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徳永政府委員 ただいまの
お尋ねは
鉱業法に追加いたしましたもののみならず、
採石法にも関連してのお話かと思います。
採石法はただいま政務次官から
提案理由としてその
内容の概略を御
説明がございましたが、
採石権の
設定と申しますのはこれは非常な例外でございまして、
鉱業権とは異
なつた扱いをと
つているわけであります。
原則は
採石権というものは、
土地所有者と石を掘りたいという人の話合いによりまして行われることを通常といたしているわけであります。ただ例外として、場合によりまして、その話合いがうまく行かない場合に国が
採石権を
設定するという道を開くという程度にとどま
つているわけであります。しかもその
採石権を国が関與しまして讓渡
決定いたします場合につきましては、こういう場所は
採石権を認めるといけないということも列挙してございますし、またさらにそういうことを考えました
趣旨をこの際私から敷衍いたしまして申し上げたいと思うのでありますが、これよくよくの場合として考えた例でございます。と申しますのはこれまで
採石業というものが日本におきまして
鉱業と比べて同じ
地下資源でありながら相当大勢のものがありつつも、それが近代工業の形にまで健全に育たなかつたゆえんのものに、その
事業の
基礎が非常に不安定であつた点があるわけであります。その点をさらに申し上げますと、たとえば石を掘ります際に、
土地所有者との話合いによりまして十年なら十年という
契約で仕事をいたしているわけでございますが、この採石の
事業は、非常に地上の狭い
関係、あるいは製品の規格
登録ができていないといういろいろな点から、仕事自体が非常にむらがある仕事でございますが、それを拔きにしましても、目先ちようど期限が来ましたような際に、その
採石業がある程度もうか
つているというように
土地所有者の方から見られました場合に
契約の延長が両
当事者の間にスームスに話が進みませんで、非常に惡い場合を考えますと、
土地所有者が法定の期限が来ました際に、高い採石賃を要求して、ほとんど
契約継続不可能なようなことを言われるような場合もありますし、あるいは
契約の継続を認めなければその人はやめなければならぬので、続いて
土地所有者がこの仕事を、しようということを考える場合もあるわけであります、さようなことから、
採石業をやりますのは、その仕事に相当長年の時間をかけてしなければ回收できないような、大きな施設をや
つて仕事をするということで、非常にあぶなく
つてできかねるというような事態もあるわけであります。これは非常に稀有な場合を申したわけでありますが、もちろん現在では相当
土地所得者と円満に話がつきながら相当施設をや
つているところもあるのであります。おしなべて考えて見ました場合に、その進歩が
鉱業に比べまして遅れているゆえんのものは、その
権利の非常に不安定なところにあるのではなかろうかということが考えられますので、そういう場合を考えまして、
土地所有者の
土地の石を掘ることでございまするし、
土地所有者の
権利は相当尊重いたさなければ相ならぬわけでございますが、その両者の利害の調節につきまして円満に話がつきかねますと、その場合々々によりまして役所が中に立ちまして、その場合の探石料その他につきまして仲立するというようなことを考えたわけでございます。従いましてこれができました結果といたしまして、何も
土地所有者の、それが合理的な要求ができなくなるような
法案では全然ないのでございまして、むしろ危險として考えましたことは、場合によりまして不当な要求のために
事業が円滑に進まないということが考えられますので、そういうことのないようにということだけを考えましたわけでございまして、この
法案によりまして、
土地所有者としまして今までの
権利が非常に弱くなる、あるいは将来弱くなるならばというような懸念をお持ちになるようなことは毛頭考えもいたしておりませんし、また何ら
規定されてないわけでございます。ただ何と申しますか、今御指摘のございましたように、
法律はさような
趣旨ではできておりますけれども、非常に定規的にといいますか、しろうと的に聞きまして、今度は
採石法というものができそうだというようなことで
採石業者の立場が強くなるのだというようなことから、法の十分の理解のないことに基きます誤解はあるいはあるかとも想像いたさないわけではございませんが、私どもといたしまして問題のありますような地帶につきましては十分法の
趣旨というものを御
説明申し上げまして、誤解のないようにいたすつもりであります。この点につきましては私どもばかりでなしに、
農林省その他からも御相談に応ぜられたり、あるいは
説明をいたしたりするようなことも十分にあるのじやないかと考えられます。