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1950-12-07 第9回国会 衆議院 大蔵委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十二月七日(木曜日)     午前十一時三分開議  出席委員    委員長 夏堀源三郎君    理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君    理事 天野  久君       淺香 忠雄君    有田 二郎君       大上  司君    佐久間 徹君       島村 一郎君    高間 松吉君       田中 啓一君    苫米地英俊君       西村 直己君    三宅 則義君       宮幡  靖君    内藤 友明君       宮腰 喜助君    川島 金次君       田中織之進君    米原  昶君       竹村奈良一君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 池田 勇人君  出席政府委員         外国為替管理委         員会委員   大久保太三郎君         大蔵政務次官  西川甚五郎君         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      佐藤 一郎君  委員外出席者         大蔵事務官         (管財局長)  吉田 晴二君         農林事務官         (農政局長)  藤田  巖君         農林事務官         (林野庁林政部         林政課長)   奧原日出男君         通商産業事務官         (臨時通商業務         局長)     佐枝 薪一君         郵政事務官         (経理局主計課         長)      佐方 信博君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 十二月七日  委員中野四郎君辞任につき、その補欠として中  村寅太君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 十二月七日  中小企業信用保險特別会計法案内閣提出第四  二号)  日本輸出銀行法案内閣提出第四三号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  旧令による共済組合等からの年金受給者のため  の特別措置法案内閣提出第三〇号)  食糧管理特別会計歳入不足を補てんするため  の一般会計からする繰入金に関する法律の一部  を改正する法律案内閣提出第三三号)  外国為替特別会計の資本の増加に充てるための  一般会計からする繰入金に関する法律案内閣  提出第三四号)  郵政事業特別会計歳入不足を補てんするため  の一般会計からする繰入金に関する法律案(内  閣提出第三五号)  米国日援助物資等処理特別会計法の一部を改  正する法律案内閣提出第三六号)  農業共済保險特別会計歳入不足を補てんす  るための一般会計からする繰入金に関する法律  の一部を改正する法律案内閣提出第三七号)  食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(  内閣提出第三八号)  国有財産法第十三條の規定に基き、国会議決  を求めるの件(内閣提出議決第一号)     —————————————
  2. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 これより会議を開きます。  昨六日本委員会に付託になりました食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案議題として、まず政府当局より提案趣旨説明を聽取いたします。
  3. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案提出理由を、御説明申し上げます。  従来輸入食糧につきましては、価格差補給金による価格調整は、すべて貿易特別会計において行われており、従いまして食糧官理特別会計といたしましては、国内生産者価格に相当する価格をもつて貿易特別会計から買い入れて来たのでありますが、昭和二十五年度におきましては、米国日援助物資として輸入される分については、米国日援助物資等処理特別会計において価格調整をし、貿易特別会計及び新たに開始されました民間貿易により輸入される分については、いずれも食糧管理特別会計輸入原価によつて買い入れ、この会計において一般会計から価格差補給金の繰入れを受けて、価格調整をすることとなつたのに伴いまして、食糧管理特別会計法の一部を改正し、一般会計から繰入金をすることができることといたしたいのであります。  以上の理由によりまして、この法律案提出いたしました次第であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
  4. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 本案に対まる質疑あとまわしといたします。     —————————————
  5. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 国有財産法第十三條の規定に基き、国会議決を求める件を議題といたします。質疑を許します。
  6. 内藤友明

    内藤(友)委員 ちよつとお尋ねしたいのでありますが、事実から申し上げまして、いろいろな法的な根拠をお伺いしたいのであります。  先般いろいろな台風北陸に参りまして、ことに私の富山県のごときは、まだかつてない非常な被害をこうむつたのであります。特に樹木が倒壊いたしまして、非常な惨害を受けたのであります。ところがその後におきまして、各村で実はこういう問題が起きたのです。それは各部落お宮があるのでありますが、そのお宮樹木が倒れまして、拝殿なんかをぶちこわした。さつそく村の者が自分の宮だからというので、飛んで来ましてそれを切りまして、こわれているお宮の修理にとりかかつたわけです。ところがあなたの方の関係の地方の出先機関か知りませんが、これはけしからぬ、それは国有財産なのだ、それを手をつけるのは穏やかでないというので、富山県におきましては、かなりあちこちに刑事事件が起りまして、部落総代村総代というようなものが、警察ひつぱられたような事実があるのであります。それは何かの法律によりまして、部落お宮のそういう財産が、国有財産に編入されたのかは存じませんが、そういうことを結局村の者が知らなかつたということに基因しておりますが、いまだにそういうことで、村々でごたごた繰返しておるのであります。部落の宮というものに対する旧来の観念ということは議論は別にいたしまして、何となく村では割切れぬ気持をみなが持つておるのであります。こういうことにつきましての法的なないろいろな関係を、お聞かせいただきたいと思うのであります。
  7. 吉田晴二

    吉田説明員 ただいまの御質問の点でございますが、神社寺院境内地というものは、明治初年に常置せられまして、大体においてこれは国有財産になつております。それを寺院神社無償貸付をしているというような、法律的な形態をとつているわけであります。従つてその中に今の立木なんかも不動産としているわけであります。従つて法律上これは国有財産であることは間違いないわけであります。その場合、おそらくそれが倒れましたものを処置します場合に手続をいたしますれば、割合に簡単に払下げ手続ができたわけであります。その上でいろいろな修築をされれば、別に問題は起らなかつたかと思いますが、おそらく部落の方がそういうことを御存じなくておやりになつたので、それらに対しては、なるべく穏便な措置をとるべき問題であつたろうと思うのであります。実はその具体的な事実をよく存じませんので、もしわかりましたら、その点について適宜出先機関の方に通達をいたしたいと思つております。
  8. 内藤友明

    内藤(友)委員 お話通り、実は部落の者はその手続なるものは全然知らなかつたのであります。あとで、いつの間に国の財産なつたかと驚いたような次第であります。もちろん今日は法律というものが非常に数多く出ますので、一々立法府の者でもよく知らぬのであります。ましてや一般の人が知らぬのはあたりまえなのでありますが、そういうことがわかつたものでありますから、役場へ行きましたが、手続がわからぬ。それなら税務署へ行けばわかるかと走つたけれども、わからぬ。取締り当局警察に走つたけれども、わからぬというのでありますが、それは一体どこへ行けばわかりますか。
  9. 吉田晴二

    吉田説明員 ただいまの御質問の点でございますが、これは別に新しく法律ができたから、それが国有財産なつたとかなんとかいうのではありませんで、明治以来そういうことにとつてつたのであります。ただその管理神社寺院がやつております関係上、また社殿等はおそらくその部落で建てておるという関係等がございまして、そこら観念の根本があるかと存じます。この関係大蔵省出先機関である財務部でありますとか、あるいはもともとこの社寺関係府県がこれを所管しておりまして、昔は社寺兵事課というものがあつたわけであります。府県あるいはその出先機関というところに行けば、それははつきりしておると思います。
  10. 内藤友明

    内藤(友)委員 これはお聞きしますれば、まさにその通りだと思うのでありますが、実は北陸がこの間二度ほど偶然の台風に見舞われまして、各村にそういう問題が実は頻発したのであります。かなり大勢の者が警察にひつばられまして、村は上を下への非常な大騒ぎをしたのです。それらは将来親切に出先機関に通じまして、これを村々へ申し立てていただけばわかると思うのでありますから、それでやつていただきたいと思いはす。
  11. 有田二郎

    有田(二)委員 関連して……。今のお話をお聞きして、法的にはあるいは局長のおつしやる通りかもしらぬが、とにかくジェーン台風なりキティ台風なりによつて、そういう問題が起きて来た場合、一々財務部行つて許可を得なければ何もできないというようなことではいけない。そこは政府が特にその神社なり仏閣なりに管理させておるわけですから、その連絡指導のよろしきを得て、事後に許可をしてもいいわけです。また社がつぶれたとかいう場合、それを一々財務部行つて許可を得なければさわることができないというのは、まさに法律をまつ正直にやつておるのには違いないのだろうけれども、その運営の上において私は遺憾な点があると思う。いかなる天災地変があろうとも、法律解釈通りでなければならぬというのは私はおかしいと思う。しかもその管理しておるお社の宮司が、それに賛成してやつた場合においては、管理を委任してあるわけですから、何とかもつと法の運営の上において、やり方があるのではないかと思いますが、局長の御所見を承りたい。
  12. 吉田晴二

    吉田説明員 つまり管理を委任しておられます社寺宮司あたりが、よく知らなかつた関係だろうと思うのでありまして、宮司がその払下げ手続をとるべき建前であつた。従つてその宮司がそういう手続を知らないで、おそらく村の人々と相談をしてそういうことにしたのではないかと思うのであります。そういう点につきましては、現在国有財産処理関係が進んでおります。から、おそらくもうあと数箇月でそういう関係がなくなつて来ると思います。けれども、なおよく社寺なり、あるいは出先機関の方に申しまして、そういう場合には機宜の措置をとるようにしたいと思います。
  13. 有田二郎

    有田(二)委員 富山の今の問題をひとつよく調査していただきたい。それに対して今局長は、社寺仏閣全国国有財産が数箇月以内に解決するというお話でありますけれども、先般私は大阪の社寺仏閣国有財産処理方法について実施を検討して参つたのでありますが、なかなかそう簡単に数箇月で済む問題でない。いろいろ問題があると私は思う。従つてその問題は別に日を改めていたすことにいたしまして、富山の問題を御調査願つて全国的に再びこういうことのないように、大蔵省に十分な努力を願いたいということで、質問を終りたいと思います。
  14. 竹村奈良一

    竹村委員 ちよつと私は国有財産処分について質問したいのでありますが、大体現在全国社寺有のものであつて、これが国有財産として保存されておるのが非常に多いわけであります。前々から政府当局が答弁しているように、社寺有無償払下げに関しては、特別の委員会があつて、その委員会に諮問して、適当と認めたものに対して払い下げるというふうに言明されておるのでありますが、これの払下げにあたりましては、世上いろいろ端摩臆測され、しかもこれが無償払下げにあたりましては、これの真備のほどは別でありますけれども、いろいろスキャンダル的なものが流布されておるわけであります。そこで私のお伺いいたしたいのは、こういう国有財産無償で払い下げる場合におきましては、これは法律的にもはつきりしておるように、その社寺尊厳を傷つけない程度、しかもその境内地として必要な程度、これに限つて無償で払い下げらるべきものであつて、それ以外にその神社経営を維持するためとか、あるいは神社財産を保護するためとかいう目的で払い下げられてはいけない、こういうふうに私は承知しておるのであります。これに対しましてひとつ具体的な例としてお伺いいたしたいのは、和歌山県におきますところの高野山払下げの問題でありますけれども、金剛峯寺が大体一千三百町歩譲渡政府申請しておる。こういうことでありますが、こういう事実があるかどうか。しかも高野山では一千三百町歩というような厖大な国有林が、境内地として許されるものであるかどうか。この点をひとつお伺いしたいと思います。
  15. 奧原日出男

