○大矢
委員 これは特に大臣にお聞きしたいのですが、今聞きますと、
国家公務員とのにらみ合せでできた。しかし最も近い将来においてこれがその筋の了解さえ得れば、いわゆる単純労務だけははずしたいという
鈴木さんの答弁なのですが、私は先だ
つてラジオの朝の訪問というのを聞いておりますと、大臣は、私は
地方自治庁の
仕事に対してはしろうとだけれ
ども、常識で行くのだ、だから結局政治も常識だということで、私も実は聞きつつ感心した。これは先ほど神戸さんにもお尋ねしたが、シヤベルを持つたり、あるいは植木の手入れをしたり、そこらの草引をしたり、あるいはおわいのくみ取りをしたり、こういうものを
公務員とすることは、どう
考えた
つて常識をはずれておると思う。これはそういうことのためにはずせなか
つたのだ、私は大臣の苦労はよく知
つておる。それは常識上そうあ
つても、やはり全体のいろいろ
なつり合い上そう行かなかつた。しかし近い将来にこれを改めるという
鈴木さんの意思であり、それが提案するときの申合せならば、これはわずかの間でありますから、ちようど四つの事業をはずしたと同じように、従来通り、つまり別途の法律ができるまではそうするということで、はずすことにどうしてできなかつたか。もしこれがこのまま通過しますと、あれが
公務員かということで、私は常識を疑われると思う。大臣のためにもこの
委員会のためにも、先ほど申しましたように、特に私はこれを入れたとかなんとかいうのではなく、これは案例を言いますと、大阪市においては二十に余る組合をつく
つておるが、何の不都合もない、一ぺんもストライキをやつたことはたい。これは大阪のみならず、神戸でも
東京でもそうですが、長い間組合をつく
つてスムースに行
つているものを、特に縛り上げねばならぬということは、私はどうしても
考えられない。その結果として私は神戸さんに聞いたように、いわゆる政治否定のものの
考え方、フアシヨ的な、いわゆる直接行動でなければだめだ、政治にたよ
つてはだめだというようなものの
考え方、フランスのサンジカリズム的なものの
考え方に
なつた場合の将来を想像しますと、これはたいへんなことになります。神戸さんは私もそういうような危惧があるということを言われたが、だれだ
つて多少常識のある者は
考える。うまく符
つているものを取上げるだけ取上げて——すべてものは比較しての不平でありまして、わしとあれは同じようなのに、何でおれだけは縛り上げられるか、これが不平の原因であります。たとえばこれは話が横へそれますけれ
ども、
東京には環状線がある、あるいは中央線がある。これは国鉄です。ところが地下鉄あるいは
東京急行は、民間がや
つているから自由にやれる。そこへ持
つて来て都電はまた今度の公共企業体で縛り上げられる。こういう同じ
仕事をしておりながら、どうして自分たちはこれだけ不利な取扱いを受けるか、ただそれは税金でまかな
つておるといわれるかもしれないが、こういう事実が大阪あるいは各
府県でもあると思います。土木事業をやるときには、事業全体で予算をとる。そうして材料が高くなる。セメントその他材木が高くなりますと、人件費を減らす。これは人件費か材料費かわからずにまとめてとつた予算でありまして、何も税金からと
つておるとか、特別な人件費をもらつたとか、これは
住民に
関係があるから、これはやはり
公務員にしておかなければならぬということではない。そこで私が聞きたいことは、そういう常識で判断のできぬようなことを、どうしてわずかばかりの間、入れておかなければならないか、今はずす意思があるかどうか、いや
出したものだからそのまま通してくれというかもしれませんが、われわれはほんとうに
委員会が非常にいいことだとい
つてきめても、それはわずかの間だから、これはこのままとして、従来の二百一号のあれもあるのだから、それで当分しておこうということに
委員会としてきまれば、それはそれでよろしいと言われるか、いや一旦
出したものだから、どうしてもこれは通してもらいたいというのか、その点を私は大臣のために、あるいはこの
委員会のためにも
はつきりしてもらいたい。それで特にこの点は曲げていいとは答弁をなさらないかもしれませんが、それが後日最も近い機会にはずすということの方針がきま
つておれば、それだけのことははずしてもらつたら、どうがと思うのですが、この点が法案の中で一番重要な問題ですから……。