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1950-12-06 第9回国会 参議院 文部委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十五年十二月六日(水曜日) 午後四時四十六分開会
—————————————
委員
の異動 十二月一日
委員平岡市三
君辞任につ き、その補欠として
山本米治
君を議長 において指名した。
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
国立学校設置法等
の一部を改正する
法律案
(
衆議院送付
)
—————————————
堀越儀郎
1
○
委員長
(
堀越儀郎
君) それでは
文部委員会
をこれから開催いたします。 本会に
提案
になりました
国立学校設置法等
の一部を改正する
法律案
、本日
提案理由
を承わることにいたしまするが、これは
議員立法
でありまして、
衆議院
の
内藤友明
君がお見えに
なつ
ておりますが、
提案者
の一人として御
説明
を願うことにいたします。
内藤友明
2
○
衆議院議員
(
内藤友明
君)
只今議題
となりました
国立学校設置法等
の一部を改正する
法律案
につきまして、
提案
の
理由
を
説明
申上げたいと思います。 先ず皆様に御了承頂きたいと思いますことは、私
ども
がこの
法律案
を提出いたしましたゆえんのものは、現在、
運輸省直轄
の
商船学校
は富山、三重、山口、広島、愛媛の五県にありますので、この五県出身のものが、地元の熱心な要望によりまして、この
改正法律案
を作りまして、
関係方面
と交渉いたしておりました
関係
上、
提案者
と
なつ
た次第であります。 御承知の
通り
、新らしい憲法によりまして、
教育
の基本が確立いたしました。この精神に基きまして、六三三四制の新学制が布かれ、すでに実施されているのであります。
船員教育
につきましても、
昭和
二十一年八月、
運輸省
内に
船員教育委員会
が設けられました、
審議
せられました結果、従来の
高等商船学校
は
商船大学
に、
商船学校
は
商船高等学校
に、それぞれ転換することに
方針
がきまりました。これによりまして、去る四月に従来の
高等商船学校
が
商船大学
に切り換えられまして、
文部省
に移りました。併し
商船学校
は今なお
学校教育法
第九十八條のいわゆる「
従前
の
規定
による
学校
」として経営されているのであります。ところが、今年の夏、アメリカから第二次
教育使節団
が来朝されまして、いろいろ調査研究されました結果、九月二十二日、
マツカーサー元帥
に
報告書
が提出されておるのであります。それによりますと、「現在、
他省
によ
つて
実行されている
教育機構
は、すべからく、之を
文部省
に、移管すべきである」と言
つて
居ります。 この
法律案
は、この
趣旨
に基きまして、現在
運輸省
に直轄されております五つの
商船学校
を、
運輸省設置法
の
規定
から除き、新たに
学校教育法
第一條による
商船高等学校
として、これを
国立学校設置法
に
規定
いたしまして、
文部省
に所管替へいたすことにいたしたのであります。この
法律案
を作りますにつきまして、
運輸省
と
文部省
との御
意見
が完全に一致いたしておりまするのみならず、去る四日午後開かれました
運輸省
内の
船員教育審議会
小
委員会
におきましても、一、
学校教育法
による
商船高等学校
とすること。二、
修業年限本科
三年、
専攻科
一年以上、
実習課程
については、
専攻科終了
のとき甲二
程度
の
海技免状
を取得するための
受験資格
が得られるように措置すること、
国立
でなければならないという
方針
がきめられたのであります。かような
趣旨
によりましてこの
法律
を
作つたの
であります。併し
法律案
の内容に不備なところがあろうかと思いますので、
委員会
におかせられましては十分御
審議
下さいまして、恐縮でありますが、成るべく
早目
に御決定頂きまして、是非ともこの
臨時国会
中に何とか設立せしめたい念願であります。よろしくお願いしたいのでございます。
堀越儀郎
3
○
委員長
(
堀越儀郎
君) 本日は
提案理由
の
説明
を承わるだけにしたいと思いましたが、本
国会
の会期も切迫しておりまするので、幸い
只今運輸省
の
船員局長
と、
教育課長
並びに
文部省
の
初等中等教育局長
がおられまするので、皆さんから
疑義
のあるところは、御質問頂ければ結構だと思います。
荒木正三郎
4
○
荒木正三郎
君 私もこの問題については極めて知識が乏しいわけなんですけれ
ども
、今日
曽つて
の
商船学校
を
卒業
せられた
かた
が見えて、いろいろお話を聞いて疑念に思
つて
いる点がありますので、二、三お伺いしたい、かように思います。私は
商船学校
を
高等商船学校
に変える、それから又
運輸省所管
を
文部省所管
に変えるということについて
疑義
を持
つて
いるのではないのです。そうでなしに、この
高等商船学校
に変えられて、この
商船学校
を
卒業
した
人たち
がどういう
免許
が與えられるかという点でございます。今の
説明
の中には甲二の
免許状
が與えられるような
説明
でありましたが、この点
ちよ
つとあいまいでありましたので、きちつときま
つて
いるのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
渡邊俊道
5
○
説明員
(
渡邊俊道
君) この問題につきましては、小
委員会
において非常に論議されたのでありますが、
新制高等学校
の
学科課程
がまだはつきりと検討されていないのでありまして、又
高等学校
の本質から申上げましても、
