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1950-11-28 第9回国会 衆議院 建設委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十一月二十八日(火曜日)     午後二時十二分開議  出席委員    委員長代理 理事 内海 安吉君    理事 鈴木 仙八君 理事 田中 角榮君    理事 村瀬 宣親君       淺利 三朗君    宇田  恒君       小平 久雄君    瀬戸山三男君       内藤  隆君    西村 英一君       三池  信君    中島 茂喜君       増田 連也君    佐々木更三君       池田 峯雄君    玉井 祐吉君  委員外出席者         建設事務官         (管理局長)  澁江 操一君         建 設 技 官         (河川局長)  目黒 清雄君         建 設 技 官         (住宅局建築防         災課長)    村井  進君         経済安定技官         (建設交通局         長)      小沢久太郎君         專  門  員 西畑 正倫君         專  門  員 田中 義一君 十一月二十二日  玉井祐吉君が議長指名委員に選任された。 同月二十四日  委員天野久君辞任につき、その補欠として村瀬  宣親君が議長指名委員に選任された。 同月二十八日  理事天野久君の補欠として村瀬宣親君が理事に  当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  国政調査承認要求に関する件  建設行政説明聽取に関する件     —————————————
  2. 内海安吉

    内海委員長代理 これより会議を開きます。  委員長不在のため、本日は私が委員長の職務を代行いたします。  この際理事補欠選任についてお諮りいたします。去る二十四日理事天野久君が本委員を辞任されました。その補欠として村瀬宣親君が委員に選任されたのであります。理事一名欠員と相なりましたので、この際その補欠選任を行いたいと存じますが、本件につきましては、先例により委員長に一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 内海安吉

    内海委員長代理 御異議なければさように決します。それでは村瀬宣親君を理事指名いたします。  次に、国政調査承認要求の件についてお諮りいたします。今回も前回同様、国土計画地方計画都市計画住宅復興、道路、治山治水事業特別調達庁の営繕及び保有物資等に関する事項等につきまして、国政調査承認を要求いたしたいと存じまするが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 内海安吉

    内海委員長代理 御異議なければさように決します。  なお本書の作成並びに手続等につきましては、委員長に一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 内海安吉

    内海委員長代理 御異議なければさように決します。     —————————————
  6. 内海安吉

    内海委員長代理 次に建設行政に関し、関係当局より説明を聽取することといたします。  この際、田中角榮君より発言を求められておりますので、これを許します。田中角榮君。
  7. 田中角榮

    田中(角)委員 政府側より澁江建設省管理局長がおいでになつておるようでありますから、一言御質問を申し上げて、御答弁を煩わしたいと思います。  ただいま利根川開発法案または北上川只見川開発法案というごとき、單独立法をなされようという意見が、各方面に現れておるようでありますが、第七国会の終末に国土開発法が制定せられておりますし、しかも第八條第四項に基いて、政府地方総合開発計画区域設定を都府県に助言できるような規定があるのであります。これを早急に行わないところに、かかる單独立法が企図せられるのでありまして、私の考えまする状態におきましては、このなまぬるい政府の態度を打破しまして、これを国土開発法によつて十分実現できるようにしていただくことによつて、いわゆる法律をたくさん出してその煩をつくることを避けられると思うのでありますが、この問題に対して、所管の長であるところの澁江管理局長はどういうようなお考えを持つておられるか。なお中央審議会において大臣より助言をするとともに、利根川部会北上川部会信濃川部会とかいうようなものを設けまして、十分に審議を行うことによつて、特に特別立法を出さなくても済むのではないか、こう思うのであります。以上に対して、政府の所信をただしたいと思うのであります。
  8. 澁江操一

    澁江説明員 ただいま田中委員からの御発言に関しまして、お答え申し上げます。  先般の建設委員会におきまして、利根川開発法案のいろいろ問題にされておる点からいたしまして、国土総合開発中央審議会、あるいはそれを監督いたしております政府に対しまして、いろいろ同委員会からご要望もあり、おしかりを受けたのでございますが、御指摘になりました点は、一々ごもつともな点と私ども考えております。要は国土総合開発審議会運営によつて、ただいまお話になりましたような、個々河川水域に関する開発法案のごときものを提出することなくして、問題を解決できるということは、その通りでございまして、従いまして私どもといたしましては、こうした利根川北上川あるいはただいまお話のありましたような只見川開発とか、そういつたような特定地域に関する審議会への諮問によりまして、総理大臣関係地域に対して地域設定をなす助言をするという措置に移るべき段階に差迫つておるということを痛感しておるわけでございまして、そういつたような点につきましては、経済安定本部並びに審議会等とも連絡をとりまして、さようにとりはからうように努力いたしておる次第でございます。  なおそなに関連いたしまして、特定地域に関するいろいろの部会審議会の中に設けたらどうかというお話もございました。これも研究いたしてみたいと思いますが、ただいままでのところは、審議会といたしましては、特定地域に関する專門部会を設けております。ここにおきましていろいろの特定地域を選定いたします基準等につきまして目下審議しておるわけでございますが、これも早晩結論が出て来るというふうに考えられますので、お話のような特定地域に関する部会一つの行き方といたしまして、ただいま御指摘になりましたような個々地域計画そのものを検討して行くというような形に運営することももちろん考えられると思います。ただしかしながら法の建前といたしましては、やはり地域関係いたしております地元関係府県のそれぞれの審議をまつ建前になつております関係上、そういつたような問題につきましても、やはり現地に、法律に基きます一つ地方開発審議会といつたようなものを設けらるべきことになるのではないかと思います。政府のそういつたような措置によりまして、おそらく関係地域といたしましては、その問題に関する地方開発審議会といつたようなものを設置されることも、もとより考えられると思いますので、以上中央におきます措置地方におきますそれに対する受入れ態勢、両者あわせ考えまして、御意見にありましたような方向に努力いたしたい、かように考えております。
  9. 田中角榮

