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1950-12-05 第9回国会 衆議院 運輸委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十二月五日(火曜日)     午後二時六分開議  出席委員    委員長 前田  郁君    理事 大澤嘉平治君 理事 岡田 五郎君    理事 坪内 八郎君 理事 原   彪君    理事 米窪 滿亮君       稻田 直道君    尾崎 末吉君       尾関 義一君    黒澤富次郎君       玉置 信一君    畠山 鶴吉君       前田 正男君    滿尾 君亮君       山崎 岩男君    木下  榮君       砂間 一良君    飯田 義茂君  出席政府委員         運輸政務次官  關谷 勝利君         運輸事務官         (大臣官房長) 荒木茂久二君  委員外出席者         運輸事務次官  秋山  龍君         運輸事務官大臣         官房観光部計画         課長      國友 弘康君         運輸事務官         (海運局長)  岡田 修一君         運輸事務官         (船員局長)  山口  傳君         日本国有鉄道総         裁       加賀山之雄君         専  門  員 岩村  勝君         専  門  員 堤  正威君     ――――――――――――― 十二月五日  委員中西伊之助君辞任につき、その補欠として  砂間一良君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 十二月四日  阪和線拂下げに関する請願小西寅松君外二名  紹介)(第四六四号)  学士院会員無賃乗車券交付に関する請願(松  本七郎君紹介)(第四六五号)  黒島に航路標識設置請願田口長治郎君紹  介)(第四六六号)  日和佐町に徳島測候所分室設置請願岡田勢  一君紹介)(第四八五号)  矢神、坂根両駅間に簡易停車場設置請願(橋  本龍伍紹介)(第五〇六号)  名古屋多治見間鉄道電化請願平野三郎君  紹介)(第五二三号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  観光事業融資に関する件  海外航路制限撤廃に関する件     ―――――――――――――
  2. 前田郁

    前田委員長 これより会議を開きます。  観光事業融資に関する件を議題といたします。政府当局より説明を求めます。國友説明員
  3. 國友弘康

    國友説明員 観光事業に対しまする融資に関しまして、概括を御説明申し上げます。  今日までのところ、観光事業に関しまする融資と申しましても、私どもが対策といたしておりますものは主として外客宿泊施設でありまして、これにはホテル日本旅館とがございますが、ホテル日本旅館に関しまして融資順位の繰上げをし、融資のあつせんをしておるということで運用いたしております。これは大きなホテルに関しまするものと、小さなと申しますか、日本旅館等に対しまする改装程度融資とにわけられますが、まず番大きなものといたしましては、ホテルの建設に関しまする見返り資金の要求の関係でございます。まずこれから申し上げますと、ホテルに関しまする見返り資金融資に関しましては、昭和二十四年から交渉を続けまして、昭和二十四年度におきまして名古屋大阪神戸伊勢志摩国立公園内の賢島の四件にホテルを建設する計画を一応内閣として取上げまして、それに関しまする融資見返り資金解除申請書GHQに、昭和二十四年十二月から昭和二十五年一月にかけまして四件提出いたしまして、昭和二十四無度におきましては見返り資金が遂に出ませんで、昭和二十五年度にその申請書をそのまま引継ぎまして、昭和二十五年度の見返り資金要請といたしまして、GHQ審査願つてつたのでありますが、朝鮮事変関係その他によりまして、その審査が長引いておりました。それから昭和二十五年度におきまして一般見返り資金融資計画を立てられましたときに、ホテル関係は私企業の中におきまして二億というわくを設定されたわけでありまして、その二億のわくの中には、今申し上げました昭和二十四年度の神戸大阪名古屋賢島の四ホテルのほかに、東京に二ホテル――鉄道ホテル国際観光会館、このホテル二つを入れまして、昭和二十五年度に要請いたします資金わくが、二億ということに一応きめました。それによりまして交渉を続けておりましたが、今申しましたような朝鮮事変その他の関係で、なかなか解除がなされませんでしたが、つい先月の二十四日にGHQの方から大蔵省を通じまして、名古屋神戸の二ホテルにつきまして、見返り資金申請書を出し直せという要望がありまして、その理由をESSの方に聞きに参りましたのですが、大体申請書が古くなつて、従つて数字も現在妥当するようになつておらない。一年前の申請でありますから、これを新しく書き直せということでありまして、大至急直して提出せいということを言つて参つたのであります。この様子から見ますと、現在申請書が出ておりますのは四ホテルでありますが、二ホテルにつきまして申請書出し直しを要求して参りましたので、この二ホテルにつきましては、新しい申請書が出ますれば、あるいは見返り資金の貸出しがなされ得るのではないかというふうに私ども考えておるわけであります。昭和二十六年度の見返り資金につきましては、これから安定本部その他と打合せまして原案を作成し、さらにGHQと折衝することになる運びになつております。  今申しましたのは大きな見返り資金関係でありますが、さらに、この見返り資金でできますホテルはどうしても数も少いという点から、外客は入つて参りますが、急速にその外客をとめるところの宿泊施設をつくりたいという考えのもとに、昨年の八月、九月から、外客宿泊設備に關します協議会のようなものを内閣に非公武につくりまして、これによりまして日本旅館及びホテルに関しまして、現有の施設を幾らか手を入れまして、外客がとまれるような設備にいたしたい、こういう希望のもとに、金融擬關資金融通準則中の産業資金貸出し優先順位を、従來旅館業丙種でありましたのを甲に準ずるということに引上げをしてもらいまして、これを大蔵省銀行局長から各財務局長あて通牒してもらうと同時に、日本銀行資金局の方から日銀支店、出張所、及び銀行協会の方から各銀行の方に流してもらいまして、これによりまして日銀融資斡旋部におきまして融資あつせんをしてもらう。こういう態勢をとりまして、四回ほどにわたりまして審査をいたしまして、決定をされて、大蔵省の方から通牒を出してもらいました。現在までに取上げました旅館数といたしましてはほぼ二百二十ほどありますが、その中で、この融資によりまして成立しましたものが七十八件ほどございます。二百十九というのは、最近融資順位引上げたものを入れてでありまして、この七十八は、従來一回、二回、三回とやりましたものの三分の一程度融資が成立しにおりますが、この方法日銀融資斡旋部等融資をあつせんされまして、銀行業者交渉いたしまして、その業者に対して信用あり、貸す条件としてはよいということを認定いたしたものに対しまして、貸出をするという形式になつておりまして、前にありました復金融資というようなものではないわけで、一般銀行融資であります。この成立いたしました七十八件の内訳を申し上げますと、一般銀行融資に関しましては、ホテル日本旅館と両方入れまして七十二件、二億八千二盲二十五万円ほどの銀行融資が成立いたしております。これは十月三十日現在であります。それからもう一つ中小企業に対して融資をするものといたしまして、中小企業見返り資金融資というものがありますが、これに関しましてはホテル日本旅館と入れまして六件、千六百六十万円、これだけできております。その中小企業見返り資金融資に関しまして申し上げますと、これは半額銀行において負担し、半額中小企業見返り資金から出してもらうという形で、まず業者銀行とが交渉しまして、その銀行がこれを取上げてよいということになりましたら、銀行が地方の日銀支店を通じまして日銀本店申請をする。そこで日銀本店におきまして、銀行別によりますところの資金バランス、それから業種別によりますバランス、はたして外客宿泊施設にどれくらい資金を出していいかというバランス、それから地域別バランス等を考慮いたしまして、出すか出さないかということをほぼ日銀においてきめるわけであります。日銀資金局においてきめまして、これを銀行の方で承認するということになりますれば、それによつて融資が成立する。総司令部の方へはその結果を報告だけする、こういうかつこうで運用されております。これが中小企業見返り資金融資でありますが、これに関しましては、相当日本銀行においてやかましいことを申しておりまして、現在中小企業見返り資金は、全体として三百万円まで貸し出すということになつておりますが、これの貸し出します項目輸出産業が主たるものなのであります。そこで外客宿泊施設に対しましても、輸出産業に準ずるということの解釈をしてもらいまして、日銀資金局の方からその解釈通牒をおろしてもらつておるのでありますが、輸出産業の一項目といたしまして外客宿泊施設融資を認める、そういうようないきさつから考えまして、中小企業見返り資金融資に関しましては、外客宿泊実績というものを非常に大きく日銀としては取上げておりまして、従來はほぼ五〇%ぐらいの外客宿泊率を持つておる所というようなことを申しておつたわけであります。しかし今後におきましては、従来一・四半期、三箇月間の中小企業見返り資金融資額は三億でありましたものが、九億になるという総司令部との折衝が大体まとまりまして、正式の許可も参つたようでありますので、中小企業見返り資金に関しましても、資金相当潤沢になる、こういうような予想をいたしておるわけでありますが、現在のところ、今申しました三種類の融資の形態がございまして、その他の補助金を出すとか、政府の保証において融資をするというような制度は、一般融資関係と同じようにないわけであります。運輸省といたしましては、今申し上げましたような三つ方法を現在極力推進しておる、こういう状態であります。以上御説明申し上げます。
  4. 畠山鶴吉