免状
を與えることの
教育
ではないのでありまして、
従つて
この
教育
が甲二
程度
の
教育
ができるか、乙一
程度
の
教育
しかできないのか、そういう点では深く
審議
せられなかつたのであります。従いまして全体の
意見
としましては、
高等学校
の八十五単位を以て
卒業
とすれば甲二
程度
は到底得られない、併し
選択教科
を設けて勉強すれば甲二
程度
のものも得られるだろう、こういうふうな
意見
の交換があつた
程度
であります。ただ実
修課程
については、普通の
船員
は四年間船に乗
つて
おりますと、甲二を受ける
受験資格
が與えられるのであります。そういうような
関係
から、この
商船高等学校
を出た者も、何らかの形で実
修課程
を甲二
程度
の
受験資格
を與えるように処置しなければいけない、こういうふうな決定だけで、今後につきましては
審議会等
で論議せられることだと考えております。
荒木正三郎
6
○
荒木正三郎
君 この
商船学校
が
高等商船学校
に改められるということは差支えないと思うのですが、前の
商船学校
を
卒業
したものは、或いは多少の
実習
があつたかも知れませんが、それを経過すれば甲二の
免許状
が與えられる。ところが今度
高等商船学校
に変つた
学校
を
卒業
しても、果して甲二の
免許状
が與えられるかどうかということは全然わからないということになるわけですね。私もいろいろ
事情
を聞きますと、いわゆる甲二の
免許状
というものは
遠洋航海
に必要な
免許状
であると聞いているのです。今日この
免許状
がなければ殆んど船に実際乗れない、こういうような結果になる。そうすれば、前の
商船学校
のままであれば甲二の
免許状
がもらえる。併し今度
高等商船学校
になれば、それがもらえないということになると、それが
学校
に学んでいる生徒にと
つて
は重大なる影響のある問題であると私は思うのです。そういう点にやはりこの
学校
を
卒業
したものはどういう
資格
があるのか、やはり
学校
を切替える場合にはきちんときめる必要があるのじやないかと思うのですがね、この点どうなるのでしようか。
渡邊俊道
7
○
説明員
(
渡邊俊道
君) 現在
運輸省
で
教育
いたしておりますのは、
座学
三年の
実習
二年半でございまして、この
教育
は
従前
の
教育
である
関係
上
授業実数等
もつめた
教育
をいたし、なお
休暇等
も減らした
教育
をいたしているわけであります。今度の
新制高等学校
になりますというと、おのずから
教育
の行き
かた
が変りますので、いろいろ
選択教科式
なことも考えられます。全然行き
かた
が違いますので、この
新制高等学校
でどの
程度
の
教育
が実施できるかということは今後の研究に待たれることだろうと考えられます。なお
新制高等学校
の
卒業者
にどの
程度
の
海抜免許状
の
資格
を與えるかということについては、現在海上保安庁の
船舶職員法令文化専門委員会
におきまして、
審議
中でありまして、これは今度の
通常国会
までには決定せられる
予定
でおります
荒木正三郎
8
○
荒木正三郎
君 聞くところによりますと、来年の三月木を以てこの
商船学校
の問題が廃校になるとか、或いはそういうふうな運命にあるということを聞くわけですが、
従つて
急ぐことは急ぐと思いますが、
通常国会
で
審議
しても差支えないのじやないかという点も考えられるわけです。私が聞いているところでは、
運輸省
が先ほど御
説明
に
なつ
たように、
船員教育委員会
というものを設けられている。そこでこの問題の
審議
がされているということですが、まだ
総会
には諮られておらぬ。小
委員会
だけの
意見
としてはいろいろ
意見
あつたけれ
ども
、多数を以てこういうふうに
なつ
た、併し
総会
にはかけられていない、十二日には
総会
にかけられる
関係
であると、これは或いは
総会
にかけられてからでないと、いやかけられてからこの
法案
を提出せられても遅くはないのじやないかと思うのですが、私
ども
この
法案
に反対しているという意味じやないのです。そういう
事情
もあるから、これは当然三月までに解決しなければならん問題だと思いますけれ
ども
、
臨時国会
で早急にやらねばならん
事情
がよくわからないのですが、そういう点について御
説明
を願いたいと思います。
堀越儀郎
9
○
委員長
(
堀越儀郎
君)
速記
を止めて……。 〔
速記中止
〕
堀越儀郎
10
○
委員長
(
堀越儀郎
君)
速記
を始めて……。
若木勝藏
11
○
若木勝藏
君 議事の進行について……。今日はこの
程度
にして、
提案
の
理由
を聞いて打切つたらどうでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
堀越儀郎
12
○
委員長
(
堀越儀郎
君) それでは本日はこの
程度
で打切りまして、明日は
連合委員会
の
散会
後開会いたす
予定
でありますから……。
若木勝藏
13
○
若木勝藏
君 それでいいですよ。それで他に緊急の
提案
があるのです。この問題以外について……。
ちよ
つと
速記
を……。
堀越儀郎
14
○
委員長
(
堀越儀郎
君)
速記
を止めて……。 〔
速記中止
〕
堀越儀郎
15
○
委員長
(
堀越儀郎
君)
速記
を始めて……。 それでは本日はこれにて
散会
いたします。 午後五時十一分
散会
出席者
は左の
通り
。
委員長
堀越
儀郎
君 理事
若木
勝藏
君
木内キヤウ
君
委員
川村 松助君 木村 守江君
荒木正三郎
君 和田 博雄君 梅原
眞隆
君
山本
勇造君 矢嶋 三義君
衆議院議員
内藤
友明
君
政府委員
文部省初等中等
教育局長
辻田 力君
説明委員
運輸省船員局教
育課長
渡邊
俊道
君