○山崎(岩)
委員 そこで、りつぱな條理の盡された点と、條件をつけられて御
答弁があ
つたのでありますが、私ども運輸
委員会は九月十九日に決議をも
つて、四局の増置という点につきまして、
運輸大臣に勧告をしておるのであります。その
運輸大臣に対するところの私どもの勧告というものは、これはただ單に私どもが、たとえば自分の選挙区の問題であるとか、たとえばまた自分の一党一派の党利党略のためであるとかいうような、けちくさい考えをも
つて決議したのではないのであります。しかも本
委員会におきましては、超党派的に、満場一致をも
つて決議をしております。この一点から見ましても、この問題がいかに重大な問題であ
つて、しかも論議を盡した上に決議されたものであるかという点は、御了解をいただかなければならないと思うのでございます。私は先般も総裁に
お話申し上げたのでありますが、総裁のこのたびとられましたところのこの機構改革というものは、日本の運輸行政上に重大な影響を與えるほどの大きな改革であ
つたということは、これは国民全部が認めておるのであります。しかも私どもはその重大なる改革というものに対しましては、ある
程度協賛を與えておるのであります。私どもただいまここに四局を増置するという点は、総裁の考えられましたいわゆる縦割制度に対しまして、横車を押しておるのではございません。これをまた横割制度の、昔のようなやり方にしてほしいということを言
つておるのではないのでありまして、縦割制度の上にさらにこの四局を増置することが、どれだけ
国鉄運営の上に重大なるさしさわりがあるかどうかという点を考えてくださいましたならば、私は了解がつくことと思う。当局の考えられました縦割制度に、私どもはさらに、ただ百尺竿頭一歩を進めた
程度のものであ
つて、決してあなたの考えておるところの改革を、横車でも
つて横の面に押してしまうという考えでないことは、御了解がいただけると思う。さればこそ私どもは北海道から始めまして、九州のすみずみに至るまで
調査の上、いろいろな点の報告を持ち寄りまして、本
委員会が討議を加えて決議をしたのである。その決議に対しましては、これは
運輸大臣は従わなければならぬと私は考えます。
運輸大臣が従わなければならぬということは当然のことで、
国会は国権の最高機関なりと憲法が明記しておるのであります。その国権の最高機関たるところの
国会が、いろいろな面から研究をして決議をしたことを、
運輸大臣が取入れないということがあ
つたとするならば、その結果はどういうことになろうかということも、これは
国会においてあえて論議する必要のないことである。そこで
運輸大臣は、早晩この問題に対しまして、何らかの解決策をと
つて行かなければならぬ。すなわち
国鉄法第五十四條に基いて、大臣命令でも発しなければならぬ立場にあるかと私は考える。その際における
加賀山総裁のお考えをただいま承
つたのでありまするが、ところがその総裁のお言葉のうちには、私が今までや
つておることは、いいと考えてや
つたことなんで、それに対しまして、上から圧迫的に大臣命令が出て来るということになれば、私どもとしては承服しかねることなんだけれども、法律に根拠を置いていることであるならばやむを得ない、こういうことでございます。そこで私は総裁に、先ほどあなたが本
委員会において、
国鉄の不詳事件に対して、何のために私ども
委員会において陳謝の意を表されたのか、われわれはやはり国民の代表であるからだと考える。先ほどあなたの御
答弁のうちにも、国民に対しましてと言われました。その国民に対するところの
一つの段階は、われわれ
国会議員という
一つの代表機関がある。その代表機関の手を経て、初めて国民全体に対するあなたの
考え方が浸透して行くと見なければならぬ。それが民主主義の今日の日本の機構なんです。しかるにその私ども国民の代表者であります者が、ただいまここでも
つていろいろ論じて、そうして大臣とあなたと私どもとの間に融和をはかる。その融和があなたにとりまして、ふためなことがあるでありましようか。
国鉄運営の上において、
国鉄の労組の方々とあなたとは親子の
関係があるのでありますならば、私どもとあなたとの
関係はどういう
関係でありましようか。たとえば公共企業体となりましても、私ども国民は
一つの大きな株主であります。その株主総代といたしまして、私どもが
国鉄の機構等に対しましても、いろいろ
意見を述べることは、あくまでも当然のことだと私は考える。決して横車ではございません。さればこそあなた方の鉄道の運営につきまして、最も重大である
給與ベースの引上げ等の問題につきましても、私どもとしましては真劍に実は考えておる。昨日も本
委員会の
委員長である
前田委員長、並びに参議院の
委員長である植竹
委員長に私も扈従いたしまして、
国会対策課長であるウイリアム先生に会
つて、そうしてこの
給與の問題についても、私どもは
国会側としての
意見を述べて、善処方を要望して来ておるのであります。これは一体何のためか。
国会としましても捨て置くことのできない問題である。なぜならばわれわれは株主総代であり、そうしてその
従業員に対しまして、最もよい処置をとるということは、私どもの與えられた義務であるからであります。そこで総裁、こいねがわくは、私は決して贅言を用いません。大臣の命今に対しましても、あなたが承服される点につきましては、心から欣然これに参加するのお心構えがいただきたいのであります。私ども
委員会といたしましても、あなたのそのお心構えができさえするならば、いかなることにつきましても、あなたのやられることにつきましては善意なる解釈を下して、善処するだけの用意がある。その点をはつきりしてこそ、初めて二万キロにわたるところの、このえんえん長い営業を持
つておるところの
国鉄のことである。いついかなる事態が発生しないともわからない。そういう場合につきましても、私どもはあなたの
考え方を国民全般に浸透せしめて、初めてスムースに運営することができるものと考えるのであります。
国鉄の運営の根本は人の和でありまして、その人の和が
国会と
国鉄とまた当局との間にできてこそ、初めて私はいかなることでも円満に達成することができる、かように確信しておるのであります。総裁、何とぞひとつ大臣命令の点につきましても、あなたは権力ずくめの問題であるとお考えなさることなく、どうぞあなたのやられた縦割制度に対して、百尺竿頭さらに一歩を進めたものだという点に、ひとつ御同情をたまわれて、円満なる御解決をお願い申し上げたいのでございまするが、この点についてお考えはいかがでございましようか。