    奧原説明員 ただいま高野山金剛峯寺から千三百町歩保管林譲与申請が来ておるかどうかというお尋ねがあつたのでございますが、これは事実でございます。ただいまその前提として竹村委員からお話ありました点につきまして、若干この機会に私からも申し上げておきたいと存ずるのであります。  竹村委員からお話のありました尊嚴維持に必要な程度であつて、かつ境内地として必要な範囲譲与さるべきであり、それ以上に財産的な利益を与えるべきでない、こういう御意見でありますが、財産的な利益譲与すべきでないという点につきましては、政府におきましても同様に考えておるのでありまして、それはあくまでもその社寺の今後の宗教活動に必要な範囲を厳正に認定いたしまして、そしてその範囲の限り譲与する。かりに反射的結果として、それによつてある程度の収益が生ずるということがありましても、それはあくまでも反射的結果である、かように政府としては考えておるのであります。ただしからば、宗教活動に必要な範囲というものをどう認定するかということにつきましては、必ずしも尊厳保持だけを限定しておるのではないのでありまして、その以外にたとえば行事場敷地でありますとか、あるいは由緒地でありますとか、そのほかいろいろな項目があるのでありますが、これはあの法律に基きまする政令によつて御承知を願いたい、かように存ずるのであります。かつまた境内地として必要な程度、こういうお話がございましたが、保管林は旧境内地の外部にありまする林野でございまして、この保管林につきましては、必ずしも境内地の周辺のごく狭い範囲というふうには考えておらない次第であります。これに関しましてはなおお尋ねがありますれば、現在やつておりまするいろいろなこまかい基準等ついてお話を申し上げたいと存じます。
  16. 竹村奈良一

    竹村委員 今のお話を聞いておりますと、その都合によつていろいろまた基準を設けて、必ずしもその必要な境内地だけではないということですが、そういうことになりますと、その真偽のほどは別といたしましても、いろいろ払下げ運動をめぐるところの醜聞が流布されることも、これまたもつともだと私は思うのであります。そこで私はこの際そういういろいろ点について、詳細にその払下げになるところの基準というものの規定を、お伺いいたしたいのであります。
  17. 奧原日出男

    奧原説明員 ただいまお尋ねのありましたどういう範囲のものが無償譲与の対象となり得るかということにつきましては、昭和二十二年の政令によりまして範囲を明確にいたしておるのであります。すなわち第一は本堂、本殿等の建物、敷地、第二は宗教上の行事、儀式に使用する土地、第三は参道用地、第四は庭園用地、第五は尊厳保に必要なる土地、第六には災害防止に直接必要なる土地、第七証は特別中のある土地、第八には公益事業を行うに必要な土地、第九は前各号の土地における立木及びその他の定着物、こういうことに相なるのであります。そこで多くの場合におきまして、この尊嚴保持に必要なものというのが、ただいまの御指摘のありましたような、比較的広いところを無償譲与範囲に附加する項目と相なるのでありますが、これに関しましては、結局その社寺を取巻きまする地理的な條件を十分勘案いたしまして、そしてその地理的な條件に合せまして、その社寺自身が今日の国民の信仰上に占めておりまする地位に対応いたしました範囲を、厳正に審査会において認定を求めまして、それによつて無償譲与処分をいたしておるのであります。
  18. 竹村奈良一

    竹村委員 それではお伺いいたしたいのでございますが、高野山金剛峯から千三百町歩申請が出ておるが、その前に境内地としてすでに五百町歩讓渡を見ておる。そこで今説明されましたような無償払下げ基準に、あとの八百町歩は合致するようにお考えになるかどうか。しかもこれの無償払下げの前に、すでに昭和二十四年度、二十五年度あるいは二十六年度において、相当数の採伐許可を与えられておる。この採伐の許可は一体無償でされたのかどうか。たとえば二十四年度におきましては五万六千石、二十五年度におきましては四万六千石、二十六年度におきましては三万石程度木材が、国有林から無償で払い下げられておると聞いておるのですが、これに対して無償であつたか有償であつたかという点、それから五百町歩あとの残りの八百町歩はどうなるか、こういう点についてお伺いいたしたいと思います。
  19. 奧原日出男

    奧原説明員 ただいま御質問のありました高野山申請の千三百町歩のうちで、どの程度がこの基準に該当するかという問題につきましては、ただいま政府部内におきまして研究中でございまして、まだこの席でこの程度と申し上げる段階に至つておらないのであります。  それから第二段に御質問のございました二十四年、二十五年あるいは二十六年のそこら辺にわたりまして、金剛峯寺立木伐採許可しておるという御質問でございまするが、現在はあの法律が施行されましてから、保管林の制度はストップいたしておるのでありまして、従つて金剛峯寺に特別に立木伐採をさせるというふうなことはあり得ないことであります。これは国有林自体事業経営といたしまして、営林署がそれぞれの根拠法規に基きまして、今日まで処分をいたしておるのであります。特別に金剛峯寺に何らかの便宜をはかつたという事実はないと考えておるのであります。
  20. 竹村奈良一

    竹村委員 この払い下げられた木材というものは、営林署処分されたものであつて従つて営林署の収支の出に入つておる。金剛峯守には全然関係はないという御答弁でありましたが、それではお尋ねしますが、金剛峯寺無償で払い下げられたかどうか知りませんけれども、金剛峯寺がこれの処分その他について、相当な利益を得たということは間違いであつて営林署金剛峯寺との間にはそういう疑わしい点はない。金剛峯寺は全然処分にタツチしておらない、こういう確信を政府は持つておられるのかという点、それからもう一つは千三百町歩払下げにあたりましては、政府においてはまだ考えていない。考えておらなかつたらそれでいいわけですが、それではもう一つ、これはここでお聞きするのはどうかと思いますが、こういう払下げにあたつて、有力な政治家がこれに介在しておるということを、高野山国有林の営林局に勤めておる人から報告を受けておるのです。たとえばこの払下げにあたつては、某政党の某大官が関係しておるというようなことが言われておるのでありまして、そういうことに関与されたことはないであろうと私は思いますけれども、そういうことがないかどうか、この点をはつきりとお聞きしたいと思います。
  21. 奧原日出男

    奧原説明員 ただいま御質問のありました第一点、金剛峯寺営林署伐採につきまして、特別なる便宜を得ておるかどうかという点につきましては、特別なる便宜は何ら得ておらないと私は信じており、かつ事実その通りであると思つております。  それから第二段の御質問につきましては、そういう事実は毛頭ございません。これは私が腹を切つても間違いないと申上げることができます。
  22. 宮腰喜助

    宮腰委員 これは群馬群馬室田榛名山御料地払下げの問題に関しまして、この分業権者地域代表下川港外二十一名から請願が出ておる事項について、大蔵省並びに林政部長にお伺いしたいと思うのでありますが、一応この内容について申し上げてみます。  元室田榛名山御料地字内野一千一百四十八町一反一畝二十歩は、明治二十五年一月十六日付期間二十箇年をもつて大字上、中、下の三室田大字代表齋藤秀外十八名に対し、帝室林野管理局より貸下げになりましたが、当時町民の一部には馬革場としておく者と、植林すべしとする者と両派にわかれ、争い三年に及びました。明治二十九年に至りようやく調停なり、借地面積を一筆一町歩内外の小筆に分割し、町民希望者に貸与することに決定し、明治二十九年度に第一回貸付をし、明治三十年度に第二回を貸し付け、明治三十一年度に全部の貸付を完了しました。明治三十八年度より室田基本財産設備目的のため、御料地拝借権室田町に無料譲渡することに決し、時の町長借地人総代との間に、拜借年限満了の上は、なお御料局より室田町に拜借し、各個人に引続き貸し付くることはもちろんのこと、貸付料金等條件は協議の上約定をなすこと等の誓約書をとりかわし、なお個人借地のうちより六十八町七段七畝二十二歩を室田町が譲り受け、直営として植樹し、この借地料も各人の料金中より負担しておるのであります。  明治四十四年十二月第一回の期間満了につき、明治四十五年一月より大正十五年十二月まで満十五箇年間の借地契約を更新した際、帝室林野管理局より、該土地に関しては転貸を許さずとの御指示により、室田町の借地人分業者と改め、上司の認承を得て借地料分業料と改称して、室田町と各分業者とは同等の権利義務関係にあることを明確化し、以降数回の継続手続を経て今日に至つておるのであります。なお分業者に対し、分業者権利を証明する書類がないため、大正六年七日御料地分業許諾証分業者に発行し、権利譲渡移転等移動の明確を期し、大正七年七月一日、時の町会において分業規定議決分業者はこの規定に従い今日まで造林育成に専念して参つたのであります。  顧みるに該御料地拝借当時の原形は、芒々たる原野で人跡まれな荊棘不毛の地であつたのを、明治二十九年より今日まで、分業者は寝具を忘れて営々として植樹及び手入れに専念し、言語に絶する苦難を経て今日欝蒼たる美林となり、ようやく多年の労苦も報いられるようになつたのであります。  この間分業者中には、これらの苦難に耐えかねて、貴重な権利を他に譲渡した人も多数ありました。終戰により皇室財産を物納され、御料地大蔵省の所管に移り、今回民間払下げのことが進捗するや、共産党員主唱の下に一部の町民を扇動して、御料地を農民に無料でよこせ、分業権を取上げろ等数項目をあげて強要し、町長に辿り、町議会の神聖を無視し、不穏の挙に出て来たのであります。このまま推移するならば、本町民は共産党の支配するところとなり、町政はために紊乱し、町の平和は破れ、分業権者立木伐採するのやむなきに至るため、治山治水上きわめて憂慮すべき事態となるはもちろん、室田町の政治経済思想上ゆゆしき一大事なのであります。  以上概要を申し上げましたが、仄聞するところによりますと、群馬郡下の他町村においても、過般御料地払下げの際縁故者たる分業権者に払い下げられているのであります。右の実情でありまして、室田分業規定條項と、過去五十余年にわたる経営の実態とより見るとき、分業権は憲法第二十九條に規定する財産権と確信いたしますから、元室田榛名山御料地払下げについても、分業権者に対し御払い下げるようお願いするのでありますが、この点について大蔵省林野庁ではどういう御意見がありますか。その点をお伺いしたいと思います。
  23. 奧原日出男

    奧原説明員 ただいま御質問のありました榛名山御料地貸付の問題につきましては、おそらく林野庁所管の国有林に植樹のために貸付をした、こういうケースであると了解いたすのであります。この林地が払下げをいたされますれば、その立木の植樹をいたしました者の権利が、侵害されるということを懸念してのお話であると、かように存ずるのでありますが、これは具体的な現地の地点についての問題でございまするので、よく実情を調査いたしました上で、あらためて御回答申し上げたいと存ずるのであります。しかしながら、いずれにいたしましても、国が土地貸付をいたしました場合にいたしましても、また部分林の設定をいたしまして、民間立木を植えさせました場合にいたしましても、そこに一つ財産権が発生いたしておる次第でありまするので、これを尊重いたしまして愼重に措置することは、これはもう申し上げるまでもない次第であります。その点だけお答え申し上げておきます。
  24. 宮腰喜助

    宮腰委員 日本の木材県である秋田県の場合でも、今後大いに問題になると思うのでありますが、こういうぐあいでどんどん山を伐採、そのあとに植林して、部分有林にするような場合に、後日紛争が起るようなことがあつては、今後植林においても進展しないいろいろな障害が起きて来るのではないかと思う。この点で今後こういうような問題については、林野庁でも十分御研究の上進めていただかないと一日本の植林が暗礁に乗り上げてしまうのではないかと思う。幸い林野庁でも実地調査をして、また御報告願えるということになつておるのでありますが、ぜひ急速にこの御調査を願いまして、一日も早く御報告願うようにお願いしたいと思います。  これに関連いたしまして、もう一点お願いしたいのでありますが、ごく最近にある代議士が秋田県の木材の特売の問題について、そういうことをやつてはならぬといつて盛んに騒いでいるのであります。秋田県は木材の産地であり、また業者は日本の木材界に非常に寄与して、今日まで営々として努力して来られた業者の方々であります。従つて今のような、なるほど公平な立場からいえば、入札の形が非常に正しいかもしれませんが、しかし秋田県は特殊なる事情を考慮されまして、現在特売が存在しておるのであります。この点について林野庁も今後秋田県のこの特売制を認めて行つてもらえるかどうか。この点についてぜひお願いしたいのでありますが、何とか今後ともこの特売制は持続して行きたいわれわれの希望がありますが、林野庁はどういうお考えであるか。その点についてお伺いしたい。
  25. 奧原日出男