    田中(角)委員 引続いて同問題に対してもう少し具体的な御質問を一、二申し上げます。国土総合即発法成立の経緯にかんがみまして、当委員会といたしましても、これが実施に関しては多大の関心を持つておるわけであります。過般の委員会におきましても、経済安定本部長宮並び建設大臣出席を求めて、これが運営に対しては十分なる警告を発しておるのであります。国土総合開発法実施につきましては、もちろん法文の規定する中央審議会の議によつて決するものでありまするが、これが運営に必要なる技術的、あらゆる面において、安本建設当局の專門家は、あげてこれに参画協力することを要請しておるわけであります。しかるにすでに半歳をけみしておる現在、なお特定地域設定が行われないというがごとき段階でありますので、まつたく文字通りなまぬるい。この現状を打破せんとして、利根川開発法案のごときがすでに本国会に提案せられようとしておるのであります。要は政府が時期的に地方区域設定助言を早急に行えるか行えないかによつて、われわれはいわゆる屋上屋を重ねる愚を知りつつも、單独立法を立案しなければならないというはめに立ち至つておるわけであります。その意味において、政府地方区域設定助言を早急に行い得るかいなや。しかもわれわれはすでに利根川北上川只見川というがごとき法案の提出を目睫に控えておるのでありまして、提出されれば、当然本委員会は、その軽重はおのずから問われながらも、審議をしなければならないという事態になつておるわけであります。その意味において、地方区域設定助言は早急に行うべきことは論をまたないのでありますが、私がただいままで申し上げた早急なる処置が、審議会においてとられざるために、利根川開発法案のごとき單独立法ができたとしたならば、その責任は当然これに参画をせられた建設安本当局において負つてもらわなければならぬということを、われわれは厳に申し上げておきたいのであります。その意味において、参画をしておらるるのでありますから、地方区域設定ということに関しましては、中央審議会において早急にひとつお取運び願いたい。しかも建設当局はこの実現に対して大いに努力をせられたいということを申し上げておきます。
  10. 内海安吉

    内海委員長代理 この際ちよつと申し上げておきますが、もう少ししますと安本より建設局長が見えるそうでございますから、安本方面質問建設局長がお見えになつてからおやりになることが便利と思います。次に瀬戸山三男君。
  11. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 私の方は安本が多いのです。
  12. 内海安吉

    内海委員長代理 ほかに建設当局に対する御質問はありますか。
  13. 田中角榮

    田中(角)委員 村井建築防災課長が来ておられるようでありますから、ちよつとお聞きをしたいのですが、先刻の理事会にも問題になつたのでありますが、来年度予算に組込む予定になつております不燃建築物に対する国庫補助五億円の問題であります。この問題に対してちよつと御質問をいたしたいのでありますが、われわれの考えでは、建築基準法を公布実施いたしておる現在の段階におきまして、来年度予算に五億円の国庫補助を計上することはしごくもつともであると思うのであります。しかし関係方面にもなかなか強い御指示もあるようでありまして、これが成立に対しては、なお予断を許さない状況にあるようでありまするが、これに対してのお見通しというのではありませんが、なお現在すでに内定を得ておるものの中で、これよりも重要でないものでさえも認定せられておるようなものもあると私は考えておるので、この問題に対して御意見があつたら伺いたいのと、もう一つは、もしこれが削除せられた場合、現在の建築基準法をいかに処理して行かれるおつもりであるかということを、具体的に御答弁願いたいと思います。
  14. 村井進

