○
大上委員 本
決算委員会に
公団及び
公社の
経理に関する
小委員会が設けられまして、不肖私が小
委員長を承り、会期の
都合もありましたので、前後二回
小委員会を開きました概況を申し上げます。
まず
資料といたしましては、
会計検査院における
公団検査の実況と、これに基きまして
公団の設立から、今日に至るまで
二つにわけまして、すなわち
清算の
事務に入
つておるものと、現在
公団が在続しておるものと
二つにわけて
調査をしたのであります。その中におきまして、まず第一に、現在まだずつと解散しておらないところの
公団につきましても、あらゆる角度においてわれわれは疑義を持たざるを得ないという
結論に達したわけです。
まずその第一点は、各
公団の
損益状況、すなわちこれは
清算中の
公団においては、これが見通しというような観点から見て参つたのですが、われわれ
決算委員会としてみても、きわめて乱雑であり、まつたく行政的な
機構の
誤りか、
立法的な
機構の
誤りか、大いに
国会議員として反省しなければならないような
計数的なものが出ております。
その次に、これをさらに一段深く掘り下げてみますと、すなわち
公団の売掛金と、その取立てに関する件でございますが、これはごらんの
通り清算に入
つておるものについては、まつたくとれておらない、あるいはまつたくこれが回収困難である、あるいはその中においては、当然法的な処置をせなければならなかつたのが、これができておらなかつたために、
国家の莫大なる損害となるものがある。こういうふうな
責任者の追究は、さらに大いに考えるべきものでありまするが、まつたくわれわれとして、普通の
商取引上の観念から見ましても、唖然たるものがあります。その実例は後日書類をもちまして御
報告申し上げます。
従つて、これに関連をもちまして、各
公団の
不正事件、すなわちこの
不正事件におきましても、
新聞紙上で概括的なことは
国民も
承知したであろうと思いまするが、これに掲載されておらないものが特に多い。その中におきましても、
農林省所管の
油糧、あるいは
飼料、あるいは
食料品等においては、まつたくわれわれが驚くような
事件が潜在しております。
従つてこれの細部につきましても、いろいろございますので、時間の
関係上書類をも
つて提出いたします。
その次に、各
公団の
在庫及びその
処理に関する件、これを調べてみましたのですが、悲しいかな、われわれの要求したところの
資料がまだ出て参りません。従いまして、これについての
小委員会の
報告事項といたしましては、一応題目はあげまするけれども、全然まだ
資料を頂戴しておりません
関係上、われわれとして特に
報告に入れておきたいことは、われわれ
国会におきまして、
国民の代表としてこれを
調査する、あるいは
立法上の
審議の
参考の一助とする場合に、要求した
資料は特に出してもらいたい。またこれが出ないのであるならば、このような
事情で、すなわちかくかくしかじかの
事情によ
つて、現在
資料の調製が至難であるということを申し出てもらいたい。いわゆるわれわれが
調査あるいは
立法の
審議に入る前提においての
資料がまつたくないということでは、五里霧中であります。であるから、当
小委員会といたしまして、特に強調する点は、各
公団のわれわれの所属する
小委員会に対する
資料は、早急に出してもらいたい。もしもそれが出ないようでありますならば、これに対する何らかの制裁を加えなければ、当然われわれが円滑なる
審議は続行できないと思いますので、特に伺います。
次に、
公団の
清算状況について御
報告申し上げます。まず
清算事務は、今日、
大蔵省管財局の
清算事務所にお好ましてや
つておりますが、これの
状況を、
肥料公団並びに
飼料公団の
関係について、直接
大蔵省から
清算人とし、すなわちその
清算人は当日
都合によりまして、
補佐官が出て——どちらも
事務官でございますが、
調査をいたしましたところ、これもきわめて
清算事務が緩慢に行われておる。すなわちもう少し何らかの手段をも
つて即刻にやるべきものがあるのではないか、このように考えます。そのうち特に
肥料公団におきましては、その
公団に
手持の
