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1950-12-04 第9回国会 衆議院 厚生委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十二月四日(月曜日)     午後二時十分開議  出席委員    委員長 寺島隆太郎君    理事 青柳 一郎君 理事 金子與重郎君       中川 俊思君    松井 豊吉君       丸山 直友君    亘  四郎君       清藤 唯七君    柳原 三郎君       堤 ツルヨ君    福田 昌子君       渡部 義通君    松谷天光光君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局長)  河野 一之君         厚生政務次官  平澤 長吉君         厚生事務官         (薬務局長)  慶松 一郎君         厚生事務官         (保険局長)  安田  巖君         厚 生 技 官         (医務局長)  東 龍太郎君  委員外出席者         厚生事務官         (医務局次長) 久下 勝次君         厚生事務官         (薬務局薬事課         長)      中村 光三君         専  門  員 川井 章知君         専  門  員 引地亮太郎君         専  門  員 山本 正世君     ――――――――――――― 十二月一日  委員木村榮辞任につき、その補欠として林百  郎君が議長指名委員に選任された。 同月二日  委員林百郎君辞任につき、その補欠として渡部  義通君が議長指名委員に選任された。 同月三日  委員田中元君及び松永佛骨辞任につき、その  補欠として小玉治行君及び今村長太郎君が議長  の指名委員に選任された。 同月四日  委員小玉治行君及び今村長太郎辞任につき、  その補欠として田中元君及び松永佛骨君が議長  の指名委員に選任された。 同日  松永佛骨君が理事補欠当選した。     ――――――――――――― 十二月二日  国立療養所天龍荘断層写真機設置請願(足  立篤郎紹介)(第二一四号)  医療法の一部改正に関する請願大石ヨシエ君  紹介)(第二一五号)  療養所における病床回転根本対策に関する請  願(福田昌子紹介)(第二一六号)  看護婦既得権者に対する甲種看護婦国家試験免  除に関する請願寺島隆太郎紹介)(第二一  七号)  同外一件(大石ヨシエ紹介)(第二一八号)  同(橘直治紹介)(第二二〇号)  同(林百郎君紹介)(第三〇六号)  同(柄澤登志子君)(第三〇七号)  同(福田昌子紹介)(第三〇八号)  同(松谷天光光紹介)(第三〇九号)  遺族年金支給に関する請願外二十一件(高橋等  君紹介)(第二二一号) 同月三日  看護婦既得権者に対する甲種看護婦国家試験免  除に関する請願岡良一紹介)(第三四〇  号)  同(門脇勝太郎紹介)(第三八〇号)  同(大石武一紹介)(第三八一号)  国民健康保険に対する給付費国庫負担請願(  坂田英一君外一名紹介)(第三四一号)  日南海岸国立公園指定請願外二件(田中不破  三君紹介)(第三八二号)  遺族援護強化に関する請願川野芳滿紹介)  (第三八三号)  一般保健婦身分保障に関する請願福田昌子  君紹介)(第四一四号) の審査を本委員会に付託された。 同月二日  らい療養所病床増設に関する陳情書  (第一一六  号)  看護婦養成所に対する国庫補助陳情書  (第一  一八号)  はり、きゆう、あん摩、マツサージ健康保険  扱いとする陳情書  (第一四二号)  保健所支所設置費国庫補助陳情書  (第一四九号)  鹿児島県下南薩地区国立療養所設置陳情書  (第一五  〇号)  児童福祉法実施に関する国庫補助制度確立の陳  情書  (第一八三号)  遺族援護に関する陳情書  (第  一九〇号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  小委員補欠選任  健康保険法の一部を改正する法律案内閣提出  第三号)  薬事法の一部を改正する法律案内閣提出第一  八号)(予)  毒物及び劇物取締法案内閣提出第一九号)(  予)  癩の療養改善問題に関する件     ―――――――――――――
  2. 寺島隆太郎

    寺島委員長 これより会議を開きます。  まず理事及び小委員補欠選任の件についてお諮りいたします。理事及び看護婦制度に関する小委員松永佛骨君が、昨三日に委員辞任いたされましたので、現在理事及び看護婦制度に関する小委員が欠員となつております。ただいまこの補欠選任を行いたいと存じますが、本日再び委員に選任せられました松永佛骨君を、理事及び看護婦制度に関する小委員に再び選任するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 寺島隆太郎

    寺島委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。     —————————————
  4. 寺島隆太郎

    寺島委員長 まず薬事法の一部を改正する法律案毒物及び劇物取締法案の両案を一括して議題とし、質疑通告順によつて、これを許します。丸山直友君。
  5. 丸山直友

    丸山委員 毒物及び劇物取締法に関し、二、三の質問を試みたいと思います。本法案のねらつておりまする目的は、私どもよく了解せられるのでありますが、これが運用にあたりましで、農薬その他を含んでおりまする関係上、これを実際に取扱いまする上におきまして、何らかの支障を生ずる危険はないかという意味をもちましての質問なのであります。まず漸次に、条文の順序に従いましてお伺いしたいと思います。  第三条の三項に「販売業登録を受けた者でなければ、毒物又は劇物販売し、授与し、又は」云々ということがあるのであります。この「販売し授与し」というような行為は、現在農薬とかを農会等においてこれを一括購入して農民にわけておるというようなことが行われておるのでありますが、農会等がそのいうことを行う場合には、その農会等も、あるいは農業協同組合というようなものも、これを販売し、授与するものとして、当然認可を要するものと相なる次第でありますか、いかがでありますか。一時に質問いたしますと混乱いたしまするから、一つずつお伺いいたします。
  6. 慶松一郎

    慶松政府委員 農会等も当然毒物劇物販売業登録をせしめるつもりであります。
  7. 丸山直友

    丸山委員 今まではどうなつておりましたか。
  8. 慶松一郎

    慶松政府委員 現在におきましても、毒物劇物取締法によりまして、許可をされておる次第でございます。
  9. 丸山直友

    丸山委員 さようにいたしますると、こういうところで扱いまする毒物劇物は、比較的危険のない野菜の駆虫剤のようなものを扱つておると考えますが、そういうものに対していたします名試験は、やはり他のものと同一な試験でなくてはならぬか、あるいはもう少し平易な、簡單試験でよろしいのではないかというふうにも考えられますが、この点はいかがお考えになりますか。
  10. 慶松一郎

    慶松政府委員 その点につきましては、現在におきましても考慮を加えておるとこでございまして、特に農業用薬品等に関しまして、品目を限定いたしまして取扱わしめるというような形で、それらに必要な限度における知識試験を与えておる次第でございます。
  11. 丸山直友

    丸山委員 この点は、公布の日から即日施行せられることになるわけでございますが、そうしますと、第十二条の二項の三号によつて解毒剤名称を今後記入しなければならない。解毒剤名称等は、厚生省令で定めなくてはならぬわけでございますが、これは今までなかつた規定じやないかと思いますが、いかがでございますか。
  12. 慶松一郎

    慶松政府委員 今日まではございません。
  13. 丸山直友

    丸山委員 そうしますと、これを至急定めませんと、この法律運用に困るわけでございますが、もうすでにこれはできておりますものでございますか、あるいは遅滞なくこれが発効せられることになるわけでございますか。
  14. 慶松一郎

    慶松政府委員 これは標示の問題でございますが、標示に関しましては、一年の猶予期間を設けてございます。そしてこの解毒剤につきましては、目下私どもの方におきましても愼重に審議しておる次第でございます。
  15. 丸山直友

    丸山委員 同じく十二条の三項に、毒物または劇物を貯蔵し、または陳列する場所に、文字を表示するというようなことがございますが、この場所を書きますときには、はつきり申しますと、具体的にはどういうことを意味するのですか。たとえば、倉庫入口とか、部屋の入口とかいうような意味でございましようか、はつきりひとつ御返事願います。
  16. 慶松一郎

    慶松政府委員 この場所意味は、たとえば、毒物劇物が貯蔵してございますタンクそれ自身でございますとか、あるいは貯蔵いたします倉庫意味しておる次第でございます。
  17. 丸山直友

    丸山委員 倉庫という意味と相なりますと、この倉庫には薄物がしまつてあるということが、はつきりするわけであります。従つてこれが盗難を防止するというよりも、むしろ毒物の存在を明らかにして、かえつて盗難のおそれを促進するような危険がないかということをおそれるのであります。その点に関しては、どうお考えになりますか。
  18. 慶松一郎

    慶松政府委員 もちろん丸山委員のおつしやいましたような危険も、なきにしもあらずでございますがむしろ私どもがこの法律を定めたいと存じます意味は、保健衛生上の見地から申しまして、その倉庫なりあるいはタンクなりの取扱いについて、十分な注意を必要とするという意味からも発しておることを、御承知おき願いたいのでございます。
  19. 丸山直友

    丸山委員 第十六条の第三項の「第一項の政令で指定された毒物は、同項の規定により政令技術士基準が定められるまでの間、製造し、輸入し、他の物と混入し、販売し、又は授与してはならない」とありますが、この「技術士基準」というのは、もうすでに定められておりますか。もし定められておらないとすれば、いつごろこれは定められるお見込みでございますか。
  20. 慶松一郎

    慶松政府委員 この十六条の点でございますが、今回この法律案を出します一つの大きなねらいは、四エチル鉛によります被害を起すという点もございますので、その意味におきましても、四エチル鉛に関しまする基準その他につきましては、目下私どもの方で検討中でございます。大体の成案ができておる次第でございます。
  21. 丸山直友

