○秋山
説明員 ただいま前段のお話の、
日本海運があまりに
商売熱心なために、運賃ダンピングその他
相当ひどい競争をいたしました。これがために海運諸国との間が、ともするとうまく行かないとい
つたことは、将来
日本の海運の発達上、障害になるのではないかという趣旨のお話でございますが、これはまことに肯繁に当
つた御
意見でございまして、まさにそういう点はいろいろと諸外国からか
つて非難せられ、また現に批判せられておるところであるのであります。私
どもといたしましては、
商売熱心なことはまことに
けつこうでありますが、そこにおのずから節度がなければならない。そして広く、長く友好的な
関係において、諸外国との間に海運の繁栄を享受するということが根本でなければならない、こう
考えておるわけでございまして、機会あるごとに、そういうような指導をいたして参
つておるわけでございます。
なお具体的問題としての海外定期航路の問題でございますが、この
申請をやはり許可いたしますと、どうも御指摘のような事態があるのではないかということを、私も心配いたしておるわけでございます。しかしながら外国定期航路の
申請と申しましても、要するに
一つは占領下にある
日本船舶の行動が、
一般的に占領軍当局に管理されておる。すなわち
日本の船が外国に行くのについての許可、この問題から来るところのひつかかりと、もう
一つは、定期航路をやります場合には、大体方面別に諸外国との間に海運同盟というものがあるわけでございまして、この海運同盟をもちろん尊重するという政策と、尊重せぬという政策もあるわけでございますが、前段に御指摘になりましたような事態にかんがみまして、私
どもはやはり尊重するという建前で行きたいと
考えておるわけでございます。従いましてこの海外定期航路の
申請は、一面には邦船の外国就航に対する
一般的許可ということにかかりまするが、他面では、
関係の海運同盟に参加するという問題になるわけであります。従
つて各社ともにその同盟に参加して定期航路を設立したいという、非常に熱烈な意思があるわけでありまして、ここでもし出遅れたならば、あとで取返しがつかぬとい
つたような心配もあるやに
考えられるのであります。私
どもといたしまして、直接これをどうこうするという、実は法律に基く権限を持
つておらないのでありますが、海運を担当する責任当局といたしましては、何らかの
方法によりまして、各社の現在の各航路における荷物の実勢でありますとか、あるいは将来の見込みでありますとかいうようなものを、よく情報を与えまして、そうして何といいますか、クール・ダウン――よく冷却期間とい
つたようなことを言
つておりますが、そうい
つたような
考え方で、
関係者の間に
一般的にた、だいまお話のありましたような事態を十分
考えるように指導いたしますとともに、具体的な荷動きのデーター等によりまして、
考え方がもう少しかわるように、
関係当局とよく連携いたしまして、
目下指導いたしておるような次第でございまする従
つてややこの問題がおそいではないかとい
つたような御批判もあるかと思いますが、どうも法律に基かざる実際上の行政というものは、
関係者の気持を直すということではないものでありますから、そこにおのずから手ぬるいとい
つたようなことがございますが、
方針といたしましては、ただいま御心配に
なつておりますようなことの起らないように、何とか上手にさばきたいということで、
関係当局と協力のもとに進めておるようなわけであります。