    村井説明員 ただいまの御質問に対して御説明申し上げます。耐火建築助成に関しましては、建築基準法が制定されました際の当院の決議がございまして、耐火建築に対しては、助成金を出すようにということでございまして、その御決議の趣旨に沿いまして、われわれいろいろ計画を立てまして、大蔵省と協議いたしました結果、われわれの方から要求いたしましたのは二十四億要求いたしましたのでありますが、これを多少内容を変更いたしまして、五億に落して参りました、五億ではございますが、今後の建築の次第によりましては、五億以上に上るものに対しましても、大蔵省としては考えるということになりまして、司令部の方に出すことになつたのでありますが、その五億の内容を大体申し上げますと、建築基準法によりまして防火地域に指定いたしました中の建築物は、特に附属家のようなもの以外につきましては、全部耐火構造を要求しております。耐火構造につきましては、多少緩和いたしまして、薄い壁のものでもいいということにはいたしましたが、何分木造に比べまして相当の差がございます。大体七割程度耐火建築の方が高いのではないかと考えております。その差につきまして、何とか国から助成をいたしたいという考えをもつて、当時の物価で、少し安いころでございましたが、差額を約一万五千円と押えまして、その差額の半分七千五百円を国から助成するか、あるいは国と地方公共団体助成しようということでございましたが、結局最後にきまりましたのは、国と地方公共団体と合せて差額の半分を助成する。その助成する地域が広まりますと、国の財政にこたえますので、助成地域を国が決定するということで縛つております。結果としてはそういうことになりまして、約十二、三万坪分を予定いたして五億円を計上してあります。ただいま閣議を通過いたしまして司令部に持ち込んだと思うのでありますが、司令部との直接折衝大蔵省の方でいたしておりましたが、私の方もそれに呼応いたしまして、各方面からこれをつつつきましたが、何分予算といたしましては、来年度新規予算であるということ、個人建築に対して補助するということ、それから個人利益が非常に大きいじやないかといつたようなことにつきまして、司令部の方から賛成しがたいといつたような意見がございました。私と局長一緒司令部の方に参りまして、それらの点につきましては、日本の現実をよく話しまして、向うも少し自分の考え間違つてつたということを承認いたしたのでありますが、何分予算全体として決定していないというので、そのときは帰つて参つたのであります。爾後折衝を続けておりますが、大体、もうすでにドツジ氏のところに行つておりまして、ドツジ氏のところで右するか左するかというようなことに相なつておりまして、私どもできるだけ努力をいたした結果、もしできますならば、国会におきましても御協力願えますればまことにありがたいことと考えております。計画につきましてはさような次第でありますが、これがもし削除になつた場合にはどうするかということでありますが、これはいずれまた局長からもお話しすると思いますが、おそらく現在の建築基準の線は守り切れないと考えております。東京都の意向等も聽取しておりますが、もし助成がないならば現在の防火地区計画相当釈氏に圧縮してしまう。場合によりますと、関東震災の直後に規定いたしました、あの防火地区よりも減らざるを得ないのではないかといつたような、耐火——都市不燃化という面から申しますと、憂慮すべきような状態にならざるを得ないのではないかということでありましたので、非常に心配をいたしているのであります。いずれもしいよいよだめになりました場合の対策といたしまして、この補助金を交付するという、助成にかわるべき何かの方法の講ぜられない限り、おそらく防火地区は非常な縮小になつて行くのではないか、かように考えております。
  15. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 村井さんにちよつと一点お伺いしますが、建築基準法が施行されれば、消防予防署との二重監督というか取締りが屋上屋を重ねて行くというような関係になりますけれどもそれらがなくなるというふうに聞いていましたが、その点がどうなつているか。また防火塗料という問題を非常に各方面で奨励をしておりましたが、私ども防火塗料という問題はどうもあまり効果がないというふうに考えておりましたが、今回のこの建築基準法が施行されても、この防火塗料というようなものを奨励して行くかどうか。その点についてお伺いいたします。
  16. 村井進