肥料が約八十万トンある。これは
関係当局によりまして、来年の
春肥、来年の春までこれを
処分することができないのだ。
従つて清算事務も、特別な
関係で
肥料公団のみは遅れておる、このような
報告並びに
調査事項でありましたが、一応これは了といたします。しかし特に
肥料関係において注目をしなければならない点は、八十万トンに近い
肥料を今日
在庫として持
つておるならば、われわれとしては、この
分散と申しますか、この預け入れておる先を、さらに
検討する余地があるのではないか。すなわち現在国のものとし、
公団の預か
つておる各
倉庫名、所在地、
数量等を特に
調査をしておきたいと考えますが、本
国会の
期間が短かくありますので、まだその
結論に達しておりません。
従つてこの
肥料公団になぞらえて申しますと、
肥料公団に限らず、
清算事務に入りつつあるところの
決算の模様が、
在庫品の
処分いかんと、売
掛代金の
回收いかんによ
つておるように考えます。
従つてわれわれといたしましては、
在庫品の
値上り値下り、あるいは
回收金の不能が、この
清算と申しますか、あらゆる
事務にさしつかえがあるように考えます。
従つて結論といたしまして、
農林省所管に所属する
公団の中におきまして、こういう
説明が
説明員からありました。まず帳簿のいわゆる
整理上、何とかして
欠損を少くして行きたい、このような
発言がありまして、私当時
委員長でありましたが、
発言を求めまして、
経理上、すなわち机の上のテクニツクというか技術は一応了とするが、
在庫品を
簡單に時価になおされて、相当数字を水増して行く、あるいはまた備品その他においてこれをか
つてに換算をなし、
計数上バランスを合せて行くということはゆゆしき大問題である。同時に
政府当局の一番の苦手といたしましては、
手持材料が
値下りをいたしましたり、あるいは送つたものが途中において何かの
事故によりましてこれが
国家の
欠損にな
つておる、このような
質問を発したのです。
従つて現在の
行政監督上におきまして、われわれが特に考えなければいけないのは、
理論的計数をも
つて実質上の
欠損をカバーして行くという傾向があるように心得ます。
従つてこれも
計数上特にとりまとめまして
報告申し上げたいと思います。
最後に一言触れておきますが、
公団の
不正事件の中におきまして、われわれが普通の
商取引と同時に、
経理上に
関係しておるならば、当然こういう問題は事前にわからなければならない。一体どこに失策があるのか、この原因を追究すると、きわめて
監着不行届であ
つて、いわゆる放漫であつたと
結論できる
事項がずいぶん出ております。特に
昭和二十五年七月二十六日付で、各
公団の
会計検査についてとして、
会計検査院から一応出ておりますこの
資料を読みますと、われわれとしては、さらに本
決算委員会が勉強して行くと同時に、この
調査を続けたいと思います。まずその中の
公団の
不正事件といたしましては、相当
件数がありまするが、ここに出ておるのに例の
早船事件等もございます。だがこれなどの
実情を申し上げますと、一に
銀行当局、すなわち
公団と
取引のある
銀行と
公団の
関係しておる
経理あるいは
金銭收納と申しますか、これのいわゆる
結託事項が多い。にもかかわらず、
公団の
監督並びに実際従事しておるところの
公団の
職員に対するところの
調査は、いろいろできておりまするが、相手方、つまり
銀行に対する
調査ができておりません。なぜならば、本
事件の経緯、あるいはその
経過等を見ておりますと、
銀行とまつたく結託しておらなかつたならば、当然でき得るものではございません。これは本
報告書にもよく書いてあります
通り、さらに
小委員会といたしましては、この
銀行対
公団の
調査を一歩前進せしめて、
調査させていただきたいという
結論に達しております。
はなはだ
簡單でございまするが、なにせ時間がありませんでした
関係上、特にお願いいたしたいのは、本
小委員会は第九
国会をも
つておそらく解散になると思いますが、次の
通常国会にもぜひ設置させていただいて、現在
調査中のものの
結論を得てみたい、このように考えますので、要点のみを御
報告申し上げます。