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政府委員(
安田巖君) 薬品の値下りは、その都度実は薬餌料を下げておるのでありまして、
藤森委員御
承知のように、現在の薬餌料というものは薬の原価を基準にしております。例えて申しますというと、薬の原価が十五円以下であれば二点、十五円増すごとに二点ということにな
つていますから、薬の原価が三十円以下ならば四十点、四十五円以下ならば六十点ということにな
つております。そこで現在例えば六十五円の薬りが四十円に下
つたということになりますというと、当然薬餌料は下るわけでございます。ところが一番下に十五円という欄しかございませんので、十五円よりかずつと下
つて参りましても、薬餌料が下らない、二点が下らないということに
なつたんです。そこで
社会保険の医療
審議会でこの問題を取扱いました場合に、上のほうは薬の値段が下りました場合、その薬の値段に準じて藻餌料が下るのに、一番下だけここにつかい棒があるために下らない。そこで
一つ一・五分という欄を作
つたらどうかという話が出まして、その
審議会の答申といたしましては、一剤一・五分ということだ
つたのであります。それを具体的に申しますというと、私
どもが従来十五円以下の薬につきまして、二点という薬餌料をきめましたときの薬の原価の平均は大体五円六十銭か、七十銭でございました。それが大体三割くらいは下
つておりまして、私
どもが
社会保険病院のみについて調べて見ましたところが、三円二十七銭でありました。つまり三円二十七銭の薬で乙地が二十円、甲地が二十二円の薬餌料にな
つております。そこで五円六十銭から三円二十七銭に下
つたのであるから、現在の薬餌料が薬の値段を標準にしてきめられておる以上は、薬価が下ればそれだけ下げればいいじやないかという議論にな
つたのであります。そこで医師会のほうではいろいろこれに
反対に
なつたわけでありまして、現実に調べて見なければいかんということで、医師会と共同
調査をいたしましたところが、その結果出ましたのが三円七十銭か、七十何銭か、これは平均価格でございます。或いは
東京の町の中ではもつと安いとか、田舍へ行けば少し或いは高いとかということがあるかも知れませんが、三月七十何銭、これで結局我々の案としては無理がないのじやないかというふうに
考えてお
つたわけでございますが、いろいろまあ
考えまして、結局一剤なら二点、二剤なら三点というところで十二月一日からや
つておるわけでございます。朝鮮事変の動乱の値上りも確かにあると思いますが、私
どもが
研究いたし、又最近の新聞等を見ておりますというと、大体薬の
商売人の
かたの観測といたしましては、朝鮮事変のために薬が確かに上るという傾向があ
つたけれ
ども、大体ストツクがなく
なつたという
程度で、需要のほうの
限界があるために、朝鮮事変による値上りというものは大体天上、底を突いたのじやないかというようなことも言われておる現在といたしましては、この
程度で
一つ御我慢を頂きたいというふうに
考えております。