    村井説明員 さき消防署との関係につきまして御説明を申し上げます。消防署との関係につきましては、基準法改正の際に消防法一緒改正いたしましたが、ただ現在まで消防の方では條例とかあるいは命令等のはつきりした根拠のないことを盛んにやつてつたのでありますが、今後はそのはつきりした根拠のないことは行えないということにかわつております。  なお消防法との関係につきましては、特殊の建築物につきましては七日以内に、小さい普通の建築につきましては三日以内に向うから返事をするということに規定も制定されましたので、実際におきましては非常に減るのではないかと期待をいたしているのであります。ただ消防の方といたしましては、ただいままでやつてつたというか、非常に広範囲な権限を行使しておりましたので、今度の基準法改正につきましても内部にはなかなか反対の気勢が強いようでありますが、建築に関する限りは原則として建築基準法によつてつて行くという建前を今後とも努力をいたしたいと考えております。  それから防火塗料の点につきましては、私どもの方にもいろいろ出願が出ております。消防の方でもいろいろ防火塗料につきまして意見を持つているようでありますが、私ども拝見いたしております限りの防火塗料では、泡沫性の、要するに火がかぶりますと泡の出るものでありますが、この泡の出ます泡沫性防火塗料はあいにく風によつて飛んでしまいます。その点を何とかとめるという方法がない限りはちよつとまずいのではないかといつたように考えておりまして、これは目下技術研究所におきまして研究を進めてもらつている次第であります。今度の基準法の中に防火塗料のようなものを使えというような條文も、たしか一ところ室内の場合にあつたと思いますが、その場合の防火塗料につきまして、いいか悪いかということにつきましては防火効力のあるものだけを使わせるという建前で、これは工業基準法によります企画によつて試験しまして、合格したものだけを使うというような建前に決定しております。まだ防火塗料につきましては相当研究の余地があろうかと考えております。これならば大丈夫というような防火塗料はまだ残念ながら出て来ておりません。
  17. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 わかりました。ただこの防火塗料の問題ですが、消防署でもつてたいへんこの防火塗料を奨励しているように聞いております。私ども防火塗料というものに信を置いてない。これは完全なものができるかもしれませんが、あの戰争末期防火建築というか、ああいうふうなものに対しても、ただこれは請負人の利益になるとか、あるいはセメントの会社利益になるというようなことで、決して国民自体は得はしないばかりでなく、効果がまるつきりなかつたように考えられる。この防火塗料を奨励すれば、中には——全部が全部じやないでしようけれども防火塗料会社利益のみによつて何か規則が設けられるのではないかというような声を放つ人さえあるのでありますが、これらも建築基準法が完全に施行されれば、こういうふうなことは必要はないというふうにも聞いておりましたけれども、最近やはり消防署の方あたりから盛んにこの防火塗料をやれというふうな声を聞いておりますが、その点はどうであるか。私はあまり消防予防署の方に建築の面に対して容喙してもらつては困るというふうな建前建築基準法ができたのではないかと思います。いわば迷惑をするのは国民でありましてものによりますと、区、都、国、並びにその上に消防予防署あるいは保健所などいろいろ日時を費しまして、商売ができないというようなことも間々あるのであります。この建築店準法をより以上完全なものにして、何か一ぺんで時間的にも早く建築もでき、営業もできるというふうに近づけていただきたいということを希望いたします。
  18. 内海安吉

    内海委員長代理 ただいま経済安定本部の方から小沢建設交通局長が見えております。瀬戸山三男君。
  19. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 経済安定本部建設交通局長に二、三の点についておただしいたしたいと思います。本年度の暴風雨による災害復旧予算支出状況でありますが、さきジエーン台風キジア台風に対する予備費からの災害復旧費支出状況について、あらかじめお伺いしておきたいと思います。
  20. 小沢久太郎

    小沢説明員 本年度災害に対する支出でございますが、本年度は百億の予備費がありまして、そのうち春から六月までの災害に対しまして二十七億出しております。七、八月の災害に対しまして二十三億出しております。ジエーン台風に関しまして、二十四億これを支出してございます。キジア台風に対しましては、二十一億という数字について関係筋の了解を得まして、各省査定も大体出そろいましたので、私の方としては、一応の案をつくつて出したいというように考えております。
  21. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 最後キジア台風に対する予備費支出がまだなされておらないということでありますが、もうすでに二十五年度災害復旧費に対する補正予算二十六億余を計上して現在審議中であります。災害復旧に対して国民が非常に心配をし、すみやかな復旧を望んでいるということは、私から申し上げるまでもなく、たびたび当委員会において問題になつてつたのであります。九月か十月の当委員会において、安本公共事業課長は、補正予算前に必ず出したいという言明をされておつたのでありますが、補正予算はすでに審議中である。予備費というのは、私から説明するまでもなく、予算措置が間に合わないから緊急にこれを支出してやるというのでありますが、今日それがなされておらないというのは、私は事務怠慢とまでは申しませんけれども、きわめて国定の期待に反するところが大きいと思うのであります。そこで二十六億のうち五億を残されたゆえんがわからないのでありますが、その二十一億をいつまでに配分されるか。今回出されておりますところの二十六億余の二十五年度発生災害に対する補正予算一緒にやられるかどうかということをお尋ねいたしてみたいと思います。
  22. 小沢久太郎

    小沢説明員 このキジア台風に対する国費の支出が遅れたということにつきましては、結局われわれといたしましては、ただ被害報告だけで出すということではありませんで、各省査定を待つて出すというためであります。その各省査定がわずか一週間か十日前に集まつたような状態でありまして、それによつて事務的に各省にどういう配分をするかということを案をきめまして、今各省に一応その案を見せまして、これを次官会議にかけることにいたしたいと思つておる次第であります。それから五億の件でありますが、これは関係筋と一応打合せて、十億を一月以降のものにとついておくということでありましたけれども災害が非常に多くなるので、これを五億に圧縮していただいたというような次第であります。なお補正予算一緒に出すかということでありますが、これはもう案もできておりますので、すぐ出したいと考えております。
  23. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 すぐ出したいということでありますから、遅ればせながら早く出すことを要望いたしておきます。二十六億のうち大体五億を残されるという、将来の危險に対しての予防的な考え方はけつこうでありますけれども、二十六億や五十億出しましても今日国民期待には応じ切れない状況であります。そこで補正予算がきまりましたならば、二十六億余のその災害復旧費はいかなる台風災害に対していつごろ配分されるお気持であるか、承つておきたいと思います。
  24. 小沢久太郎