    丸山委員 御検討中であるとなりますと、若干の時日が必要だと思います。必要でございますから、その樹製造、輸入、混入、販売あるいは授与ということがとまるわけでございますが、そういうことは何らの支障を生じないというお見通しでやつておるのでございますか。
  22. 慶松一郎

    慶松政府委員 法律公布までには、成案を得る見通しでございます。
  23. 丸山直友

    丸山委員 二十二条の規定ですが、「前条の規定は、毒物劇物営業者以外の者であつて厚生省令で定める毒物又は劇物業務上取扱う者に準用する」というところの「業務上取扱う者」ということは、農業という業務を営む土において、農業蔬菜用駆虫剤を使うということは、つまり端的申しますと、農民等使用者業務上取扱うものの中に入るという考えでございますか、どうですか。
  24. 慶松一郎

    慶松政府委員 私ども考えでは、大体メッキ工場でありますとか、あるいは染料工場でありますとか、そういつた工場それ自身考えておるのでございまして、農業等につきましては及ぼさないというつもりでおるのであります。
  25. 丸山直友

    丸山委員 大体了解いたしました。質問はこれで打切ります。
  26. 金子與重郎

    金子委員 ただいまの丸山委員質問の中にあつた事柄であります、その点第八条の規定取扱者の問題ですが、これにつきましてもう少し詳しく説明願いたいと思うのです。「厚生省令で定める課目につき、都道府県知事が行う毒物劇物取扱い試験に合格した者」こういう項目で、主として農薬取扱者を一応取締るというふうなことに見えるのでありますが、この省令というものは、一体課目でどの程度薬剤師なら、もちろんこれは問題ないのでございまして、新しく、かりに講習というような形式で受けなければならないと思うのでありますが、その内容はどのくらいの講習期間を置けばパスできる程度のものか、その点詳しく説明していただきたいと思います。
  27. 慶松一郎

    慶松政府委員 もちろんこの取扱者あるいは業務上取扱う者でございますが、これに関しましてはいろいろな段階が考えられるのであります。工場等においてこれを取扱う、あるいは農家で取扱ういろいろでございますが、その中で特に問題になりますのは、農業者がその業務上取扱うところのものについてでありまして、それにつきましては、ごく簡單試験を行うつもりでございますことは、ただいま申し上げた通りでございますが、大体一週間ぐらいの講習会でも受ければ——農家で使います劇物毒物は、ごく限度されたものでございまして、たとえば砒酸鉛とか砒酸石灰とか水銀製剤等が今日農業用劇物毒物として考えられておるものでございますから、これらに関しまする取扱い注意を知つておればまず通り得るものであると考えられるのでございます。但しそれらにつきましても、全然知識がないとか、あるには勉強なりをしないで、そういうものを取扱うことは、危険でございますから、その意味におきまして、なるべく簡單試験をいたす、こういう所存でございます。
  28. 金子與重郎

    金子委員 ただいまの質問は、明確でなかつた点があつたかもしれませんが、私が今お聞き申し上げたのは、その取扱者という限界について質問したのであります。農民が個々の農薬を使うのに、講習を受けるなどということであつたら、これはお話にならぬことであります。今そういうふうにあなたのお話は受取れましたので、その点もう少し聞きたい。
  29. 慶松一郎

    慶松政府委員 私の言い方がまずかつたのでありまして、それは農民が使いますような薬品販売する者という意味でございます。
  30. 金子與重郎

    金子委員 そうしますと、農民の使用するということは、今後の取扱い限界にはなつていないということですか。
  31. 慶松一郎

    慶松政府委員 さようでございます。
  32. 金子與重郎

    金子委員 それでは次に質問を申し上げます。大体一週間ぐらいの講習知識程度ということで、概略納得できたのでありまするが、この点特に私が取上げて御注意申し上げておかなくてはならないことは、この資格の問題が、單に劇毒物取締りをするという、あなた方の本来の目的以外のところに、政治的に利用せられる可能性が多分にあることをひとつ考えていただきたい。と申しますのは、私どもはそういう苦い経験を持つておるのであります。今中央においては、医薬分業で、薬剤師は医者の処方によつて薬を盛ればいいのだと言つておきながら、地方におきましては、これは一つ薬屋さん、あるいは売薬屋さんでございます。その関係上、全国津々浦々の地帯におきまして、農業が單に砒素剤ばかり、あるいは水銀剤ばかりでなく、昇汞、ホルマリンというような養蚕方面消毒剤まで行きますと、相当範囲が広いのであります。しかも広いばかりでなく、本年度から一割増産国家の政策を立てたと同じように、この増産面に対して、いかにして病虫害を駆除するかということに、相当重点を置いておりまして、国家予算さえも、これに対しては相当大きくとつてあるのであります。従つて、この農業用劇毒物取扱いということは、一つ商権擁護というような形において、政治的に別な面から、地方におきまして非常な問題が起ることが、はつきり予測できるのであります。これはかつて私の県におきまして、十年前におきましても、農業団体農業生産資材——一面から行くならば、毒物であると同時に、これは農業生産資材なのでありまして、肥料と同じであります。ことに園芸農業その他になりますと、肥料以上の一つ生産資材としての重要性を持つておる。それが営業者でなければ扱えないということになりますと、農業経営の上にも非常に大きな影響を持つ。かつて私の県で経験したことですが、ホルマリンの問題が問題になりまして、そうしてホルマリン劇毒物であるから、どうしても薬剤師並びにそれに準じた資格がなければいけないという運動が遂に営業者から起つたのであります。そうして非常に問題が混乱いたしまして、窮余の策といたしまして、県で一週間ほど農薬範囲講習会を形式的に行いまして、取扱うようにした。しかも営業者の方から、それでもいけないというので、とうとう正式な薬剤師雇つてこの仕事をしなければならぬというようなことがありました。しかし農薬の方は、御承知のように限られた品目であると同時に、それが一応生のままよりも、もう薬剤として散布する一歩前まで第二次加工をしてあるものも非常に多いのでありまして、実際問題からすれば、これは毒物であると同時に、りつぱな農業生産資材であります。これが地方におきまして、この点を具体化しておかなかつたために、地方的に一つの別な商権擁護的な紛争を起すということがあると、地方農業生産のために非常に支障になる。こういうことは私どもは実験を通して参つておりますので、今度の場合に対して、この点に対して、もう少し省令を出すときには、この争いが起らないように、講習課目日程等も、一応中等学校程度出た者であれば、その講習を一週間なら一週間受ければ、必ず百パーセント通るという見通しのもとに、これをやつてもらいたいと思いますが、その点に対する御所見を伺いたいと思います。
  33. 慶松一郎

    慶松政府委員 仰せのことは、まことに、ごもつともでございまして、私どもがこの法律を立案いたしております理由は、保健衛生見地のみから、これを考えておるわけでございます。従いまして、登録その他取扱者の面につきましても、一切政治的あるいは経済統制的その他の点につきましては考慮を払わないということが、一つの私どもの原則であります。従いまして、その意味におきまして、ただいま仰せになりましたようなこと、十分考慮に入れた上で、この法律公布、あるいは省令公布等につきましては、その精神のもとにやりたいと存じます。
  34. 金子與重郎

    金子委員 そういうふうなことに十分考慮なされるお考えだということで、一応了解したのでありますが、その点、私どもは、少ししつこいような形になりますが、非常に手をやいた経験があります。     〔委員長退席青柳委員長代理着席〕 特にこの法令を通す時までに、この項目に対して各県知事に指示します厚生省令具体案をお願いしたいと思います。
  35. 慶松一郎

    慶松政府委員 その点につきましては、私どもの方でも十分考慮いたしまして、現に品目を限定して行うことができるというようなことに、厚生省令の草案を持つておりますので、その点あらためてお見せするにやぶさかではないのであります。     —————————————
  36. 寺島隆太郎

    寺島委員 この際私は厚生委員会委員長の立場を離れまして、あらためて大蔵省主計局長に、さらには人事院の給与局長もしくは総裁に、救癩の問題について若干の質疑をいたしたいと思いますのでお許しを願いたいと思います。  私どもが、過般癩療養所を視案いたしました際に、端的に指摘せられておりますことは、新薬ができて、忌まわしい病気といわれておつた癩病が、ほんとうに追撃戰になつて、いま少し大蔵省御当局の予算上の御措置をちようだいいたしますならば、忌まわしい癩病というものが、この地上から消えてなくなるのではないかという、おそらく数年前には夢にすら描くことのできなかつた命題が、今や現実の問題になつて参つたのであります。この際河野主計局長に、特に特別なる御認識をいただいておきたいのでありますが、実は癩療養所に参りまして端的に申されましたことは、プロミンという新薬を、国家で一括買い上げて、癩療養所のみに配給せられておる。しかるところ、このプロミン單価がある種の事情で下つた。ところが、下らない以前のプロミン單価の中に包含せしめて造血剤を用いておつたのである。ゆえに——河野宅局長はもちろんこのささいなることは御存じありますまいが、河野主辞局長の率いる官僚の末端において、数字計数の整備せられざる第四四半期ですが、その分においては、従来与えられておつたプロミンが白血球を減らすことに対して、これを補つて行く造血剤を与える了算というものが現在ないのだ、どうか厚生委員長として造血剤をくれるような措置方法をいたしてもらいたい、かような明々白々たる問題をとらえての陳情を受けましたが、事この問題は厚生委員長寺島隆太郎の所管のいかんともならざるところであつて、日本の行政機構においては、大蔵省、なかんずく大蔵省においても最も明敏なる河野主計局長、手先にかかるものであつて河野君の所番地を私が患者の代表に教えるから、諸君二十名ばかりバスに乗つてよろしく河野邸参つて、刺を通じて烈々たる叫びをあげられよと私が申したら、吾人はすなわち隔離患者であつて、その意思を河野さんに述べんとするも、その法なきにつき、委員長より委員会の席上にて明確にその旨を河野さんにお伝え願いたいという、離れ小島にとざされておる癩患者の血涙の叫びでございます。今や追撃線上に立つております癩病患者に対して、ヒユーマニズムの考え方に立たれまして、一掬の同情をお与えくださつて、これら患者プロミンプラス造血剤アルファ予算措置をお講じくださる意思ありやいなや、この点お伺いいたします。
  37. 河野一之