    畠山(鶴)委員 ただいま観光部の方の説明で一応わかりましたが、私は先般来の委員会でたびたび、この観光の問題と資金問題を申し上げておるのでありまするが、本日この三つ観点について政府委員の御意見を承りたい。政府各省におきまして、観光問題が非常に、話題となつておりますこと、第二点は、運輸省部内観光局あるいは外局として観光庁設置するという意見があるが、この点、三点は、観光ホテルに対しまする融資の問題であります。  第三点から申し上げるならば、ただいま御説明にありましたが、現在日本の各地におきまして旅館業が、戦争中また戦後において非常に荒れておりまして、家屋も破壊され、設備もこわれて、これをどうにか改修しなければならないということが、現在三万六千軒の旅館業者叫びであります。この実際の旅館叫びをいろいろ聞いてみますと、戦争までは、お前みたいな商売なんかというようなぐあいに、非常にじやまもの扱いよされながら、税金を拂いながら商売を継続して来たのでありますが、今日の日本の国勢から考えまして、旅館使命というものは重大であります関係から、これらの業者に対しましてももつと潤滑なる融資の道を開いてやる。私ども委員としても年中聞きますことは、多い日は一日に五人も七人も、しかもそれも代議士諸公の方から、旅館融資問題の今後の方針はどういうふうであるかということを聞かれるのでありますが、その答弁には非常に苦しむものがあると同時に、また今後の育成上、国際的見地から考えましたとき、衛生問題の確立、設備の充実ということは、言うまでもなく金がいるのであります。ただいま運輸省説明員の御説明がありましたけれども、現在二百二十軒の融資あつせんが申込まれているうち、七十八軒が融資されているというのでありますが、この融資も非常にけつこうであります。これだけしていただいたことは大成功と言わなければなりません。けれども、この七十八軒の業者融資を受けるまでの苦労なんというものは、ちよつと文筆に書けないくらいの内容的苦労があるのであります。これをもう少し大蔵省なり日本銀行が親切な裏づけをつけていただかなければ、この融資問題というものはまず解決しない。同時に残つておりますところの百何十軒という融資を申込んだ旅館も、その土地におきましては相当優秀な旅館の立場にあるのであります。またそれ以外の旅館におきましては、われわれのところでは金なんか申込んでもとうていしかたがないという一つの観念と、それから地方的に考えましたとき、地方銀行の見方は、まず国際旅館連盟へ加入していない旅館は、いまだ丙種扱いであるから、遺憾ながらあなたの旅館には融資することができないというので、ややもすればまま子扱いのような形がしばしば見受けられるのであります。私どもはこの点をはなはだ遺憾と考えまして、できることでありましたなら、運輸省観光部におきましても、これらの取扱いに対してもつともつと親切な、一つの完成したるところの機構をつくつていただきたいということを、特に私はお願いしたいと思つております。またこれに対する今後の御意見を拝聽いたしたいと思います。  融資の問題につきましては一応それで終りまして、今度は第二点の、運輸省観光局に昇格するとか、あるいは外局として観光庁設置するとかいうことにつきましては、運輸省ばかりの問題でなく、これは各官省の大きな問題の一つなつているのであります。この際運輸省として、また国鉄として、この観光局あるいは観光庁設置されて、それが十分なる機能を発揮して、今後の運営ができるだけの自信があるかいなやということを、二点としてお伺いしたいと思います。  第三点におきまして、政府部内におきましても、二点で申し上げましたように、各省におきまして観光庁設置する、進んでは観光省ぐらいつくりたいという意見にやや到達しているようでありますが、運輸省といたしましてこれに対してどういう手が打たれているか、その結果がどんなふうに進んでいるかということにつきましてお伺いしたいと思います。以上三点を一応お伺いしたいと思います。
  5. 國友弘康

    國友説明員 お答え申し上げます。旅館、ことに外客を宿泊させます旅館に関しましては、その設備その他の改善に資しまするために、第六国会におきまして、衆議院の観光事業振興方策樹立特別委員会におかれまして、国際観光ホテル整備法を御立案になり、これが成立いたしたわけであります。それによりまして私どもは、外客宿泊施設拡充整備のために目下努力をいたしております。ホテル審議会もこの八月から成立いたしまして、すでに七回ほどの審議会を開きまして、十六ほどのホテルを登録適格であるという決定をいたしました。ただ日本旅館に関しましては、相当設備その他でいまだ拡充されなければならない面もございまして、旅館業者の方からの申請もまだあまりない状態なつております。これらにつきましても問題はやはり資金でありまして、資金融資をされないと、そういう改造その他もでき得ないわけでありますが、従来成立いたしました融資の状況を見てみますと――まあこれは私ども大いに努力しなければいけないところでありますが、主として地方銀行から借りるものが成立しておりまして、中央の銀行はあまり積極的でないわけであります。これらに関しましては、私どもとしましてもまず各銀行に出向きまして、観光事業界模様とか、旅館業状態とか、こういうものを申して認識を深めてもらうようにしておるのでありますが、ただ目下のところ銀行といたしましては、長期資金の貸出しは、ことに大きな銀行であればあるほど押えておりまして、その模様がうまく行かないことに関しましては、私どもとしても遺憾であり、今後ますます努力をしなければならないと考えておる次第であります。と同時に申し上げたいと思いますことは、大蔵省の方といたしましては、先ほど申し上げました資金融通準則中の優先順位引上げということをやつていただきまして、これに各旅館名を記しました通牒を各財務局あてにおろしてもらつておりますので、これに関しましては、大蔵省としても異例の取扱いをしてくれておることでありまして、大蔵省としても相当積極的に取上げてくれておることになつております。それから日本銀行におきましては、昨年あたり融資あつせんということが相当積極的に行われており、本年にかけても行われておつたのでありますが、日本銀行の全体的な融資あつせんに関する方針の変化によりまして、最近は融資あつせんが非常に消極的になつておりまして、非常に特例の場合にだけ資金あつせんをする、その以外の場合においてはできるだけ消極的な態度をとるといことに方針をきめておりますので、日本銀行融資斡旋部の方はそういう状態でありますから、現在のところそう頼みにするわけにも参りませんので、私どもとしては目下りところ個々の普通銀行に対して、いろいろな書面連絡あるいは人が参りまして連絡をとつて交渉をするということにきめております。と同時に地方銀行の方におきましても、国際観光旅館連盟その他の連盟に属しておるもののみを取上げるということにはなつておりませんので、むしろ銀行その他におきましては、大蔵省の方から下げられます通牒によつて扱いをいたしておるわけでありまして、その通牒に記載されております旅館等は、相当規模の大きな、外客宿泊実績のある、あるいは外客を宿泊せしめる熱意のある業者方々をあげておりまして、それに関しまして資金のあつせんをする、こういうかつこうになつており、銀行の方におきましても、それをまず取上げてやることになつておりますので、連盟所属員以外の旅館まま子扱いにするということは、現在のところはないわけであります。ただ一般旅館設備の向上は非常に望ましいことなのでありますが、現在の日本金融状態から申し上げますと、一般旅館にまで、大蔵省あるいは日本銀行におけるそういう資金あつせんがなされるかどうかということについては、まだ少々疑問がありまして、目下のところは外客をとめる宿泊施設に関しましてまず資金あつせんを取上げよう、こういうことになつておるわけであります。現在までのところはそういう状態でありまして、将来は外客も、朝鮮事変の影響でいかがなりますか、ちよつと予測はつきがたいのでありますが、一時的な小康でも得ますれば、来春あたりはまた相当に入つて来ることを予想しておりますので、それらの施設拡充ということも私ども使命として、大いにやりたいと考えております。  さらに第二点の、観光局あるいは運輸省外局としての観光庁設置に関しまして、十分な機能を発揮し得るかどうか、こういう御質問でありますが、これに関しましては、観光行政というものが相当複雑でありまして、たとえば道路関係も入つて来る。観光道路一つ取上げてみまして、その観光道路関係を建設省から引離して、観光道路としてだけ取上げられるかと申しますと、これは全体の計画とにらみ合せなければいけない関係もありますから、観光通路だけを切り離すわけには行かない。さらに文化財等関係考えてみましても、文化財観光資源であるとともに、そのほかの使命もあるのでありまして、これが観光庁に入りますことは――そういう決定になりますればけつこうでありますが、理論的に考えてみますと、国際観光というものは大体どういうものかと申しますと、まず対外的に外客誘致宣伝をいたしまして、日本外客をつれて来る。そうしてその外客国内において案内する――われわれはこれを接遇呼んでおりますが、列車に乗せ、自動車に乗せ、さらにホテル旅館に宿泊さして、ガイドその他のあつせん員をつけて案内をする、こういうことは国際観光であり、その他観光資源観光の対象というものは、これはいろいろあるのでありまして、非常にきれいな景色もある、また人工的な観光資源もあるわけでありますが、これらに関しまして、まず何を一番先にしなければならぬかと申しますと、対外宣伝を強化し、国内における外客接遇施設拡充しなければならない、こういうことが目的であろうと私は思うのであります。これに関しまして、運輸省において自信があるかないかと聞かれました場合に、私どもは非常な自信を持つてつておりますし、今後もやりますということを申し上げたいのであります。それで観光部というものは、昨年の六月におきましても実は観光局という案もありましたのが、最後の決定の場合に観光部になつたのであります。今後の問題といたしまして、部を局にすべきか、課にすべきかという場合には、今後発展する国際観光事業観点から、少くとも局にさるべきであると私ども考えておりまして、この点に関しましては大いに努力をしておるのであります。  御質問の第三意といたしまして、総理府におきますところの観光序の問題その他、運輸省としてどういう手を打つておるかという問題に関しましては、実は行政制度審議会答申等にも、新しい機関の設置その他は極力必要の最小限度にとどめるというようなこともありますし、内閣といたしましてもそういう方針をとつておるようでありますので、私どもといたしましては、総理府観光庁に関しますまでの手を打つておらないのでありますが、しかし国際観光事業振興のために、最もいい機構がつくらるべきであると考えておりますので、総理府観光庁等が、運用の点において最もいいという結論を得ますならば、そういう方向に私どもも進みたいと思つておりますが、現在のところにおきましては、運輸省におきますところの観光局、あるいは運輸省外局であるところの観光庁という案を私どもとしては持つておるわけであります。
  6. 畠山鶴吉