    小沢説明員 これまでの九十五億で、第一次からキジアまでの災害に対しまして、一一・七%くらいの比率になつておるのでございます。それでこれに対しましてあと二十六億七千何がしというものをつけ加えまして、一四・五五%というふうな比率になるわけでございまして大体それを標準にいたしまして、これまでの予備費で率の悪いところはこのくらいまでに上げたいというように考えておるのであります。
  25. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 今度補正予算が確定いたしましたならば、今後査定をするということはないと私は思いますので、今日まで査定されました基礎に従つて工事の適切な適間に——東北、北海道においては工事ができないというようなものもあるかと思いますけれども、できる面についてはすみやかに配分されて、工事を来年度出水期前にできるだけ速急に、嚴格にいたされんことを切望しておきます。  それから来年度予算についてでありますが、ただいまも申し上げましたように、災害復旧費だけでも国土の保全にも間に合わない予算で今日はきゆうきゆうとしておるのでありますが、来年度公共事業費関係予算は、政府努力によつて相当年度よりも大幅に増額されるということを私ども期待いたしておつたのであります。最近の関係方面との折衝においては、これがさらに圧縮されるというような空気で、ほとんどそれが確定的のように聞いておるのでありますが、腹蔵なくその様子を伺いたい。もちろん日本の財政経済についての客観情勢ということはきわめてむずかしいと思いますが、常に問題になつております通り、日本の国土の荒廃はその極に達しております。現在伝えられておりますように、政府原案の千二百億を下まわつて千八十億というようなことに相なりますれば、災害復旧その他一般公共事業費ともに二十五年度の実績よりか下まわるのではないかと考えられるのでありますが、そういうことではいかに声を大にして治山とか、治水とか、国土の保全復興とかいいましても、それに実績が伴わないのであります。そういう関係でありますので、もちろん政府当局は非常に努力をされているということは大体仄聞いたしておるのでありますが、さしつかえない程度において、この際はつきり状況お話し願いたいと思います。
  26. 内海安吉

    内海委員長代理 ちよつと速記をやめてください。     〔速記中止〕
  27. 内海安吉

    内海委員長代理 速記を始めてください。
  28. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 インフレをせつかくとめたのでありますので、その再発を防ぐということは日本の政治の根本の問題であると思います。しかしながら、災害復旧し、国土を保全するということは、これは私の考えでは、そうむだに使う金ではなくて、まさに生産の減退を防ぎ、生産を増強する、言いかえますると日本の物資をふやす資本であると考えるのでありますが、そこは見解の相違でありますので、ここであなた方と議論をいたしません。どうか国民のために今後できるだけの努力をしていただきたいということを申し上げておきます。  それから仮定のことには答えられないと申されたらそのままでありますが、かりに千八十億ということにいたしまして、前の千二百億では、いわゆる安本所管の公共事業費は大体千六十六億、大蔵省所管の文教施設その他官庁営繕と申しますか、そういうものが百三十四億、こういう大体の原案の比率になつてつたのでありますが、千八十億でも、さような比率で按分されるお気持であるかどうかということを承つておきたいのであります。
  29. 小沢久太郎

    小沢説明員 実は今のところはわくを広げるということに努力しておりまして、その内訳をどうするというところまではまだ大蔵省の方と話合いをしておりませんが、大体大蔵省の方では、もしも千八十億にきまりますれば——九百七十億、九百八十億というようなことを言つておるのでありますが、われわれの方といたしましては、とにかくまず公共事業全部のわくを広げるということに努力いたしておりまして、そこまでまだ行つていないという実情でございます。
  30. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 現在折衝中とのことでありますから、重ねて申し上げますが、問題は、総額をどのくらい多くするかということが根本の問題でありますので、その点に最大の努力をしていただくということを重ねて申し上げておきます。先ほど私が申し上げたのは、もしさような比率で按分されましたならば、公共事業費、災害復旧費を含めて、今年度いかに事業が下まわるかということを心配いたしましたので申し上げたのでありますから、将来の按分については十分なる考慮を拂われんことをお願いしておきますと同時に、見返り資金の話が出ましたので申し上げておきます。  ただいまお話の通り、見返り、資金を公共事業費にまわすといういうことが相当難色になつている。それではせつかく国民相当楽しみを持つて二十五年度に始めました各種の堰堤その他の継続事業がとたんにとまつてしまつて、無用の長物を各所につくるという状況になるのであります。そういうことは私から説明を要しないのでありますが、この点も最大の努力を願い、そして科学的説明をいたされて、せつかくふえかかつてつた公共事業費が減つた上に、見返り資金がなくなるということは日本の国土の再建の上に重大な支障を来しますので、今後もできるだけの努力をしていただきたいということを申し上げるだけにいたしておきます。これ以上質問をいたしません。
  31. 内海安吉