    奧原説明員 ただいま御質問のございました特売制につきましては、もちろん国有林企業の運営上入札によつて売るということが制度ではございまするが、しかしながら国有林の特質といたしまして、地元山村との関係その他いろいろな特質がございまするので、特売制度を廃止するということは、当局といたしまして毛頭考慮いたしておりません。
  26. 宮腰喜助

    宮腰委員 ありがとうございました。
  27. 西村直己

    ○西村(直)委員 国有財産法第十三條の規定に基き、国会議決を求めるの件に関しましては、質疑を打切り、討論省略の上、採決を願います。
  28. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 ただいまの西村君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 御異議ないようであります。それでは国有財産法第十三條の規定に基き、国会議決を求めるの件を議題として、ただちに採決に入ります。本件は原案の通り承認を与うべきものと議決するに、賛成の諸君の起立を願います。     〔総員起立〕
  30. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 起立総員。よつて本件は承認を与うべきものと議決するに決しました。  なお報告書の作成、提出手続については委員長に御一任を願います。
  31. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 次に旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法案議題として討論採決に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。西村君。
  32. 西村直己

    ○西村(直)委員 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置を講ずる法律案につきまして、自由党を代表いたしまして賛成の意見を表明いたします。これはすでにたびたび国会におきまして、各党各派を通じまして熱心なる年金受給者からの請願がございまして、また政府当局におかれましても、これははなはだ社会正義にももとり、かつ気の毒であるというので、今回あらゆる御労苦を払われまして提案になつた次第でございます。すでにこの該当者のうち最も厖大なるものは海軍の共済組合でありまして、これによりまして、現在年金わずか三百五十円程度の、きわめて低いものを受給されておりました数万人の人たちが、一般に与えられておる恩給あるいは改訂せられましたる給与ベースに従つて給与されるので、これは社会福祉という意味におきましても、きわめて妥当な措置であると考えるのであります。なおこの事務が在来は海軍のみならず、外地関係の共済組合の人たちについて側々ばらばらになつておりましたのを、一元的に共済組合法に基く共済組合連合会において扱うということも、きわめて妥当な措置であると思うのであります。ただこの際この移管につきまして、極力これをスムースに移管していただくように、この権利義務その他事務の運営についてスムースに移管されるように、監督官庁である大蔵当局において、十分愼重な考慮を払つていただきたいのであります。  さらにこれに関連いたしまして日本製鉄八幡共済組合の年金受給者も同様な問題がありまして、この法令の措置によりまして、昭和九年一月三十一日以前におきまして退職をしました者は、これによつて同様に救済を受けるのでありますが、それ以後の退職者、すなわち受給資格が発生していながら、退職したのが同年の二月一日以降である場合におきましては、十分安心してこの措置を受けるというまでに今回の規定ができていないのが、はなはだ遺憾でございまして、これはもちろんいろいろな関係から、今回こういう措置に出るのもやむを得なかつたと思うのでありますが、その八幡の共済組合の年金受給者の諸君も、やはり同じように雇員、用員として、長年一つの国家の産業に従事して来た年金受給の資格を持つておる人たちでありますので、これらにつきましても、近き将来におきまして、政府がやはり至急これの補正立法措置を講ぜられることを望む次第であります。  これを要しまするに、今回の措置は單にわが党のみならず、各党各派においても、終戦後何年かの間ぜひこの年金受給者の気の毒な人たちを、一般の公務員の恩給、給与の線にまですべきであるという当然の要求を、今回政府挺案によりましてこの措置がとられましたことにつきまして、政府の努力に対しましても、私どもは満腔の賛意、謝意を表しますと同時に、またとの法案がすみやかに参議院に送られまして、参議院においても御賛成を得まして、一日もすみやかにこのたくさんな低い年金受給者が、公平なる取扱いを受けることを希望する次第であります。  以上をもつて賛成の討論といたします。
  33. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 川島君。
  34. 川島金次

    ○川島委員 私は旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法案に対しまして、国民民主党、共産党、日本社会党を代表いたしまして、政府にこの際強く條件を付しまして、本案に賛成をいたすものであります。  本案のうちの、ことに旧陸海軍に関する共済組合の問題につきましては、ことに一昨々年以来組合関係者からの強力な要請があり、さらにまた一般公務員等の共済組合関係あるいは物価の事情等にかんがみまして、当然にこれを引上げる必要のあることは言うまでもなかつたのであります。しかるに一昨年も昨年も、吉田内閣はこの問題に対して積極的な熱意を示すに至らなかつたことは、まことに遺憾千万と私どもは感じておるのであります。しかるに不在実りまして、政府はわれわれ国会野党側の強力な要請、及び組合関係者の切実なるところの熱望等にかんがみまして、おそまきながら、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法案を提案するに至りましたことは、まことにおそきに失するうらみは数々あるのでございますが、やらないよりは非常にましだと思う。そういう意味合いにおきまして賛成をしておくものであります。  なお次の八幡製鉄に関する共済組合の問題につきましては、ただいま与党側からも強い意見が出ましたごとく、われわれもきわめてその感を同じゆういたしておるものでございます。ことに八幡製鉄の共済組合の問題につきましては、八幡製鉄が民間経営に移ります当初において、当時の政府が組合の従業員に対して、最も具体的な事柄を約束しておるのであります。しかもその当時の政府は、今の自由党の前身である政府の中のものが、そういう約束をいたしておるのは、速記録にもきわめて明らかに残つておるところであります。そういう政府の責任ある言明を唯一の頼みとして、八幡の従業員諸君は当時から今日までそれを期待し、それを唯一の希望として営々として製鉄に従事し、生活の困難な中にかかわらず、打勝つて今日まで来ておるのであります。しかるに今回の措置法によりますれば、その重大な政治的責任の大半が果されておらないという現状でありますることは、責任ある政府の当時の言明を唯一の命の頼みとして期待しておりました従業員諸君にとりましては、まつたく失意の底に陷れられるような観があるのではないかと、われわれは痛切に同情をいたすものであります。どうぞこれらの現実的ないきさつにかんがみましても、また單に九年一月三十一日以前というこの時点によつて、その当時従事いたしておりますところの従業員に対して、格段の差異を付しますることは、これまた合理的ではないということを政府は大いに勘考されまして、すみやかな時期においてこれを一般旧陸海軍共済組合と同様な取扱いにいたし、そうして当時における責任ある政府の言明をば、国民の前に果すという責任をとつていただくことを、この際強く政府に希望をいたしまして、本案に賛成をいたすものでございます。
  35. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。     〔総員起立〕
  36. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  なお報告書の作成、提出手続等につきましては、委員長に御一任を願います。     —————————————
  37. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 次に農業共済再保険特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案外五案を議題として質疑に入ります。
  38. 内藤友明

    内藤(友)委員 大蔵大臣にお尋ねしたいと思うのですが、この大蔵委員会はいつもでありますが、法律が出て参りますのが非常に多うございまして、今まですでに出ましたのは十八でありまして、おそらくほかの委員会に比べまして、これほど多く法律の出るところはないと思うのであります。ことに昨日から今日にかけまして、七つの法律が出て参りました。会期はあす一日であります。この間に何とか七つの議案を審議しなければならぬのであります。しかし大蔵委員会は、第一回国会以来伝統的な一つの誇りがあります。そのときの政府には、全面的に協力するという実は美風があるのであります。大臣がここにお見えになりましたのはこれで二度目でありまして、ほんの十分か十五分の忙しいすきを見てお出ましをいただくのにもかかわらず、この委員会は勉強いたしておるのでありますが、きようあすにも七つの法律の審議をやらなければならぬことになつており事。そこでいろいろお尋ね申し上げたいことが実はあるのでありますが、参議院の方の予算総会の関係もありまするし、よけいなことはひとつ遠慮いたしまして、ただ一つお尋ね申し上げたいのであります。  それは今議題になつておりまする農業共済再保険特別会計歳入不足を補填する法律でありますが、実はこの法律につきまして、昨年もいろいろと政府のこの関係の皆様と論議を盡したのでありまして、そのときも政府側から、必ずこの農業保険については、十分な研究を重ねて、近き将来には、また繰入金のないような処置を講ずるという、強い自信のある御答弁でありましたので、私どもはこの前の繰入金法律が出ましたときも賛意を表して、それが通つたのであります。ところが今度まつたく約九億ほど一般会計から繰入れようという法律が出て参つたのでありますが、ここで大蔵大臣の御所信をひとつお尋ねいたしておきたい、こう思うのであります。実は現行の農業保険制度によりますと、現在は政府段階におきましては、この農業保険の赤字は約二十億ございます。府県の連合会段階におきましては、二十三億ほどあることになつております。なるほど政府の負担すべきものは、一般会計からこういう法律で出して行くことができるかは存じませんが、府県段階のこの赤字二十三億は、現在のところ何ら目途が実はないのであります。そこで毎年々々こういうふうなことが重なつて行きますと、農業保険制度というものが一体どうなるかという心配があるのであります。と申しますのは、農業の災害は、これは毎年々々その災害の度がたいへんなことになつて来ておるのであります。これは今年もいろいろな災害があつたのでありますが、その災害というものは昔に比べて、その風、その雨などは私は多いものとは思つておりません。ただしかし、今日政府がなされております治山、治水のいろいろな施策にほとんど見るべきものがないために、また食糧供出の事前割当制度がありますために、不適地までも割当がかけられるのでありますから、そういうところまでむりして水稻をつくろうということから、そういうところは元来少し災害がありますと、すぐ被害をこうむるところなのでありますが、この割当制度の強く推し進められるという関係から、そういうところまであえてやらざるを得ないことになつておるのであります。しかしそういうことのため、また戦後ごとにこのごろ家畜の保険につきましては、連合会段階におきまして約三億三千万円の赤字を持つておるのであります。これとても、今日政府のやつておられます家畜衛生施設というものに見るべきものがない。そういうふうな政府の施策のまずさのしわ寄せが二十三億なり、また政府自体が補填する二十億なりの赤字となつて現われて来ておるということでありまして、この府県連合の赤字二十三億というものは、当然政府施策の貧困から来るものでありますので、政府がほんとうに農山漁村の政策をよくやられますならば、こういうものは私は出て来ぬと思うのであります。それがないものだから、これが出て来るのでありますので、当然これは政府が責任を食わなければならぬものだと信ずるのであります。しかしそれは現在におきましては、制度上そうなつておらぬのでありますが、そこで大蔵大臣にお尋ねいたしたいのは、この府県段階の二十三億の赤字はどうなさるのか。かりに政府の負担すべきものは、ただいま提案されておりまする法律、こういう法律の手段によりまして、一般会計から繰入れることができますけれども、府県段階のものはこれは繰入れる道がありません。かりに政府の責任のものは果されましても、府県段階のものはその責任を果すことができないのでありますから、結局私は農業保険制度というものは、一、二年をまたずして崩壊するのではないかと思うのであります。でありますから、私が大蔵大臣にお尋ねいたしたいのは、この制度を根本的にひとつ至急お考え直し願えることができるかどうかということと、もう一つは、府県段階の二十三億という赤字を、政府は何とか御処置なさる意思があるかどうか。この二つの点をはつきりと親切に御答弁いただきたい。それさえ御答弁いただきますれば——いろいろと制度上の疑問はございますけれども、そういうことはまたあとにいたしまして、ただこの二つのことについてお答えを願いたいと思います。
  39. 池田勇人