    畠山(鶴)委員 第一点につきましてもう一応お伺いしてみたいのですが、ただいま七十八軒で二億八千三百二十五万円というものが融資されたといいますが、これは終戦以来五年にわたつておりますので、こういう確立した機構がなくも、在来の習慣からいいましても、そのぐらいの金は融資されておる。ただ表面化して、運輸省観光部がこれを取扱つたにすぎない程度でありまして、これは数字的に現れて、皆さんは大きな仕事をしたというふうにお考えでありましようが、私自体から見ますと、これはただあつせんしたにすぎなくて、これがためにたくさんの金が融資されたということには考えられないのであります。すでに終戦五年でありまして、先ほども申しました通り三万六千軒という旅館の厖大な数を持つておる。ここに御出席の各委員方々におかれましても、御自分の郷里におきまして、旅館等から、融資の問題はどうなつておるかといつて聞かれた場合におきまして、その答弁については非常に苦しむ問題であろうと思います。その苦しむという観点は、現在書類を出しますと、その部署の陸運局がこれを引受けまして、それが運輸省観光部へまわつて観光部取扱いになる前に、一応国際旅館連盟というものの諮問を受けまして、それから大藏省なり日本銀行へこれをお話するのでありますが、この間時間的におきましても、実際問題におきましても、まだ安心するだけの順序がついておらないというのが現実でありまして、私はこの機会にこれらの問題を、金額の大小は問わないにしても、扱い方をもう少し円滑にうまくその手続ができるような方法をとつていただきたいと思います。  それから運輸省としては、今いろいろ道路の問題、ホテル施設の問題はもちろんでありますが、まず観光事業として必要なことは、接客従業員の教養という問題が一番大きな問題であります。私はこのたび非海道及び九州、中国をまわつて参りましたが、いかなる所へ参りましても、この野放しになつておりますところの接客員は、もつともつと教養を深くしなければ、この観光事業の目的が達成せられないということは明らかな筋でありまして、まず接客の目的を完成させるには、観光部におきましても、観光局におきましても、教養に対するところの施設をしてもらわなければ、これが完成しないということが一応考えられます。  第三点におきまして、運輸省は局にしても、観光庁にしても、別に大差はないというような話であります。しかし今申し上げましたようないろいろのことが完全にやつていただけるかどうか。最近におきまして私はつくづく感じますことは、今まで鉄道省の中に観光に対する各委員会がいろいろの形でありましたが、その委員会が年に二回なり三回寄りましていろいろのあつせんをし、観光事業の対策を練つていただいたのでありますが、最近におきましては国有鉄道が別になつたために、こういうような方面に国有鉄道が力を入れてくれることが非常に少い。そのために運輸省独自の立場で観光事業を推進するという場合には、いろいろの点から少し不合理な点がある。私に言わせるなら国有鉄道がもつと力を入れていただいて、この観光事業を育成させてもらうのでなければ、この事業がりつぱに育成して行かないというような点につきまして深く憂慮をいたすものであります。  最後に、今国友説明員からお話がありましたが、国際観光ホテルの主管を運輸省が所管することに、第五、第六国会を通じましてようやく決定をいたしたのでありますが、その後も国際観光ホテル扱いの主管たる運輸省のそのやり方につきまして、在來のやり方とほとんどかわりがない。世間一般からいたしましても、運輸省が今度は主管になつて、われわれ業者を育成してくれるというような裏づけが一つも現われていないということは、私ども五、六国会におきましていささか微力をいたして参つた一人といたしましては、はなはだ遺憾に考える次第であります。この点につきましても、その後の運輸省の主管といたしましては方法、また一般業者運輸省に対してどういう希望を持つておられるかということを、もう一応お尋ねしてみたいと存じます。
  7. 國友弘康

    國友説明員 お答え申し上げます。一番最初の点の融資の成立しました額につきまして申し上げますが、総計の額を先ほど申し上げませんでしたが、一般銀行融資中小企業見返り資金融資を合計いたしまして、七十八件、二億九千九百八十五万円ほど成立いたしておりまして、これに関しましてはただいま畠山委員から終戦後五年ほどというお話がございましたが、これは昨年の九月第一次の選考をいたしましてから、この十月までのほぼ一年間におきまして、第一次、第二次、第三次で百六十三件ほどの旅館を取上げましたうちの、七十八件成立いたしたわけであります。これに関しましては業者の熱意が非常に力をなして成立いたしたのでありますが、額といたしましてはそんなに少い額ではないと考えておりますと同時に、業者からの報告が十分に参つておりませんので、これは報告のありましたものだけをあげましたので、このほかにも報告漏れのものが相当にあるのではないかと感じているのであります。最近でもどこそこの旅館ができたというようなことを聞くのでありまして、報告漏れもあるかと思いますが、目下数字として現われましたのはこの程度のものであります。  そこで手続の問題でありますが、実は陸運局運輸省の出先機関といたしまして、業者に近い立場にもあるし、業者からの申請のありました場合に、全然その事情も知らずに外客宿泊施設であるということを申すのも、私ども行政をつかさどつている者といたしまして、行政運営上非常に困る点も出て來はしないかと思いますので、やはり実情の把握もいたしたい関係から、陸運局では通しておるのでありますが、今後できるだけ業者の方にも都合のいいような運営はいたしたいと考えております。さらに大藏省の方なり日銀の方から督励して参ります通牒につきましては、これは手続を省略する余地はないと思う次第であります。  それから接客に関する対策につきましては、いろいと私どもの方でも案を練つておりますし、さらに全日本観光連盟等におきましても、あるいはまたホテル協会、国際観光旅館連盟、その他観光通訳協会等におきましても、そのホテル・サービスあるいは接客というような接遇の向上という面におきましては、企画の面におきましても、また指導の面におきましても、講習会その他の方法によつて現在まで相当つておりますが、今後も今お話のありました点につきましては十分に検討を加えまして、その成果を得ますように努力いたしたいと思います。  さらに国鉄との関係でありますが、国鉄は実際日本におきまする大きな観光事業者の一つでありまして、ことにまた国鉄を切り離して、日本観光事業というものを論じ得ないことも確かな事実であります。私どもとしましては、国鉄と離れた気持は持つておらないのでありまして、目下の仕事の運び方も、国鉄と協力一致して仕事をしております。今後も国鉄との連絡、協力関係ということについては、十分密接にして不合理な点がないようにしたいと考えております。  それから観光ホテルその他旅館に対しまするいろいろな助成の裏づけでありますが、これに関しましては、たとえば昭和八年から十年、十一年にかけまして、預金部資金を地方公共団体が借りまして、ホテルを建てた関係がございます。これらの前例は、われわれとしては有力な前例と考えております。従つて預金部資金の活用ということも、われわれは希望を持ち、大蔵省とも折衝しておりますが、目下の預金部資金の運用の方針といたしましては、私企業に直接投資することはできない状態なつておりますが、これが目下のところ方針がかわりました節には、優先的にホテル旅館等への預金部資金の活用ということも、はかつてもらいたいと考えておりまして、これには不断の努力を続けております。このことはぜひ実現したいと考えておる一つ項目であります。
  8. 畠山鶴吉

    畠山(鶴)委員 国友説明員説明によりまして一応わかりましたが、申し上げるまでもなくこの観光事業は多種多彩でありまして、なかなか短時間にこれを皆さんに御理解していただくまでの質疑は、とうてい行われないのでありまして、以上は皆さんの御認識にお訴えしたいと思います。一言私はこの機会に強く申し上げたいことは、この偉大なる国鉄の力を、もう少し運輸省観光事業に特に心を寄せていただきたい。本日は総裁も見えておるようでありますから、総裁の顔を見て特にこの点をお願い申し上げまして、今後の観光事業を御推進くださることをお願いいたしまして一応私の質問を終ります。
  9. 滿尾君亮

    滿尾委員 私二、三の御質問を申し上げたい。第一は、さしあたり観光事業といたしまして、一体どこの国から多くの観光客を呼ぼうとしておられるのか。その具体的な目標をどういうふうに立てておられるかを伺いたい。第二は、かりにアメリカの人たちを日本に誘引しようというお考えがありといたしました場合、アメリカのお金持を呼ぼうとしておられるのであるか、勤労階級を呼ぼうとしておられるのであるか、そういう点が非常に重大なポイントだと思いますが、そのお考えを伺いたい。第三に、私はかりにヨーロツパ大陸における観光事業の実態を考えてみますると、大体アメリカの金持もたくさん出て来るのであります。しかしながらイギリスあたりのごく普通の月給取りの諸君が、二週間ぐらいのホーリデイに、大陸にたくさん渡つておるようでありますから、私の考えでは、将来の日本観光事業をほんとうに生かそうと思うならば、少数のミリオネアを呼ぶことよりも、どうしても勤労大衆の人が気軽に日本に来る態勢の方に、日本観光事業の基礎を置きかえねばならぬ。従つて先ほど御説明がありましたように、数箇所の豪華なるホテルをつくることがまず何よりも先決問題であるか、それよりも安い費用で日本国内観光できるような、一  つのホテルのチエーン・システムというものをつくる、あるいは日本に自家用自動車を持つてつて来て、ワーナー・ブラザースで国内を歩き、至るところで自動車とともにとまられるといつたような施設をすることの方が、より僕際的ではなかろうかと私は考えておるのであります。いずれこの面につきましてはそういう簡単な、軽易なる宿泊施設、しかも外国人の趣向に適するようなかつこうの宿泊施設――私はこれはバンガロー風のものでよろしいと思いますが、そういうものを相当に配置する必要がある。かたがた道路の整備、またロード・マツプの作成というような問題が、ここに起つて来るわけです。従つてロード・マツプの作成等につきましても、民間の者が若干努力しておりますけれども、遺憾ながらこれは力が非常に不十分である。これらにつきまして観光部の御当局として、もつと現在以上に積極的にりつぱなロード・マップを、少くとも日本の幹線道路に関し、あるいは観光資源地帶を連ねる道路に関して、助成せられる御意思はないかどうか、お伺いいたしたい。
  10. 原彪