    内海委員長代理 建設省から河川局長も見えておりますが、この場合御質問がありましたならば願います。
  32. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 昨日の読売新聞ですが、国警福島県本部が、福島県の土木部の技師の高橋という人を公文書偽造、收賄容疑で逮捕した云々という記事が出ております。これは土木疑獄でありまして、県土木監督所長、土地改良事務所長、土木、耕地技師ら県吏員八名、町長を含む公吏二名、請負業者三名、合計十三名がアイオン台風による災害復旧工事不正事件に連座した容疑である、こういうふうになつております。こういう事件は、全国の新聞をつぶさに見て参りますと毎日のごとく出て来ておる問題なのであります。この間はまた石川県では、つり橋をわざと爆破さして人命をそこなつたというような事件も新聞に発表されております。こういうふうに災害復旧工事というものに、あるいはその他の工事にもいろいろな不在がほとんど例外なくつきものであるというほど、次から次へと不正事件が続出しておる。この間災害特別委員会の調査団が長野県へ信濃川の災害復旧工事を調査に行きましたときも、同様そこに工事の不正を発見して、これを摘発いたしましたために、災害特別委員会の調査団が長野県民から非常に感謝されたというようなことも起つております。こういうふうに非常に不正が多いが、一体災害復旧工事あるいはその他の工事について、本省の方からも安本の方からも相当調査に行つているのではないかと思う。この前最上川の上流下流の不正事件が出ておりましたけれども、その中で、どうしてそういう不正をやらなければならないか、幽霊人夫などを使わなかればならないかという原因の一つとして中央から地方に官庁がいろいろ視察に来る。建設省からも来る、安本からも来る、その他方々から来る、それの饗応費をまかなおうというようなことも、やはり工事費をごまかさなければならない一つの原因にもなつているというようなことを聞いておりました。これはたしか私が質問いたしまして、建設大臣も大体そういう原因もあるということを本委員会において承認しておると私記憶いたしますが、それほど頻繁に中央官庁から工事現場に出かけて行つて綿密な調査を遂げておるのに、なおかつこういうような不正事件が頻発するというような原因は一体どこにあるか、その原因について安本並びに建設省の関係官の方からつぶさに所見をお伺いしたいと思う次第であります。
  33. 目黒清雄