    河野政府委員 プロミン癩病に対する非常な特効薬であるということが発見されまして、斯界のためにまことに喜ばしいことであります。昨年からこのプロミンを全部国家で買い上げて癖療養所に配給しておることは、寺島さんよく御存じの通りであります。前年におきましては、一グラム四十五円ということで大体予算を見ておつたのでありますが、これは御承知のように限られておる会社であり、また会社経理はつきりいたしております。それから増産に伴いましてだんだんと單価が下つて来るというような事情がございましたので、そういう点につきましてもいろいろ調査をいたしまして、大体一グラム三十二円程度でできる、またこれで採算が合うということになりましたので、最近実はそのように買上げ單価を改訂しておる次第でございます。明年度におきましては、癩患者全員にこれを支給するという建前で、これに対する経費明年度予算に計上するつもりであります。ただいま申されました造血剤の問題でありますが、これが四十五円の中にプロミンと別に入つてつたかどうか、この点はいろいろ調査いたしませんと、私も似とも申し上げかねるのでありますが、造血剤につきましては、現在癩患者につきまして、薬品代というものが相当計上せられておりますので、その経費有効使用によつて、できるだけ寺島さんのおつしやるような方向にこれを使用いたしたい、こう考える次第でございます。
  38. 寺島隆太郎

    寺島委員長 四十何円のコストの中には、会社のリベートがあつて、一、二の造血剤は買つておりましたが、それは別個の問題といたしまして、現実に五体の中に巣食つておるレブラ菌をこわそうとするプロミンが、すなわち変じて人間の健康体をそこなう薬である。われわれが癩療養所に参りますならば、その癩患者の結節はとれ、そのうみはすでにとれておりますが、なんとその顔色の青きことよ、すなわち非常な貧血状態明々白々である。ゆえに、これはりくつではなく、明白なる問題として、患者の切実なる要求でありますので、ぜひこれはお入れ願えますように、特にここの席でお願い申し上げます。これは結核でありますとか他の病気でありますと、河野さんの机の前にいつてデモもでき、ストもできる、あるいは場合によつてはいろいろなこともできましようが、彼らに限つてできない問題なるがゆえの、特に厚生委員長としてあなたにお願いいたしたい。これは主計局長だけの問題ではないのですから、楽な気持で御答弁を願いたいのであります。  次に癩の療養に携わつておる医官の問題でありあすますが、御承知のように村山をもつてするも、一日に二回しか八王子に出る交通の便宜がない。子供が学校に行くなら、すなわち少年時代もしくは中学時代、大学を卒業するに及んで、どうしても癖病のためにやろうという情熱をたぎらせて癩病の病院に勤めるといえども、その距離が遠隔でありますために、その医官は中途でその志を投げなければならぬという例がある。この例は、今やまさに敵を迎え撃とうとする結核その他の問題については、また別個に新しい情熱として考えられましようけれども追撃戰になつておる癩のようなものに対しましては、もう少し医者がほしいのだ。現に、もう少し看護婦があればという。看護婦よ、医者よという叫びが、癩療養所の中にはうごめいている。こういう声なき声を代表いたしますと、これは私どもの共同責任ではございましようが、先般の一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案によりますると、いよいよ明々白々、これが伝染の可能性を持つておりまする癩病に携つておる看護婦、医者が、従来さえ看護婦よ医者よという叫びの前に、きわめて狭き苦難の十字架であつた道が、さらにとざされて、今日においては大蔵省において、現在四谷の暖き部屋のスチームに暖をとりつつ、今や一国の財政を、赤いペンシルを持つてつておる河野主計局長と、ほとんど何号俸も違わないかかる矛盾、離れ小島にあつて追撃戰に、人道のためにやつておる人と、巾のあまりに狭きことを見るならば、一個の政治家として、これは政党政派の問題ではない、もう少し巾をあげて、彼らの優遇的措置を講じて、この国民の忌まわしき病気、文明の一つのシンボルだとさえ言われている癩病菌を撃遂するために、今医者がほしいのだ、看護婦がほしいのだという切実な叫びの前に、あなたの一掬の涙をたれて、そのぺン先になる数字の操作によつてお金をお与えくださるならば、これはあに患者諸君の喜びのみならず、日本文化のためにまことに好ましい問題であると思うのであります。かたくならずに、フランクな気持でひとつ河野主計局長のヒューマニズムを信じずつ、御答弁をお願いいたします。
  39. 河野一之

    河野政府委員 現在癩療養所におきまして、医師看護婦がなかなか得られないということは、御承知通りでございます。これはもう寺島さんよく御存じの通り、こういう特別の病気の性質と、いま一つは待遇等の点にあることは、お説の通りであります。明年度におきまして、私どもといたしましては、相当程度——もちろん療養所がふえる関係もございますが、医師を増員いたしたいと考えております。  待遇の点でござごいますが、現存こういう特殊の勤務に従事いたしております者については、いわゆる調整号俸といううものがございまして、一般公務員より二号ないし四号俸程度多少高くなつておるのでございます。しかし今回の一般職職員の給与改訂に関する法律におきましては、その他の調整号俸をもらつておる職員との権衡上、これを多少下げております。これは一般的な権衡上、やむを得ないところでございます。そのほかいわゆる危険手当、あるいは特殊勤務手当でございますか、そういうものを相当支給しておる次第でございます。この問題は、結局癩療養所に従事する職員の職階というものを、どういうふうに定めるか。非常に献身的に、自分を忘れて職務に励精せられておる職員を、公務員法上のいかなる職位職階につけるかという問題でございまして、これは本年度末までに、人事院におきまして職階制の具体的な適用がはつきりいたします際におきまして、十分私は考慮せらるべきものであると考えております。給与の問題につきましても、その点に即応して考えたいと存ずる次第であります。
  40. 寺島隆太郎

    寺島委員 河野さんの実に明確な御答弁をいただいて、速記録に付して、これを村山の全生園もしくは等々に送りますならば、患者諸君の喜びの顔色は、実に顔前にほうふつするのですが、どうか観念上のものではなく、危保険手当の形式でもよろしいし——厚生省の役人がちよつとあれしている間に、この間の一部改正法律案が通つてしまつて、ちよつと通行したギヤツプのようなものができて来ておりますが、この問題については、やはり何といいますか、近代の財政の司令塔に立つておるあなたに特に折り入つて患者を代表する質問でありまするので、こいねがわくは実際上のものにしていただきたい。主計局長に対する質問は右両点で了承いたしまするから、これはどうぞ実際上のものにしていただきたい。  次に厚生省の医務局長にお伺いいたします。これは委員長質問だということで、こわばらないで、フランクな気持でお答え願いたい。それで、癩療養所に初めて行つてみた。これは何べんも行く性質のものかどうかしらぬが、まあ行つてみた。そうすると、私たちのような若い政治家が、ある種の人生観をかえるのです。そこで私は各大学を見てまわつたときに、癩病という病気が一年に何べん発生するか皮膚科に聞いてみた。衆議院に出入りしている医者は、東さんの東京病院の先生で、慈恵大学の持場です。その慈恵大学の皮膚科に行つて聞いてみると、二年に一ぺんくらいしか患者の発生率がない。ところが、あなたの統計によつてみれば、一万数千人に追いつめた、撃滅戰だ。いかに体育に関する医学の泰斗である東先生の診断でも、ひよつとしたら誤診があるかもしれない。町に、あるいはカフエーにいる者と、今村山にいる者との顔色は、あまり違わぬ。プロミン発生以来、実に驚いた。今日はインターンの組合と称する諸君が大分ここへ来ておいでになるが、これらの諸君は、河野さんにも委員長から言うてくれという質問があるのです。これはウエイトは、癩患者から見れば第二号だということになるのでありますが、これらの諸君が脳病院へ行くと、インターンを受けている。ところが、東竜太郎さんから医学士の称号をもらつつている医者が、癩病患者に、大学入学以来卒業まで、一ぺんも接触していない、こういう例が多い。民族の敵であり、民族の純潔を破壊する癩病菌に対して、一般の医者がポピュラーに癩病の病歴なり生理なりを所見し得るが、ごとき具体的な対策として、来年度からインターンに細則を設けて、医者たらんとする者は、一週間ぐらい必ず癩病院のインターンを受けなければならないということになれば、片たや一面において公衆衛生上における癩病知識もまたポピュラーになり、一般の皮膚科の医者としてすみやかに証明される。これは主計局長に聞いてもらいたいのですが、一車全部を買い切つて村山の療養所に送るのです。私は千葉県の代議士ですが、千葉県の銚子に患者が発生すると、一人の患者の輸送に汽車賃だけで一万五千円かかる。これらのことを考えますと、厚生省の方においても、片や委員長においても、癩療養所は大いに河野さんに頼んで、これらの医官の待遇について、さらにまたプロミン造血剤についての御努力を願いたいのでありますが、厚生省の面から、第一点としてはインターンの学生をこれに派遣するという具体的な措置を行うことについて、フランクなことでけつこう。第二点といたしましては、医学のオーソリティたる東さんは、お医者さんだからよく御存じでしようが、封建制度といつてもお医者さんほど封建的なものはない。院長御回診となると、うしろへなべ、かまを持つた者が二十人ぐらいついて行く、まるで昔の元帥の亡霊のようなかつこうなんです。そういうオーソリテイの中において、癩病について研究しておるのは、東瀧太郎局長の管轄下の研究所名を繰り広げてみるならば、ただ芝の元の厚生省の予研の一部に癩に関する研究の一部があるというあわれむべき状態である。結核については結研あり、各大学において、各種のこれを追撃する方法がある、たまたま篤志の研究者がプロミンを発見されて、これに寄与せられたのみならず、結核に関する療養所をつくつたり、人類のために東さんも努められましたが、ぜひ癩に関しても研究所をつくることに尽力せられまして、金をまわしていただけるかどうか。右二点についてお尋ねしたい。
  41. 東龍太郎