    ○原(彪)委員 議事進行でちよつと失礼します。
  11. 滿尾君亮

    滿尾委員 答弁を終つてからやつたらどうですか。答弁の前に議事準行は、はなはだ要を得ないと思います。
  12. 荒木茂久二

    ○荒木政府委員 第一の、日本国際観光において目標としておるところはどこかというお話でございますが、世界各国から来てくれることを大いに歓迎するわけでございますが、現在の情勢から考えますと、アメリカが一番大きなお客様であるというふうに考えております。  それから第一に、勤労階級を対象とするかミリォネア階級を対象とるるかというお話でありますが、これは一人でも多く来てもらうということでありまして、従つて勤労階級たるとミリオネアたるとを問わず、歓迎いたしておるわけでございます。ただつくりますホテルが、豪華なホテルだというふうに申されましたけれども、現在日本につくろうとしておりますホテルは、日本でこそは豪華でございますけれども、あちらにおいては決して豪華なものではございませんで、勤労階級といえども十分とまつて、支拂能力のある程度のものにしかなつておりません。将来できますればミリオネア向きのもの、あるいは一般階級向きのものをつくりたいと思いますけれども、遺憾ながら現在においては、日本の財力はそこまで許しておりません。  次に安い自動車で行けるホテルをつくるというような計画もどうかと言われますが、民間には若干いわゆるモデルをつくろうというような計画も聞き及んでおる次第であります。  なおロード・マツプをつくるということも、お説ごもつともでございます。われわれの方でせつかく努力しておる次第であります。
  13. 原彪

    ○原(彪)委員 議事進行について――先ほど御発言中議事進行を私言いましたが、きようは本会議もありまするし、時間もありませんので私申し上げたのでありまして、連日にわたつて委員の熱烈なる御質問その他にわたつておりますが、政務次官はよく御精勤されておりますが、大臣がここ数日ほとんど出席がないということは、まことに遺憾であります。ぜひともきようは委員長のおとりはからいで、大臣の御出席をお願いしたいと思います。
  14. 前田郁

    前田委員長 ただいま原委員の申出でございますが、先ほどから山崎運輸大臣の出席を催促いたしておりますが、今ちよつと行先がわからぬのでありまして、わかり次第来られると思います。
  15. 坪内八郎

    ○坪内委員 簡単に一言お尋ねをいたしたいと思います。見返り資金の問題につきまして先ほどお話がございましたが、聞くところに上ると、最近各省見返り資金の要請を安本でふるいにかけて、そのわくがきまつておるとい叶うようなことを聞いておるのでありますが、観光関係見返り資金わくはどのように決定したのか、その点がわかつたらお知らせを願いたいと思います。さらにまたこの観光事業に対する見返り資金日銀の態度、大蔵省の態度についてお話もありましたが、いわゆるGHQ見返り資金関係のセワシヨンが、こういつた点についてどういう態度をとつているのか、この点についてお尋ねいたしたいと思います。
  16. 荒木茂久二

    ○荒木政府委員 二十六年度の見返り資金を、いかなる部門に幾ら配当するかということは、まだ全然きまつておりません。  それから親光事業のエイド・フアンドに対する司令部側の意向がどうであるかという御質問でございますが、現在提出しているものについては好意的態度でございます。遠からず公式な勧告の出ることを期待しております。
  17. 坪内八郎

    ○坪内委員 二十六年度の見返り資金のトータルがまだきまつていないということのお話でありますが、それでは観光難業の見返り資金についてはどのくらい申請したのか、その点もお伺いしたい。
  18. 荒木茂久二

    ○荒木政府委員 これもまたできるだけわれわれの方では、多く申請いたしたいと思いますけれども、どれだけということをきめて正式な書面を出す運びには到達しておりません
  19. 坪内八郎

    ○坪内委員 われわれの聞くところによると、各省見返り資金申請は十二月二日で打切つて、十二月十日に安本で査定を発表するように聞いておるのでありますが、すでに十二月二日は期限が切れてしまつたのですが、その点おかしいと思うけれども、どうなんですか。
  20. 荒木茂久二

    ○荒木政府委員 これは具体的に申し上げますと、十二月十日に正式なもの、にかけることになつております。
  21. 坪内八郎

    ○坪内委員 そうするとその見返り資金の総わくもわからない、申請の総額もわからないというのはどうもおかしいと思うのですが、申請わくはわかりませんか。
  22. 荒木茂久二

    ○荒木政府委員 大体腹案はつくつておりますが、まだわれわれ運輸省として最後決定をしておりませんので、この際申し上げることをちよつと控えさせていただきたいと思います。  それから安本で、大体の腹案があるかということでございますが、その点については何に幾ら、何について幾らということはきまつておりません
  23. 砂間一良

    ○砂間委員 私は観光の問題について少し政府の根本的な考え方を伺いたいと思うのです。先ほど来各委員から観光事業振興に対して、政府の力の入れ方が少い、見返り資金の点がどうだとか、融資の問題がどうだとか、観光道路云々ということが論議されておりますが、私どもも一定の條件が傭つたあかつきにおいては、こういう観光事業に大いに国として力を入れて行くことには、必ずしも反対をするものではありません。しかし現在の日本の実情において、こういう観光事業にそれほど力を入れることが、政府の国策として正しいかどうかという点について、私は政府の所信をこの機会に承りたいと思います。先ほども他の委員から申されましたように、一体日本はどこの国の外人を誘致するつもりであるか、その答弁によりますと、今のところは主としてアメリカ人だということです。それはそのはずです。第一講和條約も結ばれていないときですから、大体外交関係が非常に不自然な形になつている。従つて世界の各国から自由に日本の国を観光に来る、そういう條件が備つておりません。のみならず隣国の朝鮮においてははげしい戦争が戦われていて、もしあそこで原子爆弾が使用されるならば、場合によつて日本の軍事基地が原子爆弾によつて逆に爆撃をされるであろう、そういうことも新聞等にはちらほら論じられておりまして、日本の八千万国民は、この朝鮮事変の成行きいかんによつては、どういう事態になるであろうかということで、実は戦々きようきようとしている状態であります。また一方日本の国情を見ますと、まだ戦争の創痍が癒えていない。のみならず年々災害が累増的に激増して行つている。今年なんかでもジェーン台風やたび重なる台風によつて、関西方面においては数千億に上る被害になつているのでありますが、その災害復旧すらも十分な資金がないために、非常に遅れている実情です。見返り資金の使用にしても、これを公共事業にまわしてくれ、あるいは教育だとか、住宅復興という方面に、非常に緊急な切迫した使途があるのでありますが、それだのにまだ十分外人の来るような状態なつていないときに、外国人が遊ぶための観光施設などにむりしてまわして行く。融資の順位にしても、これまで丙であつたものを甲にまわすとか、あるいは中小企業見返り資金融資の問題にしても、ごくわずかしかない狭いわくの中から、むりにホテル旅館にどんどんやる。私はその気がしれない。一体どういう人を対象として政府は政治をやつておられるのか。一部の旅館業者からすれば、自分のところにお金をたくさんもらつて、自分の商売が繁昌すれぼ願つてもないことで、私にはその気持はよくわかる。畠山さんとは私は同県の出身で、畠山さんは観光事業についていろいろ熱心にやつておられる。その熱情はよくわかりますけれども、今の日本の全体の実情を見た場合、政治、経済の実情を見た場合、こんなのんきなことに金と労力をばかばかしく使つていてよいか。のみならず政府観光庁をつくり、観光局をつくるのだといつて、外人が遊ぶもののために全精力を打ち込んでいる。そういう感じを私は受ける。そういうようなことで、この危急存亡の時期に立つている日本がはたしてよいかどうか、そういう全体の点について、今の観光事業というものが、日本の全政治、経済の上にどれだけの比重を持つているか、政府はどれだけの力をさいているかということについて、私は政府の根本的な所信を承りたい。
  24. 荒木茂久二

    ○荒木政府委員 貿易振興をいたしますということが、わが国の国策として重要な問題であることは、大方了承されているところだと思いますが、この観光收入を得るということは、すなわち見えざる輸出として、物の輸出と同様に重要なことではなかろうかと考えております。窮乏のイギリスにおいても、戦後は輸出外貨收入の中で、一番取得の多いのは観光收入でございまして英国は非常に力を入れて、国際収支の状況を改善しているという状態でございますので、われわれはぜいたくをするとか、うわついたことをするというのではありませんで、見えざる輸出として貿易振興の一助に資したいと考えているわけであります、
  25. 砂間一良

