○
証人(
藤林敬三君) 先ほど原
委員から
裁定が労資
双方を
拘束し、
債権債務の
関係が生ずると
考える場合に、
政府によ
つて国会に出された資金上、
予算上の
措置が、
国会をうまく通過……
国会の
承認を得なか
つたという場合にはどうなるのだという御
質問であ
つたかと思うのですが、私は今日の状況では、そういう場合もあり得るのじやなかろうかと、御
質問者の御懸念の
通り私もありはしないかと思うのでございます。と申しますのは、
国会は
予算審議を含め、とにかく国権の最高機関でございますから、何物を以てしてもこれを
拘束したり制限したりすることはできない、或いはすべきものではないと思います。だからそういうことはあり得ると私も思います。併しそれを予想いたしまして先ほど私は自分の
意見を述べたのでございますが、併し万一そのような事態がここに発生をいたしましたということになりますと、そこで問題は、これは
組合の案を参考にこの
あとに響いて頂きまして、そこを私も見ましてそこに現われておる
意見でございますが、一度或る期の
国会でうまく行かなか
つたらやはり
債権債務が残
つておるのだから、
政府としては次期
国会に改めて又その
予算上、資金上の
措置を
国会に対してとる、そこでいけなか
つたら又とるとい
つたような、何何でもとにかくその
債権債務の
関係をうまく処理するためには、
政府としては一度の
国会でいけなければ次期の
国会というような
工合に
義務付けられる、こういうような方法が
一つ考えられるのでございますが、併しこれは国の政治なり、
国会の運営からいうと、必ずしもこういう
工合にしてやることに私は
賛成はしかねるのでございます。我々は民主主義の政治から言えば、そういうことを何回もやらなければならんというほど、これは無札千万な話はないのでございまして、やはり一度の
国会で十分な密蔵を以ておやり下さることを我々としては期待しておるものであります。併しそれは万一予測せられる事態は、それは経済上、産業上いろいろな
理由でどうもこれはむずかしいということで否決される場合があると思いますが、併しそれは否決されないで、実はそこはまあ非常にむずかしいと
考えますが、下手すると言い方の如何により、又
考え方の如何によ
つては、
仲裁裁定が、結局に、面接ではございませんが、間接にしろ
国会の
審議権を制限したりするとかいうような
工合に
考えられては困るのでございますが、併しそうではなくて、私はやはりそれらを
国会が正直に
言つてスムースに活かして頂くというように実は政治を持
つて行かないと、折角
公労法で
仲裁委員会ができても何んにもならないということになる。そこで私はそれでは
国会のほうで
仲裁委員会の意義を活かして頂くということになりますと、今度は、併し場合によ
つては率直な話が、これはどうも今の実情上因るのだということかあ
つても我慢してこれは
国会で呑んで頂く、併し客観的に
言つて呑んで頂いたが、こういう内容の
裁定では困る、国の全体の状況から
言つて非常に困るということになりますと、次に問題は、そういう
裁定を下した
委員会に対して、その点で
国会に不信任的空気があ
つたというような事態がそこに私は出ると思う、無理に呑まされたということになれば……。そうすれば現在の
仲裁委員会の機構なり何んなりに対してこれを改める必要がある。もつと
国会として信頼の赴ける、或いは
政府として信頼の置ける
仲裁委員会なり何んなりをこしらえるということにして、そうしてそこで十分満足が行ける機構なり、
状態なりがあれば、そこで出されたものは、これは無
條件で呑んで行くということは、ちよつと先ほど申上げましたように、何んですが、やはり政治として、民主主義政治としては私は呑んで頂くような
工合に運ばるべきではなかろうかと思います。従いまして原
委員の御賛同のようた御懸念も私は実は持
つておるのでございますが、併しこういう懸念が事実問題として出て来るということはあり得ることだと思いますが、若し万一出たとすれば、私は日本の民主主義政治、殊に
国会政治というものの将来に対しては、そういうことがぼつぼつ出て来たのでは非常にむしろ歎かわしいと
考えるのであります。従いまして、そういう歎かわしい事態の発生しないように
一ついろいろな方面の御
改正々、そういう懸念が大きければ大きいだけに御
改正を考慮願いたいと思
つて実は先ほどいろいろ
発言をいたしましたような次第でございます。