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關谷政府委員 いろいろ鉄道新
線建設の問題につきまして御質疑があ
つたようでありますが、先ほど来いろいろ監督局長から御
答弁申し上げておりますのは、現在来年度の予算を編成いたします数字の上に現われておりますことを基礎としてのみ申し上げておりますので、非常に消極的なように見えておるのでありますが、
運輸省といたしましては、必ずしもそういうふうな政治的な
方面においては、そのように消極的には参
つておらないのでありまして、去る二回の
国会におきましても、非常に皆様の熱烈なる要望がありましたので、どういたしましても新
線建設を大々的にやりたい、こういうふうなことから来年度におきましては二十億——新
線建設に十億、都市計画によります停車場その他で十億、こういうふうな財源の確保ということにつきましては、どうしてもこれは確保したいというようなことで、いろいろ折衝を続けておるのでありますが、皆さん方御承知のように、当初は非常に不採算線が多いというようなことから、
国有鉄道の独立採算制というようなことも考え合せまして一般公共
事業費から出してもらいたいというので、いろいろ交渉をいたしたのでありまして、自由党におきましてもいろいろ政務調査会あたりで、その方法も考えたのでありますが、諸種の
事情によりましてこれが立ち消えとな
つたのであります。その後は見返り資金からどうしてもこれをとりたいということで進んで参
つたのでありますが、いろいろこの公共
事業費の中におきましても、道路等のような営利的でないものということが主眼に相なりまして、鉄道、電信等の営利的なものに対しましては、見返り資金は不適当であるというような意見も出て参
つたのであります。そのためにまたこれが非常に困難視され、こういうことに現在な
つておるのでありますが、たといこの実現が困難になりましても、預金部資金その他の方法もありますので、経済安定本部等で考えておりまするのは、預金部の資金を流用する、そうして赤字が出る場合には利子補給をやろう、こういうふうなことを考えて、しきりに積極的にこれを進めて参
つておるのでありまして、近くこれの財源がどういうふうになるかということがはつきりして来ると思います。今後一週間あるいは十日のうちには、こういうふうな線がはつきりして参る、このように考えております。
なおこの審議会というふうなことの制度につきましても、何らそのままで放任しておるというのではないのでありまして、先般鉄道新
線建設の調査会というものを設けまして、この調査会におきまして基本的な方法、一般的な財源とか資材とか方法というようなことをここで検討いたします。そのために
関係各省の局長級を網羅いたしまして、そのメンバーを編成いたしておるのでありまして、これによ
つて基本的なものを
決定する。そうしてその調査会の決議に基きまして、現在鉄道新線の建設の審議会をつくろう、こういうことに相な
つておるのであります。
なおこの審議会と
運輸審議会との関連性というふうなことにつきましては、これは非常に微妙なものがあるのでありますけれども、簡単に申し上げますと、この新
線建設の調査会におきましては、基本的な方向を定めて参る。なおどういうふうな線を
決定すべきかということにつきましては、
大臣がこの新
線建設の審議会に諮問をいたしまして、そこで大体の
決定を見る。そういたしますると、それによりまして
国有鉄道の方に命令をする。
国有鉄道の方からこの新線を
決定することの認可を申し出ました場合に、
運輸審議会においてこの適否が審議せられ、それに基いて国鉄が施行をして行く、こういうふうな方向に進めて参りたい。せんじ詰めれば、いろいろ疑問の点が残
つておるのでありますが、大体そのような方向で、鉄道新
線建設の審議会をつくるということの、積極的、具体的な動きが出て参
つておりますので、これも財源の点とにらみ合せて、あるいはその財源が
決定いたしましてかちというふうなことで、多少時期的にはずれがあるかもわかりませんけれども、この新
線建設の審議会も早急につくり上げたいということで、具体的に進んで参
つておりますので、近く皆さん方にどういうふうな構想でこれが生れて来るかということを、御報告を申し上げる機会が来ると考えております。先ほど来監督局長が申しましたのは、さような予算の面に現在組まれておりまする点等から、なお独立採算制ということに非常にとらわれたために、非常に消極的であるかのようで、皆さん方はまことに御不満なことであ
つたと、私そばで聞いておりましても、そのように考えられますけれども、
運輸省といたしましては、決してそのように消極的ではないのでありまして、積極的にやりたい。大体国鉄の独立採算制と申しますることは、これは能率を上げるための目標と申しまするか、最小限度の人員で最大の能率を上げたいということを、端的に表わしたのが独立採算制であります。決してこれが主であ
つて、公益性が従になるのではないのでありまして、あくまでも公益性が先にな
つて参るのでありますから、経済開発の面その他を考えまして、たとい経済線でありましても、これが審議会で
設置せよという方向に向いて来るのではないか。国の経済線なら国家の総合開発計画の点からこれを
決定すべきものである、私はかように考えております。