    ○砂間委員 外貨の獲得が、今日本の經済の自立の上に非常に重要だということは、私どもも今あなたからお説教を聞かないでも百も承知であります。百も承知でありますが、そういうことはもつとほかの方法によつて、たとえば正常なる貿易によつて、もつと貿易の自主性をとりもどして、海外に自由に日本の商品が売れるような、正常な形で獲得すべきものだと思います。―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――         ―――――
  26. 關谷勝利

    ○關谷政府委員 先ほど官房長からもお答えを申し上げましたが、外貨の獲得の面から申しましても、ただいま砂間君がおつしやいました正常なる貿易を盛んにするということと並行いたしまして、この観光も盛んにいたしまして、外貨の獲得もいたしたいと存じますし、なおまた日本の国民が非常に平和的、民主的な国民であるということを、世界各国に認識せしめる上から申しましても、観光事業は非常に重大であると私たちは考えております。
  27. 山崎岩男

    ○山崎(岩)委員 砂間君のただいまの発言中に、不穏当なことがありますから取消しを願います。ぜひこれは取消しを要求いたします。さらにただいまの官房長のお話しの通り、必ずしもアメリカからお客さんを呼ばないでも、日本国内にはまだたくさんのアメリカの家族がおるはずです。そのアメリカの家族のへたちにも適当な、安易なる喜びを与えてやるということは、われわれ日本国民として当然やつて行かなければならぬことです。その人たちがちやんと日本におつて、莫大な見えざる商品となつておる。これをわれわれはむげにやり過してはならない。これに対しまして政府は十分なる措置をとつておるということは、日本の現在の立場からいつて当然過ぎるほど当然である。それと並行的に、砂間君の言うように、日本のいろいろな災害の復旧とか、あるいはその他文化施設とかいうような方面のこともやつて行かなければならぬ。並行してやつておるこの日本の政策に対して、君は何と言うのか、はなはだけしからぬことを言つておる。委員長は強く自省を求めるべきだと思います。
  28. 前田郁

    前田委員長 ただいまの山崎委員の申出でございますが、もし砂間君の発言中不穏当な言葉がありましたならば、速記録をよく調べましてから、適当な措置をとることにいたします。     ―――――――――――――
  29. 前田郁

    前田委員長 次に運輸政務次官より、国鉄裁定に関し発言を求められております。これを許します。
  30. 關谷勝利

    ○關谷政府委員 先般の国鉄の裁定の問題につきましては、皆さん方から非常なる御配慮、御尽力をあずかりまして、おかげをもちまして非常にスムースに解決をすることができたわけであります。これひとえに皆様方の御努力、御尽力並びに御鞭撻によるものでありまして、実は大臣が参りまして直接お礼を申し上げるはずでありましたが、やむを得ざる用件のために欠席をいたしておりますので、私から皆さん方に厚くお礼を申し上げます。
  31. 前田郁

    前田委員長 加賀山国鉄総裁より、国鉄裁定に関し発言を求められております。これを許します。
  32. 加賀山之雄

    ○加賀山説明員 ただいま關谷運輸次官からお話のございましたように、長い間継続審議として本委員会に御審議を煩わしておりました問題が、まことに穏便に昨日の本会議において解決いたしましたことは、国鉄としてこの上ない仕合せでございまして、この上は労働組合と相携えて、経営の合理化にますます力をいたし、国民のお役に立つようにいたしたいと存じまして、本日はお礼に出ました次第でございます。     ―――――――――――――
  33. 前田郁

    前田委員長 次に海外航路制限撤廃に関する件を議題といたします。当局より説明を求めます。
  34. 岡田修一

    岡田説明員 海外配船の状況でございますが、本年四月に海運が運営会の手から民間会社の手に返えされまして以來、海外航路につきましては、漸次制限が緩和されて参つております。四月当時におきましては、日本船の配船を認められている区域はわずかに朝鮮、台湾、フィリピン、バンコツク、インド、それにペルシヤ航路方面でございましたが、その後北米、南米あるいは遠くエジプト、英領地域を除きまして、ほとんどの地域が日本船に開放せられるように相なつたのでございます。英領地場域におきましても、マレー方面においてはズングンの鉄鑛石の輸送に尽力しておりますし、またカナダも最近日本船の就航を認めるに至つております。特に日本船の待望しておりました北米航路について、本年の八月十五日以降自由なる入港が認められまして、毎月相当量の配船を見ているわけでございます。さらに第三国間の輸送につきましても、最近においてはバンコツク、インドなり、あるいはフイリピン、北米なり、またカナダとインドとの間の輸送等も認められておりまして、ほとんど正常な状態に近いところまで返りつつあるのでございます。また日本海運として最も関心を持つていた定期航路についても、この十一月一日に、いわゆる円決済の問題――外国船が受取つた円をそれぞれの国の通貨に交換し得る円決済の問題が解決して以來、関係方面でこれを正式に取上げて、目下その定期航路の許可のいろいろな準備的手続を進めているのであります。すでにアルゼンチン航路については、先日これが許可を見たような次第でございまして、その他の航路についても遠からず漸次許可を見る、かように考えております。  このような状況でございまして、日本船の海外配船も、四月当時に比べて非常な増加を来しております。四月一日現在で外航に従事していた船腹を見ますと、わずかに貨物船で十一万重量トン、タンカーで十八万八千重量トン、合せて三十九万八千重量トン、この中に約十万重量トン程度のものが、朝鮮向けに配船をされておつたのであります。しかるに朝鮮向け配船は朝鮮事変発生以降、一般民間船の就航はございません。にもかかわらず、現在においてはこの貨物船の海外に就航しているものが約七十万重量トン、タンカーが約二十万重量トン、合計九十万重量トンの多きに達しております。さらに最近の世界情勢を反映して、世界的に船腹不足の状況でございます。かように日本船の海外配船が増加いたしましたにもかかわらず、なお日本船に対する大量の引合い、日本船の利用の申込みがあるわけでありまして、四月当時に、新造船が九月以降相当量就航する、またA型改造船も多量就航するようになつた場合、これらの船腹量ではたして可能であるかどうかということを憂えておつたのでございますが、現在においてはそれらの船腹が続々就航を見ているにもかかわらず、なお非常な船腹不足を感じているような状況でございまして、今後定期航路の開設が認められ、さらに第三国間の輸送ももう少し緩和する、また現在なお多少の制約の残つております地域の入港が緩和されるようになりました場合、ますますこの船腹不足を痛感するようになると考えるのでございます。船腹の外航適格船の拡充ということが、痛切に感じられているような次第でございます。  簡単でございますが、外航配船に対する状況を御説明申し上げました。
  35. 砂間一良

    ○砂間委員 ただいまの日本船の海外航路の制限がだんだん緩和されて來たということについては、私どもたいへん喜んでいる次第であります。ところが先般南米の方に五隻ばかり――大同丸とか、長崎丸、高栄丸、大阪丸、星光丸等が行つたようでありますが、これは小麥の積込みに行つた。ところが向うにあてにしていた小麥がなくて、四、五十日間くらい繋船して待つていたというので、船主が相当莫大な損失をこうむつたというような話を聞いておりますが、こういう事実があるかどうか、またその場合積込みに行つた船の損失は一体だれが負担するのか。船主自身の損になるものか、あるいは政府の方でこの損害を見てくれるものか、どうなのですか。
  36. 岡田修一

    岡田説明員 多少そういう行き違いがあつたように聞いております。しかし船主は、それによつて他の荷物を相当積みとつたような模様でございまして、それほど多量の損失をこうむつておるとは考えておりません。さらにそういう損失をこうむつた場合に、これは船主の自営でございますから、船主がそういう危険もあらかじめ頭に置いて、仕事をしておるわけであります。それは船主自身の負担になるわけであります。
  37. 砂間一良

    ○砂間委員 こういうことは、向うのいろいろな荷を積みに行くときの事情が判明しない、連絡不十分なために、こういうことになると思うのです。今後においてもこういう形で、せつかく積みに行つた日本船主に、不慮の損害をかけることはうまくないと思います。ぜひひとつ今後こういうことがないように、政府としては十分配慮していただきたい。  そのことはそれくらいにしておきまして、次に朝鮮事変が始まつて以来、日本船のチャーターということが大分あるようであります。ところがこの傭船料が非常に安い。たとえばこれまでは、日本船はトン当り一ドル五十セントから六十セントくらいであつた。しかるにアメリカの船は、四ドルか五ドルくらいにしておる。まあ四分の一か五分の一ということになるわけです。この十二月の一日から改正になりまして、六千トン以上が一ドル六十九セントとか、あるいはそれ以下が幾らというふうに改正になつて、若干値上げになつたようでにありますが、それでもアメリカの船の傭船料と日本船の場合には、相当大きな開きがある。こういうことは日本の船主が不当に不利な條件にあるという結果になると思うのですが、こういう点についてもつと傭船料にしましても、国際価格に準じたような、日本の船主を保護するような立場が講ぜられないものでありますか。あるいは政府はそういう点について努力しておられるのでありますか。
  38. 岡田修一