    ○東政府委員 ただいまの御質問か御意見の第一点であります、インターンの課程の中に癩を正規の課目として入れるということでありますが、私ども考えましても、なるべくインターンの間には、あらゆる病気に接して、そうして一人前の医者になつた場合には、何に接しても間違いないようにしたいのは、やまやまでありますが、とにかくインターンの期間が限られておるということ、これがおもなる理由でありますがその中に多数の課目をほうり込んでおるので、結局その点から制約を受けて、いろいろまだうんとやらせたい、癩も一つでありますが、結核についてももつともつとインターンの間にやらせたいとは思いますが、これも割愛しなければならぬという状況でありますので、今ただちに癩をインターンの中に正規のものとして入れるということは、たといそれを願望いたしましても、ちよつと実現困難ではないか。それから学校で教育中において、癩患者に接することの少いことは、仰せ通りであります。従つて、多くの医者が癩の診断について十分の知識を持つていないということも、これも事実であります。また癩そのものが、ものによりましては診断も容易でありますが、多くの癩、ことに初期のものについては、よほどの專門家でないと、的確な診断ができないということもあろうと存じます。そういう点から言えば、インターンの間に十分これに対する指導を与えることは、なるほど仰せ通り必要でありますが、必要であることを知りながら、インターンの正規の課目の中に今ただちに入れることは、困難であろうと私は存じます。むろん今のようなお話もありましたし、またインターンの審議会という一つの機関を持つておりまして、インターンの生活についてのあらゆる問題について十分な検討をしていただくということになつております。ことに今日こういう席で問題に相なりましたので、次の、しかもそれは比較的最近に開かれますが、その席上へ持ち出して、一つの話題として研究することにいたします。  それから第二番目の御質問でありますが、癩の研究所の設置は、これはすでに国立癩療養所の十何人かの所長が年々やります所長会議におきましても、ほとんど毎回のごとく話題になりますし、すみやかに癩研究所を設立してほしいという要望が強いのであります。これは私もぜひともさようなものをほしいと存じますから、もしさような研究所を設けるならば、現在日本の癩の問題を最も多く扱つておる国立癩療養所の一部に附置するといいますか、あるいはその近くに設けるというのが最もよろしいと存じます。研究材料と申しますか、研究の資料から申しましても、すべての点において、これを離れた、たとえば東京の本郷のまん中とか、目黒のまん中に設けるということよりも、国立癩療養所の一部の中に設けるのが最も適当だと存じます。私どもそういうような希望は十分に持つております。またこのたび学術研究会議の方から、研究所設立の要望が出ておるということも承つておりますので、これは将来においてぜひとも実現したいと、私も切望いたしております。
  42. 寺島隆太郎

    寺島委員 最後に一つごく簡單に——さつきの河野さんの答弁は、癩患者を前に置いて、およそこれは八十五点の答弁ですが、今の東局長さんの答弁は、平素御懇意ですが、六十点は行きませんな。それはレ・ミゼラブルの牢獄の中に入れられたような被らは、これが結核の患者であるとか、一人、二人起つて来る赤痢の患者ならば、医務局長の卓をたたいて、口角あわを飛ばしようもあるのですが、彼らは拘禁せられておる。まれに尋ね行くわれわれにのみ、その意思を表する意外にない。癩療養所に入つている者は、まるで牢獄に入つてしまつておるようなものです。厚生委員会においても、幾多の命題を持つておる。私は、社会事業においても、およそ三十三の施設を見て歩いておるが、他のものはあるルートによつてこの国会へ来て意思表示をすることができるでしよう、陳述をすることもできるでしよう。小坂善太郎君は了算委員で私の親友だし、河野さんは了算関係を扱つておられるので、患者代表者が一箇連隊ぐらい引き連れて予算委員会陳情したらどうかというような知恵をつけても、それができない彼らなんです。だからやはりインターンの制度の中に入れられて、そうして民族の病気であるものを、現実の問題としてこれをなくするということにお努め願いたい。現在ほうそうだとか何とか言います。私はアメリカへ行かなければならないというので、ぼうそうをつけられたけれども、ほうそうの患者は見たことがない。前に林野庁の長官か何かに、あなたはほうそうをなさつたのかと聞いたら、しましたと言いましたが、そのくらいのものでしよう。ほうそうにおいてかくのごとき国帑と絶大なる情熱を注いでおられる厚生御当局が、いわゆる牢獄に入れられたようなレ・ミゼラブルの癩患者なるがゆえに、これは六十点の答弁として承つておきますが、どうか次回には百点の御答弁を願えるよう要望をいたしまして、私の質問を終り、委員長席にもどります。     〔青柳委員長代理退席、委員長着席〕
  43. 松谷天光光

    ○松谷委員 ただいまの寺島委員長からの御質問に対しまして、主計局長は、来年度においてはプロミン患者全員に与えられるようにしたいというお話でございました。これはもう寺島委員長の言われるように、ほんとうに命の、明日の問題として考えておられる患者さんたちが、どんなにか喜ぶだろうと思いますから、具体的の大体のお見通しでございますが、主計局としてはどのくらいのものをプロミン予算としてお与えくださるような御予定でございましようか、承りたいと思います。
  44. 河野一之

    河野政府委員 明年度予算は、大体大綱はまとまりまして、最後の点についてまだ未定のところがございますが、この問題に関する限り、ただいま委員長に申し上げました通り、全員に支給するつもりでございます。大体一万一千人分程度の薬を買い上げまして配給いたすつもりでございます。金額といたしましては七千五、六百万円程度になるかと存じます。
  45. 松谷天光光

    ○松谷委員 重ねて質問しておきます。その額は大体厚生省から申請の願そのままでございましようか、あるいは主計局でお削りになつたのでございましようか。
  46. 河野一之

    河野政府委員 厚生省から御要求になりました人数そのままを計上してございます。
  47. 寺島隆太郎

    寺島委員長 松谷君、まだ大分ありますか。あなたの割当の健康保険質問が残つておるのですが。
  48. 松谷天光光

    ○松谷委員 健康保険質問は取下げまして、この方の質問をなるべく簡單にいたします。  東医務局長もおいででございますので、お二人に関係するのですが、主計局長にちよつと伺いたいことがあります。今の主計局長お話で、大体厚生省の予算通りに——これは主計局長さんのお言葉を信じないわけではありませんが、厚生当局としても、七千五百万円程度で、厚生省が考えられておるところの、全患者に対するプロミン予算として、十分の予算であるというふうにお考えでございましようか。
  49. 東龍太郎

    ○東政府委員 私の方は金を扱う役所ではございませんので、人数さえ全部くれれば、七千五百万円でも、八千万円でも、八千五百万円でもけつこうでございます。一万一千人の全患者に与えられれば、それで満足であります。
  50. 松谷天光光

    ○松谷委員 これは医務局長にお伺いしておきたいのですが、今度二十六年度こそは、希望通りに七千五百万円、全患者分としてとれるようでございますが、その場合に、あとは病院管理を十二分にしていただきたいと思います。今までも予算は相当分とれておりましたけれども、病院が患者に実際にプロミンを使用いたします際においては、自費患者に優先的に使われるようになつております。これは先ほど寺島委員長お話になりましたように、十二分に陳情のできかねる状態の中にあることも、医務局長は御存じだろうと思います。今度こそは、おそらく問題が起らずに行けるだろうと思いますが、なお一層病院管理の面で、十二分の御研究と熱意を持つてせつかくの予算を活用していただきたいと思います。
  51. 東龍太郎

    ○東政府委員 ただいまの御注意十分承りましたが、国立癩療養所におきましては、いわゆる自費患者というものはおらないはずでありまして、全部が国費療養患者ということに相なつております。希望があるのにその薬を使つてもらえないという不孝は、私の方にも直接参つております。あの薬の必要のある者ばかりでなく、全部使えるようにいたしたいのでありますが、あの薬といえども、まつたく副作用がないわけではありませんので、いわゆる医療上の必要から使わないという場合はやむを得ませんが、そうでない限り、全員に使わせるように指導いたしたいと存じております。
  52. 松谷天光光