    ○池田国務大臣 国会に提案いたします法案のほとんど半分近くは、この大蔵委員会で御審議願うのが、ずつと以前からの実情でありまして、短期間によく御審議いただきますことにつきまして、非常に感謝の意を持つておりますと同時に、私が予算総会その他に参ります関係上、出席する機会が少いので、御迷惑をかけておることにつきまして、衷心よりおわびを申し上げます。  御質問の農業保険の問題につきまして、前から御議論のある点は、われわれも承知いたしておるのであります。最近は災害も相当多くあるのでございまして、府県の団体におきまして、ある程度の赤字があることも承知しておるのであります。この問題を解決いたしますためには、お話通りに、できるだけ災害が起らないように施策を講ずることはもちろんであります。しかして災害が起つた場合にどうするかという問題も、一つの問題であります。災害が起つた場合に、その災害の査定でございます。これにもある程度の問題がございましよう。また保險料金につきましても、国以外のいわゆる農家の保険料金につきましても、検討を加えなければなりますまい。また一般の農家の負担と国の負担の割合につきましても、私は検討する必要があるのではないかと思うのであります。補正予算で八億八千万円を出しましたが、来年度におきましてはこれに相当程度の基金を一般会計から出すことを、今計画しておりますが、お話の点もありますので、農業保険につきまして、早急に根本的解決策を研究してみたいと思うのであります。  なお家畜につきましても、補正予算で審議願つていると思うのでありますが、一応歩余りを家畜関係の方に支出したような状況でございます。いずれにいたしましても、片一方では災害の起らないようにすることを考える。片一方では起つた場合において、その保険料金あるいは災害の認定、そしてまた認定された後の国と農家との負担割合、こういう問題につきましては、御説ごもつともな点がありますので、政府としては早急に検討を加えたいと思つております。
  40. 内藤友明

    内藤(友)委員 大蔵大臣は非常に御親切なお答えでありまして、まことにわが意を得たのでありますが、どうかそのお言葉はお言葉だけではなしに、すぐさま続いて通常国会も開かれることでありますから、おそくとも一、二月ごろまでに、具体的施策をお示し願えますように、この上ともお願い申し上げておきます。と申しますのは、昨年も実はお願い申し上げて、政府委員からわかつたというえらく力強い御返事を得たのでありますが、またずるずるべつたりで、こういう法律が出ざるを得ないような状態になつて来ましたので、そういうことに何度も経験を持つておる私どもでありますから、どうかひとつ今の大臣のお言葉を正味そのまま受け取つて、いろいろ尋ねしたいこともありますが、さしひかえますから、どうぞよろしくその点はお願い申し上げる次第であります。
  41. 池田勇人

    ○池田国務大臣 私は微力でございまするが、本委員会で引受けましたことは実行いたしますから、御了承願いたいと思います。なおごの会計におきましても、来年度におきましては二十五億円の基金を、一般会計から繰入れる予定でおります。二十五億円の基金をこれに繰入れる、こういう考えでおるのであります。引受けた以上は微力ながら努力いたします。
  42. 川島金次

    ○川島委員 今も同僚の内藤委員からもお話がございましたごとく、委員会には会期の切迫しているにかかわらず、次から次に重要な法案を提出されて、とても通常の努力と人員をもつていたしましては、審議し切れない程度の過重なものを提出されて、まことに委員会は迷惑しております。どうも政府はこのごろくせが悪くて、ことにこの吉田内閣が成立以来、特にそういう悪い習慣がついておりますことを、まことに遺憾に存ずる次第であります。どうぞ今後は、その長くない内閣と思いますけれども、こういう理不盡な議案の提出の仕方のないように、私からも特に御注意を喚起しておく次第であります。  そこで私はこの議案には直接関係ないのですが、大蔵大臣があまり委員今に顏を見せることが少いので、その関係お尋ねをいたすのですから、御了承を願いたいと思います。お尋ねの件は二点だけお尋ねいたします。  先般大蔵大臣は私の質問に対しまして、短期、長期資金の金融に関する特別の金融機関というものはつくらない考えである。そういうものをつくるかわりといたしまして、従来の特別金融機関を活用して、金融政策の円滑と簡潔を期したい、こういう意見が大臣がらあつたのでありますが、今日の日本経済新聞紙上に報道されたところによりますと、これは金融の責任者である一万田日銀総裁の談として、今後の日本の財政経済の実態を勘案してみると、どうしても今後は至急に長期金融に関する専門的機関が絶対に必要だ。そういうことでなければ、とても長期金融のまかないはおそらくできない竹あろう。そして日本の経済安定と自立という目標をも達成することが、きわめて困難な実情になるであろうという意味の言明を、新聞紙上でされておるのであります。政府の担当者である大蔵大臣は、そういう特別機関は必要ないと言明し、一方実際の金融機関に携わつている日銀一万田総裁は、そういうことの絶対的必要性を強調しておる。ここに二つの論議が対立しているような形になつて来たわけなんでありますが、この点に対して大蔵大臣の重ねての所見を私は承つておきたいと思うのです。明年度も承れば、超均衡財政を堅持して行くように聞いております。そういうことになれば、自然的にその財政のしわ寄せが金融の面に参りまして、金融問題が今年度以上に、さらに重要性を加えて来る事柄ではないかと懸念をいたしますので、その点をくどいようでありますが、重ねてこの機会に伺わせてもらいたいと思うのであります。
  43. 池田勇人

    ○池田国務大臣 この金融制度の問題は、やはり経済の実情によつて、ある程度かえて行かなければならぬ問題だと思うのであります。従いまして御質問のあつたときの分は、私は主として問題になつておりました農林漁業金融金庫の問題を主題にいたしまして、お答えしたのであります。日本の金融制度をどうするかという問題になりますると、前は、不動産長期金融と商業金融とにわかれておりましたが、それが敗戦後すつかりごつちやになつてしまつて、日本の銀行は商業銀行として再出発することに相なつたことは、御承知の通りであります。ただ日本興業銀行は債券の発行を認められました。しこうして預金は原則として受入れない。こういうかつこうで、一つの長期金融機関としての存在をあれしておつたのであります。しかし何と申しましても、日本興業銀行が長期の金融をいたします場合におきまして、單に自分の資本金を主体にして、二十倍の債券発行ということになりますと、二百億円くらいしかできないというので、昨年御審議を願いましたように、日本興業銀行に見返りから出資してそうして債券の発行限度を四百億円にしようというのであります。しこうしてまたこれにつけ加えまして、今まで不動産長期金融をやつておりました勧銀、あるいは北拓に認め、また特殊金融機関においては、中金、商工に長期金融の意味を持たし、あるいはまた一般金融の意味を持たしたのであります。そこでその後におきまして、農業金融金庫の問題が起つて来たときに、新しい金庫をつくるかどうかということの答えは、私はこういうものについては、新しい金庫をつくるよりも、既存の分でやつて行つた方がいいという考えで申し述べたのであります。しこうして将来の問題としまして、農林漁業金庫につきましては、農林中金を主体にして、長期金融、不動産金融をやつて行こうとしておるのであります。  一般の産業資金としての長期金融をどうするかという問題が、まだ残つております。しかしこの問題につきましては、今でも勧銀、北拓、日本興業銀行が主としてやつております。また市中の銀行も相当の長期金融をやつておるのであります。このままで行くか、あるいは新しい銀行をつくるか、あるいは既存の銀行を改組して、長期金融機関としてはつきり立たして行くかということは問題だと思います。これは私は今検討中でありまするが、一万田君のような考え方もありましよう。しかし一万田君は長期金融機関をどういうふうな形でつくるかということについては、何も言つていないのです。日本興業銀行を改組して長期金融機関にするとか、あるいは別に日本長期金融銀行というものをつくるとか、そういうことは言つていない。考え方としてそういうふうな考え方にあるのであります。私は今すぐつくるということは、ここで言明できませんが、長期金融機関として、日本興業銀行をいま少しくクローズ・アップして、そしてその様子を見て、これをかえるかという問題もあると思います。しかし御承知の通り、日本興業銀行はほとんどの株主が地方銀行あるいは銀行になつております。これを政府機関にするかしないかということは、大きな問題です。株主はきらうでしよう。だから私は責任者として、こういうことは考え方がまとまつてからでないと言いにくいのです。日本銀行総裁は、長期金融金庫がいるだろうという考えのもとに、ああいうふうにしやべつたと思うのでありますが、それならばいかなる形において置くかということは、また検討しなければならぬ、こう言うだろうと思います。私がここで申し上げている程度以上に一万田君の考え方も進んでおりません。私は責任者として、ああいうことはめつたに言わぬことにしております。放言居士といわれますから……。株主その他に影響しますから言いたくない。とにかく預金部から長期資金が出るようになりました。それをどういうふうなかつこうで、どの銀行に使わすかということは、いましばらく様子を見なければなりません。たとえば農林漁業金庫にしても、今五、六十億を計画しておりますが、これだけでいいかどうか、産業の方にはどこの銀行を通じて、どれだけ合理化資金を出すかということは、これからの問題であります。金融業者としては、長期金融機関が必要であるという意見を言うことは必要でございましようが、大蔵大臣が今長期金融機関をどうごうすると言うことは、まだ少し早い、こう思つております。意見はかわつておりません。一万田君の考え方と、私の考え方とはかわつていないと思います。財政金融については私が責任者でありますから、私の考え通りに行かしていただきたいと思うのであります。
  44. 川島金次

    ○川島委員 大分池田さんは自信のほどを見せておるわけであります。私はくどく申し上げるのは差控えたいと思いますが、現在の政府の財政金融政策というものを、一貫して明年度も行くという方針のようであることを前提として、お伺いしているのであります。そういうことになれば、なるほど見返り資金あるいは預金部の活用、それもありますが、現状の日本の経済の安定と復興、自立ということを考えに入れてみた場合に、現状の日本の長期資金に対する需要というものは、財政的な投資だけではとても追つつくものではない。さりとて、またそれを一般的な市中銀行等にだけまかして、完全な安心の行くものではないという現状にあると私は考えている。そういうことになつて参りますと、どうしても特別な長期金融的な機関というものが、大蔵大臣の好むと好まざるとにかかわらず、必要が迫つて来るのではないか。そのことによつて、初めて私はいわゆるドツジ・ラインの一つの突破口もそこに見出されて来て、真に日本国民が考えている経済の安定と自立への突破口が、そこからも打上げられるのではないかというふうに感ずるがために、重ねてこんなことを聞いたわけであります。大蔵大臣は暗に一面においては興業銀行、あるいは中金、商工その他の問題を改組してということを漏らしている。それはやはり大臣の底意には、長期金融機関の考え方を考えなければならぬという一つのものを、どつかに隠しながらでも持つているということの一つの現われじやないか、そう感じて今大臣の言葉を受取つたようなわけであります。  そこで次にお尋ねをこの際いたしたいのは、インベントリー・フアイナンスの問題です。貿易特別会計に今年度は百億、来年度は五百億という厖大な税金が、貿易会計の方へ繰入れられる予定になつて、これは確定されたらしい。この問題について大蔵大臣は、新聞紙上の伝えられるところによれば、このインベントリー・フアイナンスに対していろいろの意見があつたようですが、その意見に基いて、それぞれの折衝を今日までなされて来たのだが、その折衝がうまく行かないで、結局は明年度五百億円一般会計からの繰入れをしなければならぬという結果になつたように、われわれは聞き及んでおるのであります。この問題についてまだわれわれは大蔵大臣のほんとうの考え方というものを、実は不幸にして聞いておらないのですが、このインベントリー・フアイナンスの問題は、日本の財政、さらにひいてはわれわれが支払いまする税金、資本の問題にとつてきわめて重要な事柄でございますので、この際ひとつ大蔵大臣の率直な、この問題に対するところの見解を表明しておいておもえば、まことにわれわれにとつて望外の仕合せだと思いますので、重ねてこれをお尋ねしたいと思うのであります。
  45. 池田勇人