    岡田説明員 日本の船のアメリカ軍に対する傭船料が、アメリカ船自体の傭船料より相当安いことは事実でございますが、アメリカ軍に傭船されておる船は、いわゆる戦時標準型の船でございまして、非常に質が悪いのでございます。従つて同率を求めることは妥当でないと思います。それでアメリカ側が日本の船を雇う場合に、これは何も強制ではございません。船主がそれで採算がとれてもうかると考えた場合に、自由に申出て傭船を願つておる、こういうことでございまして、これはすべて船主が、それで採算がとれなければ傭船をなさらなくてもいい、相当採算がとれるという見込みのついた場合に傭船をいたす、かような自由なる取引にまかせておるのでございます。
  39. 砂間一良

    ○砂間委員 この傭船料の未拂いがまだ相当あるように聞いております。ことにこの七、八月ごろ、第八軍関係の方に傭船された傭船料が未拂いのために、労働者の賃金も遅欠配になつておるというふうな実情を聞いております。そういうことがはたして事実あるかどうか。その未拂いに対しては、至急これを支拂つてもらうような努力政府はしておるかどうか。特に労働者の賃金の遅欠配に対しては、どういう対策をとるつもりでありますか。
  40. 岡田修一

    岡田説明員 この傭船の始まりました当初は、傭船料支拂いが、手続関係その他で習熟しなかつたがために非常におそかつた、不便を感じたということを聞いておりまするが、現在はそれが非常に促進された。私ども、そういう支拂いが非常におそかつた場合には、やかましく関係方面にその促進方を申し入れておるような次第であります。
  41. 砂間一良

    ○砂間委員 現在朝鮮作戦に関連して、相当日本の船が傭船されておると思いますが、それは先ほどのお話によりますと、商行為であつて、契約によるものである、こういうお話でありますが、実際日本船が、契約によると商行為によるといかんにかかわらず、朝鮮事変にどのくらいの船が参加しておりますか。
  42. 岡田修一

    岡田説明員 これは私どもでは、明確にお答え申し上げかねる次第であります。
  43. 砂間一良

    ○砂間委員 明確にお答えいたしかねるということが、私には合点が行かない。商行為によつて、契約によつて向うにチャーターされる。これが貸し借りということになつておるのだつたら、日本の海運をつかさどつておる運輸省の役人が、それをわからぬということはないと思うのです。わかつていて、発表できないというのはおかしいと思う。どういうわけでそれをここで公表できないのですか。
  44. 岡田修一

    岡田説明員 ただいまお答え申し上げた通りです。
  45. 砂間一良

    ○砂間委員 どうしても公表しないというのだつたら、これはしかたありませんから、しいて追究しません。追究しませんが、この傭船に乗り組んでおる船員のことにつきまして、二、三お伺いしたい。船員は相当危險地域にも行くわけです。また事故もあつたやに聞いております。たとえばL・R船のF・T六三六号、これは十一月十九日のことでありますが、蔚山沖で機雷に触れて沈没した。そして二十七、八名が行方不明になつて、六名ばかりの死体が上つたそうでありますが、大部分の死体は上らない、こういうような事故も起つておるわけです。こういう危險のある所へ行く日本の船員に対して、危険手当というものは拂つておるのかどうか、また沈没して気の毒にもなくなつた人たちに対して、どれくらいの見舞金というか、手当が出ておるのかをお伺いいたします。
  46. 山口傳

    ○山口説明員 朝鮮事変が起りましてから、日本船舶をこれにある程度使うということがきまりました際に、実はGHQの意向もありましたが、要するに般主と船員との間で、さような、事変に関係して朝鮮向けの航海をいたします場合に、アメリカ船に米国が出して、おるように、一定の区域を危険区域として、それぞれ向うのアメリカ船がもらつておるような率で、日本船員にも危険手当を出せということで、それを前提としての船主と組合員との団体協約ができました。それによつて負担は結局アメリカ側が出すことでございますが、船主を通じて出て行くわけであります。危險区域手当についてはさようなことでございますし、また事故の場合でも、ちようど平素日本船員が船の事故によつて死亡したり、けがをしたりした場合には、業務上の労災保険がございますが、このアメリカの航海に関連して、戦争のためにそういう事故を起した場合には、ちようど日本の船員保険で補償しております金額に相当するものを、別にアメリカの方からも出す。さような仕組みで、危險区域手当あるいは危險品登載手当、被攻撃手当、その他労災関係の補償のとりきめができまして、それによつてすべて取扱うことに決定いたしております。
  47. 砂間一良

    ○砂間委員 その危険手当の出し方なんですが、たとえば釜山だとか、仁川だとかへ行く場合には出すけれども、帰りには何も出さない。行くときには、護衛艦なんかがついて行つて、十分見守つてくれるが、帰りには護衛もつかない。そのためにいろいろな危險や事故が起きるということを聞いておりますが、そういうふうな実情でありますと、乗つておる船員は非常に心もとなくて、心配なんです。また死亡した場合にも、ただいまのお話によりますと、アメリカの船員と辰じように待遇をしてくださるようなお話でありますけれども、実際におきましては、たとえば死亡の場合に、アメリカの船員には一万ドル出す。これは邦貨に換算しますと、三百六十円の為替レートでは、三百六十円になるわけであります。ところが実際には四十万円ぐらいしか出ない、七十箇月分しか出ないというので、非常に差別待遇があるようであります。こういう点は実際においてどうでしようか。
  48. 山口傳

    ○山口説明員 ただいま申し上げた労災関係の手当の額は、アメリカ船に出しているような率をむろん考えるわけでありますけれども、この労災關係につきましては、日本の船員保險法もしくは船員法で補償しておる額の賠償ということになりますので、お話の通り普通でありますと三十六箇月分、従つてこの事変で同じような事故を起しますと、さらに三十六箇月をアメリカの方から支拂つてくれることになつております。
  49. 砂間一良

    ○砂間委員 そこでそういう所へ行く場合に、船主と船員の団体協約によつて、任意の契約によつて行くことになるというさつきの御説明であつたのですが、そういたしますと、そういう危險な所へはわしは行きたくないという船員は、かつてに下船するなり、行かなくてもいいと言うことができるのだと思うのです。しかし実際においては、必ずしもそうなつておらない。行きたくないと言う船員も、下船したいと言う考も許さないで、カン詰同様にしてつれて行つておるというふうなことを聞いておりますが、船員が行きたくない場合には、はつきり断ることができるのですか。
  50. 山口傳

    ○山口説明員 ただいまお話のような、強制をしているような事実は絶対にございません
  51. 砂間一良

    ○砂間委員 任意に下船できるのですか。
  52. 山口傳

    ○山口説明員 はあ。
  53. 岡田五郎

    岡田(五)委員 まず秋山次官にお尋ねしたいのでありますが、過般新聞紙上で拝見したのでありますが、日英通商協定が結ばれた。その会議の席上、日本船舶の英領その他の諸港に対する自由出入港ということが相当大きな議題になつて、いわゆる最恵国條約を日本においても適用してもらえないかということで、大分議論になつたようでありまするが、その節いろいろの空気の関係上、講和条約まで待つたらという新聞記事が出ておつたのであります。私たち日本人といたしましては、一日も早く日本の海運が外国の諸港に無制限に出入港できることを期待してやまないのであります。このニュースを見まして、私非常に希望を持つておりました反面におきまして、非常に落胆をしたのでありますが、その間の事情を次官において、私たちにお知らせ願える事項がありましたら、御説明願いたいと届います。
  54. 秋山龍

    ○秋山説明員 ただいま岡田委員から、私を指名しての御質問でございますから、お答えいたします。  ただいまお話にありました具体的な事例につきましては、私その機会に出席しておりませんので、具体的なお答えのできないことはまことに残念でございます。一般的に申しまして、大英帝国と申しますかの構成というものは、木国と自治領との関係が非常にゆるい輿係になつておる。これはあるとき向うの人の相当な方と会つたときの話でありますが、本国と自治領というものは、自治領という名前が示すがごとく、非常にゆるい結合関係なつておる。従つて本国で全体の自治領の意向を決定することはできがたい実情にある。従つて自治領々々々によつて、いろいろと戦争中に有る日本との関係の近さ、遠さといつたものによつて、対日感情の濃度に相当の差がある。従つて遠い所では、たとえばカナダのごときはすでに自由入港を許してくれておりますが、近い所では困難だというような関係にあるということを聞いておつたわけであります。従いまして日英通商協定の場合においても、おそらく私の想像いたしますところでは、そういつたようなことが一律に取扱われることについて、技術的な困難があつたのではないか、かように想像いたしておる次第でございます。
  55. 岡田五郎

    岡田(五)委員 次にお尋ねいたしたいことは、最近南米を中心といたしましてOSKでございますか、大体定期航路が一航路認可になつたようでございますが、現在の日本の船主におきましては、外国の各地に競争的に定期航路の申請をいたしておるようであります。適当なる競争は非常にけつこうで、ありますが、私は過去の日本の海運事情を考慮いたしまして、あまりに競争のはげしいがために、外国におきましての海運賃のダンピング、あるいは軽労働によるダンピングというようなことからいたしまして、日本の海運に対する世界の信用を失墜するあやまちを再び繰返すことを、非常におそれておるのであります。最近の新聞紙上を見ますと、各社競つて外国の各地に定期航路を申請いたしておるわけでございますが、これに対する運輸省の指導といいまするか、補導といいまするか、そういうことにつきましてどういうお考えを持つておられるか。その辺の考えをお話願いたいと思います。
  56. 秋山龍

