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政府委員(安孫子藤吉君) 明快にはならないかと思いますけれども私どもの
考えている点を申上げまして、又御
批判を得たいと思います。結局麦の
価格を
幾らにきめるかという点が非常に大きな問題になると思います。一定
価格をきめまして、物が殺到して来る、或いは全然売込みがないという
ように、いずれかの極端な現象しか現われないのであ
つて、然らざる現象はそう望み得ないのじやないかという点がお尋ねの要点の
ように存じます。これに関しまする私どもの経験といたしましては、米穀
統制法を実施いたしました際に、
政府がそれほど買わないで済むであろうと思いました
最低価格による米の買入れというものが、法律の実施に当りまして、非常に大量のものが
政府に殺到して来まして、大きな
政治問題にな
つたことを記憶いたしておるのでありますが、その当時の
情勢といしましては、國内産の米のみでなく、
台湾米、
朝鮮米という
ような大きな給源のものが無制限に殺到して来るという前提においての
最低価格の維持ということでありましたために、なお更その
情勢が激化されたものだと思います。今後は
國外から入ります
食糧は、
政府が一手にこれを管理するという前提の下に、國内産の麦というものの買入れを
考えますれば、米穀
統制法初期において苦杯を嘗めました
ような、ああした事態というものはよほど
変つて来るのではなかろうか、勿論それには前に申上げました
ように
価格を如何に出すかという点が、これは大きな問題になろうと思いますけれども、そういう点が
一つ情勢上
変つておる
ように私は
考えます。それからなかなか買えないであろうと申す場合にも、然らばどこが買うかという
ようなことになりますと、大きな買手は製粉資本になろうかと存じます。製粉資本の現在の資力を以ていたしましても、そう無制限に大量のものを買える
ような金融力を持
つておりませんので、この辺からも
政府には相当大量に持込まれて来る。併しその持込まれましたものを
農業生産の維持の上において適切な
価格という
ようなもので買うという方針をとりますれば、その辺は
お話の
ような両極端の事態だけでなく
緩和した
状態において麦の買入れというものが円滑に進められるのじやなかろうかというふうにも実は
考えておるわけであります。この辺はいろいろ想定の問題でもございますし、又今後の
価格その他の立て方、買入れの
方法等とも
関係して参りますので、なお一層よく御
意見等を承わりまして検討することにいたします。