    ○池田国務大臣 私は新銀行をつくるということに、根本から反対ではないのであります。後に御審議願いまする日本輸出銀行、もちろんこれも長期の金融機関であります。私は前からそういうものは必要に応じて設けようと考えており、今後新銀行の設立を考えないということではない。この前の質問は、農林漁業金融のことだからそういうふうに説明したのです。  次にインベントリー・フアイナンスの問題は、財政演説でも申し上げておりますように、インフレの要因がまだ日本には残つておる。しかも朝鮮事変後におきまして、貿易の伸張によりまして、通貨の膨脹が相当あるのだ。それをどういうふうにしてまかなつて行くか。日本銀行の貸出しでどんどんやつて行くということは、少し危険ではないかという議論はもつともな話です。私もそういう気持を持つている。従来の特別会計一般会書から四百億を繰入れたということは、御存じの通りであります。そこで私はインフレを押えつつ、ある減税をして行こうという場合に、片一方で減税、片一方で相当程度にインフレを押える手段としてのインベントリー・フアイナンスは、こういう場合において大蔵大臣としてはとらなければならぬ策だと決心したわけです。朝鮮事変が起らざる限りにおいては、私はインベントリー・フアイナンスはいらぬというのでやつてつたのであります。その後情勢がかわりましたので、通貨の一時的不当な増発ということを押える意味においてやつておるのであります。輸入がどんどんふえて来るということになれば、これはいらないと思います。しかし私の見込みでは、やはり相当輸出が伸びて、輸入が少し足らぬようになるのではないかという気がいたしますので、来年度五百億程度の為替平衡資金と申しますか、インベントリー・フアイナンスということよりも為替平衡資金、こういうふうな気持で組みたいと思うのであります。減税をします以上やつぱりこういう、悪い意味で言えばクツシヨンですが、これは大事をとる意味において方策としていい方法だと考えております。
  46. 竹村奈良一

    竹村委員 私は簡単に一点だけお伺いしたのであります。本日提案されております食糧管理特別会計歳入不足を補填するための繰入れでありますが、これは先般食糧庁長官の話を聞きますと、特別会計には三百五十億から四百億の黒字があるということを言つておられます。法律的な問題は別問題といたしまして、こういう黒字があるのになぜ繰入れをしなければならぬか。これは法律的にはそういうことになるかもしれませんが、しかし一般的な考え方からして、こういう多くの黒字を持つておりながらという疑問があるわけです。これに対して大蔵大臣から御説明を承りたいのであります。
  47. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 これはちよつとこまかい点になりますので、私からかわつて説明を申し上げます。すでに挺案理由において御説明申し上げてあるのでありますが、御承知のように農業共済につきましては、その保険料を農民と消費者がほぼ準々くらい負担しておるわけであります。その消費者が負担いたします分は、一応食糧管理特別会計の収入となりまして、それを食糧管理特別会計が今度の売り払います際に、米麦価格に加算をいたしまして消費者に転嫁するというのが事の建前であります。しかしながら御承知のように、終戦後消費者価格をできるだけ押えるという見地から、この保険料の分につきましては、消費者に転嫁させることなく、これを食糧管理特別会計に負担せしめる。言いかえれば、食糧管理特別会計が負担いたします分を、かわつて一般会計がこれを繰入れる、こういう建前でずつとこのところやつて来ておるわけであります。今回特に増額をいたしまする理由は、二十四年の産麦につきましては、当初麦の共済金額を反当り二千円ということで計算をしておつたのであります。ところが実際にそれをいよいよ引受けるという段階になりました二十四年の暮れにおきましては、反当二千百円、これはパリテイーがかわつて参りました結果として、それに応じて共済金額が上つて参つたわけであります。その結果といたしまして、当初予定いたしておりましたものに若干不足を生ずることになりましたので、これだけのものを繰入れる必要がございます。これは毎年、麦において特にひどいのでありますが、被害の結果が予定以上になります結果として、毎国会においてこの措置を講じて、御承認を得ておるわけであります。
  48. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 大蔵大臣は十二時半から約束の時間があるそうですから、ごく簡単に御質疑願います。
  49. 竹村奈良一

    竹村委員 今の説明はよくわかるのです。そうじやなしに、食管特別会計に三百五十億から四百億の黒字がある。これを一体どうするのか。そのまま置いておくのですか。
  50. 池田勇人

    ○池田国務大臣 御承知の通りに、食管特別会計には昨年百七十億円を一般会計から入れました。黒字と申される意味がどういう意味かわかりませんが、やはり在庫品としてあるのであります。そこでそれを売り払つてどうこうするということになりますと、食管会計のインベントリー・フアイナンスの問題が起つて来るのであります。私はただいまのところそういう在庫品を売り払つて、そうして今の消費者負担の保険料を埋め合すということよりも、それはそれとしてやつてつて、建前は消費者の負担する分を一般会計から出すという今までの法律になつておりますから、その建前をやはり踏襲して行つて補正予算で出した方がいい。食管会計におきまする今までの一般会計からの補給とか、繰入れとか、あるいは操作によりまする在庫品のふえたものは、そのままにしておいて行つていいのじやないか。今それをこれだけ利益があるとか、これだけ在庫品がふえたからといつて、そういうものを使うことは策を得たものではないと考えております。
  51. 米原昶

    ○米原委員 私は大臣がおられるうちにちよつと一つ質問します。先ほど川島君の聞きましたインベントリー・フアイナンスの問題ですが、なるほどおつしやるようなことも言えるかもしれないけれども、一方で減税しているからこういうやり方で行つた方がいいというようなお話がありましたが、補正予算では事実上は税金がふえておるわけです。実際のところとる税金は、ふえておるわけです。そういう形のところにこういうことをやる必要がなぜあるか。インフレ要因がまだなくなつていないということを言われますが、先日の予算委員会における公聽会の資本家側の代表と見られるような方々の意見も、ことごとくこれは借入金でやつてつてけつこうじやないかというのが圧倒的だつたわけでありますが、どうもその点が明らかでないわけであります。一方ではこのインベントリー・フアイナンスのために、今問題になつております年末手当の問題につきましても、三十二億で一箇月分出る予定のものが十六億になつた、平衡交付金八十八億出るものが三十五億になり、災害復旧費五十二億出るはずのものが、四十六億になつたということを聞いておりまするが、そういう犠牲を払わせて行くというやり方が、はたして妥当であるかどうか。どうもインフレ要因と言いましても、それほどのことはないじやないかというふうに考えざるを得ないのです。この点をもつと明確に聞きたいのであります。
  52. 池田勇人

    ○池田国務大臣 いろいろな見方がありましよう。あるいは公聽会でもいろいろな議論がありましようが、私といたしましては片一方減税をし、片一方ではインフレ抑圧の方法をとつて行くのが一番いい方法だと思うのであります。一国の財政経済をあずかつておる以上は、いろいろな人の意見を聞きまするけれども、やはりあらゆる場合を想定して、いかなる場合におきましても国民に迷惑のかからぬように、大事をとつて行こうというのが私の考え方であります。大体日本の実業家その他につきましても、インフレが好きなんであります。もう過去十数年間インフレになれて来ているのであつて、いかにも景気のいいことばかり言つてあとのことを考えないのが欠点だと思うのであります。これはどうもみんなガうまい物を食いたがるのと同じようなもので、みんなうまい物を食わせてくれというが、そうばかりは行かない、少しはがまんしてもらわなければならぬというのが、私の財政政策であります。
  53. 米原昶

    ○米原委員 そういたしますと、まずこれは議論になりますからその点はやめにいたします。結局輸入が増大すればその問題は解決するわけであります。  ところが本日の新聞を見ますと、中共貿易が全面的にほとんどが禁止されるというように出ておる。先日十一月の末でありますが、機械工業連合会から安定本部、通産省の方に要望書が出ております。それを見ますと、中国及び韓国向けの貿易促進の要望書でありますが、相当大量のものの引合いが来ておるという條件もできている。たとえば自動車にしても一万二千台、自転車が一千万ドル、ミシンが四十万台、光学機械が百八十五万円、ディーゼル・エンジンが十二億円というような引合いが来ておるということで、要望書が来ておるわけであります。そうして最近の中国の事情を聞きますと、農地改革が非常に成功しまして、それが日本のような農業の零細化の方向でなくて、農業の過剰人口を工業の建設の方にまわしまして、大きな建設計画——われわれが想像していましたより以上の大きな建設計画が進められておつて、重工業の方面の資材に対する注文が非常に多くなろうとしておる。この問題を解決しなければ、結局今後日本は立つて行けないのじやないかと思つておるときに、本日ああいうものが出ておるのでありますが、日本の輸出制限令等の法令を見ましても、どうしてああいうことができるのか、私にはわからぬのでありますが、その点について説明を願いたい。
  54. 池田勇人

    ○池田国務大臣 私はこの問題についてまだつまびらかにしておりませんから、御答弁申し上げられません。
  55. 米原昶

    ○米原委員 では聞きますが、外国為替特別会計貿易特別会計から二百六十億、一般会計から百億円の繰入れの問題であります。最初は五百億繰入れと聞いておりましたが、これがどういう点で削減されたのであるか、ひとつ説明願いたい。
  56. 河野一之

    ○河野(一)政府委員 貿易会計は今年度末で終りなのでありますが、当初の剰余金が六百四億あると思つてつたのであります。そのうち百四億は予備費に残して、五百億外為に繰入れることにしておりましたところが、貿易会計で持つておる物の値下りとか、あるいは輸出貿易が伸長したために円資金が不足したという関係で、二百六十億しか繰入れられなくなつたということであります。
  57. 米原昶

    ○米原委員 それでは米国日援助物資等処理特別会計法の一部を改正する法律案について聞きますが、海外から買いつけた物資を対日援助物資に振りかえる方針のようでありますが、どういうものが入つて来ることになつておるのか、この点を聞きたい。見返り資金に幾ら繰入れることになりますか。
  58. 佐枝薪一

    佐枝説明員 お答え申し上げます。今度新しい方式で援助物資として受けることが予想されておりますのは、米国産の原綿だけでございます。それからこれはどのくらいの数量、金額が予定されておるかはまだはつきりしませんが、明年の六月までの計画でございますが、金額で言えば大体七、八千万ドルの綿花が輸入され、それが入つて参りますと、それを円に換算して見返り資金に繰入れる、こういうことになります。
  59. 米原昶

    ○米原委員 そうしますと、今まで外国為替特別会計の方のドルで支払つていたものが、こういう形になることになると、ますます外国為替特別会計の円資金が不足することにならないかどうか、聞きたいと思います。
  60. 大久保太三郎

    ○大久保(太)政府委員 お答え申し上げます。対日援助によりまして米綿が輸入されます場合に、最初は外国為替特別会計の保有外貨を用いまして、一応支払いをいたします。その輸入の後に外国為替特別会計に対しまして、相当の外貨が補給されるわけであります。そこでこれを私どもはガリオア・リインヴエストメントと申しておりますが、そういう外貨だけの操作でありまして、円の方には響かないのであります。従いまして、御質問のような外国為替特別会計の円資金が、不足するということはないのでございます。
  61. 米原昶