    ○目黒説明員 最近起りましたいろいろの事件を分析して考えますと、例の直轄工事に起りました幽霊人夫事件がその形であります。これが各地方に起りまして、いろいろ処分等に入り、その結果有罪になる者もありましたが、無罪の者も相当多かつたのであります。次にもう一つつて来たのが收賄事件どいうような形になつて現われて参りました。もともと土木の事件と申しますと、幽霊人夫事件は比較的少なかつたのでありますが、過去の歴史から見ると收賄事件が土木事件として取上げられたことが多かつた。その形が現われて参つたのでありますが、最初の直轄工事をやりますために、いろいろの雑費その他の支出あるいは材料の購入によるためのそういう手段的の幽霊人夫というようなもの、あるいは場合によりますと生活の困窮から来る、生活補給というような意味から来る給與的な意味の幽霊人夫というような事件、これはお互いが相当自党をいたしましてやりますれば、この点は防げるわけであります。その後いろいろそういう事件が起きましてから大分お互いが粛正されまして厳格な経理をやつておりますから、この問題はおそらくこれで終るだろうとわれわれは確信しております。  第二の疑獄事件でありますが、これはいかように調査いたしましても、この問題は結局は人の問題であります。厳正公平にやるという、そういう人間が全部でありますればこの問題は起きませんが、そのうちのただ一人でも心のゆるみがあります人間がおりますれば、その問題が起るのであります。それをわれわれが書類上その他で検査いたしましても、なかなかこの検査は行き届かないのであります。但し工事の不正と申しますか、粗漏による原因は十分探知できるのでありまして、われわれの常に目を光らせておるのはこの点であります。しかしながら戰時中の仕事の粗雑さ、これは材料その他の入手困難による、あるいは特別な工事工程の要求による、こういうようないろいろの原因により、戰時中に行われました工事がこの程度でさしつかえないのだという工事通念を請負人が持つてしまつたということは確かでありますので、これを革正せんがためにはなかなか時間を要する問題であります。もちろん第一線のの監督者自身も、逝去においてはこの程度でやつて来たのであるから、この程度ならばさしつかえないだろうという観念を持つておるところもないとは言われないのであります。これは結局技術的な知識の向上による以外にはないのでありまして、われわれといたしましても逐次工事の監督を厳重にいたしまして、そういう教育をやつて参りたいというのがその行き方でありますが、何にいたしましても、この問題は多少時間の余裕をいただきたいと思うのであります。ただ先ほど申し上げました通りに收賄事件などというものは、これは決してあつてはいかぬことでありまして、お互いは十分気をつけなければ行かぬ、そういう精神は常に吹き込んで参りたいと思うのであります。ただ不幸にしてそのうちの何万分の一かの一部にそういうことがあつたということは、結局そのうちにそういう心がけの悪い者がおるという結果だろうと思うのであります。
  34. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 目黒河川局長の見解は、事務官僚ですからその程度のことしか言えないのかもしらぬですけれども、もつと政治の根本に根ざした原因があるのではないかというふうに私は考えます。しかし私がそれを言いますと、また議論になりまして、そういうことは大臣相手に言えというようなことを言われるおそれもありますから、私意見は言わないつもりですが、あとで機会を見て申し上げてみたいと思います。ただ一つ先ほどの幽霊人夫の問題ですが、これを職員の自党で防ごうという考え方は、これはやはり往年の滅私奉公的なイデオロギーに相通ずるのではないかと思う。たとえば人里離れた僻地に何の楽しみもなく現場で働いている人たちの給與を、政府は一体どういうふうにめんどうを見ておるか。家族と別居してそういう僻地で黙々と仕事をしておる場合に、現在の給與ではとうていやつて行けないのです。そういうところから、先ほど河川局長が言われるような、生活困窮に根ざすところの一種の給與的な幽霊人夫という原因も当然そこに根ざして来るわけであります。その人間にお前食わないで働けといつても、そうは行かないものなのです。だからこの人たちの給與を改善してやるということが根本的な問題である。河川局長ともなればそれだけやはり十分に部下のめんどうを見てやつて、その上でなおかつ悪いことをするならば、これは自覚の問題、教育の問題になるわけでありますから、そういう点、河川工事などで人里離れたところで何の楽しみもなく、設備の悪いところで働いておる人たちに十分めんどうを見てやるような、そういう措置をとつてもらいたいということを、私はただ一つあなたに要請しておきたいと思いますから、どうぞさよう御承知置き願いたい。  それからもう一つ石川県のつり橋事件の問題ですが、これはこの前佐々木委員質問いたしまして、それに対して政府の御答弁がありませんけれども政府の方ではもうすでにその全貌について、多少調査されていることと思いますから、政府がどれだけ調査してどういう結論を今までに得ておるか、その点ひとつお伺いしたいと思います。
  35. 目黒清雄

    ○目黒説明員 給與から来ます今の御説ごもつともでありまして、われわれとしても十分考えなければならぬ点であります。そこでわれわれとして現在できますのは、本給與の問題は別といたしまして、現場におきまする諸手当の問題——月額旅費と言つておりますが、これを増額しなければならぬというのがわれわれの主張であります。幸いにして今度ある程度これが増額を見たのであります。おそらく一日百四十円ぐらいに相なると思うのであります。これは非常に僻地におりまして、早急に活動しなければならぬというところには、一日百四十円ぐらい出すことに相なると思うのであります。そうなりますれば幾らかでもその点は緩和されるというふうに考えております。  次に石川県の問題でありますが、これは現地にわれわれの方から災害査定に参りました者が、たまたまその事件の発生いたしました翌々日に参つたのであります。その報告と最近副知事が参りましての報告、これらを総合して考えたのでありますが、結論を申し上げますと、全部書類は検察庁の方に持つて行かれますし、関係者も全部連れて行かれたというような形で、その前後の事情をつまびらかにする者がおらないのであります。しかしながらその二人の報告を総合いたしますと、天狗橋といいますが、天狗橋には道路局から国庫補助百二十万円の修繕費を出しておつたということであります。その修繕をせんとしておつたところが、たまたま台風にあつた。それで相当破産をした。それで一千万円の災害の申請を県から出した。そこで災害査定にこちらから参るという前にこの百二十万円を使つて修繕工事を行つた。もちろん修繕工事でありますから、通行どめをしておつたのでありますが、その修繕工事中に制止をきかずにむりに老人が一人そこを通行せんとした。そこで老人とそこに働いておる労働者一名、合計二名が死に、他の数名が重傷をこうむつたという事件であります。そこでわれわれの知りたいのは、その修繕工事を行つてつたときにいかなる方法をもつて修繕工事を行つたかということであります。御承知の通りに、天狗橋はサスペンシヨン・ブリツジであります。サスペンシヨン・ブリツジのフラクリング、桁をとりかえる場合に、全部同時にはずしたのであるか。どの程度それをはずしたのであるかというような点——全部はずせば、落ちるのがあたりまえですが、その辺のところがはつきりいたさないのであります。そしてまた何がゆえに災害を受けた後に修繕工事を行つたかということに一つの疑問があるのであります。その当時の責任者に土木出張所長がおるのでありますが、それがたまたま赴任後間もないので、何らそれを関知しておらなかつた。それからそこの現場の主任と竹島道路課長との命令によつてその仕事が進められておつたということであります。そういうわけで、その前後の経過を知つておる関係者が非常に少いので、現在としてはそれ以上の報告をとるわけには参らぬような状態であります。しかしながら他の関係者もあるだろうから、もう一回正確な調査資料を提出するようにというふうに副知事に申しておるのであります。
  36. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 長くなりますから、あとでまた質問したいと思いますけれども、この橋は百二十万円の修繕費をもつてしてはとうていトラックなどの通行にさしつかえないだけの修繕はできない。また修繕してみたところで長持ちしない、こういうような橋であつたかどうかという点、この点をお聞きしたいと思います。
  37. 目黒清雄

