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堀木鎌三君
大臣も御就任に
なつてから極く間もないことでありますから、
余り細かいことには入りませんで、お
考えの方向だけをお聽きいたしたい。私不思議に思いますことは、今原
委員から
お話しになりました国家公務員の給與ベースの問題が、率直に申しますと、人事院総裁と大蔵
大臣とがあたかも担当の
大臣であ
つて、それに責任があるがごとき傾向が見えるのであります。国家公務員の給與問題というものは、民間の給與その他とやはり
均衡がありまして、
労働大臣としては
一定の
考えを以ちまして、
内閣全体についての所管
大臣としての御
意見、御指導があ
つて然るべきものじやないかと思うのであります。そういう観点から見まするときに、何と申しますか、
労働大臣の率直な御
意見をお聽かせ願いたいと思います。こういうふうに国家公務員の給與水準を人事院が昨年の暮に勧告いたしまして、最近又総選挙の前におきまして、
内閣として新らしく国家公務員の給與についても考慮するというお
考えが進んで参りましたときに、若しも国家公務員の給與が民間の給與に比して少いとお
考えになりますれば、一日も早くこれが実現の御努力をなさるべきである。こういうふうに
考えるのでありますが、殊に国家全体の予算から見まして、手数百億に近いところの債務償還が本年度の予算では行われる。そうして大蔵
大臣は来年度からは責務償還をしなくなる、止めるつもりである。こういうふうに言
つておるのでありますが、何も一遍に、二十五年度までは債務償還に多額の経費を盛
つて、来年度から全部止めてしまう。それは減税に当てるか、その他給與財源に当てるかというふうな
考え方ならば、若しも国家公務員の給與が現在他の産業の給與に比して低いとお思いになれば、そう断層的に物事をお
考えにならないで、もう少し段階的に、実情に即して、そうしておやりになることがいいとお
考えになりませんでしようか、どうでしようか。私は全体から見まして、国家
経済の全体のバランスから見まして、そういう点につきまして新
労働大臣が如何なる方向にお
考えになるか。こういうことをお伺いいたしたい、こう思うのであります。これが第一点であります。
それから第二点としてお伺いいたしますことは、私最近まで
公共企業体の仲裁
委員をいたしておりまして、この点についでは私自身も仲裁
委員の一人として責任があるわけであります。仲裁
委員会制度、
公共企業体労働関係法なるものができまして、そうして
公共企業体の
労働者、労働
関係を律するああいう制度が設けられまして、そうして現在あの第二次国鉄裁定におきまして、八千二百円の基準賃金というものが出ておるわけであります。今あの八千二百円を現在の
一般全国工業
労働者の平均賃金八千四五百円に比べますと、
労働大臣としましても、統計上これは低いということは、実質的にお
考えになり得るだろうと思います。そういうふうなことを
考えますと、実質的に低い。そうして国有鉄道なる
公共企業体の財政状態は、二十四年度と比較いたしまして、余程
改善の跡が見えております。現に、これも国家の予算と同じような
考え方でございますが、ともかくも本年度におきましては百五十億からの益金が出て参りまして、この益金が資本的な支出に全部当てられるにも拘わらず、従事員諸君の給與、待遇は従来と同じであるというふうな状態に
なつておりますので、二十四年度の予算に比較いたしますと、損益勘定において赤字を出しておりまして、そうして資本的な支出は百五十億の見返資金だけでや
つてお
つた。こういうふうな
状況でありまして、著しく経理状態が
改善の状態にある。で、支拂能力がないとは言い得ない状態でありますから、これらに対する問題につきまして、新らしい観点から解決に御努力なさろうとする御意思がございましようか、どうでございましようか、この点について第二点としてお聽きいたしたい、こう思うのであります。細かいことをこの際申上げないで、大体の傾向的なものについて、
大臣としての御所見をお伺いいたしたい、こう思
つております。