    ○秋山説明員 ただいま前段のお話の、日本海運があまりに商売熱心なために、運賃ダンピングその他相当ひどい競争をいたしました。これがために海運諸国との間が、ともするとうまく行かないといつたことは、将来日本の海運の発達上、障害になるのではないかという趣旨のお話でございますが、これはまことに肯繁に当つた意見でございまして、まさにそういう点はいろいろと諸外国からかつて非難せられ、また現に批判せられておるところであるのであります。私どもといたしましては、商売熱心なことはまことにけつこうでありますが、そこにおのずから節度がなければならない。そして広く、長く友好的な関係において、諸外国との間に海運の繁栄を享受するということが根本でなければならない、こう考えておるわけでございまして、機会あるごとに、そういうような指導をいたして参つておるわけでございます。  なお具体的問題としての海外定期航路の問題でございますが、この申請をやはり許可いたしますと、どうも御指摘のような事態があるのではないかということを、私も心配いたしておるわけでございます。しかしながら外国定期航路の申請と申しましても、要するに一つは占領下にある日本船舶の行動が、一般的に占領軍当局に管理されておる。すなわち日本の船が外国に行くのについての許可、この問題から来るところのひつかかりと、もう一つは、定期航路をやります場合には、大体方面別に諸外国との間に海運同盟というものがあるわけでございまして、この海運同盟をもちろん尊重するという政策と、尊重せぬという政策もあるわけでございますが、前段に御指摘になりましたような事態にかんがみまして、私どもはやはり尊重するという建前で行きたいと考えておるわけでございます。従いましてこの海外定期航路の申請は、一面には邦船の外国就航に対する一般的許可ということにかかりまするが、他面では、関係の海運同盟に参加するという問題になるわけであります。従つて各社ともにその同盟に参加して定期航路を設立したいという、非常に熱烈な意思があるわけでありまして、ここでもし出遅れたならば、あとで取返しがつかぬといつたような心配もあるやに考えられるのであります。私どもといたしまして、直接これをどうこうするという、実は法律に基く権限を持つておらないのでありますが、海運を担当する責任当局といたしましては、何らかの方法によりまして、各社の現在の各航路における荷物の実勢でありますとか、あるいは将来の見込みでありますとかいうようなものを、よく情報を与えまして、そうして何といいますか、クール・ダウン――よく冷却期間といつたようなことを言つておりますが、そういつたような考え方で、関係者の間に一般的にた、だいまお話のありましたような事態を十分考えるように指導いたしますとともに、具体的な荷動きのデーター等によりまして、考え方がもう少しかわるように、関係当局とよく連携いたしまして、目下指導いたしておるような次第でございまする従つてややこの問題がおそいではないかといつたような御批判もあるかと思いますが、どうも法律に基かざる実際上の行政というものは、関係者の気持を直すということではないものでありますから、そこにおのずから手ぬるいといつたようなことがございますが、方針といたしましては、ただいま御心配になつておりますようなことの起らないように、何とか上手にさばきたいということで、関係当局と協力のもとに進めておるようなわけであります。
  57. 坪内八郎

    ○坪内委員 次のようなことに関しまして、簡単に要点のみでけつこうでございますが、岡田局長にお尋ねしたいと思います。先ほど海外航路につきましていろいろお話がございましたが、最近の新たな国際情勢に基いて、国内の航路関係あるいは海運輸送事情が、一体どういう状態なつておるかということと、それから先般来低性能船買上げによる関係につきまして、われわれもあの法案につきましても審議いたしたのでありますが、当初政府計画した予定よりも、下まわつた買上げになつたように承つておるわけでありますが、その辺の事情をお請願いたいと思います。  それから第二点に、陸上貨物滞貨が、聞くところによると百四十万トンもある。これが影響いたしまして、汽船とかあるいは機帆船に移行されつつあるのではないか、この辺の状態はどうなつておるか、これに要する燃料はどういう状態なつておるか、さらにまた過般来、関西におけるところの台風によつて、機帆船の石炭輸送が三月に限つて輸送ができるような状態なつておつたのでありますが、この点につきましては、当局の御協力によりまして、多少の油も配給になつたというような状態でありますが、この点は一体どういうふうになつておるのか。  それから第三点は、運賃関係でありますが、こういつた状態のもとに、運賃の調節、指導あるいは啓蒙はどういうふうにやつておるか。この三点について、大体要点のみでけつこうでございますから、お話願いたいと思います。
  58. 岡田修一

    岡田説明員 第一点の、国内輸送状況でございますが、四月以降朝鮮事変の始まるまでの毎月の輸送状況は、約百万トン前後でございます。それが八月以降漸次ふえて参りまして、八月には百二十万トン、十月、十一月にはこれが百五十万トン程度にふえております。従つて、ただいま運賃の問題も出ましたが、運賃も四月に民営還元をいたしました当時におきましては、運営会当時に公定をいたしておりました運賃の五〇%あるいは六〇%、こういう状況であつたのでございますが、これが九月、十月ごろには、その当時の公定運賃の二〇%減というようなところに回復して、現在さらにそれよりも多少回復したという状況でございます。  それから低性能船舶でございますが、法律では六十万重量トン、四十万総トンを政府が買上げて、過剰の、かつ性能の低いものを整理するという目的であつたのでございますが、朝鮮事変によりまして、一般的に輸送量が増加し、また米軍からの傭船もありまして、これに対する申込みが相当激減するのじやないか、あるいは申分以下になるのではないかというような危惧を持つてつたのでありますが、日本海運業者の遠い先を見た、高所からの考えによりまして、申込みのありましたものが四十三万重量トン余でございます。そのうち約二隻が買上げに適しない船がございまして、実際買上げの対象になる船は四十二万重量トンでございます。目下これが契約を締結中でございまして、現益では約三分の二が契約締結済みでございます。残余のものは、あるいは期間輸送、あるいは米軍の傭船になつており、その他特殊の事情で運航状態にありまして、契約締結がやや遅れておるような次第であります。  それから陸上輸送の滞貨に伴う海運対策でございますが、汽船の面に相当量落ちて来ております。具体的なものとしては、鉄道用炭が月約十万トンが汽船の方に落ちております。同様に機帆船の方にも鉄道用炭が多少落ちておる。さらに一般貨物も、相当量機帆船に対する輸送要請となつて現われて来ておるのであります。これに対して私どもは何とか燃料油の確保をはかりたいというので、月下関係方面に折衝中でございます。少くとも第三・四半期に、近畿の風水害に対する特別措置として増配のありました燃料分は確保いたしたい、かような考えをもつて目下関係方面に折衝をいたしておるような次第であります。  なお内航運賃につきましては先ほど申し上げましたが、外航における運賃も、朝鮮事変以後、世界の海運市場が非常に強調を示しておりまして、傭船料においても五割以上の値上りを示しており、また運賃についても同様の状況を示しておるのであります。たとえばフイリピンから持つて参ります鉄鉱石が、朝鮮事変前には二ドル六十五セントであつたが、現在では四ドル五十セントになつており、またズングンの鉄鉱石も二十四シリング六ペンスであつたものが、現在では三十三シリングとなつており、また北米からの小麦も七ドル以下であつたものが、現在では十ドル近くになつておるという状況町で、外航運賃につきましても、相当の強調を示しております。これは世界海運市場の強調にならつての運賃でございます。
  59. 坪内八郎

    ○坪内委員 それでは三点ばかりお尋ねいたしたいと思いますが、低性能船舶の買上げは、政府の見込みから少しはずれまして、四十二万トン程度だというお話でありますが、これが補正予算に商船管理委員会の減として、七億四千三百万円ばかり出ておるのであります。修正予算は大蔵省に返還するのでありますが、この七億幾らの予算は、全額この船舶買上げによる予算の相違によつて生じた額であるのかどうか、その点をお尋ねいたしたい。  それから燃料問題につきまして、陸上貨物の滞貨に伴つて、どうしても汽船、機帆船に移行されて行くということにつきまして、燃料の見通しは、GHQと折衝してどういう見通しであるか、非常に朗報をもたらすことができるかどうか。それから先ほどお話し申し上げました機帆船の燃料につきまして、近畿の風水害による関係から、十二月一ぱい、三月間燃料を支給されることになつておるが、この点の向うとの折衝の模様はどんな見通しであるか、その点をお尋ねいたしたいと思います。
  60. 岡田修一

    岡田説明員 商船管理委員会の予算補正に出ておりまする七億余は法律に予定しておりましたトン数に、買入れ申込みトソ数が達しなかつたその差から出て来た剰余がここに出ておるわけでございまして、給与財源等に充てられておるものと思います。  それから燃料油でございまするが、まだはつきりとしたことを申し上げるわけには参りませんが、私どもとして、は、何とかこれを確保いたしたい。ただいま申しましたように、少くとも第三・四半期に対する特別割増しの量だけは確保いたしたい、かように考え目下折衝をしておるのでございますが、最近のうちにその結果がわかるのではないかと考えます。
  61. 砂間一良

    ○砂間委員 外航船の配船状態ですけれども、それはどんなふうになつておりますか。それからまたその配船計画は、日本政府が独自の立場から立てられるのですか。それともそういうふうな自由はないのですか。
  62. 岡田修一