    ○松谷委員 プロミンが病状によつて効果がどのくらいあるかということは、先生方の御意見に従うのが最もよいと思います。私も決してそういう点を申すので一はございません。今自費患者はいないと申しましたけれども、私たびたび全生園などにも参り、あるいは患者からも陳情を受けておりまして、やはりそういう幾つかの不行届き不合理が行われているらしいという懸念もなきにしもあらずでございますので、なければ幸いでございますが、御注意いただきたいと思います。  第二の点は、先ほど寺島委員長がやはり質問になつておられました、癩初め結核病院の従業員に対する調整号俸の切下げの問題でございます。これについては、先ほど主計局長の答弁で、一般職としてやられたのであるかりやむを得ないというお言葉が、うかがわれたのでございますが、この点、私厚生委員といたしまして、どうしても納得が行かないのであります。私ども、やはり感染の危険性を十二分に持つております結核であるとか、あるいは癩であるとか、その他特に御苦労の多い病院の従業員に対して、この調整号俸を実施するようになりました陰には、相当大蔵当局の努力のあつたことも承知しておりますし、また厚生当局と綿密な交渉の上にやつとでき上つたという、苦しかつた経験も知りますがゆえに、今ここで調整号俸が切り下げられて行くということは、厚生当局にとつても大きな問題であると思います。ことに私ども厚生問題を取扱つている者といたしましては、見のがせたい問題でございます。ただ一般職だからやむを得ないという主計局長のお言葉は、私は受取れないわけであります。これを切り下げられるにあたりまして、これは大蔵当局だけでお考えになられたのでございましようか、あるいは人事院からもお見えだそうでありますが、人事院と大蔵省との話合いでなされたのでございましようか。この間、実は厚生省の医務次局長がおいでになつておられまして、次長は全然知らなかつたと、この委員会でおつしやつておられましたが、最も関係の深い厚生当局に何ら相談なくして、号俸の切下げが実施されているのでございましようか、その辺のいきさつを、もう少し詳しく伺わせていただきたいと思います。
  53. 河野一之

    河野政府委員 従来一般職の職員の中で、特殊の者に調整号俸という措置があつたわけでございます。つまり一般職の職員のほかに、税務とか警察とか検察官とか、そういつたような特別の俸給表適用を受けた者がございます。そのほかにいわゆる調整号俸といいまして、特殊の者には、同じ十級なら十級の職、同じ経験年数あるいは学歴等の者につきまして、特殊の勤務にある者は、いわゆる調整号俸といいまして、多少高い号俸を受けておつたわけでございます。この点はいろいろの沿革的な理由がございまして、いわゆる六千三百七円べースのときには、一般の公務員は三六・五時間という一週の勤務時間であつたわけであります。そういうことで一応六三ベースができたのでありますが、その後におきまして、これは昨年の一月一日からでありますが、三六・五時間が四十四時間に延長になつたわけであります。しかし俸給号表は元のままで行つておりますので、一般の職員にとりましては、勤務時間がよけいになつた、と申しますと、言い過ぎでありますが、むしろ従来の均衡の上からいえば、特別のそういう調整号俸を受けておられる方に近づけるという考え方が、どうしても今回の給与改訂の問題としてあるわけであります。  それから職務の特殊性の問題でありますが、これはどの程度がよいか、非常に判断がむずかしい問題であります。これはある程度給与制度が乱れました点もございまして、多少アト・ランダムと申しますか、惡意的であつたようなところもあるわけであります。この調整号俸にはいろいろ種類がございまして、たとえて申しますれば、癩療養所の職員等もそうでございますが、電通、郵政等の現業職員についてもございますし、その他食糧管理あるいは職業安定所、燈台の職員とか、いろいろ種類があるわけでございます。この職務の特殊性をどの程度見るかということにも関連するのでありますが、こういつた問題は、むしろそういう調整号俸という号俸の問題もございますが、特殊勤務手当というようなかつこうで見るのが筋ではないかということが一つございます。たとえて申しますと、僻陬地にある職員には僻取地手当として考え、あるいは危険な職務においでになる方は危険手当として考える、そういうような考え方が一つございます。それから先ほど寺島委員長にもお話申し上げましたように、職階制というものが本年度末までにいよいよできることになります。そうしますと、これこれの職に当つておられる方は、ほかの方との全体の権衡から考えて、どの程度の職階にして、どの程度の号俸を得させるのが適当であるかということが近くきまります。そういう点で必ず考えられる問題でありますので、この際早急に職員のべース・アツプをやる措置といたしましては、従来の体系を一応そのままにいたしますが、調整号俸の分だけは従来の沿革その他にかんがみまして、ある程度是正をいたす、これは切り下げると言うと語弊がございますが、むしろ一般職員の方を近づけるというふうな意味合いで言つたのでございます。すなわち一人頭千円というものをどういうふうにわけるか、各職員にわけるように号俸給与をきめるかという問題について、これを考えたのでございます。全般的な、根本的な問題につきましてはいずれ人事院において十分御検討に相なることと私は了承いたしております。
  54. 丸山直友

    丸山委員 癩患者の方からのいろいろな要望事項を、実は私は先般請願害が出ておりまして紹介しておりますから、その節あらためてお伺い申し上げますが、ただ昨年以来ひつかかつておりました問題をちよつとお伺いいたしたいと思います。例の癩患者に関しましては、犯罪を犯した癩患者に対しても、これを收容する刑務所がないというために、癩患者はいかなる犯罪を犯しても処罰できなくなり、遂に草津の例の撲殺殺人事件まで起つたということになつて癩患者の專用刑務所をつくることを、先般報告の中にも書いて要求しておいたのでありますが、その後の経過及び予算措置はどういうふむに進行しておりますか、ちよつとお伺いしておきます。
  55. 河野一之

    河野政府委員 癩患者の刑を受けるべき者の場合はどうするか、こういう御質問のように思いましたが、これは前からそういつた御希望がございまして、九州の熊本の菊池療養所の一部をこれに充てることにいたしまして、明年度予算におきましては、当該金額を計上するつもりにいたしております。
  56. 亘四郎

    ○亘委員 たまたま委員長の発言のうちにインターン制度の問題がありまして、私は本日陳情書を、私の最も尊敬するかつての同僚であつた綱島正興先生から頼まれたのでありますが、この日本の医療を向上させる意味におきまして、実地習練の機会を与えるということで、このインターン制度ができて、私はこの制度はたいへんけつこうな制度だと思うのであります。しかし一面このインターン制度に制約を受けておる学生の、あるいは学生と申しますのは不適当でありまするかしりませんが、要するに実習生であります。これらの方々の身分保障というものが、何ら確立されておらない。そのために経済上非常に困窮に陥つておるという現状をただいま承つたのであります。それで医務局長お話によりますと、インターン審議会というものがあつて、それがいろいろと審議の結論によつて、これらのものを一括して取扱つておるというように拝聽したのでありまするが、このインターン審議会は、やはり審議会であれば、当然諮問機関であつて、その決定はあながち執行されないものだと思うのでありますが、現在の状態におきまして、このインターン審議会におきまして、これらのインターンの実習生に対する地位の向上、あるいは生活擁護をはかるために、何らかの措置考慮されておる現状でございましようか、いかがでしようか、ちよつと医務局長さんにお尋ねいたしたい次第であります。
  57. 東龍太郎

    ○東政府委員 ただいまの御質問にありましたように、インターンというものが、学生でもなく、しかしながらまた医者でもない。まことに中途半端な身分にあるために、いろいろと日常生活の上にも不便があるということは、この制度の当初から、インターンの中から絶えず叫ばれておる声でありまして、私ども決してその叫びに対して耳をおおうているわけではございません。また亘委員の所へ出されております陳情書の内容は、いずれ詳しく伺うことと存じますが、おそらくインターンに関するあらゆる問題はすでにいろいろな方法によつてこのインターン審議会の委員の方々、また厚生当局へも十分に達しておることであろうと思います。それにつきましては、私どもといたしましても、少しでもインターンの身分が明確になり、そうして日常生活の不便が除かれるようにいたしたい、そうしてわれわれの力の及びます問題から、実は徐々に解決に努めているわけでありまして、その要求の数と大きさに比べまして、今までに私どもの力でなし得ました事柄のまことに小さいことは汗顔の至りでありますが、審議会といたしましても、私どもといたしましても、これに対しては、今後ともできる限りの力を尽したいと存じております。またいろいろな問題はインターンの方からこの審議会の各委員にも、直接個人的な意味においても、十分通じておりますので、その問題の主体は間違いなく了承いたしておる次第であります。
  58. 松谷天光光

    ○松谷委員 これは主計局長一人の責任ではないと思いますし、その点は了承いたしておりますが、きよう大蔵当局としておいでになつておりますのは、主計局長一人でありますから、伺つておきたいのであります。先ほど一般職が上つたので、その片方が下つたのではないというお話でございますけれども、一般職が上る場合には、従前通りにやはりともに上つて行くのが調整号俸の性格で、一度大蔵当局がお認めになつたのは、その必要性があるから過去においてお認めになつたと思う。その状態は今日も決して変化が来ていないと思うのでありまして、むしろより以上に調整号俸の必要性があると思う。厚生省関係の病院として、その人員不足の点がすでに叫ばれており、そこへもつて参りまして、この調整号俸の問題が今度のように突然に行われるということに対して、厚生行政の運営からいつて相当な支障が来るということは、厚生当局もはつきりとお認めになつておられるところだと思うのであります。厚生当局もこれに対して困つておいでになると思います。こういう問題を審議なさるのに、どうして厚生当局に御相談なさらなかつたか、あるいは相談したとおつしやるか。そういう点も、また先ほど、現業員は全部そうだというお話でありましたが、各省と御連絡の上なすつたのかどうか。各省としてもそうでございましよが、特に厚生委員会では、厚生省に御関係のある調整日号俸を問題にする場合に、なぜ大蔵当局は、厚生当局との懇談の上においてそれをなされなかつたか、そういう点を伺いたいと思います。
  59. 河野一之

