉄道関係があつて、長い間持つて来たのでありますが、この考え方がはたしていいかどうかということを、少くとも国鉄が公共企業体になり、輸送のサービス機関となられた以上は、一ぺん反省してみる必要があるのではないか、かように考えるのであります。なるほど荷物がちやんと待つておるということほど、商売がしやすいことはございませんが、私は輸送機関の本来の使命から申し上げますると、むしろ輸送力に余裕を持つことこそ、輸送機関の使命ではないかと考えるのであります。これは理想論であります。あるいは考え方の相違があるかもしれませんが、私は少くとも国鉄総裁はかような気持を持つて、何箇年計画でもけつこうでございますが、理想的な輸送機関としての態勢を整えるように進んでいただくことを、私個人、意見の相違であるいはいれていただけないかもしれませんが、かような理想を持つて進んでいただかんことをくれぐれもお願い申し上げまして、私の質問を終ります。
  56. 山崎岩男

    ○山崎(岩)委員 過日本委員会におきまして、秋山運輸次官から輸送力の関係についての御説明がありました。それに対して岡田委員から御質問がございまして、私はそれに関連的に、青森県の滞貨の事情について御質問を申し上げたわけであります。その際に私は、駅頭において滞貨したりんごが約二百万箱程度の凍傷を起しまして、これが使い物にならぬ——二百万箱と申しますと、一箱五百円の価格に見積りまして、約十億円ということになるのでありまして、これは重大な問題である。そこでこれに対するところの御意向をお尋ね申し上げたのでありますが、当局に対して御質問申し上げるためには、相当調査資料が必要でありますので、それをただいま持参するように県庁と連絡をとりまして、実は本日上京することになつてつたのであります。本日着いているのであります。ところが私との連絡がつきかねまして、農林省の方に先にまわりましたために、ただいまの委員会にせつかく加賀山総裁が御出席遊ばされているのに、私がその総裁に向つて質問申し上げる機会を失いましたことは、まことに残念でありますが、私はもう一度輸送力の関係についてのこの委員会を開いていただきまして、そうしてその際に青森県における状況について詳細に御質問を申し上げて、当局の御意向をお尋ね申し上げたいと考えます。たいへん残念でありますけれども、本日はどうか留保のほどをお願い申し上げたい。これは委員長に特にお願い申し上げます。
  57. 坪内八郎

    坪内委員長代理 山崎岩男君にお答えいたします。さようとりはからいます。  他に御質問はありませんか。——それでは本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後三時二分散会