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若林委員 関連して、今
笹森委員から
お尋ねに
なつた点について、少し
文部当局にお願いしておきたいことがあります。昨年の十月二十五日付の次官通牒で、大体今まで
教育関係者が
宗教に対して持
つておりました非常に狭苦しい感情が、伸び伸びとすることができたのでありますが、しかしいまだにあの
趣旨が徹底しておらないので、
笹森委員が今また取上げて御
質問になりましたのも、そういうきらいがあるから、老婆心的にお聞きにな
つたのだと思うのでありますが、
宗教家が
学校の講堂へ行
つて講演をすることもいけないがごとく、
宗教というものを
公立学校は近づけてはいけないのだというふうな
感じで、あぶないことにはさわらぬがよいというような
感じがあるのであります。ただ非常に自覚をしておる
人たちは、一宗一派にさえ偏しなければ、
宗教教育をやるべきであるというので、
公立学校でも、明確に自覚しておられる
教育者のあるところでは、積極的にや
つておられるのでありますけれ
ども、これは暗夜に星を見つけるがごときものでありまして、数が少い。徹底的にあの次官通牒の
趣旨が皆に了解されるよう、ひ
とつ格段の御配慮を願いたいと
考えるのであります。この前も
社会教育法が
通りますときに、いわゆる公民館
活動というものを
宗教との
関係について
質疑をいたしまして、公民館
教育の
活動の場所としてお春を使い、神社の社務所を使い、あるいは教会を使うことは、一宗一派を支持するというようなことになるかどうかということを
お尋ねいたしましたときに、
社会教育局長は、決してそれはそうは見ない、そういう場所は、公民館という建物ができるまで、あるいはできても催す性質によ
つて、それを大いに使われる方がよいのである。また
宗教家、たとえばその神社の宮司、お寺の住持あるいは教会の司教というような
人たちを、公民館の
委員に委嘱し、あるいは公民館の館長として委嘱するようなこともさしつかえないかという御
質問を申し上げましたところ、それも
一つもさしつかえないのであるというように、非常に
宗教活動というものと公民
教育というものと密接不離な
関係の御
答弁があ
つて、私
ども非常に意を強うしたのでありますけれ
ども、
世間には、今
笹森委員が仰せになりましたように、
宗教に近づかぬ方が安全なんだというような
感じがありますために、淫祠邪教がはびこり行くというような弊害をかもしておる重大な事態を惹起いたしておりますので、一段と、ひ
とつ宗教に関しての誤解を解くよう、万全の措置を講じていただきたいと
考えるのであります。
それからなお
先ほどの
警察予備隊のことに
関連してでありますが、私は、
大臣がおいでにな
つて、もう二、三
質疑を試みてから、
委員各位にお諮りをしたらという
気持があ
つたのでありますが、一刻も早く精神
指導というものを
——文部大臣御自身は、
警察予備隊であるからというて取上げる必要はないという、こういうお
考えなんでありますが、しかし私は特殊の任務を持
つております
警察予備隊、またこれと相似たような
感じを持
つております。
警察の
人たちに対して、
文部大臣の言葉でいうならば、
社会人としての
教養を高めるということに、何らかの措置を講ずる必要がある、今のままのことであ
つてはいけない。
警察予備隊はこれから考慮するということにな
つておるのでありますが、その考慮をする前に、精神分野を担当いたしております国会における本
委員会といたしまして、何らかの要望を政府にしておく必要があるのではないかと
考えるのであります。もしそういう
精神教育なり、
教養を向上するために、何らかの措置を一刻も早くとるようにという要望をすべきであるという御決定でもいたしましたならば、小
委員会でもお設けをいただきまして、過般
質疑を行うたこと、また
文部大臣がこちらへおいでになりまして
質疑を行つたことを基礎といたしまして、ひ
とつ草案を練
つていただきまして、政府に要望をしたらと
考えるのであります。この点
委員長から
委員各位にお諮りを願いたいと
考えるのであります。
それから、これは蛇足のようでありますけれ
ども、
先ほど江口政府委員をつかまえて、
渡部委員から
人権の尊重云々ということが出ておりましたが、私
たちはこういうことが
委員会寿問題になることはおかしいと思うのであります。
警察予備隊といえ
ども、とめてはおらぬ。やめさえすれば、共産党にでも何党にでも入ることができる。自由党の
人間は共産主義に共鳴することを禁じられております。もし共産主義に共鳴するのなら、自由党を脱退して行けばいいのであります。共産党もおそらく自由主義に共鳴することを禁じておると思うのでありますが、そういうことを
人権蹂躙云々と言うことは、はなはだ愚問ではなかつたかと
考えるのでありまして、再びああいう議論が
委員会において出ることのないように、
委員長からひ
とつ御注意願いたいと思います。