    ○米原委員 軍の払下げ物資について、これを今までもこの特別会計で扱つていたということがあるようでありますが、これは私今年の春の通常国会のときにも、委員会で聞いたことがあるのであります。その当時は政府から明確な答弁がなかつた。現在町に払下げ物資と称していろいろのものが出ている。チューインガムとかチヨコレートとかカン詰類とか、いろいろなものが出ております。これは相当の分量だと思いますが、どのくらい出ておるか。前に聞いたときには、政府から全然明確な答弁がなかつた。今までこういう払下げ物資は大体どのくらい出ておつたか、これを明らかにしてもらいたい。
  62. 佐枝薪一

    佐枝説明員 軍払下げ物資についてお答え申し上げます。軍払下げ物資といいますと、SIM物資といいまして、米軍の余剰物資の払下げ、米軍の現地の払下げ物資のQM物資、英濠軍の現地の払下げ物資BCOF物資、この三つを総称したものでございます、余剰放出物資というのは、古い軍服その他でございますが、それは衣類が一番多くて、それから古い軍靴、そういうものが主でございます。米軍並びに英濠軍が現地で払い下げる物資は、不要に帰した実にあらゆる種々雑多なものがございます。たとえばスクラツプ類だとか、こわれた車両であるとか、要するに現地の米軍なり英濠軍が使いまして、廃棄処分にしようというものを払い下げて来るわけでございます。当初以来どのくらいこういうものが払い、下げられたかといいますと、これは厳密に計算した数字でなくて、きわめて大ざつぱな数字でありますけれども、大体円に直しまして七十九億程度、現在残つておりますのは二十九億程度、但し残つておりますのは、事変以後米軍の方で逆にこの返還を求めておりまして、一応大部分が凍結されております。
  63. 米原昶

    ○米原委員 たとえば今おつしやいました軍靴の払下げでありますが、今年の春の経済安定委員会で聞きましたときにも、明らかでなかつたのでありますが、当時でもたしか売れなくて、払下げが二百万足近くも残つておるということを承つたことがありますが、そういうものもこの中に入る。結局それも対日援助物資として扱われる。これが見返り資金に積み立てられておるのであるかどうか聞きたい。
  64. 佐枝薪一

    佐枝説明員 払下げ物資は、現在見返り資金の積立てにいたしておりません。
  65. 西村直己

    ○西村(直)委員 ただいま上程中の六案に関しまして、質疑の打切り動議を提出いたします。そうして暫時休憩いたしまして、午後すみやかに再開されんことを望みます。
  66. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 西村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  67. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 それではさようとりはからいます。午後は一時半から会議を開き、採決をいたしますから、必ず御出席を願います。  これにて休憩いたします。     午後零時四十七分休憩      ————◇—————     午後二時九分開議
  68. 小山長規

    ○小山委員長代理 午前中に引続き会議を開きます。  農業共済再保険特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案議題とし、討論に入ります。討論は通告順にこれを許します。竹村君。
  69. 竹村奈良一

    竹村委員 ただいま上程されました本案に対しまして、日本共産党を代表いたしまして賛成の意見を述べます。われわれが賛成いたしますのは、無條件にこのまま賛成するというわけではないのであります。  御承知のように、農業における災害というものは、毎年激増して参つておるのであります。しかもこの激増したところの災害は、単なる天災というには、あまりにも多きに過ぎるのでありまして、その原因を静かに探求いたしますならば、少くとも今日の吉田内閣の農政に対する大失敗が、こういうふうに災害を増大せしめたことを物語つておるのであります。それは本国会においても見られる通りに、本臨時国会の召集にあたりまして、農林大臣は、口を開ければわれわれ野党側の早期開会要求に対して、少々時期は遅れても、興農国会にするのだと言明しておつたのでありますが、あにはからんや本臨時国会が開かれましても、われわれ野党側の見解からするならば、少くとも本臨時国会を通じて、農業に対する何らの根本的な施策の跡を見ないのであります。しかもこの農業共済再保険という形における根本的な対策樹立ということが、毎国会政府の言明でありますけれども、本国会におきましては、何らその跡を見ないのであります。しかも先ほど申しました災害の増大というものは、たとえば災害復旧費が十分でないこと、あるいはその他万般のことをしてこういう災害が増大するのでありますから、われわれは現在の瞬間においては本法案には賛成いたしますが、それに続いてもつと今後こういうものに対するところの根本的な方策を樹立することを、まず第一の條件として、第二には現在農業共済連合会におきますところのもろもろの赤字というもの、これは農村に対する施策の欠陥から生じたのでありますがゆえに、この赤字の全額を政府におけるところの負担の方法を樹立して、少くとも今度の通常国会においては、二十億以上に上るところの赤字の決済を、政府の責任においてやるということを條件といたしまして賛成するものであります。
  70. 小山長規

    ○小山委員長代理 川島君。
  71. 川島金次

    ○川島委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題になつておりまする農業共済町保険特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案については、ただいま共産党の委員からも申されました通り、この農業共済に関する根本的な対策樹立を再検討する段階になつておるということは、昨年当大蔵委員会においてもきわめて熱心に論議され、当局もまたその事柄について考慮を約されておるはずであるのであります。しかるにそのことがいまなお行われずして、同じことを繰返しておるようなこの形に対しましては、われわれは必ずしも賛成しがたいのでございますが、当面実際的な必要の点もございますので、一応賛成の意を表する次第であります。  詳しくは前大蔵委員会におきましても、わが党を代表して私からるる具体的に申し上げてありますので、この機会に詳しい討論は省略いたしまして、本案に條件付で賛成するものであります。
  72. 小山長規

    ○小山委員長代理 田中君。
  73. 田中啓一

    ○田中(啓)委員 私は自由党を代表いたしまして、ただいま議題になりました本案に、賛成の意を表するものであります。  本改正の趣旨は、本年当初より悪條件が重なりまして、本来政府の負担すべきところの異常災害が多かつたために、その不足金を一般会計より繰入れんとするものでありまして、趣旨きわめて明白でございますので、賛成をいたすわけであります。  なおこの保険制度には相当の欠陥がございまして農業保険組合連合会におきましては、年々赤字が累積しつつあるような状態でございまして、これに対して何らかの根本的な改正をすることは、きわめて必要なことと存じます。先ほど質疑応答の際、大蔵大臣がその点に関して言明をされましたことについては、全幅の期待を持つておるわけであります。  これをもつて賛成の討論といたします。
  74. 小山長規

    ○小山委員長代理 天野久君。
  75. 天野久

    ○天野(久)委員 民主党を代表して本案に賛成をするものであります。しかして日本の食糧事情から申しまして、農家の保護ということは最も重要なことでありまして、補填金を今回増額されるということでありますが、なお一層この法案に対して、農民に対する遺憾なきを期していただく希望を申し上げて、賛成といたします。
  76. 小山長規

    ○小山委員長代理 これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。     〔総員起立〕
  77. 小山長規

    ○小山委員長代理 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。     —————————————
  78. 小山長規

    ○小山委員長代理 次に食糧管理特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案議題とし、討論、採決に入ります。討論は通告順によります。川島君。
  79. 川島金次

    ○川島委員 私は日本社会党を代表いたしまして、本案に條件付な賛成をいたすものであります。  この食糧管理特別会計歳入不足の補填の問題につきましては、これまた従来しばしば論議が重ねられて来たのであります。ことに食管の内容等につきましては、世上往々にして疑惑視される点も必ずしも少くなかつた事態等にかんがみまして、政府はこの食糧管理特別会計運営について、さらに特段の研究を要する点が大いにあるんではないかと思うのであります。どうぞ今後この特別会計運営について、国民の負担に関係するところきわめて重大切実なものがありますので、一層の注意を私どもはこの機会に重ねて喚起いたしておきたいのであります。  以上をもちまして強い希望をつけまして、本案に賛成をいたしておくものであります。
  80. 小山長規

    ○小山委員長代理 竹村君。
  81. 竹村奈良一

    竹村委員 共産党を代表いたしまして、本案に対して反対いたします。  その理由とするところは、共済掛金を全額国庫負担とするということについては、われわれは異存はないのでありますけれども、本案のごとくいろいろな形において食管特別会計へ繰入れられ、しかもそれからまた払いもどすというような方法をとられるわけでありますけれども、この食管特別会計に対する経理その他の面について、これは別の機会にも申し上げたいと思うのでありますが、いろいろな点において疑問を持つているので、こういう方法に対しましては、わが党は反対するものであります。
  82. 小山長規

    ○小山委員長代理 田中君。
  83. 田中啓一

    ○田中(啓)委員 私は自由党を代表いたしまして、本案に賛成をするものであります。  本案は農業共済掛金の一部が、食糧の消費者負担となつているのでありますが、昭和二十五年からはこの消費者の負担部分を、一般会計において負担することになつたわけであります。従いまして、これは年々一般会計より特別会計を通じ、さらにこれを保険特別会計へ繰入れて行くのでありまして本年年度途中におきましてその変更を生ずる必要ができましたのは、それは保険の金額は、すなわち政府の米の買入金の価格でございますが、パリテイーの指数の上昇等によりましてこれが増加いたしまして、従つて保險金額が増加する。そこでそれの不足分というものを一般会計から特別会計に繰入れ、さらに保険会計に繰入れるわけであります。これはまことに当然のただ事務手続をなさんとするものでございまして、それに対してのいろいろの論はすべて当らぬところでありますので、本案は無條件賛成でございます。これをもつて討論の趣旨といたします。
  84. 小山長規

    ○小山委員長代理 天野君。
  85. 天野久

    ○天野(久)委員 私は民主党を代表いたしまして、本案に賛成するものであります。  先ほど川島君からもお話がありましたが、食糧管理に対してはとやかくのうわさがありますが、そういうことのないようにすることとともに、また一方において今の世界情勢から見まして、日本の食糧問題というものは非常に重要なものでありまして、これに対しては政府国民ともに関心を持つて、わが国がいかなる場合に立ち至つても、食糧の不足を来さないようにいたさなければならぬ。かるがゆえに、この補正予算いわゆる歳入補填ということに対しても、これは余儀ない事情のもとにできているものだと存じ、賛成いたします。
  86. 小山長規

    ○小山委員長代理 これにて討論は終局いたしました。  これから採決に入ります。本案は原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕
  87. 小山長規

    ○小山委員長代理 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。     —————————————
  88. 小山長規

    ○小山委員長代理 次に食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案議題とし、討論採決に入ります。討論は通告順に従います。竹村君。
  89. 竹村奈良一

    竹村委員 私は日本共産党を代表いたしまして、ただいま上程されました食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案に対しましては、反対の意見を申し述べるわけであります。  これはいろいろ消費者価格との関係はあるのでありますが、先ほども申しましたごとく、現在におきますところの食管特別会計におきましては、先般来新聞等におきましてもいろいろ伝えられておりますごとく、この運営の面においてあるいは冗費に流れ、あるいはその他いろいろな運賃の二重、そういうような問題等を通じていろいろ問題があるのであります。しかも今日生産者価格と消費者価格との差は実に厖大でありまして、しかもこの厖大な差額の中から一切が補われているのではなしに、また一般会計からもいろいろな形で繰入られておるというような面を見ましたときに、單に消費者価格を安くするためだというだけでは、この問題を解決でき得ないとわれわれは考えるわけであります。この意味合いからいたしまして、わが党はこれに対して反対するわけであります。
  90. 小山長規

