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木内政府委員 私英米トラストなるものの重役と会いまして、多少のことを知
つておりますから、知
つておる限り申し上げます。英米トラストという言葉は実はやめるべきである。BATというのは、ブリテイツシユ・アメリカン・
タバコカンパニーのことでありまして、Tはトラストではございません。トラストは独占禁止法というものがアメリカにもあ
つて、解体にな
つて消滅したわけであります。このBATというものは、世界のアメリカ以外の国において製造及び
販売をしておる英米共同出資の会社、こういうふうに解していいのじやないかと思
つております。彼らいわく。私
どもは世界各国どこででも、いやしくも
專売のないところへは、どこへ行
つても仕事をしたいと思
つておるし、多少の経驗を持
つておるという話であります。それで
日本において
テレル氏が最初に申しますのには、
專売というものは非能率である、
民営の方が能率が上る、従
つて安くもなるのだということを言
つております。そのときに、それではあなた方は、もし
日本が
民営に
なつたら、
日本に来てよい仕事をしたいかと聞いたところ、非常にしたい、今申した
通り世界各国およそ
專売でないところへは、許されるならば仕事をしたいというのが自分たちの会社の方針である、しがしながらその国の企業を追い出してしまう、自分たちがそれを独占してしまうということは、アメリカ本国においても許されなか
つたことであるし、決していいこととは思
つていない、またよし
民営にな
つても、最近どれだけ
外資導入があるかという
お話でありました。私は
外資委員会の
委員もしておりますので、
答弁する責任者であるかと思いますから、知
つておる範囲で申し上げますが、どかんと何百万ドルという
資本が入
つて来ることを、もしお前たちが期待したならば、私たちの方は決してそういうことは考えていない、但し技術を教えることはできるであろう、技術導入も
外資導入の一端でありますから、これを
外資導入と呼ぶことはさしつかえないと思いますが、技術は大いに教え得るだろうと思う、かつ機械もすでに大体において復旧ができて来て、所要量をまかなえるだけの機械があるならば、しいて古いものをスクラツプして、新しいものを入れる必要はない。しかし
日本にない機械が若干ある、たとえば莖の部分を非常に強いロールをかけて、薄い葉のごとくしてしまう、そうすると
タバコの中に莖がまじ
つていたということがなくて、それが葉として使えて、しかもかえ
つて香気をまじえる、そういう機械は入れたらいいだろう、あるいはその前に申したいのは、
民営になれば、五つとか七つとかいう会社になるのであろう、願くは自分たちはその
一つの会社と提携して、その会社に技術を導入して、その会社がいい
タバコをつくることによ
つて、ほかの会社も大いに競爭心を起して、いい
タバコをつくるようになる、それを彼らは健康なる経済
状態とい
つて、そういう
状態を持ち来したいと考えておる。そういうことになるならば、技術はもちろん大いに教えてあげたいと思う、そのほかに今申し上げたような機械は、もし五つにわかれたうちの
一つの会社にそれを買う金がないならば、しばらく借金の形、すなわち
外資導入の形においてやることもあり得るだろう、しかしながら金額的には非常に少いものしか考えられない、それが今の世界の
外資導入の大勢であるので、
民営にしたら、何百万ドルすぐ入
つて来ると考えたら、それは少し違うのだということは、逆に向うから聞かされたことであります。私
ども協議会においてそういう問題を論じましたときにも、どかんと
外資が入
つて来るということを話したことはございません。私その方にタツチしておりますから、皆さんからその方の観測はどうかと聞かれました際に申し上げたことは今の
通りであります。
なお私は
外国為替管理委員会の
委員長として申し上げたいのですが、先ど来
民営即
葉タバコの
輸入ということで
お話が進められたように了解いたしましたが、今申した
通り、機械くらいならば、あるいは
外資導入ということもあり得るのですが、
民営にしたからとい
つて、
葉タバコを
輸入するような
外資を当てにしたことはありませんし、
葉タバコを多量に
輸入しなければならぬものでもない。これは為替管理の話ですが、為替管理におきましては、御
承知の
通り外貨予算
制度というものをつくりまして、それによ
つて何に貴重なる
外資を使うべきかということを
審議して決定しております。その
審議の過程において
葉タバコ輸入すべからずという
結論になるとか、
民営に
なつたからとい
つて、すぐ
葉タバコは入
つて来ない。この点さつきの
お話に少し誤解があ
つたかと思いますので申し上げた次第であります。