    ○目黒説明員 御承知の通りに、これはサスペンシヨン・プリツジで、しかも床の桁は全部木造であります。これが鉄でありますれば、相当耐久力がありますが、木造であります関係でときどき修繕を要することは確かであります。これはかけてからそう長くない橋だそうでありますが、もうすでに修繕の時期に来ておる。ただ今の修繕の程度が百二十万円で満足できる程度であるかどうかということは、その当時を知つておる者でないとおそらく判定はできないと思います。しかし土木部では一応百二十万円の予算を受けて、それでトラックを通そうという意図のもとにやつたということだけは確かであります。
  38. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 最後にざつくばらんにお聞きしたいのでありますが、こういうふうにわざと橋を落したとか落さないとか、それは今調べ中だからわかりませんけれども、ともかくそういつたようなことを全国方々でやつておるというのが実情ではないでしようか。この点さしつかえがあれば、速記をとめてもけつこうですけれども、正直なところあなたたちが今までやつて来たこと、今まで見て来たことをざつくばらんに言つてもらいたいと思います。茨城県でもそういうことなきにしもあらずであります。ことしならば災害復旧費で全額国庫負担でもらえるとすれば、来年橋のかけかえをやるよりも、こわしてしまう。その方が名村長ということになる。その村長さんの政治のおかげで新しい橋ができたんだということは、これは村長さんの腕です。県でもやはりその通り。どつちみちあと二、三年しか持たないとなれば、災害に便乗してこわしてしまつて、新しくつけかえる。それだけ国の金をもらう。それで非常に安く、新しいりつぱな橋ができ上る。こうなれば、これは知事さんとしての功績です。県民から感謝されるのであります。そういう場合にはこわしてしまうというのが大体名村長あるいは名知事とうたわれた者の普通のやるべきことではなかろうか。私そういうふうに考えるので、その点明快なる御答弁を願いたいと思うのであります。それでないと、石川事件の真相というものも何かくつを隔てて足の裏をかくような気がするのであります。ひとつその点はつきりとあなたたちの見解をお知らせ願いたいと思います。
  39. 内海安吉

    内海委員長代理 池田さんに御相談申し上げますが、ただいまの河川局長説明にもあります通り、天狗橋落橋事件はすでに司直の発動を見ておる今日でありまして、いまだ完全なる調査まで行つておらぬという説明でありますから、いずれ完全な調査を待つて論議されることが妥当ではないかと考えますので、そういうことにしていただきたい。また次会において継続御質問なされることはかつてでありますから……。
  40. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 実はこれは大問題なんです。何県でございましたか、今にも倒れそうな学校がある。つつかい棒を何本かやつておる。この学校を新築するというのでは金はもらえないけれども、これが台風でこわされたということになれば、学校の建築費が出るので、いつそこの学校をこわしてしまおうか、こういう相談をされておるところがある。ところが村長がばかだから、そんなことをされては困ると言つてこわさないから、いり何どき床が落ちるかわからないという危險な校舎で子供たちは毎日授業を受けていなければならない、こういうことになる。いつそこわしてしまつた方が村民のためにもよほどためになる。私が村長だつたらこわすかもしれない。私のごとき清廉潔白の者すら、そういう立場にあればあるいわこわすかもしれないというような問題が今ある。政治上の問題としてそういうやむにやまれない事情が出ておるんです。河川局長は全国各地をまわつて歩いておられるので、そういうような経験は御存じだと思う。建設行政を長らくやつておればそのくらいのことはわかつておると思う。その辺の真相をお聞かせ願えれば幸いだと思います。
  41. 目黒清雄

    ○目黒説明員 私の長い経験から申し上げまして、今度のような事件は今度聞いたのが初めてであります。おそらく橋梁でも建物でも、こわせば刑法上の罪に触れるということはたれも御承知だろうと思うのでありまして、そんなことをやる人はないだろうと私は思います。
  42. 内海安吉

    内海委員長代理 お諮りいたします。本日は建設行政に関する御質疑はこの程度といたしまして、次会の日程は公報をもつてお知らせいたします。  なお散会後皆さんに御懇談申し上げたいことがありますから、しばらくお待ちを願いたい。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時二十一分散会