    河野政府委員 この一般職の職員の給与の問題につきましては、内閣において——内閣と申しましても、人事院ではありません、内閣におきましていろいろ御立案をなさいましたごとく、給与平均月額千円という問題について、どういうふうにこれを俸給の上に体系づけるかという問題につきましては、関係各省の当局者が一応集まりまして、基本的な問題、たとえて申しますれば、最低をどの程度に置くか、最高をどの程度に置くか、巾をどうする、調整号俸をどう考えるとか、超過勤務手当をどうするとか、こういつた一連の問題の方針的なものを一応決定いたしました。その際におきまして、調整号俸というものは、従来の沿革その他もあり、ある程度一般職員との巾を、こういう給与が引上げになる機会において縮めるのも、やむを得ないではないかというような議論が一般的にありまして、その案をとりまして、かようになつた次第であります。
  60. 松谷天光光

    ○松谷委員 そういたしますと、内閣において大体立案されたということは、その通りだと思いますが、その場合に厚生大臣は了承しておつたというふうに了解してよろしゆうございますか。
  61. 河野一之

    河野政府委員 その点は、私はどういうふうになつておりましたか存じませんが、各省当局が二回ほど集まりまして——もちろん調整号俸の切下げという点について関心を持つておる向きでは、非常な御反対もございましたが、いろいろお話合いをいたしまして、ある程度はやむを得ないだろうということで、一応事務的の結論をつけ、次官会議を経、それから閣議を経て御決定になつた、こういうふうに私は了承しております。
  62. 福田昌子

    福田(昌)委員 インターンのことについて、主計局長にお尋ねいたしたいと思います。インターンに対する給与の問題はでインターン制度確立以来、これはインターン各位の熱烈なる希望があつたのであります。東医務局長は、非常に好意的に、この制度に対して厚生当局の許される範囲において御尽力をいただいて私ども感謝しておるのでありますが、主計局長の立場において、厚生省からどういうような御相談をお受けになつたかということが一点、それから本年度でインターン制度に対して、給与の面なりあるいは予算面において、どれだけのことをお考えになつておるか、御説明願いたいと思います。
  63. 河野一之

    河野政府委員 いわゆる実地習練と申しますか、これにつきまして、医師の国家試験制度がございまして、今度こういう方面をますます充実しなければならぬという厚生省当局の御要請を十分勘案して、予算を編成いたしております。ただいまのところ、インターンをせられる方の給与については、特に考えておりませんが、実習面に充てられる施設等につきましては、ある程度の補助金を考えておる次第であります。
  64. 福田昌子

    福田(昌)委員 私は、厚生省からどういう御相談をお受けになつたかということを、御質問申し上げたのであります。
  65. 河野一之

    河野政府委員 どういう相談と申されましても、ただいまのところ何でございますが、医師の実地習練については、前々から優秀なる医師をつくるということで、そういつた施設に対する補助金の増額、あるいはそれのための特別の設備について、たびたび御相談を受けておりますが、一時に急激にこれを拡充いたすということも、財政の都合等によりましてなかなか困難でございますが、できるだけ厚生省の御要望に従つてこの方面を拡充して参りたいと念願しておる次第でございます。
  66. 福田昌子

    福田(昌)委員 その御好意は、まことに感謝にたえないところですが、金額の点について、明細な御報告をお聞かせ願いたいと思います。
  67. 河野一之

    河野政府委員 ただいま手元に資料を持ちませんので、どの程度経費が入つておるか申し上げかねますが、おそらく数百万円の経費が入つておると存じております。
  68. 福田昌子

    福田(昌)委員 と申しますと、現実のインターンの習練費に対して、一人当り年額五十円というような低いところではなく、幾らか増額されておるということになるのでありましようか。
  69. 河野一之

    河野政府委員 ただいまのところ、一人当り五十円ということで計算をいたしております。できるだけ財政の都合を見まして、でき得れば増額したいと考えております。
  70. 福田昌子

    福田(昌)委員 施設費については、どれだけ増額されたのですか。
  71. 河野一之

    河野政府委員 病院等の施設に対しましては、ただいま福田委員の御指摘の通り、一人当り五十円、それから習練に当られます医師にたしか二千四百円、こういうふうな経費を現在計上いたしておる次第であります。
  72. 福田昌子

    福田(昌)委員 インターン生一人当り年額二千四百円というのは、これは決定された額でございましようか。
  73. 河野一之

    河野政府委員 二千四百円と申しますのは、医者の実地指導をなされる場合における手当として計上したのであります。この経費につきましては、本年度この程度の金額を計上いたすつもりであります。
  74. 福田昌子

    福田(昌)委員 ただいま主計局長お話を承つておりますと、精神的には非常に御努力をしていただいたように聞くのでありますが、現実の問題におきましては、インターンに何らの考慮を払われていない、従来通りであるという結論になると思うのであります。われわれといたしましては、従来インターンの血の叫びをるる繰返して来ておりました立場からいたしまして、当局のその態度に対しまして、きわめて遺憾の意を表したいのであります。従つて、今後とも私はインターンの、再三にわたる、この陳情書にもありますような、その心を心といたしまして、行政面において親心のある措置をおとりになることを強く要望いたしまして、私の質問を終ります。
  75. 堤ツルヨ

    ○堤委員 ただいまのインターンについての、福田委員の御質問に対する主計局長のお答えは、主計局長自体これに対する御認識がないように、私そばにおつて拝聽しまして、はなはだ遺憾に思うのでございます。でありますから、次の委員会までに、もう少し医務当局と大蔵当局とが打合せをするなり、また統一したお考えをお持ちになるなりして、抽象的な御答弁でなしに、もう少しつつ込んだお答えのできるように、出直していただきたいと思います。それを主計局長にお願いいたします。     —————————————
  76. 寺島隆太郎

    寺島委員長 薬事法の一部を改正する法律案毒物及び劇物取締法案を一括して質疑を継続いたします。金子與重郎君。
  77. 金子與重郎

    金子委員 質問が中絶いたしまして、先ほどの質問と幾分重複するかもしれませんが、なるべく重複しないように申し上げます。  私はこの取締りの趣旨は、全体的に賛成できるのでありますが、さいぜんちよつと申し上げたように、これが実施されますと、本年全国で取扱いました農業の金額は莫大なものになりますので、そうしますとここに一番問題になるのは認可の問題であります。その取扱者の認可の資格を漫然とこういうふうに抽象的にきめておきますと、これが末端に行きますと、資格があるなしというような問題で、それが営業利益に関係いたしますために、問題がよそにそれて、別なところで問題を起すということは事実であります。それと同時に、今度は協同組合で農薬を扱うことを、いろいろ薬剤師からつつ込まれて、協同組合では、相当むずかしい試験を受けなければこれを取扱えないというようなことがかりにあるとすれば、これは農村のためにも非常に不幸なことであり、思想的にも惡影響を及ぼすのでありますから「厚生省令で定める課目につき、都道府県知事が行う毒物劇物取扱者試験に合格した者」というような点を前にあるように厚生省令で定めるところの課目によつて都道府県の講習を終了したる者というように、もつと安易にこれを直される考えはありませんか。そういうふうにしても、私は今の農薬としてきめておるもの、しかも農薬に対しては——なるほど、応用化学の点からは知識がないかもしれませんが農村における技術員にいたしましても、エーゼントの出先にいたしましても、一応農薬課目を卒業しておるのでありますから、その程度のものはかんべんした方がいいのではないかと思うのであります。  それからもの一つ講習を受けるのに五百円、また資格をとるのに五百円というようなことは、以前私の県のごときは県の親心をもつて、県費をもつて一週間ぐらいの講習会をやりましたが、今度は講習費として五百円、また試験に受かつた者に免状をくれるのに五百円、これは何に使われるのであるか、このくらいのものは県費でもつて出してもいいのではないかと思いますが、この点についていかにお考えになりますか。
  78. 慶松一郎

    慶松政府委員 ただいま仰せになりましたこと、まことにごもつともな点が多々あるのでございますが、まず私ども考えております省令におきましては、従来は毒物劇物取扱者試験は、筆記試験と実地試験にいたしまして、ただ筆記試験に合格した者だけしか実地試験を受けることができないという規定があつたのでありますが、今回われわれはさらにこれに加えまして、都道府県知事が必要があると認めたときは、前二項の規定に基いて毒物劇物品目を限定して行うことができるということを、ここにはつきりと省令にうたうことにいたすつもりでございます。従いまして、これによりまして、はつきりと品目を限定して試験を行うことができることになります。それすることによつて試験がよほど楽になり、また受ける人の気持の点から申しましても、また受ける人が受かる点から申しましても、十分楽になると私ども考えるのであります。  なお次に、現在の販売業資格を持つております者は、この法律の施行されました際の登録は、この法律の施行後一箇年間、現在販売業の許可を持つておる者につきましては認める所存でございます。  なおただいまの御説でございますが、できますならば、この案のままでお通し願いたいのでございます。ただ私どもは現在の規定運用によりまして、仰せになりましたような点は十分目的を達し得ることと存ずるのでございます。  なお、講習会の受講料につきまして、五百円云々というような規定は、全然ございません。
  79. 金子與重郎