    岡田説明員 ちよつと方面別の詳しい隻数、トン数は持つておりませんので……。
  63. 砂間一良

    ○砂間委員 その資料は、ありましたらあとから提出していただきたい。
  64. 岡田修一

    岡田説明員 それでは概略を申し上げますと、これは貨物船だけでございますが、ちよつと時日がさかのぼりますが、十一月二十一日現在で、沖繩方面に二万六千重量トン、それからフイリピン方面に十八万八千重量トン、シャム方面に二万五千、ビルマに二万八千、アンガウルに一万六千、マレーに五万、ビンタンに八千、パキスタン並びにインドに八方、ペルシャ湾に二万一千、南太平洋に五万五千、南米に四万四千、北米西海岸に約十万、東海岸に一万七千、合計で貨物船で六十六万重量トンばかりが配船されております。そのほかにタンカーで、バーレンに――これはペルシャ湾ですが、重量トンで十八万五千、北米に二方一千、約二十万六千が外海に配船されておるような次第であります。これは政府が配船計画を立てて、その計画に基いて配船するということはやつておりません。すべて今自由なる取引によつて、それぞれ船主が荷主を探して、その荷主と契約ができ次第、関係方面の許可を得て、その方面に配船する、こういうことになつております。
  65. 砂間一良

    ○砂間委員 ただいまの配船状態をお伺いしますと、中国や香港、そういう方面にほとんど配船されておらないようであります。しかしながら、たとえば開らん炭の輸入につきまして、中共政府と二百万トンからの輸入契約ができている。この開らん炭は日本の製鉄産業には、どうしてもなくてはならない必要なものなのです。これまで米国からアメリカ炭を入れていたのですけれども、そつちの方は運賃や価格が高くつくというので、せつかく近くにある開らん炭の輸入が、香港を経由してできておるにもかかわらず、船がないために非常に積取りが遅れている、こういう実情になつているということは、日本経済その他の新聞に毎日のように、たびたび報道されている通りであります。こういう点について、船主と貿易業者との自由契約でやつていることだから、政府はタツチせぬというお話でありますけれども、しかしたとえば製鉄というものは、日本の基礎産業でありまして、非常に重要であります。そういうふうな点について、石炭が入らないために、製鉄事業にいろいろな支障を来しておるという実情を見た場合に、こういう方面の船の配船について、政府として何も努力しておらぬのか。あるいは総司令部の方の許可が必要であるならば、そういう方面にももう少し努力をしておるのかおらないのか。中共あるいは中国貿易ということとなると、日本の一番近い、最大の隣国でありながら、思想が違うのか、政治制度が違うせいか知りませんが、何か袖にしている。そうしてわざわざ遠くの方から高い運賃を出して持つて来て、それも最近戦略物資の値上りによつて、なかなか思うように行かぬということになつておるようですが、そういう点について政府努力というか、方針というか、そういう点はどんなことをやつておられるのですか。
  66. 岡田修一

    岡田説明員 御承知の通り日本の海運は、占領軍の直接管理下に置かれておるのであります。外に出る場合にも、一々関係方面の了解を得なければなりません。それから関係方面が外に出す場合にも、相手方が日本船の入港を拒否する場合、そこには入ることができないわけであります。たとえば香港方面は、日本船の入港を認めておりますが、一般的に貨物の輸送につきましては、相当まだ制限されておるような状況でございまして、香港方面の配船がまだ十分円滑でない。従つてその方面の配船がないということであります。それから中共方面でございますが、これもいろいろ政治的な事情に基くと存じますが、日本船の配船が現在のところ認められていないような次第であります。
  67. 砂間一良

    ○砂間委員 私、ひとつ政府に強く要望しておきたい点は、講和会議のことが問題になつておりまして、全面講和とか、単独講和とかいわれておりますが、日本の目立経済というものは、当然今からその準備をしなければならぬと思いますが、その場合最大の隣国でありますところの中国を無視した行き方は、ある外国は好まないかもしれませんけれども日本の自主的な立場に立つて考えるならば、当然そういう点はもつと政府が強く考慮しなければならぬ問題だと思う。配船、横取り等の点についても、いろいろ困難な政治的支障があるということは、私どもも承知はしておりますけれども、しかしそういう障害を除去するように、今後一層努力していただきたいということを強く要望しておきます。  それからもう一つ海運に関連してお伺いしておきたい点は、先般ポツダム政令によつて公布になりました船員外航従事令、十月の一日だつたと思いますが、これはポツダム政令によつて政府は出されたそうでありますが、これは総司令官の指令か何か、そういう強い要望があつて出されたのでありますか。それとも日本政府がかつてにそういうようなものをお出しになつたのですか。また好ましからざる人物とか何とかいう基準は、一体どういうところにあるのでありますか。
  68. 山口傳

    ○山口説明員 船員外航従事令をどうして出したかという原因については、これは関係方面からの強いディレクテイヴが出ております。好ましからざるということが、政令の中にうたつてありますが、それの判定はすべて関係方面の方でいたします。
  69. 砂間一良

    ○砂間委員 その関係方面でされるということが、私には理解できない。政令はデイレクテイヴによつて日本政府がお出しになつたとしても、日本の船員でしよう、日本の国民でしよう。これを適用になるかならぬかということは、当然政令を出した日本政府の方でなさるべきではないかと思うのです。ところが実際におきましては、この好ましからざるとか何とかという、きわめて抽象的な基準によつて、進歩的な、ほんとうに船員のためを思つていろいろ労働組合運動をやるような人が、赤色パージといい形でどんどんみんな首になつて行つている。そうして船員組合をまつたく無力なものにして、朝鮮の戦争なんかにどんどん傭兵と言つては語弊があるかもしれませんが、何か人夫がわりに使うというような形で、非常に不利な、まつたく無権利状態で酷使されているということが実情であります。これは関係方面の方で一々えり好みをやつておられるのであるといたしましても、これは日本政府といたしまして、日本国民を、日本の船員を保護するという立場から、もう少し腰骨をすえたやり方で、ひとつ交渉なり努力なりをしていただきたいと思うのです。そうでなかつたらとてもこの船員はやつて行けない。  なお時間の関係もありますので、関連して御質問申し上げますが、さつきちよつと問題になりました陸上運送のことについて伺います。この貨車の逼迫ということが、最近非常に深刻になつて來ている。たとえば岩手や宮城あたりでも、たまなや白菜が腐つている。あるいは青森等ではりんごが腐つている。魚なんかでも輸送が困難のために、ある所には腐らしておいて、片方ではまつたく配給もできないという状態である。私は静岡県でありますが、靜岡県は主食が足らないので、秋田、山形から移入することになつております。農林省の方では移入の割当があつて、向うでは出すと言つておりますが、この輸送ができないために、粉ばかり配給になつている。今月になつてもほとんど粉ばかりで、米の配給はない。そうして貨車がとれないために、津軽海峡をまわつて機帆船か何かで持つて來るということですが、正月に間に合うか合わないかわからない。こういう形で、輸送が非常な梗塞状態に陷つておりますが、これが一方では特需の関係において、貨車が関係方面の方に使われているようであります。東海道線などの輸送状況を見ますと、貨車という貨車にみな戦車だとかジープだとか、あるいは大砲みたいな一見軍需品と思われるようなものを積んで、西へ西へと行つている。そうして日本国内の産業や經済に必要な物の輸送は、まつたく阻害されている。もしこれが商行為によつて賃貸借の関係で行われておるものであるならば、まず日本の産業や国民生活ということを第一にして、それを十分達成した後で、余つているものがあつたら貸してやつてけつこうだと思います。これが商行為であるならば、まず日本国民の利益というものを第一にしていただきたいと思います。あるいはもしこれが占領政策であるならば、私は占領政策の限度というものを承りたい。朝鮮の戦争に明らかに関与するところの軍需物資の輸送について、日本は何らの協力する義務もないと思う。その辺の限度というか、限界がきわめて漠然としている。そうして政府は何か国連協力というような形で、他国のいらざる戦争に干渉して、その犠牲を日本国民がこうむつているという形になつているわけでありますが、これらの点についてちやんとはつきりした政府の所信をこの機会に承りたいと思います。
  70. 秋山龍

    ○秋山説明員 鉄道の輸送状態が逼迫いたしておりますことは事実でございますが、これは終戦後経験いたしました最大のものに比べますと、まだ非常に程度は軽いようでございます。私どもの記憶によりましても、駅頭在貨三百五十万トンまでは、私が次官に就任いたしましてからも経験があるのでありますが、それに比べますと今日はまだ百五十万トン程度でありまして、その程度にもなつていないのであります。しかしながらこの原因について考えました場合には、大体日本の荷動きは、秋から初冬、翌年の一月くらいにかけて、季節的な農産物の生産等の関係から非常に多いので、この貨車の輸送力をこの状態のときを標準に置くかどうかということにつきまして、従来もいろいろ問題になつたのであります。私どもといたしましては、断然この最大の需要力に応ずる輸送力を持つべきであるという考えでございますので、来年度の計画におきましては、相当量の貨車の増強をいたしたいと考えているわけであります。  なお先ほどのお話のありました国連協力がどうのこうのという問題は、私どものお答えすべき範囲に属さないと思います。要するにこれは見解の相違に帰着するものと考えております。
  71. 砂間一良

    ○砂間委員 今の点についての答弁は、はなはだ不満であります。不満ではありますけれども、大臣も来ておらないようでありますから、これ以上ここでは申しません。大臣が出席のとき、はつきりお聞きするつもりであります。  最後に簡単に一つ伺いたい点は、第六次造船の見返り資金よりの融資が年内に出るか出ないか、承りたいと思います。
  72. 前田郁

    前田委員長 明日造船融資のことについて議題にすることになつておりますから、その節にやつてもらいたいと思いますが、いかがですか。
  73. 砂間一良

    ○砂間委員 わかりました。
  74. 前田郁

    前田委員長 ただいま本会議をやつておりますので、きようはこの程度にて散会し、明日午後一時より開会いたします。     午後四時八分散会