    ○小山委員長代理 川島君。
  91. 川島金次

    ○川島委員 私は日本社会党を代表いたしまして、これまた政府に強い注意を喚起しまして、本案に賛成するものであります。  先ほども申し上げたのでありますが、この食管会計につきましては、ややもするとその運営がずさんに流れ、さらに進んでは国民的了解に苦しむような事態が生ずる面も往々にしてあるのであります。そういう事柄に対しまして、われわれは断固政府の注意を促し、国民の血税の運営については、最も愼重かつ重視の上に立つて運営をはかることを、さらに強く要望いたしまして、本案に賛成をするものであります。
  92. 小山長規

    ○小山委員長代理 田中君。
  93. 田中啓一

    ○田中(啓)委員 私は自由覧を代表いたしまして本案に賛意を表するものであります。  本案は、輸入食糧を食管特別会計が買い入れます際に、従来は貿易特別会計において、すでに価格調整補給金を繰入れまして、横浜着の価格と、政府が内地食糧を買い入れております価格とをほぼ同じにいたしまして、そこから食管特別会計は食糧を買い入れておつたのでありますが、その方式を今回かえまして、価格差補給金を本食管特別会計が直接繰入れまして、調節に当らんとするだけでありまして、いわばきわめて形式的な手続がかわつただけであります。しかもそれは貿易特別会計というものがかわりましたのに応じて、かわつて来るだけのことでございましてその他には何にも意味はございません。当然国の事務を扱つておるものがやらなければならぬ手続を実現するがために、本会計法の一部を改正するものでありまして、そういうものに対して、実は反対も賛成もほとんど論議の余地はないことであろうと思うのでありますが、それを反対される理由はさらにわからぬのでございます。さような趣旨におきまして、私は本改正案に賛意を表する次第であります。
  94. 小山長規

    ○小山委員長代理 天野君。
  95. 天野久

    ○天野(久)委員 私は民主党を代表いたしまして、本案に賛成するものであります。  先ほど御説明のように、ただ管理の移管というような形であつて、内容においてかわりはないが、ここに民間貿易というものが出て来ます。そこで輸入食糧が高くて、国内の食糧が安い、こういうことに対しては、やはり考えなければならない問題であると思います。日本の食糧と外国の食糧とが違うということについて、日本の農民がそれだけ苦労しておることを考えなければならぬ。この点について価格差が生じないようにいたさなければならぬということを考える次第であります。脚本案に対しては賛成いたします。
  96. 小山長規

    ○小山委員長代理 これをもつて討論は終局いたしました。  これより取決に入ります。本案を原案の通り採決するに賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕
  97. 小山長規

    ○小山委員長代理 起立多数。よつで本案は原案の通り可決いたしました。     —————————————
  98. 小山長規

    ○小山委員長代理 次に、郵政事業特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案議題とし、討論採決に入ります。討論は通告順によつてこれを行います。竹村君。
  99. 竹村奈良一

    竹村委員 本案に対しまして、日本共産党を代表いたしまして反対するものであります。  本法案は、いわゆる給与べースの改訂に基く、郵政事業に対するところの一般会計から繰入れる問題でありまして、手続上から申しますならば、あえて反対するものではないのであります。もう一つは、いわゆる公務員の給与の問題でありますが、わが党といたしましては、現在の給与ベースの改訂には全面的に反対いたしております。ああいう僅少な改訂、しかもあの改訂に盛られたところの、上に厚く下に薄いという改正案に対しましては、根本的に反対しておる関係上、本法案に対しましても、そういう根本法が改まらない限り、これだけでは十分でない。しかもこの給与の改訂というものは十分ではないという建前からして、本案に対しては反対するものであります。
  100. 小山長規

    ○小山委員長代理 川島君。
  101. 川島金次

    ○川島委員 私は日本社会党を代表しまして、この案に対しましても政府に強い要望を付して、賛成をいたすものであります。  元来わが党は、今回の政府の公務員の給与ベース改訂等の問題につきましては、原則的には反対をいたしたのであります。なぜ反対をいたしたかということは、すでに本会議等において明らかになつておりますので、この際とかくの論議をいたしますることを省略いたします。しかし年末当面の問題にさしあたつて、しかも郵政事業に携わる多くの従業員が現実的に受ける給与の問題それ自体に対して、これにしいて反対をいたしますることはいかがかと存じますので、給与そのものの本質に根本的には反対の立場をとつておりまするが、若干でも従業員の困難な経が救われる問題に関連のある法案でありますので、現実的な処理をするという建前から本案に賛成をする。但し今日の公務員大衆の生活の事態にかんがみまして、政府はすみやかにこの公務員一般の給与ベースの再改訂を行うことを、われわれは強く要望いたしまして、本案に賛成をするものであります。
  102. 小山長規

    ○小山委員長代理 三宅君。
  103. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 私は自由党を代表いたしまして、本法案に賛意を表するものであります。  郵政事業は、御承知の通り全国津々浦々に広がつております事業でありますから、非常に経費もかかり、また努力を払つておるような次第であります。今般の補正予算におきまして、賃金ベースの改訂とか、あるいは臨時手当等の処置によりまして、わが党といたしましては、そういうような大勢の従業員に便益を与えたい、こういう意味においてこの法案に対する整備をいたしたわけでありまして、ここに十二億円の歳入不足を生じましたから、一般会計から繰入れることは、当然過ぎるほど当然であるということを感じておるような次第でございます。なおこれは独立採算をもとといたしておりますから、余裕金が生じた場合においては本会計に繰入れるということになつておりますので、本法案に対しましては、自由党は全面的に賛成をいたす次第であります。
  104. 小山長規

    ○小山委員長代理 天野君。
  105. 天野久

    ○天野(久)委員 私は民主党を代表いたしまして本案に賛成するものであります。  申すまでもなく、この郵政事業はわが国の血管のごときものであつて、津々浦々まで連絡をいたしておらなければならぬ。そこで現状は、終戦後非常にこの事業がなめらかな運行になりつつありますが、しかしいまだその従業員に対する給与は、それと相伴わないというような形があります。従つて歳入不足を補填いたしてこれら従業員に支給いたすことは、まことに最も当を得たことであります。しかし全逓の中には、ややもすると事を構えて混乱しようというような人が、いまだなきにしもあらずでありますから、給与は給与として十分与え、しかしてわが国の文化発展の連絡をいたしますこの郵政事業に対しては、従業員に対しあたたかき恩情を与えて、そうして文化促進のために、この郵政事業を有効に使うようにいたさなければならぬと存ずるのであります。従つて本案に対しては賛成いたします。
  106. 小山長規

    ○小山委員長代理 これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕
  107. 小山長規

    ○小山委員長代理 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。     —————————————
  108. 小山長規

    ○小山委員長代理 次に、外国為替特別会計の資本の増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案議題とし、討論採決に入ります。討論は通告順に従います。苫米地君。
  109. 苫米地英俊

    ○苫米地(英)委員 本案は、わが国の経済自主性を築く上におきまして、必要なるその一環をなす法案でございます。わが国の経済自主性を得るがためには、外国貿易の振興ということがきわめて必要であり、近年年とともに貿易が進展して参つたことは、御同慶にたえないところでございます。しかして昨年すなわち昭和二十四年度から今日まで、急激に輸出貿易が増加いたして、外貨の手持が急激に増加いたして来ましたことは、その貿易伸張の一証左でありまして、慶賀にたえないところでありますが、これがために円資金の予算が不足して参つて来たのは、やむを得ないことであると存ずるのであります。昨年度におきましては、その不足金を日銀から信入れをやつてまかなつてつたのでありますが、現在日本の經済安定のためには、大蔵大臣も言うておられるように、一方において減税をし、他方においてインベントリー・フアイナンスをやつて、日本に現在潜在しておるところのインプレーシヨンを押えて行かなければならない。この立場からいたしますならば、昭和二十四年のごとくに借入金をもつてこれをまかなうということは、健全な行き方ではないのであります。そこで先般例のユーザンスの制度が確立せられまして、それから百十三億の金が本特別会計に繰入れられまして、これによつて困難が著しく緩和されて参つたのであります。ついででありますが、このユーザンスの制度も、これは場世界金融の上から見ればまことに変態な制度でありまして、これは国際貿易に使われるユーザンスのごく片鱗が現われておるだけのものでありますので、この点については一日も早く国際貿易上の正常なユーザンスが確立されることを希望いたすものであります。  かくのごとくいたしまして、先ほど申し上げました百十三億が繰入れられて、困難が緩和されましたけれども、なお本特別会計において、この会計貿易特別会計から二百十六億円を入れても、なお百億円の不足を生ずるわけであります。従つてその百億円をこの特別会計に繰入れようとする本案は、まことに当を得たものでありまして、自由党はこれに賛意を表するものであります。
  110. 小山長規

    ○小山委員長代理 川島君。
  111. 川島金次

    ○川島委員 私は本案に対しましては、社会党を代表いたしまして断固反対をいたすものであります。  この法案の意味するものは、今日日本の財政經済にとつてきわめて重視され、また問題になつておりまするインベントリー・フアイナンスにかかわることの密接な法案であるのであります。政府は極力日本經済の実態に即して、まず何はともあれ財政の規模を縮少し、そうして国民負担の軽減をはかるということを、吉田内閣の最も重要な一枚看板といたしておるわけである。しかるにかかわらず、この特別会計一般会計からの繰入れを今回は百億円、さらに明年度におきましては五百億円を繰入れるということが、ほぼ確定をいたしておるとわれわれは承知いたしておるのであります。この問題について、午前中私は当面の池田蔵相にその所見を尋ねましたところ、蔵相の説明によれば、今の段階ではこの種のことを行わなければ、インフレの危險があるからだというだけの説明が大部分でありました、今日の日本経済の実態を見、また国民生活の実相を把握いたしまして、われわれが勘案いたしました場合、この事柄を行うことによつて、なるほど著しいインフレへの一つのブレーキとなるという論拠は、一応うなずけるのでありますが、この五百億円の問題が、ただちにもつて今日の経済の実態からいつて、著しくインフレに拍車をするという事柄を、あまりに政府は神經質に今日考え過ぎているのではないかと私は思うのであります。元来特別会計というものはその本則として、できるだけ特別会計内におけるところの独立的な採算を行い、なおかつ不足の場合には借入金をもつてするということが、私どもは常態であるべき筋合いであろうと考えておるのである。この特別会計一般会計すなわち国民の血税で百億円を繰入れ、また明年度も同じくさらに五百億円という巨大な額を繰入れるということと、政府の称しておりまするところの財政規模の縮小、及びこれによるところの国民の負担の大幅な軽減ということとは、非常な矛盾をここにはらんでおるということを、見のがすことはできないのであります。今日政府の言うところによれば、生産が増大し、国民生活はやや安定回復をいたしたということが事実であるとすれば、このインベントリー・フアイナンスを廃止いたしましても、それがただちに日本の経済のインフレイ要素となつて、大きな弊害を与えるという事柄にはならないと、今日の段階では、私どもは考えておるのである。しかも国民の血税である乏しい財政の中に、あえてこの事柄を行おうというこの政府の方針に対しましては、われわれは従来からも断固反対の意を表明いたしておる次第であります。しかも最後に申し上げたいことは、インフレの問題は大体において物の不足、そして通貨の膨脹にあるということが、インフレの一つの大きな原因であるとわれわれは考えておるのでありますが、今日すでに生産はやや増大し、しかもそれによつて物の不足ということはかなり緩和されておる今日である。そういうことを考えてみましたときに、このような事柄をしなければディス・インフレの事柄ができないのだという政府の考え方には、われわれは賛意を表しがたいのであります。むしろこういうことによつて、かえつて逆に国民経済を圧迫し、最大限に行うべきところの減税も行えない。そうして中小企業のごときは深刻な金融難にあえいで、将棋倒れに倒れんばかりの困難な実情に当面しておる、こういう形であるのであります。従つてこういう問題については、政府はもう少し積極勇敢にその所信の上に立つて、この種の問題の解決に当るべき気魄を、私は必要とするのではないかと考えておるのであります。  以上のような理由によりまして、わが党は本案に対しましては、断固反対の意を表明しておくわけであります。
  112. 小山長規