    金子委員 委員長の申されますには、今日あとの短時間でこれの質問を打切りたいというふうな御希望でありますので、本来私の申し上げることが、質問やら討議やらに幾分及んで非常に不見識なものだと思いますが、審議を急ぐ関係上、そういうふうな形で発言をお許し願いたいと思います。  今政府委員の答弁にあること自体が、非常に危険なんです。というのは実害ないように考慮して取締る方針でありますとか、あるいは善処いたしますとか、そんなことを言つてつても、法律を出してしまうと、末端に行くと、その不明瞭さが非常に問題を起すのであります。法律を出したときに、その考え方が一番いけないと思うのであります。ここで問題になりますと、その点については弊害のないように善処いたしますと言うが、法文に書いてないから、地方に行きますと、地方の役人の考え方に大きく響いて参るのであります。そういう点から行きまして、私としましては、これをもう少し実際に即した形に修正する御意思があなたにないとすれば、今度はあなたの方で出そうとする課目試験のやり方なり、あるいは具体的な政令案はこうあるべきだという、そのものに対する検討をしておやりになるならば、この程度の抽象的なものでもさしつかえないだろうということで納得できれば、私は賛成できるのでありますけれども、この程度の抽象論では、あなた自身濃村経営をおやりになつたこともなければ、実際に即した苦は経験も持つておられないのであります。そうして毒物劇物取締りをするという観点だけであなたはお考えになつておる。それはあなたがさつき説明した通りであります。それが実社会に持つて行かれたときに、営業権や利益の対象として、これがたまたま問題になるのであります。  それからもう一つつけ加えておきますが、こういうことをひとつお考え願いたい。この法令は、劇毒物をその正しい目的に使わないで、惡い目的に使われることを防ぐためにつくるのでありますが、今年国家は農産物増産のために、農薬に対してたくさんの予算支出をしたのでありまして、これを営業者だけに扱わせますと、増産目的に使わないで——それを横に流すと非常にもうかるのでありますが、農業用に持つて行くならばもうからないために、営業者に扱わせる場合には、ややもすると毒物としての直接の弊害はないけれども国家の使用目的に使われて行かないというような、大きな害毒を流すことさえあるのです、それでありますから、公共的な地方の団体に扱わせるならば、その点はさしつかえはないのでありますが、こういうように不明瞭なことになつておりますと、県によつては、あの程度知識では劇毒物を扱う資格はないとかいうようなことで、非常に問題になると思うのであります。今から七、八年くらい前にも、この問題が非常に問題になりまして、ホルマリンども農業団体取扱いができなくなるようなはめにまで至つたことがあるのであります。そういうことを考えますときに、皆様から見ると、何でこんな小さい問題にこだわるのだろうと思われるかもしれませんが、それは全国の農村のことを考えますと、非常に重大な問題でありますので、私がしつこく食い下るのは、その点にあるわけであります。この通りにおやりになるというならば、品目ごとに試験を受けるなどということは——試験などというものは薬剤師でも完全に試験にパスする力があるかどうか疑問である。要するに大学課目であとで試験を受けるが、われわれが專門学校を出たところで、今日試験されたならば、こうして国家の代表だなんて言つても、筆記試験で記憶カテストをされるならば、おそらく中等学校の資格にも欠ける。われわれに今幾可や代数や三角の試験がパスできるかといつても、自信はないのであります。それと同じように、試験はきわめて記憶力だけの問題で、問題を残されるのであります。それは看護婦試験の問題でも、そのほかにもたくさん出て来る問題でありますけれども、これは一例であります。そういう点から行きまして、私は所定の課目の中の何の課目と何の課目講習を与える、そうしてその人たちにそれだけの知識を与えて扱わせるというような形においてこの取扱者というものをきめる。もちろんそれは、私は特定の仕事をする人に関しての話でありまして、一般の劇物取扱業者をそうしようというのではないのでありますから、その点十分誤解のないようにお聞きとり願いたい。この点は要求のようになりますけれども、この結論を急ぐというような委員長お話でありますので、意見まで入れて申し上げたわけであります。
  80. 慶松一郎

    慶松政府委員 ただいま仰せになりましたことについては、従来もしばしば問題が地方に起つておることを私ども承知いたしております。それに関しましては、昭和二十三年あたりからたびたび通牒を地方に出しておりまして、たとえば、昭和二十三年の三月でありましたか、農業会における事業管理人についてとか、あるいは農業協同組合毒物劇物営業者となる場合の処置についてとかいう案件について出しておりますが、その都度農薬関係につきまして、ことに農業協同組合等でこれを扱います者の資格につきましては、決してやかましいことを言わないで、ごく常識の範囲においてこれを許可するような措置をとられたいという通牒を出しておる次第であります。これらのこともございますので、それらの点もお考えくださいまして、私どもといたしましては、ただいま仰せになりました点を十分考慮に入れまして、この法案が成立いたしましたあかつきにおける通牒、その他地方庁の者どもに対しまする講習その他によりまして、御趣旨の点を徹底させたいと存ずる次第でございます。
  81. 金子與重郎

    金子委員 最後に申し上げますが、それほど実情がおわかりになつてつて、そしてしかも取扱い量において、今後の農業病虫駆除のための農薬というものは、農業が進歩すれば進歩するほど、たとえば普通作物よりも柑橘、流菜が今は重点でありますが、本年度からいよくよく普通作物に至るまでこの病虫害に入るという段階において、私は全国の毒物の中の総体量のパーセンテージも相当大きく占めて来ると思う。それほど実際がおわかりになつているならば、なぜ法律の中に特例の条項なり何なりを設けようとしないで、そしてとくとこれから実際に即するように、省令々々というように、あなた方の権限だけでそれを持たれようとするのか、その点はどういうわけですか。
  82. 慶松一郎

    慶松政府委員 この法律におきましては、たとえばこの薬事法等におきましても、試験課目あるいはその他に関しましては、特に法律規定をいたしたことはございませんし、またいささか瑣末にわたると存じます。その意味におきまして、私どもといたしましては、特例を設けませんで、との運営の面におきまして十分の考慮を払いたいということが眼目であります。
  83. 金子與重郎

    金子委員 私の質問の仕方が下手なのか、あなたの答弁がしいてとらわれがあるのか。私はあなたにとらわれがあると断定するから、繰返しでくどいようですが、申し上げます。それならば、この特別の条項が相当の大きな分量を占めているから、講習会の課程を終了した者というふうにしていただいて、どこに弊害が生じて来るのか。もちろん法律の中に、ごまかい政令まで煩瑣なものを入れるものでないくらいのことは、私も常識で知つているのでありますが、法律の中にそういう条項が相当大きくある。ここに幾つかの例をあげているならば、その例をもつと怪いものししたらいいじやないか、こういう考え方であります。
  84. 慶松一郎

    慶松政府委員 その点につきましては、繰返して同じことを申し上げますが、第八条の第一項の三、「厚生省令で定める課員につき、都道府県知事が行う毒物劇物取扱者試験に合格した者」で御了解願えると思うのですが、いかがでございましようか。しかもその課目につきましては、都道府県知事がその品目を検定して定めるということであれば、農薬を取扱う人につきましては、農薬だけの品目試験をするというようなやり方によつてできると私は思つております、いかがでございましようか。
  85. 金子與重郎

    金子委員 なぜできないかと申しますと、その課目の出し方とか、試験のやり方というものには、一つ程度があるのであります。そこでここの第二の厚生省令で定めた学校で応用化学に関する学課を修了したる者も、五年なり八年後になつてこの課目試験すれば、おそらく九九%落ちるのです。だから、ここのところでこの程度知識は必要だというので、講習課目講習の時間を定めて行くならば、それを修了したる者ということで第三項もはいれるじやないか、こういう考え方なんです。
  86. 慶松一郎

    慶松政府委員 ここにある第八条の第一項の三における「厚生省で定める課目につき」云々という意味は、私どもとしては、厚生省令で定める課目云云の点におきまして、農薬に関しまする除外規定を設ける趣旨なのでございますが、さよう御了承願うことはできないでしようか。
  87. 金子與重郎

    金子委員 その点はわかるのです。特殊な品目しか扱わない業者に対しては、特殊な品目に対してのみ試験課目を与えるというふうな今の御答弁はよくわかるのでありますが、「都道府県知事が行う毒物劇物取扱者試験に合格した者」というものを、ことさらにどうして試験しなくちやならぬのか。一方は厚生省令で定めた応用化学の学課を修了した者というものはすでにパスするわけであります。それならば、一方は全体でなくても、この部分のものに対してだつたら、それを一つの課程を修了したる者でいいじやありませんか。
  88. 中村光三

    ○中村説明員 今のお話ですが、この三号の方の「試験に合格した者」といたしました理由は、現在農薬を扱つている者が、農学校を卒業した人だけに限定されれば、それを修了した者ということでいいのでありますけれども、それ以外にやはり長く農薬を扱いましても、いろいろなものを修了しない者ないしは一週間の講習会をする場合は、それを入れたらよかろうというお話もありますけれども、そういう農業者に実際に実務を行う人があるということと、もう一つは、この三号は農業関係の者だけを予想しておらないのでありまして、具体的には、現在は農業関係が問題になつておりますけれども、将来まだほかにそういう業態があります場合に、やはり法律としては、こういうふうな試験に合格したという、そういう新たな事態に応じて、実情に即した試験をやつて、それによつて合格した者という規定を入れておけば、いろいろの場合に楽に行くという考え方が実はあるものでございますかから、それでこういう書き方をいたしたわけであります。それで一号、二号までは非常に具体的で、応用化学を卒業しておれば、大体毒物劇物の取扱人にする資格があると思います。三号に至りましては、いろいろの実情から、必ずしも現在やつておられる方々以外でも、そういう実務に習熟した方が出て来る場合もあり得ると思いますので、いろいろなものを包括できる規定を入れた、こういうふうに御了解を願いたいと思います。
  89. 金子與重郎

    金子委員 了解できない。くどいようですが、時間の空費で非常にもつたいないと思いますけれども、役人的な考え方と、われわれが実際の社会を通したものの見方とは、どうしても食い違いがございます。役人の場合は、適用を広くした法律をつくつてさえおけば、どんなことでも広く解釈できて便利なことは私どももよくわかりますが、今これを扱つておる人たちが試験を受けなければならぬというふうな考え方は、実際問題として、非常にいけない問題が起ります。というのは、試験ということになりますならば、一つの五課目なら五課目を与える。そうして試験というものは記憶力がそこで字に現われなければ、第三者からいつでも証拠として非難を受けるものですよ。ですから、かりにこの問題で争うものが出て参りまして、そうして今度は農業団体に扱わせまいという一つの政治力が出たときに、あの程度の学課で、こういう課目で、現にこの程度の点しかとつておらぬ、それがこうではないかという問題が起るのです。でありますから、私が言うのです。そういうふうな者に、今講習会程度で扱つておるために、どれだけの弊害が出ておるかということです。弊害がなかつたならば、実際の場合に適合するような法律をつくることが正しいのであつて、その点にそんなにこだわる必要はないじやないかと思うのです。もしそういうふうにあなたの方でほんとうにこだわるならば遺憾ながら私どもといたしましては、この案には賛成できません。
  90. 慶松一郎

    慶松政府委員 こういうふうにお考えいただいたら、いかがでございましよう。それは、たとえば一週間の講習を受けて、その講習の締めくくりの意味試験を受ける。という意味は、講習を受けても、結局その講習ではたして、どれだけの知識を得たかどうかということに対しましては、これはわからないわけでございますので、その締めくくりの意味試験をやるぐらいの、ごく軽い意味にお考えいただいたらどうでございましよう。
  91. 金子與重郎

    金子委員 講習会をやれば、終りに試験するのが常識ですよ。講習会等をやつて、その終了と何時に講習の免状をくれるのには、一応課程を終えたものとして最後のテストをする、そして免状をくれるというのはあたりまえの話で、常識だと思う。だから、その講習会のテストと資格試験というものと別個に考える必要はないと思うのです。ですから、その点は、今私が賛成するか反対するかということを、質問の時間に言うことは非常識だけれども委員長がこれを早く上げたい、また私はこの法の本旨には賛成しているのですが、こんな末端の小さな問題で全国津々浦々の農村に大きな問題を起すから、それを心配して、このもつたいない時間を使つているのです。その点はやはり役人の方においても、こだわらずにお考えになる方がいいじやないか。これは、わが党は賛成だ、わが党は反対だというような醜いやり方でなく、実際に国民のためになるような法律をつくることが一番いいわけであります。私はこれで私の質問は打切りますから、この次に出て来る場合には、あなた方の省令案なるものの具体的のものか、ないしはそういうふうにお考え直しをするか、それをこの次の会議にかけていただきたいということをお願いします。
  92. 寺島隆太郎

    寺島委員長 それでは現段階においては、両法案に対する質疑の通告は他にありませんので、委員長から一点慶松政府委員にお尋ねいたしたいのですが、最近のヒロポンであるとか、アドルムであるとか、こういうことで社会をにぎわしている諸問題に対して、こういう機会に一応の内部的な制約を行うお考えがあるかどうか、そういうことに対する意見を、すらつとお聞かせ願いたい。
  93. 慶松一郎

    慶松政府委員 私どもといたしましては、それらの覚醒剤あるいは催眠剤等によりまして、これが正当な医療以外の目的に使われまして、そのために青少年を害するとか、あるいは中毒者をつくりまして社会にいろいろな問題を起し、あるいは惡を流すことにつきましては、まことに遺憾に存じているのでありまして、たとえば覚醒剤につきましては、製造数量の制限、あるいは販売につきましては、医者の処方箋指示に基かなければ売らせないというような手を、しばしば打つているのでございますけれども、現在の薬事法におきましては、これの製造を法的に禁止したり、あるいは製造数量を制限することができませんので、その点に私どもの悩みがあるのでございます。今日では、指導の面におきまして、しばしば製造者等に対して勧告を発し、あるいは参集を求めて注意あるいは自粛等を促している次第でございます。     —————————————
  94. 寺島隆太郎

    寺島委員長 次に健康保険法の一部を改正する法律案に関する質疑に移ります。前回に続いて通告順により質疑を許します。堤ツルヨ君。
  95. 堤ツルヨ

    ○堤委員 他の質問者の御質問と、あるいは重複することがあるかもしれませんが、お許し願いたいと思います。  せんだつて来審議されております健康保険法の一部改正でありますが、三億六千万円を浮かすことによつてこの赤字を補填して、そしてその残るところの二十五億を昭和二十六年度に送り込むというような局長の御答弁でございますが、そのようにして赤字を補填して、二十五億を彌縫策でもつて二十六年度に追い込まれました場合に、三十六年度健康保険のこの医療報酬というものはどういうふうになつて行くか。これは私非常に憂うべき問題であると思うのでありますが、局長のお考えをまず伺いたいと思います。
  96. 安田巖

    ○安田政府委員 この前お手元にお渡ししました健康保険法の一部を改正する法律案の参考資料というものがあります。そこに收支の関係が書いてあります。二十八億の赤字と申しましても、これは一割は年度末までに保険料が徴收できないだろうということを予定いたします。そういたしますと、年度末に幾らの金が足りないかという額が出る。絶対的に不足する額は八億、従いまして、あとの残りは二十五年度年度末に入りませんけれども、しかし二十六年度にそれを持つて行きますと、それが入つて来るわけでありますから、それを絶対的な赤字とは私ども考えていない。従いまして、あとは八億の問題だ、こういうことになるわけであります。そのうちここに明年度の資料がございますけれども、三億を今年度におきまして取返しまして、なおまた来年度におきまして、今回御審議願つておりますように、料率を千分の六十にしていただきますれば、ちようど計算はとんとんになる、こういう計算がこの四ページにございます。一番最後のところを、ごらんになりますと二十六年度の保険料率というのがございます。上が二十六年度にどれだけ支出しなければならぬかという額でございますが、百七十六億かかるわけであります。明年度の平均報酬月額は七千三百五十円でございます。それに今度は月数をかけます。平月被保険者数は三百三十九万人でありますから、それをかけますと報酬が出て来るわけであります。それで支出総額を割ると〇・〇五九一になりますから、〇・〇六をとると、まだ余るという計算になります。しかしこれは来年の年度末にすらすらととれたときの計算でございます。そういうことで御了承を願います。
  97. 堤ツルヨ

    ○堤委員 ただいまの御説明で一応了承いたすのでございますが、局長は今の未收の分をどのように見ておいでになりますか、ちよつと御見解を承りたい。
  98. 安田巖

    ○安田政府委員 滞納は昨年は一割ほどでございました。明年の年度末におきましても一割が滞納であろうと考えております。その額が来年に繰越しになりまして、来年の年度末になると大体そのくらいのものが滞納になるのではないか、そういうふうに考えております。
  99. 堤ツルヨ

    ○堤委員 御存じのごとく、被用者の方は月給の中から差引かれておるわけでありまして、滞納のあるのは経営者側でございます。でありますから、今この料率百分の五十五を百分の六十に改めます場合に、一番圧力を強くかけられ、負担を重くされるのはたれかと申しますと、被用者でございます。私はこのように千円のべース・アツプを見込んでこれをとるというような局長考えをこの間お聞きいたしまして、まことにけしからんという考えを持つているのでございます。殺生な話でございまして、滞納しないでまじめに納めている被用者は、もはや限界点に達しているのでございます。このような彌縫策でもつてこれをやられるということには、異議がございます。ことに御存じの通り、去る第七国会におきまして、四月二十二日に厚生委員会で、疾病に関する社会保険制度の整備に関する決議案を超党派的に提出しまして、その中で「社会保険制度の目下の危機に対処するとともに之が整備を図るため、出来得る限り速かに」適切果断に国庫をもつてこれに充てられたいというように言つているのでありますが、この点を勘案されての政府の御処置であるか、これをお考えに入れられたかどうかということを、承りたいと思います。
  100. 安田巖

    ○安田政府委員 標準報酬の引上げが少しむりじやないかという御意見ですが、いろいろお見通しがあると思います。しかし昨年の四月と本年の四月と比べますと、やはり千五百円ぐらい上つておる。これは途中で給与ベースの改訂があつたと思います。それから今年の年度初めと来年度の七千三百六十円では、やはり七百円ぐらいの上り方を見込んでおります。今年もまた給与べースの改訂があるようでありますから、昨年の半分見込むことは、四月以降の実際の標準報酬の上りぐあいからみましても、むりではないじやないか、こういう見通しを立てておるわけであります。それから国庫負担でございますが、おそらくお話の点は医療費に対する国庫負担だと思います。私どもも若干の国庫負担があることを希望いたしますけれども、現在のところでは、いろいろな関係からして、それはむりではないかというふうに思いますので、最後に残されたる問題としましては、これよりしようがない。この前の委員会に、堤委会はお出にならなかつたと思うのでありますけれども、実はこれをやりますためには、ほかに方法がないだろうかと、ずいぶん研究したのであります。こういう方法もある、こういう方法もあるということをこの前申し上げましたが、いろいろな方法を一々当つてみまして、結局被保険者のためにはこの程度の案が一番影響が少いのじやないかというような結論に達したようなわけでありまして、私どもまことに残念でございますけれども、この程度はやむを得ぬのじやないかというふうに考えております。
  101. 寺島隆太郎

    寺島委員長 本日はこれにて散会いたします。明日は午後十時より開会いたします。     午後四時八分散会