    ○小山委員長代理 米原君。
  113. 米原昶

    ○米原委員 私は日本共産党を代表しまして、外国為替特別会計に対するこのインベントリー・フアイナンスをやろうとするところの法案に、反対の意見を述べるものであります。  今国会の最初にあたりまして池田大蔵大臣は、朝鮮事変以来の特需によつて、相当経済状態が復興に向いつつあるかの、ごとき演説をなさつたのでありますが、実はその特需景気なるものが、いかなる影響を日本の財政面に与えて来ておるかということが、この法案にはつきり現われておると考えるのであります。特需によつて非常に輸出が増加して、外貨の手持が増加した。ところがその結果はどういうことになつておるか。一方では世界資本、主義諸国における軍備拡張計画が推進されますにつれて、輸入の方がまつたく杜絶するような状態になつて来ております。その結果がこういうインベントリー・フアイナンスを行わなくてはならぬという事態、しかもそれが結局は、国民の血税をこの中に百億円繰入れるという結果になつて来ておるのであります。しかも今日の新聞紙上に見られますように、産業界でも多数の要望があるところの中共貿易は、この事変の影響として、逆にこれを禁止するというような方向に向いつつあります。最近の中国の事情は、聞くところによれば非常な産業復興が行われて、日本の大産業に対しても多くの注文が来ておる状態であります。こういうころにどんどん農業機械なりトラクターなりを輸出するという形に持つて行ければ、国民が待望しておるところの鉄鉱石にしても、開らん炭にしても、どんどん入つて来る。そういう形になつて行けば、こういう状態にはおそらくならないと思うのでありますが、そういう方向に政府の政策が向わずに、昨日の外務委員会において、吉田首相が述べられましたような向米一辺倒の政策が、ますますこういう破壊的な結果になろうとしておるのと、この百億の繰入れの結果、今回の補正予算においても予定された年木手当が半分に削減され、問題になつておりますところの平衡交付金につきましても、八十八億の予定のものが三十五億に削減される、災害復旧費も削減される、こういう結果になつておるところを見ましても、われわれはこういう政策には絶対に反対せざるを得ないのであります。
  114. 小山長規

    ○小山委員長代理 天野君。
  115. 天野久

    ○天野(久)委員 私は民主党を代表いたしまして、本案に反対するものであります。  先ほど川島君その他から、るるお話がありましたので、詳細な説明は省きますが、まず一般会計、いわゆる国民の血税より百億円の繰入れは、今の日本の現状におきましては、まことに悲しむべきことだと思います。百億円の金がありまするならば、今国内において、もつとこれを有効に使わなければならない、使つてもらわなければならない面が多数あるでありましようし、それからまた、この会計の資本増加は輸入をはかるものでありましようが、輸出を盛んにいたしまするならば、この必要もなくなるだろうと考えます。従つて私は本案に対しては反対をいたします。
  116. 小山長規

    ○小山委員長代理 これにて討論は終局いたしました。  これより採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君は、御起立を願います。     〔賛成者起立〕
  117. 小山長規

    ○小山委員長代理 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。     —————————————
  118. 小山長規

    ○小山委員長代理 次に米国日援助物資等処理特別会計法の一部を改正する法律案議題とし、討論採決に入ります。討論は通告順によります。苫米地君。
  119. 苫米地英俊

    ○苫米地(英)委員 米国日援助物資等処理特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、私は自由党を代表して賛意を表するものであります。  その理由は、これは去る十一月日本政府に最高司令官からスキャップ・インとして指示せられたものに基いた、米国日援助物資処理特別会計の取扱い方法を規定するところのものでありまして、深い議論は必要としないと思うのであります。ただここに一言申し添えたいと思いますことは、この法案はまことに司令部の日本に対する好意から、出発しておるものであるということであります。すなわち政府貿易におきましては、米国側で適当に品物を選んで、それを日本に持つて来る。日本はそれをただ黙つて受取るほかなかつた状態であります。その品物のよいか悪いか、高いか安いかというようなことは問題とせられなかつたのでありますが、今度民間業者が輸入をきめろときには品質を選択上、それに適当な値段の折合いがつきまして、初めて輸入計画が立てられる。その民間で選択し協定せられた品物を、対日援助物資として取扱われるということでありますので、これはわが国の貿易に寄与するところが非常に多いということであります。但し政府説明を聞きますと、これは米綿に限られた取扱い方法だということでありますが、この法案を見ますと、きわめて一般的に書かれておつて、商品においても多種多様であり、対外関係においても、米国以外の諸国をも含むかのごとき印象を受けるのでありますが、現実はそうでないということがはつきりいたしております。しかし現在はそうでありましても、政府の努力によりまして、この文字の面に現われているように、普遍的なものに一日も早く拡大されることを希望いたすものであります。以上をもつて賛成討論を終ります。
  120. 小山長規

    ○小山委員長代理 川島君。
  121. 川島金次

    ○川島委員 私は本案に対しまして、一つ條件を前提としての立場で賛成をするものであります。  この米国日援助物資等処理特別会計法の一部を改正されようとする政府説明は、われわれもともとと了承いたしておるものであります。ただこの際重ねて問題に取上げておきたい事柄は、従来の対日援助というものがはたして無償のものであるのか、あるいはまた将来その援助を換算されて、日本の独立後における負債となつて、それを返還しなければならぬものかということについては、国民ひとしく懸念をいたし、重税しておるところであることは、しばしば本国会においても論議を繰返されたところであります。これに対し、政府説明によりますれば、援助は最後まで援助だということにも受取らるるような説明であり、また半面、そうでない意味に受取れるような意味の話も、必ずしもなかつたのではないのであります。われわれはこの対日援助と明確に日本文字で明記されております以上は、この日本の文字をそのまま受取りまして、援助そのものであるという考え方で、これを受取りたいと考えるのであります。従つてこの特別会計法の改正案につきましても、以上の趣旨をわれわれは前提といたしまして、そうしてこの案に賛成をいたしておくものであります。
  122. 小山長規

    ○小山委員長代理 米原君。
  123. 米原昶

    ○米原委員 私は日本共産党を代表しまして、本法案に反対の意見を述べるものであります。  この米国対日援助の問題につきましては、わが党はしばしば本委員会におきましても、反対意見を述べて来たのでありますが、基本的な点は、ただいま川島君も指摘されましたが、これが対日援助という名のもとに、事実上は日本の經済を外国資本の手に完全に握らせ、日本を隷属化する上に使われて来ておるというところに、われわれの反対論があるのであります。その甚大的性格が本案によつてもかわつていたいという意味において、われわれはその根本的な点から反対するのであります。民間業者が民間貿易によつて海外から買いつけた物資を、今までとはかわつた形で対日援助物資に振りかえるという点は、部分的には確かに改善であつたとも言われますが、一方では、のあとの方に指摘されておりますように、軍払下げ物資と称するもの、これについては、たとえば日本の国内ではまつたく売れないような軍靴とか、こわれた車両というようなものまでも含まれて来るという形では、依然として同じ性格を持ち続けておるという立場から、われわれはこの法案には反対するものであります。
  124. 小山長規

    ○小山委員長代理 天野君。
  125. 天野久

    ○天野(久)委員 私は民主党を代表いたしまして、本案に賛成するものであります。  ただこの法案の説明を見ますと、民間貿易と対日援助物資との振りかえができるということになつておりますが、在来往々にしてこの物資の動きに対しては、ややもするといろいろな問題を起しやすいものであります。対日援助物資は先ほど川島君が言うがごとく、借りたものかあるいはもらつたものかわからないというような形であつて、向うから押しつけられたそのままのものを受取つておる。また民間貿易ははつきりと値段をきめ合つて買わなければならないものである。そのもともと性格のかわつた、価格の違つたものの交流においては、よほど政府当局はこれに留意をいたして、問題を起さぬようにいたさなければならないことをつけ加えて賛成いたします。
  126. 小山長規

    ○小山委員長代理 討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。本案を原案通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  127. 小山長規

    ○小山委員長代理 起立多数、よつて本案は原案の通り可決いたしました。
  128. 川島金次

    ○川島委員 議事進行について……。本日公報に公示されました本委員会に付託された法案は、大体これで終了をいたしたわけであります。しかるに、聞くところによりますと、明日何かまた本委員会に重要な法案が付託されるやに聞き及んでおるのでありますが、その事柄について委員長が何か御承知の事柄がありますれば、この際公式にお示しを願つておきたい。
  129. 小山長規

    ○小山委員長代理 お答えいたします。委員長はまだそのことを承知しておりません。
  130. 川島金次

    ○川島委員 さらにそれではお尋ねをいたしたいのですが、本委員会がわずかな期間において実に多くの法案を、しかもいずれも国民の財政經済に重要な関係のあるそれぞれの法案を、与党はもちろんでございますが、われわれ野党もこれに対してすなおに積極的な協力をいたしまして、本日大体のところ終了を見たわけであります。この事柄はいかに多数の与党諸君といえども、われわれ野党の熱意ある協力に対しては、了承をしておるところであろうと思う。しかるに今お尋ねをいたし凹ましたように、聞くところによれば、明日卒然として重要な法案が出るやにわれわれは聞き及んでおるのであります。しかも会期は明日で終りとなる。このようなときに、もし今晩もしくは明日突如としてわれわれの伝え聞くような重要法案が、この委員会に付託されるようなことがありました場合に、与党並びに委員長の代理である小山君はどういう取扱いを本委員会にとるのであるか。そういう事柄についてまずあの所見をわれわれは承つておきたいと思います。
  131. 宮幡靖

    宮幡委員 ほんとうなら川島委員の御質問に対し、委員長の所信を述べていただく方が先であろうと思いますが、しかし前段川島委員からくれぐれもお話のありましたように、第一国会以来の大蔵委員会の伝統をとうとび、野党各派からまつたく涙ぐましい御協力を賜わりまして、短期間にこれだけの法案をあげることができた。これはしいてお礼を申せと催促せられないでも、こちらから頭を下げなければならないものである、かように考えております。  続いて議事進行の御発言でありますが、これにつきましては、小山委員長代理はまだ聞き及びにならぬということでありますが、情報としてはさようなことも漏れ聞いております。この点につきましては委員長と御相談の上、至急内閣官房に御連絡をいただきまして、あるいは終戦連絡事務局等に御連絡をいただきまして、法案に対する関係方面との折衝状況、その見通し等を確かめられたい。一応委員会を休憩せられ、再開の上、それらについて十分御協議を賜わるようにおとりはからいをいただきたいと存じます。
  132. 小山長規

    ○小山委員長代理 ただいま川島君から委員長としての答弁を求められましたが、委員長の考え方は、ただいま宮幡委員の申されたこととまつたく同一であります。そのようなうわさがあるといたしますならば、それぞれの機関に連絡をいたしまして、その上で申し上げたいと思います。その間暫時休憩いたしまして、理事会を開き、御協議を申し上げたいと思います。  なお先ほど来の討論採決を終りました六法案に対する報告書の作成、提出手続等につきましては、委員長におとりはからいを御一任願いたいと存じます。が、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  133. 小山長規

    ○小山委員長代理 それではさようとりはからうことにいたします。  暫時休憩をいたします。     午後三時二十一分休憩      ————◇—————     〔休憩後開会に至らなかつた〕